特許第6571554号(P6571554)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6571554
(24)【登録日】2019年8月16日
(45)【発行日】2019年9月4日
(54)【発明の名称】カードリーダ
(51)【国際特許分類】
   G06K 13/06 20060101AFI20190826BHJP
   G06K 7/00 20060101ALI20190826BHJP
   H01R 12/71 20110101ALI20190826BHJP
   H01R 13/639 20060101ALI20190826BHJP
【FI】
   G06K13/06 A
   G06K7/00 056
   H01R12/71
   H01R13/639 Z
【請求項の数】11
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2016-26772(P2016-26772)
(22)【出願日】2016年2月16日
(65)【公開番号】特開2017-146697(P2017-146697A)
(43)【公開日】2017年8月24日
【審査請求日】2019年1月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】日本電産サンキョー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142619
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100125690
【弁理士】
【氏名又は名称】小平 晋
(74)【代理人】
【識別番号】100153316
【弁理士】
【氏名又は名称】河口 伸子
(72)【発明者】
【氏名】相吉 寛之
(72)【発明者】
【氏名】田多井 俊男
【審査官】 梅沢 俊
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭61−023280(JP,A)
【文献】 特開2011−095924(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 13/06
G06K 7/00
H01R 12/71
H01R 13/639
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カードが移動するカード移動路が設けられた固定体と、
前記カード移動路を閉鎖する閉位置および前記カード移動路を開放する開位置に向けて回転可能に前記固定体に支持され、前記閉位置で前記カードの引抜きを防止する引抜き防止部材と、
前記引抜き防止部材を前記閉位置に向けて付勢する第1付勢部材と、
前記引抜き防止部材が前記開位置に向けて回転することを阻止するロック部材と、
前記ロック部材を駆動するロック部材駆動機構と、
を備え、
前記ロック部材は、前記ロック部材駆動機構に駆動されて前記ロック部材と前記固定体との間に構成された揺動支点を中心に揺動し、前記引抜き防止部材の前記開位置に向けての回転を許容するアンロック姿勢、および前記引抜き防止部材と干渉して前記引抜き防止部材の前記開位置に向けての回転を阻止するロック姿勢のいずれか一方の姿勢から他方の姿勢に切り換わり、
前記ロック部材が前記ロック姿勢のとき、前記引抜き防止部材が前記ロック部材を押圧する方向に前記揺動支点が位置し、
前記ロック部材は、前記ロック姿勢のときに前記ロック部材の延在方向の一方側端部で前記引抜き防止部材に当接する当接部を備えた可動アームであり、
前記引き抜き防止部材は、前記当接部と当接する面である被当接部を備え、
前記引き抜き防止部材の前記被当接部のうち、前記ロック部材の前記当接部が接している位置から、前記被当接部に直交する仮想線を描いたとき、前記仮想線上に前記揺動支点が位置することを特徴とするカードリーダ。
【請求項2】
前記可動アームは、前記当接部と前記揺動支点との間に前記ロック部材駆動機構と一体に移動する連結軸が連結されていることを特徴とする請求項に記載のカードリーダ。
【請求項3】
前記ロック部材は、前記ロック姿勢のときに前記引抜き防止部材に当接する当接部を備えた第1部材と、前記第1部材に対して支軸を介して接続され、前記支軸を中心に前記第1部材に対して相対回転可能な第2部材と、を備え、
前記第2部材が前記固定体と前記揺動支点を構成していることを特徴とする請求項に記載のカードリーダ。
【請求項4】
前記第2部材の前記第1部材とは反対側の端部が前記固定体と前記揺動支点を構成していることを特徴とする請求項に記載のカードリーダ。
【請求項5】
前記第2部材には、前記ロック部材駆動機構と一体に移動する連結軸が連結されていることを特徴とする請求項3または4に記載のカードリーダ。
【請求項6】
前記ロック部材駆動機構は、前記ロック部材を前記アンロック姿勢および前記ロック姿勢の一方の姿勢から他方の姿勢に駆動するソレノイドと、前記ロック部材を前記他方の姿勢から前記一方の姿勢に付勢する第2付勢部材とを備えていることを特徴とする請求項1からの何れか一項に記載のカードリーダ。
【請求項7】
前記ロック部材駆動機構は、前記ロック部材を前記アンロック姿勢および前記ロック姿勢の一方の姿勢から他方の姿勢に駆動するとともに、前記他方の姿勢から前記一方の姿勢に駆動するソレノイドを備えていることを特徴とする請求項1からの何れか一項に記載のカードリーダ。
【請求項8】
前記当接部は、前記ロック部材に設けられたローラのローラ面からなることを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載のカードリーダ。
【請求項9】
前記引抜き防止部材は、前記カードの移動方向と前記カードの厚さ方向とに略直交する前記カードの幅方向に平行な軸線周りに回転可能に構成されていることを特徴とする請求項1からの何れか一項に記載のカードリーダ。
【請求項10】
前記引抜き防止部材は、前記引抜き防止部材の回転中心となる回転中心部と、前記カードの端面に当接して前記カードの引抜きを阻止するカード当接部と、前記ロック姿勢のときに前記ロック部材が当接する被当接部と、を備え、
前記カード当接部、前記回転中心部および前記被当接部は、前記カードの移動方向に沿って順番に配置されていることを特徴とする請求項1からの何れか一項に記載のカードリーダ。
【請求項11】
前記カードの挿入を検出するためのセンサを備え、
前記引抜き防止部材は、前記センサと協働して前記カードの挿入を検出する挿入検出部を備えることを特徴とする請求項1から10の何れか一項に記載のカードリーダ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、挿入されたカードの引抜きを防止するカードの引抜き防止機能を有するカードリーダに関するものである。
【背景技術】
【0002】
内部に挿入されたカードの引抜きを防止するカードの引抜き防止機能を有するカードリーダが広く利用されている。この種のカードリーダとして、カード移動路を閉鎖する閉位置およびカード移動路を開放する開位置に向けて回転可能にレバー状の引抜き防止部材を設けるとともに、ネジリコイルバネによって、引抜き防止部材を閉位置に向けて付勢した構成が提案されている(特許文献1参照)。かかる特許文献1に記載のカードリーダでは、ソレノイドによって規制ピンをガイド溝に沿って直線的に移動させて、閉位置にある引抜き防止部材と規制ピンとを干渉させる。このため、カードを引き抜こうとしても、引抜き防止部材の開位置に向けての回転が規制ピンによって阻止される。また、ソレノイドへの通電を停止すれば、圧縮コイルばねの付勢力によって、規制ピンがガイド溝に沿って引抜き防止部材と干渉する位置から直線的に退避するので、引抜き防止部材を開位置に向けて回転させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−26826号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のカードリーダでは、ソレノイドのプランジャが自由端になっているとともに、引抜き防止部材の回転を阻止する規制ピンを移動させる構成である。このため、外力で引抜き防止部材を開位置に向けて回転させようとしたために引抜き防止部材から規制ピンに大きな負荷が加わった際にピンが傾くおそれがある。その結果、ピンの端部がガイド溝に強く当接して引っ掛かると、ソレノイドへの通電を停止したときでも、圧縮コイルばねの付勢力では、引抜き防止部材と干渉する位置から規制ピンを退避させることができなくなる。それ故、特許文献1に記載の構成では、引抜き防止部材の動作が安定しなくなるという問題点がある。
【0005】
以上の問題点に鑑みて、本発明の課題は、カードの引抜きを防止する引抜き防止部材を確実に動作させることができるカードリーダを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するため、本発明のカードリーダは、カードが移動するカード移動路が設けられた固定体と、前記カード移動路を閉鎖する閉位置および前記カード移動路を開放する開位置に向けて回転可能に前記固定体に支持され、前記閉位置で前記カードの引抜きを防止する引抜き防止部材と、前記引抜き防止部材を前記閉位置に向けて付勢する第1付勢部材と、前記引抜き防止部材が前記開位置に向けて回転することを阻止するロック部材と、前記ロック部材を駆動するロック部材駆動機構と、を備え、前記ロック部材は、前記ロック部材駆動機構に駆動されて前記ロック部材と前記固定体との間に構成された揺動支点を中心に揺動し、前記引抜き防止部材の前記開位置に向けての回転を許容するアンロ
ック姿勢、および前記引抜き防止部材と干渉して前記引抜き防止部材の前記開位置に向けての回転を阻止するロック姿勢のいずれか一方の姿勢から他方の姿勢に切り換わり、前記ロック部材が前記ロック姿勢のとき、前記引抜き防止部材が前記ロック部材を押圧する方向に前記揺動支点が位置し、前記ロック部材は、前記ロック姿勢のときに前記ロック部材の延在方向の一方側端部で前記引抜き防止部材に当接する当接部を備えた可動アームであり、前記引き抜き防止部材は、前記当接部と当接する面である被当接部を備え、前記引き抜き防止部材の前記被当接部のうち、前記ロック部材の前記当接部が接している位置から、前記被当接部に直交する仮想線を描いたとき、前記仮想線上に前記揺動支点が位置することを特徴する。
【0007】
本発明のカードリーダは、カード移動路を閉鎖する閉位置およびカード移動路を開放する開位置に向けて回転可能に引抜き防止部材を設けるとともに、ロック部材は、ロック部材駆動機構に駆動されて、引抜き防止部材の開位置に向けての回転を許容するアンロック姿勢と、引抜き防止部材と干渉して引抜き防止部材の開位置に向けての回転を阻止するロック姿勢とに切り換わる。このため、引抜き防止部材が閉位置でカードと係合しているときにカードを引き抜こうとしても、引抜き防止部材の開位置に向けての回転がロック部材によって阻止されるため、カードの引抜きを防止することができる。また、ロック部材は、ロック部材駆動機構に駆動されて、固定体との間に構成された揺動支点を中心に揺動するため、外力で引抜き防止部材を開位置に向けて回転させようとしたために引抜き防止部材からロック部材に大きな負荷が加わった場合でも、ロック部材が傾いてロック部材の端部が固定部材に引っ掛かる等という事態が発生しにくい。また、ロック部材が揺動する構成であるため、ロック部材をロック姿勢とアンロック姿勢とに切り換えることが容易である。それ故、引抜き防止部材を確実に動作させることができる。
【0008】
本発明では、前記ロック部材が前記ロック姿勢のとき、前記引抜き防止部材が前記ロック部材を押圧する方向に前記揺動支点が位置する。このため、引抜き防止部材からの負荷が大きい場合でも、かかる負荷を揺動支点で受けることができるので、ロック部材駆動機構の側に大きな負荷が加わらない。また、本発明では、前記ロック部材は、前記ロック姿勢のときに前記ロック部材の延在方向の一方側端部で前記引抜き防止部材に当接する当接部を備えた可動アームである態様を採用する。
【0009】
本発明において前記可動アームは、前記当接部と前記揺動支点との間に前記ロック部材駆動機構と一体に移動する連結軸が連結されている態様を採用することができる。
【0010】
本発明において、前記ロック部材は、前記ロック姿勢のときに前記引抜き防止部材に当接する当接部を備えた第1部材と、前記第1部材に対して支軸を介して接続され、前記支軸を中心に前記第1部材に対して相対回転可能な第2部材と、を備え、前記第2部材が前記固定体と前記揺動支点を構成している態様を採用することができる。この場合、前記第2部材の前記第1部材とは反対側の端部が前記固定体と前記揺動支点を構成している態様を採用することができる。また、前記第2部材には、前記ロック部材駆動機構と一体に移動する連結軸が連結されている態様を採用することができる。
【0011】
本発明において、前記ロック部材駆動機構は、前記ロック部材を前記アンロック姿勢および前記ロック姿勢の一方の姿勢から他方の姿勢に駆動するソレノイドと、前記ロック部材を前記他方の姿勢から前記一方の姿勢に付勢する第2付勢部材と、を備えている態様を採用することができる。かかる構成によれば、ソレノイドの動力はロック部材を揺動させるために使用されており、ソレノイドの動力で引抜き防止部材を回転させる必要がない。また、ソレノイドの動力で引抜き防止部材がカード移動路を閉鎖した状態を維持する必要がない。従って、出力の小さなソレノイドを使用してもカードの引抜きを防止することができるので、動作時のソレノイドに多くの電流を流す必要がない。その結果、省電力化を図ることが可能になる。また、ソレノイドでは、プランジャが自由端になっているため、ロック部材が傾きやすいが、ロック部材は、ロック部材駆動機構に駆動されて揺動支点を中心に揺動する構成になっているため、引抜き防止部材からロック部材に大きな負荷が加わった場合でも、ロック部材が傾いてロック部材の端部が固定部材に引っ掛かる等という事態が発生しにくい。それ故、引抜き防止部材を確実に動作させることができる。
【0012】
本発明において、前記ロック部材駆動機構は、前記ロック部材を前記アンロック姿勢および前記ロック姿勢の一方の姿勢から他方の姿勢に駆動するとともに、前記他方の姿勢か
ら前記一方の姿勢に駆動するソレノイドを備えている態様を採用してもよい。かかる構成によれば、ソレノイドの動力はロック部材を揺動させるために使用されており、ソレノイドの動力で引抜き防止部材を回転させる必要がない。また、ソレノイドの動力で引抜き防止部材がカード移動路を閉鎖した状態を維持する必要がない。従って、出力の小さなソレノイドを使用してもカードの引抜きを防止することができるので、動作時のソレノイドに多くの電流を流す必要がない。その結果、省電力化を図ることが可能になる。また、ソレノイドでは、プランジャが自由端になっているため、ロック部材が傾きやすいが、ロック部材は、ロック部材駆動機構に駆動されて揺動支点を中心に揺動する構成になっているため、引抜き防止部材からロック部材に大きな負荷が加わった場合でも、ロック部材が傾いてロック部材の端部が固定部材に引っ掛かる等という事態が発生しにくい。それ故、引抜き防止部材を確実に動作させることができる。
【0013】
本発明において、前記当接部は、前記ロック部材に設けられたローラのローラ面からなることが好ましい。かかる構成によれば、引抜き防止部材とロック部材の当接部とがスムーズに摺動するので、ロック部材のロック姿勢とアンロック姿勢との切り換えが確実である。
【0014】
本発明において、前記引抜き防止部材は、前記カードの移動方向と前記カードの厚さ方向とに略直交する前記カードの幅方向に平行な軸線周りに回転可能に構成されている態様を採用することができる。このように構成すると、第1付勢部材によって引抜き防止部材が閉位置へ付勢されている場合であっても、挿入されるカードによって、引抜き防止部材を開位置へ容易に回転させることが可能になる。
【0015】
本発明において、前記引抜き防止部材は、前記引抜き防止部材の回転中心となる回転中心部と、前記カードの端面に当接して前記カードの引抜きを阻止するカード当接部と、前記ロック姿勢のときに前記ロック部材が当接する被当接部と、を備え、前記カード当接部、前記回転中心部および前記被当接部は、前記カードの移動方向に沿って順番に配置されている態様を採用することができる。かかる構成によれば、引抜き防止部材の回転が阻止されている場合であっても、回転中心部とカード当接部との間を撓ませてカードを引き抜くことができる。
【0016】
本発明において、前記カードの挿入を検出するためのセンサを備え、前記引抜き防止部材は、前記センサと協働して前記カードの挿入を検出する挿入検出部を備える態様を採用することができる。かかる構成によれば、カードの挿入検出機能の一部を引抜き防止部材に持たせることができるため、センサと協働してカードの挿入を検出するための部材を別途、設ける必要がなくなる。従って、カードリーダの構成を簡素化することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明のカードリーダは、カード移動路を閉鎖する閉位置およびカード移動路を開放する開位置に向けて回転可能に引抜き防止部材を設けるとともに、ロック部材は、ロック部材駆動機構に駆動されて、引抜き防止部材の開位置に向けての回転を許容するアンロック姿勢と、引抜き防止部材と干渉して引抜き防止部材の開位置に向けての回転を阻止するロック姿勢とに切り換わる。このため、引抜き防止部材が閉位置でカードと係合しているときにカードを引き抜こうとしても、引抜き防止部材の開位置に向けての回転がロック部材によって阻止されるため、カードの引抜きを防止することができる。また、ロック部材は、ロック部材駆動機構に駆動されて、固定体との間に構成された揺動支点を中心に揺動するため、引抜き防止部材からロック部材に大きな負荷が加わった場合でも、ロック部材が移動する場合と違って、ロック部材が傾いてロック部材の端部が固定部材に引っ掛かる等という事態が発生しにくい。また、ロック部材がロック姿勢のとき、引抜き防止部材がロック部材を押圧する負荷が大きい場合でも、ロック部材が揺動する構成であるため、第2
付勢部材の付勢力によって、引抜き防止部材をアンロック姿勢に切り換えることが容易である。それ故、引抜き防止部材を確実に動作させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の実施の形態1に係るカードリーダの要部を示す斜視図である。
図2図1に示すカードリーダの引抜き防止部材の説明図である。
図3】本発明の実施の形態1に係るカードリーダの引抜き防止部材およびロック部材駆動機構等の斜視図である。
図4図3に示すロック部材等の右側面図である。
図5】本発明の実施の形態2に係るカードリーダの引抜き防止部材およびロック部材駆動機構等の斜視図である。
図6図5に示すロック部材のアンロック姿勢を拡大して示す説明図である。
図7図5に示すロック部材のロック姿勢を示す斜視図である。
図8図5に示すロック部材の動作を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。以下の説明では、図1図2等に示すX方向にカード2が移動する。Z方向は、カード2の厚さ方向であり、Y方向は、カード2の移動方向であるX方向とカード2の厚さ方向であるZ方向とに直交するカード2の幅方向である。なお、以下の説明では、X1方向側を「手前側(前側)」、X2方向側を「奥側」、Y1方向側を「右」、Y2方向側を「左」、Z1方向側を「上側」、Z2方向側を「下側」とする。また、以下の説明では、図2に示す方向からみたときを基準に、回転方向を「時計周りCWの方向」および「反時計周りCCWの方向」として説明する。
【0020】
[実施の形態1]
(カードリーダの概略構成)
図1は、本発明の実施の形態1に係るカードリーダ1の要部を示す斜視図である。図2は、図1に示すカードリーダ1の引抜き防止部材の説明図であり、図2(a)、(b)、(c)は、カードを挿入する前の説明図、カードを挿入し始めたときの説明図、およびカードを挿入し終えたときの説明図である。
【0021】
図1において、本形態のカードリーダ1は、ユーザが手動でカード2を操作して、カード2に記録された情報の再生やカード2への情報の記録を行うための装置であり、フレーム等の固定体20の内側には、カード2に記録された情報の再生やカード2への情報の記録を行う磁気ヘッド3およびIC接点4を備えている。また、図2に示すように、固定体20には、カード挿入口5から挿入されるカード2が移動するカード移動路6が前後方向に直線状に設けられている。
【0022】
カードリーダ1は、内部に挿入されたカード2の引抜きを防止する引抜き防止部材9を備えている。引抜き防止部材9は、前後方向に延在するレバー状である。引抜き防止部材9は、カード移動路6を閉鎖する閉位置(図2(a)、(c)参照、およびカード移動路6を開放する開位置(図2(b)参照)に回転可能に固定体20に支持されており、図2(c)に示すように挿入されたカード2の引抜きを閉位置で防止する。
【0023】
カードリーダ1は、閉位置に向けて引抜き防止部材9を付勢する捩りコイルバネ等からなる第1付勢部材10と、引抜き防止部材9が開位置に向けて回転することを阻止するロック部材40と、ロック部材駆動機構30とを有している。ロック部材駆動機構30は、後述するように、閉位置にある引抜き防止部材9と干渉するロック姿勢にロック部材40を揺動させるソレノイド31と、閉位置にある引抜き防止部材9から離間するアンロック
姿勢にロック部材40を揺動させる第2付勢部材35とを備えている。本形態において、第2付勢部材35は、ソレノイド31のプランジャ31aを螺旋状に巻回するように配置された圧縮コイルばね等からなる。
【0024】
(センサの構成)
カードリーダ1は、カード2の有無を検出するための2つのセンサ(第1センサ14および第2センサ15と)、ロック部材40がロック姿勢にあることを検出するための第3センサ16とを備えている。本形態において、第1センサ14、第2センサ15および第3センサ16は、互いに対向配置される発光素子(図示せず)と受光素子(図示せず)とを備える光学式のセンサであり、第1センサ14、第2センサ15および第3センサ16はいずれも、固定体20に固定されている。なお、以下の説明では、各センサ14〜16において、発光素子から受光素子へ向かう光が遮られている状態をオン状態とし、各センサ14〜16の受光素子が発光素子からの光を受光している状態をオフ状態とする。
【0025】
(基本動作)
カード2は、例えば、厚さが0.7〜0.8mm程度の矩形状の塩化ビニール製のカードである。カード2の表面には、磁気情報が記録される磁気ストライプ2aが形成されており、形態のカード2は磁気カードである。また、カード2の表面には、ICチップ(図示省略)が固定されている。すなわち、本形態のカード2は接触式のICカードでもある。なお、カード2には、磁気ストライプ2aが形成されずにICチップが固定されてもよい。また、カード2に、通信用のアンテナが内蔵されてもよいし、カード2の表面に、感熱方式によって印字が行われる印字部が形成されてもよい。さらに、カード2は、厚さが0.18〜0.36mm程度のPET(ポリエチレンテレフタレート)カードや、所定の厚さの紙カード等であってもよい。
【0026】
カードリーダ1の手前端側の一部分は、ユーザによるカード2の挿入およびカード2の引抜きが可能となるように切り欠かれた切欠部18となっている。具体的には、上下方向から見たときの形状が略矩形状となる切欠部18が、カードリーダ1の固定体20の手前端から奥側に向かって切り欠かれるように形成されている。また、左右方向では、カードリーダ1の固定体20の中間位置に切欠部18が形成されており、左右方向における切欠部18の両側には、右側突出部191と左側突出部192とが形成されている。本形態では、図1に二点鎖線で示すように、カードリーダ1の奥側に挿入されたカード2の一部は切欠部18において露出する。
【0027】
ここで、カード移動路6の手前端がカード挿入口5となっている。すなわち、右側突出部191の手前端および左側突出部192の手前端にカード挿入口5が形成されている。また、磁気ヘッド3は、カード挿入口5の近傍に配置されている。IC接点4は、カードリーダ1の奥端側に配置されている。また、IC接点4は、カード移動路6の上側に配置されている。IC接点4は、接点保持部材22に固定されている。接点保持部材22の奥端側には、カード2の先端(奥側端)が係合するカード係合部(図示せず)が形成されている。接点保持部材22の一部は、ガイド溝(図示せず)に係合しており、接点保持部材22は、ガイド溝に案内されて前後方向にスライドしながら上下動する。具体的には、接点保持部材22は、奥側に移動すると下降し、手前側に移動すると上昇する。また、接点保持部材22は、引張りコイルバネ23によって手前側に付勢されている。なお、接点保持部材22が所定のリンク機構に連結されるとともに、このリンク機構によって、接点保持部材22が前後方向にスライドしながら上下動するように構成されてもよい。
【0028】
カードリーダ1の奥側へ挿入されたカード2の先端が接点保持部材22のカード係合部に係合すると、カード2のICチップにIC接点4が接触するように、接点保持部材22は奥側にスライドしながら下降する。また、奥側に挿入されたカード2が手前側に引かれ
ると、カード2の表面からIC接点4が離れるように、引張りコイルバネ23の付勢力で、接点保持部材22は手前側にスライドしながら上昇する。
【0029】
接点保持部材22には、第2センサ15と協働して奥端側でのカード2の有無を検出する検出用突起22aが形成されている。本形態では、カードリーダ1の奥側へカード2が挿入されると、接点保持部材22が奥側にスライドし、カード2のICチップにIC接点4が接触したときに、第2センサ15の発光素子から受光素子へ向かう光を検出用突起22aが遮る。また、引張りコイルバネ23の付勢力によって接点保持部材22が手前側にあるときに、第2センサ15の受光素子が発光素子からの光を受光するように、検出用突起22aおよび第2センサ15が配置されている。すなわち、第2センサ15の発光素子から受光素子へ向かう光を検出用突起22aで遮る。従って、第2センサ15がオン状態になると、カードリーダ1の奥端側にカード2が有ることが検出される。
【0030】
(引抜き防止部材9の詳細構成)
図3は、本発明の実施の形態1に係るカードリーダ1の引抜き防止部材9およびロック部材駆動機構等の斜視図であり、図3(a)、(b)は、引抜き防止部材9等を奥側の右側からみた斜視図、および引抜き防止部材9等を奥側の左側からみた斜視図である。図4は、図3に示すロック部材40等の右側面図であり、図4(a)(b)は、ロック部材40を開姿勢とするときの右側面図、および引抜き防止部材9をアンロック姿勢とするときの右側面図である。
【0031】
図1図2図3および図4に示す引抜き防止部材9は、内部に挿入されたカード2の引抜きを防止する機能を果たす。具体的には、引抜き防止部材9は、カード2のICチップとIC接点4とが接触して情報のやりとりを行っている際のカード2の引抜きを防止する。引抜き防止部材9は、たとえば、樹脂で形成されている。また、引抜き防止部材9は、全体として細長い棒状に形成されており、図1に示すように、前後方向を長手方向にしてカードリーダ1の右端側に配置されている。
【0032】
引抜き防止部材9は、引抜き防止部材9の回転中心となる回転中心部9aと、カード2の後端(手前端)に当接してカード2の引抜きを阻止するカード当接部9bと、ロック部材40が当接する被当接部9cとを備えている。また、引抜き防止部材9は、第1センサ14と協働して手前端側でのカード2の有無を検出するカード検出部9dを備えている。本形態では、第1センサ14とカード検出部9dとによって、カードリーダ1へのカード2の挿入も検出される。第1センサ14は、カード2の挿入を検出するためのセンサであり、カード検出部9dは、第1センサ14と協働してカードリーダ1へのカード2の挿入を検出する挿入検出部である。
【0033】
カード当接部9bは手前端側に配置され、被当接部9cは奥端側に配置されている。また、回転中心部9aは、カード当接部9bと被当接部9cとの間のうち、前後方向の略中心に配置されている。すなわち、引抜き防止部材9において、カード当接部9b、回転中心部9aおよび被当接部9cは、カード2の移動方向の手前側から奥側に向かって順番に配置されている。カード検出部9dは、右端側に突出するように形成されている。回転中心部9aは、カード移動路6の上方に配置されている。回転中心部9aでは、引抜き防止部材9の軸穴9eに固定体20側の支軸25が嵌っている。
【0034】
カード当接部9bの手前端には、下側に向かって突出する突出部9fが形成されている。突出部9fの手前側面は、奥側に向かうに従って緩やかに傾斜する傾斜面9gとなっている。一方、突出部9fの奥側面は、カード2の搬送方向(X方向)に略直交する平面状の直交面となっており、この突出部9fの奥側面は、引き抜かれるカード2の後端が当接するカード当接部9bとなっている。
【0035】
被当接部9cはカード移動路6の上方に配置されている。この被当接部9cは、奥側に向かうに従って上方向へ緩やかに傾斜する傾斜面となっている。
【0036】
支軸25は、カードリーダ1の固定体20に左右方向を軸線方向として固定されている。また、支軸25は、捩りコイルバネからなる第1付勢部材10に挿通されている。第1付勢部材10は、回転中心部9aの左側に配置されている。第1付勢部材10の一端は、カードリーダ1の固定体20に形成されたバネ係合部26に係合し、第1付勢部材10の他端は、引抜き防止部材9に形成された突出部9kに係合している。バネ係合部26は支軸25よりも手前側に配置され、突出部9fは支軸25よりも奥側に配置されており、第1付勢部材10は、反時計周りCCWの方向に引抜き防止部材9を付勢している。そのため、カード2が挿入されていないときには、図2(a)に示すように、引抜き防止部材9の突出部9fの下端は、カード移動路6の凹部27の底面270に当接し、この状態で、カード2が挿入されていないときには、引抜き防止部材9は、カード移動路6の手前端側を閉鎖している。このカード移動路6の手前端側を閉鎖しているときの引抜き防止部材9の位置が閉位置となっている。
【0037】
この状態からカード2が挿入されると、引抜き防止部材9の傾斜面9gにカード2の先端が当接する。また、カード2がさらに奥側に挿入されると、図2(b)に示すように、引抜き防止部材9は、第1付勢部材10の付勢力に抗して時計周りCWの方向へ回転し、カード移動路6の手前端側を開放する。このカード移動路6の手前端側を開放しているときの引抜き防止部材9の位置が開位置となっている。
【0038】
さらにカード2が奥側へ挿入され、カード2の後端が突出部9fの下側を通過すると、図2(c)に示すように、引抜き防止部材9は第1付勢部材10の付勢力で凹部27の底面270に突出部9fの下端が当接するまで反時計周りCCWの方向に回転し、カード移動路6の手前端側を閉鎖する。
【0039】
引抜き防止部材9において、カード検出部9dは、回転中心部9aの奥側から左方向に向かって突出するように形成されている。図2(a)、(c)に示すように、引抜き防止部材9の位置が閉位置であるときに、第1センサ14の発光素子から受光素子へ向かう光をカード検出部9dが遮り、かつ、図2(b)に示すように、引抜き防止部材9の位置が開位置であるときに、第1センサ14の受光素子が発光素子からの光を受光するように、カード検出部9dおよび第1センサ14が配置されている。すなわち、本形態では、第1センサ14の受光素子が発光素子からの光を受光して、第1センサ14がオフ状態になると、カードリーダ1の手前端側にカード2があることが検出される。
【0040】
(ロック部材40等の構成)
図2図3および図4に示すように、カードリーダ1は、図2(c)に示す状態で、カード2を引き抜こうとした場合でも、それを阻止することを目的に、ロック部材駆動機構30と、ロック部材駆動機構30によって駆動されるロック部材40とが設けられている。本形態において、ロック部材40は、引抜き防止部材9の位置が閉位置であるときに、ロック部材駆動機構30によって駆動されて、ロック部材40と固定体20との間に構成された揺動支点45を中心にして軸線L11周りに揺動する。その結果、ロック部材40は、引抜き防止部材9の開位置に向けての回転を許容するアンロック姿勢(図4(a)参照)から、引抜き防止部材9と干渉して引抜き防止部材9の開位置に向けての回転を阻止するロック姿勢(図4(b)参照)に切り換わる。
【0041】
ロック部材40は、引抜き防止部材9より奥側に設けられている。ロック部材40は、上下方向に延在する可動アームであり、延在方向の両端部が円弧面になっている。ロック
部材40は、延在方向の一方側端部40aに、ロック姿勢のときに引抜き防止部材9の被当接部9cに当接する当接部41を備えており、延在方向の他方側端部40b付近では、固定体20との間に揺動支点45を構成している。揺動支点45は、固定体20において側壁20aに支持された支軸28と、ロック部材40に形成された軸穴44とを備え、軸穴44に支軸28が嵌っている。従って、ロック部材40は、支軸28の中心軸線(軸線L11)を中心に揺動可能である。
【0042】
本形態において、ロック部材駆動機構30は、ロック部材40を前側に揺動させるソレノイド31と、引抜き防止部材9の被当接部9cから当接部41が奥側に離間するようにロック部材40を奥側に付勢する第2付勢部材35とを有している。ソレノイド31は、本体部310から奥側にプランジャ31aが突出し、プランジャ31aは、前後方向に移動するように配置されている。第2付勢部材35は、プランジャ31aの周りに配置された圧縮コイルバネからなる。第2付勢部材35は、固定体20に固定されたソレノイド31の本体部310と、プランジャ31aの先端側に設けられたキャップ36との間で圧縮された状態にあり、キャップ36を奥側に付勢している。また、プランジャ31aの先端部およびキャップ36は、連結軸37を介してロック部材40の当接部41と揺動支点45との間に連結している。
【0043】
このように構成したロック部材駆動機構30において、図2(a)、(b)に示すように、カード2が挿入される期間、ソレノイド31は、通電されていない非駆動状態にある。この非駆動状態では、図4(a)に示すように、第2付勢部材35の付勢力によって、プランジャ31aおよびキャップ36が奥側に突出している。このため、ロック部材40は、当接部41が引抜き防止部材9の被当接部9cより奥側に位置するように揺動支点45を中心に奥側に傾いている。従って、引抜き防止部材9は、開方向への回転(時計周りCWの回転)が可能である。
【0044】
これに対して、図2(c)に示すように、引抜き防止部材9がカード2と係合している期間、ソレノイド31は、通電された駆動状態にある。この駆動状態では、第2付勢部材35の付勢力に抗して、プランジャ31aが手前側に引かれる。このため、図4(b)に示すように、ロック部材40は、当接部41が引抜き防止部材9の被当接部9cに当接するように揺動支点45を中心に前側に傾いたロック姿勢となる。従って、引抜き防止部材9は、ロック部材40によって開方向への回転(時計周りCWの回転)が阻止される。それ故、カード2を引き抜こうとしても、引抜き防止部材9によってカード2の引抜きが阻止される。
【0045】
本形態では、図4(b)に示す状態で、引抜き防止部材9がロック部材40を押圧する方向にロック部材40の揺動支点45が位置する。より具体的には、引抜き防止部材9の被当接部9cのうち、ロック部材40の当接部41が接している位置から、被当接部9cに直交する仮想線L1を描いたとき、仮想線L1上に揺動支点45が位置する。
【0046】
キャップ36には、第3センサ16と協働してロック部材40の位置を検出するための板状の被検出部361が設けられている。本形態では、プランジャ31aが奥側に突出しているときに、第3センサ16の発光素子から受光素子へ向かう光を被検出部361が遮る。また、ソレノイド31が駆動してプランジャ31aが手前側に引かれているときに、第3センサ16の受光素子が発光素子からの光を受光するように、被検出部361および第3センサ16が配置されている。従って、第3センサ16の受光素子が発光素子からの光を受光して、第3センサ16がオフ状態になると、ロック部材40がロック姿勢にあることが検出される。
【0047】
(カードリーダの概略動作)
本形態のカードリーダ1では、図2(a)に示すように、カード2が挿入されていないときには、第1付勢部材10の付勢力で、引抜き防止部材9はカード移動路6の手前端側を閉鎖している。この状態では、第2付勢部材35の付勢力でプランジャ31aが奥側に突出しており、引抜き防止部材9は、開位置に向けて回転可能となっている。また、接点保持部材22は、引張りコイルバネ23によって手前側に付勢されており、IC接点4は、カード移動路6の上方に配置されている。この状態では、第1センサ14および第3センサ16はオン状態となっており、第2センサ15はオフ状態となっている。
【0048】
次に、図2(b)に示すように、カード2が挿入されると、挿入されるカード2によって、引抜き防止部材9は、第1付勢部材10の付勢力に抗して時計周りCWの方向へ回転して、カード移動路6の手前端側を開放する。引抜き防止部材9が時計周りCWの方向へ回転すると、カード検出部9dが第1センサ14の発光素子と受光素子との間から外れ、第1センサ14の発光素子からの光を受光素子が受光するため、第1センサ14がオフ状態となって、カード2の挿入が検出される。
【0049】
さらにカード2が奥側へ挿入され、カード2の後端が突出部9fの下側を通過すると、図2(c)に示すように、引抜き防止部材9は、第1付勢部材10の付勢力で反時計周りCCWの方向に回転して、カード移動路6の手前端側を閉鎖する。また、引抜き防止部材9が反時計周りCCWの方向へ回転すると、第1センサ14の発光素子から受光素子へ向かう光をカード検出部9dが遮って、第1センサ14は再びオン状態となる。
【0050】
また、カード2が奥側へ挿入されると、挿入されるカード2によって接点保持部材22は奥側にスライドしながら下降して、カード2のICチップにIC接点4が接触する。この状態で、カード2のICチップとIC接点4との間で情報のやりとりが行われる。また、接点保持部材22は奥側にスライドすると、第2センサ15の発光素子から受光素子へ向かう光を検出用突起22aが遮るため、第2センサ15はオン状態となって、カード2が奥端側に有ることが検出される。
【0051】
本形態では、一旦オフ状態となった第1センサ14が再びオン状態となり、かつ、第2センサ15がオン状態となると、ソレノイド31が駆動して、プランジャ31aが手前側に引かれて、被当接部9cにロック部材40の当接部41が当接する。従って、引抜き防止部材9の開位置への移動が規制された状態となる。そのため、ユーザがカード2を手前側に引き抜こうとしても、引抜き防止部材9のカード当接部9bにカード2の後端が当接してカード2の引抜きが防止される。なお、プランジャ31aが手前側に引かれると、第3センサ16はオフ状態となる。
【0052】
カード2のICチップとIC接点4との間で情報のやりとりが終了すると、ソレノイド31への通電が停止されて、第2付勢部材35の付勢力でプランジャ31aが奥側に突出する。すなわち、引抜き防止部材9が回転可能な状態となる。この状態で、カード2が手前側に向かって引き抜かれる。
【0053】
なお、カード2のICチップとIC接点4との間での情報のやりとりに加えて、あるいは、カード2のICチップとIC接点4との間での情報のやりとりに代えて、磁気ストライプ2aに記録された磁気情報が再生される場合には、カード2の挿入時あるいは引抜き時に、磁気情報が再生される。また、カード2のICチップにIC接点4が接触している際のカード2とIC接点4との間の摩擦力は、引張りコイルバネ23の付勢力よりもわずかに大きくなっている。そのため、引抜き防止部材9が回転可能な状態となっても、カード2が手前側に勝手に飛び出してくることはない。
【0054】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、第1付勢部材10の付勢力を利用して引抜き防止部材9でカード移動路6を閉鎖し、カード移動路6を閉鎖している引抜き防止部材9の回転をロック部材40で規制する。その際、ロック部材40を駆動するロック部材駆動機構30は、ロック部材40をアンロック姿勢からロック姿勢に駆動するソレノイド31と、ロック部材40をアンロック姿勢となる方向に付勢する第2付勢部材35とを備えている。そのため、ソレノイド31の動力で引抜き防止部材9を回転させる必要がなく、また、ソレノイド31の動力で引抜き防止部材9がカード移動路6を閉鎖した状態を維持する必要がない。従って、本形態では、出力の小さなソレノイド31を使用してもカード2の引抜きを防止することができ、動作時のソレノイド31に多くの電流を流す必要がなくなる。その結果、本形態では、省電力化を図ることができる。また、省電力化を図ることができるため、USB等のケーブルから供給された電力を使用し、カードリーダ1内の各種機器を動作させるいわゆるバスパワーを採用することが可能になる。
【0055】
また、本形態において、ロック部材40は、ロック部材駆動機構30に駆動されて揺動支点45を中心に揺動し、引抜き防止部材9の開位置に向けての回転を許容するアンロック姿勢と、引抜き防止部材9と干渉して引抜き防止部材9の開位置に向けての回転を阻止するロック姿勢とに切り換わる。このため、ロック部材40がロック姿勢のとき、外力で引抜き防止部材9を開位置に向けて回転させようとしたために引抜き防止部材9からロック部材40に大きな負荷が加わった場合でも、ロック部材40が傾いてロック部材40の端部が固定体20側に引っ掛かる等の事態が発生しにくい。特に本形態では、ソレノイド31が片持ち状態でロック部材40と接続しているため、引抜き防止部材9からの負荷がソレノイド31のプランジャ31aに伝わると、ロック部材40が傾くおそれがあるが、その場合でも、ロック部材40の端部が固定体20側に引っ掛かる等の事態が発生しにくい。また、本形態では、ロック部材40がロック姿勢のとき、引抜き防止部材9がロック部材40を押圧する方向に揺動支点45が位置する。このため、引抜き防止部材9からの負荷が大きい場合でも、かかる負荷を揺動支点45で受けることができるので、ロック部材駆動機構30のソレノイド31に大きな負荷が加わらない。従って、ソレノイド31のプランジャ31aが傾いてロック部材40が傾くという事態が発生しにくい。また、ロック部材40が揺動する構成であるため、ロック部材40をロック姿勢とアンロック姿勢とに確実に切り換えることができる。それ故、引抜き防止部材9を確実に動作させることができる。
【0056】
また、引抜き防止部材9は、左右方向に延在する軸線周りに回転可能となっている。そのため、第1付勢部材10によって引抜き防止部材9が閉位置へ付勢されている場合であっても、挿入されるカード2によって、引抜き防止部材9を開位置へ容易に回転させることができる。特に本形態では、カード当接部9bの手前端面が傾斜面9gとなっているため、挿入されるカード2によって、引抜き防止部材9を開位置へ容易に回転させることができる。
【0057】
また、引抜き防止部材9は、第1センサ14と協働してカード2の挿入を検出するカード検出部9dを備えている。すなわち、引抜き防止部材9は、カード2の挿入検出機能の一部を担っている。そのため、第1センサ14と協働してカード2の挿入を検出するための部材を別途、設ける必要がなくなる。従って、カードリーダ1の構成を簡素化することができる。
【0058】
また、引抜き防止部材9は、カード当接部9bと回転中心部9aと被当接部9cとが前後方向にこの順番で配置された細長い棒状に形成されている。そのため、被当接部9cにロック部材40が当接して引抜き防止部材9の回転が規制されている場合であっても、回転中心部9aとカード当接部9bとの間を撓ませて、カード2を引き抜くことが可能になる。従って、緊急時等、引抜き防止部材9の回転が規制されているときに、カード2を引
き抜く場合であっても、引抜き防止部材9およびロック部材40に過度の応力がかかるのを防止することが可能である。それ故、引抜き防止部材9およびロック部材40の損傷を防止することが可能になる。
【0059】
[実施の形態2]
図5は、本発明の実施の形態2に係るカードリーダ1の引抜き防止部材9およびロック部材駆動機構等の斜視図であり、図3(a)、(b)は、引抜き防止部材9等を奥側の右側からみた斜視図、および引抜き防止部材9等を奥側の左側からみた斜視図である。図6は、図5に示すロック部材40のアンロック姿勢を拡大して示す説明図であり、図6(a)、(b)はロック部材40等の斜視図、およびロック部材40を分解したときの斜視図である。図7は、図5に示すロック部材40のロック姿勢を示す斜視図である。図8は、図5に示すロック部材40の動作を示す断面図であり、図8(a)、(b)は、アンロック姿勢のロック部材40等の断面図、およびロック姿勢のロック部材40等の断面図である。なお、本形態の基本的な構成は、実施の形態1と同様であるため、共通する部分には同一の符号を付して図示し、詳細な説明を省略する。
【0060】
図5図6図7および図8に示すように、本形態のカードリーダ1に用いた引抜き防止部材9は、実施の形態1と同様、引抜き防止部材9の回転中心となる回転中心部9aと、カード2の後端(手前端)に当接してカード2の引抜きを阻止するカード当接部9bと、ロック部材40が当接する被当接部9cとを備えている。カード当接部9b、回転中心部9aおよび被当接部9cは、カード2の移動方向の手前側から奥側に向かって順番に配置されている。被当接部9cは、奥側に向かうに従って上方向へ緩やかに傾斜する傾斜面となっている。本形態では、引抜き防止部材9の奥側の端部に、奥側に向かうに従って下方向へ緩やかに傾斜する傾斜面9sが形成されている。
【0061】
本形態のカードリーダ1でも、実施の形態1と同様、図2(c)を参照して説明した状態で、カード2を引き抜こうとした場合でも、それを阻止することを目的に、ロック部材駆動機構30と、ロック部材駆動機構30に駆動されるロック部材40とが設けられている。ロック部材40は、ロック部材駆動機構30によって駆動されて、ロック部材40と固定体20との間に構成された揺動支点46を中心にして軸線L12周りに揺動し、引抜き防止部材9の開位置に向けての回転を許容するアンロック姿勢(図8(a)参照)、および引抜き防止部材9と干渉して引抜き防止部材9の開位置に向けての回転を阻止するロック姿勢(図8(b)参照)に切り換わる。
【0062】
本形態において、ロック部材40は、ロック姿勢のときに引抜き防止部材9に当接する当接部670を備えた第1部材61と、第1部材61に対して支軸624を介して接続された第2部材62とを備えている。支軸624は、第2部材62から左右両側に突出しており、2本の支軸624は各々、第1部材61の左右で相対向する2つの側板部668の各々に形成された軸穴664に嵌っている。従って、第1部材61と第2部材62は、支軸624を中心に相対回転可能である。
【0063】
第2部材62は、前後方向の寸法が上方から下方に縮小した形状を有しており、第2部材62において、第1部材61とは反対側に位置する下側の端部628が、固定体20と揺動支点46を構成している。より具体的には、第2部材62の下側の端部628はシリンドリカルな凸曲面になっている一方、固定体20には、第2部材62の端部628を受けるシリンドリカルな凹曲面29が形成されている。従って、第2部材62の端部628と固定体20の凹曲面29によって、第2部材62を左右方向に延在する軸線L12周りに揺動可能に支持する揺動支点46が形成されている。なお、本形態では、凸曲面と凹曲面とによって揺動支点46を構成したが、支軸と軸穴とによって揺動支点46を構成してもよい。
【0064】
第2部材62において、上側の部分は、前側に位置するシリンドリカルな凸曲面621と、奥側で凸曲面621に対して溝状の凹部623を介して隣り合う凸部622とが形成されており、凸曲面621を構成する部分から左右両側に支軸624が突出している。また、第2部材62の前面には、左右で離間する2か所に前側に突出する凸部626が設けられている。
【0065】
第1部材61は、ホルダ66と、ホルダ66に保持されたローラ67とから構成されており、ローラ67のローラ面によって、引抜き防止部材9に当接する当接部670が構成されている。ホルダ66は、左右両側の側板部668と、2つの側板部668の外縁同士を後側で繋ぐ奥側連結部667と、2つの側板部668の外縁同士を前側で繋ぐ前側連結部669とを有しており、側板部668の下側部分には、支軸624が嵌った軸穴664が形成されている。側板部668の上側部分には、ローラ67の側面から左右に突出した支軸675が嵌っており、ローラ67は、ホルダ66に対して支軸675を中心に回転可能である。
【0066】
本形態でも、実施の形態1と同様、ロック部材駆動機構30は、ロック部材40を前側に揺動させるソレノイド31と、引抜き防止部材9の被当接部9cからロック部材40の当接部670が奥側に離間するようにロック部材40を奥側に付勢する第2付勢部材35とを有しており、第2付勢部材35は、プランジャ31aの周りに配置された圧縮コイルばねからなる。第2付勢部材35は、ソレノイド31の本体部310と、プランジャ31aの先端側に設けられたキャップ36との間で圧縮された状態にあり、キャップ36を奥側に付勢している。また、キャップ36およびプランジャ31aの先端部は、連結軸37を介してロック部材40と連結している。本形態において、連結軸37は、第2部材62において、端部628(揺動支点46)と支軸624との間に形成された軸穴627に嵌っている。
【0067】
このように構成したロック部材駆動機構30において、ソレノイド31に電流が流されていない非駆動状態では、第2付勢部材35の付勢力によって、プランジャ31aおよびキャップ36が奥側に突出している。このため、図8(a)に示すように、ロック部材40は、第2部材62が揺動支点46を中心に奥側に傾いたアンロック姿勢になっている。その際、第2部材62の凸部626が第1部材61の前側連結部669を押圧する。このため、ロック部材40の当接部670が引抜き防止部材9の被当接部9cから奥側に離間する。
【0068】
これに対して、ソレノイド31に通電された駆動状態では、第2付勢部材35の付勢力に抗して、プランジャ31aが手前側に引かれる。このため、図8(b)に示すように、ロック部材40は、第2部材62が揺動支点46を中心に前側に傾いたロック姿勢となる。その際、第2部材62の凸部622が第1部材61の奥側連結部667を前側に押圧する。その結果、ローラ67のローラ面(当接部670)が引抜き防止部材9の被当接部9cに当接し、引抜き防止部材9の開姿勢の方向への回転を阻止する。それ故、カード2を引き抜こうとしても、引抜き防止部材9によってカード2の引抜きが阻止される。
【0069】
この状態で、引抜き防止部材9がロック部材40を押圧する方向にロック部材40の揺動支点46が位置する。より具体的には、引抜き防止部材9の被当接部9cのうち、ロック部材40の当接部670が接している位置から、被当接部9cに直交する仮想線L2を描いたとき、仮想線L2上に揺動支点46が位置する。特に本形態では、ローラ67のローラ面(当接部670)が引抜き防止部材9の被当接部9cと傾斜面9sとの間に入り込み、ローラ67のそれ以上の移動が阻止される。このため、引抜き防止部材9の被当接部9cとロック部材40の当接部670(ローラ面)との当接個所を制御することができる
ので、引抜き防止部材9がロック部材40を押圧する方向にロック部材40の揺動支点46が位置する状態を確実に実現することができる。
【0070】
以上説明したように、本形態でも、実施の形態1と同様、ソレノイド31の動力で引抜き防止部材9を回転させる必要がなく、また、ソレノイド31の動力で引抜き防止部材9がカード移動路6を閉鎖した状態を維持する必要がないので、出力の小さなソレノイド31を使用してもカード2の引抜きを防止することができ、動作時のソレノイド31に多くの電流を流す必要がなくなる。また、ロック部材40は、ロック部材駆動機構30に駆動されて揺動支点46を中心に揺動して、引抜き防止部材9の開位置に向けての回転を許容するアンロック姿勢と、引抜き防止部材9と干渉して引抜き防止部材9の開位置に向けての回転を阻止するロック姿勢とに切り換わる。しかも、ロック部材40がロック姿勢のとき、引抜き防止部材9がロック部材40を押圧する方向に、ロック部材40と固定体20との揺動支点46、および第1部材61と第2部材62との揺動支点(支軸624および軸穴664)が位置する。このため、引抜き防止部材9からロック部材40が大きな負荷を受けた場合でも、かかる負荷を揺動支点46で受けることができるので、ロック部材駆動機構30のソレノイド31に大きな負荷が加わらない。従って、ソレノイド31のプランジャ31aが傾いてロック部材40が傾くという事態が発生しにくい。また、ロック部材40が揺動する構成であるため、第2付勢部材35の付勢力によって、引抜き防止部材9をアンロック姿勢に確実に切り換えることができる。それ故、引抜き防止部材9を確実に動作させることができる等、実施の形態1と同様な効果を奏する。
【0071】
また、本形態において、ロック部材40の当接部670は、ローラ67のローラ面からなるため、引抜き防止部材9とロック部材40の当接部670との摩擦抵抗が小さく、スムーズに摺動する。従って、ロック部材40のロック姿勢とアンロック姿勢との切り換えが確実である。なお、ロック部材40の当接部をローラ面により構成するという態様は実施の形態1に適用してもよい。
【0072】
[実施の形態3]
上記実施の形態1、2において、ロック部材駆動機構30では、ソレノイド31がロック部材40をアンロック姿勢からロック姿勢に駆動し、第2付勢部材35がロック部材40をロック姿勢からアンロック姿勢に付勢していたが、ソレノイド31がロック部材40をアンロック姿勢に駆動し、第2付勢部材35がロック部材40をロック姿勢に駆動する態様を採用してもよい。
【0073】
[実施の形態4]
上記実施の形態1、2、3において、ロック部材駆動機構30では、ソレノイド31がロック部材40をロック姿勢およびアンロック姿勢の一方の姿勢から他方に姿勢に駆動し、第2付勢部材35がロック部材40をロック姿勢およびアンロック姿勢の他方の姿勢から一方に姿勢に駆動していたが、ソレノイド31がロック部材40をロック姿勢およびアンロック姿勢の一方の姿勢から他方に姿勢に駆動するとともに、他方の姿勢から一方の姿勢に駆動する態様を採用してもよい。かかる構成によれば、第2付勢部材35を省略することができる。
【0074】
[他の実施の形態]
上記の形態では、ロック部材駆動機構30がロック部材40をアンロック姿勢からロック姿勢に切り換えたが、ロック部材駆動機構30がロック部材40をロック姿勢からアンロック姿勢に切り換える構成としてもよい。
【0075】
上述した形態は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形実施が可能である。例えば、上記の実
施の形態では、引き抜かれるカード2の後端が当接するカード当接部9bが、X方向に略直交する平面状の直交面となっていたが、手前側に向かうに従って下方向へ緩やかに傾斜する平面状の傾斜面となっていてもよい。このように構成すると、回転が規制された引抜き防止部材9のカード当接部9bに引き抜かれるカード2が当接したときに、カード当接部9bに上方向に向かう力が生じやすくなるため、回転中心部9aとカード当接部9bとの間が撓みやすくなる。その結果、カード2を引き抜きやすくなり、引抜き防止部材9およびロック部材40の損傷を効果的に防止することが可能になる。
【0076】
上記の実施の形態では、第1付勢部材10に捩りコイルばねを用い、第2付勢部材35にコイルばねを用いたが、板バネ等の他のバネ部材を用いてもよい。上記実施の形態では、ソレノイド31が駆動すると、プランジャ31aが手前側に引かれてロック部材40を揺動させる構成であったが、ソレノイド31が駆動すると、プランジャ31aが奥側に引かれてロック部材40を揺動させる構成を採用してもよい。また、ソレノイド31が駆動すると、プランジャ31aが左右方向に移動して、ロック部材40が揺動する構成を採用してもよい。
【0077】
上記の実施の形態では、ロック部材40が奥端側に配置され、奥端側で引抜き防止部材9の回転を規制する構成であったが、ロック部材40が手前端側に配置され、手前端側で引抜き防止部材9の回転を阻止してもよい。この場合には、被当接部9cが引抜き防止部材9に形成されなくてもよい。
【0078】
上記の実施の形態では、第1センサ14は光学式のセンサであるが、第1センサ14はマイクロスイッチ等の機械式のセンサであってもよい。
【0079】
上記の実施の形態では、カードリーダ1は磁気ヘッド3およびIC接点4を備えているが、カードリーダ1は、磁気ヘッド3またはIC接点4のいずれか一方のみを備えていてもよい。カードリーダ1が磁気ヘッド3のみを備える場合には、カード2にICチップが固定されていなくてもよい。また、上述した形態では、カードリーダ1は、手動式のものであるが、本発明の構成は、カード2の自動搬送機構を有するカードリーダにも適用可能である。
【符号の説明】
【0080】
1…カードリーダ、2…カード、2a…磁気ストライプ、5…カード挿入口、6…カード移動路、9…引抜き防止部材、9b…カード当接部、9c…被当接部、10…第1付勢部材、14…第1センサ、15…第2センサ、16…第3センサ、20…固定体、30…ロック部材駆動機構、31…ソレノイド、31a…プランジャ、35…第2付勢部材、36…キャップ、37…連結軸、40…ロック部材、41、670…当接部、45、46…揺動支点、61…第1部材、62…第2部材、66…ホルダ、67…ローラ
図1
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図8