特許第6571464号(P6571464)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6571464
(24)【登録日】2019年8月16日
(45)【発行日】2019年9月4日
(54)【発明の名称】洗面カウンター
(51)【国際特許分類】
   A47K 1/00 20060101AFI20190826BHJP
【FI】
   A47K1/00 P
   A47K1/00 M
【請求項の数】2
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-181072(P2015-181072)
(22)【出願日】2015年9月14日
(65)【公開番号】特開2017-55842(P2017-55842A)
(43)【公開日】2017年3月23日
【審査請求日】2018年2月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】302045705
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100094400
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 三義
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】大河内 優至
【審査官】 舟木 淳
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭57−093281(JP,U)
【文献】 特開2010−187785(JP,A)
【文献】 実開昭57−123093(JP,U)
【文献】 実開昭57−159790(JP,U)
【文献】 実開平07−030870(JP,U)
【文献】 実開昭63−071790(JP,U)
【文献】 実開昭59−143385(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 1/00
A47K 1/04
A47K 1/05
A47B 96/18
E03C 1/042
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カウンター本体に複数のボウルが配列された洗面カウンターにおいて、
前記カウンター本体のうちの隣り合う前記ボウルの間の部分となるボウル間部は、その上面が前後方向から見て幅方向の中央部が側方よりも上側に突出する曲面に形成され、
前記ボウル間部は、少なくとも一部が前記カウンター本体のうちの前記ボウル間部以外の部分よりも厚肉であるとともに、その下面が前記カウンター本体を下側から支持する支持部材が当接可能な平坦面に形成されていることを特徴とする洗面カウンター。
【請求項2】
カウンター本体に複数のボウルが配列された洗面カウンターにおいて、
前記カウンター本体のうちの隣り合う前記ボウルの間の部分となるボウル間部は、その上面が前後方向から見て幅方向の中央部が側方よりも上側に突出する曲面に形成され、
前記ボウル間部の下側には、前記カウンター本体とは別体に形成された調整部材が設けられていて、
該調整部材は、上面が前記ボウル間部の下面に当接され、下面が前記カウンター本体を下側から支持する支持部材が当接可能な平坦面に形成されているとともに、上面側よりも下面側が前記ボウルの配列方向の寸法が大きく形成されていることを特徴とする洗面カウンター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗面カウンターに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、公共施設などにおいてカウンター本体に複数のボウルが並んで設けられた洗面カウンターが知られている(例えば、特許文献1参照)。このような洗面カウンターのカウンター本体は、壁や床などに固定された支持部材で下側から支持されている。
一般に、支持部材は、カウンター本体の隣り合うボウルの間やボウルの側方の下面に当接するようにしてカウンター本体を支持している。このため、カウンター本体の隣り合うボウル間の下面およびボウルの側方の下面は、支持部材が当接可能な所定の大きさの平坦面に形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−187785号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、カウンター本体の隣り合うボウル間の下面を所定の大きさの平坦面に形成するために、隣り合うボウルを所定の間隔に離間させる必要がある。しかしながら、隣り合うボウルの間隔が大きくなると、カウンター本体の必要寸法が大きくなってしまい、所定の寸法のカウンター本体に対して所望の数のボウルを設けることができない虞がある。
【0005】
そこで本発明は、隣り合うボウルの間隔を小さくすることができる洗面カウンターを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る洗面カウンターは、カウンター本体に複数のボウルが配列された洗面カウンターにおいて、前記カウンター本体のうちの隣り合う前記ボウルの間の部分となるボウル間部は、その上面が前後方向から見て幅方向の中央部が側方よりも上側に突出する曲面に形成され、前記ボウル間部は、少なくとも一部が前記カウンター本体のうちの前記ボウル間部以外の部分よりも厚肉であるとともに、その下面が前記カウンター本体を下側から支持する支持部材が当接可能な平坦面に形成されていることを特徴とする。
【0007】
本発明では、カウンター本体のボウル間部を他の部分よりも厚肉に形成することにより、ボウル間部の下面の略全面をその上面の形状にかかわらず平坦面にすることが可能となる。これに対し、カウンター本体全体が均一な厚さに形成されていると、ボウル間部のうちの上面が平坦面に形成された部分の下面にしか平坦面を形成することができない。
このため、本発明では、全体を均一な厚さに形成したカウンター本体と比べて隣り合うボウルの間隔(ボウルのピッチ)が小さい場合でも、ボウル間部の下面に支持部材が当接可能な所定の大きさの平坦面を形成することができる。
これにより、本発明では、隣り合うボウルの間隔を小さくすることができる。
【0008】
また、本発明に係る洗面カウンターは、カウンター本体に複数のボウルが配列された洗面カウンターにおいて、前記カウンター本体のうちの隣り合う前記ボウルの間の部分となるボウル間部は、その上面が前後方向から見て幅方向の中央部が側方よりも上側に突出する曲面に形成され、前記ボウル間部の下側には、前記カウンター本体とは別体に形成された調整部材が設けられていて、該調整部材は、上面が前記ボウル間部の下面に当接され、下面が前記カウンター本体を下側から支持する支持部材が当接可能な平坦面に形成されているとともに、上面側よりも下面側が前記ボウルの配列方向の寸法が大きく形成されていることを特徴とする。
【0009】
本発明では、カウンター本体のボウル間部の下側に調整部材を配置することにより、ボウル間部の上面の形状にかかわらず調整部材の下面の略全体に支持部材が当接可能な所定の大きさの平坦面を形成することができる。そして、調整部材は、上面側よりも下面側の方が前記ボウルの配列方向の寸法が大きく形成されていることにより、隣り合うボウルの間隔(ボウルのピッチ)が小さい場合でも、調整部材の下面に支持部材が当接可能な所定の大きさの平坦面を形成することができる。
これにより、隣り合うボウルの間隔を小さくすることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、隣り合うボウルの間隔を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第1実施形態による洗面カウンターの一例を示す斜視図である。
図2図1のA−A線断面図である。
図3図1のB−B線断面図である。
図4図2のC部分の拡大図である。
図5】取付部材を説明する斜視図である。
図6】支持ブラケットを説明する斜視図である。
図7】本発明の第2実施形態による洗面カウンターの一例を示す斜め下側から見た斜視図である。
図8図7のD−D線断面図である。
図9】第3実施形態による洗面カウンターの一例を示す図である。
図10】調整部材を説明する斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態による洗面カウンターについて、図1乃至図6に基づいて説明する。
図1乃至図3に示すように、第1実施形態による洗面カウンター1Aは、例えば公共施設などに設置されていて、2つのボウル2,2(図1および図3参照)が形成されたカウンター本体3Aと、カウンター本体3Aを所定の高さに支持する支持部材4と、を有している。本実施形態による洗面カウンター1Aは、壁面11に沿って設置されている。
ここで、壁面11と洗面カウンター1Aとが対向する水平方向を前後方向とし、壁面11に対して洗面カウンター1A側を前側、洗面カウンター1Aに対して壁面11側を後側とする。また、前後方向に直交する水平方向を幅方向とする。
洗面カウンター1Aの下部は、キャビネットなどが設けられていてもよいし、空けられた状態としてもよい。また、洗面カウンター1Aの幅方向の両端部には、側板や壁などが設けられていてもよい。
【0014】
カウンター本体3Aは、板面が水平面となる板状で2つのボウル2,2が形成されたボウル設置部31Aと、ボウル設置部31Aの前端部から下側に延びるエプロン部32と、ボウル設置部31Aの後端部から上側に延びる立ち上がり部33と、立ち上がり部33の上端部から後側に延びる天板部34と、を有している。これらのボウル設置部31A、エプロン部32、立ち上がり部33および天板部34は、一体に形成されている。
【0015】
ボウル設置部31Aは、平面視形状が幅方向に延びる略長方形状に形成され、幅方向の中央部の両側にそれぞれ1つずつボウル2が配置されている。本実施形態では、ボウル2,2の配列方向は、幅方向と一致している。本実施形態では、ボウル設置部31Aとボウル2,2とは一体に形成されている。
本実施形態では、ボウル2は、平面視形状が略長方形状となるように形成されていて、幅方向の中央部における後部側に排水口21が形成されている。排水口21には、排水配管(不図示)が接続されている。
ボウル2の上面22は、下側に凹む曲面に形成されている。ボウル2の後端部2aは、ボウル設置部31Aの後端部まで達していて、立ち上がり部33の前面と接続されている。また、ボウル2の前端部2bは、ボウル設置部31Aの前端部よりも後側に配置されている。
【0016】
2つのボウル2,2のうち幅方向の一方側に配置されたボウル2を第1ボウル2Aとし、幅方向の他方側に配置されたボウル2を第2ボウル2Bとすると、第1ボウル2Aと第2ボウル2Bとは、幅方向に連続するように配置されている。
ボウル設置部31Aのうち、第1ボウル2Aと第2ボウル2Bとの境界の近傍の領域をボウル間部311Aとする。ボウル間部311Aは、ボウル設置部31Aの前後方向の略全体にわたって延在している。ボウル間部311Aの上面は、前後方向から見て幅方向の中央部が側方よりも上側に突出する曲面に形成されている。
【0017】
また、ボウル設置部31Aのうち、第1ボウル2Aの幅方向の一方側の縁部2c近傍の領域を第1ボウル連続部312Aとし、第2ボウル2Bの幅方向の他方側の縁部2d近傍の領域を第2ボウル連続部313Aとする。
第1ボウル連続部312Aおよび第2ボウル連続部313Aは、それぞれボウル設置部31Aの前後方向の略全体にわたって延在している。
【0018】
図3に示すように、ボウル設置部31Aのうち、ボウル間部311A、第1ボウル連続部312および第2ボウル連続部313A以外の部分は、厚さが均一となるように形成されている。ボウル間部311A、第1ボウル連続部312Aおよび第2ボウル連続部313Aは、ボウル設置部31Aのこれら以外の部分よりも厚肉であるとともに、それぞれの下面311a,312a,313aの略全体が略水平面となる平坦面に形成されている。
【0019】
ボウル間部311A、第1ボウル連続部312Aおよび第2ボウル連続部313Aのそれぞれ下面311a,312a,313aは、それぞれ支持部材4の取付部材41が接着可能な所定の大きさの平坦面に形成されている。
なお、本実施形態では、ボウル設置部31Aのボウル間部311A、第1ボウル連続部312Aおよび第2ボウル連続部313A以外の部分と、エプロン部32、立ち上がり部33および天板部34は、略同じ厚さに形成されている。
【0020】
図1および図2に戻り、エプロン部32は、板面が鉛直面となる平板状の部材で、カウンター本体3Aの幅方向全体にわたるように形成されている。本実施形態には、エプロン部32に、エプロン部32の前面から突出し荷物などを掛けることができるフック5が設けられている。フック5は、前側から見て2つのボウル2,2それぞれの幅方向の他方側(右側)となる位置に設けられている。本実施形態では、洗面カウンター1Aに対向する使用者が使用するボウル2の右側の設けられたフック5に荷物を掛けるように想定されている。
【0021】
図2に示すように、フック5は、略円柱状の荷掛部51と、荷掛部51の軸方の一方側の端部から突出する荷掛部51より小径の略円柱状の係止部52と、を有している。エプロン部32には、前側から係止部52が挿入されて係止部52を係止可能な凹部321が形成されている。
エプロン部32の凹部321に係止部52が挿入されて係止されると、荷掛部51がエプロン部32の前面から突出した状態となる。そして、このような状態の荷掛部51に荷物などを掛けることができる。
本実施形態では、荷掛部51の前端部近傍がその後側よりも拡径していて、荷掛部51に掛けられた荷物が荷掛部51から滑り落ちることを抑制している。
なお、フック5は、エプロン部32を貫通するボルトなどによって、エプロン部32の後側からエプロン部32に固定されていてもよい。
【0022】
図1乃至図3に示すように、立ち上がり部33は、板面が鉛直面となる平板状の部材で、カウンター本体3Aの幅方向全体にわたるように形成されている。立ち上がり部33には、水栓331,331(図1および図3参照)が取り付けられている。なお、立ち上がり部33は、水栓331,331に加えてせっけん入れ(不図示)などの部材が取り付け可能に構成されていてもよい。
【0023】
天板部34は、板面が略水平面となる平板状の部材で、カウンター本体3Aの幅方向全体にわたるように形成されている。天板部34の後端部341は、壁面11と当接している。天板部34は、その上面342に使用者が荷物などの物品を載置できるように設けられている。
図4に示すように、天板部34の前端部343近傍の上面342には、前側から後側に向かって漸次下側に向かう傾斜面344が形成されている。傾斜面344は、その前端部よりも後端部が2mm程度低くなるように形成されている。傾斜面344の後端部は、天板部34の上面342のうちの傾斜面344よりも後側の部分と滑らかに接続されている。
【0024】
天板部34に傾斜面344が形成されていることにより、例えば口紅などの円柱状の物品を天板部34に載せた際に、この物品が天板部34の上面342を前方に向かって転がったとしても、傾斜面344によって物品が前方に向かって転がることが抑制される。このため、天板部34の上に載置された物品が天板部34の前端部343から下方に落ちることを防止できる。
【0025】
天板部34からの物品の落下防止機構として、天板部34の上面342の前端部343近傍に、上側に突出する突出部を形成する場合がある。しかしながら、このような落下防止機構では、使用者が天板部34の上の物品を取ろうとした際に、突出部に物品が引っ掛かり物品をスムーズに取れないことがある。
これに対して、本実施形態では、天板部34の上面342に物品が引っ掛かる虞がなく、使用者が天板部34から物品をスムーズに取ることができる。
また、天板部34の上面342に突出部が形成されていると、天板部34の上面342に入隅が形成され、この入隅にゴミなどが入り込むことあるため、天板部34の清掃に手間がかかっている。
これに対して、本実施形態では、天板部34の上面342に入隅となる角部が形成されないため、天板部34の清掃を容易に行うことができる。
【0026】
図2および図3に戻り、支持部材4は、ボウル設置部31Aの下面に接着される取付部材41と、壁面11に固定されて取付部材41に固定される支持ブラケット42と、を有している。
本実施形態では、3つの支持部材4,4,4でカウンター本体3Aを所定の高さに支持している。3つの支持部材4,4,4は、ボウル設置部31Aのボウル間部311A、第1ボウル連続部312Aおよび第2ボウル連続部313Aの下側にそれぞれ配置されている、これらの取付部材41,41,41は、上側に配置されるボウル間部311A、第1ボウル連続部312Aおよび第2ボウル連続部313Aの下面311a,312a,313aのうちのいずれかに接着されている。
【0027】
図2図3および図5に示すように、取付部材41は、板面が水平面となる平板状に形成され、上面411aが上側に配置されるボウル間部311A、第1ボウル連続部312Aおよび第2ボウル連続部313A(図2および図3参照)の下面311a,312a,313aのうちのいずれかに接着される接着部411と、板面が幅方向を向く鉛直面となる平板状に形成され、接着部411の上面411aから上側に突出する突出部412と、を有している。
接着部411および突出部412は、木材や樹脂などで形成されている。接着部411と突出部412とは、一体に形成されていてもよいし、別体に形成されて連結されていてもよい。
【0028】
接着部411は、板面が幅方向よりも前後方向に長い略長方形状に形成されている。接着部411は、上面411aおよび下面411bが平坦面となるように形成されている。
図3に示すように、接着部411の幅方向の寸法は、ボウル間部311Aの下面311aの幅方向の寸法と略同じ寸法となるように設定されている。また、図2に示すように、接着部411の前後方向の寸法は、カウンター本体3Aの前後方向の寸法よりもやや小さくなるように設定されている。
【0029】
接着部411は、前側の部分となる前部側411cがカウンター本体3Aのボウル設置部31Aの下側に配置され、後側の部分となる後部側411dが立ち上がり部33および天板部34の下方に配置される。接着部411の前端部411eは、エプロン部32の裏面よりもやや後方に配置され、接着部411の後端部411fは、壁面11と当接している。
接着部411の上面411aは、例えば接着剤などで上側に配置されるボウル間部311A、第1ボウル連続部312Aおよび第2ボウル連続部313Aの下面311a,312a,313aのうちのいずれかと面接触した状態に接着される。
【0030】
なお、本実施形態では、第1ボウル連続部312Aの下面312a、および第2ボウル連続部313Aの下面313aは、ボウル間部311Aの下面311aよりも幅方向の寸法が小さくなるように形成されている。このため、第1ボウル連続部312Aの下面312a、および第2ボウル連続部313Aの下面313aに接着される接着部411は、その上面411aの一部が第1ボウル連続部312Aの下面312a、および第2ボウル連続部313Aの下面312bと接着されず露出した状態となっている。
【0031】
突出部412は、板面が略長方形状に形成され、接着部411の後部側411dに連結されている。
突出部412は、接着部411が上側に配置されるボウル間部311A、第1ボウル連続部312Aおよび第2ボウル連続部313Aの下面311a,312a,313aのうちのいずれかに接着されると、天板部34の下方で立ち上がり部33の後方に配置される。このとき、突出部412は、上端部412aが天板部34の下面と対向し、前端面412bが立ち上がり部33の後面と対向し、後端部412cが壁面11と対向している。
なお、突出部412は、立ち上がり部33、天板部34および壁面11と当接していてもよいし、立ち上がり部33、天板部34および壁面11との間に隙間が形成されていてもよい。
【0032】
図2図3および図6に示すように、支持ブラケット42は、壁面11(図2および図3参照)に固定される第1固定部421と、第1固定部421と連結されて取付部材41の接着部411(図2および図3参照)に固定される第2固定部422と、第1固定部421および第2固定部422それぞれに連結されたフランジ423と、を有している。
【0033】
第1固定部421は、所定の長さを有する長尺の部材で、壁面11に沿って上下方向に延在するように配置されている。第1固定部421は、ネジなどの固定具で壁面11に固定される。第1固定部421には壁面11と当接する平坦面が形成されている。
第2固定部422は、所定の長さを有する長尺の部材で、取付部材41の接着部411の下面に沿って前後方向に延在するように配置されている。第2固定部422は、ネジなどの固定具で取付部材41の接着部411の下面に固定される。第2固定部422には、接着部411の下面と当接する平坦面が形成されている。
【0034】
第1固定部421と第2固定部422とは、第1固定部421の上端部と第2固定部422の後端部とが連結され、幅方向から略直交するように配置されている。
フランジ423は、板面が幅方向を向く鉛直面となる板状の部材で、第1固定部421の前側かつ第2固定部422の423下側に配置され、第1固定部421および第2固定部422とそれぞれ連結されている。
支持ブラケット42についても、3つの取付部材41それぞれに固定されるように3つ設けられている。
【0035】
このような洗面カウンター1Aを壁面11に沿って所定の高さに設置するには、まず、ボウル設置部31Aの下面に3つの取付部材41,41,41をそれぞれ接着するとともに、3つの支持ブラケット42,42,42をそれぞれ壁面11の所定の高さに固定する。
このとき、ボウル設置部31Aのボウル間部311A、第1ボウル連続部312Aおよび第2ボウル連続部313Aの下面311a,312a,313aそれぞれに取付部材41を接着する。
【0036】
続いて、3つの支持ブラケット42,42,42それぞれの第2固定部422の上面にボウル設置部31Aの下面に接着された取付部材41の接着部411の下面411bが当接するように、取付部材41が接着されたカウンター本体3Aを支持ブラケット42,42,42の上に載置する。そして、支持ブラケット42,42,42それぞれの第2固定部422と取付部材41の接着部411とをネジなどの固定具で固定する。
このようにして、カウンター本体3Aが壁面11に沿って所定の高さに設置される。
【0037】
次に、上述した第1実施形態による洗面カウンター1Aの作用・効果について図面を用いて説明する。
上述した第1実施形態による洗面カウンター1Aでは、ボウル設置部31Aのボウル間部311Aを他の部分よりも厚肉に形成することにより、ボウル間部311Aの下面311aの略全面をその上面の形状にかかわらず平坦面にすることが可能となる。これに対し、ボウル設置部31A全体が均一な厚さに形成されていると、ボウル間部311Aのうちの上面が平坦面に形成された部分の下面にしか平坦面を形成することができない。
【0038】
このため、第1実施形態による洗面カウンター1Aは、ボウル設置部31A全体を均一な厚さに形成した洗面カウンターと比べて、隣り合うボウル2,2の間隔(ボウル2のピッチ)が小さい場合でも、ボウル間部311Aの下面311aに支持部材4が当接可能な所定の大きさの平坦面を形成することができる。
これにより、洗面カウンター1Aの隣り合うボウル2,2の間隔を小さくすることができる。
【0039】
また、ボウル間部311Aと同様に第1ボウル連続部312Aおよび第2ボウル連続部313についても厚肉に形成し、その下面312a,313aを平坦面にすることにより、第1ボウル連続部312Aおよび第2ボウル連続部313Aの下面312a,313aの略全体をその上面の形状にかかわらず平坦面にすることが可能となる。
これにより、ボウル設置部31A全体を均一な厚さに形成した洗面カウンターと比べて、第1ボウル連続部312Aおよび第2ボウル連続部313Aの幅方向の寸法を小さくすることができる。
また、カウンター本体3Aは、ボウル間部311Aの上面が上側に突出する曲面に形成されていることにより、ボウル間部311Aの上面に水が溜まることを防止できる。
【0040】
(第2実施形態)
次に、他の実施形態について、添付図面に基づいて説明するが、上述の第1実施形態と同一又は同様な部材、部分には同一の符号を用いて説明を省略し、第1実施形態と異なる構成について説明する。
図7および図8に示すように、第2実施形態による洗面カウンター1Bは、カウンター本体3Bのボウル設置部31Bのボウル間部311Bは、第1実施形態と同様に厚肉に形成されているが、下側に開口する凹部311bが形成されている。凹部311bは、平面視形状が幅方向よりも前後方向に長い略長方形状に形成されている。
【0041】
ボウル間部311Bのうちの凹部311bが形成されていない部分の下面311aは、平坦面に形成されている。
また、この凹部311bの内側には、底部から下側に突出するリブ311cが形成されている。リブ311cの下端面は、平坦面に形成されている。本実施形態では、凹部311bの内側において、前後方向に延びるリブ311cと幅方向に延びるリブ311cとが形成されている。
本実施形態では、ボウル間部311Bのうちの凹部311bが形成されていない部分の下面311aおよびリブ311cの下面311dに、取付部材41の接着部411が接着され、この取付部材41の接着部411と支持ブラケット42とが固定されるように構成されている。
【0042】
また、第1ボウル連続部312Bおよび第2ボウル連続部313Bについても、ボウル間部311Bと同様に、それぞれ厚肉に形成されているが、凹部312b,313bが形成されるとともに、凹部312b,313bの内側にリブ312c,313cが形成されている。
そして、第1ボウル連続部312Bおよび第2ボウル連続部313Bの凹部312b,313bが形成されていない部分の下面312a,313aおよびリブ312c,313cの下面312d,313dに、取付部材41の接着部411が接着され、この取付部材41の接着部411と支持ブラケット42とが固定されるように構成されている。
【0043】
第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の効果を奏するとともに、第1実施形態と比べてカウンター本体3Bの軽量化および材料の減量化を図ることができる。
【0044】
(第3実施形態)
図9に示すように、第3実施形態による洗面カウンター1Cは、カウンター本体3Cのボウル設置部31C全体が略均一な厚さに形成されている。ボウル設置部31Cのボウル間部311C、第1ボウル連続部312Cおよび第2ボウル連続部313Cの上面は、第1の実施形態と同様に上方に突出する曲面に形成されている。第3実施形態では、ボウル設置部31Cのボウル間部311C、第1ボウル連続部312Cおよび第2ボウル連続部313Cの下面311a,312a,313aは、第1実施形態と異なり、それぞれの上面と対応するように上側に凹んだ曲面に形成されている。
【0045】
ボウル設置部31Cのボウル間部311C、第1ボウル連続部312Cおよび第2ボウル連続部313Cの下面311a,312a,313aには、第1実施形態の支持部材4の取付部材41,41,41(図3参照)に代わって調整部材6,6,6が接着されている。第3実施形態による支持部材4Cは、第1実施形態のような取付部材41を有しておらず、支持ブラケット42が調整部材6に直接固定されるように構成されている。
【0046】
図9および図10に示すように、調整部材6は、上面61aが上側に配置されるボウル間部311C、第1ボウル連続部312Cおよび第2ボウル連続部313C(図9参照)の下面311a,312a,313aのうちのいずれかに接着される接着部61と、板面が幅方向を向く鉛直面となる平板状に形成され、接着部61の上面61aから上側に突出する突出部62と、を有している。
接着部61および突出部62は、木材や樹脂などで形成されている。接着部61と突出部62とは、一体に形成されていてもよいし、別体に形成されて連結されていてもよい。
【0047】
接着部61は、幅方向よりも前後方向に長い長尺の部材に形成されている。接着部61の上面61aは、上側に配置されるボウル間部311C、第1ボウル連続部312Cおよび第2ボウル連続部313Cの下面311a,312a,313aのうちのいずれかと嵌合する形状に形成されている。接着部61の下面61bは、平坦面となるように形成されている。
接着部61は、前後方向から見て上面61a側よりも下面61b側の方が幅方向(ボウル2,2の配列方向)の寸法が大きく形成されている。
【0048】
図9に示すように、接着部61の幅方向の寸法は、ボウル間部311Cの下面311aの幅方向の寸法と略同じ寸法となるように設定されている。また、接着部61の前後方向の寸法は、カウンター本体3Cの前後方向の寸法よりもやや小さくなるように設定されている。
【0049】
接着部61は、前側の部分となる前部側61cがカウンター本体3Cのボウル設置部31Cの下側に配置され、後側の部分となる後部側61dが立ち上がり部33および天板部34の下方に配置される。接着部61の前端部61eは、エプロン部32の裏面よりもやや後方に配置され、接着部61の後端部61fは、壁面11と当接している。
接着部61の上面61aは、例えば接着剤などで上側に配置されるボウル間部311C、第1ボウル連続部312Cおよび第2ボウル連続部313Cの下面311a,312a,313aのうちのいずれかと面接触した状態に接着される。
【0050】
突出部62は、板面が略長方形状に形成され、接着部61の後部側61dに連結されている。
突出部62は、接着部61が上側に配置されるボウル間部311C、第1ボウル連続部312Cおよび第2ボウル連続部313Cの下面311a,312a,313aのうちのいずれかに接着されると、天板部34の下方で立ち上がり部33の後方に配置される。このとき、突出部62は、上端部62aが天板部34の下面と対向し、前端面62bが立ち上がり部33の後面と対向し、後端部62cが壁面11と対向している。
なお、突出部62は、立ち上がり部33、天板部34および壁面11と当接していてもよいし、立ち上がり部33、天板部34および壁面11との間に隙間が形成されていてもよい。
【0051】
このような洗面カウンター1Cを壁面11に沿って所定の高さに設置するには、まず、ボウル設置部31Cの下面に3つの調整部材6,6,6をそれぞれ接着するとともに、3つの支持ブラケット42,42,42をそれぞれ壁面11の所定の高さに固定する。
このとき、ボウル設置部31Cのボウル間部311C、第1ボウル連続部312Cおよび第2ボウル連続部313Cの下面311a,312a,313aそれぞれに調整部材6を接着する。
【0052】
続いて、3つの支持ブラケット42,42,42それぞれの第2固定部422の上面にボウル設置部31Cの下面に接着された調整部材6の接着部61の下面61bが当接するように、調整部材6が接着されたカウンター本体3Cを支持ブラケット42,42,42の上に載置する。そして、支持ブラケット42,42,42それぞれの第2固定部422と調整部材6の接着部61とをネジなどの固定具で固定する。
このようにして、カウンター本体3Cが壁面11に沿って所定の高さに設置される。
【0053】
第3実施形態による洗面カウンター1Cでは、カウンター本体3Cのボウル間部311Cの下面311aに調整部材6の接着部61が接着されていて、調整部材6の接着部61の下面が平坦面に形成されている。このため、ボウル間部311Cの上面の形状にかかわらず調整部材6の接着部61の下面の略全体に支持部材4Cが当接可能な所定の大きさの平坦面を形成することができる。そして、調整部材6の接着部61は、上面側よりも下面側の方が幅方向の寸法が大きく形成されていることにより、隣り合うボウル2,2の間隔(ボウルのピッチ)が小さい場合でも、調整部材6の接着部61の下面に支持部材4Cが当接可能な所定の大きさの平坦面を形成することができる。これにより、隣り合うボウル2,2の間隔を小さくすることができる。
また、第3実施形態による洗面カウンター1Cでは、カウンター本体3Cのボウル設置部31C全体が略均一な厚さに形成されていることにより、第1実施形態および第2実施形態による洗面カウンター1A,1Bと比べてカウンター本体3Cの軽量化および材料の減量化を図ることができる。
【0054】
以上、本発明による洗面カウンター1A〜1Cの実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記の実施形態では、洗面カウンター1A〜1Cには、カウンター本体3A〜3Cに2つのボウル2,2が配置されているが3つ以上のボウル2,2…が配置されていてもよい。
また、上記の第1実施形態および第2実施形態では、取付部材41の接着部411は、ボウル間部311A,311B、第1ボウル連続部312A,312Bおよび第2ボウル連続部313A,313Bいずれかの下面に接着剤などで接着されているが、下面に当接していれば接着されていなくてもよい。
また、上記の第3実施形態では、調整部材6の接着部61は、ボウル間部311C、第1ボウル連続部312Cおよび第2ボウル連続部313Cいずれかの下面に接着剤などで接着されているが、下面に当接していれば接着されていなくてもよい。
【0055】
また、上記の実施形態では、カウンター本体3A〜3Cがボウル間部311A〜311C、第1ボウル連続部312A〜312Cおよび第2ボウル連続部313A〜313Cの下側に設置された支持部材4,4Cに支持されているが、ボウル間部311A〜311Cの下側に支持部材4,4Cが設置されていれば、第1ボウル連続部312A〜312Cおよび第2ボウル連続部313A〜313Cの下側には支持部材4,4Cが設置されていなくてもよいし、他の支持部材が設置されていてもよい。
このような場合、第1実施形態および第2実施形態では、第1ボウル連続部312A,312Bおよび第2ボウル連続部313A,313Bが厚肉に形成されていなくてもよく、第3実施形態では、第1ボウル連続部312Cおよび第2ボウル連続部313Cの下側に調整部材6が設けられていなくてもよい。
【0056】
また、上記の実施形態では、カウンター本体3A〜3Cは、ボウル設置部31A〜31Cと、エプロン部32、立ち上がり部33、天板部34とを有しているが、少なくともボウル設置部31A〜31Cを有していればよい。
また、上記の実施形態では、ボウル間部311A〜311Cの上面が上方に突出する湾曲面に形成されているが、平坦面に形成されていてもよい。
【0057】
また、上記の実施形態では、ボウル設置部31A〜31Cとボウル2,2とが一体に形成されているが、別体に形成されて連結されていてもよい。
また、上記の実施形態では、カウンター本体3A〜3Cは、壁面11に固定された支持ブラケット42に支持されているが、壁面11に代わって柱や床に固定された支持ブラケットに支持されていてもよい。
【0058】
また、上記の実施形態では、天板部34の前端部343近傍の上面342には、前側から後側に向かって漸次下側に向かう傾斜面344が形成されているが、天板部34の上面342の全体が水平面に形成されていてもよいし、傾斜面に形成されていてもよい。また、天板部34の前端部343に、上側に突出する突出部が設けられていてもよい。
また、上記の実施形態では、エプロン部32にフック5が設けられているが、設けられていなくてもよい。また、フック5が配置される位置や数は適宜設定されてよい。また、フック5がエプロン部32に係止される構成は上記以外であってもよい。
【0059】
また、上記の第1実施形態および第2実施形態では、取付部材41の接着部411の上面に突出部412が連結されているが、接着部411の上面に突出部412が連結されていなくてもよい。
また、上記の第3実施形態では、調整部材6の接着部61の上面に突出部62が連結されているが、接着部61の上面に突出部62が連結されていなくてもよい。
また、上記の第2実施形態では、ボウル間部311Bに形成された凹部311bの内側にリブ311cが形成されているが、リブ311cが形成されていなくてもよい。また、凹部311bおよびリブ311cの形状や形成される位置や数は適宜設定されてよい。
【符号の説明】
【0060】
1A〜1C 洗面カウンター
2,2A,2B ボウル
3A〜3C カウンター本体
4,4C 支持部材
6 調整部材
31A〜31C ボウル設置部
311A〜C ボウル間部
311a 下面
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10