(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本開示の実施形態について、図面を用いて説明する。
【0015】
(本開示の一形態を得るに至った経緯)
心臓の電気伝導系に疾患が疑われる場合、主に心電計を用いて検査される。心電計は心電図のデータを取得する。心電計を用いた検査では、患者に電極を取り付け、電気信号を取得し、心臓の電気的な活動の様子をグラフ形式で得られる。心電計を用いた検査結果は、心疾患の診断と治療に役立てられる。心電計により、人体への負担を少なく、心臓の電気的な活動を把握できるが、必ずしも心電図から心疾患の診断に必要な情報の全てを得られるとは限らない。
【0016】
また、心電計を用いた検査により精密検査が必要となった場合、EPS(ElectroPhysiology Study:電気生理学的検査)が実施される。EPSでは、電極カテーテルが心房内や心室内に挿入され、心内膜の電位を測定し、又は人為的な電気刺激に対する反応を取得する。EPSにより、心疾患の詳細な情報を得られるが、人体に対する侵襲があり、患者の負担が大きい。
【0017】
心疾患が不整脈である場合、EPSは、頻拍の原因が、電気伝送系にループが生じるリエントリであるか、洞結節以外から刺激が発生する期外収縮であるか、の情報を取得できる。また、心疾患が不整脈である場合、EPSは、除脈の原因が、電気伝送系が遮断されるブロックであるか、洞結節から刺激が発生しなくなる洞結節機能不全であるか、の情報を取得できる。
【0018】
このような心電図による検査の手軽さと、EPSによる検査の精細さと、を両立することは困難である。また、不整脈とともに心筋梗塞を併発している場合は心電図及びEPSでは詳細な病変部の情報が得られず、画像診断が必要になることもある。
【0019】
また、心臓の電気伝導系と同様に、心臓以外の観察対象に対しても、短期的に変形する観察対象の長期的な変化を容易に確認可能となることが好ましい。
【0020】
以下、短期的に変形する観察対象の長期的な変化を容易に確認できる医用画像処理装置、医用画像撮像装置、医用画像処理方法、医用画像撮像方法、及び医用画像処理プログラムについて説明する。
【0021】
(第1の実施形態)
[医用画像処理装置の構成]
図1は、第1の実施形態における医用画像処理装置100の構成例を示すブロック図である。医用画像処理装置100は、ポート110、UI(User Interface)120、ディスプレイ130、プロセッサ140、及びメモリ150を備える。医用画像処理装置100には、CT装置200及び心電計300が接続される。医用画像処理装置100は、CT装置200からボリュームデータを取得し、取得されたボリュームデータに対して処理を行う。医用画像処理装置100は、PC(Personal Computer)とPCに搭載されたソフトウェアにより構成されてもよい。
【0022】
CT装置200は、生体へX線を照射し、体内の組織によるX線の吸収の違いを利用して、画像(CT画像)を撮像する。生体は人体を含んでもよい。CT画像は、時系列に複数撮像されてもよい。CT画像は、生体内部の任意の箇所の情報を含むボリュームデータを形成する。生体内部の任意の箇所は、心臓を含んでもよい。CT画像が撮像されることにより、CT画像における各画素(ボクセル)の画素値(CT値)が得られる。CT装置200は、CT画像としてのボリュームデータを医用画像処理装置100へ、有線回線又は無線回線を介して送信する。
【0023】
心電計300は、生体から、心臓の電気的な活動の様子を心電図のデータとして取得する。
【0024】
ポート110は、CT画像としてのボリュームデータを取得する。取得されたボリュームデータは、直ぐにプロセッサ140へ送られて各種処理されてもよいし、メモリ150において保管された後、必要時にプロセッサ140へ送られて各種処理されてもよい。
【0025】
ポート110は、心電計300から心電図のデータを取得してもよい。
【0026】
UI120は、タッチパネル、ポインティングデバイス、キーボード、又はマイクロホンを含んでもよい。UI120は、医用画像処理装置100のユーザから、任意の入力操作を受け付ける。ユーザは、医師、放射線技師、又は読影医を含んでもよい。UI120は、ボリュームデータにおいて所定の領域の指定操作を受け付けてもよい。所定の領域は、心臓を含んでもよい。
【0027】
ディスプレイ130は、LCD(Liquid Crystal Display)を含んでもよく、各種情報を表示する。各種情報は、ボリュームデータから得られる3次元画像を含む。3次元画像は、ボリュームレンダリング画像、サーフェスレンダリング画像、及びMPR(Muti Planar Reconstruction)画像を含んでもよい。
【0028】
メモリ150は、各種ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)を含む。メモリ150、各種情報やプログラムを記憶する。各種情報は、ポート110により取得されたボリュームデータ、プロセッサ140により生成された画像、プロセッサ140により設定された設定情報、を含んでもよい。
【0029】
プロセッサ140は、CPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、又はGPU(Graphics Processing Unit)を含んでもよい。プロセッサ140は、メモリ150に記憶された医用画像処理プログラムを実行することにより、各種処理や制御を行う。また、プロセッサ140は、医用画像処理装置100の各部を統括する。
【0030】
プロセッサ140は、ボリュームデータにおいて、所定の領域を抽出してもよい。この場合、UI120がユーザからの領域指定を受け付け、領域指定の情報がプロセッサ140に送られる。プロセッサ140は、領域指定の情報に基づいて、公知の方法により、ボリュームデータから、指定された領域を抽出してもよい。または、プロセッサ140は、UI120からの入力よりユーザの手動操作により領域を設定し、設定情報をメモリ150に保持させてもよい。
【0031】
抽出される領域は、ユーザにより注目される関心領域(ROI:Region of Interest)を含む。抽出される領域は、心臓の領域を含んでもよい。
【0032】
尚、CT装置200により所定の領域のボリュームデータが取得されてもよい。所定の領域は、心臓を含んでもよい。この場合、医用画像処理装置100は、ボリュームデータにおいて所定の領域を抽出する処理を省略できる。
【0033】
プロセッサ140は、ポート110により取得されたボリュームデータに基づいて、3次元画像を生成する。プロセッサ140は、ポート110により取得されたボリュームデータから、指定された領域に基づいて、3次元画像を生成してもよい。
【0034】
[心拍フェーズの詳細]
次に、心拍フェーズについて説明する。
【0035】
CT装置200は、連続的に撮像することで、3次元のボリュームデータを複数取得する。複数の3次元のボリュームデータは、動画を構成する。複数の3次元画像による動画の表示を、4D(4次元)表示とも称する。
【0036】
図2は、心電計300が得る心電図のデータの一例を示す模式図である。
図3は、
図2における心電図のデータの拡大図である。
図4は、心周期の異なる複数の心電図のデータの一例を示す模式図である。ここでは、心電図のデータは、心電図の波形で示されている。
【0037】
図2及び
図3に示すように、心拍は周期的な運動を示すので、心電図の波形は、周期的な変化を有する。心電図の波形は、心房収縮を示すP波、心室収縮を示すQ波、R波、S波、心室緩和を示すT波を有する。ここでは、心周期における時間位置、つまり心周期に対する時刻の割合を、心拍フェーズとも称する。心拍フェーズは、0%〜100%で表され、心電図の波形においてR波が出現するタイミングが0%とされる。心電図における各波のうち、R波の振幅レベルが最大であるため、R波の時間位置が心拍フェーズの基準位置とされている。ここで、心拍フェーズにおける0%〜100%で表される位置を「フェーズ位置」と称する。
【0038】
また、
図4に示すように、心電図の波形や心拍の様子は、時々刻々と変化する。この場合、R波が出現し、次にR波が出現するまでの期間(R−R間隔、R−R間隔’)の長さ、つまり心周期が変化する。この場合、術前及び術後のように、異なるタイミングで心電図の波形を取得すると、心周期の異なる波形が得られる。心周期が変化すると、同じ心拍フェーズであっても、反復される心拍に伴っておこる活動の、特にR波からの実際の時刻(実時刻)が異なる。
【0039】
心周期が変動すると、心周期における各実時間位置の間隔(実時間間隔)も変化する。ここで、心周期には、実時間間隔が変動し易い範囲と、実時間間隔が変動し難い範囲と、が存在する。それは、心拍数が変動しても、つまり心周期が変動しても、洞結節から一旦発生した刺激は、(電気伝達系が正常であれば)ほぼ同一の時間で伝達されるからである。一方、電気伝達系が損なわれたり、又は修復されたりした場合には、これらの時間が変化する。
【0040】
つまり、前後に連続する心周期におけるP波の開始からT波の終了までの区間(「PT区間」とも称する)の実時間の長さ(「PT時間」とも称する)は、変動し難い。一方、1つの心周期におけるT波の終了後からP波の開始前までの区間(「非PT区間」とも称する)の実時間の長さ(「非PT時間」とも称する)は、変動し易い。
【0041】
尚、PT時間は、P波の開始からQ波の実時間位置までの時間(「PQ時間」とも称する)と、Q波の実時間位置からT波の終了までの時間(「QT時間」とも称する)と、の合計時間である。
【0042】
CT装置200は、反復される心周期に対して均等な間隔(フェーズ間隔)で撮像する。CT装置200は、心電計300から得られる心拍に同期して、20個のボリュームデータを取得してもよい。この場合、5%ずつフェーズ位置が移動してボリュームデータが得られる。
【0043】
また、1つの心周期につき20回撮像することは一例であり、これに限られない。CT装置200は、0%、20%、40%、60%、80%(100%は0%と同一なので省略)の各心拍フェーズにおいて撮像し、ボリュームデータを取得してもよい。
【0044】
CT装置200は、ディテクタの1回転に0.5秒程度かかり、そのままでは1回の心周期では20フェーズの撮像を行えない。そこで、CT装置200は、ディテクタを回転させながら心電図を取得し、シノグラムを取得した心拍フェーズに応じて、0%の時刻に収拾したシノグラムを、0%の心拍フェーズのボリュームデータを再構成するために分配し、20%の時刻に収拾したシノグラムを、20%の心拍フェーズのボリュームデータを再構成するために分配する。これを心電同期撮像という。
【0045】
医用画像処理装置100は、CT装置200により撮像された各心拍フェーズのボリュームデータを取得し、各心拍フェーズのボリュームデータから得られる3次元画像を連続的に再生すると、心臓の拍動の様子を表現して表示できる。
【0046】
[ボリュームデータの配列方法]
次に、心臓の拍動を観察するための画像の配列方法について説明する。
【0047】
図5は、各心拍フェーズにおけるボリュームデータの配列例を示す模式図である。
図5では、心拍フェーズのフェーズ位置で規定される時間軸xと、術前や術後のように治療経過に係る時間の時間間隔で規定される時間軸yと、が用いられている。時間軸xで規定される時間間隔は、5%でもよい。時間軸yで規定される時間間隔は、例えば経過観察のための1週間や1月や半年でもよい。
【0048】
プロセッサ140は、CT装置200から得られたボリュームデータを、術前のデータであるか術後のデータであるかに応じて分類し、複数の画像グループを生成する。ここでは、分類の結果、術前の画像グループと術後の画像グループとが形成される。
【0049】
プロセッサ140は、術前のボリュームデータを、心拍フェーズの順に従って時間軸xに沿って配列する。同様に、術後のボリュームデータを、心拍フェーズの順に従って時間軸xに沿って配列する。尚、ボリュームデータを、必ずしも実際に(実空間上に)配列しなくてよく、ボリュームデータの撮像時刻等に基づいて配列順が整理されればよい。
【0050】
このように、プロセッサ140は、心拍フェーズのような短期的時間の経過と、術前術後のような長期的時間の経過と、を加味して、ボリュームデータを座標面上に配列する。心拍フェーズは、周期性を有する動作であることが多いので、術前及び術後において、同一の心拍フェーズでボリュームデータを比較することに向いている。
【0051】
尚、フェーズの周期性は厳密でなくてもよい。肩を繰り返し回すような動作も、短期的時間の経過とともに周期的に変化する動作(フェーズを有する動作)として扱ってよい。
【0052】
短期的時間の経過による変動と長期的な時間経過による変動とを、1つの時間軸上に配列して観察すると、短期的な時間位置が対応する複数の変動の様子を比較することが困難である。これに対して、
図5に示したように、時間を2次元に拡張してボリュームデータを配列すると、比較検証がし易くなる。
【0053】
[フェーズ間隔の調整及びフェーズ補間]
図6は、術前及び術後におけるフェーズ間隔の調整例を示す模式図である。
図6では、術前の心拍フェーズの83%〜100%、0%〜17%の区間が、PT区間であることを例示する。
【0054】
図6では、時間軸xに沿って、術前及び術後において、ボリュームデータが、等間隔の各心拍フェーズに配列される。
図6では、等間隔の各心拍フェーズは、0%、20%、40%、60%、80%、である。
【0055】
プロセッサ140は、術前及び術後において、非PT区間における各心拍フェーズ(
図6では40%、60%)のボリュームデータを、フェーズ間隔を調整せずにそのまま比較する。術前及び術後の心周期の実時間の長さの変動率と、非PT区間におけるフェーズ位置に対応する実時間位置の変動率と、が同じであるためである。
【0056】
一方、プロセッサ140は、術前及び術後において、PT区間における各心拍フェーズ(
図6では0%、20%、80%)のボリュームデータを、フェーズ間隔を調整して比較する。図の例では、術後において0%から20%にかけての時間は、術前において0%から17%にかけての時間に相当する。
【0057】
フェーズ間隔が調整される際、プロセッサ140は、PT区間の各心拍フェーズ(
図6では0%、20%、80%)では、術前の複数のボリュームデータに基づいて、術後のフェーズ位置に対応する補間位置での補間ボリュームデータを生成する。プロセッサ140は、術前の心周期の実時間の長さと、術後の心周期の実時間の長さと、RT区間の実時間の長さと、補間ボリュームデータと比較される術後のフェーズ位置と、に基づいて、この補間位置を導出する。導出には算出が含まれてもよい。
【0058】
プロセッサ140は、複数のボリュームデータの画素値に基づいて動き解析を行い、動き解析の情報を得る。プロセッサ140は、得られた動き解析の情報に基づいて、複数のフェーズ位置の間に位置する補間位置での補間ボリュームデータを生成する。この補間ボリュームデータの生成方法は、公知の方法であり、参考特許文献1の方法が用いられてもよい。
(参考特許文献1:米国特許出願公開第2011/0075888号明細書)
【0059】
これにより、医用画像処理装置100は、心拍に追従して、CT装置200から得られなかったフェーズ位置でのボリュームデータを取得できる。そのため、ユーザは、より滑らかな心拍の過程を観察できる。
【0060】
図6では、プロセッサ140は、術前の80%のフェーズ位置でのボリュームデータ及び術前の100%(0%)でのフェーズ位置でのボリュームデータに基づいて、術前の83%のフェーズ位置に相当する補間位置での補間ボリュームデータを生成する。この補間ボリュームデータが、術後の80%のフェーズ位置でのボリュームデータの比較対象とされる。プロセッサ140は、補間ボリュームデータから補間位置での3次元画像(補間画像)を生成する。
【0061】
また、プロセッサ140は、術前の0%のフェーズ位置でのボリュームデータ及び術前の20%でのフェーズ位置でのボリュームデータに基づいて、術前の17%のフェーズ位置に相当する補間位置での補間ボリュームデータを生成する。この補間ボリュームデータが、術後の20%のフェーズ位置でのボリュームデータの比較対象とされる。プロセッサ140は、補間ボリュームデータから補間位置での3次元画像(補間画像)を生成する。
【0062】
尚、術前の83%のフェーズ位置と17%のフェーズ位置との間の実時間の長さ(つまり、術前のPT時間)と、術後の80%のフェーズ位置と20%のフェーズ位置との間の実時間の長さ(つまり、術後のPT時間)と、は同じである。つまり、PT区間では、心周期の実時間の長さに応じてフェーズ間隔(相対時間間隔)が変化しても、実時間間隔は変化しない。
【0063】
このように、プロセッサ140は、術前及び術後において、PT時間を維持してフェーズ間隔を調整する。また、プロセッサ140は、術前及び術後において、3次元画像を比較し易いように、フェーズ補間(補間位置での補間ボリュームデータの生成)を行う。
【0064】
プロセッサ140は、フェーズ間隔を調整する際には、PT区間では実時間を優先し、非PT区間では心拍フェーズを優先して、比較対象としての術前及び術後のボリュームデータを対応させる。従って、プロセッサ140は、心周期におけるフェーズ位置毎に、非線形に(不均一に)、フェーズ間隔を調整する。これにより、ユーザは、医用画像処理装置100を用いることで、心臓の拍動の生理学的なステージに従って、心臓の様子をフェーズ調整されたボリュームデータに基づいて比較観察できる。
【0065】
尚、ここでは、心電計300と同期してCT装置200が動作し、所定の心拍フェーズにおいてボリュームデータを取得することを例示したが、医用画像処理装置100は、心電計300の出力結果を取得しなくてもよい。この場合、医用画像処理装置100のプロセッサ140は、0%のフェーズ位置の前後の所定の実時間の範囲をPT時間と推定してもよい。所定の実時間の範囲は、UI120により指定されてもよい。
【0066】
また、心周期に対するQT時間が長い場合、T波のフェーズ範囲とP波のフェーズ範囲とが重複することがある。この場合、プロセッサ140は、PQ時間を維持してQT時間を維持しなくもよいし、QT時間を維持してPQ時間を維持しなくてもよい。PQ時間を維持することで、医用画像処理装置100は、心房の動作の観察を容易化できる。QT時間を維持することで、医用画像処理装置100は、心室の動作の観察を容易化できる。
【0067】
また、ペースメーカが挿入された心臓を観察対象とする場合、心房の動きとP波の観察の必要性が低下する。そのため、プロセッサ140は、QT時間を維持してPQ時間を維持しなくてよい。P波が洞調律でない場合も同様である。
【0068】
[医用画像処理装置の動作]
次に、医用画像処理装置100の動作例について説明する。
図7は、医用画像処理装置100の動作例を示すフローチャートである。
【0069】
まず、ポート110が、CT装置200から複数のボリュームデータを取得し(S11)、メモリ150に保持させる。
【0070】
プロセッサ140は、複数のボリュームデータを術前のボリュームデータと術後のボリュームデータとに分類する。プロセッサ140は、術前として分類されたボリュームデータから、PT区間に含まれるボリュームデータを識別する(S12)。
【0071】
尚、心周期におけるPT区間の指定方法として、以下のような方法が考えられる。プロセッサ140が、ポート110により取得した心電図のデータから、PT区間の情報を抽出してもよい。また、医用画像処理装置100が心電計300と連携せず、ユーザが、心電計300により既に得られている心電図の波形を見ながら、UI120を介してPT区間の情報を入力してもよい。また、ユーザが、心電図の波形のR波を含む所定期間をPT区間として、UI120を介して任意に入力してもよい。
【0072】
プロセッサ140は、PT区間では実時間で、非PT区間では心拍フェーズで、術前のボリュームデータ及び術後のボリュームデータを対応付ける(S13)。S13では、プロセッサ140は、術後のフェーズ間隔は変更せず、術前のフェーズ間隔を調整する。
【0073】
プロセッサ140は、術前の複数のボリュームデータに基づいて、補間位置での補間ボリュームデータを生成する(S14)。この補間位置は、フェーズ間隔が調整され、術後のフェーズ位置と対応付けされた術前のフェーズ位置である。
図6では、術前の83%,17%のフェーズ位置である。
【0074】
プロセッサ140は、術前については、PT区間では、術前のボリュームデータをレンダリングして3次元画像を生成し、非PT区間では、補間ボリュームデータをレンダリングして3次元画像を生成する。また、プロセッサ140は、術後については、PT区間及び非PT区間において、術後のボリュームデータをレンダリングして3次元画像を生成する。プロセッサ140は、生成された3次元画像を連続的にディスプレイ130に表示させる(S15)。
【0075】
3次元画像の表示態様としては、以下のような方法が考えられる。
【0076】
プロセッサ140は、術前の画像グループと術後の画像グループとを並べて、ディスプレイ130に表示させもよい。つまり、プロセッサ140は、術前の複数の3次元画像と術後の複数の3次元画像とを対応付けて時系列に並べて表示させてもよい。この結果、
図6のような配列で、3次元画像がディスプレイ130に表示される。
【0077】
プロセッサ140は、術前の画像グループに含まれる各3次元画像と術後の画像グループに含まれる各3次元画像とで、対応関係にある画像を合成し、各合成画像をディスプレイ130に表示させてもよい。ここでの対応関係にある画像とは、
図6では、術前の60%のフェーズ位置の3次元画像と術後の60%のフェーズ位置の3次元画像とである。非PT区間だからである。また、術前の83%のフェーズ位置の3次元画像と術後の80%のフェーズ位置の3次元画像とである。PT区間だからである。合成画像として、例えば、差分画像、アルファブレンドした画像、その他様々な画像が考えられる。
【0078】
尚、プロセッサ140は、術前の画像グループに含まれる各ボリュームデータと術後の画像グループに含まれる各ボリュームデータとで、対応関係にあるボリュームデータの歪量の情報をディスプレイ130に表示させてもよい。
【0079】
ここでの歪量とは、前後の時系列のボリュームデータから導出した歪量を指す。例えば、プロセッサ140は、前後のボリュームデータをレジストレーションし、組織の変異に基づいてストレインテンソルを歪量とすることができる。歪量として、最大主歪、剪断歪、又は最小主歪も用いることが出来るし、それらを組み合わせた値を用いることも出来る。
【0080】
尚、プロセッサ140は、ボリュームデータのレイキャスト画像に対して、ストレインテンソルに応じて色を付けしてもよい。これにより、組織の形状とその動態が把握しやすくなる。また、プロセッサ140は、画像グループに含まれるボリュームデータを逐次表示してもよい。
【0081】
また、プロセッサ140は、画像グループから単一のボリュームデータを導出し、静止画として可視化してもよい。例えば、プロセッサ140が、画像グループのボリュームデータを全てレジストレーションによって位置関係を対応付けさせて、全フェーズに渡る動きの総量と、全フェーズに渡る最大速度と、を可視化することが考えられる。さらに、プロセッサ140は、術前の画像グループから導出した単一のボリュームデータと、術後の画像グループから導出した単一のボリュームデータと、をさらに合成して、一つのボリュームデータを生成し、それを可視化しても良い。
【0082】
[効果等]
図8は、比較例におけるフェーズ間隔の調整を示す模式図である。比較例では、医用画像処理装置は、術前及び術後において、同一のフェーズ位置のボリュームデータが対応付けられる。術前及び術後の心周期が異なる場合、
図8では、術前の心周期の実時間の長さが術後の心周期の実時間の長さと異なることになる。従って、術前の心周期の実時間の長さがフェーズ全体にわたって変化するように対応がなされる。そのため、同一のフェーズ位置のボリュームデータであったとしても、心臓の拍動の生理学的なステージが対応していない。よって、術前及び術後で異なる心壁の移動を観察することとなり、術前及び術後での心壁の移動のタイミングを正確に比較することが困難である。
【0083】
これに対し、本実施形態の医用画像処理装置100は、術前及び術後において、実時間の長さが変動し難いPT区間では実時間を維持して、心周期の実時間の長さが変動し易い非PT区間では心拍フェーズを維持して、時間位置を対応付けする。従って、医用画像処理装置100は、術前及び術後において心臓の拍動の生理学的なステージが一致し、心壁の移動タイミングを正確に比較表示できる。
【0084】
また、医用画像処理装置100は、術前及び術後の心臓の拍動の生理学的なステージの対応の正確性を向上でき、術前及び術後における心臓の微小な動きに起因する差異を明確化できる。これにより、ユーザは、術前及び術後における心臓の様子を比較観察でき、術後の心疾患の改善状況等を容易に判別できる。尚、心疾患は、心臓の弁の不具合、血管のつまり、又は心臓の電気的な動作の不具合、を含んでもよい。
【0085】
また、医用画像処理装置100によれば、心電図を用いた心臓の動作の観察と比較すると、術前及び術後の心臓の動作を非線形に対応付けて比較表示できるので、心疾患の詳細な情報を取得し易くなる。また、医用画像処理装置100によれば、EPSによる心臓の動作の観察と比較すると、人体に対する侵襲を低減し、患者の負担を低減できる。このように、医用画像処理装置100によれば、心電計300を用いた検査の手軽さと、EPSによる検査の精細さと、を両立できる。
【0086】
また、ユーザは、心疾患の検査や診断や治療のために、医用画像処理装置100を単独で用いてもよいし、医用画像処理装置100と共に他の医療機器を用いてもよい。この場合、医用画像処理装置100を用いた画像診断の他に、心電計300を用いた心電図解析、カテーテル装置を用いたカテーテル検査(EPS)、カテーテル装置を用いたカテーテル治療(アブレーション)、の少なくとも1つが実施される。尚、心疾患がある場合には、カテーテル治療の代わりに、又はカテーテル治療とともに心臓ペースメーカの埋置が行われることもある。特にEPSからのアブレーション術を施した患者の予後の分析に有用であると考えられる。
【0087】
また、医用画像処理装置100を用いた心疾患の検査及び治療として、以下のフローが考えられる。まず、ユーザは、心電計300を用いて心電図を取得して解析し、医用画像処理装置100を用いて対応する各画像を比較検証し、画像診断する。ここでの医用画像処理装置100の使用は、術前の使用である。心電図解析又は画像診断の結果、心臓に異常が認められた場合、ユーザは、カテーテル装置を用いてカテーテル検査を行い、必要に応じてカテーテル治療やペースメーカの埋置を行う。そして、再度、ユーザは、心電計300を用いて心電図を取得して解析し、医用画像処理装置100を用いて対応する各画像を比較検証し、画像診断する。ここでの医用画像処理装置100の使用は、術後の使用である。
【0088】
このようなフローが実施されることで、術前の医用画像処理装置100の使用により、ユーザは、検査段階における心疾患の読取り精度を向上でき、心疾患の発見率を向上でき、検査後の適切な治療方針を策定できる。また、術後の医用画像処理装置100の使用により、ユーザは、治療後の段階における心疾患の状態の読取り精度を向上でき、心疾患の改善具合を診断し易くなる。
【0089】
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、CT装置200が、一定のフェーズ間隔で撮像し、複数のボリュームデータを取得し、医用画像処理装置100が、複数のボリュームデータを取得して、一部のボリュームデータのフェーズ間隔を調整することを例示した。第2の実施形態では、一部のフェーズ間隔が調整された状態で、CT装置200Aが撮像し、複数のボリュームデータを取得することを例示する。
【0090】
本実施形態の医用画像処理装置100の構成は、第1の実施形態における医用画像処理装置100の構成と同一であるので、説明を省略する。本実施形態では、第1の実施形態における医用画像処理装置100が有する実時間及び心拍フェーズを加味した非線形なフェーズ間隔調整の機能を、CT装置200Aが有する。
【0091】
図9は、CT装置200Aの構成例を示すブロック図である。CT装置200Aは、ガントリ260及びコンソール270を備える。
【0092】
ガントリ260は、X線発生器やX線検出器を含む。ガントリ260は、コンソール270により指示された所定のタイミングで撮像することで、人体を透過したX線を検出し、X線検出データを得る。
【0093】
コンソール270は、ポート、UI、ディスプレイ、プロセッサ、及びメモリを含む。コンソール270は、医用画像処理装置100及び心電計300に接続される。コンソール270は、心電計300から心電図のデータを取得する。また、コンソール270は、ガントリ260からX線検出データを複数取得し、X線検出データに基づいてボリュームデータを生成する。コンソール270は、生成されたボリュームデータを、医用画像処理装置100へ送信する。
【0094】
コンソール270は、ガントリ260による撮像のタイミングを制御する。この場合、コンソール270は、心電計300から得られた心電図の波形に基づいて、1つの心周期の実時間の長さ、PT区間の実時間の長さ、の情報を取得する。
【0095】
ガントリ260は、術前及び術後に所定の心拍フェーズにおいて撮像する。この際、コンソール270は、術前及び術後における撮像のタイミングを、PT区間では実時間により対応付け、非PT区間では心拍フェーズにより対応付け、対応付けの情報をガントリ260へ送る。
【0096】
図10は、CT装置200Aによる術前及び術後の撮像タイミングの対応付けの一例を示す模式図である。
図10では、術前に、ガントリ260が、0%、20%、40%、60%、80%、の各心拍フェーズにおいて撮像し、コンソール270が、ボリュームデータをメモリに保持させているとする。この心拍フェーズにおいて撮像されることは一例であり、他の心拍フェーズで撮像されてもよい。尚、術前の80%〜100%、0%〜20%のフェーズ位置が、PT区間であるとする。
【0097】
コンソール270は、心電計300から術後の心電図のデータを取得する。また、コンソール270は、術前の心電図のデータを、心電計300から取得し、この情報をメモリに保持済みである。
【0098】
コンソール270は、術前の心電図のデータから、術前の心周期の実時間の長さの情報を取得する。コンソール270は、術後の心電図のデータから、術後の心周期の実時間の長さの情報を取得する。コンソール270は、術前又は術後の心電図の波形のデータから、PT区間の実時間の長さの情報を取得する。
【0099】
コンソール270は、術前の心周期の実時間の長さ、術後の心周期の実時間の長さ、及びPT区間の実時間の長さに基づいて、術前の各撮像タイミングに対応する術後の各撮像タイミングを算出する。この場合、コンソール270は、術前及び術後の各撮像タイミングを、PT区間では実時間により対応付け、非PT区間では心拍フェーズにより対応付ける。
【0100】
上記対応付けの結果、
図10では、術前の60%のフェーズ位置を撮像タイミングとすると、術後の撮像タイミングは、60%のフェーズ位置となる。術前の80%のフェーズ位置を撮像タイミングとすると、術後の撮像タイミングは、83%のフェーズ位置となる。術前の0%のフェーズ位置を撮像タイミングとすると、術後の撮像タイミングは、0%のフェーズ位置となる。術前の20%のフェーズ位置を撮像タイミングとすると、術後の撮像タイミングは、17%のフェーズ位置となる。術前の40%のフェーズ位置を撮像タイミングとすると、術後の撮像タイミングは、40%のフェーズ位置となる。
【0101】
コンソール270は、術前の撮像タイミングに対応付けされた術後の撮像タイミングの情報を、ガントリ260へ送る。ガントリ260は、コンソール270から取得した術後の各撮像タイミングにおいて撮像し、X線検出データを取得する。コンソール270は、ガントリ260からのX線検出データからボリュームデータを生成し、医用画像処理装置100へ送信する。
【0102】
このように、CT装置200Aは、術前及び術後の心周期及びPT区間の実時間の長さの情報を取得し、術前及び術後の心周期及びPT区間の実時間の長さに基づいて、術後の撮像タイミングを決定する。これにより、CT装置200Aは、術前の撮像タイミングと術後の撮像タイミングとを非線形に対応付けできる。よって、ユーザは、心臓の拍動の生理学的なステージに従って、術前及び術後の心臓の様子を容易に比較観察できる。
【0103】
医用画像処理装置100は、撮像タイミングが調整された状態での撮像により得られたボリュームデータを、CT装置200Aから取得する。従って、第1の実施形態のように術前と術後とでフェーズ間隔調整及びフェーズ補間を行う場合と比較すると、医用画像処理装置100は、術前及び術後のボリュームデータを非線形に対応付けする処理負荷を低減できる。更に、医用画像処理装置100は、実際には撮像されていないタイミング(補間位置)での補間ボリュームデータを生成する処理負荷を低減でき、術前及び術後の心臓の拍動を容易に比較検証できる。
【0104】
また、CT装置200Aは、シノグラムの術前の補間位置のフェーズ位置に相当する箇所から新たにボリュームデータを再構成し、医用画像処理装置100へ送信してもよい。この例(
図10の例)では、83%及び17%のフェーズ位置のシノグラムから83%及び17%のフェーズ位置のボリュームデータが求められる。また、CT装置200Aは、シノグラムを医用画像処理装置100へ送信し、医用画像処理装置100がボリュームデータを再構成してもよい。
【0105】
(他の実施形態)
なお、本開示は、上記実施形態の構成に限られるものではなく、特許請求の範囲で示した機能、または本実施形態の構成が持つ機能が達成できる構成であればどのようなものであっても適用可能である。
【0106】
上記実施形態では、短期的な時間経過による変動例として心臓の拍動を例示し、長期的な時間経過による変動例として術前及び術後を例示したが、これに限られない。短期的又は長期的な時間経過による他の変動例として、呼吸の過程、関節の動き(肩を回す動作等)、腫瘍の経過、造影及び非造影、その他のCT装置200による撮像条件の違い、就寝時及び非就寝時、が考えられる。造影及び非造影とは、造影剤を体内に注入した状態でのCT装置200による撮像と、造影剤を体内に注入しない状態でのCT装置200による撮像と、を指す。
【0107】
尚、肩以外でも、他の人体の部位(手、足、腰、肩、首など)を回す動作が観察されてもよい。この場合、観察される部位のデータが、ボリュームデータから抽出され、3次元画像が生成される。
【0108】
短期的な時間経過による変動と、長期的な時間経過による変動とは、上記の変動例から任意に2つ選択され得る。吸気時の心拍フェーズと、呼気時の心拍フェーズと、を組み合わせて、時間軸x及び時間軸yで規定される座標面に、ボリュームデータが配列されてもよい。
【0109】
尚、心拍フェーズ、呼吸の過程、及び関節の動きは、短期的な時間経過による変動として扱うことが好ましい。また、腫瘍の経過、術前及び術後、造影及び非造影、その他の撮像条件の違い、就寝時及び非就寝時は、長期的な時間経過による変動として扱うことが好ましい。また、短期的な時間経過による変動は、周期的な変動つまり繰り返し動作を伴ってもよい。この場合、短期的な時間経過は、1周期に対する相対時間(位相、フェーズ)に相当する。
【0110】
上記実施形態では、医用画像処理装置100は、術前のボリュームデータに基づいて、術後の所定のタイミングに対応する補間位置での補間ボリュームデータを生成し、比較することを例示した。尚、医用画像処理装置100は、術後のボリュームデータに基づいて、術前の所定のタイミングに対応する補間位置での補間ボリュームデータを生成し、比較してもよい。
【0111】
上記実施形態では、医用画像処理装置100が、画像データとして、CT装置200から複数のボリュームデータ(3次元の画像データ)を取得し、複数のボリュームデータを座標面に配列し、上記の対応付けを行うことを例示した。尚、医用画像処理装置100は、画像データとして、2次元の画像データを取得し、2次元の画像データを座標面に配列し、上記の対応付けを行ってもよい。2次元の画像データは、CT装置200又は他の撮像装置が撮像した単一の断層のデータであってもよい。
【0112】
2次元の画像データを用いることで、3次元の画像データを用いる場合よりも時間分解能が向上する。従って、医用画像処理装置100は、異なるタイミングで取得された変形可能な物体の同一フェーズでの比較をし易くなり、比較検証精度を向上できる。これは、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置で特に有効である。
【0113】
上記実施形態では、各ボリュームデータが配列され、対応付けされた後、ボリュームデータから三次元画像が生成され、三次元画像が表示されることを例示した。尚、各ボリュームデータが配列され、ボリュームデータから三次元画像が生成された後に、三次元画像が対応付けされ、表示されてもよい。また、ボリュームデータから三次元画像が生成された後に、三次元画像が配列され、対応付けされ、表示されてもよい。
【0114】
上記実施形態では、生体として人体を例示したが、動物の体でもよい。
【0115】
上記実施形態では、心臓に対する治療として、大動脈弁の弁置換を行うと、僧帽弁の動きもよくなると期待される。大動脈弁と増毛弁とは、同様に開閉動作を行うが、動作のタイミングや1回の動作の期間が異なる。従って、短期的な時間経過による変動及び長期的な時間経過による変動として、大動脈弁の変動及び僧帽弁の変動とを適用してもよい。
【0116】
尚、大動脈弁及び僧帽弁は、体内の弁の一例であり、医用画像処理装置100が、術前及び術後の画像の比較により、他の複数の弁の間の相互作用の情報を導出してもよい。
【0117】
上記実施形態では、ペースメーカ埋置術の術前術後の心壁の動きの比較検討に用いることが出来る。
【0118】
上記実施形態では、医用画像処理装置100,100A及びCT装置200,200Aを、冠動脈疾患の治療前治療後の心壁の動きの比較検討に用いることが出来る。特に、治療を行った冠動脈に対して、回復が期待される領域と、実際に回復した領域と、の検討が行える。
【0119】
上記実施形態では、医用画像処理装置100,100A及びCT装置200,200Aを、刺激伝達系の治療前治療後の心壁の動きの比較検討に用いることが出来る。特に、伝達刺激は、CT装置の撮像速度と比較して速く、心臓の拍動の生理学的なステージを一致させての比較が治療の成果の判断に有効である。
【0120】
上記実施形態では、撮像されたCT画像としてのボリュームデータは、CT装置200から医用画像処理装置100へ送信されることを例示した。この代わりに、ボリュームデータが一旦蓄積されるため、CT装置200からネットワーク上のサーバ等へ送信され、保管されてもよい。この場合、必要時に医用画像処理装置100のポート110が、ボリュームデータを、有線回線又は無線回線を介して取得してもよいし、任意の記憶媒体(不図示)を介して取得してもよい。
【0121】
上記実施形態では、撮像されたCT画像としてのボリュームデータは、CT装置200から医用画像処理装置100へポート110を経由して送信されることを例示した。これには、実質的にCT装置200と医用画像処理装置100とを併せて一製品として成立している場合も含まれるものとする。医用画像処理装置100がCT装置200のコンソールとして扱われている場合も含む。
【0122】
上記実施形態では、CT装置200により画像を撮像し、生体内部の情報を含むボリュームデータを生成することを例示したが、他の装置により画像を撮像し、ボリュームデータを生成してもよい。他の装置は、MRI装置、PET(Positron Emission Tomography)装置、血管造影装置(Angiography装置)、又はその他のモダリティ装置を含む。また、PET装置は、他のモダリティ装置と組み合わせて用いられてもよい。
【0123】
(本開示の一態様の概要)
本開示の一態様の医用画像処理装置は、ポート、プロセッサと、ディスプレイと、を備える。ポートは、同一の生体から得られた2次元又は3次元の複数の画像データを取得する。プロセッサは、複数の画像データが生成された撮像時刻のうち第1の時間間隔で規定される第1の時刻成分に基づいて、複数の画像データを分類し、複数の画像グループを生成し、複数の画像データが生成された撮像時刻のうち第1の時間間隔よりも短い第2の時間間隔で規定される第2の時刻成分の実時刻及び時刻の割合の双方に基づいて、各画像グループにおける各画像データを対応させる。ディスプレイは、各画像グループにおける各画像データの対応に基づいて、複数の画像データに基づく画像を表示する。時刻の割合は、例えば、フェーズ位置である。
【0124】
この構成によれば、医用画像処理装置は、生体において変形し易い時間と変形し難い時間との双方を加味して、撮像時期の異なる複数の画像グループにおける各画像データを非線形に対応付ける。よって、医用画像処理装置は、複数の画像グループにおける複数の画像を比較観察し易くできる。これにより、医用画像処理装置のユーザは、短期的に変形する観察対象の長期的な変化を容易に確認できる。この長期的な変化は、術後の生体の改善具合でもよい。
【0125】
本開示の一態様の医用画像処理装置は、プロセッサが、画像グループに含まれる複数の画像データを生成するための撮像期間に含まれる第2の時刻成分に係る所定期間内では、実時刻を基準として各画像グループにおける各画像データを対応させ、撮像期間に含まれる所定期間外では、撮像期間に対する時刻の割合を基準として各画像グループにおける各画像データを対応させてもよい。尚、撮像期間は、1回の心周期でもよい。所定期間は、PT区間でもよい。
【0126】
この構成によれば、医用画像処理装置は、各画像グループの撮像期間が異なる場合においても、生体が変形し難い所定期間については、実時刻を維持できる。そのため、医用画像処理装置は、各画像グループでの各画像を対応付けする際に、変動し難い所定期間での画像が歪むことを抑制できる。
【0127】
本開示の一態様の医用画像処理装置は、画像グループが、複数の第1の画像データを含む第1の画像グループと、複数の第2の画像データを含む第2の画像グループと、を含んでもよい。プロセッサは、第2の画像データに対応付ける第1の画像データが不在である場合、複数の第1の画像データに基づいて、第2の画像データの撮像時刻に対応する時刻位置での補間画像データを生成してもよい。ディスプレイは、補間画像データに基づく補間画像を表示してもよい。尚、補間画像データは、補間ボリュームデータでもよい。
【0128】
この構成によれば、医用画像処理装置は、複数の画像データを生成する医用画像撮像装置の時間分解能が比較的低い場合であっても、生成済みの画像データに基づいて任意の時刻位置での画像データを補間できる。従って、複数の画像グループ間で各画像データを対応付けた際に、一方の画像データが生成されておらず、不足する場合でも、比較対象となる画像データを補間できる。そのため、医用画像処理装置のユーザは、補間画像を用いて複数の画像グループ間の対応する画像を比較検証でき、診断精度を向上できる。
【0129】
本開示の一態様の医用画像処理装置は、第2の時刻成分が、反復性を有する時刻を含んでもよい。
【0130】
この構成によれば、医用画像処理装置は、異なる撮像時期に生成された反復性を有する動作を表現する各画像を、非線形に対応付けて表示できる。従って、ユーザは、異なる撮像時期における反復性を有する動作を、高精度に比較検証できる。
【0131】
本開示の一態様の医用画像処理装置は、第2の時刻成分が、心拍フェーズを含んでもよい。
【0132】
この構成によれば、医用画像処理装置は、異なる撮像時期に生成された心拍に伴う心臓の動作を表現する各画像を、非線形に対応付けて表示できる。従って、ユーザは、異なる撮像時期における心拍に伴う心臓の動作を、高精度に比較検証できる。
【0133】
本開示の一態様の医用画像処理装置は、ポートが、心電計から心電計測情報を取得してもよい。プロセッサが、心電計測情報から心室の収縮を示す心室収縮時刻の情報を取得し、心室収縮時刻を第2の時刻成分の基準点に設定してもよい。尚、心室収縮時刻は、R波が位置する時刻でもよい。
【0134】
この構成によれば、医用画像処理装置は、心電計に同期して各心拍フェーズを容易に認識できる。
【0135】
本開示の一態様の医用画像処理装置は、第1の時刻成分が、生体の術前の時刻と術後の時刻とを含んでもよい。
【0136】
この構成によれば、ユーザは、術前と術後とで生体の改善具合を比較検証できる。
【0137】
本開示の一態様の医用画像処理装置は、ディスプレイが、プロセッサの制御により、各画像グループにおいて対応する各画像データに基づく画像を並べて表示してもよい。
【0138】
この構成によれば、ユーザは、複数の画像グループ間の各画像データの対応関係を視覚的に理解し易くなるので、診断精度を向上できる。
【0139】
本開示の一態様の医用画像処理装置は、プロセッサが、各画像グループにおいて対応する各画像データに基づいて合成画像を生成してもよい。ディスプレイが、合成画像を表示してもよい。
【0140】
この構成によれば、ユーザは、1つの合成画像の表示によって、複数の画像グループ間で第2の時刻成分が対応する画像を確認できる。
【0141】
本開示の一態様の医用画像処理装置は、ディスプレイが、プロセッサの制御により、各画像グループにおいて対応する各画像データ間の歪量の情報を表示してもよい。
【0142】
本開示の一態様の医用画像処理装置は、3次元の画像データが、生体のボリュームデータであってもよい。
【0143】
この構成によれば、医用画像処理装置は、ユーザの意図に応じた立体的な表示形態でディスプレイに情報を表示できる。従って、ユーザは、疾患や病変の種別に適した表示態様を指示して、複数の画像グループ間で対応する画像を容易に確認できる。
【0144】
本開示の一態様の医用画像撮像装置は、撮像ユニット及びプロセッサを備え、複数の撮像時刻に複数の画像を撮像する。撮像時刻は、第1の時間間隔で規定される第1の時刻成分と、第1の時間間隔よりも短い第2の時間間隔で規定される第2の時刻成分と、を含む。プロセッサは、同一の生体の2次元又は3次元の複数の第1の画像データに係る第2の時刻成分の実時刻及び時刻の割合の双方に基づいて、複数の第1の画像データに係る各第2の時刻成分に対応付けて、複数の第2の画像データに係る各第2の時刻成分を決定する。撮像ユニットは、決定された各第2の時刻成分を含む各撮像時刻に、同一の生体を撮像して撮像データを取得する。プロセッサは、撮像データに基づいて、2次元又は3次元の複数の第2の画像データを生成する。
【0145】
尚、医用画像撮像装置は、CT装置200Aでもよい。撮像ユニットは、ガントリ260でもよい。プロセッサは、コンソール270に含まれてもよい。第1の画像データは、術前のボリュームデータでもよい。第2の画像データは、術後のボリュームデータでもよい。撮像データは、X線検出データでもよい。
【0146】
この構成によれば、医用画像撮像装置は、生体において変形し易い時間と変形し難い時間との双方を加味して、撮像時期の異なる複数の画像グループにおける各画像データを非線形に対応付けし、画像データを生成できる。よって、医用画像撮像装置は、複数の画像グループにおける複数の画像を比較観察し易くできる。これにより、医用画像撮像装置のユーザは、短期的に変形する観察対象の長期的な変化を容易に確認できる。
【0147】
本開示の一態様の医用画像撮像装置は、第2の時刻成分が、反復性を有する時刻を含んでもよい。
【0148】
この構成によれば、医用画像撮像装置は、異なる撮像時期に撮像された反復性を有する動作を表現する各画像を、非線形に対応付けて撮像できる。従って、ユーザは、撮像された画像を確認することで、異なる撮像時期に撮像された反復性を有する動作を、高精度に比較検証できる。
【0149】
本開示の一態様の医用画像撮像装置は、第2の時刻成分が、心拍フェーズを含んでもよい。
【0150】
この構成によれば、医用画像撮像装置は、異なる撮像時期における心拍に伴う心臓の動作を表現する各画像を、非線形に対応付けて撮像できる。従って、ユーザは、撮像された画像を確認することで、異なる撮像時期に撮像された心拍に伴う心臓の動作を、高精度に比較検証できる。
【0151】
本開示の一態様の医用画像撮像装置は、第1の時刻成分が、生体の手術前の時刻と手術後の時刻とを含んでもよい。
【0152】
この構成によれば、ユーザは、術前と術後とで生体の改善具合を比較検証できる。
【0153】
本開示の一態様の医用画像処理方法は、医用画像処理装置における医用画像処理方法であって、同一の生体から得られた2次元又は3次元の複数の画像データを取得し、複数の画像データが生成された撮像時刻のうち第1の時間間隔で規定される第1の時刻成分に基づいて、複数の画像データを分類し、複数の画像グループを生成し、複数の画像データが生成された撮像時刻のうち第1の時間間隔よりも短い第2の時間間隔で規定される第2の時刻成分の実時刻及び時刻の割合の双方に基づいて、各画像グループにおける各画像データを対応させ、各画像グループにおける各画像データの対応に基づいて、複数の画像データに基づく画像をディスプレイに表示する。
【0154】
この方法によれば、医用画像処理装置は、生体において変形し易い時間と変形し難い時間との双方を加味して、撮像時期の異なる複数の画像グループにおける各画像データを非線形に対応付ける。よって、医用画像処理装置は、複数の画像グループにおける複数の画像を比較観察し易くできる。これにより、医用画像処理装置のユーザは、短期的に変形する観察対象の長期的な変化を容易に確認できる。
【0155】
本開示の一態様の医用画像撮像方法は、複数の撮像時刻に複数の画像を撮像する医用画像撮像装置における医用画像撮像方法であって、撮像時刻は、第1の時間間隔で規定される第1の時刻成分と、第1の時間間隔よりも短い第2の時間間隔で規定される第2の時刻成分と、を含み、同一の生体の2次元又は3次元の複数の第1の画像データに係る第2の時刻成分の実時刻及び時刻の割合の双方に基づいて、複数の第1の画像データに係る各第2の時刻成分に対応付けて、複数の第2の画像データに係る各第2の時刻成分を決定し、決定された各第2の時刻成分を含む各撮像時刻に、同一の生体を撮像し、2次元又は3次元の複数の第2の画像データを生成する。
【0156】
この方法によれば、医用画像撮像装置は、生体において変形し易い時間と変形し難い時間との双方を加味して、撮像時期の異なる複数の画像グループにおける各画像データを非線形に対応付けし、画像データを生成できる。よって、医用画像撮像装置は、複数の画像グループにおける複数の画像を比較観察し易くできる。これにより、医用画像撮像装置のユーザは、短期的に変形する観察対象の長期的な変化を容易に確認できる。
【0157】
本開示の一態様の医用画像処理プログラムは、上記医用画像処理方法の各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0158】
このプログラムによれば、プログラムを実行する医用画像処理装置は、生体において変形し易い時間と変形し難い時間との双方を加味して、撮像時期の異なる複数の画像グループにおける各画像データを非線形に対応付ける。よって、医用画像処理装置は、複数の画像グループにおける複数の画像を比較観察し易くできる。これにより、医用画像処理装置のユーザは、短期的に変形する観察対象の長期的な変化を容易に確認できる。
【0159】
本開示の一態様の医用画像撮像プログラムは、上記医用画像撮像方法の各ステップをコンピュータに実行させるためのプログラムである。
【0160】
このプログラムによれば、プログラムを実行する医用画像撮像装置は、生体において変形し易い時間と変形し難い時間との双方を加味して、撮像時期の異なる複数の画像グループにおける各画像データを非線形に対応付けし、生成できる。よって、医用画像撮像装置は、複数の画像グループにおける複数の画像を比較観察し易くできる。これにより、医用画像撮像装置のユーザは、短期的に変形する観察対象の長期的な変化を容易に確認できる。