【実施例】
【0018】
本発明を具体的に説明するために実施例を挙げるが、本発明は以下の実施例によって制限されるものではない。
【0019】
〔実施例1〜9、25及び26並びに比較例1〜5:うどんの製造〕
下記表1に示す組成の原料粉100質量部に対し、食塩4質量部、水37質量部をそれぞれ加え、製麺用ミキサーを用いて回転数90rpmで10分間混合し、麺生地を作製した。次いで、作製した麺生地を、製麺ロールを用いて圧延して厚さ3.5mmの麺帯にした後、10番の切り刃を通して厚さ3mmの麺線に加工し、未α化状態の生麺線を作製した。次いで、作製した生麺線を所定の浸漬用液に所定時間浸漬した(浸漬用液に浸漬しない生麺線も用意した)。次いで、生麺線を沸騰した湯を用いて対麺歩留りが190%になるように茹で時間を調整して茹で処理することで、生麺線のα化処理を行い、α化麺類としてのうどんを製造した。
【0020】
〔比較例6:うどんの製造〕
未α化状態の生麺線に対しα化処理(蒸し処理)を施した後、そのα化麺類を炭酸水に所定時間浸漬した。以上の点以外は、実施例6と同様にしてα化麺類としてのうどんを製造した。
【0021】
〔実施例10〜14及び比較例7:中華麺の製造〕
下記表2に示す組成の原料粉100質量部に対し、かんすい1質量部、水36質量部をそれぞれ加え、製麺用ミキサーを用いて回転数90rpmで10分間混合し、麺生地を作製した。次いで、作製した麺生地を、製麺ロールを用いて圧延して厚さ2.0mmの麺帯にした後、16番の切り刃を通して厚さ1.5mmの麺線に加工し、未α化状態の生麺線を作製した。次いで、作製した生麺線を所定の浸漬用液に所定時間浸漬した(浸漬用液に浸漬しない生麺線も用意した)。次いで、生麺線を沸騰した湯を用いて対麺歩留りが190%になるように茹で時間を調整して茹で処理することで、生麺線のα化処理を行い、α化麺類としての中華麺を製造した。
【0022】
〔実施例15〜19及び比較例8〜10:ノンフライ即席中華麺の製造〕
下記表3に示す組成の原料粉100質量部に対し、食塩1.2質量部及びかんすい(オリエンタル酵母社製「赤かんすい」)0.4質量部を水35質量部に溶かして調製した水溶液を加え、製麺用ミキサーを用いて回転数90rpmで10分間混合し、麺生地を作製した。次いで、作製した麺生地を、製麺ロールを用いて圧延して厚さ1.5mmの麺帯にした後、18番の切り刃を通して厚さ1.25mmの麺線に加工し、未α化状態の生麺線を作製した。次いで、作製した生麺線を所定の浸漬用液に所定時間浸漬した(浸漬用液に浸漬しない生麺線も用意した)。次いで、生麺線を温度100℃の蒸気で2分間蒸し処理することで、生麺線のα化処理を行った後、110℃の熱風で24分間乾燥して、α化麺類としてのノンフライ即席中華麺を製造した。
【0023】
〔比較例11:ノンフライ即席中華麺の製造〕
未α化状態の生麺線に対しα化処理を施した後、そのα化麺類を炭酸水に所定時間浸漬した。以上の点以外は、実施例16と同様にしてα化麺類としてのノンフライ即席中華麺を製造した。
【0024】
〔実施例20〜24及び比較例12:フライ即席中華麺の製造〕
生麺線のα化処理後の乾燥方法を熱風から油揚げ即ちフライに変更した以外は、前記のノンフライ即席中華麺の製造と同様にして、α化麺類としてのフライ即席中華麺を製造した。斯かるフライによる麺線の乾燥は、麺線を容器に入れ、150℃の油中で2分間フライすることによって実施した。
【0025】
前記各実施例及び比較例において、浸漬用液として用いたものは、水以外では下記の通り。浸漬用液として用いた水は、水道水である。
・炭酸水(市販品、pH4.4、液温20℃)
・実施例25で用いたpH4.7の炭酸水は、pH4.4の市販炭酸水と水道水との質量比50:50の混合液であり、実施例26で用いたpH5.1の炭酸水は、pH4.4の市販炭酸水と水道水との質量比20:80の混合液である。
・酢酸水溶液(株式会社ミツカン製「ミツカン醸造酢MHV−S」、pH4.4、酢酸濃度0.1質量%、液温20℃)
・乳酸水溶液(pH3.1、50%発酵乳酸濃度0.1質量%、液温20℃)
・クエン酸水溶液(pH3.1、クエン酸濃度0.05質量%、液温20℃)
・リンゴ酸水溶液(pH2.8、リンゴ酸濃度0.1質量%、液温20℃)
【0026】
〔評価試験1〕
各実施例及び比較例で製造したα化麺類(うどん、中華麺)を、その製造直後に水洗し、さらに必要に応じ冷却した後、10名のパネラーに喫食してもらい、下記評価基準に基づいて製造直後の麺類の粘弾性及び透明感をそれぞれ評価してもらった。
また別途、各実施例及び比較例で製造したα化麺類(うどん、中華麺)を、その製造直後に水洗し、さらに必要に応じ冷却した後、冷蔵庫内で24時間保管し、しかる後、10名のパネラーに喫食してもらい、下記評価基準に基づいて製造直後から一定時間経過後の麺類の食感についての老化耐性を評価してもらった。
尚、評価対象の麺類を喫食する際には、めんつゆをかけて麺類をほぐした。以上の評価結果(パネラー10名の平均点)を下記表1、表2及び表5に示す。
【0027】
〔評価試験2〕
各実施例及び比較例で製造したα化麺類(ノンフライ即席中華麺、フライ即席中華麺)60gを入れた容器に、450mlの沸騰水を注ぎ、蓋をして4分間かけて麺類を可食状態に復元した後、濃縮スープを入れて、10名のパネラーに喫食してもらい、下記評価基準に基づいて麺類の粘弾性、透明感、復元性及び滑らかさをそれぞれ評価してもらった。以上の結果(パネラー10名の平均点)を下記表3及び表4に示す。
【0028】
(粘弾性の評価基準)
5点:麺の粘弾性のバランスが極めて良好であった。
4点:麺の粘弾性のバランスが良好であった。
3点:麺の粘弾性のバランスがやや良好であった。
2点:麺の粘弾性のバランスがやや悪かった。
1点:麺の粘弾性のバランスが極めて悪かった。
(透明感の評価基準)
5点:麺の透明感が極めて良好であった。
4点:麺の透明感が良好であった。
3点:麺の透明感がやや良好であった。
2点:麺の透明感がやや悪かった。
1点:麺の透明感が極めて悪かった。
(老化耐性の評価基準)
5点:麺の老化耐性が極めて良好で、製造直後と比較して、軟らかさや粘弾性が極めて良好に維持されていた。
4点:麺の老化耐性が良好で、製造直後と比較して、軟らかさや粘弾性が良好に維持されていた。
3点:麺の老化耐性がやや良好で、製造直後と比較して、軟らかさや粘弾性が維持されていた。
2点:麺の老化耐性がやや悪く、製造直後と比較して、やや硬く脆い食感であった。
1点:麺の老化耐性が極めて悪く、製造直後と比較して、硬く脆い食感であった。
【0029】
(復元性の評価基準)
5点:麺の戻りが極めて良好であった。
4点:麺の戻りが良好であった。
3点:麺の戻りがやや良好であった。
2点:麺の戻りがやや悪かった。
1点:麺の戻りが極めて悪かった。
(滑らかさの評価基準)
5点:麺線表面の滑らかさが極めて良好であった。
4点:麺線表面の滑らかさが良好であった。
3点:麺線表面の滑らかさがやや良好であった。
2点:麺線表面の滑らかさがやや悪かった。
1点:麺線表面の滑らかさが極めて悪かった。
【0030】
【表1】
【0031】
【表2】
【0032】
【表3】
【0033】
【表4】
【0034】
【表5】