(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
A.実施形態:
A−1.システムの概略構成:
図2は、本発明の一実施形態としての情報処理システムの概略構成を示す図である。本実施形態の情報処理システム1は、後述の区間情報生成処理を実行することによって、連続する複数のリンクからなり、かつ、予め定められた特徴を有する交通区間をリンク情報から抽出し、抽出した交通区間を構成する複数のリンクを1つの複合区間として関連付け定義する。
【0018】
「リンク情報」とは、交通ネットワークを構成するリンクに関する情報であり、例えば、リンクの長さやリンクの規制情報等を含む情報である。本実施形態では、リンク情報として後述の地
図DB172を用いる。なお、以降の説明では、データベースを単に「DB」とも呼ぶ。「交通区間」とは、連続する複数のリンクからなる区間を意味する。「複合区間」とは、交通区間のうち、区間情報生成処理を経た結果、その交通区間を単位として旅行時間を管理することが好ましいと判断された交通区間(連続する複数のリンク)を意味する。
【0019】
また、本実施形態の情報処理システム1は、定義された複合区間を利用して、経路案内処理を実行する。経路案内処理は、利用者から指定された出発地から目的地までの高精度の経路と、当該経路を通過するために要すると予測される旅行時間と、を案内する処理である。
【0020】
本実施形態の情報処理システム1は、サーバ10と、ナビゲーション装置20と、を備えている。サーバ10は、例えば有線通信によってインターネットINTに接続されている。ナビゲーション装置20は、通信キャリアBSを介して無線通信によってインターネットINTに接続されている。通信キャリアBSには、送受信アンテナや、無線基地局、交換局が含まれる。すなわち、サーバ10とナビゲーション装置20とは、インターネットINTを介して接続されており、相互に通信することができる。
【0021】
A−1−1.サーバの構成:
サーバ10は、CPU110と、通信部140と、ROM150と、RAM160と、記憶部170と、を備えており、各部は図示しないバスにより相互に接続されている。サーバ10は「情報処理装置」として機能する。
【0022】
記憶部170は、ハードディスク、フラッシュメモリ、メモリカードなどで構成される。記憶部170は、画像DB171と、地
図DB172と、プローブ地
図DB173と、交通情報DB174と、区間DB175と、を含んでいる。画像DB171には、地図画像を表すデータが格納されている。地図画像を表すデータには、地形、建物、道路の形状等、地図表示のために必要な情報が含まれている。画像DB171は予め用意されて記憶部170に記憶されている。
【0023】
図3は、地
図DB172と、プローブ地
図DB173と、区間DB175と、の構成の一例を示す図である。
図3の「X」は任意の文字列を意味する。
図3(A)は、地
図DB172およびプローブ地
図DB173の構成の一例を示している。地
図DB172には、道路網の構成を特定するためのデータとして、ノードに関する情報と、リンクに関する情報と、が格納されている。ノードとは、交通ネットワークにおける要素点を意味する。例えば、交差点、分岐点、終点、始点などがノードに該当する。リンクとは、交通ネットワークを構成するリンク(すなわち、所定の区間)を意味する。リンクは、ノード間を結ぶ線分であり、例えば、車道や歩行者道等の道路、線路などの交通経路がリンクに該当する。
【0024】
図3(A)に示す本実施形態の例では、地
図DB172には、リンクに関する情報として、リンクIDと、位置情報と、種別と、リンク長と、幅員情報と、車線数と、規制情報と、のフィールドが含まれている。リンクIDには、地
図DB172に格納されている複数のリンクに関する情報を相互に識別するために、個々のリンクに対して一意に付与された識別子が格納される。位置情報には、リンクの位置を特定するための情報、例えば、緯度経度や地図上の座標等が格納される。種別には、リンクの種別を特定するための情報が格納される。リンクの種別とは、例えば、高速道路、国道、県道、歩行者道等を指す。リンク長には、リンクの長さを示す情報が格納される。幅員情報には、リンクの幅を示す情報が格納される。車線数には、リンクの車線数を示す情報が格納される。規制情報には、リンクに対して付された規制を示す情報が格納される。規制とは、例えば、一方通行、右折専用、左折専用、直進専用、時間帯による通行可否等を指す。なお、第3の特徴(詳細は後述)において説明する右左折専用レーンには、規制情報に「指定方向進入禁止区間」を示す情報が格納されていてもよい。
【0025】
図3(A)に示す本実施形態の例では、地
図DB172には、ノードに関する情報として、ノードIDと、位置情報と、種別と、信号有無と、のフィールドが含まれている。ノードIDには、地
図DB172に格納されている複数のノードに関する情報を相互に識別するために、個々のノードに対して一意に付与された識別子が格納される。位置情報には、ノードの位置を特定するための情報、例えば、緯度経度や地図上の座標等が格納される。種別には、ノードの種別を特定するための情報が格納される。ノードの種別とは、例えば、交差点、分岐点、終点、始点等を指す。信号有無には、当該ノードに信号機が存在するか否かを示す情報が格納される。信号有無には、信号機の有無に加えて、信号機の種類等が格納されてもよい。
【0026】
地
図DB172は「リンク情報」として機能する。地
図DB172は予め用意されて記憶部170に記憶されている。
【0027】
プローブ地
図DB173には、地
図DB172と同様に、道路網の構成を特定するためのデータとして、ノードに関する情報と、リンクに関する情報と、が格納されている。プローブ地
図DB173のテーブル構造は、
図3(A)を用いて説明した地
図DB172のテーブル構造と同じである。プローブ地
図DB173は「他のリンク情報」として機能する。プローブ地
図DB173は予め用意されて記憶部170に記憶されている。
【0028】
地
図DB172とプローブ地
図DB173との違いは、テーブルに格納されているデータ(図中において「XXX」と図示した部分)である。テーブル内のデータの違いは、次の理由によって生じる。地
図DB172は、経路探索処理において経路の探索に使用されるDBである。このため、地
図DB172におけるリンクやノードの構成(すなわち、実際の道路網に対するリンクやノードの区切り方)は、交通情報DB174におけるリンクやノードの構成と同じである。一方、プローブ地
図DB173は、サーバ10が、実際に道路を走行する多くの車両から収集したプローブ情報を利用する際に使用されるDBである。このため、プローブ地
図DB173におけるリンクやノードの構成は、各車両のメーカがそれぞれ採用している地
図DBにおけるリンクやノードの構成と同じになっている。このため、
図2において、サーバ10は1つのプローブ地
図DB173を備えるとしたが、サーバ10は、複数のプローブ地
図DB173を備えていてもよい。例えば、サーバ10は、車両メーカA社用のプローブ地
図DB173と、車両メーカB社用のプローブ地
図DB173と、車両メーカC社用のプローブ地
図DB173と、を備えていてもよい。
【0029】
交通情報DB174(
図2)には、地
図DB172に格納されている複数のリンクと、区間DB175に定義されている複数の複合区間と、のそれぞれに対して、実際に道路を走行する多くの車両から収集されたプローブ情報に基づくリンク(または複合区間)の旅行時間が格納されている。リンクの旅行時間は「リンクコスト」とも呼ばれる。なお、交通情報DB174には、リンク(または複合区間)の旅行時間のほかに、リンク(または複合区間)の旅行時間を分類するための分類条件(例えば、プローブ情報が収集された日時、天候等)等の他の情報が格納されていてもよい。交通情報DB174は「交通情報データ」として機能する。交通情報DB174は、プローブ情報の取得、地
図DB172の更新、区間DB175の更新等を契機として随時更新される。
【0030】
図3(B)は、区間DB175の構成の一例を示している。区間DB175は、後述の区間情報生成処理によって抽出された複合区間を関連付けて定義しておくためのDBである。区間DB175の1エントリ(1行)は、1つの複合区間を表す。区間DB175には、UIDと、始点リンクと、終点リンクと、構成リンク群と、抽出方向と、のフィールドが含まれている。UIDには、各複合区間を相互に識別するために、個々の複合区間に対して一意に付与された識別子が格納される。始点リンクには、複合区間の両端に位置するリンクのうち、リンクID(
図3(A))が大きい方のリンクIDが格納される。終点リンクには、複合区間の両端に位置するリンクのうち、リンクIDが小さい方のリンクIDが格納される。構成リンク群には、複合区間とされる複数のリンクのうち、始点リンクおよび終点リンクに該当しない、他の全てのリンクのリンクIDが格納される。構成リンク群には、複数のリンクIDが格納されてもよい。
【0031】
抽出方向は、複合区間を構成するリンクの進行方向と、始点リンクおよび終点リンクとの関係が格納される。上述の通り、本実施形態の区間DB175では、始点リンクにはリンクIDが小さいリンクを、終点リンクにはリンクIDが大きいリンクを格納する。しかし、リンクには「上り」と「下り」の2種類の進行方向がある。このため、抽出方向は、当該エントリが、
(a1)リンクIDが小さいリンク(例えばリンクL1)から、リンクIDが大きいリンク(例えばリンクL2)へと進行する複合区間を定義しているのか、
(a2)リンクIDが大きいリンク(例えばリンクL2)から、リンクIDが小さいリンク(例えばリンクL1)へと進行する複合区間を定義しているのか、
を区別する目的で格納される。前者a1の場合、抽出方向には「順」が格納され、後者a2の場合、抽出方向には「逆」が格納される。また、前者a1と後者a2との両方を定義する場合、抽出方向には「順/逆」が格納される。
【0032】
具体的には、
図3(B)のエントリE1の例では、リンクL1からリンクL2へと進行する複合区間と、リンクL2からリンクL1へと進行する複合区間と、を定義している。エントリE1では構成リンク群は無い(NULL)。エントリE2の例では、リンクL3からリンクL4を通過してリンクL5へと進行する複合区間を定義している。エントリE3の例では、リンクL9からリンクL8およびL7を通過してリンクL6へと進行する複合区間を定義している。区間DB175は、後述の区間情報生成処理によって随時更新される。
【0033】
CPU110(
図2)は、ROM150に格納されているコンピュータプログラムをRAM160に展開して実行することにより、サーバ10の各部を制御する。そのほか、CPU110は、区間情報生成部120、経路探索部130としても機能する。区間情報生成部120は、区間情報生成処理を実行する。区間情報生成処理は、連続する複数のリンクからなり、かつ、予め定められた特徴を有する交通区間を地
図DB172から抽出し、抽出した交通区間を構成する複数のリンクを1つの複合区間として関連付け定義する処理である。本実施形態では、予め定められた特徴として、交通区間を構成する複数のリンク間において交通状況についての相関関係があること、を採用する。また、本実施形態では、交通状況についての相関関係を生じる交通区間の具体例として、後述の第1〜第4の特徴を例示する。
【0034】
図4は、交通状況についての相関関係について説明する図である。本実施形態において「交通状況についての相関関係」とは、交通区間を構成する一方のリンクにおける交通状況が変化すれば、他方のリンクにおける交通状況も変化する、ということを意味する。交通状況についての相関関係には、正の相関関係と、負の相関関係がある。
【0035】
図4(A)および(B)は、正の相関関係について説明する図である。「正の相関関係」とは、連続するリンクL1とリンクL2とを通過する場面を想定したときに、以下の関係が成り立つことを意味する。
・
図4(A)のように、リンクL1、L2の間で、リンクL1が混雑していればリンクL2も混雑している。
・
図4(B)のように、リンクL1が空いていればリンクL2も空いている。
すなわち、正の相関関係は、連続する各リンクにおける交通状況が同じ方向に連動することを意味する。本実施形態で採用する第2の特徴と、第4の特徴とは、正の相関関係を生じる交通区間の具体例である。
【0036】
図4(C)および(D)は、負の相関関係について説明する図である。「負の相関関係」とは、連続するリンクL1とリンクL2とを通過する場面を想定したときに、リンクL1、L2の間で、以下の関係が成り立つことを意味する。
・
図4(C)のように、リンクL1で停車が発生しない場合はリンクL2で停車が発生する(または停車が発生しやすい)。
・
図4(D)のように、リンクL1で停車が発生する場合はリンクL2で停車が発生しない(または停車が発生しにくい)。
すなわち、負の相関関係は、連続する各リンクにおける交通情報が異なる方向に連動することを意味する。本実施形態で採用する第1の特徴と、第3の特徴とは、負の相関関係を生じる交通区間の具体例である。
【0037】
区間情報生成部120は、第1の生成部121と、第2の生成部122と、第3の生成部123と、第4の生成部124と、を備えている。第1の生成部121は、第1の特徴を有する交通区間を抽出し、抽出した交通区間を構成する複数のリンクを1つの複合区間として区間DB175に記憶させる。第2の生成部122は、第2の特徴を有する交通区間を抽出し、抽出した交通区間を構成する複数のリンクを1つの複合区間として区間DB175に記憶させる。第3の生成部123は、第3の特徴を有する交通区間を抽出し、抽出した交通区間を構成する複数のリンクを1つの複合区間として区間DB175に記憶させる。第4の生成部124は、第4の特徴を有する交通区間を抽出し、抽出した交通区間を構成する複数のリンクを1つの複合区間として区間DB175に記憶させる。
【0038】
経路探索部130は、利用者からの要求に応じて経路探索処理を実行して、指定された出発地から目的地までの経路を探索する。経路探索処理において経路探索部130は、地
図DB172と、交通情報DB174と、を使用する。このとき経路探索部130は、交通情報DB174において、例えばリンクL1の旅行時間およびリンクL2の旅行時間と、リンクL1+L2の複合区間の旅行時間と、の両方が記憶されている場合、個々のリンクの旅行時間に優先させて、複合区間(リンクL1+L2)の旅行時間を使用する。
図1で説明した通り、個々のリンクの旅行時間よりも、複合区間の旅行時間のほうが高精度である。このため、経路探索部130は、高精度な複合区間の旅行時間を用いて、出発地から目的地までの高精度な経路を求めることができると共に、当該経路の全体を通過するために要すると予測される旅行時間を算出・案内することができる。
【0039】
通信部140は、他の装置との間における、図示しない通信インターフェースを介した通信を制御する。他の装置とは、例えば、ナビゲーション装置20、プローブ情報を送信する車両、VICSセンター、および他のサーバ等である。
【0040】
A−1−2.ナビゲーション装置の構成:
ナビゲーション装置20は、CPU210と、通信部220と、ROM230と、RAM240と、記憶部250と、入出力部260と、現在位置取得部270と、を備えており、各部は図示しないバスにより相互に接続されている。ナビゲーション装置20は「情報処理装置のクライアント装置」として機能する。
【0041】
CPU210は、ROM230に格納されているコンピュータプログラムをRAM240に展開して実行することにより、ナビゲーション装置20の各部を制御する。そのほか、CPU210は、経路案内部212としても機能する。経路案内部212は、情報処理システム1の利用者(すなわち、ナビゲーション装置20の利用者)に対して、出発地から目的地までの経路と、当該経路の全体を通過するために要すると予測される旅行時間と、を案内する。例えば、経路案内部212は、以下の手順b1〜b4を実行することで、上述の案内を実施できる。
【0042】
(b1)経路案内部212は、入出力部260を介して、利用者からの出発地の指定と目的地の指定とを取得する。経路案内部212は、現在位置取得部270によって取得された現在位置を用いて、出発地の指定の取得を省略してもよい。
(b2)経路案内部212は、サーバ10に対して経路探索要求を送信する。経路探索要求には、出発地の指定と、目的地の指定とを含む。
(b3)サーバ10の経路探索部130は、上述の経路探索処理を実行する。経路探索部130は、ナビゲーション装置20に対して、求めた経路と旅行時間とを応答する。
(b4)経路案内部212は、サーバ10から取得した経路と旅行時間とを利用者に案内する。具体的には、経路案内部212は、入出力部260を用いて経路と旅行時間とを表示し、案内音声を報知する。
【0043】
通信部220は、他の装置との間における通信インターフェースを介した通信を制御する。他の装置とは、例えば、サーバ10や、他のサーバ等である。記憶部250は、ハードディスク、フラッシュメモリ、メモリカードなどで構成される。入出力部260は、ナビゲーション装置20と利用者との間の情報の入出力に使用される種々のインターフェースである。入出力部260としては、例えば、入力部としてのタッチパネル、操作ボタン、キーボード、マイク、出力部としてのタッチパネル、液晶パネル、LED(Light Emitting Diode)インジケータ等を採用できる。現在位置取得部270は、GPS(Global Positioning System/全地球測位システム)を構成する人工衛星から送信された電波を受信し、ナビゲーション装置20の現在位置を表す現在位置情報(例えば緯度経度)を取得する。
【0044】
A−2.区間情報生成処理:
図5は、区間情報生成処理の手順を示すフローチャートである。区間情報生成処理は、サーバ10の区間情報生成部120によって実行される。区間情報生成処理の開始トリガは任意に定めることができる。例えば、サーバ10が低負荷である時間帯に実行されてもよく、定期的に実行されてもよく、サーバ10の起動時に実行されてもよい。
【0045】
ステップS100において区間情報生成部120は、記憶部170に記憶されている地
図DB172をオープンする。ステップS200において区間情報生成部120は、第1の生成部121に生成処理を実行させる。ステップS300において区間情報生成部120は、第2の生成部122に生成処理を実行させる。ステップS400において区間情報生成部120は、第3の生成部123に生成処理を実行させる。なお、第1〜第3の生成部121〜123による生成処理は、地
図DB172を利用して実行される。
【0046】
ステップS500において区間情報生成部120は、記憶部170に記憶されているプローブ地
図DB173をオープンする。ステップS600において区間情報生成部120は、第4の生成部124に生成処理を実行させる。なお、第4の生成部124による生成処理は、地
図DB172とプローブ地
図DB173とを利用して実行される。ステップS700において区間情報生成部120は、区間DB175内の情報をユニーク化する。具体的には、区間情報生成部120は、第1〜第4の生成部121〜124によって更新された区間DB175内の各エントリに対して、UIDを付与する。その後、区間情報生成部120はオープンしたDBをクローズし、処理を終了させる。
【0047】
A−2−1.生成処理(第1の生成部121):
図6は、第1の特徴について説明する図である。「第1の特徴」は、地
図DB172において、連続する複数のリンクからなる区間(交通区間)が、以下のリンクからなることを条件とする。
・交通を制御する信号機へと続く所定長以下のリンクである第1のリンク。
・第1のリンクへ進入するリンクである第2のリンク。
・第2のリンクから第1のリンクに進入する方向に信号機がない。
【0048】
例えば、
図6に示すように、退出先に信号機TL0があるショートリンクL0を想定する。本実施形態において「ショートリンク」とは、地
図DB172に記憶されているリンク長のうち、リンク長の短い方から所定範囲(例えば、5%)以内に該当するリンクを意味する。信号機TL0の表示内容が赤の場合は、距離が短いショートリンクL0内に停車しきれない車両がリンクL1まで続くという現象が起こりやすい。このような状況で信号機TL0の表示内容が青に変わった場合、リンクL1で停車した車両は、ショートリンクL0内で停車せずにショートリンクL0を通過できる可能性が高い。このように、ショートリンクL0と、リンクL1とは、交通状況が同じ方向に連動しやすく、負の相関がある。
【0049】
図7は、第1の生成部121による生成処理の手順を示すフローチャートである。
図7の処理は、第1の特徴を有する交通区間を抽出することを目的とする。ステップS202において第1の生成部121は、地
図DB172の「信号有無」を参照し、信号機がある全てのノードを抽出する。ステップS204において第1の生成部121は、抽出した全てのノードに対して処理が完了するまで、処理対象ノードを移動させつつステップS206〜S222の処理を繰り返し実行する(ループ1)。
【0050】
ステップS206において第1の生成部121は、処理対象ノードに接続する全てのリンクに対して処理が完了するまで、処理対象リンクを移動させつつステップS208〜S222の処理を繰り返し実行する(ループ2)。ステップS208において第1の生成部121は、処理対象リンクが所定距離以下であるか否かを確認する。所定距離は任意に定めることができ、例えば上述の通り10mとすることができる。処理対象リンクが所定距離より長い場合(ステップS208:NO)第1の生成部121は、処理をステップS206に遷移させる。
【0051】
処理対象リンクが所定距離以下である場合(ステップS208:YES)、ステップS210において第1の生成部121は、処理対象リンクを「リンクA」とする。ステップS212において第1の生成部121は、リンクAについて、処理対象ノードとは反対側のノードに信号機があるか否かを確認する。信号機がある場合(ステップS212:YES)第1の生成部121は、処理をステップS206に遷移させる。信号機がない場合(ステップS212:NO)、ステップS214において第1の生成部121は、反対側のノードに接続するリンクA以外のリンクを取得する。
【0052】
ステップS216において第1の生成部121は、取得した全てのリンクに対して処理が完了するまで、処理対象リンクを遷移させつつステップS218〜S222の処理を繰り返し実行する(ループ3)。ステップS218において第1の生成部121は、ループ3の処理対象リンクを「リンクB」とする。ステップS220において第1の生成部121は、地
図DB172の「規制情報」を参照し、リンクBからリンクAへは進行可能であるか否かを確認する。進行不可能である場合(ステップS220:NO)第1の生成部121は、処理をステップS216に遷移させる。
【0053】
進行可能である場合(ステップS220:YES)、ステップS222において第1の生成部121は、リンクAとリンクBとを複合区間として、抽出方向と共に区間DB175に記憶させる。なお、ステップS222の時点では、区間DB175(
図3(B))には、始点リンク、終点リンク、構成リンク群、抽出方向のみが登録され、UIDはデータなし(NULL)である。
【0054】
図6を参照しつつ、処理の具体例について説明する。
図6において、リンクL3からリンクL0へは、規制のため進行不可能とする。また、以降の具体例において第1の生成部121は、ノードIDおよびリンクIDが小さいものから、
図7のループ処理を実行する。ステップS202、S204において第1の生成部121は、信号機があるノードとしてノードN0を抽出し、処理対象ノードとする。ステップS206において第1の生成部121は、ノードN0に接続するリンクL0、L4、L5、L6を抽出し、ノードIDが小さいリンクL0を処理対象リンクとする。ステップS208において第1の生成部121は、リンクL0が所定距離以下であると判定する。ステップS210において第1の生成部121は、リンクL0をリンクAとする。ステップS212において第1の生成部121は、リンクL0(リンクA)について、処理対象ノードN0とは反対側のノードN1に信号機がないと判定する。ステップS214において第1の生成部121は、反対側のノードN1に接続するリンクL0(リンクA)以外のリンク、すなわち、リンクL1、L2、L3を取得する。ステップS216において第1の生成部121は、取得したリンクL1、L2、L3のうち、リンクIDが小さいリンクL1を処理対象リンクとする。ステップS218において第1の生成部121は、リンクL1をリンクBとする。ステップS220において第1の生成部121は、リンクL1(リンクB)からリンクL0(リンクA)へ進行可能であると判定する。ステップS222において第1の生成部121は、リンクL1とリンクL0とを複合区間として、区間DB175に記憶させる。また、この複合区間は、2者の中でリンクIDが大きいリンクL1から、2者の中でリンクIDが小さいリンクL0へと進行する区間である。このため、第1の生成部121は、区間DB175における抽出方向に「逆」を記憶させる。その後、第1の生成部121は、処理をステップS216に遷移させ、残るリンクL2、L3についても同様の処理を繰り返す。
【0055】
図8は、
図6の具体例について、第1の生成部121による生成処理が終了した後の区間DB175の一例を示す図である。上述の処理の結果、区間DB175には、リンクL1からリンクL0への交通区間を複合区間とする旨を定義するエントリE1と、リンクL2からリンクL0への交通区間を複合区間とする旨を定義するエントリE2と、が記憶される。
【0056】
以上のようにして、第1の生成部121による生成処理では、信号へと続く所定長以下のリンクである第1のリンク(リンクL0)と、第1のリンクへ進入するリンクである第2のリンク(リンクL1、L2)と、を1つの複合区間として定義することができる。この結果、
図6で説明したような負の相関のある交通区間を、1つの複合区間として定義することができる。
【0057】
A−2−2.生成処理(第2の生成部122):
図9は、第2の特徴について説明する図である。「第2の特徴」とは、地
図DB172において、連続する複数のリンクからなる区間(交通区間)が、以下のリンクからなることを条件とする。
・地
図DB172の中では2本以上のリンクに接続されているものの、2本以上のリンクのうちの1本へしか進行できない第1のリンク。
・第1のリンクからのみ進入できるリンクである第2のリンク。
【0058】
例えば、
図9(A)に示すように、T字を形成している3本のリンクL0〜L2であって、リンクL0からリンクL2へ向かう方向と、リンクL2からリンクL1へ向かう方向とは、規制のため進行不可能であるリンクL0〜L2を想定する。以降、このような3本のリンクを「実質二差路」とも呼ぶ。具体的には、
図9(B)と
図9(C)に示すように、各リンクL0、L1からなる道路の中央に中央分離帯MSが設置されているために、車両VHの移動方向が実線で図示する矢印方向に制限される場合等が実質二差路に相当する。このような場合、リンクL0からリンクL1への交通区間は、地
図DB172上は別々のリンクとされているものの、実質的には停止要因(例えば、信号機や車両の合流等)のない1本のリンクとみなすことができ、交通状況が同じ方向に連動しやすく、正の相関がある。
【0059】
図10Aおよび
図10Bは、第2の生成部122による生成処理の手順を示すフローチャートである。
図10Aおよび
図10Bでは、紙面の都合上、1つの処理を分図している。この処理は、第2の特徴を有する交通区間を抽出することを目的とする。ステップS302において第2の生成部122は、地
図DB172を参照し、実質二差路候補となる中心ノードを抽出する。具体的には、第2の生成部122は、地
図DB172において、ノード(または交差点グループ)が接続する全てのリンクの「規制情報」に「指定方向進入禁止区間」が格納されているノード(または交差点グループ)を実質二差路候補となる中心ノードとして抽出する。
【0060】
ステップS304において第2の生成部122は、抽出した全てのノードに対して処理が完了するまで、処理対象ノードを移動させつつステップS306〜S336の処理を繰り返し実行する(ループ1)。
【0061】
ステップS306において第2の生成部122は、処理対象ノードに接続する全てのリンクに対して処理が完了するまで、処理対象リンクを移動させつつステップS308〜S336の処理を繰り返し実行する(ループ2)。ステップS308において第2の生成部122は、処理対象リンクを「リンクA」とする。
【0062】
ステップS310において第2の生成部122は、処理対象ノードに接続する全てのリンクのうち、リンクA以外の全てのリンクに対して処理が完了するまで、処理対象リンクを移動させつつステップS312〜S320の処理を繰り返し実行する(ループ3)。ステップS312において第2の生成部122は、ループ3の処理対象リンクを「リンクB」とする。ステップS314において第2の生成部122は、地
図DB172の「信号有無」を参照し、リンクAとリンクBとを接続するノードに信号機があるか否かを確認する。信号機がある場合(ステップS314:YES)第2の生成部122は、処理をステップS310に遷移させる。
【0063】
信号機がない場合(ステップS314:NO)、ステップS316において第2の生成部122は、地
図DB172の「規制情報」を参照し、リンクAからリンクBへは進行可能であるか否かを確認する。進行不可能である場合(ステップS314:NO)第2の生成部122は、処理をステップS310に遷移させる。進行可能である場合(ステップS314:YES)、ステップS318において第2の生成部122は、リンクAから進行できるリンク数をカウントする。ステップS320において第2の生成部122は、リンクBを「リンクC」として記憶させ、処理をステップS310に遷移させる。
【0064】
ステップS322において第2の生成部122は、ループ3の処理を終了した結果、ステップS318でリンクAから進行できるとされたリンクの本数が1本であるか否かを確認する。1本でない(すなわち、2本以上である)場合(ステップS322:NO)第2の生成部122は、処理をステップS306に遷移させる。
【0065】
1本である場合(ステップS322:YES)、ステップS324において第2の生成部122は、リンクCに接続する全てのリンクに対して処理が完了するまで、処理対象リンクを移動させつつステップS326〜S332の処理を繰り返し実行する(ループ4)。ステップS326において第2の生成部122は、ループ4の処理対象リンクを「リンクD」とする。ステップS328において第2の生成部122は、地
図DB172の「信号有無」を参照し、リンクCとリンクDとを接続するノードに信号機があるか否かを確認する。信号機がある場合(ステップS328:YES)第2の生成部122は、処理をステップS324に遷移させる。
【0066】
信号機がない場合(ステップS328:NO)、ステップS330において第2の生成部122は、地
図DB172の「規制情報」を参照し、リンクDからリンクCへは進行可能であるか否かを確認する。進行不可能である場合(ステップS330:NO)第2の生成部122は、処理をステップS324に遷移させる。進行可能である場合(ステップS330:YES)、ステップS332において第2の生成部122は、リンクCへと進行できるリンク数をカウントし、処理をステップS324に遷移させる。
【0067】
ステップS334において第2の生成部122は、ループ4の処理を終了した結果、ステップS332でリンクCへと進行できるとされたリンクの本数が1本であるか否かを確認する。1本でない(すなわち、2本以上である)場合(ステップS334:NO)第2の生成部122は、処理をステップS306に遷移させる。1本である場合(ステップS334:YES)、ステップS336において第2の生成部122は、リンクAとリンクCとを複合区間として、抽出方向と共に区間DB175に記憶させる。なお、ステップS336の時点では、区間DB175(
図3(B))には、始点リンク、終点リンク、構成リンク群、抽出方向のみが登録され、UIDはデータなし(NULL)である。
【0068】
図9を参照しつつ、処理の具体例について説明する。以降の具体例において第2の生成部122は、ノードIDおよびリンクIDが小さいものから、
図10Aおよび
図10Bのループ処理を実行する。ステップS302、S304において第2の生成部122は、実質二差路候補の中心ノードとしてノードN0を抽出し、処理対象ノードとする。ステップS306において第2の生成部122は、ノードN0に接続するリンクL0、L1、L2を抽出し、リンクIDが小さいリンクL0を処理対象リンクとする。ステップS308において第2の生成部122は、リンクL0をリンクAとする。ステップS310において第2の生成部122は、ノードN0に接続する全てのリンクL0、L1、L2のうち、リンクL0以外の全てのリンクL1、L2を抽出し、リンクIDが小さいリンクL1をループ3の処理対象リンクとする。ステップS312において第2の生成部122は、リンクL1をリンクBとする。ステップS314において第2の生成部122は、リンクL0(リンクA)とリンクL1(リンクB)とを接続するノードN0に信号機がないと判定する。ステップS316において第2の生成部122は、リンクL0(リンクA)からリンクL1(リンクB)へ進行可能であると判定する。ステップS318において第2の生成部122は、リンクL0(リンクA)から進行できるリンク数を1とする。ステップS320において第2の生成部122は、リンクL1(リンクB)をリンクCとして記憶させ、処理をステップS310に遷移させる。ステップS310において第2の生成部122は、リンクL1の次に小さいリンクL2をループ3の処理対象リンクとする。ステップS312において第2の生成部122は、リンクL2をリンクBとする。ステップS314において第2の生成部122は、リンクL0(リンクA)とリンクL2(リンクB)とを接続するノードN0に信号機がないと判定する。ステップS316において第2の生成部122は、リンクL0(リンクA)からリンクL2(リンクB)へ進行不可能であると判定する。これにより、ループ3は終了する。ステップS322において第2の生成部122は、ステップS318でリンクAから進行できるとされたリンクの本数が1であると判定する。ステップS324において第2の生成部122は、リンクL1(リンクC)に接続するリンクL0、L2を抽出し、リンクIDが小さいリンクL0をループ4の処理対象リンクとする。ステップS326において第2の生成部122は、リンクL0をリンクDとする。ステップS328において第2の生成部122は、リンクL1(リンクC)とリンクL0(リンクD)とをつなぐノードN0に信号機がないと判定する。ステップS330において第2の生成部122は、リンクL0(リンクD)からリンクL1(リンクC)へ進行可能であると判定する。ステップS332において第2の生成部122は、リンクL1(リンクC)へと進行できるリンク数を1とし、処理をステップS324に遷移させる。ステップS324において第2の生成部122は、リンクL0の次に小さいリンクL2をループ4の処理対象リンクとする。ステップS326において第2の生成部122は、リンクL2をリンクDとする。ステップS328において第2の生成部122は、リンクL1(リンクC)とリンクL2(リンクD)とをつなぐノードN0に信号機がないと判定する。ステップS330において第2の生成部122は、リンクL2(リンクD)からリンクL1(リンクC)へ進行不可能であると判定する。これにより、ループ4は終了する。ステップS334において第2の生成部122は、ステップS332でリンクCへと進行できるとされたリンクの本数が1であると判定する。ステップS336において第2の生成部122は、リンクL0(リンクA)とリンクL1(リンクC)とを複合区間として、区間DB175に記憶させる。また、この複合区間は、2者の中でリンクIDが小さいリンクL0から、2者の中でリンクIDが大きいリンクL1へと進行する区間である。このため、第1の生成部121は、区間DB175における抽出方向に「順」を記憶させる。その後、第2の生成部122は、処理をステップS306に遷移させ、残るリンクL1、L2についても同様の処理を繰り返す。
【0069】
図11は、
図9の具体例について、第2の生成部122による生成処理が終了した後の区間DB175の一例を示す図である。上述の処理の結果、区間DB175には、リンクL0からリンクL1への交通区間を複合区間とする旨を定義するエントリE1が記憶される。
【0070】
以上のようにして、第2の生成部122による生成処理では、リンク情報(地
図DB172)の中ではリンクの一方の側で少なくとも2本のリンクに接続されているものの、その少なくとも2本のリンクのうちの1本以外には進行が規制されているリンクである第1のリンク(リンクL0)と、他のリンクからは進入が規制されていると共に、第1のリンクからは進入可能なリンクである第2のリンク(リンクL1)と、を1つの複合区間として定義することができる。この結果、
図9で説明したような正の相関のある交通区間を、1つの複合区間として定義することができる。
【0071】
A−2−3.生成処理(第3の生成部123):
図12は、第3の特徴について説明する図である。「第3の特徴」は地
図DB172において、連続する複数のリンクからなる区間(交通区間)が、以下のリンクc1、c2のいずれかからなることを条件とする。
(c1)右左折専用リンクおよび進入リンク
・右左折専用のリンクである第1のリンク。
・第1のリンクへ進入するリンクである第2のリンク。
(c2)右左折専用リンクに接続された進行不可能リンクおよび進入リンク
・地
図DB172の中では右左折専用のリンクに接続されているものの、当該右左折専用のリンクには進行が規制されているリンクである第3のリンク。
・第3のリンクへ進入するリンクである第4のリンク。
【0072】
例えば、
図12に示すように、左折専用リンクL3を備える十字路を想定する。
図12において、左折専用リンクL3に停車が発生する場合はリンクL2に停車が発生せず、左折専用リンクL3に停車が発生しない場合はリンクL2に停車が発生するという現象が生じやすい。同様に、リンクL1に停車が発生する場合はリンクL2に停車が発生せず、リンクL1に停車が発生しない場合はリンクL2に停車が発生するという現象が生じやすい。従って、このような場合、リンクL2とリンクL3、および、リンクL2とリンクL2は、交通状況が異なる方向に連動しやすく、負の相関がある。
【0073】
図13は、第3の生成部123による生成処理の手順を示すフローチャートである。
図13の処理は、第3の特徴を有する交通区間を抽出することを目的とする。ステップS402において第3の生成部123は、地
図DB172の「規制情報」を参照し、規制情報に「指定方向進入禁止区間」が格納されているリンクを全て抽出する。ステップS404において第3の生成部123は、抽出した全てのリンクに対して処理が完了するまで、処理対象リンクを移動させつつステップS406〜S426の処理を繰り返し実行する(ループ1)。
【0074】
ステップS406において第3の生成部123は、処理対象リンクを「リンクA」とする。ステップS408において第3の生成部123は、リンクAの進入側ノード(すなわちリンクAに進入するノード)と、リンクAの退出側ノード(すなわちリンクAから退出するノード)とに接続するリンクA以外のリンクを全て取得する。
【0075】
ステップS410において第3の生成部123は、リンクAの進入側ノードに接続するA以外の全てのリンクに対して処理が完了するまで、処理対象リンクを移動させつつステップS412〜S420の処理を繰り返し実行する(ループ2)。ステップS412において第3の生成部123は、ループ2の処理対象リンクからリンクAへは進行可能であるか否かを確認する。進行不可能である場合(ステップS412:NO)第3の生成部123は、処理をステップS410に遷移させる。
【0076】
進行可能である場合(ステップS412:YES)、ステップS414において第3の生成部123は、リンクAの退出側ノードに接続するA以外の全てのリンクに対して処理が完了するまで、処理対象リンクを移動させつつステップS416〜S420の処理を繰り返し実行する(ループ3)。ステップS416において第3の生成部123は、リンクAの進入側ノードに接続する処理対象リンク(ループ2の処理対象リンク)から、リンクAの退出側ノードに接続する処理対象リンク(ループ3の処理対象リンク)へは進行可能であるか否かを確認する。進行不可能である場合(ステップS416:NO)第3の生成部123は、処理をステップS414に遷移させる。
【0077】
進行可能である場合(ステップS416:YES)、ステップS418において第3の生成部123は、地
図DB172の「規制情報」を参照し、ステップS416で進行可能と判断した全リンク群のうち、リンクAの進入側および退出側ノードに接続する処理対象リンクを除くリンクに対して、規制情報に「指定方向進入禁止区間」が格納されているか否かを確認する。格納されていない場合(ステップS418:NO)第3の生成部123は、処理をステップS414に遷移させる。格納されている場合(ステップS418:YES)、ステップS420において第3の生成部123は、リンクAの進入側ノードに接続する処理対象リンク(ループ2の処理対象リンク)をリンクBとし、処理をステップS414に遷移させる。
【0078】
ステップS422において第3の生成部123は、リンクBのリンクA側のノードに接続する全てのリンクに対して処理が完了するまで、処理対象リンクを移動させつつステップS424〜S426の処理を繰り返し実行する(ループ4)。ステップS424において第3の生成部123は、ループ4の処理対象リンクを「リンクC」とする。ステップS426において第3の生成部123は、リンクBとリンクCとを複合区間として、抽出方向と共に区間DB175に記憶させる。なお、ステップS426の時点では、区間DB175(
図3(B))には、始点リンク、終点リンク、構成リンク群、抽出方向のみが登録され、UIDはデータなし(NULL)である。
【0079】
図12を参照しつつ、処理の具体例について説明する。以降の具体例において第3の生成部123は、ノードIDおよびリンクIDが小さいものから、
図13のループ処理を実行する。ステップS402、S404において第3の生成部123は、指定方向進入禁止区間が格納されているリンクL3を抽出し、処理対象リンクとする。ステップS406において第3の生成部123は、リンクL3をリンクAとする。ステップS408において第3の生成部123は、リンクL3(リンクA)の進入側ノードN0に接続するリンクL1、L2と、リンクL3(リンクA)の退出側ノードN1に接続するリンクL4、L5と、を取得する。ステップS410において第3の生成部123は、リンクL3(リンクA)の進入側ノードN0に接続するリンクL1、L2のうち、リンクIDが小さいリンクL1をループ2の処理対象リンクとする。ステップS412において第3の生成部123は、リンクL1(ループ2の処理対象リンク)からリンクL3(リンクA)へ進行不可能であると判定し、処理をステップS410に遷移させる。ステップS410において第3の生成部123は、リンクL3(リンクA)の進入側ノードN0に接続するリンクL1、L2のうち、リンクIDが次に小さいリンクL2をループ2の処理対象リンクとする。ステップS412において第3の生成部123は、リンクL2(ループ2の処理対象リンク)からリンクL3(リンクA)へは進行可能であると判定する。ステップS414において第3の生成部123は、リンクL3(リンクA)の退出側ノードN1に接続するリンクL4、L5のうち、リンクIDが小さいリンクL4をループ3の処理対象リンクとする。ステップS416において第3の生成部123は、リンクL2(ループ2の処理対象リンク)からリンクL4(ループ3の処理対象リンク)へは進行可能であると判定する。ステップS418において第3の生成部123は、ステップS416で進行可能と判断したリンクL2、L3、L4のうち、進入側ノードに接続する処理対象リンクL2と退出側ノードに接続する処理対象リンクL4とを除いた、リンクL3に対して指定方向進入禁止区間が格納されていると判定する。ステップS420において第3の生成部123は、進入側ノードに接続する処理対象リンクL2をリンクBとし、処理をステップS414に遷移させる。ステップS414において第3の生成部123は、リンクL3(リンクA)の退出側ノードN1に接続するリンクL4、L5のうち、リンクIDが次に小さいリンクL5をループ3の処理対象リンクとする。ステップS416において第3の生成部123は、リンクL2(ループ2の処理対象リンク)からリンクL5(ループ3の処理対象リンク)へは進行不可能であると判定する。これにより、ループ3およびループ2は終了する。ステップS422において第3の生成部123は、リンクL3(リンクA)側のノードN0において、リンクL2(リンクB)に接続するリンクL1、L3のうち、リンクIDが小さいリンクL1をループ4の処理対象リンクとする。ステップS424において第3の生成部123は、リンクL1をリンクCとする。ステップS426において第3の生成部123は、リンクL2(リンクB)とリンクL1(リンクC)とを複合区間として、区間DB175に記憶させる。また、この複合区間は、2者の中でリンクIDが大きいリンクL2から、2者の中でリンクIDが小さいリンクL1へと進行する区間である。このため、第1の生成部121は、区間DB175における抽出方向に「逆」を記憶させる。その後、第3の生成部123は、処理をステップS422に遷移させる。ステップS422において第3の生成部123は、リンクL3(リンクA)側のノードN0において、リンクL2(リンクB)に接続するリンクL1、L3のうち、リンクIDが次に小さいリンクL3をループ4の処理対象リンクとする。ステップS424において第3の生成部123は、リンクL3をリンクCとする。ステップS426において第3の生成部123は、リンクL2(リンクB)とリンクL3(リンクC)とを複合区間として、区間DB175に記憶させる。また、この複合区間は、2者の中でリンクIDが小さいリンクL2から、2者の中でリンクIDが大きいリンクL3へと進行する区間である。このため、第1の生成部121は、区間DB175における抽出方向に「順」を記憶させる。これにより、ループ4は終了する。
【0080】
図14は、
図12の具体例について、第3の生成部123による生成処理が終了した後の区間DB175の一例を示す図である。上述の処理の結果、区間DB175には、リンクL2からリンクL3への交通区間を複合区間とする旨を定義するエントリE1と、リンクL2からリンクL1への交通区間を複合区間とする旨を定義するエントリE2と、が記憶される。
【0081】
以上のようにして、第3の生成部123による生成処理では、右左折専用のリンクである第1のリンク(リンクL3)と、第1のリンクへ進入するリンクである第2のリンク(リンクL2)、および、リンク情報(地
図DB172)の中では右左折専用のリンクに接続されているものの右左折専用のリンクには進行が規制されているリンクである第3のリンク(リンクL1)と、第3のリンクへ進入するリンクである第4のリンク(リンクL2)を、それぞれ1つの複合区間として定義することができる。この結果、
図12で説明したような負の相関のある交通区間を、1つの複合区間として定義することができる。
【0082】
A−2−4.生成処理(第4の生成部124):
図15は、第4の特徴について説明する図である。「第4の特徴」は、連続する複数のリンクからなる区間(交通区間)であって、同一の区間において、地
図DB172におけるリンクの区切り方と、プローブ地
図DB173におけるリンクの区切り方と、が相違することを条件とする。
【0083】
例えば、ノードN0とノードN1との間の同一の区間において、地
図DB172におけるリンクの区切り方と、プローブ地
図DB173におけるリンクの区切り方と、が相違する場合を想定する。具体的には、
図15(A)に示すように、プローブ地
図DB173では、ノードN0とノードN1との間の区間が1本のリンクL1−Aに区切られている。一方、
図15(B)に示すように、地
図DB172では、ノードN0とノードN1との間の区間が2本のリンクL1−BとL2−Bとに区切られている。このような場合、リンクL1−Aと、リンクL1−BおよびL2−Bと、は同じ道路であるため、交通状況は必ず同じ方向に連動し、強い正の相関がある。
【0084】
図16は、第4の生成部124による生成処理の手順を示すフローチャートである。
図16の処理は、第4の特徴を有する交通区間を抽出することを目的とする。
【0085】
ステップS602において第4の生成部124は、単位A(ここでは、プローブ地
図DB173とする)に格納されている全てのリンクに対して処理が完了するまで、ステップS604〜S606の処理を繰り返し実行する(ループ1)。
【0086】
ステップS604において第4の生成部124は、単位A(プローブ地
図DB173)と単位B(ここでは、地
図DB172とする)とにおける、同一の区間におけるリンクの関係が、1:N(Nは2以上の整数)で対応する単位B(地
図DB172)のリンクがあるか否かを確認する。具体的には、第4の生成部124は、地
図DB172とプローブ地
図DB173とにおけるリンクの区切り方の対応関係を記憶している「対応付け情報」が記憶部170に記憶されている場合、この対応付け情報に、処理対象リンクについてのデータが含まれているか否かを検索すればよい。
【0087】
記憶部170に対応付け情報が記憶されていない場合、第4の生成部124は、以下のd1〜d4の手順によって、地
図DB172とプローブ地
図DB173とから同一の区間を抽出し、抽出した区間に含まれるリンクの関係を確認すればよい。
(d1)第4の生成部124は、地
図DB172とプローブ地
図DB173とを参照し、プローブ地
図DB173のノードと、絶対位置(例えば、緯度経度や座標等)が同じである地
図DB172のノードを抽出する。
(d2)第4の生成部124は、地
図DB172と、プローブ地
図DB173とのそれぞれについて、手順d1で抽出したノードに挟まれているリンクを全て抽出する。
(d3)第4の生成部124は、地
図DB172について手順d2で抽出したリンク群と、プローブ地
図DB173について手順d2で抽出したリンク群と、から複数のポリゴンを生成する。具体的には、第4の生成部124は、リンクを所定個数に等分し、等分された各リンクについて、始点と終点とを対角線に置いた長方形のポリゴンを生成する。リンクを等分する個数は任意に定めることができ、例えば図のように4つとしてもよいし、2以上の任意の数にしてもよい。
【0088】
図17は、同一の区間を抽出する方法について説明する図である。
(d4)第4の生成部124は、地
図DB172とプローブ地
図DB173とについて、手順d3で分割された各ポリゴンの形状を比較する。第4の生成部124は、全てのポリゴンの形状が同じであれば、手順d2で抽出されたリンクからなる区間(交通区間)は同一の区間であると判定し、少なくとも1つのポリゴンの形状が異なれば、手順d2で抽出されたリンクからなる区間(交通区間)は異なる区間であると判定する。例えば、
図17(A)の例では、プローブ地
図DB173内のリンクL1−Aから分割されたポリゴンPaと、地
図DB172内のリンクL1−BおよびL2−Bから分割されたポリゴンPbと、に含まれる各ポリゴンの形状は全て同じである。このため、第4の生成部124は、リンクL1−Aと、リンクL1−BおよびL2−Bと、は同じ区間であると判定する。一方、
図17(B)の例では、プローブ地
図DB173内のリンクL1−Aから分割されたポリゴンPaと、地
図DB172内のリンクL1−BおよびL2−Bから分割されたポリゴンPbと、に含まれる各ポリゴンの形状はそれぞれ相違する。このため、第4の生成部124は、リンクL1−Aと、リンクL1−BおよびL2−Bと、は同じ区間ではないと判定する。なお、手順d4においてポリゴンの形状の比較する際は、所定の閾値内を設けた上で、当該閾値内での形状のずれを許容してもよい。
【0089】
図16のステップS604において、1:Nで対応するリンクがない場合(ステップS604:NO)第4の生成部124は、処理をステップS602に遷移させる。1:Nで対応するリンクがある場合(ステップS604:YES)、ステップS606において第4の生成部124は、手順b2で抽出された単位B(地
図DB172)のリンク群を複合区間として、抽出方向と共に区間DB175に記憶させる。なお、ステップS606の時点では、区間DB175(
図3(B))には、始点リンク、終点リンク、構成リンク群、抽出方向のみが登録され、UIDはデータなし(NULL)である。
【0090】
図18は、
図15の具体例について、第4の生成部124による生成処理が終了した後の区間DB175の一例を示す図である。上述の処理の結果、区間DB175には、リンクL1−BからリンクL2−Bへの交通区間と、リンクL2−BからリンクL1−Bへの交通区間と、をそれぞれ複合区間とする旨を定義するエントリE1が記憶される。
【0091】
以上のようにして、第4の生成部124による生成処理では、同一の区間において、リンク情報(地
図DB172)におけるリンクの区切り方と、リンク情報とは異なる他のリンク情報であって交通ネットワークを構成するリンクに関する情報が予め記憶されている他のリンク情報(プローブ地
図DB173)におけるリンクの区切り方と、が相違する複数のリンク(リンクL1−BおよびL2−B)を、1つの複合区間として定義することができる。この結果、
図15で説明したような正の相関のある交通区間を、1つの複合区間として定義することができる。
【0092】
また、第4の生成部124による生成処理の手順b4では、リンク情報(地
図DB172)と、他のリンク情報(プローブ地
図DB173)という、同じ性質(すなわち、交通ネットワークを構成するリンクに関する情報が予め記憶されているという性質)を持ちつつも異なる情報源から、リンクから分割されたポリゴンの形状を比較することで、容易に同一の区間を抽出することができる。
【0093】
以上の通り、上記実施形態の情報処理装置(サーバ10)は、リンク情報(地
図DB172)を用いて、連続する複数のリンクからなり、かつ、予め定められた特徴を有する交通区間を抽出し、この交通区間を構成する複数のリンクを1つの複合区間として関連付け定義し、記憶部170の区間DB175に記憶させる。すなわち、上記実施形態によれば、リンク情報(地
図DB172)を使用することによって、プローブ情報の統計データである交通情報データ(交通情報DB174)を使用することなく複合区間を定義することができるため、交通情報データ(交通情報DB174)内のデータ数に依拠しない複合区間の定義が可能となる。また、上記実施形態によれば、リンクに関する情報(地
図DB172に記憶されているリンクの長さや、リンクの規制情報等)に基づいて複合区間が定義されるため、定義された複合区間によって管理される旅行時間の信頼性を向上させることができる。
【0094】
また、上記実施形態において、「予め定められた特徴」とは、交通区間を構成する複数のリンク間において、交通状況についての相関関係(正の相関関係、負の相関関係)があることである。このため、上記実施形態によれば、一方のリンクにおける交通状況が変化すれば、他方のリンクにおける交通状況も変化するという性質を持つ複数のリンクを、1つの複合区間として定義することができる。
【0095】
さらに、上記実施形態によれば、区間情報生成処理では、リンクに関する情報(地
図DB172に記憶されているリンクの長さや、リンクの規制情報等)に基づいて、第1の生成部121〜第4の生成部124が、第1〜第4の特徴を持つリンクをそれぞれ抽出し、それぞれを1つの複合区間として関連付け定義して、記憶部170の区間DB175に記憶させることができる。すなわち、上記実施形態によれば、第1〜第4の異なる特徴により抽出された複合区間を、区間DB175にそれぞれ定義しておくことができる。
【0096】
B.変形例:
上記実施形態において、ハードウェアによって実現されるとした構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されるとした構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。その他、以下のような変形も可能である。
【0097】
・変形例1:
上記実施例では、情報処理システムの構成の一例を示した。しかし、情報処理システムの構成はあくまで一例であり、任意の態様を採用することができる。例えば、ナビゲーション装置が備えるとした機能をサーバが備えてもよく、サーバが備えるとした機能をナビゲーション装置が備えてもよい。
【0098】
・変形例2:
上記実施形態では、クライアント装置としてナビゲーション装置を例示した。しかし、上記実施形態におけるクライアント装置およびその構成はあくまで一例であり、任意の態様を採用することができる。例えば、その構成要素の一部を省略したり、更なる構成要素を付加したり、構成要素の一部を変更したりする変形が可能である。例えば、クライアント装置としては、スマートフォン、パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、ゲーム機、等の各種情報処理装置を採用してもよい。
【0099】
・変形例3:
上記実施形態では、サーバの構成を例示した。しかし、上記実施形態におけるサーバの構成はあくまで一例であり、任意の態様を採用することができる。例えば、その構成要素の一部を省略したり、更なる構成要素を付加したり、構成要素の一部を変更したりする変形が可能である。例えば、上述した機能は、複数台のサーバが協働することによって実現されてもよい。例えば、サーバは、経路探索処理を実施しなくてもよく、サーバが備えるとした各DBのうちの少なくとも一部は、他のサーバや他の記憶装置に記憶されていてもよい。
【0100】
例えば、上述した画像DB、地
図DB、プローブ地
図DB、交通情報DB、区間DBの構成はあくまで一例であり、任意の態様を採用できる。例えば、DB内のフィールドの一部を省略したり、他のフィールドを付加したり、変更したりする変形が可能である。例えば、1つのDBを複数のDBに分割してもよく、複数のDBを1つのDBに統合してもよい。例えば、区間DBにおいて、始点リンクと終点リンクとに対して、リンクIDの大小ではなく進行方向に沿ったリンクIDを登録することとして、抽出方向のフィールドを省略してもよい。
【0101】
例えば、サーバは、プローブ地
図DBに代えて、またはプローブ地
図DBと共に、VICS(登録商標)センターから受信したVICS情報を利用する際に使用されるDBであるVICS地
図DBを備えていてもよい。この場合、上記実施形態において「プローブ情報」と記載した部分は「VICS情報」と読み替え、「プローブ地
図DB」と記載した部分は「VICS地
図DB」と読み替える。
【0102】
・変形例4:
上記実施形態では、区間情報生成処理、第1〜第4の生成部による生成処理、について、処理の手順の一例を挙げて説明した。しかし、上記手順はあくまで一例であり種々の変更が可能である。一部のステップを省略してもよいし、更なる他のステップを追加してもよい。また、実行されるステップの順序を変更してもよい。
【0103】
例えば、区間情報生成処理において、第1〜第4の生成部による生成処理は、地
図DB(およびプローブ地
図DB)の一部分に限り実行されてもよい。一部分とは、所定の条件を満たす部分、所定の座標範囲内、所定の緯度経度範囲内、所定のリンクID、所定のノードID等、任意に決定してよい。例えば、所定の条件を「交通情報DBにおける同一リンクの旅行時間のデータ数が少ない場合」とすれば、従来技術の標準偏差を利用して複合区間を定義する方法と、本発明の方法と、を効率よく組み合わせて複合区間を定義することができる。
【0104】
例えば、区間情報生成処理では、第1〜第4の生成部による生成処理のうちの、少なくとも一部を省略してもよい。例えば、区間情報生成処理では、第1〜第4の生成部による生成処理の実行順序を入れ替えてもよい。例えば、区間情報生成処理では、上述しない他の処理が付加的に実行されてもよい。他の処理としては例えば、以下のe1、e2の処理が例示できる。
(e1)他の生成部による生成処理:例えば、交差点内で車両が停止できる交差点については、交差点内の車両が、交差点に進入する側のリンクに位置しているのか、交差点から退出する側のリンクに位置しているのか判別しづらく、誤マッチングが生じやすい。従って、このような、交差点へ進入する側のリンクと、退出する側のリンクと、を1つの複合区間として定義するための生成処理が実行されてもよい。
(e2)区間DB内の統合処理:区間DBにおいて、例えば、リンクL1からL2への交通区間を複合区間とするエントリと、リンクL2からリンクL3への交通区間を複合区間とするエントリと、が別々に定義されている場合、区間情報生成部は、これら別々のエントリを1つのエントリに統合する処理を実行してもよい。統合後のエントリは、例えば、始点リンクL1、終点リンクL3、構成リンク群L2となる。なお、区間D内の統合処理は、区間情報生成処理から独立して実行されてもよい。
【0105】
・変形例5:
本発明は、上述の実施形態や実施例、変形例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施形態、実施例、変形例中の技術的特徴は、上述の課題の一部または全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部または全部を達成するために、適宜、差し替えや組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。