【実施例1】
【0013】
図1は、キャリーバッグカバー1を被せた状態のキャリーバッグ3、およびカバーケース40を示す斜視図である。
キャリーバッグ3は、前面ボディ3aと背面ボディ3bが閉じた状態で略立方体形状になるように形成されている。前面ボディ3aと背面ボディ3bは、左側面(
図1の左奥側)に図示省略する蝶番が付いており、この蝶番を軸心として前面ボディ3aと背面ボディ3bが相対的に回転して開閉できるように構成されている。
【0014】
前面ボディ3aと背面ボディ3bの右側面(
図1の右手前側)には、前面ボディ3aと背面ボディ3bを閉じた状態でロックできるリフトレバー6,6とサイドハンドル7が設けられている。このリフトレバー6,6により、前面ボディ3aと背面ボディ3bを閉じた状態で衝撃等を受けても開かないようにロックし、また、必要なときにロック解除して前面ボディ3aと背面ボディ3bを開けるようにしている。また、サイドハンドル7により、キャリーバッグ3を横向け(横長状態)にして持つことができ、普通人が腕を下へまっすぐ伸ばした状態でキャリーバッグ3が床に接触することなく運搬できる。
【0015】
キャリーバッグ3の背面ボディ3bの上面には、トップハンドル5(固定ハンドル)が設けられている。このトップハンドル5は、伸縮しないものであり、背面ボディ3bに固定されている。トップハンドル5により、縦長の状態でキャリーバッグ3を持ちあげて運搬できる。ただし、サイドハンドルと異なり、トップハンドル5を持った場合は、腕を曲げて持ち上げることでキャリーバッグ3を床に接触しない状態とすることができる。
【0016】
また、キャリーバッグ3の背面ボディ3bの上面背面側には、上下方向に伸縮できる引き伸ばしハンドル4が設けられている。この引き伸ばしハンドル4は、2本のアーム4b,4bの上端を把持バー4aで接続した形状である。これにより、アーム4b,4bが背面ボディ3b内に収納された短縮状態と、アーム4b,4bが背面ボディ3bから引き出された伸長状態とを適宜変更できるようにしている。これにより、手荷物としてキャリーバッグ3を預ける場合はアーム4b,4bを収納状態として邪魔にならないようにし、キャリーバッグ3をキャスター9により転がして搬送する場合はアーム4b,4bを伸長状態として把持バー4aを持ちやすくすることができる。
【0017】
キャリーバッグ3の底面には、4ヶ所の角付近にキャスター9が合計4つ設けられている。このキャスター9は、平面視360度自由に向きを変えることができ、かつ、タイヤ9aを回転させることができる。これにより、任意の方向へキャリーバッグ3を水平移動させる際にタイヤ9aが回転し、楽な力で搬送することができ、向きを変えるときも容易に向きを変えることができる。
【0018】
キャリーバッグカバー1は、内面サイズが、キャリーバッグ3の外面サイズとほぼ同じサイズ(同一サイズかそれより少し大きいサイズ)となるように伸縮性素材によって形成されている。この伸縮性素材は、例えばスウェットスーツ用の生地など、伸縮性を有する種々の生地とすることができる。なお、この伸縮性素材は、伸縮性に加えてクッション性も備えている素材であることが好ましく、スウェットスーツ用の生地とする、あるいは、スキューバダイビング等で用いられる生地とすることが好ましく、例えばクロロプレン、ラバー素材、ジャージー生地等の素材により形成することができる。
【0019】
この伸縮性素材の厚みは、キャスター9を接地させた状態のキャリーバッグ3の底面から地面までの空間距離の1/3以下とする必要があり、1/4以下とすることが好ましく、1/6以下とするがより好ましく、1/8以下とすることが好適である。このような厚みにすることで、キャリーバッグカバー1の最底面が地面に接触して擦れることを防止できる。
【0020】
また、この伸縮性素材の厚みは、1mm以上とすることができ、2mm以上とすることが好ましく、3mm以上とすることがより好ましく、3〜5mmとすることが好適である。このような厚みとすることで、クッション性を高めることができ、手荒に扱われて他のキャリーバッグ等と衝突した際にキャリーバッグ3に凹み等が生じることを防止できる。
【0021】
キャリーバッグカバー1は、上面10と周面20を有しており、底面は解放されていて開口27が設けられている。
【0022】
上面10は、キャリーバッグ3の上面の面積と同じか少し大きい程度の面積に形成されている。上面10は、背面側(
図1の右奥側)に横長の引き伸ばしハンドル用窓孔11が設けられ、中央より少し背面側に引き伸ばしハンドル用窓孔11と同じ横幅の固定ハンドル用窓孔12が設けられている。引き伸ばしハンドル用窓孔11は、引き伸ばしハンドル4を挿通できるように引き伸ばしハンドル4の平面視の面積よりも大きく形成されている。固定ハンドル用窓孔12は、固定ハンドルの1つであるトップハンドル5を挿通できるようにトップハンドル5の平面視の面積よりも大きく形成されている。
【0023】
なお、引き伸ばしハンドル用窓孔11と固定ハンドル用窓孔12の横幅は、同一でなくてもよく、それぞれ引き伸ばしハンドル4またはトップハンドル5を挿通できる大きさであればよい。
【0024】
この引き伸ばしハンドル用窓孔11および固定ハンドル用窓孔12により、利用者は、キャリーバッグカバー1を被せた状態でキャリーバッグ3の引き伸ばしハンドル4やトップハンドル5を持つことができる。従って、利用者や空港職員は、キャリーバッグカバー1を被せていない状態と同じように、キャリーバッグカバー1を被せたキャリーバッグ3の引き伸ばしハンドル4やトップハンドル5を持って運搬等することができる。
【0025】
周面20は、周方向がキャリーバッグ3の周面と同じか少し大きいくらいの大きさに形成され、上下方向(キャリーバッグ3に対する着脱方向)が接続用そで部25を除けばキャリーバッグ3の高さと同じ程度か少し短い程度に形成されている。この周面20は、孔が設けられておらず、上から下まで内周の大きさが同じ大きさとなるように構成されている。これにより、キャリーバッグ3(
図1参照)に被せるときおよび取り外すときに、キャリーバッグ3のリフトレバー6,6やサイドハンドル7等の突出部にひっかかる部分がなく、スムーズに取り扱えるようにしている。
【0026】
周面20の下端には、各面に接続用そで部25(25a〜25d)が延伸して設けられている。周面20の下端の角部は、接続用そで部25が存在せず、これによってキャスター9を露出するための露出窓27が形成されている。
【0027】
周面20のうちの左右の側面(後述の右側面20bおよび左側面20d)と上面10には、固定ハンドル用窓孔12から露出窓27までを一直線に連結/分断可能にするジッパー16と、このジッパー16を開閉するスライダー15が設けられている。これにより、スライダー15を開状態に移動させると、ジッパー16が開き、ジッパー16よりキャリーバッグカバー1の内側に設けられている等幅の拡張シート17(
図3(C)参照)が露出する。これにより、拡張シート17の幅だけキャリーバッグカバー1の周サイズを拡大することができ、より大きいキャリーバッグ3に被せることが可能となる。
【0028】
カバーケース40は、ジッパー42とスライダー41によって開閉できる袋状で、キャリーバッグ3のアーム4b,4bに装着できるベルト43を備えている。このカバーケース40は、キャリーバッグカバー1を折りたたんで収納できる大きさに構成されている。これにより、キャリーバッグカバー1をカバーケース40に収納してキャリーバッグ3のアーム4b,4bに装着しておくことができる。使うときはスライダー41をスライドされてジッパー42を開き、内部のキャリーバッグカバー1を容易に取り出すことができる。また、カバーケース40を装着する部位が、キャリーバッグ3のうち、キャリーバッグカバー1が被せられないアーム4b,4bであるため、キャリーバッグカバー1が被せられていてもいなくても、カバーケース40をキャリーバッグ3に固定しておくことができ、利用者が便利に利用できる。
【0029】
図2および
図3は、不使用時のキャリーバッグカバー1の詳細な構造を説明する説明図である。
図2(A)は平面図、
図2(B)は正面図、
図2(C)は右側面図、
図2(D)は底面図、
図3(A)は左側面図、
図3(B)は背面図を示す。
【0030】
図2(A)に示すように、周面20は、正面20a、左側面20b、背面20c、および右側面20dにより構成されている。
【0031】
正面20a、右側面20b、背面20c、および左側面20dの下端には、
図2(B)及び
図2(C)に示すように、それぞれ正面接続用そで部25a、右側面接続用そで部25b、背面接続用そで部25c、および左側面接続用そで部25dが、各正面20a、右側面20b、背面20c、および左側面20dの下端を延伸するようにして設けられている。
【0032】
正面接続用そで部25aは、外面(表面)に面ファスナ雌30aが設けられている。この面ファスナ雌30aは、正面接続用そで部25aのほぼ全面に渡って設けられている。なお、面ファスナとは、面ファスナ雄と面ファスナ雌からなる、所謂マジックテープ(日本登録商標)と呼ばれるものである。面ファスナは、面ファスナ雄と面ファスナ雌が対向して重ねられると、互いに接続されて簡単には離れなくなり、強い力で引きはがすと離れるものであり、この重ねた接続状態と離した分離状態に何度でも切り替えできるものである。
【0033】
この正面接続用そで部25aと背面接続用そで部25cは、前後方向接続用そで部として機能する。また、右側面接続用そで部25bおよび左側面接続用そで部25dは、左右方向接続用そで部として機能する。
【0034】
図2(B)に示すように、右側面接続用そで部25bおよび左側面接続用そで部25dは、内面(裏面)に面ファスナ雄30bが設けられている。この面ファスナ雄30bは、右側面接続用そで部25bの基部側には設けられておらず、少なくとも先端側には設けられており、図示の例では基部側を少し除いてほぼ全面に渡って設けられている。
【0035】
図2(C)に示すように、背面接続用そで部25cは、内面(裏面)に面ファスナ雄30cが設けられている。この面ファスナ雄30cは、背面接続用そで部25cの先端付近に設けられている。すなわち、
図3(B)に示すように、面ファスナ雄30cを背面接続用そで部25cの先端付近に設けている。これにより、面ファスナ雄30cを広い面ファスナ雌30aのどこかに接続することができる。
【0036】
横断面が四角形となる周面20の各角部の下端は、
図2(B)および
図2(C)に示すように、開口27の縁となっている。この開口27の下方位置、すなわち、正面接続用そで部25a、右側面接続用そで部25b、背面接続用そで部25c、および左側面接続用そで部25dの各間の隙間部分には、キャリーバッグ3(
図1参照)に被せた際にキャスター9(
図1参照)が露出する隙間となるキャスター用窓23が設けられている。
【0037】
正面接続用そで部25aおよび背面接続用そで部25cの少なくともキャスター9の内側付近の横幅は、キャスター9の内側間隔D1よりも短く形成されている。また、右側面接続用そで部25bおよび左側面接続用そで部25dの少なくともキャスター9の内側付近の横幅は、キャスター9の内側間隔D2よりも短く形成されている。これにより、正面接続用そで部25a、右側面接続用そで部25b、背面接続用そで部25c、および左側面接続用そで部25dがキャスター9の回転機能を妨げることないように、キャリーバッグカバー1をキャリーバッグ3に装着できるようにしている。
【0038】
上面10、右側面20b、および左側面20dには、上面10の引き伸ばしハンドル用窓孔11の左右の横縁から背面20cと並行に右側面20b、および左側面20dの下端となる開口27まで真っ直ぐに伸びるジッパー16が左右対称に設けられている。このジッパー16は、上面10、右側面20b、および左側面20dを正面側と背面側の間で接続しているものであり、スライダ11が上下動されると開閉を行うものである。すなわち、ジッパー16は、上面10、右側面20b、および左側面20dを前面側と背面側とに分離可能に接続しており、スライダー15によって開状態にされると、ジッパー16が離間して間に拡張シート17が露出する。これによってキャリーバッグカバー1を前後方向に広げることができ、前後方向の厚みが厚いキャリーバッグ3に被せることも可能となる。
【0039】
図4(A)の正面図、および
図4(B)の底面図は、対応可能な最も小さいサイズのキャリーバッグ3に被せることを想定したキャリーバッグカバー1の図を示している。この図に示すように、正面接続用そで部25a、右側面接続用そで部25b、背面接続用そで部25c、および左側面接続用そで部25dを湾曲若しくは屈曲させ、互いに面ファスナ30a,30b,30c,30が雄雌で重なりあうようにして接続する。このとき、開口27の下方にはキャスター用窓23が設けられている。
【0040】
図4(C)の正面図、
図4(D)の底面図に示すように、正面接続用そで部25a、右側面接続用そで部25b、背面接続用そで部25c、および左側面接続用そで部25dをできるだけ長く(つまり基部側を少なく残して)内側へ折り曲げる。これにより、キャスター9(
図1参照)を露出させながら、右側面接続用そで部25b、背面接続用そで部25c、および左側面接続用そで部25dを接続することができる。また、この状態のとき、正面接続用そで部25aに設けられた面ファスナ30cの底面側に、右側面接続用そで部25bおよび左側面接続用そで部25dの面ファスナ雄30b,30dを接触させて接続し、さらにその底面側に背面接続用そで部25cを重ねてファスナ30cを接触させて接続する。これにより、左右の右側面接続用そで部25bおよび左側面接続用そで部25dの上から(底面側から)、背面接続用そで部25cを重ねて接続することができる。なお、この面ファスナ30a,30b,30c,30dは、接続固定手段として機能する。
【0041】
図4(D)の正面図および
図4(E)の底面図は、対応可能な大きいサイズのキャリーバッグ3(
図1参照)にキャリーバッグカバー1を被せることを想定したキャリーバッグカバー1の図を示している。この図に示すように、正面接続用そで部25a、右側面接続用そで部25b、背面接続用そで部25c、および左側面接続用そで部25dを、基部側がなるべく多く残された状態で湾曲若しくは屈曲させ、互いに面ファスナ30a,30b,30c,30が雄雌で重なりあうようにして接続する。このとき、開口27の下方にはキャスター用窓23が設けられている。
【0042】
これにより、キャスター9(
図1参照)を露出させながら、右側面接続用そで部25b、背面接続用そで部25c、および左側面接続用そで部25dを接続することができる。また、この状態のとき、正面接続用そで部25aに設けられた面ファスナ30cの底面側に、右側面接続用そで部25bおよび左側面接続用そで部25dの面ファスナ雄30b,30dを接触させて接続し、同様に背面接続用そで部25cの面ファスナ雄30cを接触させて接続する。これにより、キャリーバッグカバー1を縦長にした状態にでき、通常よりも縦に長いキャリーバッグ3を収納することができる。
【0043】
キャリーバッグカバー1を構成する各シートの継ぎ目及び縁には、全て糸で縫われた縫い目18が設けられている。
【0044】
以上の構成を有することにより、キャリーバッグカバー1は、キャリーバッグ3に被せてキャリーバッグ3を傷がつかないように保護できる。キャリーバッグカバー1は、伸縮性の素材により形成されているため、キャリーバッグ3の大きさが多少異なっていても、素材そのものが伸びてキャリーバッグカバー1をキャリーバッグ3に被せることができる。
【0045】
また、キャリーバッグカバー1は、ある程度の厚みがあってクッション性を有する素材で構成されているため、金属製のキャリーバッグ3等の衝突によるへこみや、プラスチック製のキャリーバッグ3等の衝突による破損を防止することができる。
【0046】
また、素材が伸びても入らないような大きさのキャリーバッグ3の場合、厚み方向や横幅方向については、スライダー15を移動させてジッパー16を開き、キャリーバッグケース1の内周サイズを大きくしてキャリーバッグ3を収納することができる。
【0047】
また、素材が伸びても入らないような高さのキャリーバッグ3の場合、正面接続用そで部25a、右側面接続用そで部25b、背面接続用そで部25c、および左側面接続用そで部25dの接続位置を変化させることで対応することができる。
【0048】
すなわち、
図4(A)および
図4(B)に示すように、正面接続用そで部25aの面ファスナ雌30aが前後方向(基部から先端の方向,長さ方向)に長く形成されていることにより、背面接続用そで部25cの面ファスナ雄30cを前後方向(基部から先端の方向,長さ方向)の任意の位置で接続することができ、正面接続用そで部25aの面ファスナ雌30aが左右方向(幅方向)に幅広に形成されていることにより、右側面接続用そで部25bの面ファスナ雄30b、および左側面接続用そで部25dの面ファスナ雄30dを左右方向(基部から先端の方向,長さ方向)の任意の位置で接続できる。
【0049】
換言すると、正面接続用そで部25a、右側面接続用そで部25b、背面接続用そで部25c、および左側面接続用そで部25dの接続部位までの長さが最小限となるように接続した状態から、
図4(C)および
図4(D)に示すように、正面接続用そで部25a、右側面接続用そで部25b、背面接続用そで部25c、および左側面接続用そで部25dの接続部位までの長さが最大限となるように接続した状態まで、キャリーバッグ4の高さに合わせて自由な長さに接続することができる。
【0050】
また、正面接続用そで部25aおよび背面接続用そで部25cにより、前後方向に底面を被覆して保護できると共に、右側面接続用そで部25bおよび左側面接続用そで部25dにより、左右方向に底面を被覆して保護することができる。これにより、キャリーバッグ3の底面の4つ角に設けられたキャスター9を露出させつつ、底面の4辺を保護することができ、段差等でキャリーバッグ3の底辺の角が衝突したときも傷つかないように保護できる。
【0051】
また、底面をこれらの接続用そで部25(25a〜25d)でしっかり止めていることにより、キャリーバッグカバー1がキャリーバッグ3から外れてしまうことを防止できる。これにより、例えば空港貨物として手荒に扱われベルトコンベアで搬送されても、キャリーバッグカバー1が外れてしまって保護機能を失いキャリーバッグ3に傷が付くといったトラブルを防止できる。
【0052】
また、横幅が狭い方である右側面接続用そで部25bおよび左側面接続用そで部25dの長さが、キャリーバッグ3の底面側へ折り曲げた際に重ならない程度に形成されているため、キャリーバッグ3の底面から地面の間でキャリーバッグカバー1が厚くなって地面に接触することを防止できる。すなわち、対応可能で最も小さなサイズのキャリーバッグ3を収納したときに、正面接続用そで部25a、右側面接続用そで部25b、背面接続用そで部25c、および左側面接続用そで部25dが全て底面側で重なると、4枚分の厚みとなるために、地面からの離間距離が短くなる。そうすると、地面のがたつきや段差によってっキャリーバッグカバー1の最底面が地面に接触しやすくなる。これに対して、対応可能で最も小さなサイズのキャリーバッグ3を収納したときでも右側面接続用そで部25bと左側面接続用そで部25dが重なりあうことがないため、底部が厚くなりすぎることがなく、地面からの離間距離を確保することができる。
【0053】
また、正面接続用そで部25aの面ファスナ雌30aを左右方向に幅広に設けているため、
図4(B)および
図4(D)に示したように、右側面接続用そで部25bの面ファスナ雄30bと左側面接続用そで部25dが左右方向の長さを様々に変化させても接続することができる。
【0054】
また、背面接続用そで部25cにも面ファスナ雄30cを設けているため、正面接続用そで部25aの面ファスナ雌30aに接続することができる。すなわち、雌側(雄雌の一方)は、正面接続用そで部25aの面ファスナ雌30aのみであり、残り3つの接続用そで部に設けられた面ファスナが全て雄側(雄雌の他方)の面ファスナ雄30b,30c,30dとなっている。これにより、広い面積に形成されている面ファスナ雌30aに、他の全ての面ファスナ雄30b,30c,30dを接続することができ、止める位置を自由自在に変更できる。従って、前後左右方向の大きさや高さが異なる様々なキャリーバッグ3にキャリーバッグカバー1を被せても、しっかりと底面で接続して止めることができる。
【実施例3】
【0058】
図5(B)、
図5(C)は、実施例3のキャリーバッグカバー61を説明する説明図である。
図5(B)は、キャリーバッグカバー61の底面図であり、
図5(C)は、キャリーバッグカバー61の右側面図である。
【0059】
この実施例3は、実施例1の背面接続用そで部25c(
図2参照)を備えず、実施例1の正面接続用そで部25a(
図2参照)をキャリーバッグ3に対する着脱方向へさらに長くした正面接続用そで部75aを備えている。正面接続用そで部75aの外面には、広い面積に渡って面ファスナ雌80aが設けられている。この面ファスナ雌80aには、右側面接続用そで部75bの内面に設けられた面ファスナ雄80bと、左側面接続用そで部75dの内面に設けられた面ファスナ雄80dが接続固定される。正面接続用そで部75aの先端の内面には、背面20cの下方外面に設けられた面ファスナ雄80cに接続固定される面ファスナ雌80eが設けられている。この面ファスナ雌80eは、面ファスナ雄80cを接続固定する接続相手として機能する。
【0060】
その他の構成については、実施例1若しくは実施例2と同一であるため、同一要素に同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
【0061】
以上の構成により、キャリーバッグカバー51は、実施例1のキャリーバッグカバー1と同一の作用効果を奏することができる。また、右側面接続用そで部75bと左側面接続用そで部75dが斜面77d,77bを有して互いに厚み方向に重なることなく固定できるため、より背の高いキャリーバッグ3(
図1参照)からより背の低いキャリーバッグ3(
図1参照)まで対応することができる。
【0062】
また、背面20cに正面接続用そで部75aを接続することにより、実施例1の背面接続用そで部25cを削除できる。
【0063】
また、キャリーバッグ3の底面より下方で重ねて接続固定されるものは、正面接続用そで部75aと右側面接続用そで部75bと左側面接続用そで部75dのみとなり、しかも右側面接続用そで部75bと左側面接続用そで部75dは互いに重ならない状態で使用される。そうすると、キャリーバッグ3の底面より下方で重ねて接続固定される枚数は最大2枚となり、底部での厚みを削減することができる。
【0064】
この発明は、本実施形態に限られず他の様々な実施形態とすることができる。
例えば、面ファスナは、雄と雌を逆にする、ボタンとボタンホールにする、あるいファスナップボタンの雄と雌とするなど、適宜の構成とすることも可能である。ただし、面ファスナとすることで、正確に位置決めせずとも接続固定でき、かつ、任意の長さで容易かつ迅速に接続固定することが可能となる。また、外面に面ファスナ雌30a,80a,80eを配置し、内面に面ファスナ雄30b,30c,30d,80b,80c,80dを配置することで、面ファスナ雄が露出してセーター等の意図しない物が接続されることを防止できる。従って、面ファスナを採用することで利便性が向上し、利用者の満足度を向上させることができる。
【0065】
なお、キャリーバッグカバー1の大きさは、キャリーバッグ3よりも少し小さい大きさとしても良い。この場合でも、素材の伸縮力によって広がり、キャリーバッグ3に被せることができる。この場合、キャリーバッグ3によりぴったりとフィットするキャリーバッグカバー1を提供できる。
【0066】
また、キャリーバッグカバー1は、1〜3泊用の小型キャリーバッグに適した小型サイズ、4〜7泊用の中型キャリーバッグに適した中型サイズ、7〜14泊用の大型キャリーバッグに適した大型サイズといったように、いくつかの種類を設けても良い。この場合、適切な大きさのキャリーバッグカバー1を用いることで、各種類の中でも様々な大きさの違いがある多種多様なキャリーケースに対して適切に装着することができる。
【0067】
また、ジッパー16とスライダー15を設けず、これによって前後方向に広がる機能も排除してシンプルな構成としてもよい。この場合も素材の伸縮性によってある程度の大きさの違いに対応できる上に、シンプルな構成で安価に提供することが可能になる。