(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記カルボキシル基含有粘着性(メタ)アクリル系ポリマー、及び前記芳香族ビニルモノマーに由来するモノマー単位を含まないアミノ基含有(メタ)アクリル系ポリマーの少なくとも一方が架橋されている、請求項5又は6のいずれかに記載のマーキングフィルム。
前記カルボキシル基含有粘着性(メタ)アクリル系ポリマー、及び前記芳香族ビニルモノマーに由来するモノマー単位を含まないアミノ基含有(メタ)アクリル系ポリマーの少なくとも一方が架橋されている、請求項8又は9のいずれかに記載の再帰性反射シート。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の代表的な実施態様を例示する目的でより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施態様に限定されない。
【0019】
本開示において「(メタ)アクリル」とはアクリル又はメタクリルを意味し、「(メタ)アクリレート」とはアクリレート又はメタクリレートを意味する。
【0020】
本開示において「感圧接着」とは、使用温度範囲で、例えば0℃以上、50℃以下の範囲で恒久的に粘着性であり、軽い圧力で様々な表面に接着し、相変化(液体から固体へ)を呈さない材料又は組成物の特性を意味する。
【0021】
本開示において、感圧接着層とベースフィルム層又はキューブコーナー素子との位置関係を表す「上に」とは、重力方向とは無関係に、フィルム又はシートの主表面に垂直な方向に沿って感圧接着層とベースフィルム層又はキューブコーナー素子とが位置し、これらの少なくとも一部が互いに接触していることを意味する。
【0022】
本開示において、感圧接着層とベースフィルム層又はキューブコーナー素子との位置関係を表す「上方に」とは、重力方向とは無関係に、フィルム又はシートの主表面に垂直な方向に沿って感圧接着層とベースフィルム層又はキューブコーナー素子とが位置することを意味する。
【0023】
本開示において「再帰性反射」及び「再帰反射」とは、ある材料に入射する光源からの光が反射して該光源の方向に反射する現象又は材料の特性を意味する。
【0024】
本開示において「透明」とは、対象とする波長又は波長域の光の平均透過率が、約60%以上、好ましくは約80%以上、より好ましくは約90%以上であることを意味する。
【0025】
本開示の一実施態様の感圧接着剤組成物は、(a)ガラス転移温度が−50℃以下のカルボキシル基含有粘着性(メタ)アクリル系ポリマーと、(b)芳香族ビニルモノマーに由来するモノマー単位を含まないアミノ基含有(メタ)アクリル系ポリマー(本開示において、以下、単に「アミノ基含有(メタ)アクリル系ポリマー」ともいう。)を含む分散剤と、(c)ロジンエステル系、水添ロジン系、テルペンフェノール系、スチレン系、水添テルペンフェノール系、芳香族変性水添テルペン樹脂、及び芳香族変性テルペン樹脂からなる群より選択される少なくとも一つの粘着付与剤と、(d)二酸化チタン顔料とを含む。二酸化チタン顔料は、カルボキシル基含有粘着性(メタ)アクリル系ポリマー、芳香族ビニルモノマーに由来するモノマー単位を含まないアミノ基含有(メタ)アクリル系ポリマーを含む分散剤及び粘着付与剤の合計100質量部に対して15質量部以上の量で感圧接着剤組成物に含まれる。
【0026】
一般的なアクリル系感圧接着剤に粘着付与剤を添加して接着性能を変更することは知られている。一方、本発明者らは、白色顔料として二酸化チタンを大量に含むアクリル系感圧接着剤に対して粘着付与剤をさらに添加することによって、ポリオレフィン系樹脂などの難接着性材料に対して優れた接着力を有する感圧接着剤が得られることを見出した。二酸化チタンなどの顔料は固体であることから感圧接着剤の接着力に対して不利に作用し、粘着付与剤自体も接着性を有さないことから、接着剤分野の当業者であれば顔料と粘着付与剤を併用すると感圧接着剤の接着力が大幅に低下するであろうと予想する。本発明者らの見出したこの驚くべき結果は、このような当業者の予想に反しており、隠蔽性を有するアクリル系感圧接着剤の用途を難接着性材料の被着体にまで広げるという、技術的及び経済的に顕著な利益を提供する。
【0027】
本開示の感圧接着剤組成物では、芳香族ビニルモノマーに由来するモノマー単位を含まないアミノ基含有(メタ)アクリル系ポリマーが二酸化チタン顔料の分散性を向上させるため、多量の二酸化チタン顔料を組成物中に充填して、感圧接着剤の隠蔽性を高めることができる。また、アミノ基含有(メタ)アクリル系ポリマーにより二酸化チタン顔料を効果的に感圧接着剤中に分散することで感圧接着剤の接着力及び隠蔽性を高い水準で維持することができる。
【0028】
カルボキシル基含有粘着性(メタ)アクリル系ポリマーは、モノエチレン性不飽和モノマーを主成分として、これとカルボキシル基を含有するモノエチレン性不飽和モノマー(カルボキシル基含有モノエチレン性不飽和モノマー)とを共重合することにより得ることができる。モノエチレン性不飽和モノマーは、ポリマーの主成分となるものであって、一般には式CH
2=CR
1COOR
2(式中、R
1は水素又はメチル基であり、R
2は直鎖、環状又は分岐状のアルキル基、フェニル基、アルコキシアルキル基、フェノキシアルキル基、ヒドロキシアルキル基、又は環状エーテル基である。)で表されるものに加えて、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエンなどの芳香族ビニルモノマー、酢酸ビニルなどのビニルエステル類、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどの不飽和ニトリル類も含まれる。式CH
2=CR
1COOR
2で表されるモノエチレン性不飽和モノマーとして、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート;フェノキシエチル(メタ)アクリレートなどのフェノキシアルキル(メタ)アクリレート;メトキシプロピル(メタ)アクリレート、2−メトキシブチル(メタ)アクリレートなどのアルコキシアルキル(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;グリシジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレートなどの環状エーテル含有(メタ)アクリレートなどを挙げることができる。モノエチレン性不飽和モノマーは、必要に応じて、1種又は2種以上のモノエチレン性不飽和モノマーを使用することができる。
【0029】
カルボキシル基含有モノエチレン性不飽和モノマーとして、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などの不飽和モノカルボン酸;イタコン酸、フマル酸、シトラコン酸、マレイン酸などの不飽和ジカルボン酸;ω−カルボキシポリカプロラクトンモノアクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、β−カルボキシエチルアクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸などを挙げることができる。
【0030】
カルボキシル基含有粘着性(メタ)アクリル系ポリマーのガラス転移温度(Tg)は約−50℃以下であり、これにより二酸化チタン顔料を大量に含みつつも良好な接着性を有する感圧接着剤を提供することができる。いくつかの実施態様では、カルボキシル基含有粘着性(メタ)アクリル系ポリマーのガラス転移温度(Tg)は、約−52℃以下、又は約−55℃以下であり、約−80℃以上、約−75℃以上、又は約−70℃以上である。Tgがこれらの範囲より低いと、感圧接着剤の凝集力が低下する傾向がある。一方、Tgがこれらの範囲より高いと感圧接着剤の接着性が低下する傾向がある。
【0031】
カルボキシル基含有粘着性(メタ)アクリル系ポリマーは、例えばモノエチレン性不飽和モノマーを約80質量部以上、約85質量部以上、又は約90質量部以上、約99.5質量部以下、約99質量部以下、又は約95質量部以下と、カルボキシル基含有モノエチレン性不飽和モノマーを約0.5質量部以上、約1質量部以上、又は約5質量部以上、約20質量部以下、約15質量部以下、又は約10質量部以下の割合で共重合することにより得ることができる。
【0032】
カルボキシル基含有粘着性(メタ)アクリル系ポリマーは、常温(約25℃)でタックを有しており、感圧接着剤に感圧接着性を付与する。カルボキシル基含有粘着性(メタ)アクリル系ポリマーの重量平均分子量は、一般に約100,000以上、約200,000以上、又は約300,000以上、約2,000,000未満、約1,000,000未満、又は約800,000未満とすることができる。分子量が高すぎると二酸化チタンの分散性が低下する傾向がある。本開示における重量平均分子量は、GPC法による標準ポリスチレンで換算した分子量を意味する。
【0033】
カルボキシル基含有粘着性(メタ)アクリル系ポリマーは、感圧接着剤組成物の主成分として用いることができる。カルボキシル基含有粘着性(メタ)アクリル系ポリマーの配合量は、感圧接着剤組成物全体を100質量部としたときに、約30質量部以上、約35質量部以上、又は約40質量部以上、約88質量部以下、約75質量部以下、又は約60質量部以下とすることができる。
【0034】
本開示において分散剤として使用される、芳香族ビニルモノマーに由来するモノマー単位を含まないアミノ基含有(メタ)アクリル系ポリマーは、モノエチレン性不飽和モノマーを主成分とし、これとアミノ基含有不飽和モノマーとを共重合することにより得られるものであって、芳香族ビニルモノマーをポリマーの構成成分として含まないものである。アミノ基含有(メタ)アクリル系ポリマーは、二酸化チタン顔料の分散剤として作用するだけではなく、カルボキシル基含有粘着性(メタ)アクリル系ポリマーと相互作用して、感圧接着剤の凝集力を高めることにも寄与していると考えられている。モノエチレン性不飽和モノマーは、芳香族ビニルモノマーを除いてカルボキシル基含有粘着性(メタ)アクリル系ポリマーの場合と同様であり、必要に応じて、1種又は2種以上のモノエチレン性不飽和モノマーを使用することができる。芳香族ビニルモノマーは、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、ビニルアントラキノン、芳香族アミンの(メタ)アクリルアミド、水酸基含有芳香族化合物の(メタ)アクリレートなどを包含する。芳香族アミンとして、アニリン、ベンジルアミン、ナフチルアミン、アミノアントラセン、アミノアントラキノン又はこれらの誘導体が挙げられる。水酸基含有芳香族化合物として、上記芳香族アミンに対応する水酸基含有化合物が挙げられる。
【0035】
アミノ基含有不飽和モノマーとして、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート(DMAEA)、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAEMA)などのジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート;N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド(DMAPAA)、N,N−ジメチルアミノプロピルメタクリルアミドなどのジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミド;N,N−ジメチルアミノエチルビニルエーテル、N,N−ジエチルアミノエチルビニルエーテルなどのジアルキルアミノアルキルビニルエーテルなどが挙げられる。必要に応じて、1種又は2種以上のアミノ基含有不飽和モノマーを使用することができる。
【0036】
アミノ基含有(メタ)アクリル系ポリマーは、例えばモノエチレン性不飽和モノマーを約80質量部以上、約85質量部以上、又は約90質量部以上、約99.5質量部以下、約99質量部以下、又は約95質量部以下と、アミノ基含有不飽和モノマーを約0.5質量部以上、約1質量部以上、又は約5質量部以上、約30質量部以下、約20質量部以下、又は約10質量部以下の割合で共重合することにより得ることができる。
【0037】
アミノ基含有(メタ)アクリル系ポリマーの重量平均分子量は特に限定されないが、例えば、約1,000以上、約5,000以上、約10,000以上、約500,000以下、約200,000以下、又は約100,000以下とすることができる。
【0038】
アミノ基含有(メタ)アクリル系ポリマーの配合量は、感圧接着剤組成物全体を100質量部としたときに、約2質量部以上、約4質量部以上、又は約8質量部以上、約25質量部以下、約20質量部以下、又は約15質量部以下とすることができる。
【0039】
いくつかの実施態様では、アミノ基含有(メタ)アクリル系ポリマーのガラス転移温度(Tg)は約0℃以上、約20℃以上、又は約40℃以上、約150℃以下、約135℃以下、又は約120℃以下である。
【0040】
カルボキシル基含有粘着性(メタ)アクリル系ポリマー、及びアミノ基含有(メタ)アクリル系ポリマーのガラス転移温度(Tg)は、各ポリマーがn種類のモノマーから共重合されているとして、FOXの式(下式)より求めることができる。
【数1】
【0041】
これらのポリマーの共重合は、ラジカル重合により行なうことが好ましく、溶液重合、懸濁重合、乳化重合、塊状重合などの公知の重合方法を用いることができる。開始剤として、過酸化ベンゾイル、ラウロイルペルオキシド、ビス(4−tert−ブチルシクロヘキシル)ペルオキシジカーボネートなどの有機過酸化物、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、ジメチル−2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、4,4’−アゾビス(4−シアノバレリアン酸)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオン酸)ジメチル、アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(AVN)などのアゾ系重合開始剤を用いることができる。開始剤の使用量は、モノマー混合物100質量部に対して、一般に約0.01質量部以上、又は約0.05質量部以上、約5質量部以下、又は約3質量部以下である。
【0042】
感圧接着剤組成物に含める粘着付与剤としては、少なくともアクリル樹脂に対し相溶性を示す粘着付与剤を使用することが好ましい。例えば、ロジンエステル系、水添ロジン系、テルペンフェノール系、スチレン系、水添テルペンフェノール系、芳香族変性水添テルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂などが使用できる。中でもロジンエステル系粘着付与剤を使用することが好ましい。粘着付与剤は、1種で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0043】
ロジンエステルとして、メタノール、エタノールなどの一価アルコール、又はグリセリン、ペンタエリスリトールなどの多価アルコールと天然ロジン(例えばガムロジン、トール油ロジン、ウッドロジンなど)とのエステル化物である天然ロジンエステル;該一価又は多価アルコールと水素化ロジン、不均化ロジン又は酸変性ロジンなどの変性ロジンとのエステル化物である変性ロジンエステル;該一価又は多価アルコールと重合ロジン(特に重合天然ロジン)とのエステル化物である重合ロジンエステルなどが挙げられる。天然ロジン、水素化ロジン、不均化ロジン、酸変性ロジン及び重合ロジンは再結晶などにより精製されていてもよい。これらのロジンは、樹脂酸として、一般にアビエチン酸、ネオアビエチン酸、デヒドロアビエチン酸、パラストリン酸、レボピマル酸、ピマル酸、イソピマル酸、サンダラコピマル酸、テトラヒドロアビエチン酸、デヒドロアビエチン酸、ジヒドロアビエチン酸、又はこれらの混合物などを含む。
【0044】
いくつかの実施態様では、ロジンエステルの軟化点は、約70℃以上、約75℃以上、又は約80℃以上、約130℃以下、約120℃以下、又は約110℃以下である。上記範囲の軟化点を有するロジンエステルを粘着付与剤として使用することにより、高温時の接着力に優れ、かつ接着力の経時変化の少ない感圧接着剤を得ることができる。ロジンエステルの軟化点は、熱機械分析装置(TMA)によって測定することができる。
【0045】
いくつかの実施態様では、ロジンエステルの酸価(mgKOH/g)は、約1以上、約2以上、又は約3以上、約45以下、約30以下、又は約20以下である。ロジンエステルの酸価は、JIS K0070:1992(電位差滴定法)に準拠して決定することができる。
【0046】
いくつかの実施態様では、ロジンエステルの色数は、約9以下、約5以下、又は約3以下である。ロジンエステルの色数は、ガードナー比色法(JIS K0071−2)に準拠して決定することができる。
【0047】
市販のロジンエステルとして、例えばハリタックF85(安定化ロジンエステル)、ハリタックF105(安定化ロジンエステル)、ハリタック4851(変性ロジンエステル)、ハリエスターDS−90(ロジン変性特殊合成樹脂)、ネオトール(商標)G2(安定化ロジンハーフエステル)(いずれもハリマ化成グループ株式会社製)、Permalyn(商標)5095、Foral(商標)85−E、Permalyn(商標)6110−E、Foral(商標)105−E(いずれもイーストマン社製)、Foral(商標)3085、Foral(商標)85(いずれもPINOVA社製)などが挙げられる。
【0048】
粘着付与剤の使用量は、固形分換算で、カルボキシル基含有粘着性(メタ)アクリル系ポリマー100質量部に対して、約3質量部以上、約4質量部以上、又は約5質量部以上、約150質量部以下、約130質量部以下、又は約110質量部以下とすることができる。
【0049】
二酸化チタン顔料は感圧接着剤に隠蔽性を付与する。また、いかなる理論に拘束されるわけではないが、二酸化チタン顔料は、カルボキシル基含有粘着性(メタ)アクリル系ポリマーの分子間架橋を形成し、感圧接着剤の凝集力を高めることに寄与していると考えられている。二酸化チタン顔料は、球状、針状、平板状又はフレーク状などの様々な形状の粒子であってよく、分散性が良好であることから球状粒子であることが望ましい。二酸化チタン顔料は、分散性をより高めるために、シラン、チタネートなどのカップリング剤で表面処理されていてもよい。
【0050】
二酸化チタン顔料の平均一次粒径は、一般に約0.10μm以上、約0.12μm以上、又は約0.15μm以上、約0.50μm以下、約0.40μm以下、又は約0.30μm以下である。二酸化チタン顔料の平均一次粒径を上記範囲とすることにより、二酸化チタン顔料をより均一に感圧接着剤に分散することができる。二酸化チタン顔料の平均一次粒径は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定を用いて決定することができる体積累積粒径D
50である。
【0051】
二酸化チタン顔料の配合量は、カルボキシル基含有粘着性(メタ)アクリル系ポリマー、芳香族ビニルモノマーに由来するモノマー単位を含まないアミノ基含有(メタ)アクリル系ポリマーを含む分散剤及び粘着付与剤の合計100質量部に対して約15質量部以上であり、これにより十分な隠蔽性を感圧接着剤に付与することができる。いくつかの実施態様において、二酸化チタン顔料の配合量は、カルボキシル基含有粘着性(メタ)アクリル系ポリマー、芳香族ビニルモノマーに由来するモノマー単位を含まないアミノ基含有(メタ)アクリル系ポリマーを含む分散剤及び粘着付与剤の合計100質量部に対して約20質量部以上、約25質量部以上、又は約30質量部以上、約150質量部以下、約120質量部以下、又は約100質量部以下である。
【0052】
感圧接着剤組成物は、芳香族ビニルモノマーに由来するモノマー単位を含まないアミノ基含有(メタ)アクリル系ポリマーを含む分散剤と、二酸化チタン顔料とからなる着色剤を含んでもよい。着色剤の形態で、すなわちポリマーを含む分散剤中に予め分散した状態で二酸化チタン顔料を感圧接着剤組成物に含ませることによって、より多くの二酸化チタン顔料を感圧接着剤組成物中に安定に分散することができる。
【0053】
着色剤は、分散剤と二酸化チタン顔料とを公知の方法で混合することにより得ることができる。混合には、例えば、ペイントシェイカー(株式会社シンキー製)、サンドグラインドミル、ボールミル、アトライターミル、三本ロールミルなどを用いることができる。必要に応じて、水系溶媒又は有機溶媒を混合時に使用してもよい。着色剤は、調製後長時間(例えば約1ヶ月)経過後も、調製直後と同様に、二酸化チタン顔料の粒子が凝集せずに良好に分散した状態を維持することができる。
【0054】
着色剤に含まれる分散剤の量を、感圧接着剤組成物に含まれる分散剤の100質量%としてもよい。
【0055】
着色剤に含まれる二酸化チタン顔料の量を、感圧接着剤組成物に含まれる分散剤の100質量%としてもよい。
【0056】
着色剤において、二酸化チタン顔料の配合量を、分散剤100質量部に対して、約100質量部以上、約500質量部以上、又は約1000質量部以上、約10000質量部以下、約5000質量部以下、又は約2000質量部以下とすることができる。
【0057】
感圧接着剤組成物は架橋剤を含んでもよい。架橋剤として、カルボキシル基含有粘着性(メタ)アクリル系ポリマーに対しては、例えばビスアミド系架橋剤(例えば、1,1’−イソフタロイル−ビス(2−メチルアジリジン))、アジリジン系架橋剤(例えば、株式会社日本触媒製ケミタイトPZ33、アビシア社製NeoCryl CX−100)、カルボジイミド系架橋剤(例えば、日清紡ケミカル株式会社製カルボジライトV−03、V−05、V−07)、エポキシ系架橋剤(例えば綜研化学株式会社製E−AX、E−5XM、E5C)、イソシアネート系架橋剤(例えば、日本ポリウレタン工業株式会社製コロネートL、コロネートHK、バイエル社製デスモジュールH、デスモジュールW、デスモジュールI)などを用いることができる。アミノ基含有(メタ)アクリル系ポリマーに対しては、エポキシ系架橋剤(例えば綜研化学株式会社製E−AX、E−5XM、E5C)、イソシアネート系架橋剤(例えば、日本ポリウレタン工業株式会社製コロネートL、コロネートHK、バイエル社製デスモジュールH、デスモジュールW、デスモジュールI)などを用いることができる。
【0058】
架橋剤の添加量は、カルボキシル基含有粘着性(メタ)アクリル系ポリマー中のカルボキシル基、又はアミノ基含有(メタ)アクリル系ポリマー中のアミノ基に対して、約0.01当量以上、約0.02当量以上、又は約0.05当量以上、約0.5当量以下、約0.3当量以下、又は約0.2当量以下とすることができる。
【0059】
感圧接着剤組成物は、その他の成分として、炭酸亜鉛、酸化亜鉛、硫化亜鉛などの他の白色顔料、タルク、カオリン、炭酸カルシウム、アルミニウムフレーク、フュームドシリカ、アルミナ、ナノ粒子などの充填剤、酸化防止剤、UV安定剤などを含んでもよい。
【0060】
感圧接着剤組成物は、カルボキシル基含有粘着性(メタ)アクリル系ポリマーと、アミノ基含有(メタ)アクリル系ポリマーを含む分散剤と、ロジンエステルを含む粘着付与剤と、二酸化チタン顔料とを、公知の方法を用いて混合することにより得ることができる。
【0061】
例えば、各成分をほぼ同時に混合容器に入れ、ペイントシェイカー(株式会社シンキー製)、サンドグラインドミル、ボールミル、アトライターミル、三本ロールミルなどを用いて混合してもよい。必要に応じて、水系溶媒又は有機溶媒を混合時に使用してもよい。二酸化チタン顔料を水系溶媒又は有機溶媒に混合してから、他の成分と混合することもできる。
【0062】
上述のとおり、分散剤の全量又は一部と二酸化チタン顔料の全量又は一部とを混合して着色剤を調製した後、得られた着色剤と残りの成分を公知の方法で混合して、感圧接着剤組成物を調製することもできる。
【0063】
本開示の感圧接着剤組成物は、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン系樹脂、モルタルなどの無機材料などの難接着性材料に対して良好な接着性を有し、これらの材料表面を効果的に隠蔽することができる。
【0064】
本開示の一実施態様のマーキングフィルムは、ベースフィルム層と、ベースフィルム層の上又は上方に配置された感圧接着層とを含む。感圧接着層は上記本開示の感圧接着剤組成物又は硬化後の架橋物を含む。マーキングフィルムは、ベースフィルム層とは反対側の感圧接着層の表面にライナーを有していてもよい。
【0065】
本開示の一実施態様のマーキングフィルムの断面図を
図1に示す。マーキングフィルム10は、ベースフィルム層14と、感圧接着層12とを有しており、感圧接着層12はベースフィルム層と反対側にライナー16を有している。
図1ではベースフィルム層は透明材料として示されているが、ベースフィルム層が不透明材料又は着色された材料で形成されていてもよい。
図1に示すようにベースフィルム層14と感圧接着層12は直接接触していてもよく、これらの層の間に他の層、例えば他の接着層、着色層、金属層、印刷層、バルク層などが介在してもよい。ベースフィルム層の上に他の層、例えば他の接着層、着色層、金属層、印刷層、バルク層、表面保護フィルム層、クリア層などが積層されていてもよい。マーキングフィルムはプライマー層などの他の機能層をさらに有してもよい。
【0066】
ベースフィルム層として、例えばポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエステルフィルム、アクリル系樹脂フィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリ塩化ビニリデンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリアミドフィルムなどを使用することができる。
【0067】
任意の構成要素であるライナーとして、例えば、紙;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、酢酸セルロースなどのプラスチック材料;このようなプラスチック材料で被覆された紙などを挙げることができる。これらのライナーは、シリコーンなどにより剥離処理した表面を有してもよい。
【0068】
マーキングフィルムにおいて、各層の厚さは特に限定されない。ベースフィルム層の厚さは、例えば約5μm以上、約10μm以上、又は約20μm以上、約300μm以下、約200μm以下、又は約100μm以下とすることができる。感圧接着層の厚さは、約5μm以上、約10μm以上、又は約20μm以上、約100μm以下、約50μm以下、又は約30μm以下とすることができる。ライナーの厚さは、通常約10μm以上、又は約25μm以上、約500μm以下、又は約200μm以下とすることができる。
【0069】
マーキングフィルムは公知の方法によって製造することができる。例えば、感圧接着剤組成物を有機溶媒に溶解した溶液を、ナイフコート、バーコートなどによりライナー上に塗布し乾燥して、感圧接着層を形成する。得られた感圧接着層の上にベースフィルム層をドライラミネートなどにより積層してマーキングフィルムを形成することができる。
【0070】
本開示の感圧接着剤組成物を使用したマーキングフィルムは、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などのポリオレフィン系樹脂、モルタルなどの無機材料などの難接着性材料からなる被着面に対して良好な接着性を有し、かつ、被着面を効果的に隠蔽することができるため、装飾性の高いマーキングフィルムを提供することができる。
【0071】
本開示の一実施態様の再帰性反射シートは、キューブコーナー素子を含む再帰性反射層と、キューブコーナー素子の上又は上方に配置された感圧接着層とを含む。感圧接着層は上記本開示の感圧接着剤組成物又は硬化後の架橋物を含む。再帰性反射シートは、再帰性反射層とは反対側の感圧接着層の表面にライナーを有していてもよい。
【0072】
本開示の一実施態様の再帰性反射シートの断面図を
図2に示す。再帰性反射シート100は、主表面116と反対側の構造化表面114を集合的に形成する複数のキューブコーナー素子112を備えた再帰性反射層110を含む。接着層130は再帰性反射層110に隣接している。接着層130は、接着剤132、及び1つ以上のバリア層134を含み、再帰性反射層110の反対側に、シリコーン樹脂などで剥離処理されたPETフィルム、ポリエチレンフィルム、ラミネート紙などのライナー136を有してもよい。バリア層134は、接着剤132が、構造化表面114とバリア層134との間の低屈折率層138内に流れ込むのを防ぐのに十分な構造的一体性を有する。バリア層134は、キューブコーナー素子112の先端部と直接接触してもよく、キューブコーナー素子112の先端部から離間していてもよく、キューブコーナー素子112の先端部にわずかに押し込まれてもよい。
【0073】
バリア層134は、物理的な「バリア」を接着剤132とキューブコーナー素子112との間に提供し、低屈折率層138の形成を可能にする。バリア層が存在することにより、低屈折率層138及び/又はバリア層134に隣接する構造化表面114の部分に入射する光線150の再帰反射が可能となる。バリア層134は、接着剤132の再帰性反射層110への浸潤を防ぐこともできる。バリア層134と接触しない接着剤132は、キューブコーナー素子112に接着し、これによって再帰性反射領域を効率的に封止し、光学的に活性な領域又はセルを形成する。接着剤132はまた、再帰性反射層110と接着層130とから構成される再帰性反射構造体120を全体として一緒に保持し、これによって別個の封止フィルム及び封止プロセスの必要性を排除する。
【0074】
図2に示すように、低屈折率層138に隣接するキューブコーナー素子112に入射する光線150は再帰反射する。本開示において、低屈折率層138を含む再帰性反射シート100の領域は光学的に活性な領域である。対照的に、低屈折率層138を含まない再帰性反射シート100の領域は、
図2に示すように入射する光線150を実質的に再帰反射しないため、光学的に不活性な領域である。
【0075】
低屈折率層138は、約1.30以下、約1.25以下、約1.2以下、約1.15以下、約1.10以下、又は約1.05以下の屈折率を有する材料を含む。代表的な低屈折率材料として空気が挙げられる。
【0076】
バリア層134の材料として、接着剤132がキューブコーナー素子112と接触すること、又は低屈折率層138内に入り込むことを防ぐ任意の材料を使用することができる。バリア層で使用される代表的な材料として、樹脂、紫外線硬化性ポリマー、インク、染料、顔料、無機材料、粒子、及びビーズが挙げられる。バリア層の寸法及び間隔は様々であってもよい。ある実施態様では、バリア層は再帰性反射シート上にグリッド、ストライプ、ドット、文字などのパターンを形成してもよい。
【0077】
バリア層の厚さは様々であってよく、一般に、約2μm以上又は約3μm以上、約10μm以下、約8μm以下、又は約4μm以下とすることができる。
【0078】
ある実施態様では、接着層130は、接着剤132として、本開示の感圧接着剤組成物又は硬化後の架橋物を含む。別の実施態様(不図示)では、接着層は、再帰性反射層に隣接している第1接着層と、再帰性反射層とは反対側の第1接着層の表面に積層された第2接着層とを含み、第1接着層がアクリル系感圧接着剤、天然ゴム系感圧接着剤、合成ゴム系感圧接着剤、シリコーン系感圧接着剤などの他の感圧接着剤を含み、第2接着層が本開示の感圧接着剤組成物又はその架橋物を含む。第1接着層に含まれる他の感圧接着剤は、架橋剤によって熱架橋又はUV架橋されたものでもよく、必要に応じて粘着付与剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤などの添加剤を含んでもよい。第1接着層と第2接着層の層間接着を高めるため、第1接着層の第2接着層と向かい合う表面、及び/又は第2接着層の第1接着層と向かい合う表面が、火炎処理、コロナ処理、プラズマ処理、オゾン若しくは酸化性の酸による酸化、スパッタエッチングなどによる表面処理、又はポリエチレンアクリル酸などのプライマー処理を有してもよい。
【0079】
接着層の厚さは様々であってよく、一般に約30μm以上、約40μm以上、又は約50μm以上、約150μm以下、約90μm以下、又は約60μm以下とすることができる。
【0080】
再帰性反射層110は、入射した光を発光源に戻す方向に反射するように構成された、任意の好適なキューブコーナー素子112を含む。キューブコーナー素子112は、再帰反射する機能を発揮するものであれば、任意の好適な構造を有していてよい。例えば、キューブコーナー素子は、完全な立方体、切頭立方体、キューブコーナー型の三角錐、キューブコーナー型の空洞などであってよい。例えば、キューブコーナー素子は、相互に略直交する3つの側面を有する三面構造を含む。使用する際、再帰性反射シート100は、通常、想定される観察者及び光源にその表示面を向けて配置される。表示面に入射する光は、再帰性反射シート100に入射し、実質的に光源に向かう方向で表示面から出射するように、キューブコーナー素子112の3つの側面それぞれによって反射される。いくつかの実施態様では、キューブコーナー素子112は、より広範囲の入射光線角度で再帰反射特性が向上するように互いに対して傾斜している。キューブコーナーに基づく再帰性反射シートの例示的な実施態様は、米国特許第5,138,488号(Szczech)、同第5,387,458号(Pavelka)、同第5,450,235号(Smith)、同第5,605,761号(Burns)、同第5,614,286号(Bacon)、同第5,691,846号(Benson,Jr.)、及び同第7,422,334号(Smith)に開示されている。
【0081】
再帰性反射層110に好適に使用される材料として、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリエチレンテレフタレート、脂肪族ポリウレタン、及びエチレンコポリマー、並びにそれらのアイオノマーなどの樹脂、ガラスなどの無機材料が挙げられる。再帰性反射層110に含まれるキューブコーナー素子112は、例えば米国特許第5,691,846号(Benson,Jr.)に記述されるように、樹脂フィルム上に直接鋳造することによって形成することができる。再帰性反射層を放射線硬化により形成する場合、好適な樹脂として、例えば多官能アクリレート、エポキシアクリレート、アクリル化ウレタンなどを含む放射線硬化性組成物の硬化物が挙げられる。上記樹脂は、例えば、熱安定性、環境安定性、透明性、工具又は成形型からの優れた剥離性、及び他の層との密着性などのいずれか又は複数について有利であり、透明性、熱安定性などの点でポリカーボネート、及びエポキシアクリレートの硬化物が特に有利である。
【0082】
再帰性反射層の厚さは様々であってよく、一般に、約40μm以上、約50μm以上、又は約55μm以上、約150μm以下、約100μm以下、又は約60μm以下とすることができる。再帰性反射層の厚さとは、再帰性反射層の主表面と構造化表面の最も高い頂部の距離をいう。キューブコーナー素子の高さは様々であってよく、一般に、約50μm以上、約70μm以上、又は約80μm以上、約150μm以下、約120μm以下、又は約100μm以下とすることができる。キューブコーナー素子の高さとは、キューブコーナー素子を構成する側面の再帰反射に有効な領域の、再帰性反射シートの面に対して垂直な方向における長さをいう。
【0083】
再帰性反射層110と、バリア層134及び接着剤132から構成される接着層130とを有する再帰性反射構造体120の製造方法は、例えば、バリア層134の材料を接着剤132上に配置する工程と、次いで、得られた接着層130を再帰性反射層110に積層する工程とを含む。接着層130は、以下の代表的な方法を含むがこれに限定されない様々な方法で形成することができる。1つの代表的な実施態様では、バリア層を形成する材料は接着剤上に印刷される。印刷方法は、非接触方法、例えばインクジェットプリンタを使用する印刷であってもよく、接触印刷方法、例えばフレキソ印刷であってもよい。他の代表的な実施態様では、バリア層を形成する材料は、例えばインクジェット又はスクリーン印刷方法を使用して平坦な剥離面上に印刷され、次いで平坦な剥離面から接着剤上に転写される。他の代表的な実施態様では、バリア層を形成する材料は、微細構造化表面を有するライナー上にフラッドコーティングされ、その上に接着剤を積層することによって、バリア層は微細構造化表面を有するライナーから接着剤に転写される。
【0084】
再帰性反射シートは最外層として、透明なポリウレタン表面保護層を含んでもよい。ポリウレタン表面保護層は、ポリエステル骨格又はポリカーボネート骨格を有するポリオールと、三官能以上の脂肪族イソシアネートとの架橋物を含んでもよい。再帰性反射シート100は、他の任意選択的な層又は構造として、オーバーレイ層、グラフィック層、着色層などを含んでもよい。
【0085】
本開示の再帰性反射シートの構造は
図2に示したものに限定されず、例えばキューブコーナー素子と反射層を組み合わせたもの、ビーズと反射層を組み合わせたものなども包含する。しかしながら、
図2に示すような、被着体表面の隠蔽に役立つ蒸着金属膜などの反射層を持たない再帰性反射構造体に対して、本開示の感圧接着剤組成物を用いて形成された感圧接着層を用いると、このような再帰性反射構造体を有する再帰性反射シートに優れた隠蔽性を付与することができる。
【0086】
本開示のマーキングフィルム及び再帰性反射シートは、車両、建築物、交通標識、包装材料、看板などの装飾及び再帰反射機能の付与に用いることができ、被着体表面がポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、モルタルなどの無機材料などを含む難接着性材料を含む場合に特に有用である。
【0087】
本明細書においては、表1に示す以下の略称を使用することがある。
【実施例】
【0089】
以下の実施例において、本開示の具体的な実施態様を例示するが、本発明はこれに限定されるものではない。部及びパーセントは全て、特に明記しない限り質量による。
【0090】
<分散剤−アミノ基含有(メタ)アクリル系ポリマー1(HAP1)−の製造>
MMA60質量部、BMA34質量部、及びDMAEMA6質量部をEtOAc150質量部に溶解させ、重合開始剤としてジメチル−2,2−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(商品名V−601、和光純薬工業株式会社製)0.6質量部を加えた後、窒素雰囲気下65℃で24時間反応させ、アミノ基含有(メタ)アクリル系ポリマー1(HAP1)のEtOAc溶液(固形分40%)を調製した。HAP1の重量平均分子量(Mw)は68,000、ガラス転移温度(Tg)は63℃であった。Tgは、各ポリマーがn種類のモノマーから共重合されているとして、FOXの式(下式)より求めた。
【数2】
【0091】
<粘着性ポリマー1(ADH1)の製造>
BA76質量部、2EHA21質量部、VAc2部、及びAA1質量部を、トルエン/EtOAc(質量比50:50)の混合溶媒203質量部に溶解させ、重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(商品名V−65、和光純薬工業株式会社製)0.2質量部を加えた後、窒素雰囲気下65℃で24時間反応させ、粘着性ポリマー1(ADH1)のトルエン/EtOAc溶液(固形分33%)を調製した。ADH1の重量平均分子量(Mw)は660,000、ガラス転移温度(Tg)は−57℃であった。
【0092】
<粘着性ポリマー2(ADH2)の製造>
2EHA94質量部、MA2質量部、及びAA4質量部を、トルエン/EtOAc(質量比50:50)の混合溶媒122質量部に溶解させ、重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(商品名V−65、和光純薬工業株式会社製)0.2質量部を加えた後、窒素雰囲気下65℃で24時間反応させ、粘着性ポリマー2(ADH2)のトルエン/EtOAc溶液(固形分45%)を調製した。ADH2の重量平均分子量(Mw)は640,000、ガラス転移温度(Tg)は−62℃であった。
【0093】
<粘着性ポリマー3(ADH3)の製造>
BA94質量部、及びAA6質量部を、トルエン/EtOAc(質量比50:50)の混合溶媒203質量部に溶解させ、重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(商品名V−65、和光純薬工業株式会社製)0.2質量部を加えた後、窒素雰囲気下65℃で24時間反応させ、粘着性ポリマー3(ADH3)のトルエン/EtOAc溶液(固形分33%)を調製した。ADH3の重量平均分子量(Mw)は760,000、ガラス転移温度(Tg)は−48℃であった。
【0094】
<粘着性ポリマー4(ADH4)の製造>
IOA94質量部、及びAA6質量部を、アセトン/ヘプタン(質量比50:50)の混合溶媒122質量部に溶解させ、重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(商品名V−65、和光純薬工業株式会社製)0.2質量部を加えた後、窒素雰囲気下65℃で24時間反応させ、粘着性ポリマー4(ADH4)のアセトン/ヘプタン溶液(固形分45%)を調製した。ADH4の重量平均分子量(Mw)は460,000、ガラス転移温度(Tg)は−49℃であった。
【0095】
<粘着性ポリマー5(ADH5)の製造>
IOA70質量部、MA22.5質量部、及びAA7.5質量部を、EtOAc250質量部に溶解させ、重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(商品名V−65、和光純薬工業株式会社製)0.2質量部を加えた後、窒素雰囲気下65℃で24時間反応させ、粘着性ポリマー5(ADH5)のEtOAc溶液(固形分40%)を調製した。ADH5の重量平均分子量(Mw)は360,000、ガラス転移温度(Tg)は−35℃であった。
【0096】
本実施例において再帰性反射シートの作製に使用したポリマーの組成、架橋剤、顔料、及び粘着付与剤を表2に示す。
【0097】
【表2】
【0098】
<評価方法>
再帰性反射シートの特性を以下の方法に従って評価した。
【0099】
1.初期接着力
再帰性反射シートを長さ150mm、幅25mmに切断して試験片を作製する。JIS Z 0237 8.2.3.に準拠して、試験片をポリプロピレン基材、アルミニウム基材、又はモルタル板平滑面(日本テストパネル株式会社製)に20℃で貼り付ける。試験片を20℃で48時間放置する。20℃で引張試験機(株式会社オリエンテック製テンシロン「Tensilon(商標)」)を用い180度接着力を測定する。掴み間隔は100mm、剥離速さは300mm/分とする。
【0100】
2.養生後接着力
再帰性反射シートを長さ150mm、幅25mmに切断して試験片を作製する。JIS Z 0237 8.2.3.に準拠して、試験片をポリプロピレン基材、アルミニウム基材、又はモルタル板平滑面(日本テストパネル株式会社製)に20℃で貼り付ける。試験片を65℃で168時間放置する。20℃で引張試験機(株式会社オリエンテック製テンシロン「Tensilon(商標)」)を用い180度接着力を測定する。掴み間隔は100mm、剥離速さは300mm/分とする。
【0101】
ポリプロピレン基材への接着性は初期及び養生後の接着力が10N/25mm以上の場合に「良好」、初期及び養生後の接着力が10N/25mm未満の場合に「不良」と判断する。モルタル板への接着性は初期及び養生後の接着力が10N/25mm以上の場合に「良好」、初期及び養生後の接着力が10N/25mm未満の場合に「不良」と判断する。
【0102】
3.隠蔽性
再帰性反射シートを50mm角に切断して試験片を作製する。隣接して白部と黒部が印刷された隠ぺい率試験紙に試験片を貼り付ける。分光測色計(コニカミノルタ製CM−3700A)を用いてL*、a*、b*を測定する。白部上の測定値をL
1*、a
1*、b
1*、黒部上の測定値をL
2*、a
2*、b
2*として式差を求める。色差の計算式は以下のとおりであり、隠蔽性は色差が1未満の場合に「優良」、色差が1以上3未満の場合に「良好」、色差が3以上5未満の場合に「可」、5以上の場合に「不良」と判断する。
【数3】
【0103】
<例1>
顔料1、アミノ基含有(メタ)アクリル系ポリマー1(HAP1)及びMIBKを混合して白色顔料分散溶液を調製した。顔料1とHAP1の質量比は固形分で5:1であった。白色顔料分散溶液の固形分は約66%であった。白色顔料分散溶液、粘着性ポリマー1(ADH1)、粘着付与剤1(TF1)及び架橋剤1(CL1)を混合して白色接着剤溶液を調製した。使用した各成分の量について、ADH1が100質量部、TF1が35質量部、HAP1が15質量部、顔料1が75質量部であった。すなわち、ADH1、HAP1及びTF1の合計100質量部に対して、顔料1は50質量部であった。白色接着剤溶液にCL1を添加した。ADH1の100質量部に対してCL1は0.05質量部であった。白色接着剤溶液をシリコーン処理付き50μm厚ポリエステルフィルム上にナイフコータを用いて塗布した。塗布層を95℃で5分間乾燥して、厚さ30μmの白色粘着剤層を得た。Disco 2100(粘着剤層付き再帰性反射シート、スリーエム社製)の粘着剤層をコロナ処理した。白色粘着剤層をDisco 2100の粘着剤層と貼り合わせて、例1の再帰性反射シートを得た。
【0104】
<例2>
例2の再帰性反射シートを、CL1の添加量を0.05質量部から0質量部に変更したことを除き、例1と同様にして作製した。
【0105】
<例3>
例3の再帰性反射シートを、例1の白色顔料分散溶液を用い、顔料1の添加量がADH1、HAP1及びTF1の合計100質量部に対して20質量部、TF1の添加量がADH1の100質量部に対して35質量部にそれぞれなるように、ADH1、HAP1、TF1及び顔料1の量を調整し、さらに顔料2を添加したことを除き、例1と同様にして作製した。顔料2の添加量は、固形分換算でADH1、HAP1、TF1及び顔料1の合計100質量部に対して0.5質量部であった。
【0106】
<例4>
例4の再帰性反射シートを、例1の白色顔料分散溶液を用い、ADH1をADH2に変更し、顔料1の添加量がADH2、HAP1及びTF1の合計100質量部に対して50質量部、TF1の添加量がADH2の100質量部に対して30質量部にそれぞれなるように、ADH2、HAP1、TF1及び顔料1の量を調整したことを除き、例1と同様にして作製した。
【0107】
<比較例1>
比較例1の再帰性反射シートを、例1の白色顔料分散溶液を用い、TF1の添加量を35質量部から0質量部に変更し、ADH1をADH3に変更し、顔料1の添加量がADH3及びHAP1の合計100質量部に対して50質量部になるように、ADH3、HAP1、及び顔料1の量を調整し、CL1の添加量を0.05質量部から0.2質量部に変更したことを除き、例1と同様にして作製した。
【0108】
<比較例2>
比較例2の再帰性反射シートを、白色顔料分散溶液を用いずに、100質量部のADH1、35質量部のTF1、及び0.05質量部のCL1のみを混合して接着剤溶液を調製し、これを白色接着剤溶液の代わりに使用したことを除き、例1と同様にして作製した。
【0109】
<比較例3>
比較例3の再帰性反射シートを、白色顔料分散溶液を用いずに、100質量部のADH4、47質量部のTF1、及び19.1質量部の顔料1のみを混合して白色接着剤溶液を調製したことを除き、例1と同様にして作製した。
【0110】
<例5>
例1の厚さ30μmの白色粘着剤層を、50μm厚剥離処理ポリエステルフィルム付き50μm厚透明アクリルフィルムと貼り合わせた。50μm厚剥離処理ポリエステルフィルムを除去して例5のマーキングフィルムを得た。
【0111】
<例6>
例6のマーキングフィルムを、例1の白色粘着剤層の作製においてCL1の添加量を0.05質量部から0質量部に変更したことを除き、例5と同様にして作製した。
【0112】
<例7>
例7のマーキングフィルムを、例1の白色粘着剤層の作製において、例1の白色顔料分散溶液を用い、顔料1の添加量がADH1、HAP1及びTF1の合計100質量部に対して20質量部、TF1の添加量がADH1の100質量部に対して35質量部にそれぞれなるように、ADH1、HAP1、TF1及び顔料1の量を調整し、さらに顔料2を添加したことを除き、例5と同様にして作製した。顔料2の添加量は、固形分換算でADH1、HAP1、TF1及び顔料1の合計100質量部に対して0.5質量部であった。
【0113】
<例8>
例8のマーキングフィルムを、例1の白色粘着剤層の作製において、例1の白色顔料分散溶液を用い、ADH1をADH2に変更し、顔料1の添加量がADH2、HAP1及びTF1の合計100質量部に対して50質量部、TF1の添加量がADH2の100質量部に対して30質量部にそれぞれなるように、ADH2、HAP1、TF1及び顔料1の量を調整したことを除き、例5と同様にして作製した。
【0114】
<比較例4>
比較例4のマーキングフィルムを、例1の白色粘着剤層の作製において、例1の白色顔料分散溶液を用い、TF1の添加量を35質量部から0質量部に変更し、ADH1をADH3に変更し、顔料1の添加量がADH3及びHAP1の合計100質量部に対して50質量部になるように、ADH3、HAP1、及び顔料1の量を調整し、CL1の添加量を0.05質量部から0.2質量部に変更したことを除き、例5と同様にして作製した。
【0115】
<比較例5>
比較例5のマーキングフィルムを、例1の白色粘着剤層の作製において、白色顔料分散溶液を用いずに、100質量部のADH1、35質量部のTF1、及び0.05質量部のCL1のみを混合して接着剤溶液を調製し、これを白色接着剤溶液の代わりに使用したことを除き、例5と同様にして作製した。
【0116】
<例9>
例9のマーキングフィルムを、例1の白色粘着剤層の作製において、例1の白色顔料分散溶液を用い、ADH1をADH2に変更し、顔料1の添加量がADH2、HAP1及びTF1の合計100質量部に対して50質量部、TF1の添加量がADH2の100質量部に対して5質量部にそれぞれなるように、ADH2、HAP1、TF1及び顔料1の量を調整したことを除き、例5と同様にして作製した。
【0117】
<例10>
例10のマーキングフィルムを、例1の白色粘着剤層の作製において、例1の白色顔料分散溶液を用い、ADH1をADH2に変更し、顔料1の添加量がADH2、HAP1及びTF1の合計100質量部に対して50質量部、TF1の添加量がADH2の100質量部に対して20質量部にそれぞれなるように、ADH2、HAP1、TF1及び顔料1の量を調整したことを除き、例5と同様にして作製した。
【0118】
<例11>
例11のマーキングフィルムを、例1の白色粘着剤層の作製において、例1の白色顔料分散溶液を用い、ADH1をADH2に変更し、顔料1の添加量がADH2、HAP1及びTF1の合計100質量部に対して50質量部、TF1の添加量がADH2の100質量部に対して50質量部にそれぞれなるように、ADH2、HAP1、TF1及び顔料1の量を調整したことを除き、例5と同様にして作製した。
【0119】
<例12>
例12のマーキングフィルムを、例1の白色粘着剤層の作製において、例1の白色顔料分散溶液を用い、ADH1をADH2に変更し、顔料1の添加量がADH2、HAP1及びTF1の合計100質量部に対して50質量部、TF1の添加量がADH2の100質量部に対して100質量部にそれぞれなるように、ADH2、HAP1、TF1及び顔料1の量を調整したことを除き、例5と同様にして作製した。
【0120】
<比較例6>
比較例6のマーキングフィルムを、ADH1をADH3に変更したことを除き、例11と同様にして作製した。
【0121】
<比較例7>
比較例7のマーキングフィルムを、ADH1をADH5に変更したことを除き、例11と同様にして作製した。
【0122】
例1〜4及び比較例1〜3の再帰性反射シートの評価結果を表3に、例5〜12及び比較例4〜比較例7のマーキングフィルムの評価結果を表4にそれぞれ示す。また、例1〜4及び比較例1〜3の隠蔽性試験の結果を
図3に写真で示す。
【0123】
【表3】
【表4】
【0124】
本発明の基本的な原理から逸脱することなく、上記の実施態様及び実施例が様々に変更可能であることは当業者に明らかである。また、本発明の様々な改良及び変更が本発明の趣旨及び範囲から逸脱せずに実施できることは当業者には明らかである。
本発明の実施態様の一部を以下の項目[1]〜[13]に記載する。
[1]
(a)ガラス転移温度が−50℃以下のカルボキシル基含有粘着性(メタ)アクリル系ポリマーと、
(b)芳香族ビニルモノマーに由来するモノマー単位を含まないアミノ基含有(メタ)アクリル系ポリマーを含む分散剤と、
(c)ロジンエステル系、水添ロジン系、テルペンフェノール系、スチレン系、水添テルペンフェノール系、芳香族変性水添テルペン樹脂、及び芳香族変性テルペン樹脂からなる群より選択される少なくとも一つの粘着付与剤と、
(d)前記カルボキシル基含有粘着性(メタ)アクリル系ポリマー、芳香族ビニルモノマーに由来するモノマー単位を含まないアミノ基含有(メタ)アクリル系ポリマーを含む分散剤及び粘着付与剤の合計100質量部に対して15質量部以上の二酸化チタン顔料と
を含む感圧接着剤組成物。
[2]
前記粘着付与剤がロジンエステルである、項目1に記載の感圧接着剤組成物。
[3]
前記カルボキシル基含有粘着性(メタ)アクリル系ポリマー100質量部に対して4質量部以上、110質量部以下の前記粘着付与剤を含む、項目1又は2のいずれかに記載の感圧接着剤組成物。
[4]
さらに架橋剤を含む、項目1〜3のいずれか一項に記載の感圧接着剤組成物。
[5]
ポリエチレン及びポリプロピレンからなる群より選択される少なくとも一つのポリオレフィン系樹脂の接着に適した項目1〜4のいずれか一項に記載の感圧接着剤組成物。
[6]
ベースフィルム層、及び前記ベースフィルム層の上又は上方に配置された感圧接着層を含むマーキングフィルムであって、前記感圧接着層が、
(a)ガラス転移温度が−50℃以下のカルボキシル基含有粘着性(メタ)アクリル系ポリマーと、
(b)芳香族ビニルモノマーに由来するモノマー単位を含まないアミノ基含有(メタ)アクリル系ポリマーを含む分散剤と、
(c)ロジンエステル系、水添ロジン系、テルペンフェノール系、スチレン系、水添テルペンフェノール系、芳香族変性水添テルペン樹脂、及び芳香族変性テルペン樹脂からなる群より選択される少なくとも一つの粘着付与剤と、
(d)前記カルボキシル基含有粘着性(メタ)アクリル系ポリマー、芳香族ビニルモノマーに由来するモノマー単位を含まないアミノ基含有(メタ)アクリル系ポリマーを含む分散剤及び粘着付与剤の合計100質量部に対して15質量部以上の二酸化チタン顔料と
を含む、マーキングフィルム。
[7]
前記粘着付与剤がロジンエステルである、項目6に記載のマーキングフィルム。
[8]
前記感圧接着層が、前記カルボキシル基含有粘着性(メタ)アクリル系ポリマー100質量部に対して4質量部以上、110質量部以下の前記粘着付与剤を含む、項目6又は7のいずれかに記載のマーキングフィルム。
[9]
前記カルボキシル基含有粘着性(メタ)アクリル系ポリマー、及び前記芳香族ビニルモノマーに由来するモノマー単位を含まないアミノ基含有(メタ)アクリル系ポリマーの少なくとも一方が架橋されている、項目6〜8のいずれか一項に記載のマーキングフィルム。
[10]
キューブコーナー素子を含む再帰性反射層、及び前記キューブコーナー素子の上又は上方に配置された感圧接着層を含む再帰性反射シートであって、前記感圧接着層が、
(a)ガラス転移温度が−50℃以下のカルボキシル基含有粘着性(メタ)アクリル系ポリマーと、
(b)芳香族ビニルモノマーに由来するモノマー単位を含まないアミノ基含有(メタ)アクリル系ポリマーを含む分散剤と、
(c)ロジンエステル系、水添ロジン系、テルペンフェノール系、スチレン系、水添テルペンフェノール系、芳香族変性水添テルペン樹脂、及び芳香族変性テルペン樹脂からなる群より選択される少なくとも一つの粘着付与剤と、
(d)前記カルボキシル基含有粘着性(メタ)アクリル系ポリマー、芳香族ビニルモノマーに由来するモノマー単位を含まないアミノ基含有(メタ)アクリル系ポリマーを含む分散剤及び粘着付与剤の合計100質量部に対して15質量部以上の二酸化チタン顔料と
を含む、再帰性反射シート。
[11]
前記粘着付与剤がロジンエステルである、項目10に記載の再帰性反射シート。
[12]
前記感圧接着層が、前記カルボキシル基含有粘着性(メタ)アクリル系ポリマー100質量部に対して4質量部以上、110質量部以下の前記粘着付与剤を含む、項目10又は11のいずれかに記載の再帰性反射シート。
[13]
前記カルボキシル基含有粘着性(メタ)アクリル系ポリマー、及び前記芳香族ビニルモノマーに由来するモノマー単位を含まないアミノ基含有(メタ)アクリル系ポリマーの少なくとも一方が架橋されている、項目10〜12のいずれか一項に記載の再帰性反射シート。