【実施例】
【0025】
図1に示すように、貯湯装置10は、タンク脚11を有する縦長の貯湯タンク12と、この貯湯タンク12を収納する筐体13と、この筐体13の底板14から下方へ延びて筐体13及び貯湯タンク12を支える筐体脚30と、この筐体脚30とタンク脚11とを連結する連結ボルト16とを備えている。給水管17で水を貯湯タンク12に供給し、出湯管18で湯を貯湯タンク12から取り出すことができる。
【0026】
図2に示すように、タンク脚11の底部19は、筐体13の底板14に載っている。また、筐体13の底板14は、筐体脚30の上部を構成する受け部31に載っている。受け部31の下にプレートとしての正方形板50が差し込まれている。プレートとしての正方形板50は雌ねじ部55を有する。例えば、受け部31の板厚は2〜3mmであり、正方形板50の板厚は4〜5mmであって、正方形板50は、受け部31に比較して格段に厚い。すなわち、受け部31は、正方形板50に比較して格段に薄い。
【0027】
筐体13の底板14には、筐体側通孔15が設けられている。
連結ボルト16は、上から下向きにタンク脚11の底部19に設けられた第1〜第3ボルト穴22〜24の一つを通過し、その下の筐体側通孔15及び脚側通孔34を通過し、雌ねじ部55にねじ込まれている。
結果、底板14を挟んで、筐体脚30とタンク脚11が連結される。
【0028】
以下、筐体脚30とタンク脚11につき詳しく説明する。
図3(a)に示すように、筐体脚30の要部は、ブランク材32から打ち抜き形成される。
横に延びる谷折り線(線が谷底になるよう折る線。)33より上で、受け部31が形成される。受け部31は、中央片31aと、左片31bと、右片31cとからなる。中央片31aと、左片31bと、右片31cには、各々脚側通孔34が打ち抜き形成されている。脚側通孔34は長孔である。そして、受け部31は谷折り線33により、図面おもて側に折り曲げられる。
【0029】
横に延びる谷折り線33より下で、脚柱部35が形成される。脚柱部35は、縦に延びる谷折り線36、37、38、39で谷折りされる。谷折り線37と谷折り線38とで奥壁41が形成され、谷折り線36と谷折り線37とで左の側壁42L(Lは左を示す添え字。以下同)が形成され、谷折り線36で左の折曲部43Lが形成され、谷折り線38と谷折り線39とで右の側壁42R(Rは右を示す添え字。以下同じ)が形成され、谷折り線39で右の折曲部43Rが形成される。
【0030】
好ましくは、左右の側壁42L、42Rに受け突起44、44を形成する。
図3(b)に示すように、受け突起44は、パンチとダイで形成されるダボである。ただし、受け突起44は短いピンを側壁42L、42Rに溶接又はねじ込んでもよい。
【0031】
さらに好ましくは、中央片31aにストッパ45を設ける。
図3(c)に示すように、ストッパ45は、パンチとダイで形成されるダボである。ただし、ストッパ45は短いピンを中央片31aに溶接又はねじ込んでもよい。
ダボであれば短いピンを準備して接合する作業が省ける。部品点数の削減が図れ、部品(ピン)を紛失する心配は無くなる。なお、ストッパ45は、奥壁41に設けてもよい。
【0032】
図4に示すように、折り曲げ形成された角筒状の脚柱部35は、中央片31aと、左片31bと、右片31cとからなる受け部31を一体的に備えている。受け部31は、3個の脚側通孔34を有している。
このような脚柱部35に、側壁42L、42Rに沿って延びる脚底部46を取付ける。
【0033】
図5に示すように、脚底部46は設置面47に載る部材である。そして、コ字状に曲げ形成された脚底部46は角筒状の脚柱部35の下部に嵌められ、その後に、脚底部46と脚柱部35とは、スポット溶接やかしめ法で連結され一体化される。この連結法は、リベットやボルトナットでもよく、任意である。
中央片(
図4、符号31a)に、下へ延びるストッパ45を有し、側壁42L、42Rに水平に張り出す受け突起44、44を有する。受け突起44の上端レベルは、折曲部43L、43Rの上端レベルと同じに設定されている。
【0034】
図6(a)に示すように、正方形板50は、長さが等しく互いに直交する4つの辺51、52、53、54で構成されるプレートである。正方形板50は、連結ボルト16をねじ込むことができる3個の雌ねじ部55を有している。3個の雌ねじ部55、55、55は正三角形の頂点に配置される。
便宜上、辺51、53の中点を通り且つ1つの雌ねじ部55を通る線を、板中心線56と呼ぶ。
【0035】
好ましくは、空いている部位に、誤差し込み防止用のダボ57、57、57を設ける。
なお、正方形板50のセンター位置と3個の雌ねじ部55、55、55からなる正三角形のセンター位置とが、略重なっている。後に詳しく説明するが、センター位置が重なっていることで、正方形板50を正面向きに差し込んでも、横向きに差し込んでも同一のセンター位置になるため、タンク脚(
図10、符号11)の第1〜第3ボルト穴(
図10、符号22〜24)で形成する正三角形のセンター位置と重なり、タンク脚11の共通化が可能となる。
【0036】
図6(b)は、
図6(a)のb−b線断面図である。
図6(b)において、雌ねじ部55は、上から下へねじ切りされたものであり、不可避的に下面から下方へ張り出すバリ55bが残る。バリ55bを除去するバリ取り加工が望まれるが、バリ55bが軽微であれば、バリ取り加工を省くことがあり、この場合には、バリ55bは残ったままとなる。
【0037】
ダボ57、57、57は、バリ55b側に凸になるように設けられ、例えばパンチとダイで形成される。ダボ57は、小ピースを正方形板50の下面に溶接してもよく、ダボ57の形成方法は任意である。
【0038】
図7に基づいて、正方形板50の差し込み手順を説明する。
図7(a)にて、受け部31と受け突起44との間隔D1は、正方形板50の板厚Tより僅かに大きい。受け部31と折曲部43Rとの間隔D2は、間隔D1とほぼ同じであって、正方形板50の板厚Tより僅かに大きい。
【0039】
図7(b)に示す正方形板50は誤差し込み防止用のダボ57が下に向いており、正方形板50は、矢印(1)(正しくは、矢印は図面おもてから裏へ延びる。)のように、間隔D1、D2へ差し込むことができる。矢印に○を付した。バリ55bは下面に存在するため、実害はない。
【0040】
一方、
図7(c)に示す正方形板50は誤差し込み防止用のダボ57が上に向いており、バリ55bは上面に存在する。仮に、この向きで正方形板50を受け部31に当てると、バリ55bが噛み込み、受け部31に正方形板50が密着しないという不具合が起こる。
しかし、本実施例では、誤差し込み防止用のダボ57を備えており、正方形板50は、矢印(2)のように、差し込もうとすると、ダボ57が受け部31に当たるため、差し込むことができない。よって、正方形板50の誤差し込みが防止され、結果として正方形板50を確実に受け部31に密着させることができる。
【0041】
ダボ57は1個でも差し支えないが、本例では3個設けた。ダボ57を上に向けた状態で、
図6(a)において、辺51を先頭にして差し込もうとすると、辺51近傍のダボ57、57が受け部31に当たる。辺52を差し込もうとすると、辺52近傍のダボ57が受け部31に当たる。辺53を差し込もうとすると、辺53近傍のダボ57が受け部31に当たる。辺54を差し込もうとすると、辺54近傍のダボ57が受け部31に当たる。すなわち、正方形板50は僅かしか差し込まれない。殆ど差し込まれないため、誤差し込みが確実に防止される。
【0042】
図7(b)の向きとされた正方形板50において、それの差し込み形態が2種類ある。これらの形態を、
図8と
図9とで各々説明する。
図8(a)に示すように、折曲部43L、43Rの外面からストッパ45までの距離D3は、正方形板50の辺52の長さとほぼ同じに設定しておく。
正方形板50の板中心線56が側壁42L、42Rと平行になる向きで且つ辺51を先頭にして正方形板50を差し込む。この差し込みの際に、左右の折曲部43L、43R上を滑らせるようにし、且つ途中から左右の受け突起44、44上を滑らせるようにしてもよい。辺51がストッパ45に当たると差し込み作業は終了する。正方形板50は、4箇所(左右の折曲部43L、43R及び左右の受け突起44、44)で支持されるため、落下する心配はない。
【0043】
図8(b)に示すように、脚側通孔34、34、34を通して雌ねじ部55、55、55が見える。辺51が奥壁41に接近し、板中心線56が側壁42L、42Rに平行になっている
図8(b)の形態を、(Aパターン)筐体脚30と呼ぶ。
【0044】
図8(a)において、正方形板50のセンター位置と3個の雌ねじ部55、55、55からなる正三角形のセンター位置とが、略重なっているおり、90°回転させてもセンター位置は変わらないため、正方形板50を時計方向に90°回転させることができる。
図9(a)に示すように、辺54を先頭にし、板中心線56が側壁42L、42Rと直角になるようにする。この状態で、正方形板50を差し込む。
図9(b)に示すように、脚側通孔34、34、34を通して雌ねじ部55、55、55が見える。辺54が奥壁41に接近し、板中心線56が側壁42L、42Rに直角になっている
図9(b)の形態を、(Bパターン)筐体脚30と呼ぶ。
【0045】
脚側通孔34は、正方形板50を
図8(a)のように正面向きで差し込んだ際の雌ねじ部55の各位置と、正方形板50を
図9(a)のように横向きで差し込んだ際にそれぞれ対応する雌ねじ部55の各位置とを結ぶ範囲で開口した長孔である。
【0046】
なお、
図8(a)において、折曲部43L、43Rは、脚柱部35の剛性(曲げ剛性、撓み剛性)を高める役割をも果たす。すなわち、側壁42L、42Rが単なる平壁であるときよりも、折曲部43L、43Rを付属することにより、側壁42L、42Rの剛性が高まる。
ただし、左右2個の受け突起44、44を左右4個にすることにより、折曲部43L、43Rを省くことは可能である。よって、折曲部43L、43Rを設けるか否かは任意である。
【0047】
図10(a)に示すように、貯湯タンク12は、θが120°となるように等ピッチで3個のタンク脚11を備えている。なお、タンク脚11は、一般に貯湯タンク12に重なるように貯湯タンク12の下に配置されるが、見やすくするために、本図では貯湯タンク12と重ならない位置に配置した。
【0048】
3個のタンク脚11は、貯湯タンク12の中心12aから放射状に延びる基準線21に沿って配置される。1個のタンク脚11は、基準線21上に配置される第1ボルト穴22と、基準線21に線対称になるように配置される第2ボルト穴23及び第3ボルト穴24を有する。第1〜第3ボルト穴22〜24は正三角形の頂点に配置されている。
【0049】
便宜的に、筐体脚30は、タンク脚11と離れた位置に図示するが、正しくはタンク脚11の真下に配置される。
3個の筐体脚30は、位置を特定するために、手前の脚を筐体脚30F、左奥の脚を筐体脚30L、右奥の脚を筐体脚30Rと呼ぶ。
【0050】
図10(a)では、3個の筐体脚30F、30L、30Rは、
図8(b)で説明した(Aタイプ)筐体脚30である。タンク脚11、11、11に各々筐体脚30F、30L、30Rを連結することができる。
【0051】
図10(b)では、手前の筐体脚30Fが、
図9(b)で説明した(Bタイプ)筐体脚30である。(Bタイプ)筐体脚30であるため、手前のタンク脚11に手前の筐体脚30Fを連結することができる。
図10(c)では、3個の筐体脚30F、30L、30Rは、
図9(b)で説明した(Bタイプ)筐体脚30である。タンク脚11、11、11に筐体脚30F、30L、30Rを連結することができる。
【0052】
すなわち、
図7に示す正方形板50を備える筐体脚30を準備するだけで、
図10(a)〜(c)の形態を実現することができた。結果、筐体脚30F、30L、30Rが1種類でありながら、筐体脚30F、30L、30Rを90°回転させることができる貯湯装置10が提供された。
【0053】
なお、
図2において、仮に、正方形板50を廃して、ナットを使用する場合、ナットの沈み込みが起こらないように、脚側通孔34の孔径を小さくすると共に座金が必要となる。
この点、本発明では、正方形板50が沈み込む心配がないため、脚側通孔34の孔径を大きくすることができる。孔経が大きいため、厳しい位置決めが不要となり、作業性が高まる。正方形板50が座金の役割を発揮するため、座金は不要となり、準備する部品を削減することができる。
【0054】
また、正方形板50を廃して、ナットを使用する場合、ナットの受圧面積に限りがあるため、局部変形が起こらないように、受け部31の板厚を大きくする必要がある。
図3に示すブランク材32を使用する場合、脚柱部35は受け部31と同じ厚さとなる。この場合、受け部31を厚くすると、ブランク材32が重くなり、筐体脚30の重量増加に繋がる。
この点、本発明では、受圧面積がナットよりも格段に大きな正方形板50を採用したため、受け部31に局部変形が発生する心配がない。受け部31を厚くする必要がないため、ブランク材32は薄くでき、筐体脚30の軽量化が図れる。
【0055】
また、
図2において、正方形板50を廃して、ナットを使用する場合、作業者は、一方の手で、ナットを受け部31の下面に当て、他方の手で連結ボルト16を上から差し込んで手締めすることとなる。手締め後に本締めを行う。1つの受け部31当たり、この手順を3回繰り返すが、この間にナットを落とすこともあり、作業が難しくなる。
この点、本発明では、正方形板50に有する3個の雌ねじ部55が上から見えるため、正方形板50は初回のみ位置決めするだけで、3本の連結ボルト16を速やかに手締めすることができ、作業の迅速化が図れる。ナットのように脱落する頻度はごく少ない。よって、作業が容易になる。
【0056】
次に、変更例を説明する。
図11(a)に示すように、脚側通孔34は、長孔ではなく、正方形板50を
図8(a)のように正面向きで差し込んだ際の雌ねじ部55の各位置と、正方形板50を
図9(a)のように横向きで差し込んだ際の雌ねじ部55の各位置に設けた連結ボルト1本当たり2個の丸孔34、34であってもよい。
【0057】
また、
図11(b)に示すように、受け部31は、分割されていない形態であってもよい。また、この例では、脚柱部35は、脚底部46に、toxかしめと呼ばれるかしめ部58で固定されている。