(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6571632
(24)【登録日】2019年8月16日
(45)【発行日】2019年9月4日
(54)【発明の名称】多用途の硬質表面清浄剤
(51)【国際特許分類】
C11D 17/08 20060101AFI20190826BHJP
C11D 3/30 20060101ALI20190826BHJP
C11D 3/04 20060101ALI20190826BHJP
C11D 3/43 20060101ALI20190826BHJP
C11D 3/37 20060101ALI20190826BHJP
C11D 1/90 20060101ALI20190826BHJP
C11D 1/58 20060101ALI20190826BHJP
C11D 1/52 20060101ALI20190826BHJP
C11D 1/72 20060101ALI20190826BHJP
C11D 1/722 20060101ALI20190826BHJP
C11D 1/75 20060101ALI20190826BHJP
C11D 1/14 20060101ALI20190826BHJP
C11D 1/22 20060101ALI20190826BHJP
C11D 1/29 20060101ALI20190826BHJP
C11D 1/28 20060101ALI20190826BHJP
C11D 1/10 20060101ALI20190826BHJP
C11D 1/18 20060101ALI20190826BHJP
C11D 3/22 20060101ALI20190826BHJP
C11D 3/12 20060101ALI20190826BHJP
【FI】
C11D17/08
C11D3/30
C11D3/04
C11D3/43
C11D3/37
C11D1/90
C11D1/58
C11D1/52
C11D1/72
C11D1/722
C11D1/75
C11D1/14
C11D1/22
C11D1/29
C11D1/28
C11D1/10
C11D1/18
C11D3/22
C11D3/12
【請求項の数】16
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-502767(P2016-502767)
(86)(22)【出願日】2014年3月14日
(65)【公表番号】特表2016-512852(P2016-512852A)
(43)【公表日】2016年5月9日
(86)【国際出願番号】US2014028355
(87)【国際公開番号】WO2014144091
(87)【国際公開日】20140918
【審査請求日】2017年3月14日
(31)【優先権主張番号】61/792,950
(32)【優先日】2013年3月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515256095
【氏名又は名称】クリアー ソリューションズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ボイスト、エヴァン
(72)【発明者】
【氏名】ハミルトン、パトリシア
【審査官】
古妻 泰一
(56)【参考文献】
【文献】
特表2009−530434(JP,A)
【文献】
国際公開第2007/077953(WO,A1)
【文献】
特表2002−540131(JP,A)
【文献】
特表2006−515642(JP,A)
【文献】
特表2006−516155(JP,A)
【文献】
特表平05−504584(JP,A)
【文献】
特開2001−277480(JP,A)
【文献】
特開2009−242698(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C11D 17/08
C11D 1/10
C11D 1/14
C11D 1/18
C11D 1/22
C11D 1/28
C11D 1/29
C11D 1/52
C11D 1/58
C11D 1/72
C11D 1/722
C11D 1/75
C11D 1/90
C11D 3/04
C11D 3/12
C11D 3/22
C11D 3/30
C11D 3/37
C11D 3/43
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
油中水型エマルジョン清浄用組成物であって、
a.塩基/水の溶液を含む分散相を前記組成物の1〜4%(w/w)の量で、
b.疎水性溶媒を含む連続相を前記組成物の0.1〜90%(w/w)の量で、
c.ポリエチレングリコール及び/又はイソプロピルアミンドデシルベンゼンスルホナートである乳化剤を前記組成物の0.5〜20%(w/w)の量で、
d.追加の非イオン性界面活性剤を前記組成物の0.01〜20%(w/w)の量で、及び
e.レオロジー剤を前記組成物の0.5〜8%(w/w)の量で、
含む、油中水型エマルジョン清浄用組成物。
【請求項2】
前記塩基が、アンモニア、アミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、及びこれらの混合物のうち少なくとも1種である、請求項1に記載の油中水型エマルジョン清浄用組成物。
【請求項3】
前記溶媒が、アジピン酸ジメチル、グルタル酸ジメチル、コハク酸ジメチル、式CH3COO−(CH2)n−COOCH3の二塩基酸エステル(nは1〜7の数である)、及びトリプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、及びプロプレングリコールn−ブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセタート、式(R1−COO−R2)の一塩基性エステル(R1は1から16個の炭素を有するアルキルであり、R2は1から4個の炭素を有するアルキルである)、大豆メチルエステル、及び乳酸エチル、D−リモネン、及びこれらの組合せのうち少なくとも1種である、請求項1に記載の油中水型エマルジョン清浄用組成物。
【請求項4】
アジピン酸ジメチル、グルタル酸ジメチル、コハク酸ジメチル、式CH3COO−(CH2)n−COOCH3の二塩基酸エステル(nは1〜7の数である)、又はトリプロピレングリコールメチルエーテルのうち少なくとも1種が、前記組成物の10〜90%(w/w)の量で存在する、請求項3に記載の油中水型エマルジョン清浄用組成物。
【請求項5】
ジプロピレングリコールメチルエーテル及びプロピレングリコールn−ブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセタートのうち少なくとも1種が、前記組成物の10〜20%(w/w)の量で存在する、請求項3に記載の油中水型エマルジョン清浄用組成物。
【請求項6】
式(R1−COO−R2)の一塩基性エステル(R1は1から16個の炭素を有するアルキルであり、R2は1から4個の炭素を有するアルキルである)のうち少なくとも1種が、前記組成物の1〜50%(w/w)の量で存在する、請求項3に記載の油中水型エマルジョン清浄用組成物。
【請求項7】
D−リモネンが、前記組成物の0.1〜3%(w/w)の量で存在する、請求項3に記載の油中水型エマルジョン清浄用組成物。
【請求項8】
少なくとも1種の前記乳化剤が、0.5〜20%(w/w)の、鎖の長さが200から2000のポリエチレングリコール、ポリアクリル酸、又はこれらの組合せである、請求項1に記載の油中水型エマルジョン清浄用組成物。
【請求項9】
前記非イオン性界面活性剤が、アルコキシル化アルコール、エトキシル化ポリオキシプロピレンブロック共重合体;アルコキシル化エーテルフェノール、シリコーン系化合物、及び半極性非イオン性界面活性剤、モノイソプロパノールアミド界面活性剤、及びこれらの組合せの少なくとも1種である、請求項1に記載の油中水型エマルジョン清浄用組成物。
【請求項10】
前記シリコーン系化合物がシリコーングリコール共重合体であり、前記半極性非イオン性界面活性剤がトリアルキルアミンオキシドである、請求項9に記載の油中水型エマルジョン清浄用組成物。
【請求項11】
前記非イオン性界面活性剤が、前記組成物の0.01から10%の範囲の量で存在する、請求項1に記載の油中水型エマルジョン清浄用組成物。
【請求項12】
レオロジー剤が、セルロース、キサンタンガム、フュームドシリカ、シロキサン処理フュームドシリカ、ヘクトライト粘土及びベントナイト、及びこれらの組合せのうち少なくとも1種である、請求項1に記載の油中水型エマルジョン清浄用組成物。
【請求項13】
セルロースが、前記組成物の0.1〜6%(w/w)の量で存在する、請求項12に記載の油中水型エマルジョン清浄用組成物。
【請求項14】
前記フュームドシリカ、シロキサン処理フュームドシリカのうち少なくとも1種が、前記組成物の0.5〜8%(w/w)の量で存在する、請求項12又は13に記載の油中水型エマルジョン清浄用組成物。
【請求項15】
前記ヘクトライト粘土、ベントナイトのうち少なくとも1種が、前記組成物の0.1〜6%(w/w)の量で存在する、請求項12〜14のいずれか一項に記載の油中水型エマルジョン清浄用組成物。
【請求項16】
前記キサンタンガムが、前記組成物の0.1〜6%(w/w)の量で存在する、請求項12〜15のいずれか一項に記載の油中水型エマルジョン清浄用組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一実施態様における、非限定的にガラス表面等の硬質表面のための多用途清浄用組成物に関する。当該清浄用組成物は、1つの相を有し、且つ当該清浄用組成物が硬く適所に残って汚れを除去することができる高いレオロジー特性を有する、油中水型エマルジョン組成物であり、これにより、硬質表面、例えばカウンタートップ、金属(ステンレス鋼、白金、チタン、金)、セラミック、磁器、ガラス、及びタイル、の清浄を容易にする。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
一実施態様では、当該清浄用組成物は、少なくとも1種の溶媒を当該組成物の約0.1〜90%(w/w)の量で、少なくとも1種の界面活性剤を当該組成物の約0.1〜20%(w/w)の量で、脱イオン水中の充分な塩基を当該組成物の約1〜90%(w/w)の量で、レオロジー剤を当該組成物の約0.1〜20%(w/w)の量で、及び乳化剤を当該組成物の約0.5〜20%(w/w)の量で含むことができる、油中水型エマルジョンである。任意に、当該組成物は、抗菌剤を有効量で含むことができ、そして所望の芳香剤及び着色剤は当該組成物の約1〜4%(w/w)の量で存在することができる。
【発明を実施するための形態】
【0003】
油中水型エマルジョン組成物では、親水性の汚れやごみ及び疎水性の汚れやごみを除去して清浄できる清浄用溶液が構成されるように、水は疎水性溶媒中に乳化された状態で保持される。一般に、脱イオン水は、塩基を用いて処理することができる。非限定的に、当該塩基は、アンモニア、アミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、若しくはこれらの混合物、又は任意の他の適切な塩基、若しくは塩基の混合物であり得る。例示すると、水酸化カリウム(KOH)は、KOH/脱イオン水の溶液を作るのに使用できる。この溶液を、乳化剤を用いて疎水性溶媒内にエマルジョンにて懸濁し、親水性/疎水性のエマルジョンを作る。
【0004】
硬質表面から非水溶性の汚れやごみを除去して清浄するのに適する溶媒が含まれる。油性のごみ又は汚れを除去して清浄するのに適した任意の数の溶媒を、当該組成物中に適切に含ませることができ、これらの溶媒は、単独で又は互いに組合せて存在させることができる。以下の事項を、当該清浄用組成物における用途を見出すことができる溶媒を制限するものとして解釈すべきではない。代表的な適切な溶媒には、アジピン酸ジメチル、グルタル酸ジメチル、コハク酸ジメチル(これらは全て、商品名Rhodiasolv RPDEで、Rhodia Groupから入手可能である)、ペンタン二酸,2−メチル,1,5−ジメチルエステル、式CH
3COO−(CH
2)
n−COOCH
3の二塩基酸エステル(nは1〜7の数である)、及びトリプロピレングリコールメチルエーテルが含まれる。これらの溶媒は、単独で又は組合せで、当該組成物の約10〜90%(w/w)の量で存在し得る。
【0005】
使用可能な他の溶媒には、ジプロピレングリコールメチルエーテル及びプロピレングリコールn−ブチルエーテルが含まれる。更にプロピレングリコールメチルエーテルアセタートは、約10〜20%(w/w)の量で存在し得る。これらの溶媒は、単独で又は組合せで、当該組成物の約1〜20%(w/w)の量で存在し得る。
【0006】
他の溶媒には、式(R
1−COO−R
2)の一塩基性エステルが含まれ得る(R
1は1から16個の炭素を有するアルキルであり、R
2は1〜4個の炭素を有するアルキルである)。他の溶媒には、大豆メチルエステル、及び乳酸エチルが含まれ得る。これらの溶媒は、単独で又は組合せで、当該組成物の約1〜50%(w/w)の量で存在し得る。
【0007】
更に、当該組成物は、許容される場合は、溶媒としてD−リモネンを、当該組成物の約0.1〜3%(w/w)の量で含み得る。
【0008】
使用に適した両性界面活性剤には、例えばベタイン、アルキルイミダゾリン、カプリルイミダゾリン、アルカノールアミド、ココアンホプロピオナート、又はこれらの組合せが含まれる。両性界面活性剤を利用する場合、当該両性界面活性剤は好ましくは、アルカリ性条件下で使用されて、両性化合物の陰イオン性部分を活性化する。両性界面活性剤は、当該組成物の約0.5から約20%(w/w)の範囲の量で存在し得る。
【0009】
当該清浄用組成物における使用に適した非イオン性界面活性剤には、アルコキシル化アルコール、エトキシル化ポリオキシプロピレンブロック共重合体;アルコキシル化エーテルフェノール、シリコーン系化合物、例えばシリコーングリコール共重合体、及半極性非イオン性界面活性剤、例えばトリアルキルアミンオキシドが含まれる。許容される場合には、モノイソプロパノールアミドを使用することができ、約0.5〜5%(w/w)の量で存在し得る。更に、有用な界面活性剤には、Air Productsから入手可能である、商品名Sufynol 104及び特に有用なSufynol 104Eで知られている界面活性剤が含まれ、これらは、湿潤剤として作用して、当該組成物の表面張力を低下させ、そして溶媒中の水に基づく清浄用溶液が硬質表面上で溶媒として作用できる。非イオン性界面活性剤は、当該組成物の約0.01から約10%(w/w)の範囲の量で存在し得る。
【0010】
使用に適した陰イオン界面活性剤には、清浄用組成物中での使用が知られている、アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホナート、アルキルタウラート、アルキルサルコシナート、アルキルジフェニルオキシドジスルホナート、アルキルナフタレンスルホナート、アルキルエーテルスルファート、アルキルエーテルスルホナート、スルホスクシナート、及び他の陰イオン界面活性剤が含まれる。界面活性剤は典型的に、そのアルカリ金属塩、アルカリ土類塩及びアンモニウム塩として利用できる。好ましい陰イオン界面活性剤は、アルキルベンゼンスルホナート、例えばイソプロピルアミンドデシルベンゼンスルホナート;直鎖状及び分枝状のドデシルベンゼンスルホナート;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(SDBS)であり、当該組成物の約0.5から約20%(w/w)の範囲の量で存在する。
【0011】
更に、レオロジー剤は当該組成物に添加されて、当該配合物が適所に(水平面又は天井面上でさえ)、レオロジー剤を含まない組成物について可能なよりも長い時間粒子及び汚れが当該清浄用組成物と反応することができるように長時間、残存できるように、流れ抵抗特性を高めることができる。多くのレオロジー剤を、本発明の範囲において使用することができ、且つその範囲内に含むことができ、一定のレオロジー剤は本組成物により容易に適合可能である。例えば、セルロースをレオロジー剤として使用することができ、キサンタンガム又は他の既知の乳化剤も使用可能である。更に、レオロジー剤は、フュームドシリカ、シロキサン処理フュームドシリカを単独で又は組合せて当該組成物の約0.5〜8%(w/w)の量で、ヘクトライト粘土及びベントナイトを単独で又は組合せて当該組成物の約0.1〜6%(w/w)の量で、セルロース増粘剤を約0.1〜6%(w/w)の量で含むことができる。当業者は更に、これらのレオロジー剤が、レオロジー剤の全量が当該組成物の20%(w/w)を超えないように、記載の範囲内で量を変化させて一緒に使用できることを認識する。
【0012】
本組成物が油中水型エマルジョンであることからわかるように、乳化剤を使用すると、エマルジョンの安定性は向上する。例えば、非制限的に、使用可能な未処理の乳化剤には、商品名Rhodacol IPAMで知られている、Solvayから入手可能な乳化剤が含まれる。更に、鎖の長さが200から2000のポリエチレングリコールを乳化剤として使用することができ、油中水型エマルジョン組成物中で特に有用である。乳化剤は、当該組成物の約0.5〜20%(w/w)の量で存在し得る。代表的な乳化剤には、鎖の長さが約200から2000のポリエチレングリコール、及びポリアクリル酸が、単独で又は組合せで、当該組成物の約0.5〜20%(w/w)の量で含まれ得る。
【0013】
着色剤及び芳香剤等のアジュバントは、美容的及び審美的必要性で添加することができ、更に、当該組成物には抗菌剤を含めることが望ましい場合がある。例えば、非限定的に、シンナムアルデヒドは、当該組成物の約1〜2%(w/w)の量で存在することができ、これは抗菌剤及び芳香剤の両方としての機能を果たすことができる。FD&CRed40は、着色剤として添加することができる。特定の配合者によって適合されるように、他の適した芳香剤、着色剤及び抗菌剤を使用することができる。加えて、pH調整剤を、当該組成物を適用できる特定の清浄用途に適するように添加することができる。
【0014】
以下は、そこに示された特定の配合物の利点の少なくとも幾つかを示す他の配合物と比較した、清浄用組成物の特定の観点を示すデータである。当該試験結果は、代表的なものに過ぎず、本出願に記載された発明の範囲を限定しないものとして理解されるべきである。
【実施例】
【0015】
例
【0016】
以下の例は、本発明の種々の観点及び使用された特定の配合物と結びつく利点を示すために提示される。本例は例示であり、本発明の範囲を限定しないものと理解される。
【0017】
当該配合物には、清浄剤と清浄される領域との滞留時間を長くするために、清浄されている表面に付着する能力がある。これによると、当該清浄剤は、機械的作用を要せず、且つ清浄される必要のある部分全体を清浄用溶液に浸漬させる必要性なく、機能を発揮できる。繊細な基板上、即ちガラス又はセラミック上での過度の機械的作用によって、これらが損傷又は破壊される可能性があるので、当該清浄剤は、当該市場空間における他の清浄剤より有利である。更に、部分全体を清浄剤中に沈める必要がないので、清浄剤の使用量はより少なくて済む。
【0018】
他の利点としては、このタイプの清浄用製品における、VOC及び界面活性剤のタイプに関する州及び連邦規制に準拠していることであり、更に、この準拠した清浄剤によって洗浄するのに要する時間が、Aqua Labs Technologiesからの「Grunge Off」及びSCS Enterprisesからの「Formula 420」のような他の清浄剤に比べて短くなることである。
【0019】
手順
【0020】
本開示に係るガラス清浄用組成物を、以下のように、高せん断下で、当該固体を当該液体と混合することにより調製した。以下の配合物を配合物1と称する。
【表1】
ガラス基板を、植物性材料の炎分解(flame decomposition)を用いて、濃厚な残渣及び樹脂状の堆積物が当該ガラスに多数のスポット状に形成されるまで汚すことにより、使用のために準備した。市場の競合相手と比較するために、「Grunge Off」及び「Formula 420」の両方を、当該ガラス製品を浸漬するために、60分間のみ行うという点を除いて指示書に従って使用した。配合物1を同様に汚れたガラス部分全体を覆って単に注いだ。当該汚れたガラス製品を60分間放置した後、水で洗浄した。当該ガラス製品を、清浄度について目視で評価した。その結果は次のように観察された。60分間及び洗浄の後、配合物1では完全に清浄されており、新しい部分のようであった。一方、「Grunge Off」及び「Formula 420」は、それぞれの清浄剤に全体的に浸漬されたにもかかわらず、汚れの程度が軽かった領域のみ清浄され、酷く汚れた領域は未だ殆ど汚れていた。
本願発明を以下に示す。
[発明1]
油中水型エマルジョン清浄用組成物であって、
a.3Mの塩基/脱イオン水を前記組成物の約1.4%(w/w)の量で、
b.疎水性溶媒を前記組成物の約0.1〜90%(w/w)の量で、
c.乳化剤を前記組成物の約0.5〜20%(w/w)の量で、
d.界面活性剤を前記組成物の約0.01〜20%(w/w)の量で、及び
e.レオロジー剤を前記組成物の約0.5〜8%(w/w)の量で、
含む、油中水型エマルジョン清浄用組成物。
[発明2]
前記塩基が、アンモニア、アミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、及びこれらの混合物のうち少なくとも1種であり得る、発明1に記載の油中水型エマルジョン清浄用組成物。
[発明3]
前記親水性溶媒が、アジピン酸ジメチル、グルタル酸ジメチル、コハク酸ジメチル(これらは全て、商品名Rhodiasolv RPDEで、Rhodia Groupから入手可能である)、ペンタン二酸(petanedioic acid),2−メチル,1,5−ジメチルエステル、式CH3COO−(CH2)n−COOCH3の二塩基酸エステル(nは1〜7の数である)、及びトリプロピレングリコールメチルエーテル、ジメチルアジパート、ジプロピレングリコールメチルエーテル、及びプロプレングリコールn−ブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセタート、式(R1−COO−R2)の一塩基性エステル(R1は1から16個の炭素を有するアルキルであり、R2は1から4個の炭素を有するアルキルである)、大豆メチルエステル、及び乳酸エチル、D−リモネン、及びこれらの組合せのうち少なくとも1種であり得る、発明1に記載の油中水型エマルジョン清浄用組成物。
[発明4]
アジピン酸ジメチル、グルタル酸ジメチル、コハク酸ジメチル(これらは全て、商品名Rhodiasolv RPDEで、Rhodia Groupから入手可能である)、ペンタン二酸(petanedioic acid),2−メチル,1,5−ジメチルエステル、式CH3COO−(CH2)n−COOCH3の二塩基酸エステル(nは1〜7の数である)、又はトリプロピレングリコールメチルエーテルのうち少なくとも1種が、前記組成物の約10〜90%(w/w)の量で存在する、発明3に記載の油中水型エマルジョン清浄用組成物。
[発明5]
ジプロピレングリコールメチルエーテル及びプロピレングリコールn−ブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセタートのうち少なくとも1種が、前記組成物の約10〜20%(w/w)の量で存在する、発明3に記載の油中水型エマルジョン清浄用組成物。
[発明6]
式(R1−COO−R2)の一塩基性エステル(R1は1から16個の炭素を有するアルキルであり、R2は1から4個の炭素を有するアルキルである)のうち少なくとも1種が、前記組成物約1〜50%(w/w)の量で存在する、発明3に記載の油中水型エマルジョン清浄用組成物。
[発明7]
D−リモネンが、前記組成物の約0.1〜3%(w/w)の量で存在する、発明3に記載の油中水型エマルジョン清浄用組成物。
[発明8]
少なくとも1種の前記乳化剤が、約0.5〜20%(w/w)の、未処理の乳化剤であるRhodacol IPAM(Solvayから入手可能である)、鎖の長さが200から2000のポリエチレングリコール、ポリアクリル酸、及びこれらの組合せである、発明1に記載の油中水型エマルジョン清浄用組成物。
[発明9]
前記界面活性剤が、両性、陰イオン性及び非イオン性界面活性剤、及びこれらの組合せのうち少なくとも1種である、発明1に記載の油中水型エマルジョン清浄用組成物。
[発明10]
前記両性界面活性剤が、ベタイン、アルキルイミダゾリン、カプリルイミダゾリン、アルカノールアミド、ココアンホプロピオナート、及びこれらの組合せのうち少なくとも1種である、発明9に記載の油中水型エマルジョン清浄用組成物。
[発明11]
前記両性界面活性剤が、前記組成物の約0.5から約20%(w/w)の範囲の量で存在する、発明9に記載の油中水型エマルジョン清浄用組成物。
[発明12]
少なくとも1種の非イオン性界面活性剤が、アルコキシル化アルコール、エトキシル化ポリオキシプロピレンブロック共重合体;アルコキシル化エーテルフェノール、シリコーン系化合物、例えばシリコーングリコール共重合体、及半極性非イオン性界面活性剤、例えばトリアルキルアミンオキシド、モノイソプロパノールアミド界面活性剤(商品名Sufynol 104及びSufynol 104Eで知られており、Air Productsから入手可能である)、及びこれらの組合せである、発明9に記載の油中水型エマルジョン清浄用組成物。
[発明13]
前記非イオン性界面活性剤が、前記組成物の約0.01から約10%の範囲の量で存在することができる、発明9に記載の油中水型エマルジョン清浄用組成物。
[発明14]
前記陰イオン性界面活性剤が、アルキル硫酸塩、アルキルベンゼンスルホナート、イソプロピルアミンドデシルベンゼンスルホナート、ドデシルベンゼンナトリウム、直鎖状及び分枝状のドデシルベンゼンスルホナート、アルキルタウラート、アルキルサルコシナート(sacrosinates)、アルキルジフェニルオキシドジスルホナート、アルキルナフタレンスルホナート、アルキルエーテルスルファート、アルキルエーテルスルホナート、スルホスクシナート、及びこれらの組合せのうち少なくとも1種である、発明9に記載の油中水型エマルジョン清浄用組成物。
[発明15]
前記陰イオン性界面活性剤が、前記組成物の約0.5から約20%(w/w)の範囲の量で存在する、発明9に記載の油中水型エマルジョン清浄用組成物。
[発明16]
レオロジー剤が、セルロース、キサンタンガム、フュームドシリカ、シロキサン処理フュームドシリカ、ヘクトライト粘土及びベントナイト、及びこれらの組合せのうち少なくとも1種である、発明1に記載の油中水型エマルジョン清浄用組成物。
[発明17]
セルロースが、前記組成物の約0.1〜6%(w/w)の量で存在する、発明16に記載の油中水型エマルジョン清浄用組成物。
[発明18]
前記フュームドシリカ、シロキサン処理フュームドシリカのうち少なくとも1種が、前記組成物の約0.5〜8%(w/w)の量で存在する、発明16に記載の油中水型エマルジョン清浄用組成物。
[発明19]
前記ヘクトライト粘土、ベントナイトのうち少なくとも1種が、前記組成物の約0.1〜6%(w/w)の量で存在する、発明16に記載の油中水型エマルジョン清浄用組成物。
[発明20]
前記キサンタンガム、セルロースのうち少なくとも1種が、前記組成物の約0.1〜6%(w/w)の量で存在する、発明16に記載の油中水型エマルジョン清浄用組成物。