特許第6571449号(P6571449)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6571449
(24)【登録日】2019年8月16日
(45)【発行日】2019年9月4日
(54)【発明の名称】封緘機
(51)【国際特許分類】
   B65B 51/06 20060101AFI20190826BHJP
【FI】
   B65B51/06 D
   B65B51/06 C
【請求項の数】7
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2015-164646(P2015-164646)
(22)【出願日】2015年8月24日
(65)【公開番号】特開2017-43364(P2017-43364A)
(43)【公開日】2017年3月2日
【審査請求日】2018年8月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000142034
【氏名又は名称】株式会社共和
(74)【代理人】
【識別番号】110001379
【氏名又は名称】特許業務法人 大島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】野澤 明将
(72)【発明者】
【氏名】山岡 尚
【審査官】 田中 佑果
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−171614(JP,A)
【文献】 特開昭49−016500(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0151207(US,A1)
【文献】 特開平10−297617(JP,A)
【文献】 実開昭58−084226(JP,U)
【文献】 米国特許第02255954(US,A)
【文献】 米国特許第04215522(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 51/00−51/32
B31B 50/00−50/99
B31B 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下に延びる多角筒形の胴部と、前記胴部の上縁に設けられた複数の上フラップと、前記胴部の下縁に設けられた複数の下フラップとを有する函体を封緘する封緘機であって、
ベースと、
前記ベースに設けられ、前記下フラップが折り曲げられて下部が閉じられた前記函体を下方から支持する支持装置と、
前記ベースに設けられ、前記支持装置に支持された前記函体の前記胴部の左右両側面に接触し、摩擦力によって前記胴部を前方に送り出す搬送装置と、
前記ベースに設けられ、前方に移動する前記函体に対して、前記函体の上部を閉じるように折り曲げられた前記上フラップ及び前記函体の下部を閉じるように折り曲げられた前記下フラップの少なくとも一方にテープを貼り付けるテープ貼付装置とを有し、
前記搬送装置は、上下に延びる回転軸線を有し、前記胴部との接触面が左右内方を向く左右一対のサイドベルトコンベアを有し、
前記サイドベルトコンベアは、前後方向に対する前記接触面の角度を変更可能、かつ前進する前記函体によって左右外方に押されたときに左右外方に移動可能に前記ベースに支持され、
前記搬送装置は、前記サイドベルトコンベアを左右内方に付勢し、前進する前記函体の前記胴部の左右側面と前記サイドベルトコンベアの前記接触面との接触を維持する付勢装置を有し、
前記付勢装置は、前記サイドベルトコンベアを前記ベースに対して左右内方に付勢する流体シリンダ装置を含み、
前記流体シリンダ装置は、最も伸張した状態において前記サイドベルトコンベアを初期位置に配置すると共に、前記函体が前進するときに前記函体に押されて収縮可能なように内圧が設定されていることを特徴とする封緘機。
【請求項2】
前記付勢装置は、前記サイドベルトコンベアの前部及び後部の少なくとも2点を左右内方に付勢することを特徴とする請求項1に記載の封緘機。
【請求項3】
前記搬送装置は、
前記ベースに上下に延びる回動軸線を中心として回動可能に支持されると共に、前記サイドベルトコンベアの後部を上下に延びる回動軸線を中心として回動可能に支持する後アームと、
前記ベースに上下に延びる回動軸線を中心として回動可能に支持されると共に、前記サイドベルトコンベアの前部を上下に延びる回動軸線を中心として回動可能に支持する前アームとを有し、
前記流体シリンダ装置は、前記ベースに対して前記後アームを変位させる第1流体シリンダ装置と、前記後アームに対して前記前アームを変位させる第2流体シリンダ装置とを含み、
前記第1流体シリンダ装置の少なくとも一方の端部は、前記ベース又は前記後アームに対して位置調節可能に結合され、
前記第2流体シリンダ装置の少なくとも一方の端部は、前記後アーム又は前記前アームに対して位置調節可能に結合されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の封緘機。
【請求項4】
前記搬送装置は、左右対称の構成を有し、
左右の前記後アームは、動力伝達機構を介して互いに連結され、互いに左右対称形に回
動することを特徴とする請求項3に記載の封緘機。
【請求項5】
前記上フラップは、前記胴部の前側の上縁に設けられた前上フラップと、前記胴部の後側の上縁に設けられた後上フラップと、前記胴部の左側の上縁に設けられた左上フラップと、前記胴部の右側の上縁に設けられた右上フラップとを有し、
前記ベースに設けられ、前記支持装置上を前記函体が前進するときに前記後上フラップを後方から押し、前記後上フラップを前方に折り曲げる後上フラップ折曲装置と、
前記ベースに設けられ、前記支持装置上を前記函体が前進するときに前記前上フラップに前方から突き当たって前記前上フラップを後方に折り曲げる前上フラップ折曲装置と、
折り曲げられた前記前上フラップ及び前記後上フラップを上方から押すことによって、折り曲げられた状態に維持する押さえ部材と、
前記ベースに設けられ、前後に延びる回動軸線を中心として回動すると共に、先端部に係止部を備えた左右一対のサイドフラップ折曲装置とを有し、
左右の前記サイドフラップ折曲装置は、左右内側に回動することによって、前記係止部において前記左上フラップ及び前記右上フラップの先端縁を係止し、前記左上フラップ及び前記右上フラップを前記胴部に対して左右内方に折り曲げることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1つの項に記載の封緘機。
【請求項6】
前記係止部は、前記左上フラップ及び前記右上フラップの先端部の外面及び端面に対向するL字形に形成されていることを特徴とする請求項5に記載の封緘機。
【請求項7】
前記係止部は、前記左上フラップ及び前記右上フラップの先端部の両面及び端面を囲むコ字形に形成されていることを特徴とする請求項5に記載の封緘機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、函体の封緘機に関する。
【背景技術】
【0002】
胴部と、胴部の上縁に設けられた前後一対の内フラップ及び左右一対の外フラップとを有する函体に対して、各内フラップを内側に折り曲げた後に各外フラップを内側に折り曲げ、各外フラップの突き合わせ部に前後に延びるようにテープを貼り付けて封緘する封緘装置が知られている(例えば、特許文献1)。特許文献1に係る封緘機は、左右一対のサイドベルトコンベアからなる搬送装置(移送機構)を有する。各サイドベルトコンベアは、上下に延びる回転軸を有し、それぞれの接触面が左右内方を向くように前後に延在している。左右のサイドベルトコンベアは、函体の胴部の左右の側面に接触し、摩擦力によって函体を前方に送り出す。搬送装置によって前方に送り出される函体は、前方に移動する過程において各内フラップ及び外フラップが折り曲げられると共に、テープが前後に貼り付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−85856号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に係る搬送装置は、左右のサイドベルトコンベア間の距離が固定されているため、例えば直方体の函体等の胴部の左右の両側面が前後方向と平行に配置される函体にしか使用することができない。そのため、例えば、前部の左右幅に対して後部の左右幅が大きい台形状の函体は搬送することができない。このように、従来の封緘機は、直方体等の特定の形状の函体にしか利用することができず、汎用性が低いという問題がある。
【0005】
本発明は、以上の背景に鑑み、様々な形状の函体を封緘可能な封緘機を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、上下に延びる多角筒形の胴部(P)と、前記胴部の上縁に設けられた複数の上フラップ(U)と、前記胴部の下縁に設けられた複数の下フラップ(L)とを有する函体(B)を封緘する封緘機(1)であって、ベース(2)と、前記ベースに設けられ、前記下フラップが折り曲げられて下部が閉じられた前記函体を下方から支持する支持装置(3)と、前記ベースに設けられ、前記支持装置に支持された前記函体の前記胴部の左右両側面に接触し、摩擦力によって前記胴部を前方に送り出す搬送装置(4)と、前記ベースに設けられ、前方に移動する前記函体に対して、前記函体の上部を閉じるように折り曲げられた前記上フラップ及び前記函体の下部を閉じるように折り曲げられた前記下フラップの少なくとも一方にテープを貼り付けるテープ貼付装置(8又は9)とを有し、前記搬送装置は、上下に延びる回転軸線を有し、前記胴部との接触面(13E)が左右内方を向く左右一対のサイドベルトコンベア(13)を有し、前記サイドベルトコンベアは、前後方向に対する前記接触面の角度を変更可能、かつ前進する前記函体によって左右外方に押されたときに左右外方に移動可能に前記ベースに支持されていることを特徴とする。
【0007】
この態様によれば、平面視において前部の左右幅に対して後部の左右幅が大きい台形状の函体を搬送装置によって前方に搬送することができる。左右のサイドベルトコンベアの接触面に函体の左右の傾斜した側面が接触すると、函体は摩擦力によって前方に移動する。このとき、左右のサイドベルトコンベアは、前進する函体から左右外方に荷重を受けることによって左右外方に移動する。これにより、函体と左右のサイドベルトコンベアとの接触が維持されながら、左右のサイドベルトコンベアの間に函体が通過可能な通路が形成される。
【0008】
また、上記の態様において、前記搬送装置は、前記サイドベルトコンベアを左右内方に付勢し、前進する前記函体の前記胴部の左右側面と前記サイドベルトコンベアの前記接触面との接触を維持する付勢装置(21、25)を有するとよい。
【0009】
この態様によれば、付勢装置によってサイドベルトコンベアと函体の側部との接触が維持され、サイドベルトコンベアから摩擦力によって函体に駆動力が伝達され、函体が前進する。
【0010】
また、上記の態様において、前記付勢装置は、前記サイドベルトコンベアの前部及び後部の少なくとも2点を左右内方に付勢するとよい。
【0011】
この態様によれば、サイドベルトコンベアと函体との接触が一層確実に維持される。
【0012】
また、上記の態様において、前記付勢装置は、前記サイドベルトコンベアを前記ベースに対して左右内方に付勢する流体シリンダ装置を含み、前記流体シリンダ装置は、最も伸張した状態において前記サイドベルトコンベアを初期位置に配置すると共に、前記函体が前進するときに前記函体に押されて収縮可能なように内圧が設定されているとよい。
【0013】
この態様によれば、サイドベルトコンベアの初期位置を定めることができる。函体の形状に応じてサイドベルトコンベアの初期位置を設定することによって、函体がサイドベルトコンベア間に確実に進入することができる。
【0014】
また、上記の態様において、前記搬送装置は、前記ベースに上下に延びる回動軸線を中心として回動可能に支持されると共に、前記サイドベルトコンベアの後部を上下に延びる回動軸線を中心として回動可能に支持する後アーム(15)と、前記ベースに上下に延びる回動軸線を中心として回動可能に支持されると共に、前記サイドベルトコンベアの前部を上下に延びる回動軸線を中心として回動可能に支持する前アーム(16)とを有し、前記流体シリンダ装置は、前記ベースに対して前記後アームを変位させる第1流体シリンダ装置(21)と、前記後アームに対して前記前アームを変位させる第2流体シリンダ装置(25)とを含み、前記第1流体シリンダ装置の少なくとも一方の端部(21B)は、前記ベース又は前記後アームに対して位置調節可能に結合され、前記第2流体シリンダ装置の少なくとも一方の端部(25B)は、前記後アーム又は前記前アームに対して位置調節可能に結合されているとよい。
【0015】
この態様によれば、第1流体シリンダ装置の位置を調節することによって、左右のサイドベルトコンベア間の距離を調節することができ、第2流体シリンダ装置の位置を調節することによって前後方向に対する各サイドベルトコンベアの延在方向のなす角度を調節することができる。これにより、封函機は様々な形状の函体に対応することができる。
【0016】
また、上記の態様において、前記搬送装置は、左右対称の構成を有し、左右の前記後アームは、動力伝達機構(27)を介して互いに連結され、互いに左右対称形に回動するとよい。
【0017】
この態様によれば、1つの第1流体シリンダ装置によって左右の後アームを対称形に変位させることができる。
【0018】
また、上記の態様において、前記上フラップは、前記胴部の前側の上縁に設けられた前上フラップ(102UA)と、前記胴部の後側の上縁に設けられた後上フラップ(102UC)と、前記胴部の左側の上縁に設けられた左上フラップ(102UB)と、前記胴部の右側の上縁に設けられた右上フラップ(102UD)とを有し、前記ベースに設けられ、前記支持装置上を前記函体が前進するときに前記後上フラップを後方から押し、前記後上フラップを前方に折り曲げる後上フラップ折曲装置(6)と、前記ベースに設けられ、前記支持装置上を前記函体が前進するときに前記前上フラップに前方から突き当たって前記前上フラップを後方に折り曲げる前上フラップ折曲装置(5)と、折り曲げられた前記前上フラップ及び前記後上フラップを上方から押すことによって、折り曲げられた状態に維持する押さえ部材(32)と、前記ベースに設けられ、前後に延びる回動軸線を中心として回動すると共に、先端部に係止部(45)を備えた左右一対のサイドフラップ折曲装置(7)とを有し、左右の前記サイドフラップ折曲装置は、左右内側に回動することによって、前記係止部において前記左上フラップ及び前記右上フラップの先端縁を係止し、前記左上フラップ及び前記右上フラップを前記胴部に対して左右内方に折り曲げるとよい。
【0019】
この態様によれば、係止部によって左上フラップ及び右上フラップの先端縁が係止されるため、左上フラップ及び右上フラップが互いに重ならないように折り曲げられる。また、係止部に係止されることによって、左上フラップ及び右上フラップが適切な位置に配置されるため、胴部が適正な形状に矯正される。
【0020】
また、上記の態様において、前記係止部は、前記左上フラップ及び前記右上フラップの先端部の外面及び端面に対向するL字形に形成されているとよい。
【0021】
この態様によれば、係止部は、簡素な構成で左上フラップ及び右上フラップの端縁を確実に係止することができる。
【0022】
また、上記の態様において、前記係止部は、前記左上フラップ及び前記右上フラップの先端部の両面及び端面を囲むコ字形に形成されているとよい。
【0023】
この態様によれば、係止部による左上フラップ及び右上フラップの先端縁の係止が一層確実になる。これにより、左上フラップ及び右上フラップの剛性が比較的低く、撓み易い場合にも、左上フラップ及び右上フラップの係止部からの脱離が抑制される。
【発明の効果】
【0024】
以上の構成によれば、様々な形状の函体を封緘可能な封緘機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】第1実施形態に係る封緘機の側面図
図2】第1実施形態に係る封緘機の背面図
図3】第1実施形態に係る封緘機の平面図
図4】第1実施形態に係る封緘機の要部の斜視図(ベースの下部及び支持装置を省略して示す)
図5】第1実施形態に係る搬送装置の斜視図
図6】第1実施形態に係る封緘機の上部の斜視図
図7】第1実施形態に係るサイドフラップ折曲装置の係止部を示す断面図
図8】第1実施形態に係る搬送装置の動作を示す説明図であって、左右のサイドベルトコンベアが初期位置にある状態を示す
図9】第1実施形態に係る搬送装置の動作を示す説明図であって、左右のサイドベルトコンベアが初期位置から左右外方に移動した状態を示す
図10】第1実施形態に係る封緘機の上部の側面図であって、(A)前上フラップ折曲装置の作用を示す、(B)後上フラップ折曲装置の動作を示す
図11】実施形態に係るサイドフラップ折曲装置の動作を示す正面図であって、(A)初期状態、(B)折り曲げ動作中の状態、(C)折り曲げ完了時の状態を示す
図12】第2実施形態に係る搬送装置の平面図
図13】(A)変形4角形函の封緘形態を示す斜視図、(B)変形4角形函の断面図、(C)変形4角形函のブランクを示す平面図
図14】(D)変形4角形函の折り畳み形態を示す平面図、(E)変形4角形函の開函形態を示す斜視図
図15】(A)変形6角形函の封緘形態を示す斜視図、(B)変形6角形函の断面図、(C)変形6角形函のブランクを示す平面図
図16】(D)変形6角形函の折り畳み形態を示す平面図、(E)変形6角形函の開函形態を示す斜視図
図17】(A)変形8角形函の封緘形態を示す斜視図、(B)変形8角形函の断面図、(C)変形8角形函のブランクを示す平面図
図18】(D)変形8角形函の折り畳み形態を示す平面図、(E)変形8角形函の開函形態を示す斜視図
図19】(A)8角形函の封緘形態を示す斜視図、(B)8角形函の断面図、(C)8角形函のブランクを示す平面図
図20】(D)8角形函の折り畳み形態を示す平面図、(E)8角形函の開函形態を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、図面を参照して、本発明の封緘機の実施形態について説明する。実施形態に係る封緘機は、多角筒形の函体を封緘するために使用される。
【0027】
(函体)
実施形態に係る封緘機1によって整形可能な函体Bは、一例として図13図20に示すような変形4角形函102、変形6角形函103、変形8角形函104、8角形函105、4角形函(直方体函)等を含む。各函体は、例えば段ボールやボール紙(板紙)、樹脂板等の板材を素材として形成されている。各函体は、上下に延びる多角筒形の胴部Pと、胴部Pの上縁に設けられた複数の上フラップUと、胴部Pの下縁に設けられた複数の下フラップLとを有する。
【0028】
胴部Pが平面状に展開(開裂)され、上下のフラップU、Lが胴部Pと共に同一平面上に配置された形態を函体のブランク形態とする。筒形に形成された胴部Pが扁平に折り畳まれ、上下のフラップU、Lが胴部Pと同じ方向に延在する形態を函体の折り畳み形態とする。折り畳み形態から胴部Pが内側に空間を形成するように広げられ、上下のフラップU、Lが胴部Pの軸線と同方向に延在する形態を開函形態とする。また、胴部Pが所定の形態に形成され、上下のフラップU、Lが胴部Pの上下の開口を閉塞するように直交するように折り曲げられた形態を封緘形態とする。
【0029】
(変形4角形函)
図13及び図14に示すように、変形4角形函102は、軸線が上下に延びる4角筒形の胴部102Pと、胴部102Pの上縁に設けられた4つの上フラップ102Uと、胴部102Pの下縁に設けられた4つの下フラップ102Lとを有する。胴部102Pは、4角筒の各側面をなす、前パネル102PA、左パネル102PB、後パネル102PC、右パネル102PDを記載の順序で有している。封緘形態において、前パネル102PA及び後パネル102PCは、それぞれ面が前後を向き、互いに距離をおいて平行に配置されている。左パネル102PB及び右パネル102PDは、後方に向けて左右外方に傾斜するように配置されている。すなわち、左パネル102PB及び右パネル102PDは、前後方向に対して傾斜し、互いに非平行に配置されている。変形4角形函102は、平面視において、前部に対して後部の左右幅が大きい、左右対称の台形に形成されている。
【0030】
上フラップ102Uは、前パネル102PAの上縁に設けられた前上フラップ102UAと、左パネル102PBの上縁に設けられた左上フラップ102UBと、後パネル102PCの上縁に設けられた後上フラップ102UCと、右パネル102PDの上縁に設けられた右上フラップ102UDとを有する。各上フラップ102Uは、胴部102Pに対して折り線を介して接続され、封緘形態において胴部102Pの各パネルに対して直角に折り曲げられている。左上フラップ102UB及び右上フラップ102UDは、外フラップとして機能し、封緘形態において内フラップとして機能する前上フラップ102UA及び後上フラップ102UCを上方(外方)から覆う。左上フラップ102UB及び右上フラップ102UDは、封緘形態において、台形の胴部102Pの上部開口を閉塞し得るように、先端縁が基端縁に対して傾斜している。左上フラップ102UB及び右上フラップ102UDの先端縁は、封緘形態において、胴部102Pの上部開口の中央を前後に延在し、互いに当接し得るように形成されている。具体的には、左上フラップ102UB及び右上フラップ102UDは後側ほど胴部Pからの突出長さが大きくなるように形成されている。
【0031】
下フラップ102Lは、上フラップ102Uと上下対称形となる、前下フラップ102LA、左下フラップ102LB、後下フラップ102LC、及び右下フラップ102LDを有する。
【0032】
図13(A)に示すように、封緘形態では、左上フラップ102UB及び右上フラップ102UDの先端縁が前後に延びる接着テープTによって接着されている。同様に、左下フラップ102LB及び右下フラップ102LDの先端縁が前後に延びる接着テープTによって接着されている。各接着テープTの前端は前パネル102PAに接着され、後端は後パネル102PCに接着されている。図13(C)に示すように、後パネル102PCの後側の側縁には、折り線を介して結合片102Bが設けられている。結合片102Bが後パネル102PCの内面に結合されることによって、胴部102Pは筒形に形成される。図14(D)に示すように、折り畳み形態では、前パネル102PAと左パネル102PBとの境界の折り線、及び後パネル102PCに形成された折り線BLにおいて360°折り曲げられ、変形4角形函は扁平な板状となる。図14(E)に示すように、開函形態は、折り畳み形態から胴部102Pの内側に空間を形成するように筒形に胴部102Pを広げることによって形成される。開函形態では、胴部102Pは概ね封緘形態と同様の形状となるが、形状は定まっていない。
【0033】
4角形函(直方体函)については、周知の形態であるため図示及び説明を省略するが、上記の変形4角形函102の左パネル102PB及び右パネル102PDを前後方向と平行にした形態といえる。
【0034】
(変形6角形函)
図15及び図16に示すように、変形6角形函103は、軸線が上下に延びる6角筒形の胴部103Pと、胴部103Pの上縁に設けられた4つの上フラップ103Uと、胴部103Pの下縁に設けられた4つの下フラップ103Lとを有し、左右対称形に形成されている。胴部103Pは、6角筒の各側面をなす、前パネル103PA、左前パネル103PB、左後パネル103PC、後パネル103PD、右後パネル103PE、右前パネル103PFを記載の順序で有している。封緘形態において、前パネル103PA及び後パネル103PDは、それぞれ面が前後を向き、互いに距離をおいて平行に配置されている。左後パネル103PC及び右後パネル103PEは、後方に向けて左右外方に傾斜するように配置されている。すなわち、左後パネル103PC及び右後パネル103PEは、前後方向に対して傾斜し、互いに非平行に配置されている。左前パネル103PB及び右前パネル103PFは、前パネル103PA及び左後パネル103PCの境界の角部、及び前パネル103PA及び右後パネル103PEの境界の角部を面取りするように配置されている。変形6角形函103は、左右対称形に形成されている。
【0035】
上フラップ103Uは、前フラップの上縁に設けられた前上フラップ103UAと、左後パネル103PCの上縁に設けられた左上フラップ103UBと、後パネル103PDの上縁に設けられた後上フラップ103UCと、右後パネル103PEの上縁に設けられた右上フラップ103UDとを有する。各上フラップ103Uは、胴部103Pに対して折り線を介して接続され、封緘形態において胴部103Pの各パネルに対して直角に折り曲げられている。左上フラップ103UB及び右上フラップ103UDは、外フラップとして機能し、封緘形態において内フラップとして機能する前上フラップ103UA及び後上フラップ103UCを上方(外方)から覆う。左上フラップ103UB及び右上フラップ103UDは、封緘形態において、6角形の胴部103Pの上部開口を閉塞し得るように、先端縁の前後幅が基端縁に対して大きく形成されている。また、左上フラップ103UB及び右上フラップ103UDの先端縁は、封緘形態において、胴部103Pの上部開口の中央を前後に延在し、互いに当接し得るように形成されている。具体的には、左上フラップ103UB及び右上フラップ103UDは後側ほど胴部Pからの突出長さが大きくなるように形成されている。
【0036】
下フラップ103Lは、上フラップ103Uと上下対称形となる、前下フラップ103LA、左下フラップ103LB、後下フラップ103LC、及び右下フラップ103LDを有する。
【0037】
図15(A)に示すように、封緘形態では、左上フラップ103UB及び右上フラップ103UDの先端縁が前後に延びる接着テープTによって接着されている。同様に、左下フラップ103LB及び右下フラップ103LDの先端縁が前後に延びる接着テープTによって接着されている。各接着テープTの前端は前パネル103PAに接着され、後端は後パネル103PDに接着されている。図15(C)に示すように、左後パネル103PCの後側の側縁には、折り線を介して結合片103Bが設けられている。結合片103Bが後パネル103PDの内面に結合されることによって、胴部103Pは筒形に形成される。図16(D)に示すように、折り畳み形態では、前パネル103PAと左前パネル103PBとの境界の折り線、及び後パネル103PDに形成された折り線BLにおいて360°折り曲げられ、変形6角形函103は扁平な板状となる。図16(E)に示すように、開函形態は、折り畳み形態から胴部103Pの内側に空間を形成するように筒形に胴部103Pを広げることによって形成される。
【0038】
変形6角形函103の変形例として、左前パネル103PB及び右前パネル103PFの上縁及び下縁に上フラップ103U及び下フラップ103Lを設け、上フラップ103U及び下フラップ103Lを6つずつにしてもよい。
【0039】
(変形8角形函)
図17及び図18に示すように、変形8角形函104は、胴部104P、上フラップ104U、及び下フラップ104Lを有する。胴部104Pは、前パネル104PA、左前パネル104PB、左パネル104PC、左後パネル104PD、後パネル104PE、右後パネル104PF、右パネル104PG、右前パネル104PHを有する。封緘形態において、前パネル104PA及び後パネル104PEは、それぞれ面が前後を向き、互いに距離をおいて平行に配置されている。左パネル104PC及び右パネル104PGは、後方に向けて左右外方に傾斜するように配置されている。すなわち、左パネル104PC及び右パネル104PGは、前後方向に対して傾斜し、互いに非平行に配置されている。左前パネル104PB、左後パネル104PD、右後パネル104PF、及び右前パネル104PHは、前パネル104PA、左パネル104PC、後パネル104PE、及び右パネル104PGがなす4角筒の角部を面取りするように配置されている。以上のようにして、変形8角形函104は、概ね左右対称形に形成されている。
【0040】
上フラップ104Uは、前パネル104PAの上縁に設けられた前上フラップ104UAと、左パネル104PCの上縁に設けられた左上フラップ104UBと、後パネル104PEの上縁に設けられた後上フラップ104UCと、右パネル104PGの上縁に設けられた右上フラップ104UDとを有する。各上フラップ104Uは、胴部104Pに対して折り線を介して接続され、封緘形態において胴部104Pの各パネルに対して直角に折り曲げられている。前上フラップ104UA及び後上フラップ104UCは内フラップとして機能し、左上フラップ104UB及び右上フラップ104UDは外フラップとして機能し、封緘形態において左上フラップ104UB及び右上フラップ104UDは前上フラップ104UA及び後上フラップ104UCを上方(外方)から覆う。左上フラップ104UB及び右上フラップ104UDは、封緘形態において、8角形の胴部104Pの上部開口を閉塞し得るように、先端縁の前後幅が基端縁に対して大きく形成されている。また、左上フラップ104UB及び右上フラップ104UDの先端縁は、封緘形態において、胴部Pの上部開口の中央を前後に直線状に延在し、互いに当接し得るように形成されている。具体的には、左上フラップ104UB及び右上フラップ104UDは後側ほど胴部Pからの突出長さが大きくなるように形成されている。
【0041】
下フラップ104Lは、上フラップ104Uと上下対称形となる、前下フラップ104LA、左下フラップ104LB、後下フラップ104LC、及び右下フラップ104LDを有する。以上のようにして、8角形函105は、左右対称形に形成されている。
【0042】
図17(A)に示すように、封緘形態では、左上フラップ104UB及び右上フラップ104UDの先端縁が前後に延びる接着テープTによって接着されている。同様に、左下フラップ104LB及び右下フラップ104LDの先端縁が前後に延びる接着テープTによって接着されている。各接着テープTの前端は前パネル104PAに接着され、後端は後パネル104PEに接着されている。図17(C)に示すように、左後パネル104PDの後側の側縁には、折り線を介して結合片104Bが設けられている。結合片104Bが後パネル104PEの内面に結合されることによって、胴部104Pは筒形に形成される。図18(D)に示すように、折り畳み形態では、前パネル104PAと左前パネル104PBとの境界の折り線、及び後パネル104PEに形成された折り線BLにおいて360°折り曲げられ、変形8角形函104は扁平な板状となる。図18(E)に示すように、開函形態は、折り畳み形態から胴部104Pの内側に空間を形成するように筒形に胴部104Pを広げることによって形成される。
【0043】
(8角形函)
図19及び図20に示すように、8角形函105は、軸線が上下に延びる8角筒形の胴部105Pと、胴部105Pの上縁に設けられた4つの上フラップ105Uと、胴部105Pの下縁に設けられた4つの下フラップ105Lとを有する。胴部105Pは、8角形函105の各側面をなす、前パネル105PA、左前パネル105PB、左パネル105PC、左後パネル105PD、後パネル105PE、右後パネル105PF、右パネル105PG、右前パネル105PHを記載の順序で有している。封緘形態において、前パネル105PA及び後パネル105PEは、それぞれ面が前後を向き、互いに距離をおいて平行に配置されている。左パネル105PC及び右パネル105PGは、それぞれ面が左右を向き、互いに距離をおいて平行に配置されている。左前パネル105PB、左後パネル105PD、右後パネル105PF、及び右前パネル105PHは、前パネル105PA、左パネル105PC、後パネル105PE、及び右パネル105PGがなす4角筒の角部を面取りするように配置されている。左前パネル105PB、左パネル105PC、及び左後パネル105PDは、左胴側部を構成し、右後パネル105PF、右パネル105PG、及び右前パネル105PHは、右胴側部を構成する。
【0044】
上フラップ105Uは、前パネル105PAの上縁に設けられた前上フラップ105UAと、左パネル105PCの上縁に設けられた左上フラップ105UBと、後パネル105PEの上縁に設けられた後上フラップ105UCと、右パネル105PGの上縁に設けられた右上フラップ105UDとを有する。各上フラップ105Uは、胴部105Pに対して折り線を介して接続され、封緘形態において胴部105Pの各パネルに対して直角に折り曲げられている。前上フラップ105UA及び後上フラップ105UCは内フラップとして機能し、左上フラップ105UB及び右上フラップ105UDは外フラップとして機能し、封緘形態において左上フラップ105UB及び右上フラップ105UDは前上フラップ105UA及び後上フラップ105UCを上方(外方)から覆う。左上フラップ105UB及び右上フラップ105UDは、封緘形態において、8角形の胴部105Pの上部開口を閉塞し得るように、先端縁の前後幅が基端縁に対して大きく形成されている。また、左上フラップ105UB及び右上フラップ105UDの先端縁は、封緘形態において、胴部Pの上部開口の中央を前後に直線状に延在し、互いに当接し得るように形成されている。
【0045】
下フラップ105Lは、上フラップ105Uと上下対称形となる、前下フラップ105LA、左下フラップ105LB、後下フラップ105LC、及び右下フラップ105LDを有する。以上のようにして、8角形函105は、左右対称形に形成されている。
【0046】
図19(A)に示すように、封緘形態では、左上フラップ105UB及び右上フラップ105UDの先端縁が前後に延びる接着テープTによって接着されている。同様に、左下フラップ105LB及び右下フラップ105LDの先端縁が前後に延びる接着テープTによって接着されている。各接着テープTの前端は前パネル105PAに接着され、後端は後パネル105PEに接着されている。図19(C)に示すように、左後パネル105PDの後側の側縁には、折り線を介して結合片105Bが設けられている。結合片105Bが後パネル105PEの内面に結合されることによって、胴部105Pは筒形に形成される。図20(D)に示すように、折り畳み形態では、前パネル105PAと左前パネル105PBとの境界の折り線、及び後パネル105PEと右後パネル105PFとの境界の折り線において360°折り曲げられ、8角形函105は扁平な板状となる。図20(E)に示すように、開函形態は、折り畳み形態から胴部105Pの内側に空間を形成するように筒形に胴部105Pを広げることによって形成される。
【0047】
(封緘機1)
実施形態に係る封緘機1は、函体Bの上部及び下部に接着テープTを貼り付け、封緘を行うものである。封緘機1に投入される函体Bは、予め、胴部Pが概ね所定の形状に開かれ(成形され)、下フラップLが折り曲げられて下部開口が閉じられ、上フラップUが開かれた状態、すなわち上部開口形態となっている。函体Bを折り畳み状態から上部開口形態にする作業は、作業員による手作業或は製函機によって行われるとよい。例えば、封緘機1の上流側に製函機を配置し、製函機によって上部開口形態に成形された函体Bが、エアシリンダ等の移送装置によって封緘機1に投入されるようにするとよい。
【0048】
図1図4に示すように、実施形態に係る封緘機1は、装置の骨格をなすベース2と、ベース2に設けられた支持装置3、搬送装置4、前上フラップ折曲装置5、後上フラップ折曲装置6、サイドフラップ折曲装置7、下テープ貼付装置8及び上テープ貼付装置9を有する。封緘機1は、前後に延びるセンターラインCを有する。
【0049】
(ベース2)
ベース2は、上下に開口し、前後に長い略長方形の枠形の本体部2Aと、本体部2Aの各角部から下方に延びた複数の脚部2Bと、本体部2Aの左右一対の長辺部のそれぞれから上方に延びた左右一対の柱部2Cと、各柱部2Cの上端間に掛け渡された梁部2Dとを有する。封緘機1のセンターラインCは、ベース2の左右方向における中央部を前後に延在している。本実施形態では、各脚部2Bの下端にキャスターが設けられ、キャスターを介して各脚部2Bが床に載置されている。他の実施形態ではキャスターが省略され、脚部2Bが直接に床に載置されてもよい。
【0050】
梁部2Dは、各柱部2Cに対して上下位置を調節可能に支持されている。具体的には、梁部2Dの両端部は、各柱部2Cの上端部に螺着された調節ねじ2Eに吊り下げられている。これにより、ハンドル2Fによって調節ねじ2Eを回転させることによって、梁部2Dを各柱部2Cに対して上下に移動させることができる。梁部2Dには、梁部2Dから前後に延びる前後梁11が、梁部2Dに対して左右方向に移動可能に支持されている。通常時には、前後梁11は、センターラインC上に配置されている。前後梁11の後部11A及び前部11Bは、それぞれ片持ち梁となっている。
【0051】
(支持装置3)
図1に示すように、支持装置3は、本体部2Aの内側に配置され、本体部2Aに支持されている。支持装置3は、函体Bを下方から支持する装置であり、略水平な載置面3Aを形成する。本実施形態では、支持装置3は、略水平な上面を形成する板部材3Bと、板部材3Bに形成された複数のスロットに左右に延びる回転軸線を中心として回転可能に支持された複数のフリーローラ3Cとを有する。複数のフリーローラ3Cは、函体Bを下方から支持する載置面3Aを形成する。前後に回転可能なフリーローラ3Cにおいて函体Bの底面を支持することによって、支持装置3上に支持された函体Bの前後への移動抵抗を低減させることができる。
【0052】
(搬送装置4)
図4及び図5に示すように、搬送装置4は、左右一対のサイドベルトコンベア13と、各サイドベルトコンベア13をベース2に変位可能に支持するコンベア支持機構14とを有する。左右のサイドベルトコンベア13と、コンベア支持機構14とはそれぞれセンターラインCを基準とした左右対称形の構成を有する。
【0053】
コンベア支持機構14は、左右一対の後アーム15と、左右一対の前アーム16と、左右において互いに対応する後アーム15及び前アーム16を連結する連結部材17とを有する。各後アーム15は、それぞれ上下に延びる、後回動軸15A、後支持軸15B、及び後連結軸15Cを有する。本実施形態では、後アーム15は平面視で略L字形に形成され、後回動軸15Aが後アーム15の屈曲部に配置され、後支持軸15Bが後アーム15の一方の端部に配置され、後連結軸15Cが後アーム15の他方の端部に配置されている。
【0054】
後アーム15は、後回動軸15Aにおいてベース2の本体部2Aに上下に延びる回動軸線を中心として回動可能に支持されている。後アーム15は、支持装置3の載置面3Aよりも下方に配置される。
【0055】
左側の後アーム15は、第1エアシリンダ21によって本体部2Aと連結されている。第1エアシリンダ21は、シリンダ21Aと、シリンダ21A内に受容されたピストンと、ピストンに連結されたロッド21Bとを有し、シリンダ21A内に供給される圧縮空気の圧力に応じて延びる装置である。第1エアシリンダ21のロッド21Bは、後アーム15に上下に延びる回転軸線を中心として回動可能に結合された連結軸15Dに位置調節可能に結合されている。第1エアシリンダ21のシリンダ21Aは、本体部2Aに結合されたブラケット23に上下に延びる回転軸を中心として回動可能に結合されている。これにより、後アーム15は、第1エアシリンダ21の伸縮に応じて、後回動軸15Aを中心として回動する。ロッド21Bの連結軸15Dとの結合位置を調節することによって、第1エアシリンダ21が最も伸長したときの後アーム15の位置(初期位置という)、第1エアシリンダ21が最も収縮したときの後アーム15の位置(退避位置という)を変更することができる。
【0056】
各前アーム16は、それぞれ上下に延びる、前回動軸16A、前支持軸16B、及び前連結軸16Cを有する。本実施形態では、前アーム16は、平面視で略L字形に形成され、前回動軸16Aが前アーム16の屈曲部に配置されている。前アーム16の一方の端部には、水平方向に延びるガイドレール16Dが設けられており、前支持軸16Bはガイドレール16Dにスライド移動可能に結合されている。すなわち、前支持軸16Bは、前アーム16の一方の端部にガイドレール16Dの延在方向に変位可能に配置されている。前アーム16の他方の端部には、前連結軸16Cが配置されている。
【0057】
前アーム16は、前回動軸16Aにおいてベース2の本体部2Aに上下に延びる回動軸線を中心として回動可能に支持されている。前アーム16は、支持装置3の載置面3Aよりも下方に配置される。
【0058】
各連結部材17は、第2エアシリンダ25と、連結片26Aと、連結ロッド26Bと、ガイドブロック26Cとを有する。連結片26Aは、一端(後端)において後連結軸15Cに上下に延びる回動軸線を中心として回動可能に結合されている。第2エアシリンダ25は、第1エアシリンダ21と同様の構成を有し、シリンダ25Aとシリンダ25Aに出没可能に支持されたロッド25Bとを有する。連結ロッド26Bは、一端においてロッド25Bの外端に結合され、他端において前連結軸16Cに上下に延びる回動軸線を中心として回動可能に結合されている。シリンダ25Aは、連結片26Aと平行に、連結片26Aの長手方向における中間部に結合されている。ガイドブロック26Cは、連結片26Aの前部に互いに距離をおいて2つ結合され、連結ロッド26Bを長手方向にスライド移動可能に支持している。連結部材17は、第2エアシリンダ25が伸縮することによって前後長が変化する。前アーム16は、後アーム15の回動に応じて、前回動軸16Aを中心として回動する。また、連結部材17が伸縮することによって、後アーム15に対する前アーム16の角度が変化する。
【0059】
第2エアシリンダ25は、最も伸長したときを基準状態とする。後アーム15が初期位置にあり、第2エアシリンダ25が基準状態にあるときの前アーム16の位置を初期位置とする。前アーム16の初期位置は、第2エアシリンダ25の長さ(伸縮)を調節することによって変更することができる。
【0060】
左右の後アーム15は、動力伝達機構27によって互いに結合され、互いに左右対称となる回動動作を行う。本実施形態では、動力伝達機構27は、左右の後アーム15の各後回動軸15Aに設けられたスプロケット27Aと、各スプロケット27Aに8の字状に掛け渡されたローラーチェーン27Bとによって構成されている。
【0061】
左右一対のサイドベルトコンベア13のそれぞれは、略前後に延在するフレーム13Aと、回転軸線が上下に延びるようにフレーム13Aに支持された前後一対のプーリ13B及びフリーローラ(キャリアローラ)と、各プーリ13B及びフリーローラに巻き掛けられたベルト13Cと、プーリ13Bを駆動する電動モータ13Dとを有する。すなわち、各サイドベルトコンベア13は、上下に延びる回転軸線を有し、ベルト13Cの左右内方を向く側面が函体Bとの接触面13Eを形成している。
【0062】
後支持軸15B及び前支持軸16Bは、後アーム15又は前アーム16(ガイドレール16D)から上方に延出し、支持装置3を貫通して載置面3Aの上方に突出している。支持装置3には、後アーム15及び前アーム16の回動に応じた後支持軸15B及び前支持軸16Bの移動を許容するための開口(不図示)が形成されている。
【0063】
各サイドベルトコンベア13のフレーム13Aは、前部において前支持軸16Bの上端に上下に延びる回動軸線を中心として回動可能に支持され、後部において後支持軸15Bの上端に上下に延びる回動軸線を中心として回動可能に支持されている。図1及び図2に示すように、各サイドベルトコンベア13は、支持装置3の載置面3Aよりも上方に配置されている。
【0064】
図8に示すように、後アーム15及び前アーム16がそれぞれ初期位置にあるとき、左右のサイドベルトコンベア13は初期位置にあるとする。左右のサイドベルトコンベア13が初期位置にあるときに、左右の後支持軸15B間の距離が最も小さくなり、左右のサイドベルトコンベア13の接触面13E間の距離が最も小さくなる。そして、各後アーム15が初期位置から退避位置側に回動すると、左右の後支持軸15B間の距離が増加し、左右のサイドベルトコンベア13の接触面13E間の左右方向における距離が増加する。サイドベルトコンベア13の初期位置における接触面13E間の距離は、第1エアシリンダ21と連結軸15Dとの結合位置を調節することによって変化させることができる。
【0065】
初期位置におけるサイドベルトコンベア13の接触面13Eの前後方向に対する角度は、第2エアシリンダ25の長さ(伸縮位置)を調節することによって変化させることができる。サイドベルトコンベア13の接触面13Eの前後方向に対する角度は、例えば0°から45°の範囲で変化させることができる。第2エアシリンダ25の長さが変化すると、ガイドレール16Dに対する前支持軸16Bの位置が変化する。
【0066】
左右のサイドベルトコンベア13の接触面13E間の距離及び接触面13Eの前後方向に対する角度は、封緘する函体Bの左右幅及び左右両側面の角度に応じて予め設定される。具体的には、左右のサイドベルトコンベア13の接触面13Eの前後方向に対する角度は、封緘する函体Bの左右の側面の前後方向に対する角度と等しくなるように設定される。また、左右のサイドベルトコンベア13の接触面13Eの距離は、各接触面13Eの後端間の距離が封緘される函体Bの封緘形態における前端の左右幅(前パネルの左右幅)より大きくなるように設定される。
【0067】
左右のサイドベルトコンベア13は、それぞれ接触面13Eが前方に移動するように、電動モータ13Dによって駆動される。
【0068】
第1エアシリンダ21及び第2エアシリンダ25は、圧力制御弁を介して圧縮空気源に接続されている。圧力制御弁は、第1エアシリンダ21に供給される空気圧、及び第2エアシリンダ25に供給される空気圧を所定の圧力に調節する。第1エアシリンダ21及び第2エアシリンダ25に所定の空気圧が供給されることによって、左右のサイドベルトコンベア13は初期位置に向けて付勢される。所定の流体圧が供給された左右のサイドベルトコンベア13は、函体Bに接触していない場合には初期位置に位置し、函体Bに接触している場合には函体Bの左右側面に沿う位置に配置される。
【0069】
左右のサイドベルトコンベア13は、函体Bに接触したときに摩擦力によって函体Bを前方に移動させる。函体Bが、変形4角形函102、変形6角形函103、変形8角形函104のように、前部に対して後部の左右幅が大きい形状の場合には、左右のサイドベルトコンベア13は、前方に移動する函体Bに左右外方に押されて移動する。このとき、函体Bが左右のサイドベルトコンベア13を左右外方に押す力(第1エアシリンダ21及び第2エアシリンダ25を収縮させようとする力)は、第1エアシリンダ21及び第2エアシリンダ25が供給される空気圧によって伸長しようとする力よりも大きくなる。これにより、図9に示すように、左右のサイドベルトコンベア13は前進する函体Bの左右の側面に沿うように左右外方に移動し、函体Bとの接触を維持する。
【0070】
(前上フラップ折曲装置5)
図1及び図6に示すように、前上フラップ折曲装置5は、縦板31と押さえ板32とを有する。縦板31は、上縁において後部11Aに結合され、後部11Aから下方に延出している。縦板31は、主面が左右を向き、センターラインCに沿って配置される。縦板31の下縁は、前後に水平に延びている。縦板31の下部後側には、下縁から後方に向けて上方に傾斜した傾斜縁31Aが設けられている。傾斜縁31Aの後端は、垂直に延びる縦板31の後縁31Bと滑らかな曲線部を介して連続している。押さえ板32は、縦板31の下縁に結合されている。押さえ板32は、水平に延在し、上面の中央に縦板31の下縁が結合されている。縦板31及び押さえ板32の前後から見た断面は、T字形を呈する。押さえ板32の下面は、傾斜縁31Aと滑らかに接続されているとよい。
【0071】
図10(A)及び(B)に示すように、上部開口形態の函体Bが搬送装置4によって前方に移動すると、函体Bの前側の上フラップU(例えば、変形4角形函102の前上フラップ102UA)は縦板31の傾斜縁31A又は後縁31Bに当接し、函体Bの前方への移動に伴って前側の上フラップUが胴部Pの前側部分(例えば、変形4角形函102の前パネル102PA)に対して後方に折り曲げられる。函体Bの前方への移動が進み、前側の上フラップUが押さえ板32の下方に入ると、前側の上フラップUは胴部Pの前側部分に対して略直角に折り曲げられ、その状態に維持される。押さえ板32が前後に所定の長さを有するため、函体Bが前方に移動する所定の範囲、前側の上フラップUは折り曲げられた状態に維持される。
【0072】
(後上フラップ折曲装置6)
図1及び図6に示すように、後上フラップ折曲装置6は、基部アーム6Aと、先端アーム6Bと、第3エアシリンダ6Cと、第4エアシリンダ6Dとを有する。基部アーム6Aは、その基端において、後部11Aの後端に左右に延びる回動軸線を中心として回動可能に結合されている。先端アーム6Bは、その基端において、基部アーム6Aの先端に左右に延びる回動軸線を中心として回動可能に結合されている。
【0073】
第3エアシリンダ6C及び第4エアシリンダ6Dは、第1エアシリンダ21と同様の構成を有する。第3エアシリンダ6Cは、後部11Aと基部アーム6Aとに接続され、伸縮することによって後部11Aに対して基部アーム6Aを回動させる。第4エアシリンダ6Dは、基部アーム6Aと先端アーム6Bとに接続され、伸縮することによって基部アーム6Aに対して先端アーム6Bを回動させる。
【0074】
図10(A)及び(B)に示すように、基部アーム6Aは、第3エアシリンダ6Cによって、基端に対して先端が後方に位置して略水平に延在する初期位置と、基端に対して先端が下方に位置して略鉛直に延在する駆動後位置との間で回動する。先端アーム6Bは、第4エアシリンダ6Dによって、基部アーム6Aに沿う初期位置と、基端に対して略垂直に突出した駆動後位置との間で回動する。基部アーム6Aが駆動後位置にあるとき、先端アーム6Bは駆動後位置に位置することでその先端が前方に延びる。
【0075】
図4に示すように、本体部2Aの適所には、函体Bの有無を検出する函体センサ35が設けられている。函体センサ35は、例えばフォトセンサ等の公知のセンサであってよい。封緘機1の制御装置は、函体センサ35からの信号に基づいて、函体Bが支持装置3上の後上フラップ折曲位置、すなわち後上フラップ折曲装置6によって後側の上フラップUを折り曲げることができる位置に到達したか否かを検出する。図10(A)及び(B)に示すように、封緘機1の制御装置は、函体センサ35からの信号に基づいて函体Bが所定の後上フラップ折曲位置に到達したことを検出すると、最初に第3エアシリンダ6Cを駆動し、その後第4エアシリンダ6Dを駆動する。これにより、基部アーム6Aが駆動位置に移動することよって基部アーム6Aの先端が後側の上フラップUの後方に回り込み、その後、先端側アームが駆動位置へ前方に回動することによって、後側の上フラップUが胴部Pの後側部分に対して略直角に前方に折り曲げられる。基部アーム6A及び先端アーム6Bはその後、函体Bの前進によって後側の上フラップUが押さえ板32の下方に移動するまで、駆動位置に維持される。その後、基部アーム6A及び先端アーム6Bは初期位置に復帰する。
【0076】
(サイドフラップ折曲装置7)
図1図2、及び図6に示すように、サイドフラップ折曲装置7は、左右一対のフラップ折曲部材40を有する。前後梁11の後部11Aの前側部分には、左右に突出する横梁11Cが設けられ、横梁11Cの左右両端のそれぞれには下方に垂下する支持板11Dが設けられている。各フラップ折曲部材40は、支持板11Dに前後に延びる回動軸線を中心として回動可能に支持された基部41と、基部41から前後方向と直交する方向に延びる押圧部42とを有する。各フラップ折曲部材40は、前後において、押さえ板32と対応する位置に配置されている。基部41は、第5エアシリンダ43によって支持板11Dと接続され、第5エアシリンダ43の伸縮駆動によって、支持板11Dに対して回動する。
【0077】
図11(A)〜(C)に示すように、第5エアシリンダ43の伸縮駆動によって、左右のフラップ折曲部材40は、押圧部42が上方かつ左右内方に傾斜して延びる初期位置と、押圧部42が左右内方に略水平に延びる駆動後位置との間で変位する。左右一対のフラップ折曲部材40は、センターラインCを中心として左右対称形をなし、左右対称の動作を行う。
【0078】
各押圧部42の先端縁には、係止部45が設けられている。係止部45は、函体Bの左右の上フラップU(例えば、変形4角形函102の左上フラップ102UB及び右上フラップ102UD)の先端縁を係止可能な形状に形成されている。係止部45は、板状に形成された押圧部42に対して略直交する方向に突出した爪部45A(壁部)を有する。爪部45Aは、押圧部42の先端縁に沿って前後に延びている。押圧部42の先端部及び爪部45Aによって、係止部45は略L字形に形成されている。また、押圧部42の先端側部分は、他の部分(基端側部分)に対して爪部45Aの突出方向と相反する側に若干屈曲し、傾斜部42Aを形成している。傾斜部42Aによって、押圧部42の基端側部分に対する爪部45Aの突出量は、先端部に対する爪部45Aの突出量よりも小さくなっている。
【0079】
係止部45は、図7(A)に示すように押圧部42と一体に形成されてもよく、図7(B)に示すように、断面L字形の別部材48を押圧部42の先端部にねじ49等によって結合することによって形成されてもよい。
【0080】
また、係止部45は、様々な形状を適用することができる。例えば、図7(C)に示すように爪部45Aが、押圧部42に対して略直交する方向に突出する基端部45Bと、基端部45Bの先端から基端部45Bと略直交し、押圧部42と隙間を介して対向する先端部45Cとを有してもよい。すなわち、押圧部42の先端部及び爪部45Aによって、係止部45は略コ字形に形成されてもよい。
【0081】
左右のフラップ折曲部材40が駆動後位置にあるとき、左右の係止部45は、押さえ板32の上方であって縦板31の左右両側に配置される。
【0082】
封緘機1の制御装置は、函体センサ35からの信号に基づいて函体Bが所定のサイドフラップ折曲位置(左右の上フラップUを折り曲げる位置)、に到達したことを検出すると、左右の第5エアシリンダ43を駆動し、左右のフラップ折曲部材40を回動させ、左右の上フラップUを折り曲げる。
【0083】
(下テープ貼付装置8)
図2及び図4に示すように、下テープ貼付装置8は、その上方を後方から前方に通過する函体Bの前側面の下部、底面、及び後側面の下部に、センターラインCに沿って接着テープを貼り付ける装置である。下テープ貼付装置8は、枠体に支持され、平面視において左右のサイドベルトコンベア13の間に配置されている。下テープ貼付装置8は、公知の装置を適用することができ、例えば、接着テープを供給するテープロールと、テープロールから引き出された接着テープを保持すると共に函体Bに押さえ付けるテープ貼付ローラと、接着テープを所定のタイミングで切断するカッターユニットと、切断された接着テープの端末を函体Bの後側面に押さえ付ける押圧ローラとを有する。テープ貼付ローラは、初期状態において支持装置3の載置面3Aよりも上方に突出するように付勢されており、前方に移動する函体Bと接触して下方に押し退けられ、函体Bが通過すると再び載置面3Aよりも上方に突出して初期状態となる。カッターユニットは、通過する函体Bとの当接部を有し、函体Bが所定位置を通過するとカッターによって接着テープを切断する。押圧ローラは、テープ貼付ローラとリンク機構を介して連結されており、テープ貼付ローラの動作と連動して動作する。例えば、函体Bによって下方に押し退けられたテープ貼付ローラが初期位置に復帰するときに、押圧ローラは切断された接着テープの端末を函体Bの後側面に向けて押圧するとよい。
【0084】
(上テープ貼付装置9)
図1及び図4に示すように、上テープ貼付装置9は、前部11Bに支持されている。上テープ貼付装置9は、その下方を後方から前方に通過する函体Bの前側面の上部、上面、及び後側面の上部に、センターラインCに沿って接着テープを貼り付ける装置である。上テープ貼付装置9は、上述した下テープ貼付装置8と上下対称形の構成であってよい。
【0085】
(封緘機1の作用及び効果)
以上のように構成した封緘機1の作用及び効果を、変形4角形函102を封緘する場合の例を用いて説明する。封緘機1の使用前には、封緘する変形4角形函102の形状に応じて、左右のサイドベルトコンベア13の初期位置(後アーム15の初期位置、及び前アーム16の初期位置)、梁部2Dの位置が調節される。
【0086】
後アーム15の初期位置は、左右のサイドベルトコンベア13の後端部間の距離が変形4角形函102の前パネル102PAの左右幅よりも大きくなるように設定される。これにより、変形4角形函102の前端部が、後方から左右のサイドベルトコンベア13間に進入することができる。後アーム15の初期位置は、第1エアシリンダ21と連結軸15Dとの結合位置を調節することによって変化させることができる。
【0087】
前アーム16の初期位置は、前後方向に対する各サイドベルトコンベア13の接触面13Eの角度が、前後方向に対する変形4角形函102の左パネル102PB及び右パネル102PDの角度と等しくなるように設定される。これにより、左右のサイドベルトコンベア13の各接触面13Eは、函体Bの左右側面に面接触することができる。前アーム16の初期位置は、第2エアシリンダ25の長さを調節することによって変化させることができる。
【0088】
梁部2Dの位置は、前上フラップ折曲装置5が前上フラップ102UAを適正に折り曲げることができる位置に設定される。具体的には、支持装置3の載置面3Aと押さえ板32の下面との距離が、変形4角形函102の封緘形態における高さと同じ又は若干大きくなるように設定される。これにより、前上フラップ折曲装置5及び後上フラップ折曲装置6による前後の上フラップUの折り曲げ、及び上テープ貼付装置9によるテープの貼り付けが可能になる。なお、変形4角形函102の上部を封緘しない場合は、梁部2Dを上方に退避させるとよい。梁部2Dの位置は、調節ねじ2Eを調節することによって変化させることができる。
【0089】
図8に示すように、上部開口形態の変形4角形函体Bは、作業員の手作業や他の機械装置によって、支持装置3の載置面3A上において、左右のサイドベルトコンベア13の後部に前端から挿入される。函体Bの左右の側面が左右のサイドベルトコンベア13の前方に移動する接触面13Eに接触すると、函体Bはサイドベルトコンベア13から摩擦力によって前方に駆動力を受ける。函体Bが前方に移動するときには、左右のサイドベルトコンベア13は函体Bから左右外方に荷重を受ける。第1エアシリンダ21及び第2エアシリンダ25の空気圧は、第1エアシリンダ21及び第2エアシリンダ25が左右のサイドベルトコンベア13を左右内方に押す力が、変形4角形函102が左右のサイドベルトコンベア13を左右外方に押す力よりも小さくなるように設定されているため、図9に示すように、変形4角形函102の前進に応じて左右のサイドベルトコンベア13は左右外方に移動する。このとき、後アーム15に対する前アーム16の角度を変化させる第2エアシリンダ25も収縮するため、左右のサイドベルトコンベア13の接触面13Eは函体Bの左右の側面と接触した状態に維持される。このようにして、函体Bは、左右のサイドベルトコンベア13によって支持装置3上を前方に移動する。
【0090】
図10(A)に示すように、変形4角形函102は、前方に移動する過程において、前上フラップ折曲装置5によって前上フラップ102UAが折り曲げられ、図10(B)に示すように、後上フラップ折曲装置6によって後上フラップ102UCが折り曲げられ、押さえ板32によって前上フラップ102UA及び後上フラップ102UCが折り曲げられた状態に維持される。押さえ板32に前上フラップ102UA及び後上フラップ102UCが押さえられた状態で、図11(A)〜(C)に示すように、サイドフラップ折曲装置7によって左上フラップ102UB及び右上フラップ102UDが折り曲げられる。このとき、左右のフラップ折曲部材40は係止部45において左上フラップ102UB及び右上フラップ102UDの端縁を係止し、折り曲げ後の適正な位置へと導く。左上フラップ102UB及び右上フラップ102UDは、折り曲げられた状態では縦板31を挟むように配置されるため、互いに重なることはない。左上フラップ102UB及び右上フラップ102UDが適正な折り曲げ後の位置に配置されるため、左上フラップ102UB及び右上フラップ102UDに連続した胴部Pの上部も、適正な形状に矯正される。このように、サイドフラップ折曲装置7は左上フラップ102UB及び右上フラップ102UDを折り曲げるだけでなく、変形4角形函102の矯正(成形)も行う。
【0091】
その後、変形4角形函102が前進すると、変形4角形函102は前側からフラップ折曲部材40、縦板31、押さえ板32よりも前方に突出し、下テープ貼付装置8及び上テープ貼付装置9の間に進入し、函体Bの上部及び下部にテープが貼り付けられ、封緘される。
【0092】
封緘機1では、左右のサイドベルトコンベア13が前後方向に対して傾斜することができるため、変形4角形函102のように左右の側面が傾斜した函体に接触することができる。そのため、左右のサイドベルトコンベア13は、摩擦力によって変形4角形函102に前方への駆動力を与えることができる。また、左右のサイドベルトコンベア13は、変形4角形函102から左右外方への荷重を受けたときに左右外方に移動することができるため、変形4角形函102の前進が可能になる。初期状態における左右のサイドベルトコンベア13の左右幅及び前後方向に対する角度は、第1エアシリンダ21と連結軸15Dとの結合位置、及び第2エアシリンダ25の長さを変化させることによって調節することができる。
【0093】
サイドフラップ折曲装置7は、係止部45によって左上フラップ102UB及び右上フラップ102UDの先端縁を係止するため、左上フラップ102UB及び右上フラップ102UDが互いに重ならないように折り曲げられる。また、左上フラップ102UB及び右上フラップ102UDと縦板31との接触が避けられるため、左上フラップ102UB及び右上フラップ102UDが意図しない場所で折り曲げられることがない。また、左上フラップ102UB及び右上フラップ102UDが係止部45に係止され、適切な位置に配置されるため、左上フラップ102UB及び右上フラップ102UDに連続した左パネル102PB及び右パネル102PDが適切な位置に配置され、胴部102Pが適切な形状に矯正(成形)される。変形4角形函102は、上部開口形態においては、胴部102Pの上部が拘束されていないため、胴部102Pの弾性によって適正な形状となっていない場合があるが、係止部45によって左上フラップ102UB及び右上フラップ102UDを係止しながら折り曲げることで変形4角形函102が適切な形状となる。
【0094】
上述した封緘機1は、8角形函105や直方体の4角形函のような左右の側面が前後方向と平行に延在する函体も当然に封緘することができる。この場合、左右のサイドベルトコンベア13の接触面13Eを前後方向と平行に配置する共に、左右のサイドベルトコンベア13間の距離を函体の左右幅と等しく設定するとよい。
【0095】
次に、第2実施形態に係る封緘機200について説明する。図12に示すように、封緘機200は、第1実施形態に係る封緘機1と比較して搬送装置4のコンベア支持機構14が異なる。以下の説明においては、封緘機1と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0096】
封緘機200のコンベア支持機構214は、封緘機1と同様の後アーム15及び前アーム16を有するが、連結部材17が省略されている。また、前アーム16は、ガイドレール16Dが省略されており、前支持軸16Bが前アーム16に結合されている。左側の前アーム16には、第1エアシリンダ21と同様の第6エアシリンダ221が設けられている。第6エアシリンダ221のロッド221Bは、左側の前アーム16に上下に延びる回転軸線を中心として回動可能に結合された連結軸215Dに位置調節可能に結合されている。第6エアシリンダ221のシリンダ221Aは、本体部2Aに結合されたブラケット223に上下に延びる回転軸を中心として回動可能に結合されている。
【0097】
左右の前アーム16は、動力伝達機構227によって互いに結合され、互いに左右対称となる回動動作を行う。動力伝達機構227は、左右の前アーム16の各前回動軸16Aに設けられたスプロケット227Aと、各スプロケット227Aに8の字状に掛け渡されたローラーチェーン227Bとによって構成されている。
【0098】
第2実施形態に係る封緘機200では、第1エアシリンダ21と連結軸215Dとの結合位置、及び第6エアシリンダ221と連結軸215Dとの結合位置を変更することによって、初期位置における左右のサイドベルトコンベア13間の距離及び前後方向に対するサイドベルトコンベア13の角度を調節することができる。このように、左右のサイドベルトコンベア13を支持するコンベア支持機構214の構成は、様々な形態を取ることができる。
【0099】
また、封緘機1、200において、第1、2、6エアシリンダ21、25、221は、ばね付勢装置に変更することができる。ばね付勢装置は、例えばシリンダと、一側がシリンダに変位可能に受容され、他側がシリンダから突出したロッドと、シリンダとロッドとの間に設けられ、ロッドをシリンダから突出する方向に付勢する圧縮コイルばねとを有する。圧縮コイルばねのばね定数は、左右のサイドベルトコンベア13を初期位置に移動させることができ、かつ前進する函体Bによって左右のサイドベルトコンベア13が押されたときに収縮することができる大きさに設定されているとよい。このように、後アーム15及び前アーム16は、所定の力で一方側に付勢する付勢装置によって付勢されていればよく、流体シリンダ装置以外にも様々な構成を適用することができる。
【0100】
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。例えば、支持装置3は、上述した構成以外にも公知の様々な構成を適用することができる。例えば、支持装置3は、左右に延びる複数のフリーローラによって載置面3Aが形成されてもよく、平板によって載置面3Aが形成されてもよい。また、支持装置3は、前後に回転可能なベルトコンベアの上面によって載置面3Aが形成されてもよい。
【0101】
後アーム15の形状、及び後回動軸15A、後支持軸15B、及び後連結軸15Cの位置関係は、任意に変更可能である。同様に、前アーム16の形状、及び前回動軸16A、前支持軸16B、及び前連結軸16Cの位置関係は、任意に変更可能である。
【0102】
上記の封緘機1、200は、上述した全ての構成が必須の構成ではなく、使用目的に応じて適宜取捨選択することができる。例えば、上部開口の封緘を行わない封緘機を構成する場合には、前上フラップ折曲装置5、後上フラップ折曲装置6、サイドフラップ折曲装置7、上テープ貼付装置9等を省略してもよい。
【符号の説明】
【0103】
1、200 :封緘機
2 :ベース
3 :支持装置
4 :搬送装置
5 :前上フラップ折曲装置
6 :後上フラップ折曲装置
7 :サイドフラップ折曲装置
8 :下テープ貼付装置
9 :上テープ貼付装置
13 :サイドベルトコンベア
13E :接触面
14、214 :コンベア支持機構
15 :後アーム
16 :前アーム
21 :第1エアシリンダ
25 :第2エアシリンダ
27、227 :動力伝達機構
31 :縦板
32 :押さえ板
40 :フラップ折曲部材
41 :基部
42 :押圧部
42A :傾斜部
43 :第5エアシリンダ
45 :係止部
221 :第6エアシリンダ
102 :変形4角形函
103 :変形6角形函
104 :変形8角形函
105 :8角形函
B :函体
C :センターライン
P :胴部
L :下フラップ
U :上フラップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20