(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
配列された複数の電池セルの内の少なくとも1つを接続対象とし、その接続対象となる前記電池セルが有する2つの電極端子の内の1つに対して電気的に接続される第1導電部材と、
前記電池セルの電池状態を監視する電池監視ユニットの演算処理装置を前記第1導電部材に対して電気的に接続させる第2導電部材と、
前記第1導電部材の電気接続部に対して電気的に接続される第1電気接続部、前記第2導電部材の電気接続部に対して電気的に接続される第2電気接続部、及び、前記第1電気接続部と前記第2電気接続部との間に配置された可溶体を有する回路保護部材と、
前記第1導電部材と前記回路保護部材との間で前記第1導電部材の前記電気接続部と前記第1電気接続部とを電気的に接続させる第1電気接続構造体と、
前記第2導電部材と前記回路保護部材との間で前記第2導電部材の前記電気接続部と前記第2電気接続部とを電気的に接続させる第2電気接続構造体と、
前記回路保護部材並びに前記第1及び第2の電気接続構造体を収容する収容部材と、
を備え、
前記第1導電部材と前記第2導電部材と前記収容部材は、複数の前記電池セルの配列方向に沿い、かつ、複数の前記電池セルから成る集合体の壁面に沿う平面を基準平面とし、それぞれを前記基準平面に沿って並ばせ、かつ、それぞれの短手方向を前記基準平面に直交させるように配置することを特徴とした導電モジュール。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明に係る導電モジュール及び電池パックの実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0013】
[実施形態]
本発明に係る導電モジュール及び電池パックの実施形態の1つを
図1から
図14に基づいて説明する。
【0014】
図1から
図3の符号1は、本実施形態の電池パックを示す。符号10は、その電池パック1の電池モジュールを示す。符号20は、その電池モジュール10を成すべく配列された複数の電池セル11の保持構造体を示す。符号30は、その電池セル11の電池状態を監視する電池監視ユニット200(
図2)に対して電池セル11を電気的に接続させる導電モジュールを示す。電池パック1は、電気自動車やハイブリッド車等の車両に搭載されるものであり、電池モジュール10と保持構造体20と導電モジュール30とを備える。
【0015】
電池モジュール10を成す電池セル11は、セル本体12と、2つの電極端子13と、を備える(
図4)。それぞれの電極端子13は、外方に露出させた状態でセル本体12の何れかの場所に各々設けたものであって、一方が正極となり、他方が負極となる。それぞれの電極端子13は、例えば、セル本体12の外壁面に設けた板状のものであったり、セル本体12の外壁面から突出させた柱状の極柱であったりする。電池セル11は、セル本体12が複数の外壁面を有する場合、それぞれの電極端子13が1つの外壁面に配置されていてもよく、電極端子13が配置される外壁面を電極端子13毎に分けてもよい。この電池モジュール10においては、それぞれの電池セル11の何れか一方の電極端子13を一列に並べ、かつ、他方の電極端子13も一列に並べた状態で、それぞれの電池セル11を連ねて配列している。このため、この電池モジュール10では、一列に並べられた電極端子13から成る電極端子群14が2箇所に設けられている(
図1及び
図2)。電池モジュール10としては、例えば、それぞれの電極端子群14において、正極と負極の電極端子13が交互に配置される場合もあれば、同極のものが並べて配置される場合もある。
【0016】
この電池モジュール10においては、それぞれの電極端子群14毎に、電池セル11の配列方向で隣り合う2つの電極端子13が導電性のバスバ15で連結されている(
図1及び
図2)。バスバ15は、金属等の導電性材料で成形し、その隣り合う2つの電極端子13の組み合わせ毎に設ける。このため、それぞれのバスバ15は、その組み合わせ毎に2つの電極端子13を物理的且つ電気的に接続させる。バスバ15は、金属等の導電性材料で成形する。この例示のバスバ15は、バスバ本体15aが矩形の平板状に形成されている(
図3及び
図5から
図9)。例えば、電極端子13が板状の場合には、この電極端子13に対して、バスバ15が溶接(レーザ溶接等)で物理的且つ電気的に接続される。一方、電極端子13が極柱の場合には、それぞれの電極端子13が挿通される貫通孔をバスバ本体15aに形成し、このバスバ15を電極端子13に対してネジ止め等で固定することによって、その相互間を物理的且つ電気的に接続させる。尚、この電池モジュール10においては、そのバスバ15で連結されない電極端子13が2つ存在しており、その内の一方が所謂総正極となり、その内の他方が所謂総負極となる。
【0017】
例えば、本実施形態の電池セル11は、セル本体12が方体を成している。このため、本実施形態の電池モジュール10は、それぞれの電池セル11によって仮想的に方体を成しており、複数の電池セル11の配列方向に沿い且つ複数の電池セル11から成る集合体の6つの壁面を有している。また、本実施形態の電池セル11は、そのセル本体12の1つの外壁面(第1外壁面12a)にそれぞれの電極端子13を極柱として設けている(
図4)。ここでは、その第1外壁面12aにおける長手方向の両端部側にスタッドボルトを各々垂設し、そのそれぞれのスタッドボルトを各々電極端子13として利用する。このため、本実施形態の電池モジュール10は、方体を成す6つの壁面の内の1つに2つの電極端子群14が設けられている。以下においては、その2つの電極端子群14が設けられた壁面に沿う平面を基準平面とする。その基準平面は、それぞれの電極端子13の延在方向に対する直交平面であり、これ故に、電池モジュール10に導電モジュール30を取り付ける際の取付方向に対する直交平面でもある。電池モジュール10は、例えば、その電極端子群14が設けられている壁面を車両の上方に向けて搭載される。
【0018】
この電池モジュール10においては、隣り合う2つの電極端子13の組み合わせ毎にバスバ15が用意されている。そのバスバ15は、その2つの電極端子13としてのスタッドボルトをバスバ本体15aの2つの貫通孔15b(
図3、
図5、
図6及び
図9)に各々挿通させ、その電極端子13の雄ネジ部に雌ネジ部材16(
図1から
図3)を締め付けていくことによって、それぞれの電極端子13に対して物理的且つ電気的に接続する。尚、図中の電池モジュール10は、配列された複数の電池セル11の内の一部を抜粋したものである。このため、ここでは、隣り合う2つの電極端子13の組み合わせの内の一方のみしか図示されていない場合、その電極端子13に取り付けられるバスバ15の図示を省略している。
【0019】
この電池モジュール10においては、それぞれの電池セル11について、集合体としての状態が保持構造体20によって保たれている。その保持構造体20は、複数の電池セル11の配列方向で電池セル11を個別に挟み込む複数の絶縁部材20Aを備える(
図1及び
図4)。その絶縁部材20Aは、電池セル11を保持するものであると共に、この電池セル11に対しての電気的な絶縁を図るものでもある。この絶縁部材20Aは、主として隣り合う電池セル11の間を絶縁させるものであり、所謂セパレータと称されるものである。それぞれの電池セル11は、各々2つの絶縁部材20Aに挟み込まれた状態で保持されている。ここでは、電池セル11の配列方向に沿って、電池セル11と絶縁部材20Aとが交互に配置されている。
【0020】
絶縁部材20Aは、合成樹脂等の絶縁性材料で成形する。例えば、この絶縁部材20Aは、電池セル11の主壁面(隣り合う電池セル11の間で対向する壁面等のように主だった大きさを有する壁面)を覆う略矩形の平板状の主板21を有している(
図4)。その主板21は、隣り合う2つの電池セル11で挟み込まれる。
【0021】
更に、この例示の絶縁部材20Aは、電池セル11と絶縁部材20Aとを交互に積層した際に、自らの主板21を挟み込んでいる2つの電池セル11を保持することができるように成形する。例えば、この絶縁部材20Aには、セル本体12の6つの外壁面の内、主板21と対向する2つの外壁面以外の4つの外壁面(第1から第4の外壁面12a−12d)を係止することによって、その電池セル11を保持させる。この絶縁部材20Aには、セル本体12の第1外壁面12aを係止することが可能な第1係止体22と、セル本体12の第2外壁面12bを係止することが可能な第2係止体23と、セル本体12の第3外壁面12cを係止することが可能な第3係止体24と、セル本体12の第4外壁面12dを係止することが可能な第4係止体25と、が設けられている(
図4)。電池セル11は、その第1から第4の係止体22−25によって、電池セル11の配列方向に対する交差方向への相対的な動きが係止される。
【0022】
具体的に、この例示の絶縁部材20Aとしては、後述する電池側係合体72を有するもの(絶縁部材20A1)と、その電池側係合体72を有しないもの(絶縁部材20A2)と、が用意されている(
図1から
図4)。そして、この保持構造体20においては、電池セル11の配列方向に沿って、その絶縁部材20A1と絶縁部材20A2とを交互に配置している。
【0023】
この保持構造体20においては、それぞれの電池セル11が複数の絶縁部材20Aで一纏めにされており、その状態を保つべく、それぞれの電池セル11を保持部材としての拘束部材(図示略)で外側から保持する。例えば、その拘束部材は、それぞれの電池セル11の配列方向における両端の絶縁部材20Aを挟み込むコの字体に成形されたものであり、2箇所に配置される。この拘束部材は、金属材料等で成形し、そのコの字の内方に電池セル11と絶縁部材20Aの集合体を圧入させる。
【0024】
導電モジュール30は、電池セル11と電池監視ユニット200の演算処理装置201(
図2)とを電気的に接続させるものである。電池パック1においては、電池モジュール10(複数の電池セル11から成る集合体)に対して、それぞれの電池セル11の配列方向に沿って導電モジュール30を複数配列する。それぞれの導電モジュール30は、例えば、2つの電極端子群14の内の少なくとも一方に並べて配置する。この例示では、一方の電極端子群14に複数の導電モジュール30を配列している。この導電モジュール30は、第1導電部材31と、第2導電部材32と、回路保護部材33(又は回路保護部品40)と、収容部材34と、を備える(
図5から
図9)。この導電モジュール30においては、第1導電部材31と第2導電部材32との間に回路保護部材33を介在させ、これら3者を互いに電気的に接続させている。更に、この導電モジュール30は、第1電気接続構造体50と、第2電気接続構造体60と、を備える(
図9)。導電モジュール30は、これら第1導電部材31、第2導電部材32、回路保護部材33(又は回路保護部品40)、収容部材34、第1電気接続構造体50及び第2電気接続構造体60を1つのモジュールとして備えるものである。以下に、この導電モジュール30を成すそれぞれの構成についての説明を行う。
【0025】
第1導電部材31は、それぞれの電池セル11の内の少なくとも1つを接続対象とし、その接続対象となる電池セル11が有する2つの電極端子13の内の一方に対して電気的に接続させる導電性の部材である。この第1導電部材31は、その電極端子13に対して直接的又は間接的に取り付けることで電気的に接続させる。例えば、電極端子13に対して直接取り付ける第1導電部材31としては、先に示したバスバ15を用いることができる。この場合、第1導電部材31は、先に示したように、電池セル11の配列方向で隣り合う2つの電極端子13に対して物理的且つ電気的に接続される。一方、第1導電部材31は、そのバスバ15に対して物理的且つ電気的に接続される導電体であってもよく、この場合、電池セル11の配列方向で隣り合う2つの電極端子13に対してバスバ15を介して間接的に電気的に接続される。この第1導電部材31とバスバ15との間は、例えば、嵌合構造、溶接やネジ止め等を用いて接続される。また、第1導電部材31は、1つの電極端子13に対して物理的且つ電気的に接続される導電体であってもよく、この場合、例えば、1つの貫通孔を有する平板状に成形し、その貫通孔に電極端子13を挿通させた上でネジ止めして、電極端子13に直接取り付ける。また、第1導電部材31は、電極端子13と同電位の同電位部(例えば、電極端子13に繋がっている導電性の部材等)に対して物理的且つ電気的に接続される導電体であってもよく、この場合、その1つの電極端子13に対して同電位部を介して間接的に電気的に接続される。この第1導電部材31と同電位部との間は、例えば、嵌合構造、溶接やネジ止め等を用いて接続される。
【0026】
この例示では、バスバ15を第1導電部材31として用いている。このため、バスバ15については、この導電モジュール30の構成の1つとして利用されるものをバスバ15Aと称する。そのバスバ15Aは、第1導電部材31として利用するべく、回路保護部材33側へと電気的に接続させるための電気接続部15cを有している(
図6及び
図9)。その電気接続部15cについては、後で詳述する。
【0027】
第2導電部材32は、電池監視ユニット200の演算処理装置201を第1導電部材31に対して電気的に接続させる導電体を有するものである。第1導電部材31と演算処理装置201は、この第2導電部材32や回路保護部材33を介して電気的に接続される。この第2導電部材32は、導電モジュール30が電池モジュール10に取り付けられた際に、それぞれの電池セル11の配列方向に延在させる。例えば、この第2導電部材32は、その電池モジュール10への取り付けの後、それぞれの電池セル11の配列方向に延在させる導電体としての導電部32aを備えている(
図9)。その導電部32aは、回路保護部材33側へと電気的に接続させるための電気接続部32a
1を有している。更に、この第2導電部材32には、導電部32aを覆う電気絶縁性の絶縁部32bが設けられている。その絶縁部32bは、導電部32aにおいて、電気接続部32a
1を少なくとも除いた部分を覆っている。この例示の第2導電部材32としては、導電部32aとしての芯線を絶縁部32bとしての被覆で覆った電線を用いる。この第2導電部材32においては、端末の被覆が剥ぎ取られて剥き出しになった芯線部分を電気接続部32a
1として利用する。
【0028】
回路保護部材33は、第1導電部材31と第2導電部材32との間を直列接続させることで回路を保護するものである。この回路保護部材33は、第1導電部材31の電気接続部15cに対して電気的に接続される第1電気接続部33a、第2導電部材32の電気接続部32a
1に対して電気的に接続される第2電気接続部33b、及び、その第1電気接続部33aと第2電気接続部33bとの間に配置された可溶体(図示略)を有する導電部材である(
図9)。回路保護部材33は、金属等の導電性材料で成形する。
【0029】
この例示の回路保護部材33は、第1電気接続部33aと第2電気接続部33bとが各々露出された状態で絶縁性の内包部材41に可溶体を内包させた回路保護部品40として設けられている(
図9)。例えば、回路保護部材33は、第1電気接続部33aと第2電気接続部33bと可溶体とを同一平面上に配置した板ヒューズ状に成形される。この板ヒューズ状の回路保護部材33においては、第1電気接続部33aと第2電気接続部33bとが所謂雄タブ状に形成されている。内包部材41は、合成樹脂等の絶縁性材料で成形する。この例示の内包部材41は、略方体状に成形されている。例えば、回路保護部品40は、回路保護部材33と内包部材41とを各々個別に成形し、これらを互いに組み付けることで成るヒューズユニットであってもよく、金型内に配置した回路保護部材33に対して内包部材41を一体成形させたヒューズユニットであってもよい。また、回路保護部品40は、所謂アキシャルリード型のヒューズであってもよい。この例示の回路保護部材33は、板ヒューズ状の回路保護部材33を有するヒューズユニットとして構成しており、第1電気接続部33aと第2電気接続部33bとを同一方向に向けて突出させている。
【0030】
導電モジュール30は、第1導電部材31と回路保護部材33との間を電気的に接続させる第1電気接続構造体50を備える。第1電気接続構造体50は、その間で第1導電部材31の電気接続部15cと回路保護部材33の第1電気接続部33aとを電気的に接続させるものであり、その電気接続部15cと第1電気接続部33aとを直接的又は間接的に接続させることによって、第1導電部材31と回路保護部材33との間を電気的に接続させる。例えば、電気接続部15cと第1電気接続部33aは、溶接や半田付け等で相互間を直に連結させることによって、互いを電気的に接続させることができる。この場合には、その連結部分が第1電気接続構造体50となる。また、電気接続部15cと第1電気接続部33aは、接続端子(以下、「第1接続端子」という。)51を介して相互間を間接的に連結させることによって、互いを電気的に接続させることができる。この場合には、その第1接続端子51を第1電気接続構造体50が備えることになる。この例示では、後者を適用している(
図9)。
【0031】
第1接続端子51は、金属等の導電性材料で成形する。例えば、この例示の第1接続端子51は、第1導電部材31の電気接続部15cに対して物理的且つ電気的に接続させる電気接続部(以下、「第1連結部」という。)51aと、回路保護部材33の第1電気接続部33aに対して物理的且つ電気的に接続させる電気接続部(以下、「第2連結部」という。)51bと、を有している。
【0032】
第1連結部51aについて説明する。この例示の第1導電部材31(バスバ15A)においては、バスバ本体15aから電気接続部15cを突出させている。その電気接続部15cは、バスバ本体15aと同一平面上で電池セル11の配列方向に延在させた軸状のものであり、バスバ本体15aの1つの辺部(ここでは、長辺)からオフセットさせた位置に配置している。第1連結部51aは、そのような形状及び配置の電気接続部15cに対して物理的且つ電気的に接続させる。例えば、第1連結部51aは、互いに向かい合わせたバレル片を少なくとも1組有しており、それぞれのバレル片で電気接続部15cを外方から包み込むように加締めて、電気接続部15cに圧着させることによって、この電気接続部15cに対して物理的且つ電気的に接続させる。
【0033】
続いて、第2連結部51bについて説明する。この例示の回路保護部材33においては、先に示したように、第1電気接続部33aを雄タブ状に形成している。第2連結部51bは、そのような雄端子として形成された第1電気接続部33aに対して物理的且つ電気的に接続させる。この例示の第2連結部51bは、その第1電気接続部33aの挿抜が可能な雌端子として形成されており、第1電気接続部33aが挿入及び嵌合されることによって、この第1電気接続部33aに対して物理的且つ電気的に接続させる。
【0034】
第1接続端子51は、先に示した基準平面と平行な平面上(例えば、バスバ本体15aと同一平面上)で、第1導電部材31の電気接続部15cに対する物理的な接続と、回路保護部材33の第1電気接続部33aに対する物理的な接続と、が行われるように形成する。この例示の第1接続端子51は、第2連結部51bに対する第1電気接続部33aの挿抜方向が電気接続部15cの軸線方向に沿うように、第1連結部51aと第2連結部51bとを配置している。
【0035】
また、導電モジュール30は、第2導電部材32と回路保護部材33との間を電気的に接続させる第2電気接続構造体60を備える。第2電気接続構造体60は、その間で第2導電部材32の電気接続部32a
1と回路保護部材33の第2電気接続部33bとを電気的に接続させるものであり、その電気接続部32a
1と第2電気接続部33bとを直接的又は間接的に接続させることによって、第2導電部材32と回路保護部材33との間を電気的に接続させる。例えば、電気接続部32a
1と第2電気接続部33bは、溶接や半田付け等で相互間を直に連結させることによって、互いを電気的に接続させることができる。この場合には、その連結部分が第2電気接続構造体60となる。また、電気接続部32a
1と第2電気接続部33bは、接続端子(以下、「第2接続端子」という。)61を介して相互間を間接的に連結させることによって、互いを電気的に接続させることができる。この場合には、その第2接続端子61を第2電気接続構造体60が備えることになる。この例示では、後者を適用している(
図9)。
【0036】
第2接続端子61は、金属等の導電性材料で成形する。例えば、この例示の第2接続端子61は、第2導電部材32の電気接続部32a
1に対して物理的且つ電気的に接続させる電気接続部(以下、「第1端子接続部」という。)61aと、回路保護部材33の第2電気接続部33bに対して物理的且つ電気的に接続させる電気接続部(以下、「第2端子接続部」という。)61bと、を有している。
【0037】
第1連結部61aについて説明する。この例示の第2導電部材32(電線)においては、先に示したように、端末の剥き出しの芯線部分が電気接続部32a
1となる。第1連結部61aは、その電気接続部32a
1に対して物理的且つ電気的に接続させる。例えば、第1連結部61aは、互いに向かい合わせたバレル片を少なくとも1組有しており、それぞれのバレル片で第2導電部材32の端末を外方から包み込むように加締めて、この端末に圧着させることによって、この端末の電気接続部32a
1に対して物理的且つ電気的に接続させる。
【0038】
続いて、第2連結部61bについて説明する。この例示の回路保護部材33においては、先に示したように、第2電気接続部33bについても雄タブ状に形成している。第2連結部61bは、そのような雄端子として形成された第2電気接続部33bに対して物理的且つ電気的に接続させる。この例示の第2連結部61bは、その第2電気接続部33bの挿抜が可能な雌端子として形成されており、第2電気接続部33bが挿入及び嵌合されることによって、この第2電気接続部33bに対して物理的且つ電気的に接続させる。
【0039】
第2接続端子61は、第1接続端子51と同じように、基準平面と平行な平面上(例えば、バスバ本体15aと同一平面上)で、第2導電部材32の電気接続部32a
1に対する物理的な接続と、回路保護部材33の第2電気接続部33bに対する物理的な接続と、が行われるように形成する。この例示の第2接続端子61は、第2連結部61bに対する第2電気接続部33bの挿抜方向が第2導電部材32の端末の軸線方向に沿うように、第1連結部61aと第2連結部61bとを配置している。
【0040】
この例示の第1電気接続構造体50と第2電気接続構造体60においては、基準平面と平行な同一平面上に第1接続端子51と第2接続端子61とを配置している。つまり、第1接続端子51と第2接続端子61は、導電モジュール30が電池モジュール10に取り付けられた際に、基準平面に沿って同一平面上で並べられ、かつ、各々の長手方向が電池セル11の配列方向に沿うように配置されている。
【0041】
収容部材34は、回路保護部材33と第1電気接続構造体50と第2電気接続構造体60とを収容する部材であり、これらを収容状態で直接的又は間接的に保持する。この収容部材34は、合成樹脂等の絶縁性材料で成形する。この例示では、その主体34aを方体状に成形している(
図5から
図11)。この例示の収容部材34は、導電モジュール30が電池モジュール10に取り付けられた際に、主体34aの6つの外壁面の内の2つが基準平面と平行になり、かつ、その内の4つが基準平面と交差(ここでは、直交)するように配置する。更に、この収容部材34は、導電モジュール30が電池モジュール10に取り付けられた際に、その基準平面と交差する4つの外壁面の内の互いに対向する2つが電池セル11の配列方向と直交するように配置する。
【0042】
収容部材34には、回路保護部材33を収容する収容室(以下、「保護体収容室」という。)34b(
図10)と、第1電気接続構造体50を収容する収容室(以下、「第1接続体収容室」という。)34c(
図11)と、第2電気接続構造体60を収容する収容室(以下、「第2接続体収容室」という。)34d(
図11)と、が形成されている。
【0043】
本実施形態の収容部材34においては、導電モジュール30が電池モジュール10に取り付けられた際に、板ヒューズ状の回路保護部材33の平面が基準平面と平行になるように保護体収容室34bを形成する。例えば、この例示の保護体収容室34bは、回路保護部品40を直接収容し且つ保持するものとして形成し、板ヒューズ状の回路保護部材33が内包部材41を介して間接的に収容され且つ保持されるようにしている。このため、収容部材34においては、回路保護部品40が基準平面に沿って挿入されているように保護体収容室34bを形成する。
【0044】
具体的に、収容部材34においては、導電モジュール30が電池モジュール10に取り付けられた際に基準平面と交差する主体34aの4つの外壁面の内の1つに開口34b
1を設け(
図5から
図7、
図9及び
図10)、この開口34b
1から回路保護部品40を保護体収容室34bに向けて挿入させる。回路保護部品40は、回路保護部材33の第1及び第2の電気接続部33a,33b側から挿入する。先に示したように、この例示の導電モジュール30においては、第1接続端子51と第2接続端子61のそれぞれの長手方向が電池セル11の配列方向に沿うように配置されており、その配列方向に沿って回路保護部品40が挿入されている。このため、開口34b
1は、その配列方向と直交する主体34aの2つの外壁面の内の一方(電線としての第2導電部材32の後述する引き出し方向とは逆側の外壁面)に設ける。
【0045】
第1接続体収容室34cと第2接続体収容室34dは、電池セル11の配列方向と直交する主体34aの2つの外壁面の内の他方に、それぞれの開口34c
1,34d
1を設けている(
図11)。この第1接続体収容室34cと第2接続体収容室34dは、各々が保護体収容室34bに連通しており、この保護体収容室34bと共に、基準平面に沿う同一平面上に並べて配置されている。このため、第1接続体収容室34cと第2接続体収容室34dには、回路保護部品40が保護体収容室34bへと収容された際に、回路保護部材33の第1電気接続部33aと第2電気接続部33bが各々挿入される。
【0046】
この例示の収容部材34においては、第1電気接続構造体50の第1接続端子51と第2電気接続構造体60の第2接続端子61とが基準平面に沿って各々同じ向きで挿入されているように、第1接続体収容室34cと第2接続体収容室34dとを形成する。
【0047】
例えば、この導電モジュール30においては、予め、第1導電部材31の電気接続部15cに第1接続端子51の第1連結部51aを圧着させておくと共に、第2導電部材32の電気接続部32a
1に第2接続端子61の第1連結部61aを圧着させておく。そして、第1接続体収容室34cには、第1接続端子51を第1導電部材31の電気接続部15cと共に開口34c
1から挿入する。第1接続端子51は、第2連結部51b側から挿入する。また、第2接続体収容室34dには、第2接続端子61を第2導電部材32の電気接続部32a
1と共に開口34d
1から挿入する。第2接続端子61は、第2連結部61b側から挿入する。これらに伴い、第1接続体収容室34cと第2接続体収容室34dにおいては、回路保護部品40が保護体収容室34bへと収容されることによって、回路保護部材33の第1電気接続部33aが第1接続端子51の第2連結部51bに嵌合されると共に、回路保護部材33の第2電気接続部33bが第2接続端子61の第2連結部61bに嵌合される。このように、この例示の第1電気接続構造体50は、回路保護部品40が収容部材34の保護体収容室34bに収容されることによって、第1導電部材31の電気接続部15cと回路保護部材33の第1電気接続部33aとが電気的に接続されるように構成している。また、この例示の第2電気接続構造体60は、回路保護部品40が収容部材34の保護体収容室34bに収容されることによって、第2導電部材32の電気接続部32a
1と回路保護部材33の第2電気接続部33bとが電気的に接続されるように構成している。
【0048】
ここで、第1導電部材31の電気接続部15cは、開口34c
1から自らの軸線方向に沿って僅かに突出させている。従って、第1導電部材31のバスバ本体15aと収容部材34は、収容部材34に対する第1接続端子51の挿入方向や回路保護部品40の挿抜方向に対して直交方向で且つ基準平面に沿うように並べて配置される。また、電線としての第2導電部材32は、収容部材34に対する第2接続端子61の挿入方向とは逆向き(回路保護部品40の挿入方向)に開口34d
1から引き出されている。
【0049】
ところで、保護体収容室34bは、回路保護部材33を直接収容し且つ保持するものとして形成することができる。また、第1接続体収容室34cと第2接続体収容室34dは、第1電気接続構造体50と第2電気接続構造体60と各々直接収容し且つ保持するものとして形成することができる。そして、この場合、収容部材34は、回路保護部材33と第1電気接続構造体50と第2電気接続構造体60とに対して一体成形されたものとして形成することができる。例えば、この場合には、第1導電部材31と回路保護部材33とを第1電気接続構造体50によって連結させると共に、第2導電部材32と回路保護部材33とを第2電気接続構造体60によって連結させ、その回路保護部材33と第1電気接続構造体50と第2電気接続構造体60とを金型内に配置して収容部材34を一体成形することによって、先の例示と同等の形状や配置の導電モジュール30を形成することができる。
【0050】
本実施形態の導電モジュール30は、以上示した第1導電部材31と第2導電部材32と回路保護部材33(回路保護部品40)と収容部材34と第1電気接続構造体50と第2電気接続構造体60とを設け、これらを上記の如く配置している。このため、本実施形態の第1導電部材31と第2導電部材32と収容部材34は、それぞれを基準平面に沿って並ばせ、かつ、それぞれの短手方向を基準平面に直交させるように配置することができる。より詳しく述べるならば、本実施形態の導電モジュール30は、回路保護部材33(回路保護部品40)と第1電気接続構造体50と第2電気接続構造体60とが収容部材34に収容されており、その収容部材34と第1導電部材31と電線としての第2導電部材32における少なくとも収容部材34から引き出されている部分とを基準平面に沿って並ばせ、かつ、それぞれの短手方向を基準平面に直交させるように配置することができる。つまり、本実施形態の導電モジュール30は、換言するならば、上述したように第1導電部材31と第2導電部材32と収容部材34とを形成及び配置することによって、その収容部材34に収容される回路保護部材33(回路保護部品40)と第1電気接続構造体50と第2電気接続構造体60とについても、それぞれを基準平面に沿って並ばせ、かつ、それぞれの短手方向を基準平面に直交させるように配置することができる。従って、この導電モジュール30は、電池モジュール10に取り付けた際の低背化が可能になり、電池パック1の体格の小型化を図ることができる。
【0051】
ここで、本実施形態の導電モジュール30は、第1導電部材31を介して電池モジュール10に取り付けられている。このため、この導電モジュール30では、その取付点に対して収容部材34が離れた位置に配置されている。そこで、本実施形態の導電モジュール30は、収容部材34にも電池モジュール10に対する取付点を設ける。例えば、この導電モジュール30の接続対象となる電池セル11は、電池セル11の配列方向で2つの絶縁部材20Aによって挟み込まれている。そして、この例示の導電モジュール30においては、その接続対象となる隣り合う2つの電池セル11に対して、バスバ15Aとしての第1導電部材31と共に収容部材34が積層されている。従って、本実施形態の導電モジュール30には、接続対象となる電池セル11を挟み込む絶縁部材20Aの内の少なくとも一方を取付対象とし、その取付対象となる絶縁部材20Aに対して収容部材34を取り付ける取付構造70を設ける(
図1から
図3)。この例示では、電池セル11を挟み込む2つの絶縁部材20Aの内の一方を収容部材34の取付対象とする。ここでは、収容部材34の取付対象となる絶縁部材20Aを絶縁部材20A1と称し、収容部材34の取付対象とならない絶縁部材20Aを絶縁部材20A2と称する。
【0052】
取付構造70は、収容部材34に設けた係合体(以下、「導電体側係合体」という。)71(
図5から
図11)と、絶縁部材20A1に設けた係合体(以下、「電池側係合体」という。)72(
図4、
図12及び
図13)と、を有する。この取付構造70は、導電体側係合体71と電池側係合体72とを互いに係合させることによって、収容部材34と絶縁部材20A1とを固定させるものである。つまり、導電体側係合体71とは、絶縁部材20A1の電池側係合体72との間で係合することで収容部材34を絶縁部材20A1に取り付けるもののことである。
【0053】
例えば、導電体側係合体71と電池側係合体72は、その内の一方を突出体として形成し、その内の他方を、その突出体を係止させることで収容部材34と絶縁部材20A1との間の離脱方向への相対移動を抑える係止体として形成する。つまり、この例示の取付構造70は、ロック機構として構成している。ここでは、導電体側係合体71を突出体として形成し、電池側係合体72を係止体として形成している。
【0054】
この例示の導電体側係合体71は、主体34aの開口34b
1側の外壁面から電池セル11の配列方向に向けて突出させた突出体であり、収容部材34の電池モジュール10への取付方向に対する逆側に被係止面71aを有している(
図10及び
図11)。尚、その収容部材34の取付方向は、基準平面に対する直交方向に沿うものである。一方、電池側係合体72は、絶縁部材20A1の主板21における1つの辺部(第1係止体22が配置されている辺部)の端面から基準平面に対する直交方向に向けて突出させた係止体である。この例示の電池側係合体72は、コの字状に形成されたものであり、その主板21の辺部から互いに間隔を空けて突出させた2本の脚部72aと、この2本の脚部72aの突出方向側の端部を繋ぐ連結部72bと、を有している(
図12及び
図13)。この電池側係合体72は、2本の脚部72aに可撓性を持たせ、連結部72bを被係止面71aの係止部として利用する。
【0055】
この例示の取付構造70においては、収容部材34の電池モジュール10への取り付けが進むに連れて、導電体側係合体71が電池側係合体72の連結部72bに当接し、この導電体側係合体71が電池側係合体72を撓ませながら、電池側係合体72の連結部72bが導電体側係合体71を乗り越える。ここでは、その乗り越えを容易にするべく、導電体側係合体71に傾斜面71bを設けている(
図10及び
図11)。この例示の傾斜面71bは、電池側係合体72を撓ませながら連結部72bを被係止面71aまで案内する平面であり、その撓みを徐々に大きくしていくように形成している。取付構造70においては、その電池側係合体72の連結部72bの乗り越えに伴い、導電体側係合体71が電池側係合体72のコの字の内方に入り込み、導電体側係合体71と電池側係合体72の連結部72bとが基準平面に対する直交方向で互いに向かい合う(
図14)。従って、収容部材34においては、絶縁部材20A1との間での離脱方向への相対移動が抑制されるので、その取付構造70の設置されている部分が電池モジュール10に対する取付点となる。
【0056】
このように、本実施形態の導電モジュール30は、第1導電部材31と収容部材34の2箇所で電池モジュール10に取り付けることができる。このため、この導電モジュール30は、従来のような別部材のケースを介在させなくても、例えば外部入力に対する強度を確保しつつ、電池モジュール10への取り付けを完結させることができる。従って、この導電モジュール30は、電池パック1の体格の小型化を図ることができる。特に、この例示の導電モジュール30は、先に示したように低背化が図られているので、電池パック1の体格の更なる小型化が可能になる。
【0057】
以上示したように、本実施形態の導電モジュール30は、電池パック1の体格の小型化に寄与するものである。よって、電池パック1は、本実施形態の導電モジュール30を適用することで、体格の小型化が可能になる。
【0058】
ところで、電池セル11は、その使用に伴う発熱によって熱収縮し、自らの体格を変化させる。このため、先の具体例で示した導電モジュール30においては、電池セル11を挟み込む絶縁部材20Aの内の一方(絶縁部材20A1)に対して収容部材34を取り付けるように、取付構造70を設けている。つまり、この導電モジュール30においては、電池セル11が熱収縮した際に、その体格の変化に合わせて収容部材34を追従しながら動かすことができる。従って、この導電モジュール30の取付構造70においては、電池セル11が熱収縮した際にも、導電体側係合体71と電池側係合体72との係合状態を保ち続けることができ、また、導電体側係合体71と電池側係合体72との間への過大な負荷の入力を軽減させることができる。よって、この導電モジュール30は、その機能の低下を抑えることができると共に、自らと電池モジュール10の耐久性を向上させることができる。
【0059】
[変形例]
本変形例は、前述した実施形態の導電モジュール30を以下の導電モジュール130に置き換えたものである。
【0060】
実施形態の導電モジュール30においては、収容部材34に収容及び保持された第1接続端子51を介して、第1導電部材31と収容部材34とが連結されている。つまり、実施形態の導電モジュール30において、第1導電部材31と収容部材34は、その第1接続端子51を介した1箇所の連結構造でのみ繋がれている。このため、本変形例の導電モジュール130は、連結構造を複数箇所に設けることによって、外部入力等に伴い作用する負荷を分散させ、耐久性を向上させる。本変形例の導電モジュール130は、実施形態の導電モジュール30において、第1導電部材31と収容部材34とを以下の第1導電部材131と収容部材134とに置き換え、その第1導電部材131と収容部材134とを連結させる連結構造180を設けている(
図15から
図21)。
【0061】
第1導電部材131は、実施形態の第1導電部材31と同様に、隣り合う2つの電極端子13を物理的且つ電気的に接続させるバスバ15Bである。この第1導電部材131は、実施形態の第1導電部材31と同様の形状及び配置で形成されたバスバ本体15aと2つの貫通孔15bと電気接続部15cとを有している。
【0062】
収容部材134は、実施形態の収容部材34と同様の形状に形成された主体34aを有するものであり、その主体34aに、実施形態の収容部材34と同様の形状及び配置で保護体収容室34bと第1接続体収容室34c(図示略)と第2接続体収容室34d(図示略)と導電体側係合体71とが形成されている。このため、この収容部材134には、回路保護部品40と第1接続端子51と第2接続端子61とが収容及び保持される(
図19)。従って、本変形例の導電モジュール130においては、実施形態の導電モジュール30と同じように、その第1接続端子51を介した1箇所の連結構造で第1導電部材131と収容部材134とが間接的に連結されている。
【0063】
本変形例の導電モジュール130は、その連結構造とは別に連結構造180を設けている。連結構造180は、第1導電部材131と収容部材134とを直接連結させるものであり、その第1導電部材131と収容部材134との間に設ける。この連結構造180は、第1導電部材131に設けた第1連結係合体181と、収容部材134に設けた第2連結係合体182と、を備える(
図15から
図21)。この例示の連結構造180は、バスバ本体15aにおける電気接続部15c側の辺部を収容部材134側で挟持させることによって、第1導電部材131と収容部材134とを連結させる。第1導電部材131においては、そのバスバ本体15aの辺部を第1連結係合体181として利用する(
図19)。一方、収容部材134においては、主体34aに第2連結係合体182を設ける。
【0064】
具体的に、この連結構造180は、第1接続端子51と共に第1導電部材131の電気接続部15cを第1接続体収容室34cに挿入していったときに、その第1連結係合体181としてのバスバ本体15aの辺部を第2連結係合体182で挟持させる。このために、第2連結係合体182は、主体34aにおいて、バスバ本体15aが配置される側の外壁面からバスバ本体15aに向けて突出させる。この例示の第2連結係合体182は、基準平面に対する直交方向で互いに間隔を空けて配置した第1及び第2の片部182a,182bを有する(
図17から
図21)。
【0065】
第1片部182aと第2片部182bは、それぞれに基準平面に沿う平面を有するものであり、バスバ本体15aが配置される側の主体34aの外壁面からバスバ本体15aに向けて各々突出させている。この第1片部182aと第2片部182bは、収容部材134に取り付けられたバスバ本体15aの辺部(第1連結係合体181)を間に挿入させるものであり、その挿入が可能になる位置まで突出させる。また、この第1片部182aと第2片部182bは、その挿入が可能となるように、基準平面に対する直交方向における互いの間隔をバスバ本体15aの板厚よりも広げておく。これにより、バスバ本体15aの辺部(第1連結係合体181)は、電気接続部15cの第1接続体収容室34cへの挿入と共に、第1片部182aと第2片部182bとの間に挿入されていく。この例示の第1片部182aと第2片部182bは、バスバ本体15aの辺部(第1連結係合体181)の略全体を覆うことができるように、第1導電部材131の収容部材134に対する取付方向に沿って延在させている。
【0066】
この第1片部182aと第2片部182bには、挿入されたバスバ本体15aの辺部(第1連結係合体181)を挟持するべく、その辺部に向けて突出させた挟持部182c,182dが各々設けられている(
図20)。それぞれの挟持部182c,182dは、基準平面に対する直交方向で、かつ、互いに向かい合うように突出させたものであり、その直交方向における互いの間隔がバスバ本体15aの板厚と同等の大きさとなるように形成する。例えば、この例示の挟持部182c,182dは、第1導電部材131の収容部材34に対する取付方向に沿って延在させた突出体であり、その延在方向に対する直交断面が突出方向側を頂点とする弧状断面となるように形成している。それぞれの挟持部182c,182dは、第1片部182aと第2片部182bとの間にバスバ本体15aの辺部(第1連結係合体181)が挿入されていくにつれて、その辺部を徐々に挟持していく。
【0067】
この連結構造180においては、その挟持部182c,182dの組み合わせを少なくとも1組設ければよい。ここでは、そのバスバ本体15aの辺部(第1連結係合体181)の挿入方向に対する直交方向の内、基準平面に沿う方向で、互いに間隔を空けて2組設けている。
【0068】
この連結構造180には、第1導電部材131の収容部材134への収容が完了したときに、その収容状態を保持する保持機構183が設けられている(
図16及び
図21)。その保持機構183は、第1導電部材131と収容部材134との間に設ける。この例示では、バスバ本体15aの辺部(第1連結係合体181)に貫通孔183aを設けると共に(
図19及び
図21)、その貫通孔183aに挿入される爪部183bを第2連結係合体182に設ける(
図21)。
【0069】
この例示の貫通孔183aは、矩形に形成している。この貫通孔183aは、バスバ本体15aの辺部(第1連結係合体181)において、電気接続部15cの自由端側寄り(つまり、その辺部における第1片部182aと第2片部182bとの間への挿入方向側の端部)に配置する。
【0070】
この例示の爪部183bは、第1片部182aに、第1導電部材131の収容部材134への収容が完了したときの貫通孔183aの位置に合わせて配置する。例えば、第1片部182aには、バスバ本体15aの辺部(第1連結係合体181)における第1片部182aと第2片部182bとの間への挿入方向に沿い、かつ、その挿入方向に対する直交方向の内の基準平面に沿う方向で互いに間隔を空けて配置された2つの切欠きが形成されており、その2つの切欠きに挟まれた可撓片部182a
1を設けている(
図15、
図16及び
図19)。その可撓片部182a
1は、可撓性を有するものであり、第1片部182aにおいて、第1及び第2の接続体収容室34c,34dの開口34c
1,34d
1側に自由端が配置されるように形成されている。爪部183bは、その可撓片部182a
1の自由端から突出させ、第1片部182aと第2片部182bとの間に配置する。
【0071】
ここで、爪部183bには、第1片部182aと第2片部182bとの間に挿入されてきたバスバ本体15aの辺部(第1連結係合体181)における端部が当接する。この爪部183bは、そのバスバ本体15aの辺部によって可撓片部182a
1ごと押動され、このバスバ本体15aの辺部の平面上に乗り上げる。このため、爪部183bには、当接後におけるバスバ本体15aからの押動力を可撓片部182a
1の撓み方向への力に変換するための傾斜面183b
1を設けている(
図21)。
【0072】
この連結構造180においては、電気接続部15cの第1接続体収容室34cへの挿入と共に、バスバ本体15aの辺部(第1連結係合体181)がそれぞれの挟持部182c,182dで挟持されながら、第1片部182aと第2片部182bとの間に挿入されていく。そして、この連結構造180においては、その挿入の進行と共に、バスバ本体15aの辺部における端部が爪部183bの傾斜面183b
1に当接する。この連結構造180では、その挿入が更に進むことで、バスバ本体15aの辺部が爪部183bを押し上げて、この爪部183bがバスバ本体15aの辺部の平面上に乗り上げる。その爪部183bは、バスバ本体15aの辺部の平面上を摺動しながら、可撓片部182a
1の撓みの解消と共に貫通孔183aに入り込む。このように、第1導電部材131と収容部材134は、この連結構造180によっても連結されるので、その間の剛性を高めることができる。そして、本変形例の導電モジュール130は、その連結構造180の配置されている箇所と、第1接続端子51を介した連結構造の配置されている箇所と、で外部入力等に伴い作用する負荷を分散させることができる。従って、この導電モジュール130は、実施形態の導電モジュール30と同様の効果が得られると共に、負荷の分散に伴う耐久性(耐振動性能)の向上が可能になる。