(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0021】
[第1実施形態]
以下、
図1〜
図4に基づいて、第1実施形態に係る燃料タンク10について説明する。なお、燃料タンク10は、図示しない車両に搭載されている。各図に示される矢印FRは車両前方、矢印Wは車幅方向、矢印UPは車両上方を示す。以下、単に上下の方向について説明する場合は、車両上下方向の上下を示すものとする。また、単に左右と記載する場合は、車両の進行方向を向いた状態における車幅方向の左側、右側を示すものとする。車両前後方向、車幅方向及び車両上下方向は、互いに直交する。
【0022】
図1に示す燃料タンク10は、液体の燃料Aが貯留されるタンク本体20と、タンク本体20の内部に設けられたサブタンク30とを有する。また、燃料タンク10には、供給パイプ12と、供給パイプ12の下端の燃料吸込み口12Aを通してタンク本体20の内部の燃料Aを図示しない車両のエンジンに送り出すポンプモジュール14とが設けられている。
【0023】
〔タンク本体〕
タンク本体20は、一例として、車両上下方向に互いに対向した一対の壁部である底壁22及び上壁24と、底壁22の外周縁部と上壁24の外周縁部とを車両上下方向に繋いだ側壁26とを有しており、中空の略直方体形状に形成されている。そして、タンク本体20では、底壁22と側壁26と上壁24とに囲まれた内部に燃料Aが貯留されている。タンク本体20は、一例として、熱可塑性樹脂で構成されている。また、タンク本体20は、一例として、車幅方向を長手方向とし、車両前後方向を短手方向として配置されている。
【0024】
底壁22は、車幅方向及び車両前後方向に延在されている。言い換えると、底壁22は、略水平方向に沿って配置されている。上壁24は、車幅方向及び車両前後方向に延在されており、略水平方向に沿って配置されている。また、上壁24の車幅方向及び車両前後方向の中央部には、車両上下方向に貫通した貫通孔28が形成されている。上壁24における貫通孔28の上側には、蓋部材18が設けられている。蓋部材18は、貫通孔28を覆っている。なお、蓋部材18には、車両上下方向に貫通した貫通孔19が形成されている。そして、供給パイプ12は、貫通孔19及び貫通孔28に隙間が無いように挿通されている。供給パイプ12の燃料吸込み口12Aは、後述するサブタンク30の下壁32の上方でかつ壁部34の上面よりも低い位置に、下壁32と間隔をあけて配置されている。
【0025】
〔サブタンク〕
図2に示すサブタンク30は、一例として、熱可塑性樹脂で構成されており、下壁32と、下壁32の外周縁部に立設された壁部34と、壁部34に形成された開口部36と、壁部34に形成された支柱部40とを有する。
【0026】
<下壁>
下壁32は、車幅方向及び車両前後方向に延在されており、一例として、車両上下方向から見た場合に、車両前後方向が車幅方向よりも長い略長方形状に形成されている。また、下壁32は、底壁22の車両上下方向の上側の上面22A(
図1参照)に載置されている。言い換えると、下壁32は、略水平方向に沿って配置されている。なお、下壁32の車両上下方向の下側の下面32Aは、上面22Aと接触しているが、上面22Aには固定されていない。つまり、下面32A及び上面22Aには、接着や溶着等の固定手段は用いられていない。
【0027】
<壁部>
壁部34は、タンク本体20(
図1参照)の内部にサブタンク30を設けた状態において、車両上下方向に沿って直立される。言い換えると、壁部34は、タンク本体20の内部で底壁22に立設されている。また、壁部34は、一例として、下壁32の外周縁部のうち、車幅方向の両端部及び車両前後方向の後端部に車両上下方向に沿って立設されている。
【0028】
具体的には、壁部34は、右壁37と、左壁38と、後壁39とで構成されている。また、壁部34は、車両上下方向から見て車両前後方向の前側が開放された略U字状に形成されている。右壁37、左壁38及び後壁39の車両上下方向の高さは、一例として、ほぼ同じ高さに揃えられている。また、右壁37、左壁38及び後壁39の車両上下方向の高さは、一例として、タンク本体20の内部空間における車両上下方向の高さの1/3程度とされている(
図1参照)。なお、壁部34の車両上下方向の上端の面を上端面34Aと称する。
【0029】
右壁37は、車幅方向から見た場合に、車両上下方向が車両前後方向に比べて短い略矩形状に形成されている。また、右壁37は、下壁32の車両前後方向の前端から後端まで延在されている。左壁38は、車幅方向から見た場合に、車両上下方向が車両前後方向に比べて短い略矩形状に形成されている。また、左壁38は、下壁32の車両前後方向の前端から後端まで延在されている。右壁37と左壁38は、車幅方向に対向している。
【0030】
後壁39は、車両前後方向から見た場合に、車両上下方向が車幅方向に比べて短い略矩形状に形成されている。また、後壁39は、下壁32の車幅方向の左端から右端まで延在されており、右壁37の後端部及び左壁38の後端部に繋がっている。
【0031】
図1に示すように、タンク本体20の内部に壁部34が立設されることで、タンク本体20の内部でかつ車両上下方向の中央よりも下側の空間部は、サブタンク30よりも外側の本体貯留部21Aと、サブタンク30の内側の補助貯留部21Bとに区画されている。つまり、タンク本体20の内部では、サブタンク30の補助貯留部21Bに燃料Aの一部が貯留される。
【0032】
<開口部>
図2に示すように、開口部36は、下壁32の前端部と、右壁37の前端部と、左壁38の前端部とで構成され、車両前後方向から見た場合に上側が開放された略U字状に形成された部位である。言い換えると、開口部36は、壁部34の前端に形成されている。また、開口部36では、燃料A(
図1参照)が流通するように(流入及び流出が可能に)なっている。サブタンク30では、燃料Aの液面の高さが壁部34の高さより低い場合には、開口部36を通ってサブタンク30の内部に燃料Aが流入する。
【0033】
<支柱部>
支柱部40は、一例として、右壁37の前端部と、左壁38の前端部と、後壁39の車幅方向の中央部とにおいて、壁部34と一体に形成されている。つまり、支柱部40は、一例として、3本(複数)形成されている。なお、これら3本の支柱部40は、一例として、配置角度の違いを除いて同様の構成とされている。このため、左壁38と一体に形成された支柱部40について説明し、他の2つの支柱部40の説明を省略する。
【0034】
支柱部40は、一例として、直立部42と、直立部42の車両上下方向の下端に形成された下フランジ44と、直立部42の車両上下方向の上端に形成された上フランジ46と、補強用のリブ47及びリブ48とを含んで構成されている。また、直立部42には、脆弱部50が形成されている。脆弱部50の詳細については後述する。
【0035】
(直立部)
直立部42は、壁部34の厚さとほぼ同じ厚さとされた板状部であり、壁部34の立設方向(車両上下方向)に沿って延在されている。ここで、直立部42を、下側直立部42Aと上側直立部42Bとに区分する。下側直立部42Aは、直立部42のうち、タンク本体20の上面22A(
図1参照)から壁部34の上端面34Aまでの範囲に位置する部位であり、壁部34と支柱部40とが一体化されている部位である。一方、上側直立部42Bは、上端面34Aよりも上側の範囲に位置する部位である。
【0036】
(下フランジ)
下フランジ44は、下側直立部42Aの下端部から壁部34よりも外側へ向けて張出された部位である。また、下フランジ44は、車両上下方向から見た場合に、車幅方向を長軸方向とする略半楕円状に形成されている。下フランジ44の車両上下方向の厚さは、一例として、下壁32の車両上下方向の厚さとほぼ同じとされている。
【0037】
(上フランジ)
上フランジ46は、上側直立部42Bの上端部から上側直立部42Bよりも外側へ向けて張出された部位である。また、上フランジ46は、車両上下方向から見た場合に、下フランジ44と同様に、車幅方向を長軸方向とする略半楕円状に形成されている。上フランジ46の大きさは、一例として、下フランジ44の大きさとほぼ同じとされている。言い換えると、上フランジ46の車両上下方向の厚さは、一例として、下フランジ44の車両上下方向の厚さとほぼ同じとされている。
【0038】
図1に示す下フランジ44の車両上下方向の下側の面である下面44Aは、一例として、底壁22の上面22Aに熱溶着されている。また、上フランジ46の車両上下方向の上側の面である上面46Aは、一例として、上壁24の車両上下方向の下側の面である下面24Aに熱溶着されている。熱溶着とは、熱可塑性樹脂同士を接合する技術であり、超音波溶着や高周波溶着等も含まれる。このように、支柱部40は、底壁22及び上壁24に接合されている。言い換えると、支柱部40は、底壁22と上壁24との間に車両上下方向に沿って架設されている。
【0039】
(リブ)
図2に示すリブ47は、車両前後方向を厚さ方向とする板状部である。また、リブ47は、下フランジ44の上面と下側直立部42Aの外面とを繋いでいる。さらに、リブ47は、車両前後方向から見た場合に略直角三角形状に形成されている。そして、リブ47は、下フランジ44及び下側直立部42Aの変形を抑制している。言い換えると、リブ47は、下フランジ44及び下側直立部42Aに作用する外力に抵抗する。
【0040】
リブ48は、車両前後方向を厚さ方向とする板状部である。また、リブ48は、上フランジ46の下面と上側直立部42Bの外面とを繋いでいる。さらに、リブ48は、車両前後方向から見た場合に略直角三角形状に形成されている。そして、リブ48は、上フランジ46及び上側直立部42Bの変形を抑制している。言い換えると、リブ48は、上フランジ46及び上側直立部42Bに作用する外力に抵抗する。
【0041】
<脆弱部>
脆弱部50は、上側直立部42Bに形成されている。具体的には、脆弱部50は、一例として、上側直立部42Bの車両上下方向の略中央部に形成されている。言い換えると、脆弱部50は、支柱部40の車両上下方向の中央よりも上側に形成されている。脆弱部50は、一例として、上側直立部42Bの車両上下方向の一部が車幅方向の中央に向けて窪むことで形成されている。また、脆弱部50は、一例として、上側直立部42Bの車両前後方向の幅が徐々に短くされることで形成された曲面状の凹部として形成されている。
【0042】
さらに、脆弱部50は、一例として、車両前後方向の一方側の窪み量と他方側の窪み量とがほぼ等しい形状とされている。なお、ここでは左壁38における脆弱部50について説明している。このため、後壁39における脆弱部50については、窪み方向である車両前後方向を車幅方向に読み換えるものとする。
【0043】
図3に示すように、脆弱部50は、支柱部40の立設方向(車両上下方向)と直交する断面52の面積S1が、上側直立部42Bの立設方向と直交する断面のうち最も断面積が大きい断面54の面積S2よりも小さくされた部位である。断面52及び断面54は、車両上下方向から見た場合に略矩形状に形成されている。なお、断面54は、他の部位の一例である。
【0044】
脆弱部50の形状及び大きさは、支柱部40とタンク本体20(
図1参照)との接合部分に作用する圧縮力又は引張力が許容範囲内の大きさの力である場合には、脆弱部50において圧縮力又は引張力に抵抗できるように設定されている。また、脆弱部50の形状及び大きさは、支柱部40とタンク本体20との接合部分に作用する圧縮力又は引張力が許容範囲を超える大きさである場合には、該接合部分ではなく脆弱部50が破断するように設定されている。
【0045】
〔作用〕
次に、第1実施形態の燃料タンク10の作用並びに効果について説明する。
【0046】
図1に示す燃料タンク10では、タンク本体20の内部に図示しない供給口から燃料Aが流入した場合に、燃料Aの一部が補助貯留部21Bに貯留され、残りが本体貯留部21Aに貯留される。また、燃料タンク10では、タンク本体20の内圧が変動した場合に、タンク本体20が変形する。例えば、タンク本体20の内部の温度が外部の温度よりも上昇し、燃料Aが蒸発してタンク本体20の内圧が大気圧よりも高くなる正圧状態となった場合では、
図4(B)に示すように、タンク本体20が膨張する。
【0047】
一方、ポンプモジュール14により燃料Aが送り出され、タンク本体20の内圧が大気圧よりも低くなる負圧状態となった場合では、
図4(A)に示すように、タンク本体20が収縮する(窪む)。なお、タンク本体20の内部が負圧状態となるのは、燃料Aが送り出される場合に限らず、例えば、タンク本体20の内部の温度が外部の温度よりも低下する場合が挙げられる。
【0048】
燃料タンク10では、タンク本体20の底壁22と上壁24との間に支柱部40が架設されており、タンク本体20が膨張又は窪んだ場合に、支柱部40が引張力又は圧縮力に抵抗する。これにより、タンク本体20の変形を抑制することができる。特に、タンク本体20に支柱部40が接合されている部分では、底壁22と上壁24との間隔の変動を抑制することができる。また、タンク本体20の変形が抑制されることにより、サブタンク30が底壁22から浮き上がることが抑制されるので、ポンプモジュール14によりサブタンク30から燃料Aを送り出すときに、送り出しきれない燃料Aの量を少なくすることができる。
【0049】
ここで、支柱部40は、壁部34と一体に形成され、壁部34の立設方向に沿って延在されているので、支柱部40と壁部34とが別体とされた構成に比べて、簡単な構造でタンク本体20の変形を抑制することができる。
【0050】
また、燃料タンク10では、支柱部40が下フランジ44及び上フランジ46を有しているため、フランジの無い構成に比べて、支柱部40と底壁22及び上壁24との接合部分の面積(溶着面積)が広い。これにより、各フランジの無い構成に比べて、タンク本体20の変形を抑制することができる。
【0051】
図2に示すように、支柱部40では、リブ47及びリブ48が形成されているので、直立部42が下フランジ44及び上フランジ46に対して相対変位し難い。これにより、燃料タンク10では、リブ47及びリブ48が無い構成に比べて、支柱部40の立設方向(車両上下方向)に対する傾きが抑制されるので、支柱部40が接合されたタンク本体20の変形を抑制することができる。
【0052】
また、燃料タンク10では、壁部34に複数(一例として3本)の支柱部40が形成されている。このため、タンク本体20が膨張し又は収縮する場合に、1箇所の支柱部40で引張力又は圧縮力に抵抗する構成に比べて、タンク本体20の変形を抑制することができる。
【0053】
次に、例えば、車両の衝突などにより、
図1に示す燃料タンク10に対して大荷重が入力された場合について説明する。燃料タンク10では、許容範囲を超える大きな荷重がタンク本体20に入力された場合には、タンク本体20から支柱部40に荷重が伝達されたときに、脆弱部50(
図2参照)がこの荷重に抵抗できなくなり、脆弱部50が破断される。このように、燃料タンク10では、タンク本体20に大きな荷重が入力された場合に脆弱部50で破断が生じることで、支柱部40と底壁22との接合部位及び支柱部40と上壁24との接合部位に過度な応力が集中することが抑制される。これにより、タンク本体20と支柱部40との接合部分の耐久性を良好に維持することができる。
【0054】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態に係る燃料タンク10について説明する。なお、前述の第1実施形態に係る燃料タンク10(
図1参照)と同様の機能を有する部品及び部分については、第1実施形態で用いた符号と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0055】
第2実施形態の燃料タンク10は、タンク本体20(
図1参照)と、サブタンク60(
図5参照)とを有する。サブタンク60は、一例として、熱可塑性樹脂で構成されており、下壁32と、壁部34と、開口部36と、支柱部70(
図5参照)とを有する。
【0056】
<支柱部>
図5に示すように、支柱部70は、一例として、右壁37の前端部と、左壁38の前端部と、後壁39の車幅方向の中央部とにおいて、壁部34と一体に形成されている。つまり、支柱部70は、一例として、3本形成されている。なお、これら3本の支柱部70は、一例として、配置角度の違いを除いて同様の構成とされている。このため、左壁38と一体に形成された支柱部70について説明し、他の2本の支柱部70の説明を省略する。
【0057】
支柱部70は、一例として、直立部72と、直立部72の車両上下方向の下端に形成された下フランジ44と、直立部72の車両上下方向の上端に形成された上フランジ46とを含んで構成されている。直立部72には、変位許容部80が設けられている。変位許容部80の詳細については後述する。支柱部70は、底壁22及び上壁24(
図1参照)に接合されている。言い換えると、支柱部70は、底壁22と上壁24との間に車両上下方向に沿って架設されている。
【0058】
(直立部)
図6に示すように、直立部72は、壁部34(
図5参照)の立設方向に沿って延在されている。ここで、直立部72を、下側直立部72Aと、繋ぎ部72Bと、上側直立部72Cとに区分する。下側直立部72Aの上端と繋ぎ部72Bの下端とが連結される部位と、繋ぎ部72Bの上端と上側直立部72Cの下端とが連結される部位とには、変位許容部80が設けられている。
【0059】
下側直立部72Aは、直立部72のうち、上面22A(
図1参照)から上端面34A(
図5参照)よりも車両上下方向の上側でかつ変位許容部80まで延在する部位であり、壁部34(
図5参照)と支柱部70とが一体化されている部位である。また、下側直立部72Aは、壁部34の厚さとほぼ同じ厚さとされた板状部である。さらに、下側直立部72Aの上端には、車幅方向から見た場合に上側に開口する凹状部73が形成されている。凹状部73の車両前後方向の両外側には、2つの連結部74が形成されている。連結部74は、車両前後方向から見た場合に、略円筒状に形成されている。連結部74には、連結部74を車両前後方向に貫通する貫通孔74Aが形成されている。
【0060】
繋ぎ部72Bは、一例として、被連結部75と、柱状部76と、被連結部77とが一体化された部材で構成されている。
【0061】
被連結部75は、車両前後方向から見た場合に、略円筒状に形成されている。被連結部75には、被連結部75を車両前後方向に貫通する図示しない貫通孔が形成されている。また、被連結部75の車両前後方向の長さは、凹状部73に収容される長さとされている。
【0062】
柱状部76は、車両前後方向から見た場合に被連結部75の周壁の頂部となる部位でかつ被連結部75の車両前後方向の中央部から、車両上下方向の上側へ柱状に延在されている。また、柱状部76の上端は、車両前後方向から見た場合に被連結部77の周壁の底部となる部位でかつ被連結部77の車両前後方向の中央部と繋がっている。具体的には、柱状部76は、車両上下方向に延在する略円柱状の軸部76Aと、軸部76Aの外周面と被連結部75、77とを繋ぐ4つのリブ76Bとで構成されている。4つのリブ76Bは、軸部76Aの周方向に等間隔で配置されている。また、リブ76Bは、軸部76Aの周方向から見た場合に、略直角三角形状に形成されている。
【0063】
被連結部77は、車幅方向から見た場合に、略円筒状に形成されている。被連結部77には、被連結部77を車幅方向に貫通する図示しない貫通孔が形成されている。また、被連結部77の車幅方向の長さは、一例として、被連結部75の車両前後方向の長さとほぼ同じ長さとされている。被連結部77は、車両上下方向から見た場合に、被連結部75とほぼ直交する配置とされている。
【0064】
上側直立部72Cは、変位許容部80よりも上側の範囲に位置する部位である。また、上側直立部72Cは、壁部34(
図5参照)の厚さとほぼ同じ厚さとされた板状部である。さらに、上側直立部72Cは、車両上下方向から見た場合に、下側直立部72Aとほぼ直交する配置とされている。さらに、上側直立部72Cの下端には、車幅方向から見た場合に下側に開口する凹状部78が形成されている。凹状部78の車両前後方向の両外側には、2つの連結部79が形成されている。なお、凹状部78の車両前後方向の間隔は、被連結部77を収容する大きさとされている。連結部79は、車両前後方向から見た場合に、略円筒状に形成されている。連結部79には、連結部79を車両前後方向に貫通する貫通孔79Aが形成されている。
【0065】
<変位許容部>
変位許容部80は、支柱部70の車両上下方向の中央よりも上側に設けられている。
図6に示すように、変位許容部80は、一例として、車両上下方向の下側に設けられた下側ヒンジ部82と、下側ヒンジ部82よりも上側に設けられた上側ヒンジ部84とで構成されている。
【0066】
(下側ヒンジ部)
下側ヒンジ部82は、一例として、2つの連結部74と、被連結部75と、ピン83とで構成されている。ピン83は、車両前後方向を軸方向とする円柱状の部材であり、貫通孔74A及び被連結部75の貫通孔に挿通可能な大きさとされている。ここで、貫通孔74A及び被連結部75の貫通孔にピン83を挿通させることにより、2つの連結部74と被連結部75とが連結される。これにより、繋ぎ部72Bが、下側直立部72Aに対してピン83を中心に回動可能となっている。
【0067】
(上側ヒンジ部)
上側ヒンジ部84は、一例として、2つの連結部79と、被連結部77と、ピン85とで構成されている。ピン85は、車幅方向を軸方向とする円柱状の部材であり、貫通孔79A及び被連結部77の貫通孔に挿通可能な大きさとされている。ここで、貫通孔79A及び被連結部77の貫通孔にピン85を挿通させることにより、2つの連結部79と被連結部77とが連結される。これにより、上側直立部72Cが、繋ぎ部72Bに対してピン85を中心に回動可能となっている。
【0068】
〔比較例〕
図7(B)には、比較例の支柱部200が模式的に示されている。支柱部200は、車両上下方向に延在されている。また、支柱部200は、直立部202と、直立部202の下端から車幅方向に張出された下フランジ204と、直立部の上端から車幅方向に張出された上フランジ206とを有する。下フランジ204は底壁22に溶着されている。上フランジ206は、上壁24に溶着されている。
【0069】
比較例の支柱部200では、車両の衝突などによりタンク本体20の上壁24からの荷重Fが作用し底壁22に対して上壁24が相対変位する場合に、支柱部200が、底壁22に対する上壁24の相対変位を規制する。これにより、支柱部200と上壁24との接合部位及び支柱部200と底壁22との接合部位に過度な応力が集中する可能性がある。なお、上壁24からの荷重Fには、上壁24の面直角方向(ここでは車両上下方向)からの荷重が含まれる。
【0070】
〔作用〕
次に、第2実施形態の燃料タンク10の作用並びに効果について説明する。なお、第1実施形態の燃料タンク10と同様の作用については、説明を省略する場合がある。
【0071】
図5に示す第2実施形態の燃料タンク10では、タンク本体20(
図1参照)が膨張又は窪んだ場合に、支柱部70が引張力又は圧縮力に抵抗するので、タンク本体20の変形を抑制することができる。また、支柱部70は、壁部34と一体に形成され、壁部34の立設方向に沿って延在されているので、支柱部70と壁部34とが別体とされた構成に比べて、簡単な構造でタンク本体20の変形を抑制することができる。
【0072】
また、第2実施形態の燃料タンク10では、タンク本体20に荷重が作用しタンク本体20の底壁22に対して上壁24(
図1参照)が相対変位する場合に、支柱部70の変位許容部80が、底壁22に対する上壁24の変位を許容する。具体的には、
図6に示す変位許容部80において、上側直立部72Cに車両前後方向の荷重が作用した場合には、下側直立部72A及び繋ぎ部72Bが一体となり、上側直立部72Cが繋ぎ部72Bに対して相対変位(回動)する。また、上側直立部72Cに車幅方向の荷重が作用した場合には、上側直立部72C及び繋ぎ部72Bが一体となり、上側直立部72C及び繋ぎ部72Bが、下側直立部72Aに対して相対変位(回動)する。
【0073】
図7(A)には、変位許容部80を1つのヒンジ部とみなし、一例として、支柱部70に上壁24からの(上壁24の面直角方向からの)荷重Fが作用し、底壁22に対して上壁24が相対変位する状態が模式図として示されている。既述のように、タンク本体20に荷重Fが作用しタンク本体20の底壁22に対して上壁24が相対変位する場合には、変位許容部80が、支柱部70における変位許容部80よりも下側の部位に対して、変位許容部80よりも上側の部位を回動させる。つまり、底壁22に対する上壁24の変位を許容する。このため、支柱部70と上壁24との接合部位及び支柱部70と底壁22との接合部位に過度な応力が集中することが抑制される。これにより、支柱部70とタンク本体20との接合部分の耐久性を良好に維持することができる。
【0074】
なお、既述のように、
図6に示す変位許容部80では、下側ヒンジ部82が車両前後方向を軸方向とするピン83を中心に回動する構成であり、上側ヒンジ部84が車幅方向を軸方向とするピン85を中心に回動する構成となっている。これにより、上壁24(
図1参照)が底壁22(
図1参照)に対して車両前後方向、車幅方向のどちらに相対変位しても、支柱部70とタンク本体20(
図1参照)との接合部分に過度な応力が集中するのを抑制することができる。
【0075】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態に係る燃料タンクについて説明する。なお、前述の第1、第2実施形態に係る燃料タンク10と同様の機能を有する部品及び部分については、第1、第2実施形態で用いた符号と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0076】
図8に示す第3実施形態の燃料タンク10は、タンク本体20と、サブタンク90とを有する。
【0077】
図9に示すサブタンク90は、一例として、熱可塑性樹脂で構成されており、下壁32と、壁部34と、開口部36と、支柱部100とを有する。
【0078】
<支柱部>
支柱部100は、一例として、右壁37の前端部と、左壁38の前端部とにおいて、壁部34と一体に形成されている。つまり、支柱部100は、一例として、2本形成されている。なお、これら2本の支柱部100は、同様の構成とされている。このため、右壁37と一体に形成された支柱部100について説明し、左壁38の支柱部100の説明を省略する。
【0079】
支柱部100は、筒状の一例として、中心軸の軸方向が車両上下方向に沿った略円筒状に形成されている。具体的には、支柱部100は、下壁部102と、周壁部104と、上壁部106とで構成されている。下壁部102は、車両上下方向から見て略円形状に形成されており、下壁32と一体化された円板状の部位である。
【0080】
周壁部104は、支柱部100の壁の一例として、下壁部102の外周縁から車両上下方向に直立した部位である。また、周壁部104は、車両上下方向から見た場合に略環状に形成されている。さらに、周壁部104の下部は、右壁37と一体化されている。加えて、周壁部104には、サブタンク90内の燃料A(
図8参照)が流入する流入口108が形成されている。
【0081】
流入口108は、一例として、周壁部104の下端から上端まで形成されており、サブタンク90の内側(補助貯留部21B側)に向けて開口されている。また、流入口108は、車幅方向から見た場合に車両上下方向に長い矩形状に形成されている。上壁部106は、車両上下方向から見て略円形状に形成されており、周壁部104の上端を塞いでいる。ここで、支柱部100では、補助貯留部21Bから流入口108を通って周壁部104の内側に流入した燃料A(
図8参照)が貯留される。つまり、支柱部100は、燃料Aの第3貯留部を構成している。
【0082】
図8に示すように、支柱部100は、下壁部102が底壁22に溶着(接合)され、上壁部106が上壁24に溶着(接合)されている。言い換えると、支柱部100は、底壁22と上壁24との間に車両上下方向に沿って架設されている。
【0083】
〔作用〕
次に、第3実施形態の燃料タンク10の作用並びに効果について説明する。
【0084】
図8に示す第3実施形態の燃料タンク10では、タンク本体20が膨張又は窪んだ場合に、支柱部100が引張力又は圧縮力に抵抗するので、タンク本体20の変形を抑制することができる。また、支柱部100は、壁部34と一体に形成され、壁部34の立設方向に沿って延在されているので、支柱部100と壁部34とが別体とされた構成に比べて、簡単な構造でタンク本体20の変形を抑制することができる。
【0085】
さらに、第3実施形態の燃料タンク10では、支柱部100の内部にも燃料Aが貯留されるので、支柱部100が中実の構成に比べて、サブタンク90に貯留される燃料Aの量を増やすことができる。
【0086】
<変形例>
なお、本発明は上記の実施形態に限定されない。
【0087】
(第1変形例)
図10(A)には、第1変形例としての脆弱部110が示されている。脆弱部110は、上側直立部42Bを車幅方向に貫通した貫通孔112に対する車両前後方向の両外側部114A、114Bにより構成されている。両外側部114A、114Bの車両上下方向と直交する断面の合計の面積2×S3は、上側直立部42Bの他の部位の車両上下方向と直交する断面の面積S2よりも小さい。脆弱部110では、タンク本体20(
図1参照)に大きな荷重が入力された場合に脆弱部110で破断が生じる。このため、支柱部40と底壁22(
図1参照)との接合部位及び支柱部40と上壁24(
図1参照)との接合部位に過度な応力が集中することが抑制される。これにより、支柱部40とタンク本体20との接合部分の耐久性を良好に維持することができる。
【0088】
(第2変形例)
図10(B)には、第2変形例としての脆弱部120が示されている。脆弱部120は、上側直立部42Bの車幅方向の一方側及び他方側から車幅方向の中央に向けて窪んだ凹ビード122A、122Bを除いた縦壁部124により構成されている。縦壁部124の車両上下方向と直交する断面の面積S4は、上側直立部42Bの車両上下方向と直交する断面の面積S2よりも小さい。脆弱部120では、タンク本体20(
図1参照)に大きな荷重が入力された場合に脆弱部120で破断が生じる。このため、支柱部40と底壁22(
図1参照)との接合部位及び支柱部40と上壁24(
図1参照)との接合部位に過度な応力が集中することが抑制される。これにより、支柱部40とタンク本体20との接合部分の耐久性を良好に維持することができる。
【0089】
(第3変形例)
図11には、第3変形例としての脆弱部130が示されている。脆弱部130は、第2実施形態の支柱部70(
図6参照)において、4つのリブ76B(
図6参照)を除いて軸部76Aのみで構成した部位である。このように、軸部76Aを脆弱部130として機能させることで、支柱部と底壁22(
図1参照)との接合部位及び支柱部と上壁24(
図1参照)との接合部位に過度な応力が集中することが抑制される。これにより、支柱部70とタンク本体20との接合部分の耐久性を良好に維持することができる。なお、
図11の構成は、脆弱部130と変位許容部80とを両方含む構成であり、底壁22と上壁24との相対変位に対しては変位許容部80が許容し、燃料タンク10(
図1参照)に対して大荷重が入力された場合には軸部76Aが破断される。
【0090】
(他の変形例)
タンク本体20は、樹脂製に限らず、金属製(例えば鉄製)であってもよい。
【0091】
支柱部40、70、100の数は、2本、3本に限らず、1本又は4本以上の複数であってもよい。
【0092】
第3実施形態のサブタンク90の支柱部100において、車両上下方向の中央よりも下側を支柱部100とし、中央よりも上側に直立部42を設けてもよい。そして、直立部42に脆弱部130を形成すると共に変位許容部80を設けてもよい。
【0093】
変位許容部80は、下側ヒンジ部82と上側ヒンジ部84を両方有する構成に限らず、いずれか一方のみを有する構成であってもよい。
【0094】
サブタンク30、60、90は、タンク本体20の底壁22がサブタンク30、60、90の下壁32を兼ねている構成であってもよい。つまり、底壁22に壁部34が立設され、下壁32が無い構成であってもよい。言い換えると、「タンク本体20の底壁22に壁部34が立設される構成」とは、底壁22に直接、壁部34が立設される構成と、底壁22に下壁32が設けられ、この下壁32に壁部34が立設される構成とを含んでいる。
【0095】
以上、本発明の実施形態及び各変形例に係る燃料タンクについて説明したが、これらの実施形態及び各変形例を適宜組み合わせて用いても良いし、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。