【課題を解決するための手段】
【0022】
すなわち、本発明は、ビタミンD及び/又はビタミンD代謝物をビタミンD結合タンパク質から解離するための、少なくとも1種のフルオロアルキル界面活性剤、特にはパーフルオロアルキル界面活性剤、及び炭素原子を1〜4個有する少なくとも1種のアルコールの使用を提供する。これらを併用することにより、ビタミンD又はその代謝物の1種をビタミンD結合タンパク質から解離する解離率を、アルコールを使用しない点でのみ異なる同様の使用と比較して著しく向上することができる。本発明の使用においては、フルオロアルキル界面活性剤、特にはパーフルオロアルキル界面活性剤と、1〜4個の炭素原子を有するアルコールとが、ビタミンD結合タンパク質に結合したビタミンD及び/又はビタミンD代謝物(分析物又はビタミンD分析物とも言う)を含有する液体試料に添加される。つまり、解離対象の分析物は、フルオロアルキル界面活性剤及びアルコールの両方に接触する。これらフルオロアルキル界面活性剤及びアルコールの併用時には、同一のフルオロアルキル界面活性剤の単独使用時よりも、得られる解離状態が良くなる。フルオロアルキル界面活性剤、特にはパーフルオロアルキル界面活性剤と、炭素原子を1〜4個有するアルコールとの併用により、ビタミンD結合タンパク質とビタミンD及び/又はその代謝物の1種とが効果的に解離される。
【0023】
具体的には、上記フルオロアルキル界面活性剤及び上記アルコールは、上記アルコールの体積に対する上記界面活性剤の重量(固体の場合)又は体積(液体の場合)の比に100を乗じた値が、10%〜60%、好ましくは15%〜40%、より好ましくは15%〜30%となる量で使用される。固体又は液体の状態は、周囲温度(具体的には22℃)及び大気圧(具体的には1013ヘクトパスカル(hPa))で評価される。
【0024】
フルオロアルキル界面活性剤は、パーフルオロカルボン酸、パーフルオロスルホン酸、及びそれらの塩から選択されることが好ましく、特にはパーフルオロヘキサン酸、パーフルオロヘプタン酸、パーフルオロオクタン酸、及びそれらの塩から選択される。パーフルオロヘキサン酸は、パーフルオロカプロン酸、又はウンデカフルオロヘキサン酸として知られており、そのCAS(chemical abstract service)登録番号は、307−24−4である。パーフルオロオクタン酸は、パーフルオロカプリル酸、又はペンタデカフルオロオクタン酸として知られており、そのCAS番号は335−67−1である。一般的に、これらのパーフルオロアルキル酸の塩類は固体であり、対応する遊離酸は液体である。
【0025】
パーフルオロヘキサン酸は塩形態である可能性もあるが、より長鎖のフルオロアルキル界面活性剤よりも高い分解性を示すことから、好ましいフルオロアルキル界面活性剤である。
【0026】
使用されるアルコールは、炭素原子を1〜3個有し、メタノール、エタノール、n−プロパノール、及び、イソプロパノールから選択されることが好ましい。本発明において好ましいアルコールは、メタノールである。他のアルコールよりも解離後に行われる分析の結果の再現性が良く、また、解離の向上と得られる結果の再現性との両立を上手く図れるからである。
【0027】
特に好適な方法としては、パーフルオロヘキサン酸及びメタノールを使用して解離が行なわれる。
【0028】
本発明においては、追加の界面活性剤、特にエチレンオキシドとプロピレンオキシドとのブロック共重合体、ポリソルベート、及びポリエチレングリコールエーテルから選択される界面活性剤の存在下で解離が行なわれても良い。
【0029】
例えば、本発明においては、25−ヒドロキシビタミンD、具体的には25−ヒドロキシビタミンD
2及び/又は25−ヒドロキシビタミンD
3がビタミンD結合タンパク質から解離される。
【0030】
上記アルコール及び上記フルオロアルキル界面活性剤は、解離の対象となる試料へ別々に導入されてもよく、同時に導入されてもよい。その場合、操作を最小限にするため、解離溶液と呼ぶ単一の溶液を用いる。
【0031】
本発明はまた、少なくとも1種のフルオロアルキル界面活性剤、特にはパーフルオロアルキル界面活性剤と、炭素原子を1〜4個有する少なくとも1種のアルコールとを含有する溶液を提供する。
【0032】
これらの溶液は、水溶液であってもよく、通常は溶液の全体積の80体積%を超える多量の水を含有する。
【0033】
好適には、上記溶液においては、上記溶液の全体積に対するフルオロアルキル界面活性剤の体積パーセント(液体の場合)又は重量パーセント(固体の場合)が、0.1%〜3%、好ましくは1%〜2%である。また、好適には、上記溶液においては、上記溶液の全体積に対するアルコールの体積パーセントが、0.5%〜10%、好ましくは2%〜7%である。
【0034】
アルコールとフルオロアルキル界面活性剤の選択、及び、これらの相対量については、上記使用に関して説明した好ましい条件が本発明の解離溶液にも適用される。
【0035】
好適な変形例としては、本発明の解離溶液は、更に、オキシドエチレンオキシドとプロピレンオキシドとのブロック共重合体、ポリソルベート、及びポリエチレングリコールエーテルから選択される他の界面活性剤を含有する。結果の特定の解釈と結びつけるまでもなく、このような追加の界面活性剤は、分析対象のビタミンD又はその代謝物の溶解度を向上させることができる。追加の界面活性剤、例えばオキシドエチレンオキシドとプロピレンオキシドとのブロック共重合体に相当するポリオールであるPluronic(登録商標)F−127を使用することで、特に結果の再現性が向上する。最終の分析が、より信頼度が高いことが分かっている。例えば、これに限定されないが、Pluronic(登録商標)F−127を、解離溶液中好ましくは0.1%〜3%(解離溶液の最終体積に対する体積基準)で使用することが可能である。
【0036】
通常、本発明の解離溶液は緩衝化されており、具体的にはpH6〜8まで緩衝化されている。
【0037】
pHを所望の範囲にして安定化するために、診断の分野において従来使用される緩衝液を上記溶液に導入してもよい。例えば、リン酸緩衝食塩水(PBS)緩衝液又はトリス緩衝液(トリス−ヒドロキシメチルアミノメタン)を使用してもよい。
【0038】
pHを調整する目的で、塩基を導入してもよい。上記塩基としては、KOH、NaOH、LiOH、又はNa
2HPO
4等、この目的で従来使用される塩基であればよい。
【0039】
上記解離溶液は、好ましくは濃度1ミリモル(mM)〜500mMの緩衝液、好ましくは濃度0.1%〜3%(解離溶液の全体積に対する重量%又は体積%、界面活性剤が固体か液体かによる)のフルオロアルキル界面活性剤、及び好ましくは濃度0.5%〜10%(解離溶液の最終体積に対する体積%)のアルコールを脱塩水中で混合することで調製してもよい。解離溶液のpHは選択された緩衝液に合わせて調整され、酸又は塩基を加えることでpH4〜8、好ましくは7とする。解離溶液が追加の界面活性剤を含有する場合、該界面活性剤は、どの段階で導入されてもよい。
【0040】
解離溶液は、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、テトラメチル尿素、N−メチルピロリドン、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミドン、及びヘキサメチルリン酸トリアミドのいずれも含有しないことが好ましい。
【0041】
本発明は、更に、生体試料中のビタミンD及び/又は少なくとも1種のビタミンD代謝物の検出及び定量をインビトロ(試験管内)で行う検出及び定量方法であって、
a)少なくとも1種のフルオロアルキル界面活性剤及び1〜4個の炭素原子を有する少なくとも1種のアルコールを試料に導入し、これらを利用してビタミンD結合タンパク質からの解離が進むよう試料を処理する工程;及び
b)ビタミンD及び/又はその代謝物の少なくとも1種を検出及び定量する工程、を含む検出及び定量方法を提供する。
【0042】
解離工程a)は、検出及び定量工程b)の前に行なわれるものとする。
【0043】
このような検出および定量方法においては、工程a)の処理は、試料を本発明の解離溶液と混合することで行なわれることが好ましい。通常、試料1体積に対して1〜20体積、好ましくは5〜10体積、より好ましくは6〜8体積、特に好ましくは約7体積の解離溶液が使用される。選択された体積は、検出対象のビタミンD及び/又はビタミンD代謝物(検出対象の分析物ともいう)の推定濃度と相関関係にある。
【0044】
本発明の検出及び定量方法は、血液、血清又は血漿の試料について行なわれることが好ましい。
【0045】
上記検出及び定量方法は、特に25−ヒドロキシビタミンD
2及び/又は25−ヒドロキシビタミンD
3の検出及び定量に好適である。
【0046】
上記工程b)において、検出及び定量は、免疫測定法、又は質量分析によって行われることが好ましい。
【0047】
本発明はまた、ビタミンD及び/又は少なくとも1種のビタミンD代謝物を免疫測定法により検出する検出及び定量キットであって、本発明の解離溶液を含む検出及び定量キットを提供する。上記検出及び定量キットは、ビタミンD又はその代謝物の1種の結合パートナーを更に含む、及び/又は、検出対象のビタミンD及び/又はビタミンD代謝物に類似したハプテンが結合する(該ハプテンは標識抗体により認識される)固体相を更に含むものであってもよい。
【0048】
本明細書において、ビタミンD代謝物とは、ビタミンD
2骨格、又はビタミンD
3骨格を有する全ての化合物を含む。具体的には、
・25位でヒドロキシ化されたビタミンD代謝物である25−ヒドロキシビタミンD、つまりは25−ヒドロキシビタミンD
2及び25−ヒドロキシビタミンD
3;及び
・1位と25位、24位と25位でそれぞれジヒドロキシ化されたビタミンD代謝物である、1,25−及び24,25−ジヒドロキシ型ビタミンD
が挙げられる。
【0049】
本発明の使用方法においては、選択されたフルオロアルキル界面活性剤とC
1−C
4アルコール、好ましくはC
1−C
3アルコールとの両方を、同時又は別々に分析試料に導入することで解離が行われてもよい。この導入後は、分離が不要となり、得られる試料を使って直接検出を行うことができる。操作を制限する目的で、選択されたフルオロアルキル界面活性剤とC
1−C
4アルコール、好ましくはC
1−C
3アルコールとを含有する溶液、特には本発明の溶液、を予め用意し、これを試料に導入することが好ましい。
【0050】
解離を向上させる目的で、選択されたフルオロアルキル界面活性剤、特にはパーフルオロアルキル界面活性剤と、C
1−C
4アルコール、好ましくはC
1−C
3アルコールとを含有する試料を使って混合を行う。上記混合は任意の適切な装置、具体的には、出願人のVidas(登録商標)技術(Vidas(登録商標)Instrument manual、2005、Chapter 2、Functional description、2−1〜2−16、ビオメリューフランス社)の通り、ピペットの役割を果たす反応コーンで行なわれればよい。
【0051】
ビタミンD又はその代謝物の1種は、当業者に公知の技術を利用して検出されればよく、具体的には検出対象である分析物の結合パートナーを利用した検査、特には免疫検査(免疫測定法試験としても知られる)、又は質量分析によって検出される。
【0052】
当然のことながら、本願において、例えば、「免疫測定法」における「免疫」は、結合パートナーが免疫学的起源の結合パートナー(例えば抗体、抗体フラグメント)であることを厳密に示しているとみなされるべきではない。当業者に周知のように、この語が使用される試験及び方法はより広く、結合パートナーは免疫学的起源及び/又は性質のものに限らず、例えば検出及び/又は定量対象である分析物の受容体であっても良く、結合パートナーが対象の分析物に、好ましくは特異的に、結合可能な状態であればよい。したがって、「酵素結合免疫吸着法(Elisa)」は、「免疫」という用語を含んでいるものの、厳密には免疫系とは言えない結合パートナーを利用する測定であることが知られており、より広くは「リガンド結合測定」として知られている。本明細書においては、明瞭性及び一貫性を目的として、結合パートナーが厳密には非免疫性のもの又は非免疫学的起源のものであっても、対象の分析物への結合適性があり、好ましくは特定の方法で該分析物を検出及び/又は定量するのに適した少なくとも1つの結合パートナーを利用する生物的分析であれば、「免疫」との語を使用する。
【0053】
上記免疫検査は、当業者に周知であり、分析物がハプテンである場合に使用される競合アッセイであることが好ましい。これは、試料の分析物と分析物の類似体とを競合させることで、試料内分析物、具体的にはビタミンD及び/又はその代謝物の少なくとも1種を測定するものである。免疫学的反応はトレーサーの存在により示される。
【0054】
分析物類似体は、先行する結合なしに競合反応に使用されても、また、結合体又はトレーサーを形成するための標識との結合後に使用されてもよい。
【0055】
また、競合的免疫アッセイでは、さらに、上記分析物類似体及び上記分析物が競合する対象となる、分析物の結合パートナーを使用する必要がある。上記分析物類似体が標識(トレーサーではなく捕獲パートナー)に結合しない場合は、上記結合パートナーが標識され反応トレーサーを構成する。上記分析物類似体が標識(この場合はトレーサー)に結合する場合は、上記結合パートナーが捕獲パートナーとなる。
【0056】
この時、上記トレーサーが発する測定信号は、試料中の分析物の量に反比例する。
【0057】
「標識」とは、形態によるが、化学的に修飾されずに捕獲パートナー又は分析物類似体と直接反応する基を含有する分子、若しくは、この基を含むように化学修飾された分子を指し、上記分子は、直接的又は間接的に検出可能な信号を生成可能である。このような反応性基は、特には第一級アミンであってよい。上記直接検出標識としては、限定されないが、以下のものを含む:
・例えば比色法、蛍光、発光等により検出可能な信号を生成する、ホースラディッシュ・ペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、及びグルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ等の酵素;
・蛍光、発光及び染料等の発色団;
・
32P、
35S及び
125I等の放射性分子;
・アレクサ又はフィコシアニン等の蛍光性分子;並びに
・アクリジニウム又はルテニウムに基づく有機金属誘導体等の電気化学発光塩類。
【0058】
また、間接的検出法が使用されてもよく、例えばアンチリガンドと反応可能なリガンドが使用できる。上記リガンドは、分析物類似体と共働する標識、又は、トレーサーを構成する結合パートナーに相当する。
【0059】
リガンド/アンチリガンドペアは、当業者には、例えば以下のペアに当てはまることが周知である:ビオチン/ストレプトアビジン、ハプテン/抗体、抗原/抗体、ペプチド/抗体、糖/レクチン、ポリヌクレオチド/ポリヌクレオチド相補体。
【0060】
これにより、アンチリガンドは、上記直接検出標識により直接検出可能となるか、その他のリガンド/アンチリガンドペア等を利用してそれ自体が検知可能となってもよい。
【0061】
一定の条件下においては、これらの間接検出法により、信号を増幅できる場合がある。この信号増幅技術は当業者に周知であり、本出願人による先行特許出願である仏国特許出願公開第2781802号明細書又は国際公開第95/08000号に記載されている。
【0062】
使用される標識の種類によっては、当業者は、標識が可視化される、又は、信号が発せられるための試薬を添加する。該標識や信号は、例えば分光光度計;蛍光分光光度計;又は高解像度カメラといった、任意の適切な種類の測定器によって検出可能である。
【0063】
ビタミンDやその代謝物の1種、又は、複数のこれら化合物に対する「結合パートナー」とは、ビタミンDやその代謝物の1種、又は、複数のこれら化合物(一般的には「ビタミンD分析物」と呼ばれるもの)に結合可能な任意の分子を意味する。ビタミンD分析物結合パートナーとしては、例えば、抗体、抗体画分、nanofitins、ビタミンD分析物受容体、又は、ビタミンD分析物と相互作用することが知られている他のタンパク質が挙げられる。
【0064】
例えば、結合パートナー抗体は、ポリクローナル抗体又はモノクローナル抗体であってよい。
【0065】
ポリクローナル抗体は、免疫原としての対象ビタミンD分析物で動物を免疫化し、この動物の血清を取得することで精製された対象抗体を回収し、上記血清の他の成分から対象抗体を分離することにより得られてもよい。具体的には、上記抗体に特異的に認識される抗原(具体的には免疫原)を固定したカラム上でアフィニティークロマトグラフィを行う。
【0066】
モノクローナル抗体は、当業者に周知のハイブリドーマ技術によって得られてもよい。モノクローナル抗体はまた、当業者に周知の技術を利用して、遺伝子工学により得られた組み換え抗体であってもよい。
【0067】
抗体フラグメントとしては、Fab、Fab′、F(ab′)2フラグメント、そして単鎖可変領域フラグメント(scFv)及び重鎖可変領域フラグメント(dsFv)が挙げられる。これらの機能性フラグメントは、特に遺伝子工学によって得られてもよい。
【0068】
Nanofitins(商品名)は、小さなタンパク質であり、抗体のように、生物学的標的に結合でき、それにより生物の体内で標的を検出、捕獲、または単に標的として標識することを可能にする。
【0069】
結合パートナーとしては、ビタミンD分析物に対して特異的又は非特異的なものを使用してよい。「特異的」とは、結合パートナーが、ビタミンD分析物と排他的又はほぼ排他的に結合可能であることをいう。「非特異的」とは、ビタミンD分析物との結合選択性が弱く、例えば他のタンパク質や抗体等の他のリガンドとも結合可能であることをいう。本発明を好適に実施するには、特異的結合パートナーが好ましい。
【0070】
抗ビタミンD分析物抗体は公知であり、具体的には、Hollis,Clin.Chem.31/11、1815−1819(1985)、Holis,Clin.Chem.39/3、529−533(1993)、及び、欧州特許第1931711号に記載されている。さらに、Bioventix(英国)等の様々なサプライヤーから入手可能である。
【0071】
結合パートナー又はビタミンD類似体を捕獲に使用する際、当業者に周知の任意の方法で、微量滴定プレート、ラテックス、反応コーン、直径100マイクロメートル〜ナノメートル程度のビーズ等の媒体に結合してもよい。ビタミンD類似体は、固体相に固定されていることが好ましい。
【0072】
具体的には、アビジン及び/又はストレプトアビジンにより官能化された媒体を利用して、ビオチン化された分析物類似体を固体相に固定できる。官能化技術は、それを参照可能な当業者に周知である。
【0073】
従来は、ビタミンD及び/又はその代謝物の少なくとも1種の量を測定するために、試料中の分析物の量に反比例する信号を、当業者に周知の技術により事前に得た検量線と比較する場合があった。したがって、例えば、検量線は、同一の結合パートナーを利用するとともに、ビタミンDの量を増加させて免疫アッセイを行うことで得られてもよい。ビタミンDの濃度を横軸に沿ってプロットし、免疫アッセイ後に得られた対応する信号を縦軸に沿ってプロットすることにより曲線が得られる。
【0074】
本発明の検出/定量方法は、ビタミンDの検出/定量に利用可能な商業用試験フォーマットに直接適用してもよい。そのようなビタミンD及び/又はその代謝物の1種を分析するためのフォーマットは、具体的には、Abbott(Architect 25−OH vitamin D、ref.3L52)、DiaSorin(Liaison(登録商標)25−OH vitamin D total assay、ref.310600)、IDS(IDS−iSYS 25−hydroxy vitamin D assay、ref.IS−2700)、Siemens(Advia Centaur(登録商標)vitamin D total、ref.10491994)、及び、Roche(Elecys vitamin D total)として販売されている。
【0075】
従来の方法では、免疫測定を行なう場合、上述したような免疫学的検出に必要とされる試薬を利用しなくてはならず、これら試薬は試料中に導入されることとなる。好適には、解離、及び、選択されたフルオロアルキル界面活性剤とC
1〜C
4アルコール、好ましくはC
1〜C
3アルコールの両方の測定される試料への導入は、試薬の導入前に行われる。
【0076】
また、一旦解離が成功すれば、検出/定量工程に質量分析を使用することも可能である。この技術は、分析される化合物のモル質量測定を可能にし、該化合物の分子構造を同定可能にし、更には該化合物の定量を可能にする分析技術である。生体液のような複雑な混合物に適用する際には、この液体の複雑性を低減する分離技術と組み合わせる必要がある。それは通常、ガスクロマトグラフィー(GC)又は液体クロマトグラフィー(LC)である。タンデム質量分析(MS/MS)は、2つの分析器を組み合わせることで、検出/定量に使用することができる。第1の分析器で選択されたイオン化合物は、第2の分析器でより精密に分析される。このような二重分析により、上記方法の特異性が著しく向上する。この技術については、具体的にはVan den Broek他、J.Chromatogr.B 929 161−179(2013)に記載されている。
【0077】
本発明の方法を使用することができる生体試料は、分析物(ビタミンD又はその代謝物の1種)を含有する可能性がある動物、好ましくはヒトの生体試料であり、免疫測定又は質量分析を行なうことができるものである。このような試料は、当業者に周知である。上記測定方法において使用される試料は、使用前に任意で修飾されていてもよい。事前に修飾されない試料の例としては、全血等の生体液が挙げられる。試料誘導体としても知られる、事前に修飾される試料の例としては、生体組織検査又は手術により得られ、その後インビトロで培養された血清、血漿及び細胞が挙げられる。その後、ビタミンD又はその代謝物の1種の濃度を、培養上清又は細胞溶解液にて測定できる。