特許第6571652号(P6571652)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6571652
(24)【登録日】2019年8月16日
(45)【発行日】2019年9月4日
(54)【発明の名称】ヒドロホルミル化プロセス
(51)【国際特許分類】
   C07C 45/49 20060101AFI20190826BHJP
   C07C 47/02 20060101ALI20190826BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20190826BHJP
【FI】
   C07C45/49
   C07C47/02
   !C07B61/00 300
【請求項の数】9
【全頁数】33
(21)【出願番号】特願2016-536549(P2016-536549)
(86)(22)【出願日】2014年12月9日
(65)【公表番号】特表2016-540766(P2016-540766A)
(43)【公表日】2016年12月28日
(86)【国際出願番号】US2014069315
(87)【国際公開番号】WO2015094813
(87)【国際公開日】20150625
【審査請求日】2017年11月28日
(31)【優先権主張番号】61/918,344
(32)【優先日】2013年12月19日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508168701
【氏名又は名称】ダウ テクノロジー インベストメンツ リミティド ライアビリティー カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【弁理士】
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100128484
【弁理士】
【氏名又は名称】井口 司
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】グレン・エイ・ミラー
(72)【発明者】
【氏名】ジェイソン・エフ・ジャイルズ
(72)【発明者】
【氏名】アーヴィン・ビー・コックス
【審査官】 ▲吉▼澤 英一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−053501(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/128654(WO,A1)
【文献】 特開2006−160746(JP,A)
【文献】 特開昭61−218546(JP,A)
【文献】 特開2000−095717(JP,A)
【文献】 特表平09−502976(JP,A)
【文献】 特表平11−502511(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0210880(US,A1)
【文献】 米国特許第05410091(US,A)
【文献】 特表2011−527287(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C 45/49
C07C 47/02
C07B 61/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)一次反応器において、少なくとも1種のアルデヒド生成物を形成するのに十分なヒドロホルミル化条件のもと、反応流体中のヒドロホルミル化触媒の存在下で、COと、H2と、オレフィンを含む供給流とを接触させることと、
(b)前記一次反応器から生成物−触媒分離領域へと液体流出流を通過させることと、
(c)前記生成物−触媒分離領域から粗生成物流及び液体触媒再循環流を取り除くことと、
(d)次いで、前記粗生成物流を排気流及び未精製生成物流に分離することと、
(e)オレフィン及びシンガスを含む前記排気流を二次反応器に通過させることと、
(f)前記二次反応器において、少なくとも1種のアルデヒド生成物を形成するのに十分なヒドロホルミル化条件のもと、反応流体中のヒドロホルミル化触媒の存在下で、COと、H2と、前記排気流の前記オレフィンとを接触させることと、
(g)前記二次反応器から前記生成物−触媒分離領域へと液体流出流を通過させることと、を含む、方法。
【請求項2】
前記再循環流を第1の再循環流及び第2の再循環流に分流することと、前記第1の再循環流を少なくとも部分的に一方の反応器に送り、かつ前記第2の再循環流を少なくとも部分的に他方の反応器に送ることとをさらに含む、請求項1に記載の前記方法。
【請求項3】
前記二次反応器の容量が前記一次反応器の容量の80%以下である、請求項1または2のいずれか一項に記載の前記方法。
【請求項4】
前記一次反応器中の触媒金属の濃度が、ロジウム金属濃度と相関する前記触媒再循環流内の成分の測定に応じて制御される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の前記方法。
【請求項5】
前記共通の生成物−触媒分離領域中での前記分離が蒸発を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の前記方法。
【請求項6】
オレフィンを含む前記供給流がオレフィン及びアルカンを含む供給流である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の前記方法。
【請求項7】
前記二次反応器中の滞留時間が前記一次反応器中よりも少なくとも20%長い、請求項1〜6のいずれか一項に記載の前記方法。
【請求項8】
前記第1の再循環流が前記一次反応器に送られて、前記第2の再循環流が前記二次反応器に送られる、請求項2に記載の前記方法。
【請求項9】
前記一次反応器に送られる前記第1の再循環流の量が、観測した反応器温度、オレフィン分圧及びCO分圧、ならびに全圧に基づいた推定手段によって、前記オレフィン分圧を所望範囲内に制御するように決定される、請求項8に記載の前記方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本発明は、アルデヒドを生成するためのオレフィンのヒドロホルミル化プロセスに関する。
【0002】
多くのヒドロホルミル化プロセスは、ヒドロホルミル化反応器からの排気流のさらなる処理を伴う。排気流の目的は、不活性な不純物、例えばN、CO、Ar、CH、及び炭化水素をプロセスからパージすることによって、それらが蓄積するのを防止することである。不活性成分は、供給源中の不純物として、プロセスに入り込む場合がある。これらは通常、分離系の負荷を低減するために生成物−触媒分離領域の前に排気される。都合の悪いことに、これらの不活性成分を排気することによりオレフィンなどの有益な反応物質も損失しやすくなる。
【0003】
これらの排気に含有されるオレフィンを回収して再循環させる方法を教示する開示内容が多く存在する。これらの排気反応器プロセスの例が英国特許第1,387,657号ならびに米国特許第4,593,127号、同第5,105,018号、同第5,367,106号、同第5,675,041号、同第6,482,992号、同第6,969,777号、及び米国特許第7,405,329号に開示されている。各プロセスは、各反応器系ごとに生成物−触媒分離領域を有する。いくつかの場合では、生成物−触媒分離工程は、米国特許第4,247,486号に記載のような、いわゆる「ガス再循環」系のヒドロホルミル化反応器容器中で行われる。
【0004】
米国特許第5,367,106号には、送られた反応器排気流を第2のプラグ流反応器に送ることが教示されている。この複合スキームには効果的に2つの生成物−触媒分離領域があり、第1が一次反応器中にあり、第2がプラグ流反応器からの一対のフラッシュポットである。
【0005】
中国特許第102826973号には、シンガスストリッパに第1の反応器の液体生産物を送り、生成物−触媒分離領域の前にオレフィンを取り除くことが教示されている。すべての反応器の流出流は生成物−触媒分離領域に入る前に、シンガスストリッパへと流れ込む。プロセスは最後の反応器の排気だけでなく蒸発器からの排気も廃棄するが、これは相当量の未反応オレフィンを含有する場合がある。高濃度のシンガスに対する触媒溶液の曝露は、触媒寿命を低下させるおそれがあることが米国特許第4,277,627号及び米国特許第5,675,041号から知られている。最も一般的なヒドロホルミル化配位子、例えばトリフェニルホスフィンなどをいくらか含有する触媒含有流をシンガスストリッパに送ることは経済的ではなく、これは、ストリップ塔の底で触媒がオレフィンの非存在下で高いCO分圧及び高温に曝され、これにより触媒の失活が起きるためである。
【0006】
中国特許第103130623号には、第1の反応器から第2の反応器へと排気流を圧入するためにコンプレッサを使用するプロセスが開示されている。両反応器の混合生産物が生成物−触媒分離の前にシンガスストリッパに送られる。
【0007】
中国特許第101293818号には、各反応器が未反応オレフィンを取り除く蒸留装置を有する系統図が示されている。第1の反応器流出物からオレフィンを効率的に取り除くために、この蒸留には相当な設備投資が伴う。次いで、反応器の混合生産物は、生成物−触媒分離領域に送られる。複数の蒸発器の使用は、配位子及び/または触媒劣化ならびに重質物生成を促進する過酷な条件に触媒を繰り返して曝露することを意味する。
【0008】
上記スキ−ムは、複雑で費用がかかる設計を伴う。高いオレフィン転化率を維持できるが、より少ない資本費でのヒドロホルミル化プロセスを有することが望ましい。また、より小型で、触媒要求がより低い改善されたプロセスを有することも望ましい。
【発明の概要】
【0009】
本発明は、
(a)一次反応器において、少なくとも1種のアルデヒド生成物を形成するのに十分なヒドロホルミル化条件のもと、反応流体中のヒドロホルミル化触媒の存在下で、COと、Hと、オレフィンを含む供給流とを接触させることと、
(b)一次反応器から生成物−触媒分離領域へと液体流出流を通過させることと、
(c)生成物−触媒分離領域から粗生成物流及び液体触媒再循環流を取り除くことと、
(d)次いで、粗生成物流を排気流及び未精製生成物流に分離することと、
(e)オレフィンを含む排気流を二次反応器に通過させることと、
(f)二次反応器において、少なくとも1種のアルデヒド生成物を形成するのに十分なヒドロホルミル化条件のもと、反応流体中のヒドロホルミル化触媒の存在下で、COと、Hと、排気流のオレフィンとを接触させることと、
(g)二次反応器から生成物−触媒分離領域へと液体流出流を通過させることと、を含むこのようなプロセスである。
【0010】
驚くべきことに、排気流の再循環は、プロセスにおいて炭化水素の蓄積をもたらさない。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】共通の生成物−触媒分離領域、例えば蒸発器を用いるヒドロホルミル化プロセスの概略図である。
図2】共通の生成物−触媒分離領域、例えば蒸発器を用いるヒドロホルミル化プロセスの概略図である。
図3】比較実験Aのヒドロホルミル化プロセスの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示のプロセスは、成分として遷移金属及び有機リン配位子を含む触媒の存在下で、少なくとも1種のアルデヒド生成物を形成するのに十分なヒドロホルミル化条件のもと、COと、Hと、少なくとも1種のオレフィンとを接触させることを含む。
【0013】
元素周期表及びその中の種々の族へのすべての言及は、CRC Handbook of Chemistry and Physics,72nd Ed.(1991−1992)CRC Press,I−10ページに所載の版に対するものである。
【0014】
反対の記述、または文脈からの暗示がない限り、すべての部及び百分率は重量基準であり、すべての試験方法は、本願の出願日時点で最新のものである。米国特許実務のために、参照されるあらゆる特許、特許出願、または公開の内容は、その全体が参照により組み込まれるものとする(または、その相当する米国版が、同じように参照により組み込まれる)。特に、定義の開示(本開示において具体的に示されるいかなる定義とも矛盾しない程度に)、及び当技術分野における一般知識に関して参照により組み込まれる。
【0015】
本明細書で使用する「一つの(a)」、「一つの(an)」、「その(the)」、「少なくとも1つ」、及び「1つまたは複数」は、同義に使用される。用語「含む(comprise)」、「含む(include)」、及びこれらの変形は、これらの用語が説明及び請求項中に現れる場合、限定的な意味を持たない。したがって、例えば、「一つの(a)」疎水性ポリマーの粒子を含む水性組成物は、組成物が、「1つまたは複数」の疎水性ポリマー粒子を含むことを意味すると解釈することができる。
【0016】
また本明細書において、端点による数値範囲の列挙は、その範囲内に包含されるすべての数(例えば1〜5は、1、1.5、2、2.75、3、3.80、4、5等を含む)を含む。本発明の目的のために、数値範囲は、当業者の理解と同様に、その範囲内に含まれるすべての可能な部分範囲を含み、補助することを意図していることが理解されよう。例えば、1〜100の範囲は、1.01〜100、1〜99.99、1.01〜99.99、40〜60、1〜55等を示唆することを意図している。また、本明細書中の数の範囲及び/または数値の列挙は、請求項中のこのような列挙を含めて、用語「約(about)」を含むように読み取ることができる。この場合には、用語「約」は、本明細書で記述されたものと実質的に同じ数の範囲及び/または数値を意味する。
【0017】
本明細書で使用する用語「ppmw」は、重量比で100万分の1部を意味する。
【0018】
本発明の目的のために、用語「炭化水素」は、少なくとも1つの水素原子及び少なくとも1つの炭素原子を有するすべての許容可能な化合物を含むことが意図されている。また、このような許容可能な化合物は、1つまたは複数のヘテロ原子を有することもできる。広範な態様において、許容可能な炭化水素としては、非環式(ヘテロ原子を有するまたは有さない)及び環式、分岐状及び非分岐状、炭素環式及び複素環式、芳香族ならびに非芳香族有機化合物が挙げられ、置換されていても、非置換であってもよい。
【0019】
本明細書で使用する用語「置換」は、特に指示がない限り、有機化合物のすべての許容可能な置換基を含むことが意図されている。広範な態様において、許容可能な置換基としては、有機化合物の非環式及び環式、分岐状及び非分岐状、炭素環式及び複素環式、芳香族、ならびに非芳香族置換基が挙げられる。例示的な置換基としては、例えば、炭素数が1〜20以上、好ましくは1〜12の範囲であり得る、アルキル、アルキルオキシ、アリール、アリールオキシ、ヒドロキシアルキル、アミノアルキル、ならびにヒドロキシ、ハロ、及びアミノが挙げられる。許容可能な置換基は、1つまたは複数であってもよく、同じまたは適切な有機化合物の場合には異なっていてもよい。本発明は、有機化合物の許容可能な置換基によるいかなる方法においても限定されることを意図していない。
【0020】
本明細書で使用する用語「ヒドロホルミル化」は、1つもしくは複数の置換もしくは非置換オレフィン化合物、または1つもしくは複数の置換もしくは非置換オレフィン化合物を含む反応混合物を、1つもしくは複数の置換もしくは非置換アルデヒド、または1つもしくは複数の置換もしくは非置換アルデヒドを含む反応混合物に転化することを伴うすべてのヒドロホルミル化プロセスを含むことを意図しているが、これらに限定されない。アルデヒドは、不斉または非不斉であってもよい。
【0021】
用語「反応流体」、「反応媒体」、及び「触媒溶液」は、本明細書では同義に使用され、(a)金属−有機リン配位子錯体触媒と、(b)遊離有機リン配位子と、(c)反応中に形成されたアルデヒド生成物と、(d)未反応反応物と、(e)該金属−有機リン配位子錯体触媒及び該遊離有機リン配位子の溶媒と、任意選択で(f)反応で形成された1種または複数種のリン酸化合物(均質もしくは不均質でもよく、プロセス設備表面に付着したものを含む)とを含む混合物を含んでもよいが、これらに限定されない。反応流体は、(a)反応器中の流体と、(b)分離領域への途中の流体流と、(c)分離領域中の流体と、(d)再循環流と、(e)反応領域または分離領域から回収された流体と、(f)水性緩衝液で処理中の回収された流体と、(g)反応領域または分離領域に戻された処理済流体と、(h)外部冷却器中の流体と、(i)配位子分解生成物とそれらの塩とを包含してもよいが、これらに限定されない。
【0022】
「加水分解性リン配位子」は、少なくとも1つのP−Z結合を含有する三価のリン配位子であり、Zは酸素、窒素、塩素、フッ素、または臭素である。例としては、ホスファイト、ホスフィノ−ホスファイト、ビスホスファイト、ホスホナイト、ビスホスホナイト、ホスフィナイト、ホスホロアミダイト、ホスフィノ−ホスホロアミダイト、ビスホスホロアミダイト、フルオロホスファイト等が挙げられるが、これらに限定されない。配位子はキレート構造を含んでもよく、かつ/またはポリホスファイト、ポリホスホロアミダイト等の複数のP−Z部分、及びホスファイト−ホスホロアミダイト、フルオロホスファイト−ホスファイト等の混合P−Z部分を含有してもよい。
【0023】
用語「遊離配位子」とは、金属、例えば錯体触媒の金属原子と錯化(結び付く、または結合する)しない配位子を意味する。
【0024】
プロセスには水素及び一酸化炭素が必要とされる。これらは、石油分解法及び精製操作を含めた任意の好適な供給源から得ることができる。シンガス混合物は、水素及びCOの供給源として好ましい。
【0025】
(合成ガスからの)シンガスとは様々な量のCO及びHを含有するガス混合物に付与される名称である。生成方法は周知であり、例えば、(1)天然ガスまたは液体炭化水素の水蒸気改質及び部分酸化と、(2)石炭及び/またはバイオマスのガス化とが挙げられる。典型的には、水素及びCOがシンガスの主成分であるが、シンガスは、二酸化炭素、ならびに、N及びArなどの不活性ガスを含有してもよい。HとCOとのモル比は大きく変化するが、概して1:100〜100:1、好ましくは1:10〜10:1の範囲である。シンガスは市販されており、燃料源として、または他の化学物質を生成するための中間体として多用される。化学的生成にとって最も好ましいH:COモル比は、3:1〜1:3であり、通常、ほとんどのヒドロホルミル化用途では約1:2〜2:1にすることを目標とする。
【0026】
ヒドロホルミル化プロセスで用いることができる置換または非置換オレフィン不飽和出発物質反応物としては、2〜40個、好ましくは3〜20個の炭素原子を含有する、光学活性(プロキラル及びキラル)ならびに非光学活性(アキラル)オレフィン不飽和化合物の両方が挙げられる。このようなオレフィン不飽和化合物は、末端または内部で不飽和であってもよく、直鎖、分岐鎖、または環式構造、ならびにオレフィン混合物、例えばプロペン、ブテン、イソブテン等のオリゴマー化から得たものであってもよい(例えば、米国特許第4,518,809号及び同第4,528,403号に開示の、いわゆる二量体、三量体、または四量体プロピレン等)。また、このようなオレフィン化合物は、1種または複数種の追加のエチレン性不飽和基をさらに含有してもよく、所望される場合、2種以上の異なるオレフィン不飽和化合物の混合物をヒドロホルミル化出発物質として用いてもよい。例えば、4個以上の炭素原子を含有する市販のα−オレフィンは、少量の対応する内部オレフィン及び/またはそれらの対応する飽和炭化水素を含有してもよく、また、このような市販のオレフィンは、ヒドロホルミル化される前に、必ずしも精製する必要はない。ヒドロホルミル化反応に用いることができる、例示的なオレフィン混合物出発物質としては、混合ブテン、例えばラフィネートI及びIIなどが挙げられる。また、さらにこのようなオレフィン不飽和化合物及びそれら由来の対応するアルデヒド生成物は、例えば、米国特許第3,527,809号及び同第4,769,498号等に記載のような、本発明のヒドロホルミル化プロセスまたはプロセスに過度に悪影響を与えない1つまたは複数の基または置換基を含有してもよい。
【0027】
最も好ましくは、本発明は2〜30個、好ましくは3〜20個の炭素原子を含有するアキラルα−オレフィンと、4〜20個の炭素原子を含有するアキラル内部オレフィンと、このようなα−オレフィンと内部オレフィンとの出発物質混合物のヒドロホルミル化による非光学活性アルデヒドの生成に特に有用である。
【0028】
例示的なアルファ及び内部オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−トリデセン、1−テトラデセン、1−ペンタデセン、1−ヘキサデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタデセン、1−ノナデセン、1−エイコセン、2−ブテン、2−メチルプロペン(イソブチレン)、2−メチルブテン、2−ペンテン、2−ヘキセン、3−ヘキサン、2−ヘプテン、2−オクテン、シクロヘキセン、プロピレン二量体、プロピレン三量体、プロピレン四量体、ブタジエン、ピペリレン、イソプレン、2−エチル−1−ヘキセン、スチレン、4−メチルスチレン、4−イソプロピルスチレン、4−tert−ブチルスチレン、アルファ−メチルスチレン、4−tert−ブチルアルファメチルスチレン、1,3−ジイソプロペニルベンゼン、3−フェニル−1−プロペン、1、4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン、3−シクロヘキシル−1−ブテン、ならびに1、3−ジエン、ブタジエン、アルキルアルケノエート、例えば、メチルペンテノエート、アルケニルアルカノエート、アルケニルアルキルエーテル、アルケノール、例えば、ペンテノール、アルケナール(例えば、ペンテナール)、アリルアルコール、アリルブチレート、ヘキサ−1−エン−4−オール、オクタ−1−エン−4−オール、ビニルアセテート、アリルアセテート、3−ブテニルアセテート、ビニルプロピオネート、アリルプロピオネート、メチルメタクリレート、ビニルエチルエーテル、ビニルメチルエーテル、アリルエチルエーテル、n−プロピル−7−オクテノエート、3−ブテンニトリル、5−ヘキセンアミド、オイゲノール、イソオイゲノール、サフロール、イソサフロール、アネトール、4−アリルアニソール、インデン、リモネン、ベータピネン、ジシクロペンタジエン、シクロオクタジエン、カンフェン、リナロオール等が挙げられる。
【0029】
エナンチオマーアルデヒド混合物を生成するために用いることができる不斉ヒドロホルミル化に有用なプロキラル及びキラルオレフィンは、式:
【0030】
【化1】
【0031】
(式中、R、R、R、及びRは、同一または異なり(但し、RがRと異なる、またはRがRと異なる)、水素、アルキル、置換アルキルであって、該置換がベンジルアミノ及びジベンジルアミノなどのジアルキルアミノ、メトキシ及びエトキシなどのアルコキシ、アセトキシなどのアシルオキシ、ハロ、ニトロ、ニトリル、チオ、カルボニル、カルボキサミド、カルボキシアルデヒド、カルボキシル、カルボン酸エステルから選択される置換アルキル、フェニル含むアリール、フェニル含む置換アリールであって、該置換がアルキル、ベンジルアミノ及びジベンジルアミノなどのアルキルアミノ及びジアルキルアミノ、ヒドロキシ、メトキシ及びエトキシなどのアルコキシ、アセトキシなどのアシルオキシ、ハロ、ニトリル、ニトロ、カルボキシル、カルボキシアルデヒド、カルボン酸エステル、カルボニル、及びチオから選択される置換アリール、アセトキシなどのアシルオキシ、メトキシ及びエトキシなどのアルコキシ、ベンジルアミノ及びジベンジルアミノなどのアルキルアミノ及びジアルキルアミノを含むアミノ、アセチルベンジルアミノ及びジアセチルアミノなどのアシルアミノ及びジアシルアミノ、ニトロ、カルボニル、ニトリル、カルボキシル、カルボキサミド、カルボキシアルデヒド、カルボン酸エステル、ならびにメチルメルカプトなどのアルキルメルカプトから選択される)によって表されるものを含む。本定義のプロキラル及びキラルオレフィンは、R基が結合して環式化合物、例えば、3−メチル−1−シクロヘキセン等を形成する上記一般式の分子も含むことが理解される。
【0032】
例示的な不斉ヒドロホルミル化に有用な光学活性またはプロキラルオレフィン化合物としては、例えば、p−イソブチルスチレン、2−ビニル−6−メトキシ−2−ナフチレン、3−エテニルフェニルフェニルケトン、4−エテニルフェニル−2−チエニルケトン、2−エテニル−5−ベンゾイルチオフェン、3−エテニルフェニルフェニルエーテル、プロペニルベンゼン、イソブチル−4−プロペニルベンゼン、フェニルビニルエーテル等が挙げられる。他のオレフィン化合物としては、例えば、米国特許第4,329,507号、同第5,360,938号、及び同第5,491,266に号記載されている置換アリールエチレンが挙げられる。
【0033】
有利には、ヒドロホルミル化プロセスでは、溶媒が用いられる。過度にヒドロホルミル化プロセスに干渉しない任意の好適な溶媒を使用することができる。実例として、ロジウム触媒ヒドロホルミル化プロセスに好適な溶媒としては、例えば、米国特許第3,527,809号、同第4,148,830号、同第5,312,996号、及び同第5,929,289号に開示のものが挙げられる。好適な溶媒の非限定例としては、飽和炭化水素(アルカン)、芳香族炭化水素、水、エーテル、アルデヒド、ケトン、ニトリル、アルコール、エステル、及びアルデヒド縮合生成物が挙げられる。溶媒の具体的な例としては、テトラグリム、ペンタン、シクロヘキサン、ヘプタン、ベンゼン、キシレン、トルエン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ブチルアルデヒド、及びベンゾニトリルが挙げられる。また、有機溶媒は、飽和限界まで溶存水を含有することができる。一般的に、アキラル(非光学活性)アルデヒドの生成に関しては、当技術分野でよく行われるように、生成しようとする所望のアルデヒド生成物に対応するアルデヒド化合物、及び/またはより高沸点アルデヒド液体縮合副生成物を主有機溶媒として用いるのが好ましい。また、このようなアルデヒド縮合副生成物は、所望される場合予備形成し、適宜使用することができる。アルデヒドの生成に利用可能な例示的な好ましい溶媒としては、ケトン(例えば、アセトン及びメチルエチルケトン)、エステル(例えば、酢酸エチル、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオールモノイソブチレート)、炭化水素(例えば、トルエン)、ニトロ炭化水素(例えば、ニトロベンゼン)、エーテル(例えば、テトラヒドロフラン(THF))、ならびにスルホランが挙げられる。ロジウム触媒ヒドロホルミル化プロセスでは、一次溶媒として、生成する所望のアルデヒド生成物に対応したアルデヒド化合物、及び/または高沸点アルデヒド液体縮合副生成物(例えば、米国特許第4,148,380号及び同第4,247,486号に記載のように、ヒドロホルミル化プロセス中にインサイチュで生成される可能性があるような)を用いるのが好ましい場合がある。実際、所望される場合連続プロセスの開始時に任意の好適な溶媒を用いることができるが、一次溶媒は、通常、連続プロセスという性質のため、アルデヒド生成物及び高沸点アルデヒド液体縮合副生成物(「重質物」)の両方を最終的に含むことになる。溶媒量は、特に重要ではなく、必要なことは、反応媒体に所望な程度の遷移金属濃度を付与するのに十分であればよい。典型的には、溶媒量は、反応流体の総重量に基づいて、約5重量パーセント〜約95重量パーセントの範囲である。また、2種以上の溶媒の混合物を用いてもよい。
【0034】
本発明により包含されるこのようなヒドロホルミル化反応に利用可能な例示的な金属−有機リン配位子錯体の例としては、金属−有機リン配位子錯体触媒が挙げられ、またそれらの調製方法は当技術分野において周知であり、上述の特許に開示のものを含む。一般的に、このような触媒は、かかる参考文献に記載のように予備形成またはインサイチュで形成でき、有機リン配位子と錯体結合している金属から本質的になる。また一酸化炭素も存在し、活性種の金属と錯化することが考えられる。活性種は、金属に直接結合する水素を含有することもできる。
【0035】
ヒドロホルミル化プロセスに有用な触媒としては、光学活性または非光学活性であり得る金属−有機リン配位子錯体触媒が挙げられる。金属−有機リン配位子錯体を構成する許容可能な金属としては、ロジウム(Rh)、コバルト(Co)、イリジウム(Ir)、ルテニウム(Ru)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、オスミウム(Os)、ならびにこれらの混合物から選択される8、9、及び10族金属が挙げられ、好ましい金属は、ロジウム、コバルト、イリジウム、及びルテニウムであり、より好ましくはロジウム、コバルト、及びルテニウムであり、とりわけロジウムである。8、9、及び10族からの金属の混合物を用いることもできる。
【0036】
このような金属上の利用可能な配位部位の数は、当技術分野において周知である。したがって、触媒種は、それらの単量体、二量体、または高核性の形態において、錯体触媒混合物を含むことができ、好ましくは、金属、例えばロジウム分子1つあたり少なくとも1つの錯化した有機リン配位子含有分子によって特徴付けられる。例えば、ヒドロホルミル化反応に用いられる好ましい触媒の触媒種は、ヒドロホルミル化反応で用いられるのが一酸化炭素及び水素ガスであるという点から、有機リン配位子に加えて一酸化炭素及び水素と錯化することができると考えられる。
【0037】
金属−有機リン配位子錯体及び遊離有機リン配位子を構成する許容可能な有機リン配位子としては、トリアリールホスフィンならびに加水分解性有機リン配位子、例えばモノ−、ジ−、トリ−、及び高級ポリオルガノホスファイトが挙げられる。このような配位子の混合物は、金属−有機リン配位子錯体触媒及び/または遊離配位子において、所望される場合用いることができ、このような混合物は同一または異なっていてもよい。本発明は、許容可能な有機リン配位子またはこれらの混合物によるあらゆる方法においても限定されることを意図していない。本発明の好結果の実施は、金属−有機リン配位子錯体種の正確な構造に依存することなく、かつ金属−有機リン配位子錯体種の正確な構造に基づかないものであり、それらの単核性、複核性、及び/または高核性の形態で存在してもよいことに留意するべきである。実際、正確な構造は分かっていない。いかなる理論または機械的な議論に拘束されることを意図しないが、触媒種は、その最も単純な形態として、有機リン配位子と、一酸化炭素及び/または水素と、錯体結合する金属とから本質的になり得ることが明らかである。
【0038】
本明細書及び請求項中で使用される用語の「錯体」は、1種または複数種の独立に存在可能な電子に富んだ分子または原子と、同様に独立に存在可能な1種または複数種の電子不足の分子または原子との結合により形成される配位化合物を意味する。例えば、本明細書に利用可能な有機リン配位子は、1つまたは複数のリンドナー原子を持つことができ、それぞれが独立にまたは可能な場合は金属と共同して(例えば、キレート化により)それぞれが配位結合を形成できる1つの利用可能な、または非共有の電子対を有する。金属−有機リン配位子錯体触媒の配位子として機能し得る有機リン配位子には、フルオロホスファイト、ホスフィナイト、ホスフィノ−ホスホロアミダイト、モノオルガノホスファイト、ジオルガノホスファイト、トリオルガノホスファイト、オルガノポリホスファイト、ホスホロアミダイト、オルガノモノホスホロアミダイト、及びオルガノポリホスホロアミダイト化合物がある。このような有機リン配位子及び/またはそれらの調製方法は、当技術分野において周知である。また、上記の配位子の混合物を使用することもできる。一酸化炭素(同様に、配位子として正確に分類される)も存在し、金属に配位することができる。また、錯体触媒の最終的組成物は、追加の配位子、例えば金属の配位部位または核電荷を満たす水素またはアニオンを含有してもよい。例示的な追加の配位子としては、例えばハロゲン(Cl、Br、I)、アルキル、アリール、置換アリール、アシル、CF、C、CN、(R)PO、及びRP(O)(OH)O(式中、それぞれのRは、同一または異なり、かつ置換または非置換炭化水素ラジカル、例えばアルキルもしくはアリールである)、アセテート、アセチルアセトネート、SO、PF、PF、NO、NO、CH、CH=CHCH、CHCH=CHCH、CCN、CHCN、NH、ピリジン、(CN、モノオレフィン、ジオレフィン、及びトリオレフィン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。触媒種は、触媒を失活させるおそれがあるまたは触媒性能に過度の悪影響を及ぼすおそれがある、あらゆる付加的な有機配位子またはアニオンを含まないことが好ましいのを理解すべきである。活性触媒がハロゲンを含まず、金属に直接結合した硫黄であることが金属−有機リン配位子錯体触媒のヒドロホルミル化反応において好ましいが、こうしたことを絶対に必要としなくてもよい。
【0039】
金属−有機リン配位子錯体触媒及び/または遊離配位子の配位子として機能し得る有機リン化合物は、アキラル(光学不活性)またはキラル(光学活性)タイプでもよく、当技術分野において周知である。アキラル有機リン配位子が好ましい。
【0040】
代表的なモノオルガノホスファイトは、式:
【0041】
【化2】
【0042】
(式中、R10は、4〜40個以上の炭素原子を含有する置換もしくは非置換の三価の炭化水素ラジカルを表し、これは、例えば三価の非環式及び三価の環式ラジカル、三価のアルキレンラジカル、例えば1,2,2−トリメチロールプロパン等に由来のもの、または三価のシクロアルキレンラジカル、例えば、1,3,5−トリヒドロキシシクロヘキサン等に由来のものである)を有するものを含んでもよい。このようなモノオルガノホスファイトは、例えば米国特許第4,567,306号においてさらに詳細な記載を見つけることができる。
【0043】
ジオルガノホスファイトは、式:
【0044】
【化3】
【0045】
(式中、R20は、4〜40個以上の炭素原子を含有する置換もしくは非置換の二価炭化水素ラジカルを表し、Wは、1〜18個以上の炭素原子を含有する置換もしくは非置換の一価炭化水素ラジカルを表す)を有するものを含んでもよい。
【0046】
上記式(II)のWで表される代表的な置換及び非置換の一価炭化水素ラジカルとしては、アルキル及びアリールラジカルが挙げられ、一方、R20で表される代表的な置換及び非置換の二価炭化水素ラジカルとしては、二価非環式ラジカル及び二価芳香族ラジカルが挙げられる。例示的な二価非環式ラジカルとしては、例えば、アルキレン、アルキレン−オキシ−アルキレン、アルキレン−S−アルキレン、シクロアルキレンラジカル、及びアルキレン−NR24−アルキレン(式中、R24は、水素または置換もしくは非置換の一価炭化水素ラジカル、例えば、1〜4個の炭素原子を有するアルキルラジカルである)が挙げられる。より好ましい二価非環式ラジカルは、例えば、米国特許第3,415,906号及び同第4,567,302号等により詳細に開示されているような二価アルキレンラジカルである。例示的な二価芳香族ラジカルとしては、例えばアリーレン、ビスアリーレン、アリーレン−アルキレン、アリーレン−アルキレン−アリーレン、アリーレン−オキシ−アリーレン、アリーレン−NR24−アリーレン(式中、R24は、上記に定義したとおりである)、アリーレン−S−アリーレン、及びアリーレン−S−アルキレン等が挙げられる。より好ましくは、R20は、例えば米国特許第4,599,206号、同第4,717,775号、及び同第4,835,299号等でさらに詳細に開示されているような二価芳香族ラジカルである。
【0047】
代表的なより好ましい種類のジオルガノホスファイトは、式:
【0048】
【化4】
【0049】
(式中、Wは、上記に定義したとおりであり、各Arは、同じまたは異なり、置換または非置換アリールラジカルを表し、各yは、同じまたは異なり、かつ0または1の値であり、Qは、−C(R33−、−O−、−S−、−NR24−、Si(R35−、及び−CO−から選択される二価架橋基であり、各R33は、同じまたは異なり、かつ水素、1〜12個の炭素原子を有するアルキルラジカル、フェニル、トリル、及びアニシルを表し、R24は、上記に定義したとおりであり、各R35は、同じまたは異なり、かつ水素またはメチルラジカルを表し、mは、0または1の値である)のものである。このようなジオルガノホスファイトは、例えば、米国特許第4,599,206号、同第4,717,775号、及び同第4,835,299号においてより詳細に記載されている。
【0050】
代表的なトリオルガノホスファイトは、式:
【0051】
【化5】
【0052】
(式中、各R46は、同じまたは異なり、置換または非置換の一価炭化水素ラジカル、例えば1〜24個の炭素原子を含有してもよいアルキル、シクロアルキル、アリール、アルカリル、及びアラルキルラジカルである)を有するものであってもよい。このようなトリオルガノホスファイトは、例えば米国特許第3,527,809号及び同第5,277,532号においてより詳細に記載されている。
【0053】
代表的なオルガノポリホスファイトは、2個以上の三級(三価)リン原子を含有し、式:
【0054】
【化6】
【0055】
(式中、Xは、2〜40個の炭素原子を含有する置換または非置換のn価有機架橋結合基を表し、各R57は、同じまたは異なり、4〜40個の炭素原子を含有する二価有機ラジカルを表し、各R58は、同じまたは異なり、1〜24個の炭素原子を含有する置換または非置換の一価炭化水素ラジカルを表し、a+bの合計は、2〜6で、n=a+bという条件下で、a及びbは、同じまたは異なってもよく、それぞれ0〜6の値である)を有するものを含んでもよい。aが2以上の値の場合、各R57ラジカルは、同じまたは異なっていてもよいことは理解されよう。また、任意の所与の化合物において各R58ラジカルも同じまたは異なっていてもよい。
【0056】
上記Xで表される代表的なn価(好ましくは、二価)有機架橋結合ラジカル、及び上記R57で表される代表的な二価有機ラジカルとしては、アルキレン、アルキレン−Q−アルキレン、シクロアルキレン、アリーレン、ビスアリーレン、アリーレン−アルキレン、及びアリーレン−(CH−Q−(CH−アリーレンラジカル等などの非環式ラジカル及び芳香族ラジカルの両方が挙げられる(式中、各Q、y、及びmは、上記の式(III)で定義されている)。上記X及びR57で表されるより好ましい非環式ラジカルは、二価アルキレンラジカルであり、また上記X及びR57で表されるより好ましい芳香族ラジカルは、例えば米国特許第4,769,498号、同第4,774,361号、同第4,885,401号、同第5,179,055号、同第5,113,022号、同第5,202,297号、同第5,235,113号、同第5,264,616号、同第5,364,950号、及び同第5,527,950号でより詳細に開示されているような、二価アリーレン及びビスアリーレンラジカルである。上記の各R58ラジカルで表される代表的な好ましい一価炭化水素ラジカルとしては、アルキル及び芳香族ラジカルが挙げられる。
【0057】
例示的な好ましいオルガノポリホスファイトは、下記式(VI)〜(VIII):
【0058】
【化7】
【0059】
(式中、式(VI)〜(VIII)のR57、R58、及びXはそれぞれ、式(V)の上記定義と同じである)のものなどのビスホスファイトを含んでもよい。好ましくは、R57及びXはそれぞれ、アルキレン、アリーレン、アリーレン−アルキレン−アリーレン、及びビスアリーレンから選択される二価炭化水素ラジカルを表し、また、各R58ラジカルは、アルキル及びアリールラジカルから選択される一価炭化水素ラジカルを表す。このような式(V)〜(VIII)のオルガノホスファイト配位子は、例えば米国特許第4,668,651号、同第4,748,261号、同第4,769,498号、同第4,774,361号、同第4,885,401号、同第5,113,022号、同第5,179,055号、同第5,202,297号、同第5,235,113号、同第5,254,741号、同第5,264,616号、同第5,312,996号、同第5,364,950号、及び同第5,391,801号の開示に見ることができる。
【0060】
式(VI)〜(VIII)中のR10、R20、R46、R57、R58、Ar、Q、X、m、及びyは、上記に定義したとおりである。最も好ましくは、Xは、二価アリール−(CH−(Q)−−(CH−アリールラジカルを表し、各yはそれぞれ、0または1の値であり、mは、0または1の値であり、Qは、−O−、−S−、または−C(R35−であり、各R35は、同じまたは異なり、水素またはメチルラジカルを表す。より好ましくは、上記で定義したR基の各アルキルラジカルが1〜24個の炭素原子を含有してもよく、上記で定義した、上記の式(VI)〜(VII)のAr、X、R57、及びR58基の各アリールラジカルは、6〜18個の炭素原子を含有してもよく、該ラジカルは同じまたは異なっていてもよく、また、好ましいXのアルキレンラジカルは、2〜18個の炭素原子を含有してもよく、好ましいR57のアルキレンラジカルは、5〜18個の炭素原子を含有してもよい。さらに、好ましくは、上記式のXの二価Arラジカル及び二価アリールラジカルは、フェニレンラジカルであり、−(CH−(Q)−(CH−で表される架橋基は、式のそれらのリン原子にフェニレンラジカルを結合する式の酸素原子に対してオルト位で、該フェニレンラジカルに結合する。また、このようなフェニレンラジカルに存在する場合、任意の置換ラジカルがそのリン原子に所与の置換フェニレンラジカルを結合する酸素原子に対して、フェニレンラジカルのパラ及び/またはオルト位で結合することも好ましい。
【0061】
上記式(I)〜(VIII)のこのようなオルガノホスファイトのR10、R20、R57、R58、W、X、Q、及びArラジカルのいずれも、所望される場合、本発明のプロセスの所望の結果に過度に悪影響を与えない1〜30個の炭素原子を含有する任意の好適な置換基で置換してもよい。アルキル、アリール、アラルキル、アルカリル、及びシクロヘキシル置換基などの対応する炭化水素ラジカルに加えて、該ラジカル上にあり得る置換基としては、例えば、−Si(R15などのシリルラジカル、−N(R15などのアミノラジカル、−アリール−P(R15などのホスフィンラジカル、−C(O)R15などのアシルラジカル、−OC(O)R15などのアシルオキシラジカル、−−CON(R15及び−N(R15)COR15などのアミドラジカル、−SO15などのスルホニルラジカル、−OR15などのアルコキシラジカル、−SOR15などのスルフィニルラジカル、−P(O)(R15などのホスホニルラジカル、ならびにハロ、ニトロ、シアノ、トリフルオロメチル、ヒドロキシラジカル等を挙げることができ、−N(R15などのアミノ置換基中で統合された各R15は、窒素原子と複素環式ラジカルを形成する二価架橋基を表すこともでき、かつ−C(O)N(R15及び−N(R15)COR15などのアミド置換基中でNと結合した、各R15は水素でもあり得るという条件下で、各R15ラジカルはそれぞれ、1〜18個の炭素原子を有する同じまたは異なる一価炭化水素ラジカル(例えばアルキル、アリール、アラルキル、アルカリル、及びシクロヘキシルラジカル)を表す。特定の所与のオルガノホスファイトを構成する任意の置換または非置換炭化水素ラジカル基は、同じまたは異なっていてもよいことが理解されよう。
【0062】
さらなる選択肢として、任意のオルガノモノホスホロアミダイトまたはオルガノポリホスホロアミダイト配位子は、そのものとしてまたは他の任意の有機リン配位子と組み合わせて使用することができる。オルガノホスホロアミダイト配位子は既知であり、それらはオルガノホスファイト配位子として同様に使用される。代表的なオルガノホスホロアミダイト配位子は、式(IX)〜(XI)である。
【0063】
【化8】
【0064】
オルガノホスホロアミダイトは、米国特許第7,615,645号にさらに記載されている。
【0065】
本開示のプロセスにおいて用いることができるトリアリールホスフィンは、3個のアリールもしくはアリールアルキルラジカルまたはその組み合わせに共有結合した少なくとも1個のリン原子を含む、任意の有機化合物を含む。トリアリールホスフィン配位子の混合物も用いることができる。代表的なオルガノモノホスフィンとしては、式:
【0066】
【化9】
【0067】
(式中、R29、R30、及びR31それぞれは同じまたは異なっていてもよく、かつ4〜40個以上の炭素原子を含有する置換または非置換アリールラジカルを表す)を有するものが挙げられる。このようなトリアリールホスフィンは、例えば米国特許第3,527,809号により詳細に記載されているのを見ることができ、その開示は、参照として本明細書に組み込まれる。例示的なトリアリールホスフィン配位子は、トリフェニルホスフィン、トリナフチルフィン、トリトリルホスフィン、トリ(p−ビフェニル)ホスフィン、トリ(p−メトキシフェニル)ホスフィン、トリ(m−クロロフェニル)ホスフィン、p−N,N−ジメチルアミノフェニルビス−フェニルホスフィン等である。トリフェニルホスフィン、すなわちR29、R30、及びR31それぞれがフェニルである、式(I)の化合物は好ましいオルガノモノホスフィン配位子の例である。ヒドロホルミル化反応は、過剰量の遊離トリアリールホスフィンを含む液体本体中で選択的に行われる。
【0068】
上記のように、金属−有機リン配位子錯体触媒は、当技術分野において既知の方法で形成することができる。金属−有機リン配位子錯体触媒は、均質または不均質形態であってもよい。例えば、予備形成されたロジウムヒドリド−カルボニル−有機リン配位子触媒を調製し、ヒドロホルミル化プロセスの反応混合物に導入することができる。より好ましくは、ロジウム−有機リン配位子錯体触媒は、活性触媒をインサイチュ形成するための反応媒体に導入することができるロジウム触媒前駆体から誘導することができる。例えば、ロジウム触媒前駆体、例えばロジウムジカルボニルアセチルアセトネート、Rh、Rh(CO)12、Rh(CO)16、Rh(NO等は、活性触媒をインサイチュ形成するための有機リン配位子とともに反応混合物に導入することができる。本発明の好ましい実施形態において、ロジウムジカルボニルアセチルアセトネートは、ロジウム前駆体として用いられ、有機リン配位子を有する溶媒の存在下で反応して、活性触媒をインサイチュ形成するための過剰量の(遊離)有機リン配位子とともに反応器に導入される触媒のロジウム−有機リン配位子錯体前駆体を形成する。いずれにしても、一酸化炭素、水素、及び有機リン配位子化合物がすべて金属と錯化可能な配位子であり、ヒドロホルミル化反応で使われる条件下で反応混合物中に活性金属−有機リン配位子触媒が存在することは、本発明の目的としては十分である。初期のロジウムとまったく錯化しない場合であっても、カルボニル及び有機リン配位子はヒドロホルミル化プロセス前またはヒドロホルミル化プロセス中のインサイチュのいずれかにおいてロジウムと錯化することができる。
【0069】
実例として、好ましい触媒前駆体組成物は、可溶性ロジウムカルボニル有機リン配位子錯体前駆体、溶媒、及び任意選択的に、遊離有機リン配位子から本質的になる。好ましい触媒前駆体組成物は、ロジウムジカルボニルアセチルアセトネート、有機溶媒、及び有機リン配位子の溶液を形成することによって、調製することができる。有機リン配位子は、一酸化炭素ガスの発生を証明するように、室温でロジウムアセチルアセトネート錯体前駆体のカルボニル配位子のうちの1つを容易に置き換える。この置換反応は、所望される場合溶液を加熱することによって容易に行うことができる。ロジウムジカルボニルアセチルアセトネート錯体前駆体及びロジウム有機リン配位子錯体前駆体ともに可溶性である任意の好適な有機溶媒を用いることができる。ロジウム錯体触媒前駆体と、有機溶媒と、有機リン配位子と、このような触媒前駆体組成物中に存在するそれらの好ましい実施形態との量は、本発明のヒドロホルミル化プロセスで用いることができるそれらの量に明らかに相当する。経験の示すところによれば、上述したように活性錯体触媒を形成するために、ヒドロホルミル化プロセスが異なる配位子、例えば、水素、一酸化炭素、または有機リン配位子により開始された後、前駆体触媒のアセチルアセトネート配位子が置き換えられる。ヒドロホルミル化条件下で前駆体触媒を含まないアセチルアセトンは、生成物アルデヒドを有する反応媒体から取り除かれるために、ヒドロホルミル化プロセスに対して少しも有害ではない。このような好ましいロジウム錯体触媒前駆体組成物の使用は、ロジウム前駆体及びヒドロホルミル化の起動を操作する簡易で経済的で、かつ効果的な方法を提供する。
【0070】
したがって、本発明のプロセスに使用される金属−有機リン配位子錯体触媒は、一酸化炭素ならびにキレート化及び/または非キレート化様式で金属に結合する(錯化する)有機リン配位子と錯化する金属から本質的になる。また、本明細書で使用する場合、用語「本質的になる」は、除外するのではなく、むしろ一酸化炭素及び有機リン配位子に加えて金属と錯化する水素を含む。さらに、このような用語は、同様に金属と錯化する可能性がある他の有機配位子及び/またはアニオンの可能性を除外しない。触媒を不都合なことに過度に失活させる、または触媒を過度に非活性化する量の材料は望ましくなく、最も望ましい触媒としては、金属に結合したハロゲン(例えば塩素等)などの汚染物質を含まないことであるが、このことは絶対に必要としなくてもよい。活性金属−有機リン配位子錯体触媒の水素及び/もしくはカルボニル配位子は、前駆体触媒に結合する配位子である結果として、かつ/またはインサイチュ形成、例えば、ヒドロホルミル化プロセスで用いられる水素及び一酸化炭素ガスによる結果として、存在してもよい。
【0071】
上述のように、本発明のヒドロホルミル化プロセスは、本明細書に記載の金属−有機リン配位子錯体触媒の使用を含む。所望される場合、このような触媒の混合物も用いることができる。本発明により包含される所与のヒドロホルミル化プロセスの反応流体中に存在する金属−有機リン配位子錯体触媒の量は、用いられる所望の所与の金属濃度をもたらし、例えば、上記特許の開示などに含まれる少なくとも特定のヒドロホルミル化プロセスを触媒するために必要な金属触媒量を基準に供給するために必要な最小限の量とするだけでよい。一般的に、反応媒体中の遊離金属として計算して、10ppmw〜1000ppmwの範囲の触媒金属、例えばロジウム濃度は、大抵のプロセスにおいて十分なはずであるが、通常、好ましくは、10〜500ppmwの金属、より好ましくは、25〜350ppmwの金属が用いられる。
【0072】
金属−有機リン配位子錯体触媒に加えて、反応媒体中に遊離有機リン配位子(すなわち、金属と錯化していない配位子)が存在してもよい。遊離有機リン配位子は、本明細書で使用可能なように上記で考察し、上記で定義した任意の有機リン配位子に相当する。遊離有機リン配位子は、用いられた金属−有機リン配位子錯体触媒の有機リン配位子と同じであることが好ましい。しかし、このような配位子は、いずれの所与のプロセスにおいても同じである必要はない。ヒドロホルミル化プロセスは、反応媒体中の金属1モルあたり、0.1モル以下〜100モル以上の遊離有機リン配位子を含んでもよい。好ましくは、ヒドロホルミル化プロセスは、反応媒体に存在する金属1モルあたり1〜50モルの有機リン配位子の存在下で実行される。オルガノポリホスファイトについて、より好ましくは、金属1モルあたり1.1〜4モルのオルガノポリホスファイト配位子が用いられる。該有機リン配位子の量は、存在する金属に結合(錯化)する有機リン配位子の量と、存在する遊離(非錯化)有機リン配位子の量との合計である。アキラルオレフィンをヒドロホルミル化することによって非光学活性アルデヒドを生成することがより好ましいことから、より好ましい有機リン配位子は、アキラル型有機リン配位子であり、特に上記の式(V)により包含されたもの、より好ましくは、上記の式(VI)、((VII)、及び(VIII))のものである。所望される場合、例えば、反応媒体中の所定濃度の遊離配位子を維持するために、ヒドロホルミル化プロセスの反応媒体に、随時、任意の好適な方法で補充または追加の有機リン配位子を供給することができる。
【0073】
上記で示したように、反応中及び/または生成物分離中、ヒドロホルミル化触媒は不均質形態であってもよい。このような触媒は、特にオレフィンのヒドロホルミル化において有利であり、高沸点または熱感受性アルデヒドを生成し、その結果、低温で濾過またはデカンテーションによって生成物から触媒を分離することができる。例えば、ロジウム触媒を担体に付着させることにより、触媒はヒドロホルミル化段階中及び分離段階中ともに、その固体形態を保持し、または高温で液体反応媒体中に可溶性であり、その後、冷却により沈殿する。
【0074】
有機リン配位子の加水分解劣化及び金属−有機リン配位子錯体の失活を防止及び/または小さくするために、水抽出系の使用、好ましくは緩衝溶液を用いることは周知であり、例えば米国特許第5,741,942号及び同第5,741,944号において開示されている。このような緩衝系及び/またはそれらの調製方法は、当技術分野において周知である。緩衝液の混合物を用いてもよい。
【0075】
加水分解劣化を受ける場合がある例示的な金属−有機リン配位子錯体触媒ヒドロホルミル化プロセスとしては、例えば、米国特許第4,148,830号、同第4,593,127号、同第4,769,498号、同第4,717,775号、同第4,774,361号、同第4,885,401号、同第5,264,616号、同第5,288,918号、同第5,360,938号、同第5,364,950号、同第5,491,266、及び同第7,196,230号に記載のプロセスのものが挙げられる。加水分解劣化を受けると思われるP−Z含有化学種としては、例えば、国際公開第2008/071508号、同第2005/042458号、及び米国特許第5,710,344号、同第6,265,620号、同第6,440,891号、同第7,009,068号、同第7,145,042号、同第7,586,010号、同第7,674,937号、及び同第7,872,156号に記載のオルガノホスホナイト、ホスホロアミダイト、フルオロホスホナイト等が挙げられる。これらの化学種は、米国特許第5,744,649号及び同第5,741,944号で教示の抽出器技術の使用により抽出できる種々の酸性及び/または極性分解生成物を生成する。したがって、本明細書に開示の本発明で有利に用いられるヒドロホルミル化処理技術は、既知のあらゆる処理技術に対応することができる。好ましいヒドロホルミル化プロセスは、触媒液体再循環を伴うものである。
【0076】
抽出接触条件は、大きく変わってもよく、このような条件の任意の好適な組み合わせを本明細書で用いることができる。例えば、このような条件のうちの1つの低下を他の条件の1つまたは複数の増加によって補償することができ、逆の場合も同様である。一般に、10℃〜120℃、好ましくは20℃〜80℃、より好ましくは25℃〜60℃の範囲の液体温度は、大抵の場合において好適であろうが、所望される場合より低いまたはより高い温度を用いてもよい。有利には、大気圧から反応圧力の範囲の圧力で処理が行われ、接触時間は、ほんの数秒または数分から数時間以上まで変動してもよい。
【0077】
反応流体からのリン酸化合物の除去の成功は、ヒドロホルミル化反応媒体中に存在する有機リン配位子の分解(消費)速度を測定することにより判定することができる。消費速度は、広範囲にわたって、例えば、1日あたり<0.6〜5グラム/リットルで変動してもよく、自己触媒レベル未満の加水分解を保持するために、配位子のコストと処理頻度との最善の妥協点により決定される。好ましくは、ヒドロホルミル化反応媒体中に存在する所望の有機リン配位子の消費が許容可能な速度、例えば、1日あたり<0.5グラムの配位子/リットル、より好ましくは、1日あたり<0.1グラムの配位子/リットル、及び、最も好ましくは、1日あたり<0.06グラムの配位子/リットルで維持されるように水性緩衝液処理が行われる。リン酸化合物の水性緩衝液中への中和及び抽出が進行するにつれて、緩衝液のpHは、ゆっくり低下する。
【0078】
少なくとも一定量のリン酸化合物、例えばHPO、HPO、アルデヒド酸、例えばヒドロキシルブチルホスホン酸及びヒドロキシルペンチルホスホン酸などのヒドロキシアルキルホスホン酸等をヒドロホルミル化系から除去することにより、ヒドロホルミル化反応媒体の酸性度の制御が可能となり、これにより、その加水分解変質を防止または低減することにより、有用な有機リン配位子が安定化される。
【0079】
必要に応じて、例えば、米国特許第4,567,306号で教示のように、有機リン配位子の加水分解時に形成された酸性加水分解副生成物を取り除くために、有機窒素化合物をヒドロホルミル化反応流体に添加してもよい。このような有機窒素化合物は、これらとの転化生成物塩を形成することにより、酸性化合物と反応させ、中和するように使用することができ、これにより、触媒金属が酸性加水分解副生成物と錯化することを防止し、このため反応条件下で反応領域中に存在する間、触媒の活性を保護する補助となる。
【0080】
リン酸化合物を取り除くのに有用な好ましい有機窒素化合物は、米国特許第5,731,472号で開示されているものなどの、ジアゾール、トリアゾール、ジアジン、及びトリアジンからなる群から選択される複素環化合物である。ベンゾイミダゾール及びベンゾトリアゾールが好ましい。反応流体中に存在し得る有機窒素化合物の量は通常、反応流体1リットルあたり少なくとも0.0001モルの遊離有機窒素化合物の濃度をもたらすのに十分である。一般に、有機窒素化合物と全有機リン配位子(遊離有機リン配位子として結合または存在しているかにかかわらず)との比率は、少なくとも0.1:1、さらにより好ましくは、少なくとも0.5:1である。1:1〜5:1の有機窒素化合物と有機リン配位子とのモル比で大抵の目的において十分なはずである。
【0081】
水性緩衝液処理は、遊離リン酸化合物を金属−有機リン配位子錯体触媒含有反応流体から除去するばかりではなく、有機窒素化合物除去剤(用いた場合)の使用により形成された転化生成物塩のリン酸材料も除去する、すなわち、転化生成物塩のリン酸は、水性緩衝液中に残るが、一方、処理された反応流体は、再活性化された(遊離)有機窒素化合物とともに反応領域に戻される。
【0082】
加水分解性配位子を使用する場合、酸触媒による自己触媒配位子分解を回避するためにプロセスから配位子分解生成物を取り除く手段を用いることが好ましい。これらの分解生成物を制御及び/または除去するために抽出器、アミン添加剤、エポキシド、及び他の手段を使用することが知られている。例えば(米国特許第5,741,942号、同第5,741,944号、日本国特許第3864668号、米国特許第5,648,554号、同第5,731,473号、同第5,744,649号、同第5,789,625号、同第6,846,960号、及び同第6,995,292号)を参照されたい。これらの分解生成物制御手段は、触媒再循環流に有利に実施され、蒸発器の後の再循環流が分割される前後に位置することができる。
【0083】
本発明のプロセスは、一次反応器に続いて生成物−触媒分離領域を用いる。分離領域は、粗生成物流及び触媒再循環流を生成する。粗生成物流は、所望のアルデヒド生成物ならびに未反応原材料、例えばオレフィン及びシンガスを含む。未精製生成物流は、当業者に周知の技術を使用して、生成物−触媒分離領域の後に未反応原材料から分離される。次いで、未反応原材料は別々の二次反応器に供給され、二次反応器からの液体生産物は同じ生成物−触媒分離領域に供給される。生成物−触媒分離領域からの触媒再循環流は、一次反応器に再循環される部分と二次反応器再循環される部分とに分割される。一実施形態において、二次反応器からの液体流出物の部分が生成物−触媒分離領域の上流の一次反応器に送られる。
【0084】
本発明のプロセスは、二次反応器を用いるが、一次反応器と同一タイプまたは異なっていてもよい。主にこの反応器への供給は、生成物−触媒分離領域からの未反応反応物を含むが、他の供給源からの流れを混合させてもよい。
【0085】
ヒドロホルミル化プロセスは、1つ以上の好適な反応器タイプ、例えば管型反応器、ベンチュリ反応器、バブルカラム反応器、または連続式撹拌槽型反応器などを用いて行うことができる。反応領域は、温度変動を制御し、また起こり得るあらゆる「制御不能の」反応温度を防ぐために、1つまたは複数の内部及び/または外部熱交換器を備えていてもよい。
【0086】
各反応器容器は、例えば米国特許第5,728,893号に記載された、単一反応領域または多重反応領域を備えてもよい。本発明の一実施形態において、2つの反応領域は、単一反応器容器中に存在する。用語「第1の反応領域」は、一次反応器中の第1の反応領域を意味する。多段反応器は、容器1つあたり2つ以上の反応領域または反応理論段階を形成する内部の物理的バリアを備えるように設計することができる。実質的に、単一の連続撹拌式槽型反応器容器の内部に多数の反応器領域が含有される。複数の反応領域を単一容器中に入れることは、反応器容器の容量を使用するコスト効率の良い方法であり、通常なら同じ結果を実現するのに必要となるはずの容器の数を大幅に減らす。容器をより少なくすることにより、必要な全資本ならびに分離容器及び撹拌器を有することに関連したメンテナンス問題が減少する。反応器内では、反応領域を直列または並列に配列することができる。
【0087】
当業者はプロセス設備における構成の好適な材料を容易に選択することができる。用いられる材料は、出発物質及び反応混合物に対し実質的に不活性であるべきであり、プロセス設備は、反応温度及び圧力に耐えることができなければならない。例えば、ヒドロホルミル化プロセスは、ガラスライニング、ステンレス鋼、または類似のタイプの反応設備中で行うことができる。
【0088】
反応の過程で、バッチ式、半連続式、または連続方式で反応領域へ導入される出発物質または原料の量を導入及び/または調節する手段を都合よくプロセスで用いることができ、このような手段は出発物質の所望のモル比を維持するために有用である。反応工程は、出発物質のうち1つを残りに漸増的に添加することにより行うことができる。
【0089】
本発明の一実施形態において、一次反応器中の触媒金属濃度は、当業者に周知の方法に従って、間接的に測定される。例えば、アルデヒド重質物、配位子、配位子分解生成物(酸化物等)、またはロジウムに相関する他のマーカーの相対濃度は、ガスクロマトグラフィ、HPLC、UV−Vis、またはIR分光法、及び他の周知の技術によって分析することができる。触媒金属濃度が高過ぎるまたは低過ぎる場合、一次反応器中の触媒金属濃度に対して所望の変化をもたらすために、蒸発器からの全触媒再循環質量の一部をそれぞれ下げるまたは上げることができる。
【0090】
一次反応器中の触媒金属濃度は、(a)一次反応器に供給された未使用のオレフィンと、(b)二次反応器に送られた供給量との質量比に相関し得る。この比率に基づいて、一次反応器の金属濃度は、一次反応器に供給される触媒再循環流の質量比に従って制御される。関連する流量は、質量流量計を使用して測定することができる。
【0091】
エチレン及びプロピレンヒドロホルミル化反応速度論は、高級オレフィンに関して速度論より動力学的変数の変化により応答する。このように、1つの好ましい制御スキームにより、一次反応器の触媒金属濃度が制御され、二次反応器の触媒金属濃度が変化または「変動する」ことができる。反応器中のオレフィン分圧をモニタすることによって、反応器中の触媒金属の濃度を制御することができる。所与の温度及びCO分圧について、オレフィン分圧は、一般に触媒金属含有量の関数であり、よって、オレフィン分圧が所望範囲の外にある場合、触媒の既知の反応速度論に基づいた所望範囲内でオレフィン分圧を保つように触媒再循環流を調整することができる。この「推定制御」には、市販のモニタリングシステムを用いることができる。
【0092】
プロセスは、任意のバッチ、連続、または半連続様式で行うことができ、任意の所望の触媒液体及び/またはガス循環操作を伴うことができる。一般に連続的にヒドロホルミル化プロセスを実施することが好ましい。連続的なヒドロホルミル化プロセスは、当技術分野において周知である。
【0093】
各反応器内のヒドロホルミル化プロセスの反応条件は、光学活性及び/または非光学活性アルデヒドを生成するのにこれまで用いられたあらゆる好適なタイプのヒドロホルミル化条件を含んでもよい。例えば、ヒドロホルミル化プロセスの水素と、一酸化炭素と、オレフィン出発化合物との全ガス圧は、100〜69,000kPaの範囲であってもよい。しかし、一般的にプロセスは、14,000kPa未満、より好ましくは3,400kPa未満の水素と、一酸化炭素と、オレフィン出発化合物との全ガス圧で操作されるのが好ましい。最小全圧は、所望の反応速度を得るのに必要な反応物の量により、主に限定される。より具体的には、ヒドロホルミル化プロセスにおける一酸化炭素の分圧は、好ましくは1〜6,900kPa、より好ましくは21〜5,500kPaであり、一方、水素分圧は、好ましくは34〜3,400kPa、より好ましくは69〜2,100kPaである。一般的に、水素ガスと一酸化炭素とのモル比(H:CO)は、1:10〜100:1以上、また、より好ましい水素と一酸化炭素とのモル比は、1:10〜10:1の範囲であってもよい。
【0094】
一般的に、ヒドロホルミル化プロセスは、任意の操作可能な反応温度で行ってもよい。有利なことに、ヒドロホルミル化プロセスは、−25℃〜200℃の反応温度で実行される。一般的に、すべてのタイプのオレフィン出発物質に対して、50℃〜120℃のヒドロホルミル化反応温度が好ましい。当業者には既知のように、用いられるヒドロホルミル化反応条件は所望のアルデヒド生成物のタイプにより決定される。
【0095】
直鎖アルデヒド異性体と分岐アルデヒド異性体との生成物N:I比は、配位子の同一性及び濃度(通常、配位子とロジウムとの比率と定義される)と、温度と、CO及びH分圧とを含む多数の要因に依存することは周知である。N:I比を制御する既知の方法は、本発明のプロセスに用いることができる。例えば、各反応器は、Rh濃度と、CO及びH分圧と、温度とを異なって有することができる。
【0096】
一実施形態では、一次及び二次反応器中の温度とCO及びH分圧とは、各反応器内の転化率及びN:I比を最適化するために同じまたは異なっていてもよい。加えて、異なる反応器中の温度及び分圧は、別途最適化することができる。各反応器内では、ロジウム濃度及び滞留時間の変化を調整するために、CO及びH分圧を独立して最適化かつ変化させることができ、これは触媒再循環率及びロジウム濃度の変化をもたらす。これにより、反応器安定性及び生成物N:I比の制御の改善が可能になる。
【0097】
一実施形態において、米国特許第7,615,645号に教示されているような、「異性化条件」下で1つの反応器を作動させてもよい。
【0098】
さらに別の実施形態において、一次反応器に対する供給速度が変化するにつれて、各反応器の残留時間が変化し、これにより他の反応器に影響を与えることなく、一次及び二次反応器内の反応器温度をさらに最適化することができる。例えば、一次反応器への供給量が減少すると、一次反応器内の滞留時間が増加する。転化率がすでに100%に近いために、こうしたより長い滞留時間は生成に寄与せず、配位子分解及び重質物生成をより高くする一因となるだけである。このため、有意なオレフィン転化率を損なうことなく、反応器温度を低下させて、これらの損失を低減することができる。
【0099】
反応速度は、様々な要素の中で、温度と触媒濃度との関数であることは周知である。各反応器中の反応質量の温度及び触媒の濃度を制御することによって、転化率は主に制御される。一実施形態において、一次反応器中の触媒の濃度を制御するために、触媒再循環流の少なくとも1つの流量が制御される。本発明の一実施形態において、一次反応器に対する所望の触媒金属濃度を設定することによって、制御が行われる。本発明の一実施形態において、一次反応器の触媒金属濃度値は分析法で直接測定され、オンラインまたはオフラインで行うことができる。直接分析法の実施例としては、誘導結合プラズマ質量分光法、原子吸光分光法、高圧液体クロマトグラフィ(HPLC)、及びX線蛍光が挙げられる。
【0100】
所与の温度では、その他すべてが等しく、ヒドロホルミル化反応速度は、触媒金属濃度に正比例する。各反応器の触媒金属濃度は、各再循環流の質量流量及び触媒金属濃度に関連する。このように、ヒドロホルミル化反応速度は、再循環流における再循環質量流量と触媒金属触媒濃度との関数である。
【0101】
理論によって制限されるものではないが、アルデヒド生成物を取り除き、蒸発器排気流を濃縮することによって、得られたオレフィン含有流は、一次反応器の最後の反応領域中より濃縮されると考えられる。この濃縮されたオレフィン流を未使用の再循環触媒流に分配することにより、一次反応器の最後の反応領域と比較して、二次反応器中においてより高いオレフィン及び/または触媒濃度になる。これは、残留する原料に非常に高い相対反応速度を付与する。この流れは当初の供給より非常に小さいために、非常に小型の反応器が必要であり、投資費用が節約される。本発明の一実施形態において、二次反応器の容量は、一次反応器の容量の80%以下である。有利には、二次反応器の容量は、一次反応器の容量の70%以下、好ましくは50%以下、より好ましくは35%以下、さらにより好ましくは25%以下である。このより小型の反応器は、非常に高い転化率を実現するために一次反応器の条件と比較して、高い温度、CO分圧、及び/またはロジウム濃度であり得るが、全反応流体のほんの一部がこれらの条件下であるのみなので、配位子分解及び重質物生成の全量は、付加的な標準サイズの反応器が一次反応領域に追加された場合より非常に少ない。二次反応器の生産物を、蒸発器を1つのみ使用する一次反応器と混合することによって、さらなる資本の節約が実現される。さらなる資本の節約は、より小型サイズの二次反応器に起因する。
【0102】
二次反応器のサイズと、触媒再循環流の質量流量と、二次反応器に供給される排気流の質量流量との間には関連性が存在する。この関連性は、二次反応器中の平均滞留時間を決定する。本発明の種々の実施形態において、二次反応器の滞留時間は、一次反応器の滞留時間よりも少なくとも20%、少なくとも50%、または少なくとも75%長い。配位子分解及びアルデヒド重質物生成の量は、反応流体の容量に関連するために、全反応流体質量が小さくなるほど、配位子分解及び重質物生成が少量になる(他のすべての要素は一定)。一実施形態では、二次反応器中の反応器温度、滞留時間、及び/またはロジウム濃度をより高くして、プラント全体の転化率を改善させることができるが、全反応流体のわずか一部がこれらの過酷な条件に曝されるのみなので、標準サイズの反応器が同じ条件下で作動し、同じオレフィン転化率を得る状態より、プラント全体の配位子分解及び/または重質物生成は少ない。
【0103】
本発明のプロセスは、共通の生成物−触媒分離領域を用いる、すなわち、一次及び二次反応器双方からの流出物は共有の生成物−触媒分離領域に送られ、ここで流出物が主に生成物を含む少なくとも1つの流れ(すなわち、粗生成物流)と、溶液中に相対多数の触媒を含む少なくとも1つの流れ(すなわち、触媒再循環流)に分離される。また、粗生成物流は、相当量の未反応出発物質、例えばオレフィン及びシンガスも含有する。
【0104】
粗生成物流は、未精製生成物流と未反応出発物質流とに分離される。これらの未反応出発物質は、二次反応器に送られる。有利には、未精製生成物流は、さらなる処理、例えばアルコールに精製または水素化するために送られる。多くの場合、未精製生成物流は、いくらかの未反応オレフィンを依然として保持していてもよく、これは例えば、実施例5の米国特許第4,827,042号に開示されているように、シンガスストリッピング、蒸留、洗浄、または安定剤系を使用することにより、適宜回収することができ、またプロセスへ再循環させることができる。有利には、これらの操作は、一次生成物−触媒分離領域の後で行われる。触媒再循環流は、また反応器へ再循環される。本発明の一実施形態おいて、1つの触媒再循環流は分離領域を出て分割され、次いで分割された流れは一次及び二次反応器に再循環される。本発明の目的のために、用語「生成物−触媒分離領域」とは、生成物及び触媒溶液の混合物からかなりの部分のアルデヒド生成物を分離するあらゆる手段を意味する。有利には、全生成物の90%超、より好ましくは95%超が生成物−触媒分離領域中の触媒から分離されるが、比較的少量の生成物は他の装置、例えばベントノックアウトポットなどによって収集することもできる。
【0105】
反応器流出物から生成物を分離するための任意の好適な技術を用いることができる。生成物−触媒分離領域の使用に好適な単位操作は、当業者に周知であり、例えば、溶媒抽出、膜分離、結晶化、相分離、もしくはデカント、濾過、蒸留等、またはこれらの任意の組み合わせを含むことができる。蒸留の例としては、洗浄、ワイプトフィルム蒸発、流下膜式蒸発、ガスストリッピング、及び任意の他の種類の従来の蒸留器での蒸留が挙げられる。膜分離プロセスの例は、米国特許第5,430,194号及び同第5,681,473号において開示されている。本発明の目的のために、用語「蒸発」とは、これらの単位操作を包含するために使用され、用語「蒸発器」とは、「生成物−触媒分離領域」と同意語として使用される。
【0106】
生成物−触媒分離の好ましい従来の方法は、蒸留であり、好ましくは必要に応じ、非揮発性金属触媒含有残留物を反応器に再循環させながら、流下薄膜型蒸留器中における、常圧、減圧、または高圧下の1または複数段階の蒸留である。例えば、単一過程の分離及び触媒再循環が米国特許第5,288,918号に記載されており、その中で用いられている分離技術は本発明のプロセスに用いることができる。好ましくは、一次反応器の液体流出物が蒸発器に供給され、二次反応器の液体流出物が同じ蒸発器に供給される。有利には、共通の蒸発器からの非揮発性液体流出物が分割されて、一次及び二次反応器に再循環される。
【0107】
共通の蒸発器は、例えば中国特許第102826969号に示されるように、直列に高圧及び低圧蒸発器などの複数の蒸発ユニットを備えることができる。例えば、一次反応器及び二次反応器はそれぞれ、それ自体の高圧蒸発器を有してもよく、高圧蒸発器からの各非揮発性流は共通の低圧蒸発器に供給される。これにより加圧軽量物、例えばプロピレンまたはブテンの再循環が、それ自体の高圧蒸発器から各反応器へ可能になり、最終生成物−触媒分離は共通の低圧蒸発器中で実行される。いずれにせよ、共通の最終触媒再循環流は、蒸発器でまたは蒸発器の後のいずれかで分割されて、一次及び二次反応器に送り戻される。
【0108】
上記のように、所望のアルデヒドは、反応混合物から回収することができる。例えば、米国特許第4,166,773号、同第4,148,830号、及び同第4,247,486号に開示されている回収技術を用いることができる。連続液体触媒再循環プロセスでは、反応器から取り除かれた一部の液体反応混合物(アルデヒド生成物、触媒等を含有)、すなわち、反応流体を生成物−触媒分離領域、例えば、気化器/分離器に通過させることができ、次いで、生成物受槽中で凝縮及び収集され、所望される場合さらに精製または浄化される。次いで、残留する非揮発性触媒を含有する液体反応混合物を反応器に再循環させることができ、同様に任意の他の揮発性材料、例えば未反応オレフィンを液体反応物中に溶解したあらゆる水素及び一酸化炭素と一緒に、凝縮アルデヒド生成物から、例えば任意の従来法の蒸留により分離した後再循環させることもできる。一般的に、有機リン配位子及び反応生成物の起こり得る分解を避けるために、所望のアルデヒドを減圧下及び低温で触媒含有反応混合物から分離するのが好ましい。
【0109】
より具体的には、金属−有機リン錯体触媒含有反応流体からの所望のアルデヒド生成物の蒸留は、任意の好適な所望の温度で行うことができる。一般的に、このような蒸留は、比較的低温、例えば、150℃未満、より好ましくは50℃〜140℃の範囲の温度で行われるのが好ましい。通常、このようなアルデヒド蒸留は、低沸点アルデヒド(例えば、C〜C)が含まれる場合は、ヒドロホルミル化中で用いられる全ガス圧より低い全ガス圧下で、または高沸点アルデヒド(例えば、C以上)が含まれる場合は、真空下で行われることが好ましい。一般的に、真空から340kPa(49.3psia)の全ガス圧までの範囲の蒸留圧力は、ほとんどの目的に対して十分である。
【0110】
触媒溶液から分離される粗アルデヒド生成物流は、未反応オレフィン及びシンガスを含有する。一実施形態において、揮発性粗アルデヒドは液体未精製生成物流に凝縮され、主にオレフィンからなる非凝縮蒸気及びシンガスが二次反応器に送られる。別の実施形態では、粗生成物流が精製、例えば蒸留され、生成物濃縮流及びオレフィン濃縮流を生成し、前者はさらなる処理、例えば、精製のために送られ、後者は二次反応器に送られる。簡略化のために、粗生成物流から分離されるオレフィン濃縮流は、「蒸発器排気流」と呼ぶ。蒸発器からの蒸発器排気流は、従来の手段、例えば所望される場合それを精製プロセスに送ることによって、処理され、二次反応器に送る前にさらにオレフィン含量を濃縮することができる。
【0111】
一実施形態において、国際公開第2011/087690号で教示されるように、各反応器内のN:I比を制御するために、各反応器に送られる触媒再循環流を各反応器内で2つ以上の異なる反応領域間に分割することができる。これにより高温における触媒の平均滞留時間が減少し、その結果、重質物生成及び配位子分解も減少する。
【0112】
再循環手順は一般に、ヒドロホルミル化反応器の少なくとも1つから触媒及びアルデヒド生成物を含有する液体反応媒体の一部を連続的にまたは断続的に取り出すことと、生成物−触媒分離領域を使用してそこからアルデヒド生成物を回収することとを伴う。揮発性材料の縮合、及び分離、ならびに、例えば蒸留によるさらなる精製による取り除かれたアルデヒド生成物の収集は、任意の従来の方法で行うことができ、所望される場合、粗アルデヒド生成物をさらなる精製及び異性体分離のために送り出すことができ、任意の回収反応物、例えばオレフィン出発物質及びシンガスは、任意の所望の方法でヒドロホルミル化領域(反応器)へ再循環させることができる。アルデヒド生成物は、多段階蒸留を含む蒸留によって精製することができ、未反応材料を取り除き、精製生成物を回収する。このような分離の回収金属触媒含有ラフィネート、またはこのような分離の回収非揮発性金属触媒含有残留物は、上記のように、1つまたは複数のヒドロホルミル化反応器に再循環させることができる。
【0113】
様々な種類の再循環手順は、当技術分野において既知であり、例えば、米国特許第4,148号に開示の所望のアルデヒド反応生成物から分離された金属−有機リン錯体触媒流体の液体再循環を含むことができる。連続液体触媒再循環プロセスが好ましい。好適な液体触媒再循環手順の例としては、米国特許第4,668,651号、同第4774,361号、同第5,102,505号、同第5,110,990号、同第5,952,530号、及び同第8,134,031号に開示されている。
【0114】
得られた生成物流は、従来の手段によって処理することができる。例えば、アルデヒド生成物は分離することができ、アルコールに対する水素化またはアルドール化/水素化によって別途処理することができる。あるいは、アルデヒド生成物を分離するのではなく、一緒に処理する。例えば、アルデヒド混合物は水素化することができ、個々のアルコールは水素化後に分離することができる。別の可能性としては、アルコールと高級アルコールとの混合物に対するアルドール化/水素化後、蒸留によって個々のアルコールを単離することを伴う。このような多重処理スキ−ムの例は、国際公開第2012/008717号に記載されている。
【0115】
上述の抽出器を使用することにより種々のレベルの水を触媒再循環流に導入することができ、これにより、反応器へと導入することができる。国際公開第2012/064586号及び特開2006/306815号公報に教示のように、ヒドロホルミル化反応器中の水の存在は、反応器の付着物を軽減するために重要となり得る。この水の主な供給源は抽出器からであり、水を取り除く主な手段は蒸発器によってである。触媒再循環率の変化は各反応器に送出される水量を必然的に変化させ、触媒処理プロセスとは独立して、水を一部またはすべての反応器に添加する補助手段を有することが望ましい場合がある。あるいは、米国特許第7,262,330号に教示されるように、配位子加水分解を軽減するために1つの反応器を「ドライ」に保つことが望ましい場合がある。このように、より耐性の高い反応器から劣化酸を取り除くために、1つの触媒再循環流を処理するだけが望ましい場合がある。用いる場合、緩衝液処理領域は、単一容器であっても、または2つ以上の慎重な容器を含んでもよい。
【0116】
例示的な非光学活性アルデヒド生成物としては、プロピオンアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、n−バレルアルデヒド、2−メチル1−ブチルアルデヒド、ヘキサナール、ヒドロキシヘキサナール、2−メチルバレルアルデヒド、ヘプタナール、2−メチル1−ヘキサナール、オクタナール、2−メチル1−ヘプタナール、ノナナール、2−メチル−1−オクタナール、2−エチル1−ヘプタナール、3−プロピル1−ヘキサナール、デカナール、アジプアルデヒド、2−メチルグルタルアルデヒド、2−メチルアジプアルデヒド、3−メチルアジプアルデヒド、3−ヒドロキシプロピオンアルデヒド、6−ヒドロキシヘキサナール、アルケナール、例えば、2−、3−及び4−ペンテナール、アルキル5−ホルミルバレラート、2−メチル−1−ノナナール、ウンデカナール、2−メチル1−デカナール、ドデカナール、2−メチル1−ウンデカナール、トリデカナール、2−メチル1−トリデカナール、2−エチル、1−ドデカナール、3−プロピル−1−ウンデカナール、ペンタデカナール、2−メチル−1−テトラデカナール、ヘキサデカナール、2−メチル−1−ペンタデカナール、ヘプタデカナール、2−メチル−1−ヘキサデカナール、オクタデカナール、2−メチル−1−ヘプタデカナール、ナノデカナール、2−メチル−1−オクタデカナール、2−エチル1−ヘプタデカナール、3−プロピル−1−ヘキサデカナール、エイコサナール、2−メチル−1−ノナデカナール、ヘンエイコサナール、2−メチル−1−エイコサナール、トリコサナール、2−メチル−1−ドコサナール、テトラコサナール、2−メチル−1−トリコサナール、ペンタコサナール、2−メチル−1−テトラコサナール、2−エチル1−トリコサナール、3−プロピル−1−ドコサナール、ヘプタコサナール、2−メチル−1−オクタコサナール、ノナコサナール、2−メチル−1−オクタコサナール、ヘントリアコンタナール、2−メチル−1−トリアコンタナール等が挙げられる。
【0117】
例示的な光学活性アルデヒド生成物の例としては、本発明の不斉ヒドロホルミル化プロセスにより調製された(エナンチオマー)アルデヒド化合物、例えば、S−2−(p−イソブチルフェニル)−プロピオンアルデヒド、S−2−(6−メトキシ−2−ナフチル)プロピオンアルデヒド、S−2−(3−ベンゾイルフェニル)−プロピオンアルデヒド、S−2−(p−チエノイルフェニル)プロピオンアルデヒド、S−2−(3−フルオロ−4−フェニル)フェニルプロピオンアルデヒド、S−2−[4−(1,3−ジヒドロ−1−オキソ−2H−イソインドール−2−イル)フェニル]プロピオンアルデヒド、S−2−(2−メチルアセトアルデヒド)−5−ベンゾイルチオフェン等が挙げられる。
【0118】
プロセスの種々の実施形態を図1及び2に示す。
【0119】
図1を参照すると、オレフィン(例えば、プロピレン)(1)及びシンガス(2)は、反応器(3)で表される一次反応器に供給される。反応器(3)の流出物は、ライン(16)を介して、ここでは蒸発器によって表される分離領域(7)に供給され、ここで粗生成物流(8)は、触媒再循環流(9)から分離される。流れ(8)は、コンデンサ(10)によって凝縮されて、未精製アルデヒド生成物(11)を得るが、次いで、これは出発物質(米国特許第5,087,763号)を回収するために、従来の手段、例えばシンガスストリッピング塔で処理することによって、または従来の手段、例えば蒸留によって精製することによって、さらに処理される。次いで、蒸発器排気流(12)は、コンプレッサ(22)を介して圧縮され、二次反応器(6)で表される二次反応器に、必要に応じてシンガス(5)が補充されながら送られる。二次反応器(6)の流出物は、分離領域(7)へライン(23)を介して送り戻される。排気(24)は、不活性成分、例えばプロパン、N、CO等を取り除くための蒸気パージであり、反応器の最上部または好ましくは、流れ(23)のフラッシュポット中に存在してもよい。場合により、流れ(25)は、反応器、安定器、貯蔵タンク等からの他の排気であってもよい。
【0120】
未精製生成物流(11)は、貯蔵されるまたは流れ(11a)としてさらに処理される前に、必要に応じてシンガスストリッピング塔(図示せず)及び/または必要に応じて安定器カラム(30)に送ることができる。一次反応器は、所望される場合排気(13)を有してもよく、排気の一部分は要望どおりに再循環させることができる。例えば、排気(13)または(13a)の一部もしくはすべては、ライン(25)を介してコンプレッサ(22)、次いで、二次反応器(6)に送ることもできる。一次及び/または二次反応器は、並列または直列に複数の反応器を備えることができるが、付加的な反応器は簡潔にする目的で図示しない。ライン(16)及び(23)は、分離領域前または内部で混合することができる。
【0121】
触媒と、過剰量の配位子と、溶媒(通常アルデヒド重質物)と、残留するアルデヒド生成物と、未反応反応物とを含む再循環流(9)は、流れ(14)及び(15)を介して、それぞれ一次及び二次反応器に戻る。
【0122】
図2を参照すると、米国特許第5,001,274号に記載されるように、蒸発器排気流(12)が向流抽出領域(29)を通って送られることを除いて、図1と実質的に同じであり、蒸発器テール流(15)の一部は、(29)の最上部に回される。この部分の流れ(26)は、ガス状の未反応オレフィンのかなりの部分を液相に吸収するように作用し、混合した流れ(15a)及び(26)、ここでは流れ(28)が二次反応器(6)へと続く。未吸収ガス(通常、不活性成分、例えばN、CO、CH、及びシンガス)は、蒸発器排気(27)を介して(29)から出て行く。ここでは図示されていないが、流れ(26)は、(29)へ入る前に、さらに冷却することができる。圧力下で、液体を反応器(6)に送出する流れ(28)の小型ポンプは通常、必要であるが、図1で使用されたコンプレッサより低価格である。任意の流れ(15a)は、(29)に送られない流れ(15)の一部であり、例えば、始動の間、操作上のフレキシビリティを可能にするために存在する。
【0123】
発明の特定の実施形態
特に指示がない限り、次の実施例中のすべての部及びパーセンテージは、重量単位である。特に指示がない限り、圧力は絶対圧力として与えられる。
【0124】
比較実験A
図3に図示するように、2つの同様の連続撹拌槽型反応器(CSTR)を有する従来のオキソ反応系は、ASPEN Plus Dynamics(商標)プロセスシミュレーションソフトウェアを使用してモデル化される。第1の反応器の初期の目標ロジウム濃度が80ppm Rhであることを除いて、触媒は米国特許第4,668,651号に記載のような、典型的なRh−ビスホスファイト触媒であり、反応条件は本質的にプロピレン(ポリマーグレード、99.5%)のその特許の実施例9のものである。配位子:Rh比は、>1。安定器カラムからの排気(13a)は、含有プロピレンの低濃度及びコンプレッサの不足のため再循環されない。選択されたプロセス条件及び未精製アルデヒド生成率は、ポリマーグレードプロピレンの19585kg/時間のオレフィン供給量に基づいて表1に示される。
【0125】
実施例1〜4
図1にて図示するように、本発明のオキソ反応系は、ASPEN Plus Dynamics(商標)プロセスシミュレーションソフトウェアを使用してモデル化される。反応条件は、比較実験Aのものであるが、プロセス構成は異なる。系は、比較実験AのCSTRと同じ容量を有する一次CSTR(R1)及びより小型の二次CSTR(R2)を備える。安定器カラムからの排気流(13a)は、ライン(25)を介してコンプレッサに供給される。
【0126】
反応器制御系をモデリングする基準は、以下のとおりである。
1)オキソ反応速度は、一定温度でロジウム濃度に正比例する。
2)各反応器のロジウム濃度は、各反応に供給される再循環触媒質量流量と再循環ロジウム濃度との関数である。各反応器中の液体容量は一定である。
3)項目1及び2の効果を合わせるとオキソ反応速度は、再循環触媒供給量と再循環触媒ロジウム濃度との関数である。
4)プロピレンオキソ反応の反応速度論は動力学的変数の変化、次いで、ラフィネート反応速度論の変化により応答するので、制御スキームは、一次反応器ロジウム濃度を制御して、反応器(3)の温度を一定に保つように設計され、必要に応じて二次反応器中のロジウム濃度を変化させる。設計ロジウム濃度より高い場合にのみ二次反応器温度を補正するために下げることができる。
5)再循環流の変化によって生じるロジウム濃度の変化に起因する温度の変化は、数時間程度と遅い。したがって、反応器温度制御は、従来の冷却技術、例えば内部冷却コイル、外部熱交換器またはその両方を使用して行われる。
【0127】
選択されたプロセス条件及び未精製アルデヒド生成率を表1に示す。
【0128】
【表1】
【0129】
初期の触媒及び配位子:Rh比は、比較実験Aならびに実施例1の設計率で高反応速度、高転化率、及び低配位子消費率をもたらす。生成物に対するプロピレン転化率は、生成された未精製アルデヒドの量によって、容易に評価することができる。驚くべきことに、本結果は非常に小型のR2を使用する本発明のプロセスが比較実験Aのプロセスと比較して一定の供給レベル以上の転化率を実現することを証明している。
【0130】
実施例1の結果は、直列の2つの大きな反応器が作動するプロセスのものに相当する本発明のプロセスの転化率及び効率性を示している。改善された設計は、ほぼ7kgのロジウム残留量を保存し(16.7kg〜9.8kg)、これは比較プロセスと比べて、41%の減少で、当初の配位子費用の40%減である。本発明のプロセスは、ロジウム濃度プロファイルを良好に制御することができる。これにより、原料効率が良好になり、反応器温度の制御が良好になる。
【0131】
実施例2〜4は、高ロジウム濃度、高温またはその両方を使用して、転化率を増大させることができることを証明している。反応体積のわずか20%がこれらの過酷な条件下であることから、同じ条件下で動作する比較実験Aと比較して、配位子分解及び重質物生成の発生は実質的により少ないと思われる。実施例4でのR2中の高いロジウム濃度であっても、ロジウムの全量は、それでも比較実験Aの37%未満である。
【0132】
実施例5〜8及び比較実験B
化学グレードプロピレン(95%のプロピレン)が20655kg/時間の速度で供給されることを除いて、実施例1〜4及び比較実験Aの手順が繰り返される。結果を以下の表に示す。
【0133】
【表2】
【0134】
供給内の高濃度の不活性成分にもかかわらず、驚くべきことに、実施例5〜8のプロセスの未精製アルデヒド生成率は、それでも実質的に比較実験Bで表される従来の設計のもの以上である。全体の転化率を同等に維持しながら、排気(24)は、不活性成分をパージするのに十分であるため、容認できないレベルのプロパンのビルドアップは、驚くべきことに、観察されない。
【0135】
本発明は、以下の利点を提供する。
1)同じ温度かつ同じ触媒濃度で同じ転化率を実現するために、著しくより小型の反応器容積が必要である。一部、配位子使用量は反応器容量の関数であり、より少ない配位子が存在するために、全体の配位子使用量は、著しく減少する。多くの商業用の配位子は相当に高価であり、これが大幅な変動費の節減をもたらす。
2)同様に、より小さい全反応体積は、必要なロジウムがより少ないことを意味し、これは相当なコスト削減をもたらす。
3)重質物生成率は、より小さい反応体積のため減少する。
4)一般に、反応器が小さくなるほど、価格も低くなる。
5)本プロセスはロジウム濃度及び動作温度の良好な制御を可能にし、これにより配位子の消費量及び重質物生成が最小化される。
本願発明には以下の態様が含まれる。
項1.
(a)一次反応器において、少なくとも1種のアルデヒド生成物を形成するのに十分なヒドロホルミル化条件のもと、反応流体中のヒドロホルミル化触媒の存在下で、COと、H2と、オレフィンを含む供給流とを接触させることと、
(b)前記一次反応器から生成物−触媒分離領域へと液体流出流を通過させることと、
(c)前記生成物−触媒分離領域から粗生成物流及び液体触媒再循環流を取り除くことと、
(d)次いで、前記粗生成物流を排気流及び未精製生成物流に分離することと、
(e)オレフィンを含む前記排気流を二次反応器に通過させることと、
(f)前記二次反応器において、少なくとも1種のアルデヒド生成物を形成するのに十分なヒドロホルミル化条件のもと、反応流体中のヒドロホルミル化触媒の存在下で、COと、H2と、前記排気流の前記オレフィンとを接触させることと、
(g)前記二次反応器から前記生成物−触媒分離領域へと液体流出流を通過させることと、を含む、方法。
項2.
前記再循環流を第1の再循環流及び第2の再循環流に分流することと、前記第1の再循環流を少なくとも部分的に一方の反応器に送り、かつ前記第2の再循環流を少なくとも部分的に他方の反応器に送ることとをさらに含む、項1に記載の前記方法。
項3.
前記二次反応器の容量が前記一次反応器の容量の80%以下である、項1または2のいずれか一項に記載の前記方法。
項4.
前記二次反応器の容量が前記一次反応器の容量の70%以下である、項1〜3のいずれか一項に記載の前記方法。
項5.
前記二次反応器の容量が前記一次反応器の容量の50%以下である、項1〜4のいずれか一項に記載の前記方法。
項6.
前記二次反応器の容量が前記一次反応器の容量の35%以下である、項1〜5のいずれか一項に記載の前記方法。
項7.
前記二次反応器の容量が前記一次反応器の容量の25%以下である、項1〜6のいずれか一項に記載の前記方法。
項8.
前記一次反応器中の触媒金属の濃度が、ロジウム金属濃度と相関する前記触媒再循環流内の成分の測定に応じて制御される、項1〜7のいずれか一項に記載の前記方法。
項9.
前記共通の生成物−触媒分離領域中での前記分離が蒸発を含む、項1〜8のいずれか一項に記載の前記方法。
項10.
オレフィンを含む前記供給流がオレフィン及びアルカンを含む供給流である、項1〜9のいずれか一項に記載の前記方法。
項11.
オレフィンを含む前記供給流が化学グレードプロピレンである、項1〜10のいずれか一項に記載の前記方法。
項12.
前記二次反応器中の滞留時間が前記一次反応器中よりも少なくとも20%長い、項1〜11のいずれか一項に記載の前記方法。
項13.
触媒が加水分解性有機リン配位子を含む、項1〜12のいずれか一項に記載の前記方法。
項14.
前記第1の再循環流が前記一次反応器に送られて、前記第2の再循環流が前記二次反応器に送られる、項2に記載の前記方法。
項15.
前記一次反応器に送られる前記第1の再循環流の量が、観測した反応器温度、オレフィン分圧及びCO分圧、ならびに全圧に基づいた推定手段によって、前記オレフィン分圧を所望範囲内に制御するように決定される、項14に記載の前記方法。


図1
図2
図3