(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記事情に鑑み、鉛フリーはんだを用いて各種半導体素子を基板に搭載する場合であっても、十分なセルフアライメント効果を効率的に得ることが可能な半導体装置を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の側面によって提供される半導体装置は、半導体素子と、主面と、前記主面から窪むように形成された前記半導体素子を搭載する凹部と、を有し、かつ半導体材料からなる基板と、前記半導体素子に導通し、かつ前記基板に形成された導電層と、開口部を有し、かつ前記導電層を覆う酸化金属膜と、前記半導体素子と前記導電層との間に介在する接合層と、前記半導体素子を覆う封止樹脂と、を備え、前記接合層が前記開口部内に形成されていることを特徴としている。
【0008】
本発明の実施の形態において好ましくは、前記酸化金属膜は、CuOを含む金属からなる。
【0009】
本発明の実施の形態において好ましくは、前記酸化金属膜の厚さは、0.05〜2μmである。
【0010】
本発明の実施の形態において好ましくは、前記接合層は、Snを含む合金からなる。
【0011】
本発明の実施の形態において好ましくは、前記凹部は、前記半導体素子を搭載する底面と、前記主面および前記底面につながる連絡面とを有し、前記底面は前記基板の厚さ方向に対して直交し、前記連絡面は前記底面に対して傾斜している。
【0012】
本発明の実施の形態において好ましくは、前記底面の平面視形状は矩形状であり、複数の前記連絡面が前記底面の四辺に沿って形成されている。
【0013】
本発明の実施の形態において好ましくは、複数の前記連絡面の前記底面に対する傾斜角は、いずれも同一である。
【0014】
本発明の実施の形態において好ましくは、前記半導体材料は、単結晶材料である。
【0015】
本発明の実施の形態において好ましくは、前記半導体材料は、Siである。
【0016】
本発明の実施の形態において好ましくは、前記主面は、(100)面である。
【0017】
本発明の実施の形態において好ましくは、前記主面、前記底面および前記連絡面に形成された絶縁膜をさらに備え、前記絶縁膜は前記基板と前記導電層との間に介在している。
【0018】
本発明の実施の形態において好ましくは、前記絶縁膜は、SiO
2からなる。
【0019】
本発明の実施の形態において好ましくは、前記導電層は、互いに積層されたバリア層、シード層およびめっき層を有し、前記バリア層が前記絶縁膜に接して形成され、前記シード層が前記バリア層と前記めっき層との間に介在している。
【0020】
本発明の実施の形態において好ましくは、前記バリア層は、Tiからなる。
【0021】
本発明の実施の形態において好ましくは、前記めっき層の厚さは、前記シード層の厚さよりも厚い。
【0022】
本発明の実施の形態において好ましくは、前記シード層および前記めっき層は、ともにCuからなる。
【0023】
本発明の実施の形態において好ましくは、前記導電層は、前記主面に形成された主面導電部と、前記連絡面に形成された連絡面導電部と、前記底面に形成された底面導電部と、を含み、前記底面導電部に前記接合層が形成されている。
【0024】
本発明の実施の形態において好ましくは、前記主面導電部に導通し、かつ前記封止樹脂から露出している柱状部を有する複数の端子をさらに備える。
【0025】
本発明の実施の形態において好ましくは、前記柱状部は、Cuからなる。
【0026】
本発明の実施の形態において好ましくは、前記複数の端子は、前記封止樹脂から露出している前記柱状部の部位に形成されたパッド部をさらに有する。
【0027】
本発明の第2の側面によって提供される半導体装置の製造方法は、主面を有した半導体材料からなる基板に、底面と前記主面および前記底面につながる連絡面とを有した凹部を、前記主面から窪むように前記基板に形成する工程と、前記凹部を含む前記基板に導電層を形成する工程と、開口部を有し、かつ前記導電層を覆う酸化金属膜を形成する工程と、前記凹部に収容されるように半導体素子を前記底面に搭載する工程と、前記半導体素子を覆う封止樹脂を形成する工程と、を備え、前記半導体素子を搭載する工程では、前記底面に形成された前記導電層と前記半導体素子との間に介在し、かつ前記開口部内に配置された導電性を有する接合材を溶融させた後に固化させることで、前記半導体素子が前記底面に搭載されることを特徴としている。
【0028】
本発明の実施の形態において好ましくは、前記酸化金属膜を形成する工程では、前記導電層の表面を酸化させることで前記酸化金属膜を生成する工程と、前記酸化金属膜に対してフォトリソグラフィによりマスクを形成する工程と、エッチングにより前記酸化金属膜の一部を除去する工程と、を含む。
【0029】
本発明の実施の形態において好ましくは、前記導電層の表面を酸化させる工程では、熱酸化法により前記導電層の表面が酸化される。
【0030】
本発明の実施の形態において好ましくは、前記エッチングは、ウェットエッチングである。
【0031】
本発明の実施の形態において好ましくは、前記接合材は、電解めっきによって析出されたSnを含む合金からなる。
【0032】
本発明の実施の形態において好ましくは、前記基板に前記凹部を形成する工程では、異方性エッチングにより前記凹部が形成される。
【0033】
本発明の実施の形態において好ましくは、前記半導体材料は、単結晶材料である。
【0034】
本発明の実施の形態において好ましくは、前記半導体材料は、Siである。
【0035】
本発明の実施の形態において好ましくは、前記主面は、(100)面である。
【0036】
本発明の実施の形態において好ましくは、前記導電層を形成する工程の前に、前記凹部を含む前記基板に絶縁膜を形成する工程をさらに備える。
【0037】
本発明の実施の形態において好ましくは、前記絶縁膜を形成する工程では、熱酸化法により前記絶縁膜が形成される。
【0038】
本発明の実施の形態において好ましくは、前記導電層を形成する工程では、スパッタリング法によりバリア層およびシード層を形成する工程と、電解めっきによりめっき層を形成する工程と、を含む。
【0039】
本発明の実施の形態において好ましくは、前記半導体素子を搭載する工程の前に、前記主面に形成された導電層に導通する複数の柱状導電体を形成する工程をさらに備える。
【0040】
本発明の実施の形態において好ましくは、前記複数の柱状導電体を形成する工程では、電解めっきにより前記複数の柱状導電体が形成される。
【0041】
本発明の実施の形態において好ましくは、前記封止樹脂を形成する工程の後に、前記複数の柱状導電体のそれぞれに接するパッド層を形成する工程をさらに備える。
【0042】
本発明の実施の形態において好ましくは、前記パッド層を形成する工程では、無電解めっきにより前記パッド層が形成される。
【発明の効果】
【0043】
本発明によれば、前記半導体装置において、前記半導体素子と前記導電層との間に介在する前記接合層が前記酸化金属膜の前記開口部に形成されている。このような構成をとることで、前記基板に前記半導体素子を搭載する工程において、リフローにより溶融し液相状態となった前記接合材(前記接合層と同質)が、前記酸化金属膜から前記接合材の表面張力に起因した反力を受ける。該反力によって液相状態の前記接合材に変形が生じ、前記半導体素子の搭載位置が自動修復されるセルフアライメント効果が得られる。このとき、前記接合材に対するリフローは1回のみでよい。したがって、比較的濡れ性が低い鉛フリーはんだからなる前記接合材を用いて前記半導体素子を前記基板に搭載する場合であっても、十分なセルフアライメント効果を効率的に得ることが可能となる。
【0044】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面に基づき以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【発明を実施するための形態】
【0046】
本発明にかかる半導体装置の実施の形態について、添付図面に基づいて説明する。
【0047】
図1〜
図5に基づき、本発明の実施形態にかかる半導体装置A10について説明する。説明の便宜上、平面図の左右方向を第1方向Xと、第1方向Xに対して直角である平面図の上下方向を第2方向Yとそれぞれ定義する。第1方向Xおよび第2方向Yは、ともに半導体装置A10(または後述する基板1)の厚さ方向Zに対して直角である。
【0048】
図1は、半導体装置A10を示す要部平面図である。
図2は、
図1のII−II線(一点鎖線)に沿う断面図である。
図3は、
図1のIII−III線に沿う断面図である。
図4は、
図1のIV−IV線に沿う断面図である。
図5は、
図2の部分拡大図である。なお、
図1は理解の便宜上、後述する絶縁膜15、酸化金属膜24および封止樹脂4を省略し、後述する酸化金属膜24の開口部241および端子開口部242を想像線(二点鎖線)で示している。
【0049】
本実施形態の半導体装置A10は、基板1、絶縁膜15、導電層20、酸化金属膜24、複数の端子25、半導体素子31、接合層32および封止樹脂4を備えている。半導体装置A10は、各種電子機器の回路基板に表面実装される形式のものである。本実施形態においては、半導体装置A10は平面視矩形状である。
【0050】
基板1は、半導体素子31を搭載し、半導体装置A10の基礎となる部材である。基板1は、単結晶材料である半導体材料からなり、本実施形態においては、Siの単結晶材料である。
図1に示すように、基板1は平面視矩形状である。基板1は、主面11、裏面12、側面13および凹部14を有する。
【0051】
主面11は、
図2および
図3に示す基板1の上面である。主面11に複数の端子25が形成されているため、主面11は半導体装置A10を各種電子機器の回路基板に実装する際に利用される面である。裏面12は、
図2および
図3に示す基板1の下面である。半導体装置A10が実装された際、裏面12は上方を向く。
図2および
図3に示すように、主面11および裏面12は、ともに基板1の厚さ方向Zに対して直交している。主面11および裏面12は、基板1の厚さ方向Zにおいて互いに反対側を向いている。主面11および裏面12は、ともに平たんである。本実施形態においては、主面11は(100)面である。また、
図1および
図2に示すように、本実施形態においては、基板1には主面11から窪む凹部14が形成されている。凹部14が形成されていることにより、
図1に示すように、平面視において主面11は、凹部14を囲む枠状となっている。
【0052】
図2および
図3に示すように、側面13は、主面11と裏面12との間に挟まれた、第1方向X、または第2方向Yの外側を向く4つの面である。本実施形態においては、複数の側面13は、いずれも主面11および裏面12に対して直交している。また、複数の側面13は、いずれも平たんである。
【0053】
図1〜
図3に示すように、凹部14は、主面11から窪むように形成された、半導体素子31を搭載する部位である。凹部14は、基板1の厚さ方向Zにおいて基板1を貫通していない。凹部14は、底面141および連絡面142を有する。本実施形態においては、凹部14は平面視矩形状である。底面141は、半導体素子31が搭載される面である。底面141は、基板1の厚さ方向Zに対して直交している。底面141の平面視形状は矩形状であり、かつ平たんである。
【0054】
図1〜
図3に示すように、連絡面142は、主面11および底面141につながる面である。基板1の厚さ方向Zにおいて、
図2および
図3に示す連絡面142の上端が主面11につながり、
図2および
図3に示す連絡面142の下端が底面141につながっている。連絡面142は、底面141に対して傾斜している。本実施形態においては、連絡面142は4つの複数面からなる。複数の連絡面142が、底面141の四辺に沿って形成されている。ここで、本実施形態においては、主面11を(100)面としているため、複数の連絡面142はいずれも(111)面からなる。したがって、複数の連絡面142の底面141に対するそれぞれの傾斜角はいずれも同一であり、その角度は54.74°である。
【0055】
絶縁膜15は、
図2〜
図5に示すように、基板1の主面11、底面141および連絡面142の全体を覆うように形成された、電気絶縁性を有する被膜である。絶縁膜15は、基板1と導電層20との間に介在している。本実施形態においては、絶縁膜15はSiO
2からなる。また、本実施形態においては、絶縁膜15の厚さは1〜2μmである。基板1は半導体材料であるとともに、
図1に示すように、導電層20は基板1に形成されることから、基板1において導電層20が形成される部位は電気絶縁性を確保する必要がある。
【0056】
導電層20は、複数の端子25とともに、半導体装置A10と各種電子機器の回路基板との導電経路を構成する部材である。
図1に示すように、導電層20は、基板1の主面11、底面141および連絡面142に形成されている。また、
図2、
図3および
図5に示すように、導電層20は接合層32を介して半導体素子31に導通している。なお、
図1に示すように、本実施形態においては、複数の連絡面142のうち導電層20が形成されている面は第1方向Xに離間した一対の連絡面142であり、第2方向Yに離間した一対の連絡面142には導電層20が形成されていない。
【0057】
図2〜
図5に示すように、導電層20は絶縁膜15に接して形成され、互いに積層されたバリア層201、シード層202およびめっき層203を有する。
図5に示すように、バリア層201が絶縁膜15に接して形成されている。本実施形態においては、バリア層201はTiからなる。また、
図5に示すように、シード層202がバリア層201に接して形成され、めっき層203がシード層202に接して形成されていることから、シード層202がバリア層201とめっき層203との間に介在している。本実施形態においては、シード層202およびめっき層203は、ともにCuからなる。シード層202およびめっき層203がCuであることから、バリア層201は絶縁膜15へのCu拡散防止のために形成される。本実施形態においては、バリア層201の厚さは50〜200nmである。シード層202は、めっき層203の円滑な形成を図る目的で形成される。本実施形態においては、シード層202の厚さは150〜800nmであり、めっき層203の厚さは3〜30μmである。したがって、めっき層203の厚さは、シード層202の厚さよりも厚い。
【0058】
導電層20は、主面導電部21、連絡面導電部22および底面導電部23を含む。
【0059】
図1に示すように、主面導電部21は、主面11に形成された平面視矩形状の部位である。本実施形態においては、主面導電部21は、第2方向Yに延出した主面11と連絡面142との交線に沿って形成されている。主面導電部21は、前記交線において連絡面導電部22につながっている。また、
図2および
図4に示すように、主面導電部21に複数の端子25が形成されている。
【0060】
図1に示すように、連絡面導電部22は、第1方向Xに離間した一対の連絡面142に形成された平面視矩形状の部位である。本実施形態においては、連絡面導電部22は、第1方向Xに平行となるように形成されている。また、基板1の厚さ方向Zにおいて、
図2に示す連絡面導電部22の上端が主面導電部21につながり、
図2に示す連絡面導電部22の下端が底面導電部23につながっている。
【0061】
図1に示すように、底面導電部23は、底面141に形成された平面視矩形状の部位である。本実施形態においては、底面導電部23は、第2方向Yに延出した底面141と連絡面142との交線において連絡面導電部22につながり、該交線に沿って底面141の内側に向かって延出している。
図2および
図3に示すように、底面導電部23に接合層32が形成され、かつ半導体素子31が搭載されている。
【0062】
酸化金属膜24は、
図2〜
図5に示すように導電層20を覆う金属膜である。酸化金属膜24は、後述する導電層82の表面を酸化させることで形成される。したがって、本実施形態においては、導電層82の外側に位置するめっき層203がCuからなるため、酸化金属膜24はCuOを含む金属からなる。また、本実施形態においては、酸化金属膜24の厚さは0.05〜2μmである。酸化金属膜24は、開口部241および端子開口部242を有する。
図1〜
図3に示すように、開口部241は、底面導電部23を覆う酸化金属膜24に形成された、平面視矩形状の部位である。
図1、
図2および
図4に示すように、端子開口部242は、主面導電部21を覆う酸化金属膜24に形成された、平面視円形状の部位である。開口部241および端子開口部242から、ともにめっき層203が露出している。
【0063】
複数の端子25は、半導体装置A10を各種電子機器の回路基板に実装するために用いられる部材である。複数の端子25は、いずれも主面導電部21につながっている。複数の端子25は、導電層20および接合層32を介して半導体素子31に導通している。本実施形態においては、複数の端子25はそれぞれ、柱状部251およびパッド部252を有する。
【0064】
図1、
図2および
図4に示すように、柱状部251は、主面導電部21に導通する部位である。基板1の厚さ方向Zにおいて、
図2および
図4に示す柱状部251の下端が主面導電部21につながり、
図2および
図4に示す柱状部251の上端が封止樹脂4から露出している。本実施形態においては、柱状部251が酸化金属膜24の端子開口部242内に形成されている。また、本実施形態においては、柱状部251の形状は円柱状であるとともに、柱状部251はCuからなる。
【0065】
図1に示すように、パッド部252は、平面視矩形状の部位である。基板1の厚さ方向Zにおいて、パッド部252は、封止樹脂4から露出している
図2および
図4に示す柱状部251の上端に形成され、かつ柱状部251の該上端の全体に接している。また、パッド部252は、平面視において主面導電部21および封止樹脂4のそれぞれの一部ずつと重なっている。本実施形態においては、パッド部252は、たとえば互いに積層されたNi層、Pd層およびAu層からなる。
【0066】
なお、
図1に示す導電層20および複数の端子25の配置形態は一例であり、実際の半導体装置A10における導電層20および複数の端子25の配置形態は、これに限定されない。
【0067】
半導体素子31は、
図1〜
図3に示すように、底面141に形成された底面導電部23に接合層32を介して搭載されている。本実施形態においては、半導体素子31は、たとえば集積回路(IC)である。また、
図5に示す半導体素子31の下面に電極バンプ311が形成されている。電極バンプ311は、たとえばCuからなる。
【0068】
接合層32は、
図2、
図3および
図5に示すように、半導体素子31の電極バンプ311と導電層20の底面導電部23との間に介在している。接合層32は、導電性を有する。接合層32により、半導体素子31は底面導電部23に固着によって搭載され、かつ半導体素子31と底面導電部23との導通が確保される。本実施形態においては、接合層32が酸化金属膜24の開口部241内に形成されている。
接合層32は、開口部241から厚さ方向Zに立ち上がっている。また、本実施形態においては、接合層32はSnを含む合金からなる。該合金として具体的には、Sn―Sb系合金、またはSn―Ag系合金などの鉛フリーはんだである。
【0069】
封止樹脂4は、たとえば電気絶縁性を有する黒色のエポキシ樹脂からなる。
図2〜
図4に示すように、封止樹脂4は凹部14内に充填され、かつ平面視において柱状部251が形成された部分を除いた主面11を覆っている。あわせて、封止樹脂4は半導体素子31を覆っている。封止樹脂4は、樹脂主面41および樹脂側面43を有する。樹脂主面41および樹脂側面43は、半導体装置A10においていずれも露出した面である。
【0070】
図2〜
図4に示すように、樹脂主面41は主面11と同方向を向く面である。樹脂主面41は平たんである。本実施形態においては、樹脂主面41は、
図2および
図4に示す複数の柱状部251のそれぞれの上端と面一である。また、樹脂側面43は樹脂主面41と絶縁膜15との間に挟まれた、第1方向X、または第2方向Yの外側を向く4つの面である。複数の樹脂側面43は、いずれも平たんである。本実施形態においては、複数の樹脂側面43はそれぞれ、基板1の側面13と面一である。
【0071】
次に、
図6〜
図26に基づき、半導体装置A10の製造方法の一例について説明する。
図6〜
図26のうち、
図10、
図18、
図23および
図26を除く図は、半導体装置A10の製造方法にかかる工程を示す断面図である。該断面は、
図2に示す断面と同一である。
図10は、
図9に示す工程を経たときの後述する基板81の状態を示す斜視図である。
図18は、
図17に示す工程を経たときの基板81の状態を示す部分拡大斜視図である。
図23は、
図22に示す工程において、後述する接合材832の状態を示す部分拡大断面図である。
図26は、半導体装置A10の製造方法にかかる工程を示す平面図である。なお、
図19は、理解の便宜上、後述する絶縁膜815、バリア層821およびシード層822を省略している。
【0072】
最初に、
図6に示すように基板81を用意する。基板81は、半導体装置A10の基板1の集合体である。基板81は、単結晶材料である半導体材料からなり、本実施形態においてはSiの単結晶材料である。基板81は、主面811、裏面812およびマスク層881を有する。主面811は、
図6に示す基板81の上面である。裏面812は、
図6に示す基板81の下面である。主面811および裏面812は、基板81の厚さ方向Zにおいて互いに反対側を向いている。主面811および裏面812は、ともに平たんである。本実施形態においては、主面811は(100)面である。マスク層881は、主面811に形成されたSi
3N
4からなる層である。マスク層881は、プラズマCVD法により形成される。
【0073】
次いで、
図7に示すように、マスク層881に対してフォトリソグラフィによりマスクを形成した後、ドライエッチングの代表例である反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)により、マスク層881を部分的に除去する。このとき、マスク層881がSi
3N
4からなる層であれば、たとえばCF
4をエッチングガスとする。これにより、マスク層881には、第1方向Xおよび第2方向Yのそれぞれに離間した複数の開口部が形成される。前記複数の開口部からそれぞれ、主面811が露出する。前記複数の開口部は、いずれも平面視矩形状(図示略)である。なお、
図7は、ある一つの前記開口部の断面を示している。
【0074】
次いで、
図8に示すように、主面811から窪むように、基板81に凹部814を形成する。凹部814が、半導体装置A10の凹部14に相当する。凹部814は、平面視矩形状の底面814aと、主面811および底面814aにつながる連絡面814bとを有する。本実施形態においては、連絡面814bは、底面814aの四辺に沿って形成された4つの複数面で、
図8に示す複数の連絡面814bのそれぞれの下端は、底面814aにつながっている。また、
図8に示す複数の連絡面814bのそれぞれの上端は、主面811につながっている。凹部814は、アルカリ溶液を用いた異方性エッチングにより形成される。前記アルカリ溶液は、たとえばKOH(水酸化カリウム)溶液、またはTMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)溶液である。本実施形態においては、主面811を(100)面としているため、複数の連絡面814bはいずれも(111)面からなる。該工程により、マスク層881に形成された前記複数の開口部のそれぞれにおいて、凹部814が形成される。
【0075】
次いで、
図9に示すように、マスク層881がSi
3N
4からなる層であれば、たとえばCF
4をエッチングガスとした反応性イオンエッチング、または加熱リン酸溶液を用いたウェットエッチングにより、主面811に形成されたマスク層881を全て除去する。
図10は、マスク層881を全て除去したときの基板81の状態を斜視図として示したものである。
図10に示すように、第1方向Xおよび第2方向Yのそれぞれに離間した複数の凹部814が、主面811が窪むように基板81に形成される。参考に、基板81における半導体装置A10の基板1に相当する範囲を、
図10に想像線(二点鎖線)で示す。
【0076】
次いで、
図11に示すように、凹部814を含む基板81に絶縁膜815を形成する。絶縁膜815が、半導体装置A10の絶縁膜15に相当する。本実施形態においては、絶縁膜815はSiO
2からなり、その厚さは1〜2μmである。絶縁膜815は、主面811に加え、凹部814を構成する底面814aおよび連絡面814bを熱酸化法により酸化させることで形成される。
【0077】
次いで、凹部814を含む基板81に導電層82を形成する。導電層82を形成する工程では、バリア層821およびシード層822を形成する工程と、めっき層823を形成する工程とを含む。
【0078】
まず、
図12に示すように、基板81にバリア層821およびシード層822をそれぞれ形成する。バリア層821およびシード層822の形成範囲は、絶縁膜815の形成範囲と同一である。先に、絶縁膜815に接するバリア層821を形成し、その後、バリア層821に接するシード層822を形成する。バリア層821およびシード層822は、ともにスパッタリング法により形成される。本実施形態においては、バリア層821はTiからなり、その厚さは50〜200nmである。また、本実施形態においては、シード層822はCuからなり、その厚さは150〜800nmである。
【0079】
次いで、シード層822に対してフォトリソグラフィによりマスクを形成する。
図13に示すように、基板81に第1レジスト層882を形成した後、第1レジスト層882に対して露光・現像を行うことで、シード層822に対してマスクが形成される。第1レジスト層882の形成範囲は、絶縁膜815の形成範囲と同一である。第1レジスト層882は、レジストをたとえばスプレー塗布することにより形成される。本実施形態においては、該レジストはポジ型レジストであるため、露光された第1レジスト層882の部分が、現像に用いられる現像液によって除去される。
【0080】
次いで、
図14に示すように、基板81にめっき層823を形成する。めっき層823は、第1レジスト層882が現像により除去された部分、すなわちシード層822が露出した部分に形成される。めっき層823は、電解めっきにより形成される。本実施形態においては、めっき層823はCuからなる。該工程において形成するめっき層823の厚さは、半導体装置A10のめっき層203の厚さ3〜30μmに、後述する酸化金属膜824の厚さを加えて設定する必要がある。該工程により、基板81に導電層82が形成される。
【0081】
次いで、導電層82を覆う酸化金属膜824を形成する。酸化金属膜824は、底面814aに位置する開口部824aと、主面811に位置する端子開口部824bとを有する。開口部824aおよび端子開口部824bから、ともにめっき層823が露出する。酸化金属膜824を形成する工程では、導電層82の表面を酸化させることで酸化金属膜824を生成する工程と、酸化金属膜824に対してフォトリソグラフィによりマスクを形成する工程と、エッチングにより酸化金属膜824の一部を除去する工程とを含む。
【0082】
まず、
図15に示すように、熱酸化法により、または基板81を酸素プラズマ雰囲気に曝露させることで、導電層82の表面を酸化させる。その後、基板81に形成された第1レジスト層882を全て除去する。該工程により、導電層82の全体を覆う酸化金属膜824が生成される。本実施形態においては、めっき層823の一部が酸化されることにより酸化金属膜824が生成されることから、酸化金属膜824はCuOを含む金属からなる。該工程において形成する酸化金属膜824の厚さは、半導体装置A10の酸化金属膜24の厚さ0.05〜2μmに、バリア層821およびシード層822の厚さを加えて設定する必要がある。後述する
図21に示す工程において、めっき層823に覆われていない不要なバリア層821およびシード層822を除去した際、酸化金属膜824の表層部もあわせて除去されるためである。
【0083】
次いで、
図16に示すように、酸化金属膜824に対してフォトリソグラフィによりマスクを形成した後、エッチングにより酸化金属膜824の一部を除去する。基板81に第2レジスト層883を形成した後、第2レジスト層883に対して露光・現像を行うことで、酸化金属膜824に対してマスクが形成される。第2レジスト層883の形成範囲、材質および形成方法は、いずれも第1レジスト層882と同一である。このとき、第2レジスト層883に貫通孔883aが複数形成される。貫通孔883aの形状は直方体状(図示略)である。その後、エッチングにより底面814aに位置する酸化金属膜824の一部を除去する。該エッチングは、たとえば硫酸(H
2SO
4)および過酸化水素(H
2O
2)との混合溶液を用いたウェットエッチングである。このとき、底面814aに位置する酸化金属膜824に開口部824aが形成される。開口部824aの平面視形状は矩形状(図示略)である。開口部824aが、半導体装置A10の開口部241に相当する。
【0084】
次いで、
図17に示すように、開口部824aおよび貫通孔883a内を埋めるように接合材832を配置した後、基板81に形成された第2レジスト層883を全て除去する。接合材832は導電性を有する。本実施形態においては、接合材832は、基板81に形成されたシード層822を活用した電解めっきによって、開口部824aから露出しためっき層823に析出されたSnを含む合金からなる。該合金として具体的には、Sn―Sb系合金、またはSn―Ag系合金などの鉛フリーはんだである。該工程により、開口部824a内に接合材832が配置される。
【0085】
図18に示すように、基板81に形成された第2レジスト層883を全て除去したとき、底面814aに形成された導電層82に、開口部824aを有した酸化金属膜824と、開口部824a内に配置された接合材832とがそれぞれ現れる。本実施形態においては、開口部824aの平面視形状は矩形状である。また、基板81の厚さ方向Zにおいて、接合材832は、酸化金属膜824に対して
図18に示す上方に向かって突出している。
【0086】
次いで、主面811に形成された導電層82に導通する複数の柱状導電体825を形成する。柱状導電体825が、半導体装置A10の端子25の柱状部251に相当する。
図19に示すように、酸化金属膜824に対してフォトリソグラフィによりマスクを形成した後、エッチングにより酸化金属膜824の一部を除去する。基板81に第3レジスト層884を形成した後、第3レジスト層884に対して露光・現像を行うことで、酸化金属膜824に対してマスクが形成される。第3レジスト層884の形成範囲、材質および形成方法は、いずれも第1レジスト層882と同一である。このとき、第3レジスト層884に貫通孔884aが複数形成される。貫通孔884aの形状は円柱状(図示略)である。その後、
図16に示す工程と同様のウェットエッチングにより、主面811に位置する酸化金属膜824の一部を除去する。このとき、主面811に位置する酸化金属膜824に、端子開口部824bが形成される。端子開口部824bの平面視形状は円形状(図示略)である。端子開口部824bが、半導体装置A10の端子開口部242に相当する。
【0087】
次いで、
図20に示すように、複数の柱状導電体825を形成した後、基板81に形成された第3レジスト層884を全て除去する。本実施形態においては、基板81に形成されたシード層822を活用した電解めっきによって、端子開口部824bから露出しためっき層823にCuを析出させることで、端子開口部824bおよび貫通孔884a内を埋めるように柱状導電体825が複数形成される。
【0088】
次いで、
図21に示すように、めっき層823に覆われていない不要なバリア層821およびシード層822を全て除去する。バリア層821およびシード層822は、たとえばウェットエッチングにより除去される。バリア層821およびシード層822が除去された部分から絶縁膜815が露出する。このとき、酸化金属膜824、柱状導電体825および接合材832についても、バリア層821およびシード層822の層厚に相当する厚さの分だけ該ウェットエッチングにより除去される。該工程を経た導電層82および酸化金属膜824が、それぞれ半導体装置A10の導電層20および酸化金属膜24に相当する。
【0089】
次いで、
図22に示すように、凹部814に収容されるように半導体素子831を底面814aに搭載する。半導体素子831が、半導体装置A10の半導体素子31に相当する。半導体素子831の搭載はFCBにより行う。半導体素子831にフラックス(図示略)を塗布した後、たとえばフリップチップボンダ(図示略)を用いて半導体素子831を接合材832上に仮付けする。このとき、接合材832は、底面814aに形成された導電層82と半導体素子831との間に介在した状態となる。そして、リフローにより接合材832を溶融させた後に、冷却により接合材832を固化させる。この過程を経ることで、半導体素子831が底面814aに搭載される。
【0090】
半導体素子831を底面814aに搭載する工程において、接合材832をリフローにより溶融させたときの状態を
図23に示す。
図23に示す半導体素子831の下面には、たとえばCuからなる電極バンプ831aが形成されている。溶融されて液相状態となった接合材832は、
図23に示すその上端が電極バンプ831aに、
図23に示すその下端が導電層82のめっき層823にそれぞれ接触している。この状態において、半導体素子831に所定の搭載位置に対して第1方向XのずれΔlが生じているものとする。このとき、接合材832が酸化金属膜824の開口部824aの側面に接触すると、接合材832の表面張力に起因した反力が接合材832に作用する。該反力は、
図23に示す矢印の方向に作用する。該反力によって液相状態の接合材832にずれΔlが小さくなるような変形が生じることから、半導体素子831の搭載位置が自動修復されるセルフアライメント効果が得られる。
【0091】
次いで、
図24に示すように、基板81に半導体素子831を覆う封止樹脂84を形成する。封止樹脂84が、半導体装置A10の封止樹脂4に相当する。封止樹脂84は、基板81に形成された凹部814を充填し、かつ複数の柱状導電体825および半導体素子831を完全に覆うように形成する。封止樹脂84は、たとえば電気絶縁性を有する黒色のエポキシ樹脂からなる。
【0092】
次いで、
図25に示すように、封止樹脂84の上部を研削し、複数の柱状導電体825の上端を封止樹脂84から露出させる。このとき、
図25に示す封止樹脂84の上面が樹脂主面841となり、複数の柱状導電体825の上端はそれぞれ、樹脂主面841と面一となる。その後、樹脂主面841から露出した複数の柱状導電体825のそれぞれに接するパッド層826を形成する。パッド層826が、半導体装置A10の端子25のパッド部252に相当する。本実施形態においては、パッド層826は、無電解めっきによりNiめっき層、Pdめっき層およびAuめっき層の順に各めっき層を析出させることで形成される。
【0093】
次いで、
図26に示すように、基板81を第1方向Xおよび第2方向Yに配置された切断線CLに沿って切断(ダイシング)することで、半導体素子831ごとの個片に分割する。切断にあたっては、たとえばプラズマダイシングにより行う。前記個片が半導体装置A10となる。以上の工程を経ることにより、半導体装置A10が製造される。
【0094】
次に、半導体装置A10の作用効果について説明する。
【0095】
本実施形態によれば、半導体装置A10において、半導体素子31と導電層20との間に介在する接合層32が酸化金属膜24の開口部241に形成されている。このような構成をとることで、基板81(基板1と同質)に半導体素子831(半導体素子31と同質)を搭載する工程において、リフローにより溶融し液相状態となった接合材832(接合層32と同質)が、酸化金属膜824(酸化金属膜24と等質)から
図23に示す矢印の方向に、接合材832の表面張力に起因した反力を受ける。該反力によって、液相状態の接合材832に前記矢印の方向の変形が生じることから、半導体素子831の搭載位置が自動修復されるセルフアライメント効果が得られる。このとき、接合材832に対するリフローは1回のみでよい。したがって、比較的濡れ性が低い鉛フリーはんだからなる接合材832を用いて半導体素子831を基板81に搭載する場合であっても、十分なセルフアライメント効果を効率的に得ることが可能となる。
【0096】
また、本実施形態によれば、
図2〜
図4に示すように、柱状部251を有した端子25を形成することで、基板1の主面11に対して封止樹脂4が突出した形態となっている。ここで、凹部14は、半導体装置A10の製造などの都合上、その形状が制限されやすく、条件によっては凹部14内に搭載される半導体素子31が主面11から突出することがある。このような場合であっても、半導体素子31の設計変更を行わずに半導体素子31を封止樹脂4によって完全に覆い、半導体装置A10のパッケージを適切に行うことができる。
【0097】
半導体装置A10の製造において、酸化金属膜824の開口部824aの形成に必要なマスクは、接合材832を配置するために形成されるマスク(第2レジスト層883)と兼用することができる。このことは、半導体装置A10の製造工程の省力化に寄与する。
【0098】
また、半導体装置A10の製造において、酸化金属膜824の開口部824aおよび端子開口部824bは、ともにウェットエッチングにより形成される。ウェットエッチングは反応性イオンエッチングと比較して、開口部824aおよび端子開口部824bから露出するめっき層823の表面に、導通の阻害となる不純物が生成することを防ぐ効果がある。
【0099】
本発明にかかる半導体装置は、先述した実施の形態に限定されるものではない。本発明にかかる半導体装置の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。