(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2カバー体は、前記第1回転体がシール位置にあり、かつ、前記第2回転体がシール位置にあるとき、前記第1カバー体に対して前記第2折戸の見込方向に重なる位置に一部があるように設けられる請求項2に記載の折戸装置。
前記第2カバー体は、前記第1回転体がシール位置にあり、かつ、前記第2回転体がシール位置にあるとき、前記第1カバー体に対して前記第2回転体の回転軸線方向に重なる位置に一部があるように設けられる請求項3に記載の折戸装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態、変形例では、同一の構成要素に同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、各図面では、説明の便宜のため、構成要素の一部を適宜省略したり、構成要素の寸法を適宜拡大、縮小して示す。
【0011】
図1は、本実施形態の折戸装置10を示す斜視図である。
本実施形態の折戸装置10はガーデンルーム12に用いられる。ガーデンルーム12は、複数の支柱14と、複数の支柱14により支持される屋根16と、屋根16の下方に配置される折戸装置10とを備える。折戸装置10は、後述する全ての第1折戸18(A)及び第2折戸18(B)が伸長した状態にあるとき、それらの内側の室内空間と、それらの外側の室外空間とに仕切る機能をもつ。
【0012】
図2は、折戸装置10の一部を示す平面図である。
図3は、
図2の拡大図である。
図2、
図3では、後述する枠体20のコーナー縦枠40の一部(第2操作部64)等を省略する。
折戸装置10は、主に、枠体20と、複数の第1折戸18(A)と、複数の第2折戸18(B)と、第1回転体22(A)と、第2回転体22(B)と、第1カバー体24と、第2カバー体26とを備える。以下、共通点の多い別々の構成要素には符号の末尾に(A)、(B)と付すことで区別し、総称するときはこれら符号を省略する。本実施形態の折戸装置10は、第1カバー体24及び第2カバー体26に主な特徴の一つがあるが、先に周辺構造から説明する。
【0013】
(枠体)
図4は、枠体20の一部を示す平面図である。
枠体20は、複数の枠により枠組みされている。枠には、上下一組の第1レール枠28(A)と、上下一組の第2レール枠28(B)が含まれる。第1レール枠28(A)と第2レール枠28(B)とは互いの端部を突き合わせて配置される。また、枠には、隣り合う第1レール枠28(A)と第2レール枠28(B)との突き合わせ箇所に接続される上下一組のコーナー枠30が含まれる。本図では下側の枠のみ示す。第1レール枠28(A)には下側の第1下側レール枠28(A)が含まれ、第2レール枠28(B)には下側の第2下側レール枠28(B)が含まれる。
【0014】
枠体20は、第1レール枠28(A)及びコーナー枠30に跨がる範囲に形成される上下一組の第1レール部32(A)と、第2レール枠28(B)及びコーナー枠30に跨がる範囲に形成される上下一組の第2レール部32(B)とを有する。各レール部32(A)、32(B)のそれぞれは直線状に延びる溝状をなす。本実施形態の第1レール部32(A)は矩形の第一辺に対応する位置に直線状に配置され、第2レール部32(B)は矩形の第一辺と隣り合う二つの第二辺それぞれに対応する位置に直線状に配置される。
図4では、一つの下側の第1レール部32(A)と一つの下側の第2レール部32(B)のみ図示する。第1レール部32(A)と第2レール部32(B)との間にはコーナー部34が形成される。
【0015】
図1に示すように、一組の第1レール部32(A)間には複数の第1折戸18(A)が収められ、一組の第2レール部32(B)間には複数の第2折戸18(B)が収められる。本実施形態では、4つの第1折戸18(A)と2つの第2折戸18(B)とが収められる。
【0016】
第1レール部32(A)と第2レール部32(B)とは、互いの間で連続するスライド経路をもつ。第1折戸18(A)や第2折戸18(B)は、このスライド経路に沿ってスライド可能に設けられる。これにより、全ての折戸18は、第1レール部32(A)と第2レール部32(B)との間を行き来するようにスライド可能となる。このため、全ての折戸18は、スライド経路の末端側(第2レール部32(B)のコーナー部34とは反対側)に折り畳んでまとめた状態で配置できる。
【0017】
図4に示すように、枠体20は、第1下側レール枠28(A)に形成される溝状の第1内側収容部36(A)と、第2下側レール枠28(B)に形成される溝状の第2内側収容部36(B)とを有する。第1内側収容部36(A)は第1回転体22(A)の中空部22b(後述する)を収容するためのものであり、第2内側収容部36(B)は第2回転体22(B)の中空部22b(後述する)を収容するためのものである。第1内側収容部36(A)と第2内側収容部36(B)とは枠体20のコーナー部34寄りの箇所で連続するように設けられる。
【0018】
枠体20は、第1下側レール枠28(A)及びコーナー縦枠40に形成される溝状の第1外側収容部38(A)と、第2下側レール枠28(B)及びコーナー縦枠40に形成される溝状の第2外側収容部38(B)とを有する。第1外側収容部38(A)は第1回転体22(A)の外力受け部22c(後述する)を収容するためのものであり、第2外側収容部38(B)は第2回転体22(B)の外力受け部22c(後述する)を収容するためのものである。第1外側収容部38(A)と第2外側収容部38(B)とは枠体20のコーナー部34寄りの箇所で連続するように設けられる。
【0019】
図5は、枠体20のコーナー縦枠40を
図3の矢視Vp1から見た図である。
図3、
図5に示すように、枠体20は、さらに、コーナー部34に配置されるコーナー縦枠40を有する。コーナー縦枠40は、枠体20を枠組みする枠の一つでもある。コーナー縦枠40は、第1レール部32(A)や第2レール部32(B)に対してスライド可能なスライダ42を有する。これにより、コーナー縦枠40も、折戸18と同様、第1レール部32(A)と第2レール部32(B)との間で連続するスライド経路に沿ってスライド可能に設けられる。
【0020】
(第1折戸18(A)及び第2折戸18(B))
第1折戸18(A)と第2折戸18(B)は多くの点で構成が共通するため、同一の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。本明細書では第1折戸18(A)や第2折戸18(B)の見込方向ということがあるが、これは伸長状態にある第1折戸18(A)や第2折戸18(B)を正面から見たときの奥行方向をいう。
【0021】
図1、
図2に示すように、折戸18は二つの戸体18aを有する。戸体18aは、ガラスパネル等のパネル体18bと、パネル体18bの四周を囲むように設けられる框18cとを備える。二つの戸体18aは幅方向の端部が同方向に対向して配置され、その対向する端部同士がヒンジ機構18dを介して連結される。これにより、二つの戸体18aはヒンジ機構18dを介して折り畳み可能に連結される。
【0022】
図6は、
図2のA−A線断面図である。
図2、
図6に示すように、二つの戸体18aの幅方向の対向する端部とは反対側の端部には、枠体20の上下のレール部32に沿ってスライド可能なスライダ18eが取り付けられる。これにより、二つの戸体18aは、上下のレール部32に対してスライド可能に設けられる。以上の構成により、第1折戸18(A)は、上下の第1レール部32(A)に対して折り畳み動作及び伸長動作を伴いスライド可能に設けられる。また、第2折戸18(B)は、上下の第2レール部32(B)に対して折り畳み動作及び伸長動作を伴いスライド可能に設けられる。
【0023】
図3、
図6に示すように、コーナー縦枠40に隣り合う第2折戸18(B)とコーナー枠30とには、第2折戸18(B)の幅方向に対向する箇所に弾性をもつ縦シール部材44が個別に装着されている。コーナー縦枠40と第2折戸18(B)との召し合わせ箇所に縦シール部材44が装着されているといえる。
【0024】
(第1回転体22(A))
図6に示すように、第1回転体22(A)は、第1レール部32(A)を形成する枠の一つとなる第1下側レール枠28(A)に回転可能に取り付けられる。詳しくは、第1下側レール枠28(A)には、第1レール部32(A)に対して第1折戸18(A)の見込方向の室内側(
図6の右側)に円柱状の軸部46が形成される。第1回転体22(A)は、第1下側レール枠28(A)の軸部46に回転自在に支持される軸受部22aを有し、その軸受部22aを介して第1下側レール枠28(A)に回転可能に取り付けられる。
【0025】
第1回転体22(A)は、軸受部22aの他に、軸受部22aに対して第1折戸18(A)の見込方向の室内側に配置される中空部22bと、軸受部22aに対して第1折戸18(A)の見込方向の室外側(
図6の左側)に配置される外力受け部22cとを有する。第1回転体22(A)は、アルミニウムのような金属等を素材として、これらの部位が一体成形される押出成形品である。中空部22bは、第1下側レール枠28(A)の第1内側収容部36(A)に収容され、外力受け部22cは、第1下側レール枠28(A)の第1外側収容部38(A)に収容される。
【0026】
中空部22bは、第1側面部22baと、第2側面部22bbと、周面部22bcとを備え、これらにより扇状をなしている。第1側面部22baは、第1回転体22(A)の回転軸線Rcから離れる方向に延びるとともに回転方向の一方側(図中の反時計周り方向。以下、正回転方向という)に臨むように設けられる。第1側面部22baの正回転方向に臨む部位には第1シール部22dが設けられる。第1シール部22dは、第1側面部22baに装着される弾性をもつ第1横シール部材により構成される。第2側面部22bbは、第1回転体22(A)の回転軸線Rcから離れる方向に延びるとともに回転方向の他方側(図中の時計周り方向。以下、逆回転方向という)に臨むように設けられる。周面部22bcは、第1側面部22ba及び第2側面部22bbの外周端部に接続されるとともに円弧状、つまり、周状をなしている。周面部22bcは円弧状をなすため、第1回転体22(A)が回転するとき、第1内側収容部36(A)の見込方向に対向する内壁面36aとの間のクリアランスを一定にし易くなり、異物の侵入を抑え易くなる。
【0027】
外力受け部22cは、第1回転体22(A)の軸受部22aから第1折戸18(A)の見込方向の室外側に延びる板状をなしている。外力受け部22cは、後述する外力付与機構70により付与される外力を受けるためのものである。
【0028】
図7は、
図6と同じ視点から見た第1回転体22(A)の動作状態を示す図である。
図8は、
図3と同じ視点から見た第1回転体22(A)の動作状態を示す図である。
第1回転体22(A)は、後述する外力付与機構70から付与される外力を外力受け部22cにより受けることで、第1下側レール枠28(A)の軸部46周りに正回転方向に回転する。これにより、第1回転体22(A)は、第1下側レール枠28(A)の第1内側収容部36(A)内に中空部22bが収容される初期位置から、第1内側収容部36(A)から抜け出して第1折戸18(A)の下端縁部18f(第1端縁部)に第1シール部22dが突き当てられるシール位置に移動する。第1回転体22(A)がシール位置にあるとき、第1回転体22(A)の第1シール部22dは、第1折戸18(A)の幅方向に沿って突き当てられ、第1折戸18(A)と第1回転体22(A)の間をシールする。外力付与機構70からの外力の付与を解除すると、第1回転体22(A)は中空部22bの重さにより逆回転方向に回転し、シール位置から初期位置に移動する。
【0029】
図6に示すように、第1回転体22(A)は、初期位置にあるときに上側に臨む上面部分22eが、第1下側レール枠28(A)の上面部分28aと同等の高さ位置にあり、かつ、第1折戸18(A)の見込方向にフラット状に延びるように設けられる。本実施形態の第1回転体22(A)の上面部分22eは、第1回転体22(A)の軸受部22a、外力受け部22c及び第1側面部22baにより構成される。本明細書でのフラット状とは第1折戸の見込方向に向かって1cm超の段差がなく第1折戸18(A)の見込方向に延びていることを意味する。
【0030】
(第2回転体22(B))
図3に示すように、第2回転体22(B)は、枠体20のコーナー部34側にある第1回転体22(A)の端部に対して、その長手方向の端面を突き合わせた位置に配置される。
【0031】
図9は、
図3のB−B線断面図である。
第2回転体22(B)が第2下側レール枠28(B)との関係でもつ構成要素の多くは、第1回転体22(A)が第1下側レール枠28(A)との関係でもつ構成要素と共通する。第1回転体22(A)と共通する第2回転体22(B)の構成要素には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0032】
第2レール部32(B)を形成する枠の一つとなる第2下側レール枠28(B)には、第1下側レール枠28(A)と同様に軸部46が形成される。第2回転体22(B)は、第1回転体22(A)と同様、軸受部22aを介して第2下側レール枠28(B)に回転可能に取り付けられる。
【0033】
第2回転体22(B)は、第1回転体22(A)と同様、軸受部22aの他に、中空部22bと、外力受け部22cとを有する。中空部22bは、第2下側レール枠28(B)の第2内側収容部36(B)に収容され、外力受け部22cは、第2下側レール枠28(B)の第2外側収容部38(B)に収容される。
【0034】
第2回転体22(B)の中空部22bは、第1回転体22(A)と同様、第1側面部22baと、第2側面部22bbと、周面部22bcとを備える。第1側面部22baの正回転方向に臨む部位には第2シール部22fが設けられる。第2シール部22fは、第1側面部22baに装着される弾性をもつ第2横シール部材により構成される。
【0035】
第2回転体22(B)は、後述する外力付与機構70から付与される外力を外力受け部22cにより受けることで、第2下側レール枠28(B)の軸部46周りに正回転方向に回転する。これにより、第2回転体22(B)は、第2下側レール枠28(B)の第2内側収容部36(B)内に中空部22bが収容される初期位置から、第2内側収容部36(B)から抜け出して第2折戸18(B)の下端縁部18g(第2端縁部。
図6参照)に第2シール部22fが突き当てられるシール位置に移動する。第2回転体22(B)がシール位置にあるとき、第2回転体22(B)の第2シール部22fは、第2折戸18(B)の幅方向に沿って突き当てられ、第2折戸18(B)と第2回転体22(B)の間をシールする。外力付与機構70からの外力の付与を解錠すると、第2回転体22(B)は中空部22bの重さにより逆回転方向に回転し、シール位置から初期位置に移動する。
【0036】
(第1カバー体24)
図10(a)は、第1回転体22(A)がシール位置にあるときの第1カバー体24を
図8の矢視Vp2から見た図であり、
図10(b)は、第1カバー体24の斜視図である。
図7、
図8、
図10に示すように、第1カバー体24は、枠体20のコーナー部34側にある第1回転体22(A)の第1中空部22bの端部に圧入される第1圧入部24aを有する。第1カバー体24は、第1回転体22(A)の第1中空部22b内に対する第1圧入部24aの圧入により、枠体20のコーナー部34側にある第1回転体22(A)の端部に着脱可能に設けられる。これにより、第1カバー体24は、第1回転体22(A)と一体に第1回転体22(A)の回転軸線Rc周りに回転する。
【0037】
第1カバー体24は、第1回転体22(A)の中空部22bより枠体20のコーナー部34側に配置される第1カバー部24bを有する。第1カバー部24bは板状をなす。第1カバー部24bは、第1回転体22(A)の回転軸線方向の一方側(
図7の視点)から見たとき、第1回転体22(A)の中空部22bの周面部22bcより外周側の範囲に広がるように形成される。これは、この視点から見たとき、第1回転体22(A)よりも、第1回転体22(A)の回転軸線Rcに対して外周側の範囲に広がるように形成されることを意味する。
【0038】
図6に示すように、第2折戸18(B)と枠体20との間には隙間48が形成される。この隙間48は、枠体20のコーナー縦枠40と第2下側レール枠28(B)との間に形成される隅部において、コーナー縦枠40や第2下側レール枠28(B)と第2折戸18(B)との間に形成される。詳しくは、この隙間48は、コーナー縦枠40の縦シール部材44や、コーナー縦枠40と隣り合う第2折戸18(B)の縦シール部材44と、枠体20の第2下側レール枠28(B)との間に形成される。
【0039】
図7、
図8に示すように、第1カバー部24bは、第1回転体22(A)がシール位置にあるとき、第2折戸18(B)と枠体20との間に形成される隙間48を第2折戸18(B)の見込方向の室内側(一方側。
図8の右側)から覆うように設けられる。この隙間48を第1カバー体24により覆うことで、枠体20のコーナー部34寄りの箇所からの室内空間に対する隙間風、雨水、光等の遮蔽対象の入り込みを抑えられる。
【0040】
図11は、
図3のC−C線断面図である。
第1折戸18(A)と枠体20との間には隙間50が形成される。この隙間50は、コーナー縦枠40や第1下側レール枠28(A)と第1折戸18(A)との間に形成される。
【0041】
図12は、
図11と同じ視点から見た第1回転体22(A)及び第2回転体22(B)の動作状態を示す図である。
図8、
図11、
図12に示すように、第1回転体22(A)は、第1回転体22(A)がシール位置にあるとき、第1折戸18(A)と枠体20との間に形成される隙間50を第1折戸18(A)の見込方向の室内側(
図8の上側)から覆うように設けられる。このとき、第1回転体22(A)は、第1折戸18(A)の下端縁部18fとコーナー縦枠40とを跨ぐ範囲を第1折戸18(A)の見込方向から覆うように設けられる。これにより、枠体20のコーナー部34寄りの箇所で、第2折戸18(B)と枠体20との間の隙間48を第1カバー体24により覆いつつ、第1折戸18(A)と枠体20との間の隙間50も第1回転体22(A)により覆うことができる。よって、枠体20のコーナー部34寄りの箇所からの室内空間に対する遮蔽対象の入り込みを効果的に抑えられる。
【0042】
(第2カバー体26)
図13(a)は、第2カバー体26の斜視図であり、
図13(b)は、第2カバー体26の他の斜視図である。
図8、
図9、
図13に示すように、第2カバー体26は、枠体20のコーナー部34側にある第2回転体22(B)の中空部22bの端部に圧入される第2圧入部26aを有する。第2カバー体26は、第2回転体22(B)の中空部22b内に対する第2圧入部26aの圧入により、枠体20のコーナー部34側にある第2回転体22(B)の端部に着脱可能に設けられる。これにより、第2カバー体26は、第2回転体22(B)と一体に第2回転体22(B)の回転軸線Rc周りに回転する。
【0043】
図8、
図12、
図13に示すように、第2カバー体26は、第2回転体22(B)の中空部22bより枠体20のコーナー部34側に配置される第2カバー部26bを有する。第2カバー部26bは、第2回転体22(B)の回転軸線Rc周りに設けられる周状の周壁部26cを有する。第2カバー部26bの周壁部26cは、第2回転体22(B)がシール位置にあるとき、第2折戸18(B)と枠体20との間の隙間48を第2折戸18(B)の見込方向の室内側から覆うように設けられる。
【0044】
図7、
図8に示すように、第2カバー部26bの周壁部26cは、第1回転体22(A)がシール位置にあり、第2回転体22(B)がシール位置にあるとき、第1カバー体24の第1カバー部24bに対して、第2折戸18(B)の見込方向に重なる位置に一部があるように設けられる。これにより、第2折戸18(B)の見込方向の室内側(
図7の視点)から見て、第1カバー部24bと第2カバー部26bとの間に室内側に露出する隙間が生じ難くなる。よって、枠体20のコーナー部34寄りの箇所からの室内空間に対する遮蔽対象の入り込みを効果的に抑えられる。
【0045】
図8に示すように、第1回転体22(A)がシール位置にあり、第2回転体22(B)がシール位置にあるときを考える。このとき、第1カバー部24bと第2カバー部26bとは、第2折戸18(B)の下端縁部18gとコーナー縦枠40とを第2折戸18(B)の幅方向に跨ぐ範囲を第2折戸18(B)の見込方向から覆うように設けられる。
【0046】
図8、
図13に示すように、第2カバー部26bの周壁部26cには、枠体20のコーナー部34側の端部であって、第2回転体22(B)の正回転方向側の端部に切欠26dが形成される。切欠26dは、第1回転体22(A)がシール位置にあり、第2回転体22(B)がシール位置にあるとき、第1カバー体24の第1カバー部24bを避けるような形状である。切欠26dは、第1カバー部24bの外周面に対して、第2回転体22(B)の回転軸線方向(
図8の上下方向)に対向する切欠面26eを有する。第2カバー部26bの周壁部26cは、第1カバー部24bに対して、第2回転体22(B)の回転軸線方向に重なる位置に一部があるように設けられることになる。これにより、第2カバー部26bと第2折戸18(B)との間の第2折戸18(B)の見込方向での隙間52(
図12も参照)を狭められる。よって、枠体20のコーナー部34寄りの箇所からの室内空間に対する遮蔽対象の入り込みを効果的に抑えられる。
【0047】
第2カバー体26の第2カバー部26bは、第1カバー体24の回転軌跡を避けるように形成される。ここでの回転軌跡とは、第1回転体22(A)が初期位置からシール位置に移動するまでの間に、第1回転体22(A)と一体に第1カバー体24が回転したときの軌跡をいう。これを実現するため、第2カバー部26bは、第2カバー部26bの周壁部26cの内周側に他の部位がない形状になっている。これにより、第1カバー体24が第1回転体22(A)と一体に回転するとき、第2カバー体26と第1カバー体24との接触を防止できる。
【0048】
以上の折戸装置10によれば、枠体20のコーナー部34寄りの箇所からの室内空間に対する遮蔽対象の入り込みを効果的に抑えられ、その箇所で生じる隙間48、50への対策を効果的に図れる。
【0049】
次に、本実施形態の折戸装置10の他の特徴を説明する。
図14は、折戸18を見込方向の室内側から見た図である。
折戸18は折り畳み動作をロック可能な第1ロック機構60を有する。第1ロック機構60は、第1ロック機構60によるロックの有無の切り替えに用いられる第1操作部60aと、折戸18の框18c内に挿通される棒状の第1ロック部60bとを備える。第1操作部60aは、折戸18の框18cの外面に露出しており、框18cに対して上下動可能に設けられる。第1ロック部60bは、第1操作部60aとの間で荷重を伝達可能に設けられている。第1ロック部60bは、第1操作部60aと連動して方向Paに上下動することで、枠体20の下側レール部32に抜き差しされる(
図6参照)。
図6では第1ロック部60bが下側レール部32に差し込まれた状態を示す。
【0050】
第1ロック機構60は、第1ロック部60bが下側レール部32が差し込まれた位置(
図6の位置)にあるとき、折戸18の折り畳み動作をロックするロック状態になる。一方、第1ロック部60bが下側レール部32から抜き出された位置(
図14の位置)にあるとき、折戸18の折り畳み動作を許容するロック解除状態になる。
【0051】
図5に示すように、コーナー縦枠40は、中空かつ長尺状の枠部材40aと、枠体20のコーナー部34に対する位置をロック可能な第2ロック機構62とを有する。枠部材40aには、回転体22(A)、22(B)との干渉を避けるための切欠40bが形成される(
図3、
図6も参照)。
【0052】
図15(a)は、第2ロック機構62の可動部66(後述する)を下側から見た斜視図であり、
図15(b)は、
図5のD−D線断面図である。
図15(b)では、可動部66の外形を二点鎖線で示す。
図5、
図15に示すように、第2ロック機構62は、第2ロック機構62によるロックの有無の切り替えに用いられる第2操作部64と、枠部材40a内に挿通されるとともにスライド自在に嵌め込まれる可動部66と、可動部66から突き出る棒状の第2ロック部68とを有する。第2操作部64は、枠部材40aの室内空間に臨む箇所に露出しており、枠部材40aに対して上下動可能に設けられる。可動部66及び第2ロック部68は、第2操作部64との間で荷重を伝達可能に設けられている。
【0053】
図4に示すように、一組の第1レール部32(A)が形成される枠のうち、枠体20のコーナー縦枠40とは他の枠となる下側コーナー枠30にはロック穴30aが形成される。
【0054】
図16は、第2ロック部68や外力付与部72(A)、72(B)(後述する)とロック穴30aや第1外側収容部38(A)とを模式的に示す図である。
図5、
図16に示すように、第2ロック部68は、第2操作部64と連動して方向Pbに上下動することで、下側コーナー枠30のロック穴30aに抜き差しされる。第2ロック機構62は、
図16(b)に示すように、第2ロック部68がロック穴30aに差し込まれた位置にあるとき、枠体20のコーナー部34に対するコーナー縦枠40の位置をロックするロック状態になる。一方、
図16(a)に示すように、第2ロック部68がロック穴30aから抜き出された位置にあるとき、枠体20のコーナー部34に対するコーナー縦枠40のスライドを許容するロック解除状態になる。
【0055】
図5に示すように、折戸装置10は、折戸18の第1ロック機構60とは連動せずに独立して動作することで、第1回転体22(A)や第2回転体22(B)に回転させるための外力を付与可能な外力付与機構70を備える。外力付与機構70は、第2ロック機構62と連動して動作し、第2ロック機構62の構成要素となる第2操作部64及び可動部66を第2ロック機構62との間で共用している。つまり、外力付与機構70も前述の第2操作部64と可動部66とを有する。第2操作部64は、外力付与機構70による外力の付与の有無の切り替えにも用いられる。
【0056】
図5、
図15に示すように、外力付与機構70は、可動部66から突き出る外力付与部72(A)、72(B)を有する。外力付与部72(A),72(B)には、一つの突条が構成する第1外力付与部72(A)と、他の突条が構成する第2外力付与部72(B)とが含まれている。第1外力付与部72(A)と第2外力付与部72(B)とは二つの突条を連ねた形状をなす。
【0057】
図17は、外力付与機構70の動作を示す斜視図である。
図16、
図17に示すように、第1外力付与部72(A)は、第2操作部64と同方向に上下動することで、第1外側収容部38(A)に対する抜き差しを伴い第1回転体22(A)の外力受け部22cに対して接離する(
図7も参照)。ここでの「接離」とは接触及び離間を意味する。第1外力付与部72(A)は、第1回転体22(A)の外力受け部22cに接触することで、第1回転体22(A)に回転させるための外力を付与する。第1回転体22(A)の外力受け部22cに第1外力付与部72(A)が接触してからの第1外力付与部72(A)の移動量が大きくなるほど、第1回転体22(A)の回転量が大きくなる。この結果、第1回転体22(A)は、
図17(a)に示すような初期位置から、
図17(b)に示すようなシール位置に移動する。
【0058】
第2外力付与部72(B)は、第2操作部64と同方向に上下動することで、第2外側収容部38(B)に対する抜き差しを伴い第2回転体22(B)の外力受け部22cに対して接離する(
図12も参照)。なお、第2回転体22(B)の外力受け部22cは、第2回転体22(B)の中空部22bよりも枠体20のコーナー部34側に向けて延びるように設けられる。第2外力付与部72(B)は、第2回転体22(B)の外力受け部22cに接触することで、第2回転体22(B)に回転させるための外力を付与する。第2回転体22(B)の外力受け部22cに第2外力付与部72(B)が接触してからの第2外力付与部72(B)の移動力が大きくなるほど、第2回転体22(B)の回転量が大きくなる。この結果、第2回転体22(B)は、
図17(a)に示すような初期位置から、
図17(b)に示すようなシール位置に移動する。
【0059】
このように、外力付与機構70は、第2ロック機構62によるロック動作と連動して、第1回転体22(A)や第2回転体22(B)に外力を付与する。また、外力付与機構70は、第1回転体22(A)と第2回転体22(B)との両方に回転させるための外力を同時に付与する。
【0060】
以上の折戸装置10の作用効果を説明する。
折戸装置10は、折戸18の第1ロック機構60とは独立して動作することで、第1回転体22(A)に回転させるための外力を付与可能な外力付与機構70を備えている。よって、折戸18の第1ロック機構60により折戸18の折り畳み動作をロックした場合でも、第1回転体22(A)や第2回転体22(B)を移動させずに初期位置にある状態のままにできる。この状態にあるとき、折戸18の折り畳み動作をロックしつつも、枠体20と折戸18との間から隙間風等の遮蔽対象を積極的に室内空間に取り入れることができる。また、折戸18の折り畳み動作をロックしつつ、外力付与機構70を動作させることで第1回転体22(A)や第2回転体22(B)をシール位置まで移動させることができる。このとき、枠体20と折戸18との間から遮蔽対象が室内空間に入り込むのを抑えられる。よって、折戸18が第1ロック機構60によりロック状態にあるときでも、使用者の気分や好みに応じて遮蔽対象の通し方を調整でき、その通し方に自由度を持たせることができる。
【0061】
また、折戸18の第1ロック機構60と連動して外力付与機構70が動作してしまうと、何れかの折戸18の第1ロック機構60により折戸18をロックすることで、回転体もシール位置に移動してしまう。このとき、ロック状態にある一の折戸18に隣り合う他の折戸18をスライドさせようとしたとき、シール位置にある回転体と干渉してしまう恐れがある。この点、本実施形態によれば、一の折戸18をロックしたときでも各回転体22がシール位置に移動しないため、回転体22と他の折戸18との干渉を抑えられ、他の折戸18の位置調整作業をし易くなる。
【0062】
また、外力付与機構70は、第1回転体22(A)と第2回転体22(B)との両方に回転させるための外力を同時に付与可能である。よって、第1回転体22(A)と第2回転体22(B)のそれぞれに専用の外力付与機構を用いるよりも機構数を減らすことができ、製品コストの削減を図れる。
【0063】
また、外力付与機構70は、コーナー縦枠40の第2ロック機構62によるロック動作と連動して第1回転体22(A)や第2回転体22(B)に外力を付与する。よって、第2ロック機構62によるロック動作のための一つの操作により第1回転体22(A)や第2回転体22(B)も回転させることができ、第1回転体22(A)や第2回転体22(B)を回転させるための操作の手間を抑えられる。
【0064】
なお、本実施形態の折戸装置10は、次の点でも特徴がある。
図16(a)に示すように、第2ロック機構62の第2ロック部68の先端の高さ位置をP1とし、外力付与機構70の各外力付与部72(A)、72(B)の先端の高さ位置をP2とする。ここでの高さ位置とは、枠体20にコーナー部34にコーナー縦枠40が配置された状態を基準とした鉛直方向での位置をいう。このとき、各外力付与部72(A)、72(B)は、第2ロック部68の先端の高さ位置P1よりも、ロック穴30aに対する第2ロック部68の差込方向とは反対側(図中の上側)にずれた位置に、各外力付与部72(A)、72(B)の先端の高さ位置P2があるように設けられる。
【0065】
これにより、外力付与機構70の可動部66を前述の差込方向(下方向)に移動させたとき、
図16(c)に示すように、外力付与部72が各外側収容部38に差し込まれる前に、第2ロック部68をロック穴30aに差し込むことができる。外力付与部72が回転体22の外力受け部22cに接触する前に、第2ロック部68をロック穴30aに差し込むことができるともいえる。このとき、第2ロック機構62はコーナー縦枠40をロックする。また、外力付与機構70は、各回転体22を回転させずに初期位置に保持する第1状態を取ることになる。
【0066】
この第1状態にあるときより、外力付与機構70の可動部66を更に下側に移動させると、
図16(b)に示すように、枠体20の外側収容部38内に外力付与部72(A)、(B)が差し込まれ、各回転体22の外力受け部22cに各外力付与部72(A)、72(B)が接触する。これにより、各回転体22を各折戸18の下端縁部18f、18gに突き当たるシール位置に移動するまで、各回転体22が回転させられる。このとき、外力付与機構70は、第1回転体22(A)や第2回転体22(B)をシール位置に保持する第2状態を取ることになる。
【0067】
以上のように、外力付与機構70は、第2ロック機構62によりコーナー縦枠40をロックしたとき、各回転体22を初期位置に保持する第1状態と、各回転体22をシール位置に保持する第2状態とを取り得る。第1状態にあるとき、枠体20の他の枠に対する位置がロックされたコーナー縦枠40に各折戸18を突き当てることで、各折戸18の位置合わせ作業をし易くなる。各回転体22をシール位置に保持する第2状態には、各折戸18の位置合わせ作業をしてから切り替える。仮に、各回転体22がシール位置にある状態で各折戸18の位置合わせ作業をするとなると、各回転体22が各折戸18と干渉してしまい、位置合わせ作業をしにくくなる。この点、本実施形態によれば、各折戸18の位置合わせ作業中には各回転体22との干渉を防止できるため、各折戸18の位置合わせ作業を更にし易くなる。
【0068】
図2に示すように、第1回転体22(A)は、複数の第1折戸18(A)を幅方向に跨がる範囲に連続して設けられる。本実施形態の第1回転体22(A)は、枠体20のコーナー部34側の第1折戸18(A)を含む2つの第1折戸18(A)を幅方向に跨がる範囲に設けられる。第1回転体22(A)の第1シール部22dも、複数の第1折戸18(A)を幅方向に跨がる範囲に連続して設けられる。第1回転体22(A)は、複数の第1折戸18(A)それぞれの下端縁部18fに第1シール部22dを突き当て可能である。これにより、複数の第1折戸18(A)のそれぞれにつき一つの回転体の第1シール部22dを突き当てる場合と比べて、別々の回転体の間の僅かな隙間が生じなくなり、室内空間に対する隙間風等の遮蔽対象の入り込みを効果的に抑えられる。
【0069】
なお、図示はしないが、第2回転体22(B)も、複数の第2折戸18(B)を幅方向に跨がる範囲に連続して設けられている。第2回転体22(B)の第2シール部22fも、複数の第2折戸18(B)を幅方向に跨がる範囲に連続して設けられる。
【0070】
以上、実施の形態に基づき本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用を示すにすぎない。また、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が可能である。
【0071】
枠体20は、一つの第1レール部32(A)と二つの第2レール部32(B)とを備え、これらが矩形の三辺に対応する位置に配置される例を説明した。第1レール部32(A)と第2レール部32(B)の数や配置態様はこれに限られない。たとえば、一つの第1レール部32(A)と一つの第2レール部32(B)を備え、これらが矩形の二辺に対応する位置に配置されてもよい。
【0072】
第1レール部32(A)と第2レール部32(B)とは別々の枠に形成される例を説明したが、単一の枠に形成されてもよい。
【0073】
コーナー縦枠40は、第1レール部32(A)及び第2レール部32(B)がもつ連続するスライド経路に沿ってスライド可能な例を説明したが、上下のレール枠28等の他の枠に対して固定されていてもよい。
【0074】
第1回転体22(A)や第2回転体22(B)や、第1折戸18(A)や第2折戸18(B)の上下方向の下側にある下端縁部18f、18gに各シール部22d、22fを突き当て可能な例を説明した。この他にも、第1折戸18(A)や第2折戸18(B)の上下方向の上側にある上端縁部に各シール部22f、22gを突き当て可能でもよい。つまり、第1回転体22(A)の第1シール部22dは、第1折戸18(A)の上下方向の一方側にある第1端縁部に突き当て可能とし、第2回転体22(B)の第2シール部22fは、第1折戸18(A)の第1端縁部と上下方向の同じ側にある第2折戸18(B)の第2端縁部に突き当て可能としてもよい。
【0075】
第1カバー体24は、第1回転体22(A)と別部材により構成され、第1回転体22(A)の端部に取り付けられる例を説明した。この他にも、第1カバー体24は第1回転体22(A)と同部材により構成されてもよい。いずれにしても、第1カバー体24は、第1回転体22(A)の端部に設けられていればよい。
【0076】
第2カバー体26は、第2回転体22(B)と別部材により構成され、第2回転体22(B)の端部に取り付けられる例を説明した。この他にも、第2カバー体26は第2回転体22(B)と同部材により構成されてもよい。いずれにしても、第2カバー体26は、第2回転体22(B)の端部に設けられていればよい。
【0077】
外力付与機構70は、第1ロック機構60とは独立して動作する例を説明したが、これに限られない。たとえば、外力付与機構70は、第1ロック機構60と連動して動作してもよい。この場合、外力付与機構70はコーナー縦枠40ではなく第1折戸18(A)や第2折戸18(B)に備え付けられてもよい。
【0078】
外力付与機構70は、第1回転体22(A)と第2回転体22(B)との両方に回転させるための外力を同時に付与可能な例を説明したが、これに限られない。たとえば、第1回転体22(A)と第2回転体22(B)とのうちの一方のみに外力を付与してもよいし、両方に選択的に外力を付与してもよい。
【0079】
外力付与機構70は第2ロック機構62のロック動作と連動して動作する例を説明したが、これに限られない。たとえば、外力付与機構70と第2ロック機構62とが独立して動作してもよい。
【0080】
外力付与機構70の外力付与部72(A)、72(B)は、第2操作部64に対する手動操作により移動する例を説明した。この他にも、スイッチに対する操作によりモータ等の駆動源を動作させ、駆動源から動力を伝達することで移動させてもよい。
【0081】
以上の実施形態、変形例により具体化される発明を一般化すると、以下の技術的思想が導かれる。以下、発明が解決しようとする課題に記載の態様を用いて説明する。
【0082】
第2の態様の折戸装置は、第1の態様において、外力を受けて回転することで、前記第1端縁部と上下方向の同じ側にある前記第2折戸の第2端縁部に第2シール部を突き当て可能な第2回転体と、前記コーナー部側にある前記第2回転体の端部に設けられる第2カバー体と、を備え、前記第2カバー体は、前記第2回転体の前記第2シール部が前記第2端縁部に突き当てられるシール位置にあるとき、前記隙間を前記第2折戸の見込方向から覆うように設けられてもよい。
この態様によれば、第2折戸と枠体との間の隙間を第2カバー体により覆うことで、枠体のコーナー部寄りの箇所からの室内空間に対する遮蔽対象の入り込みを抑えられる。
【0083】
第3の態様の折戸装置は、第2の態様において、前記第2カバー体は、前記第1回転体がシール位置にあり、かつ、前記第2回転体がシール位置にあるとき、前記第1カバー体に対して前記第2折戸の見込方向に重なる位置に一部があるように設けられてもよい。
この態様によれば、第1回転体と第2回転体がシール位置にあるとき、第2折戸の見込方向から見て、第1カバー体と第2カバー体との間に露出する隙間が生じ難くなる。
【0084】
第4の態様の折戸装置は、第3の態様において、前記第2カバー体は、前記第1回転体がシール位置にあり、かつ、前記第2回転体がシール位置にあるとき、前記第1カバー体に対して前記第2回転体の回転軸線方向に重なる位置に一部があるように設けられてもよい。
この態様によれば、第1回転体と第2回転体がシール位置にあるとき、第2カバー体と第2折戸との間にある隙間を狭められる。
【0085】
第5の態様の折戸装置は、第2から第4の態様のいずれかにおいて、前記第2カバー体は、前記第1カバー体の回転軌跡を避けるように形成されてもよい。
この態様によれば、第1カバー体が第1回転体と一体に回転するとき、第2カバー体と第1カバー体との接触を防止できる。
【0086】
第6の態様の折戸装置は、第2から第5の態様のいずれかにおいて、前記枠体は、前記コーナー部に配置されるコーナー縦枠を有し、前記第1カバー体と前記第2カバー体は、前記第1回転体がシール位置にあり、かつ、前記第2回転体がシール位置にあるとき、前記第2端縁部と前記コーナー縦枠とを跨ぐ範囲を前記第2折戸の見込方向から覆うように設けられてもよい。
【0087】
第7の態様の折戸装置は、第1から第6の態様のいずれかにおいて、前記枠体は、前記コーナー部に配置されるコーナー縦枠を有し、前記第1回転体は、前記シール位置にあるとき、前記第1端縁部と前記コーナー縦枠とを跨ぐ範囲を前記第1折戸の見込方向から覆うように設けられてもよい。
この態様によれば、枠体のコーナー部寄りの箇所で、第2折戸と枠体との間の隙間を第1カバー体により覆いつつ、第1折戸と枠体との間の隙間も第1回転体により覆うことができる。
【0088】
また、以上の実施形態、変形例により具体化される発明を一般化すると、以下の項目に記載の発明が含まれているともいえる。
第1項目の折戸装置は、第1レール部を有する枠体と、前記第1レール部に対して折り畳み動作を伴いスライド可能に設けられる第1折戸であって、前記折り畳み動作をロック可能な第1ロック機構を有する第1折戸と、外力を受けて回転することで、前記第1折戸の上下方向の一方側にある第1端縁部に第1シール部を突き当て可能な第1回転体と、前記第1ロック機構とは独立して動作することで、前記第1回転体に回転させるための外力を付与可能な外力付与機構と、を備える。
【0089】
この第1項目に記載の発明に関する課題は下記の通りである。
【0090】
前述の特許文献1の折戸装置は、折戸の折り畳み動作をロックするためのロック機構を備えている。この折戸装置では、ロック機構のロック動作と連動して回転シール体が回転することで、折戸と回転シール体との間がシールされる。
【0091】
使用者によっては、折戸をロックした場合でも、室外空間から室内空間に隙間風等の遮蔽対象をある程度は取り込みたいという要求がある。従来の折戸装置では、折戸がロック状態にあるとき、折戸と回転シール体との間が常時シールされてしまう。このため、折戸がロック状態にあるときの遮蔽対象の通し方に自由度がなく、前述の要求に沿わないという問題がある。
【0092】
第1項目に記載の発明は、折戸がロック状態にあるときでも、遮蔽対象の通し方に自由度を持たせることができる折戸装置を提供することにある。
【0093】
本明細書には、以下の項目に記載の発明も含まれている。
【0094】
第2項目の折戸装置は、第1項目において、前記枠体は、前記第1レール部との間にコーナー部が形成される第2レール部を有し、本折戸装置は、前記第2レール部に対して折り畳み動作を伴いスライド可能に設けられる第2折戸と、外力を受けて回転することで、前記第1端縁部と上下方向の同じ側にある前記第2折戸の端縁部に第2シール部を突き当て可能な第2回転体と、を備え、前記外力付与機構は、前記第1回転体と前記第2回転体との両方に回転させるための外力を同時に付与してもよい。
この項目によれば、第1回転体と第2回転体のそれぞれに専用の外力付与機構を用いるよりも機構数を減らすことができ、製品コストの削減を図れる。
【0095】
第3項目の折戸装置は、第1項目又は第2項目において、前記枠体は、前記第1レール部との間で連続するスライド経路をもち、前記第1レール部との間にコーナー部が形成される第2レール部と、前記コーナー部に配置され、前記スライド経路に沿ってスライド可能に設けられるコーナー縦枠と、を有し、前記コーナー縦枠は、前記コーナー部に対する位置をロック可能な第2ロック機構を有し、前記外力付与機構は、前記第2ロック機構によるロック動作と連動して前記外力を付与してもよい。
この項目によれば、第2ロック機構によるロック動作のための一つの操作により第1回転体も回転させることができ、第1回転体を回転させるための操作の手間を抑えられる。
【0096】
第4項目の折戸装置は、第3項目において、前記外力付与機構は、前記第2ロック機構により前記コーナー縦枠をロックしたとき、前記第1回転体を回転させずに初期位置に保持する第1状態と、前記第1回転体を回転させることで前記第1端縁部に突き当てられるシール位置に保持する第2状態とを取り得てもよい。
この項目によれば、第1状態にあるとき、枠体の他の枠に対する位置がロックされたコーナー縦枠に折戸を突き当てることで、折戸の位置合わせ作業をし易くなる。また、折戸の位置合せ作業中には回転体との干渉を防止できるため、折戸の位置合せ作業を更にし易くなる。
【0097】
第5項目の折戸装置は、第1項目から第4項目のいずれかにおいて、前記第1レール部には、複数の前記第1折戸がスライド可能に設けられ、前記第1回転体は、前記複数の第1折戸を幅方向に跨がる範囲に連続して設けられてもよい。
この項目によれば、複数の第1折戸のそれぞれにつき一つの回転体の第1シール部を突き当てる場合と比べて、別々の回転体の間の僅かな隙間が生じなくなり、室内空間に対する遮蔽対象の入り込みを効果的に抑えられる。