【実施例】
【0101】
本発明は、今回、それらの範囲に限定されない実施例によって説明されるであろう。
【0102】
(実施例1:本発明に従う式(I)の化合物の調製)
化合物1:
【0103】
【化21】
【0104】
不活性窒素又はアルゴン雰囲気下の反応器において、1,3−ジ(1H−イミダゾール−1−イル)ベンゼン(300mg、1.4mmol、2.0当量)を2mLのアセトニトリルに溶解した。次に、ヘキサン中の9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン−9−イルトリフルオロメタンスルホネートの0.5M溶液(1.4mmol、2.8mL、2.0当量)を20℃でシリンジを用いて急速に添加し、次いで反応混合物を100℃で16時間攪拌した。次に、溶液を室温まで戻し、形成された固体を濾過によって単離し、10mLのジエチルエーテルで洗い、次いで溶媒残留物を除去するために真空下に置いた。白色固体(650mg、0.67mmol、95%)を得た。
【0105】
1H NMR(400MHz、DMSO−d
6)δ(ppm)1.37(bs,4H)、1.64−1.93(m,24H)、7.78(s,4H)、7.86−7.99(m,8H)、8.20(s,4H)、9.21(s,4H)
13C NMR(100MHz、DMSO−d
6)δ(ppm)19.4
(HMQC)、23.2、30.0、120.4、121.7、123.2、123.9、131.5、135.8(2C)
19F NMR(376MHz、DMSO−d
6)δ(ppm)−77.8(s,CF
3)
11B NMR(128MHz、DMSO−d
6)δ(ppm)6.9(bs,B)
HRMS(ES、[M−2OTf]
2+)[C
40H
48B
2N
8]
2+の計算値:330.7102;検出値:330.7109;(ES、[M−OTf]
+)[C
41H
48B
2F
3N
8O
3S]
+の計算値:811.4;検出値:811.3
FT−IR(ATR)v(cm
−1)3120(w)、3074(w)、2921(w)、2858(m)、1606(w)、1539(w)、1491(w)、1449(w)、1274(w)、1257(s)、1222(w)、1152(s)、1082(w)、1030(w)、1006(w)、919(w)、873(w)、835(w)、828(w)、793(w)、737(w)、688(w)、632(w)
【0106】
化合物2:
【0107】
【化22】
【0108】
アルゴン雰囲気下の反応器において、3,6−ジ(1H−イミダゾール−1−イル)−9−(2−(2−(2−メトキシエトキシ)エトキシ)エチル)−9H−カルバゾール(900mg、2.0mmol、2.0当量)を3mLのアセトニトリルに溶解した。次に、9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン−9−イルトリフルオロメタンスルホネートの溶液(ヘキサン中で0.5M、2.0mmol、4mL、2.0当量)を室温にて1回で添加した。反応混合物を100℃で16時間攪拌した。反応媒体を室温まで冷却した後、次に溶媒を蒸発させ、残留物を、溶媒の混合物(10%MeOH/CH
2Cl
2)を用いることにより、シリカゲルのクロマトグラフィーで精製した。溶媒の蒸発後、白色固体(1.21g、0.85mmol、85%)を得た。
【0109】
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ(ppm)1.31−1.91(m,28H)、3.29(s,3H)、3.38−3.47(m,16H)、3.80(t,4H,
3J=5.5Hz)、4.50(t,4H,
3J=5.0Hz)、7.48(s,4H)、7.61−7.66(m,8H)、7.75(s,4H)、8.96(s,4H)、9.17(s,4H)
13C NMR(100MHz、CDCl
3)δ(ppm)23.4、30.3、43.9、58.8、69.5、70.4、70.5、70.7、71.7、111.0、113.8、119.3、120.0、123.3、123.5、128.1、134.9、141.1
HRMS(ES、[M−2OTf]
2+)[C
66H
82B
2N
10O
6]
2+の計算値:566.3307;検出値:566.3306;(ES、[M−OTf]
+)[C
67H
82B
2F
3N
10O
9S]
+の計算値:1281.6140;検出値:1281.6143
ESI MS(MeOH)m/z[M−2OTf]
2+[C
66H
82B
2N
10O
6]
2+の計算値:566.3;検出値:566.5;[M−OTf]
+[C
67H
82B
2F
3N
10O
9S]
+の計算値:1281.6;検出値:1281.4
【0110】
化合物3:
【0111】
【化23】
【0112】
不活性窒素又はアルゴン雰囲気下の反応器において、1,2−ジ(1H−イミダゾール−1−イル)ベンゼン(200mg、0.95mmol、2.0当量)を2mLのアセトニトリルに溶解した。次に、ヘキサン中の9−ヨード−9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナンの1.0M溶液(0.95mmol、0.95mL、2.0当量)を20℃でシリンジを用いて急速に添加し、次いで反応混合物を100℃で16時間攪拌した。次に、溶液を室温まで冷却し、形成された固体を濾過し、10mLのジエチルエーテルで洗い、次いで溶媒残留物を除去するために真空下に置き、白色固体(283mg、0.31mmol、63%)を得た。
【0113】
1H NMR(400MHz、DMSO−d
6)δ(ppm)1.30−1.47(m,12H)、1.62−1.90(m,16H)、7.10(s,4H)、7.71(s,4H)、7.91−7.96(m,4H)、8.04−8.08(m,4H)、9.04(s,4H)
13C NMR(100MHz、DMSO−d
6)δ(ppm)19.4、23.3、29.7、30.0、122.0、124.6、129.2、132.1、132.2、138.5
11B NMR(128MHz、DMSO−d
6)δ(ppm)6.2(bs,B)
HRMS(ES、[M−2I]
2+)[C
40H
48B
2N
8]
2+の計算値:330.7102;検出値:330.7109;(ES、[M−I]
+)[C
40H
48B
2N
8I]
+の計算値:789.3227;検出値:789.3245
ESI MS(MeOH)m/z[M−2I]
2+[C
40H
48B
2N
8]
2+の計算値:331.2;検出値:331.0;[M−I]
+[C
40H
48B
2N
8I]
+の計算値:789.3;検出値:789.3
FT−IR(ATR)v(cm
−1)3413(w)、3099(w)、3092(w)、3033(w)、2914(w)、2893(w)、2887(w)、1539(m)、1341(w)、1330(w)、1138(w)、1103(w)、1079(w)、929(w)、831(w)、769(w)、737(w)、688(w)、646(w)
【0114】
化合物4:
【0115】
【化24】
【0116】
アルゴン雰囲気下の反応器において、9−ヘキシル−3,6−ジ(1H−イミダゾール−1−イル)−9H−カルバゾール(200mg、0.52mmol、2.0当量)を2mLのアセトニトリルに溶解した。次に、9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン−9−イルトリフルオロメタンスルホネートの溶液(ヘキサン中で0.5M、0.52mmol、1.0mL、2.0当量)を室温にて1回で添加した。反応混合物を100℃で16時間攪拌した。反応媒体を室温まで冷却した後、次に溶媒を蒸発させ、残留物を、溶媒の混合物(10%MeOH/CH
2Cl
2)を用いることにより、シリカゲルのクロマトグラフィーで精製した。溶媒の蒸発後、白色固体(0.34g、0.25mmol、99%)を得た。
【0117】
1H NMR(400MHz、CDCl
3)δ(ppm)0.80(t,6H,
3J=7.0Hz)、1.19−1.84(m,44H)、4.57(t,4H,
3J=7.3Hz)、7.81−8.0(m,12H)、8.29(s,4H)、8.68(s,4H)、9.09(s,4H)
13C NMR(100MHz、CDCl
3)δ(ppm)13.9、14.2、22.4、23.4、26.8、28.9、30.3、31.4、50.8、110.5、114.1、119.5、120.2、123.3、123.6、128.0、136.1、140.8
11B NMR(128MHz、DMSO−d
6)δ(ppm)3.0(bs,B)
HRMS(ES、[M−2OTf]
2+)[C
64H
78B
2N
10]
2+の計算値:504.3293;検出値:504.3300;(ES、[M−OTf]
+)[C
65H
78O
3N
10SB
2F
3]
+の計算値:1157.6111;検出値:1157.6140
ESI MS(MeOH)m/z[M−2OTf]
2+[C
64H
78B
2N
10]
2+の計算値:504.3;検出値:504.3;[M−OTf]
+[C
65H
78O
3N
10SB
2F
3]
+の計算値:1157.6;検出値:1157.8
【0118】
化合物5:
【0119】
【化25】
【0120】
不活性窒素又はアルゴン雰囲気下の反応器において、1,4−ジ(1H−イミダゾール−1−イル)ベンゼン(200mg、0.95mmol、3.0当量)を2mLのアセトニトリルに溶解した。次に、ヘキサン中のヨード−9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナンの1.0M溶液(0.95mmol、0.95mL、3.0当量)を20℃でシリンジを用いて急速に添加し、次いで反応混合物を100℃で16時間攪拌した。次に、溶液を室温まで戻し、形成された固体を濾過によって単離し、10mLのジエチルエーテルで洗い、次いで溶媒残留物を除去するために真空下に置いた。白色固体(415mg、0.31mmol、95%)を得た。
【0121】
1H NMR(400MHz、DMSO−d
6)δ(ppm)1.30−1.90(m,42H)、7.75−7.81(m,6H)、8.03−8.14(m,12H)、8.26−8.33(m,6H)、9.35−9.44(m,6H)
13C NMR(100MHz、DMSO−d
6)δ(ppm)19.2、23.2、30.1、122.7、122.8、123.1、123.8、135.1
11B NMR(128MHz、DMSO−d
6)δ(ppm)2.9(bs,B)
HRMS(ES、[M−2I]
2+)[C
60H
72B
3N
12I]
2+の計算値:560.2658;検出値:560.2658
FT−IR(ATR)v(cm
−1)3440(w)、3426(w)、3411(w)、3113(w)、3089(w)、3071(w)、3014(w)、2980(w)、2920(w)、2889(w)、2847(w)、1645(m)、1577(w)、1533(w)、1486(w)、1450(w)、1417(w)、1377(w)、1333(w)、1277(w)、1261(w)、1255(w)、1219(w)、1155(w)、1108(w)、1080(w)、1065(w)、991(w)、925(w)、879(w)、760(w)、715(w)、645(w)
【0122】
化合物6:
【0123】
【化26】
【0124】
アルゴン雰囲気下の反応器において、9−ベンジル−3,6−ジ(1H−イミダゾール−1−イル)−9H−カルバゾール(250mg、0.64mmol、2.0当量)を2mLのアセトニトリルに溶解した。次に、9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン−9−イルトリフルオロメタンスルホネートの溶液(ヘキサン中で0.5M、0.64mmol、1.3mL、2.0当量)を室温にて1回で添加した。反応混合物を100℃で16時間攪拌した。反応媒体を室温まで冷却した後、次に溶媒を蒸発させ、残留物を、溶媒の混合物(10%MeOH/CH
2Cl
2)を用いることにより、シリカゲルのクロマトグラフィーで精製した。溶媒の蒸発後、白色固体(0.41g、0.31mmol、97%)を得た。
【0125】
1H NMR(400MHz、MeOD−DMSO
6)δ(ppm)1.30−2.01(m,28H)、5.88(s,4H)、7.16−7.32(m,10H)、7.90−7.94(m,8H)、8.02(d,4H)、8.24(s,4H)、8.67(s,4H)、8.10(s,4H)
13C NMR(100MHz、MeOD−DMSO−d
6)δ(ppm)19.3、23.2、30.1、47.9、111.6、114.3、121.6、121.9、122.0、123.6、126.7、127.5、128.3、128.7、135.0、137.0、140.7
11B NMR(128MHz、DMSO−d
6)δ(ppm)2.2(bs,B)
ESI MS(MeOH)m/z[M−OTf]
+[C
67H
66B
2F
3N
10O
3F]
+の計算値:1169.5;検出値:1169.6
【0126】
化合物7:
【0127】
【化27】
【0128】
不活性窒素又はアルゴン雰囲気下の反応器において、1,3−ジ(1H−イミダゾール−1−イル)ベンゼン(300mg、1.4mmol、2.0当量)を2mLのアセトニトリルに溶解した。次に、ジクロロメタン中のジブチル(((トリフルオロメチル)スルホニル)オキシ)ボランの1.0M溶液(1.4mmol、1.4mL、2.0当量)を20℃でシリンジを用いて急速に添加し、次いで反応混合物を100℃で16時間攪拌した。次に、溶液を室温まで戻し、形成された固体を濾過によって単離し、10mLのジエチルエーテルで洗い、次いで溶媒残留物を除去するために真空下に置いた。白色固体(512mg、0.53mmol、76%)を得た。
【0129】
1H NMR(400MHz、DMF−d
7)δ(ppm)0.88(t,12H,
3J=7.4Hz)、0.96−1.22(m,16H)、1.30−1.42(m,8H)、7.86(s,4H)、7.95−8.14(m,6H)、8.35(s,4H)、8.49(s,2H)、9.33(s,4H)
11B NMR(128MHz、DMSO−d
6)δ(ppm)6.4(bs,B)
HRMS(ES、[M−2OTf]
2+)[C
40H
56N
8B
2]
2+の計算値:334.7415;検出値:334.7428;(ES、[M−OTf]
+)[C
41H
56N
8O
3SB
2F
3]
+の計算値:819.4328;検出値:819.4345
ESI MS(MeOH)m/z[M−2OTf]
2+[C
40H
56B
2N
8]
2+の計算値:335.3;検出値:335.3;[M−OTf]
+[C
41H
56B
2F
3N
8O
3S]
+の計算値:819.6;検出値:819.6
【0130】
化合物8:
【0131】
【化28】
【0132】
不活性窒素又はアルゴン雰囲気下の反応器において、2,6−ジ(1H−イミダゾール−1−イル)ピリジン(200mg、0.95mmol、2.0当量)を2mLのアセトニトリルに溶解した。次に、ヘキサン中の9−ボラビシクロ[3.3.1]ノナン−9−イルトリフルオロメタンスルホネートの0.5M溶液(0.95mmol、1.9mL、2.0当量)を20℃でシリンジを用いて急速に添加し、次いで反応混合物を100℃で16時間攪拌した。次に、溶液を室温まで冷却し、形成された固体を濾過によって単離し、10mLのジエチルエーテルで洗い、次いで溶媒残留物を除去するために真空下に置いた。白色固体(432mg、0.45mmol、95%)を得た。
【0133】
1H NMR(400MHz、DMSO−d
6)δ(ppm)1.42(bs,4H)、1.63−2.03(m,24H)、7.82(s,4H)、7.07(d,4H,
3J=8.0Hz)、8.36(s,4H)、8.50(t,2H,
3J=8.0Hz)、9.64(s,4H)
13C NMR(100MHz、DMSO−d
6)δ(ppm)18.7
(HMQC)、23.3、30.3、115.5、120.7、124.4、134.8、144.3、146.0
19F NMR(376MHz、DMSO−d
6)δ(ppm)−77.7(s,CF
3)
11B NMR(128MHz、DMSO−d
6)δ(ppm)6.9(bs,B)
ESI MS(MeOH)m/z[M−2OTf]
2+[C
38H
46B
2N
10]
2+の計算値:332.2;検出値:332.0
FT−IR(ATR)v(cm
−1)3494(w)、3142(w)、2928(w)、2879(w)、2849(w)、1611(w)、1526(w)、1469(w)、1344(w)、1255(s)、1222(w)、1167(w)、1079(w)、1030(w)、1010(w)、923(w)、838(w)、813(w)、764(w)、736(w),640(w)
【0134】
(実施例2:化合物1を用いたアニオンの錯体化についての
1H NMR分光法による研究)
会合定数Kaは、DMSO中、298Kにて
1H NMR分光法による滴定によって決定した。対応するアニオンを持つ濃縮溶液のアリコートを、DMSO中の化合物1(10
−2M)の希釈溶液を含有するNMRチューブに引き続いて加えた。ソフトウェアWineqNMR2の一部を用い、滴定中にレシーバーに関する1つ又は複数のシグナルの化学シフトを追跡することによって会合定数を決定した。
下記の表は、得られた会合定数を示す。
【0135】
【表1】
【0136】
これらの結果は、本発明の化合物がアニオンと親和性があり、アニオンと本発明の化合物との間に相互作用が形成されることを示す。また、これらの結果は、Aがフェニル基を表す本発明の化合物が、フッ化物、臭化物、アセテートやヨウ化物との親和性が大きいことを示す。
【0137】
(実施例3:化合物2を用いたヨウ素アニオンの錯体化についての蛍光分析による研究)
<典型的な測定(ヨウ素イオンを持つ)>
会合定数はまた、記載した溶媒(DCM(ジクロロメタン)又は1:1のアセトニトリル/水混合物)中、298Kにて蛍光分析における滴定によって決定した。分析されるべきアニオンの溶液のアリコートを、化合物2(10
−7M)の希釈溶液を含有する、1cmの光路を持つ石英セルに引き続いて加えた。以下の方法によって会合定数を計算した。
【0138】
<非蛍光性錯体の形成>
以下のモデルは、1/1のアニオン/マクロ環の化学量論をもつデータを分析するために使用される。
化合物2+アニオン → 化合物2−アニオン
蛍光 非蛍光
蛍光強度が非錯体化合物の濃度に比例するような方法
錯体化合物の割合は、以下の方法によって表される。
【0139】
【数1】
【0140】
I
0:如何なる配位子なしの初期蛍光強度(励起284nm、発光390nm)
K
d:錯体の解離定数
C
0:非錯体化合物2の初期濃度(ここでは10
−7M)
A
0:添加したアニオン濃度
この方法では、x=f(A
0)がプロットされ、K
dが決定される。
【0141】
<結果>
励起284nm、発光387nm
下記の表は、得られた会合定数を示す。
得られた会合定数(ACN=アセトニトリル、DCM=ジクロロメタン)
【0142】
【表2】
【0143】
これらの結果は、Aがカルバゾール基を表す本発明の化合物とヨウ化物との間の強い親和性を示す。
【0144】
(実施例4:アニオンの錯体化の可逆性についての
1H NMR分光法による研究)
<実施例4.1 化合物1・2Iと1・2Brとの間の競争>
化合物1・2Iは、OTfがヨウ素で置換された本発明の化合物1に相当する
化合物1・2Brは、OTfが臭素で置換された本発明の化合物1に相当する。
ヨウ素アニオン及び臭素アニオンの錯体化における競争は、d
6−DMSO中、298Kにて
1H NMR分光法による滴定によって決定した。d
6−DMSO中の化合物1・2Iの濃縮溶液0〜5当量を、重水素化されたDMSO中の化合物1・2Br(5.0.10
−3M)の希釈溶液を含有するNMRチューブに引き続いて加えた。化合物1・2Brのイミダゾリウム基の2位におけるプロトンの化学シフト、及び0〜5当量の化合物1・2Iを添加した後の化合物1・2Brの1,3−ビスイミダゾリウム−フェニル基の2位におけるプロトンの化学シフトの分析は、
図1及び2にそれぞれ記載した。これらの図は、平均的な化学シフトが各プロトンについて得られているので、ヨウ素アニオン及び臭素アニオンの錯体化の可逆性を明確に示す。
【0145】
<実施例4.2 臭素アニオンの錯体化の可逆性についての
1H NMR分光法による研究)
臭素アニオンの錯体化の可逆性は、溶媒の混合物d6−DMSO/d6−アセトン(4:1)中、298Kにて
1H NMR分光法による滴定によって決定した。溶媒の混合物d6−DMSO/d6−アセトン(4:1)中のヨウ化カリウムの濃縮溶液0〜100当量を、溶媒の混合物d6−DMSO/d6−アセトン(4:1)中の化合物1・2Br(2.5.10
−3M)の希釈溶液を含有するNMRチューブに引き続いて加えた。化合物1・2Brのイミダゾリウム基の2位におけるプロトンの化学シフト、及び0〜100当量のヨウ化カリウムを添加した後の化合物1・2Brの1,3−ビスイミダゾリウム−フェニル基の2位におけるプロトンの化学シフトの分析は、
図3及び4にそれぞれ記載した。これらの図は、平均的な化学シフトが各プロトンについて得られているので、臭素アニオンの錯体化の可逆性を明確に示す。
【0146】
<実施例4.3 塩素アニオンの錯体化の可逆性についての
1H NMR分光法による研究)
化合物1・2Clは、OTfがヨウ素で置換された本発明の化合物1に相当する。
塩素アニオンの錯体化の可逆性はまた、溶媒の混合物d6−DMSO/d6−アセトン(4:1)中、298Kにて
1H NMR分光法による滴定によって決定した。溶媒の混合物d6−DMSO/d6−アセトン(4:1)中のヨウ化カリウムの濃縮溶液0〜100当量を、溶媒の混合物d6−DMSO/d6−アセトン(4:1)中の化合物1・2Cl(2.5.10
−3M)の希釈溶液を含有するNMRチューブに引き続いて加えた。化合物1・2Clのイミダゾリウム基の2位におけるプロトンの化学シフト、及び0〜100当量のヨウ化カリウムを添加した後の化合物1・2Clの1,3−ビスイミダゾリウム−フェニル基の2位におけるプロトンの化学シフトの分析は、
図5及び6にそれぞれ記載した。これらの図は、平均的な化学シフトが各プロトンについて得られているので、塩素アニオンの錯体化の可逆性を明確に示す。
【0147】
<実施例4.4 ヨウ素アニオンの錯体化の可逆性についての
1H NMR分光法による研究)
溶媒の混合物d
6−DMSO/d
6−アセトン(4:1)中の塩化リチウム溶液1.0当量を、溶媒の混合物d
6−DMSO/d
6−アセトン(4:1)中の化合物1・2I(2.5.10
−3M)の溶液を含有するNMRチューブに加えた。塩化リチウムを添加する前後の化合物1・2Iのプロトンの化学シフトを
図7(第1のグラフは添加前の化学シフトであり、第2のグラフは添加後の化学シフトである)に図示する。これらの図は、平均的な化学シフトが各プロトンについて得られているので、ヨウ素アニオンの錯体化の可逆性を明確に示す。