(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
溶融加工可能なフルオロポリマーを含む内層であって、前記フルオロポリマーがポリビニリデンフルオリド(PVDF)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)とのコポリマーを含み、前記ヘキサフルオロプロピレンが、前記コポリマーの合計100%モル濃度に基づき、30%超のモル濃度で存在し、前記内層の前記溶融加工可能なフルオロポリマーが約20,000psi未満の曲げ弾性率を有する内層と、
前記内層のショア硬度より低いショア硬度を有する溶融加工可能なポリマーを含む外層とを含む、
多層可撓性チューブ。
溶融加工可能なフルオロポリマーを含む内層であって、前記フルオロポリマーがポリビニリデンフルオリド(PVDF)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)とのコポリマーを含み、前記ヘキサフルオロプロピレンが、前記コポリマーの合計100%モル濃度に基づき、30%超のモル濃度で存在し、前記内層の前記溶融加工可能なフルオロポリマーが約20,000psi未満の曲げ弾性率を有する内層を提供することと、
前記内層のショア硬度より低いショア硬度を有する溶融加工可能なポリマーを含む外層を提供することとを含む、
多層可撓性チューブの製作方法。
前記外層は、熱可塑性ポリウレタン、熱硬化性ウレタン、フルオロエラストマー、EPDM、熱可塑性EPDM複合材、スチレン−エチレン系コポリマー、スチレンイソプレン系コポリマー、ポリオレフィンエラストマー、PVC、イソプレン、熱可塑性イソプレン複合材、ブレンド、アロイ、又はそれらの任意の組合せである、請求項1に記載の多層可撓性チューブ。
前記結合層は、接着促進剤をさらに含み、前記接着促進剤は、無水マレイン酸グラフトPVDF、シラン系接着促進剤、エポキシ系化学物質、EVOH、アクリラートポリマー、アクリラートコポリマー、アセタールコポリマー、高極性をもった熱可塑性物質、又はそれらの組合せを含む、請求項7に記載の多層可撓性チューブ。
前記架橋助剤は、ビスフェノールAF、トリアリールイソシアヌラート(TAIC)、トリアリールシアヌラート(TAC)、有機ペルオキシド、又はそれらの組合せを含む、請求項12に記載の多層可撓性チューブ。
前記内層を提供すること及び前記外層を提供することは、前記フルオロポリマーを押出し成形粘度になるまで、かつ前記外層の前記ポリマーを押出し成形粘度になるまで加熱することを含み、前記フルオロポリマーの前記押出し成形粘度と前記ポリマーの前記押出し成形粘度の差が25%以下である、請求項2に記載の多層可撓性チューブの製作方法。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書に開示される教示を理解する上で役立つように、以下の記載が図面と組み合せて提供される。以下の考察は、教示の具体的な実現例及び実施形態に焦点を当てる。この焦点は、教示を記載する上で役立つように提供されており、教示の適用範囲に対する制限として解釈されないものとする。
【0013】
本明細書で使用される場合、用語「含む(comprises)」、「含んでいる(comprising)」、「含む(includes)」、「含んでいる(including)」、「有する(has)」、「有している(having)」、又は他のいかなるそれらの変形もオープンエンドな(open−ended)用語であり、「〜を含むが、それらに限定されない」を意味すると解釈されるものとする。これらの用語は、「本質的に〜からなる」及び「〜からなる」というさらに限定的な用語をも包含する。一実施形態では、一群の特徴を含む方法、物品、又は装置は、必ずしもそれらの特徴のみに限定されず、明示的に列記されていない他の特徴又はそのような方法、物品、若しくは装置に固有の他の特徴を含み得る。さらに、逆に明記されない限り、「又は(or)」は、包含的な「又は」を指し、排他的な「又は」を指さない。例えば、条件A又はBは、次のいずれか1つで満たされる:Aが真であり(又は存在し)かつBが偽である(又は存在しない)、Aが偽であり(又は存在しない)かつBが真である(又は存在する)、並びにA及びBの両方が真である(又は存在する)。
【0014】
また、「一つの(a)」又は「一つの(an)」の使用は、本明細書に記載される要素及び成分を記述するために用いられる。これは、単に便宜のため、及び本発明の範囲の全般的な意味を与えるために行われる。別なように意味されることが明らかでない限り、この記述は、1つ又は少なくとも1つを含むと読まれるものとし、単数形は複数形を含み、その逆も同様である。例えば、本明細書に単数の品目が記載されている場合、単数の品目の代わりに複数の品目も用いられ得る。同様に、本明細書に複数の品目が記載されている場合、その複数の品目を単数の品目に置き代え得る。
【0015】
別段の定義がないかぎり、本明細書中で使用される全ての技術的及び科学的用語は、本発明が属する技術分野の当業者が一般に理解するものと同じ意味を有する。材料、方法、及び実施例は、例示的に過ぎず、限定的であることを意図しない。本明細書に記載されない範囲に、具体的な材料及び加工行為に関する多くの詳細が、従来からあり、構造技術分野及び対応する製造技術分野の参考図書及び他の出典に見出され得る。他に断りがなければ、全ての測定値は、他に断りがなければASTMによる約23℃+/−5℃でのものである。
【0016】
特定の一実施形態では、多層可撓性チューブが提供される。多層可撓性チューブは、少なくとも1つの内層及び1つの外層を含む。一実施形態では、内層はフルオロポリマーを含む。さらに、外層は、内層のショア硬度より低いショア硬度を有するポリマーを含む。有利なことには、多層可撓性チューブは、燃料への曝露、動的応力、又はそれらの組合せを含む用途のための特性を有する。多層可撓性チューブの製作方法がさらに提供される。
【0017】
内層のフルオロポリマーは、典型的には、溶融加工可能なフルオロポリマーである。「溶融加工可能なフルオロポリマー」は、本明細書で使用される場合、溶融し流動して、フィルム、チューブ、繊維、成形物品、又はシートなど、任意適切な形に押出し成形され得るフルオロポリマーを指す。例えば、溶融加工可能なフルオロポリマーは可撓性材料である。例えば、溶融加工可能なフルオロポリマーは、約50MPa超の曲げ弾性率、例えば約50MPa〜約850MPa、例えば約50MPa〜約300MPaの曲げ弾性率を有する。一実施形態では、溶融加工可能なフルオロポリマーは、約5%超、例えば約7%超、例えば約8%超、又はさらには約10%超の降伏点伸びを有する。
【0018】
内層の、例示的な溶融加工可能なフルオロポリマーは、ホモポリマー、コポリマー、ターポリマーから、又はモノマーより形成されたポリマー混合物から、例えば、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、ビニリデンフルオリド、ビニルフルオリド、ペルフルオロプロピルビニルエーテル、ペルフルオロメチルビニルエーテル、又はそれらの任意の組合せから形成され得る。例示的な溶融加工可能なフルオロポリマーとしては、ポリビニリデンフルオリド(PVDF)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)とのコポリマー、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ素化エチレンプロピレンコポリマー(FEP)、テトラフルオロエチレンとペルフルオロプロピルビニルエーテル(PFA)とのコポリマー、テトラフルオロエチレンとペルフルオロメチルビニルエーテル(MFA)とのコポリマー、エチレンとテトラフルオロエチレン(ETFE)とのコポリマー、エチレンとクロロトリフルオロエチレン(ECTFE)とのコポリマー、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリビニリデンフルオリド(PVDF)、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロピレンとビニリデンフルオリド(THV)とを含むターポリマー、ポリビニルフルオリド(PVF、例えばTedlar(商標))、テトラフルオロエチレンとヘキサフルオロプロプリエン(hexafluoroproplyene)とエチレンとのターポリマー、又はそれらの任意の混合物、任意の合金、若しくは組合せが挙げられる。
【0019】
一例では、溶融加工可能なフルオロポリマーはポリビニリデンフルオリド(PVDF)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)とのコポリマーを含む。一実施形態では、ポリビニリデンフルオリド(PVDF)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)とのコポリマーは、約1:99〜約99:1、例えば約20:80〜約80:20、又は約40:60〜約60:40の有利なモル濃度を含む。特定の一実施形態では、コポリマーは、コポリマーの合計100%モル濃度に基づき、例えば約10%超、例えば約15%超、例えば約20%超、又はさらには約25%超のモル濃度のヘキサフルオロプロピレンの部分を含む。
【0020】
さらなる一実施形態では、内層は、想定される任意の添加剤を含み得る。添加剤としては、例えば、架橋助剤、抗酸化剤、フィラー、紫外線(UV)剤、色素、顔料、アンチエイジング剤、可塑剤、同種のもの、又はそれらの組合せが挙げられる。一実施形態では、架橋助剤は、内層のフルオロポリマー組成物の架橋結合を増加及び/又は向上させるために供給される架橋剤である。さらなる一実施形態では、架橋助剤の使用は、架橋助剤を含まない内層に比べて、小分子の透過が低減され、内層の弾性回復が改善されるなど、望ましい特性を提供し得る。例えば、ビスフェノールAF、トリアリールイソシアヌラート(TAIC)、トリアリールシアヌラート(TAC)、有機ペルオキシド、又はそれらの組合せなど、任意の架橋助剤が想定される。任意の量の架橋助剤が想定される。あるいは、内層は、架橋結合剤、架橋助剤、光開始剤、フィラー、可塑剤、又はそれらの組合せが実質的になくてもよい。「実質的にない」は、本明細書で使用される場合、内層のフルオロポリマーの合計重量の約1.0重量%未満、又はさらには約0.1重量%未満を指す。
【0021】
特定の一実施形態では、内層は、フルオロポリマーの少なくとも70重量%を含む。例えば、内層は、少なくとも85重量%のフルオロポリマー、例えば、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、又はさらには100重量%のフルオロポリマーを含み得る。一例では、内層は、本質的にフルオロポリマーからなり得る。特定の一例では、内層は本質的に、ポリビニリデンフルオリド(PVDF)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)とのコポリマーからなり得る。本明細書で使用される場合、内層のフルオロポリマーに関して用いられる語句「本質的に〜からなる」は、フルオロポリマーの基本的で新規な特徴に影響する非フッ素化ポリマーの存在を排除するが、抗酸化剤、フィラー、UV剤、色素、顔料、アンチエイジング剤、及びそれらの任意の組合せなど、通常用いられる加工剤及び添加剤がフルオロポリマー中に用いられ得る。
【0022】
特定の一実施形態では、溶融加工可能なフルオロポリマーは、望ましい硬度を有する。例えば、内層のフルオロポリマーのショア硬度は、外層のポリマーのショア硬度より大きい。例えば、内層の硬度は、約95未満のショアD、例えば約80のショアA〜約95のショアD、例えば約80のショアA〜約65のショアD、例えば約85〜約90のショアAである。例えば、内層のための、ポリビニリデンフルオリド(PVDF)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)とのコポリマーは、約95未満のショアD、例えば約80のショアA〜約95のショアD、例えば約80のショアA〜約65のショアD、例えば約85〜約90のショアAの硬度を有する。
【0023】
一例では、内層の溶融加工可能なフルオロポリマーは、望ましい曲げ弾性率など望ましい機械的特性を有する。内層の曲げ弾性率は、ASTM D790によって測定して、約20,000psi未満、例えば約15,000psi未満、例えば約12,000psi未満、又はさらには約10,000psi未満であり得る。
【0024】
多層可撓性チューブは外層をさらに含み、外層は、内層に比較して、より可撓性のあるポリマー混合物である。一実施形態では、外層は「溶融加工可能な」ポリマーである。「溶融加工可能なポリマー」は、本明細書で使用される場合、溶融し流動して、フィルム、チューブ、繊維、成形物品、又はシートなど、任意適切な形に押出し成形され得るポリマーを指す。一実施形態では、外層の溶融加工可能なポリマーは、内層のショア硬度より低いショア硬度を有する、任意の想定される熱可塑性物質又は熱硬化性物質を含む。一実施形態では、外層のポリマーは、熱可塑性ポリウレタン、熱硬化性ウレタン、フルオロエラストマー、エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)のコポリマー、熱可塑性EPDM複合材、スチレン系エラストマー、ポリオレフィンエラストマー、可撓性ポリビニルクロリド(PVC)、イソプレン、熱可塑性イソプレン複合材、他の任意の熱可塑性エラストマー、それらの任意の合金、任意の混合物、又は組合せを包含する、溶融加工可能なポリマーである。特定の一実施形態では、外層は、熱可塑性ポリウレタン、熱硬化性ウレタン、又はそれらの組合せを含む。より特定の一実施形態では、外層は熱可塑性ポリウレタンを含む。なおもより特定の一実施形態では、熱可塑性ポリウレタンは可塑化されていてもよい。一実施形態では、外層は、熱可塑性ウレタンとポリビニルクロリドとの合金を含む。一実施形態では、外層は可撓性ポリビニルクロリドを含む。
【0025】
一実施形態では、外層のフルオロエラストマーとしては、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、ペルフルオロアルコキシ(PFA)、ポリビニリデンフルオリド(PVDF)、又はそれらの任意の組合せが挙げられる。他の一例では、フルオロエラストマーとしては、ビニリデンフルオリドとヘキサフルオロプロピレンとのコポリマー;THV;ビニリデンフルオリドとヘキサフルオロプロピレンとテトラフルオロエチレンとペルフルオロメチルビニルエーテルとのコポリマー;プロピレンとテトラフルオロエチレンとビニリデンフルオリドとのコポリマー;ビニリデンフルオリドとヘキサフルオロプロピレンとテトラフルオロエチレンとペルフルオロメチルビニルエーテルとのコポリマー;又はそれらの任意の組合せが挙げられる。
【0026】
特定の一例では、外層のポリマーとしては、ジエンエラストマーが挙げられる。ジエンエラストマーは、少なくとも1つのジエンモノマーから形成されるコポリマーであり得る。例えば、ジエンエラストマーは、エチレンとプロピレンとジエンモノマー(EPDM)とのコポリマー、熱可塑性EPDM複合材、又はそれらの組合せであり得る。例示的なジエンモノマーとしては、共役ジエン、例えば、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、又は同種のもの;5〜約25個の炭素原子を含む非共役ジエン、例えば、1,4−ペンタジエン、1,4−ヘキサジエン、1,5−ヘキサジエン、2,5−ジメチル−1,5−ヘキサジエン、1,4−オクタジエン、又は同種のもの;環状ジエン、例えば、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、シクロオクタジエン、ジシクロペンタジエン、又は同種のもの;ビニル環状エン、例えば、1−ビニル−1−シクロペンテン、1−ビニル−1−シクロヘキセン、又は同種のもの;アルキルビシクロノナジエン、例えば、3−メチルビシクロ−(4,2,1)−ノナ−3、7−ジエン、又は同種のもの;インデン、例えば、メチルテトラヒドロインデン、又は同種のもの;アルケニルノルボルネン、例えば、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−ブチリデン−2−ノルボルネン、2−メタリル−5−ノルボルネン、2−イソプロペニル−5−ノルボルネン、5−(1,5−ヘキサジエニル)−2−ノルボルネン、5−(3,7−オクタジエニル)−2−ノルボルネン、又は同種のもの;トリシクロジエン、例えば、3−メチルトリシクロ(5,2,1,0
2,6)−デカ−3,8−ジエン、又は同種のもの;又はそれらの任意の組合せが挙げられる。
【0027】
追加的な一例では、外層のポリマーとしては、スチレン系エラストマーが挙げられる。スチレン系エラストマーとしては典型的にはスチレン系ブロックコポリマーが挙げられ、これには例えば、ジブロック、トリブロック、ポリブロック、又はそれらの任意の組合せなど、マルチブロックコポリマーが挙げられる。特定の一実施形態では、スチレン系ブロックコポリマーは、AB単位を有するブロックコポリマーである。典型的には、A単位は、アルケニルアレーン、例えば、スチレン、アルファ−メチルスチレン、パラ−メチルスチレン、パラ−ブチルスチレン、又はそれらの組合せである。特定の一実施形態では、A単位はスチレンである。一実施形態では、B単位としては、アルケン、例えば、ブタジエン、イソプレン、エチレン、ブチレン、プロピレン、又はそれらの組合せが挙げられる。特定の一実施形態では、B単位は、エチレン、イソプレン、又はそれらの組合せである。例示的なスチレン系ブロックコポリマーとしては、トリブロックスチレンブロックコポリマー(SBC)、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)、スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)、スチレン−エチレンブチレン−スチレン(SEBS)、スチレン−エチレンプロピレン−スチレン(SEPS)、スチレン−エチレン−エチレン−ブタジエン−スチレン(SEEBS)、スチレン−エチレン−エチレン−プロピレン−スチレン(SEEPS)、スチレン−イソプレン−ブタジエン−スチレン(SIBS)、又はそれらの組合せが挙げられる。一実施形態では、スチレン系ブロックコポリマーは、飽和である、即ちいかなる遊離オレフィン二重結合をも含有しない。一実施形態では、スチレン系ブロックコポリマーは、少なくとも1つの遊離オレフィン二重結合、即ち不飽和二重結合を含有する。特定の一実施形態では、スチレン系エラストマーは、スチレン−エチレン系コポリマー、スチレンイソプレン系コポリマー、混合物、又はそれらの組合せである。
【0028】
一例では、外層のポリオレフィンエラストマーとしては、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、メチルペンテン、オクテン、又はそれらの任意の組合せなどのモノマーから形成される、ホモポリマー、コポリマー、ターポリマー、合金、又はそれらの任意の組合せが挙げられる。例示的なポリオレフィンエラストマーとしては、高密度ポリエチレン(HDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、ウルトラ低密度若しくは超低密度ポリエチレン(VLDPE)、エチレンプロピレンコポリマー、エチレンブテンコポリマー、ポリプロピレン(PP)、ポリブテン、ポリブチレン、ポリペンテン、ポリメチルペンテン、ポリスチレン、エチレンプロピレンゴム(EPR)、エチレンオクテンコポリマー、それらの混合物、それらの混和物、及び同種のものが挙げられる。ポリオレフィンエラストマーとしては、オレフィン系ランダムコポリマー、オレフィン系インパクトコポリマー、オレフィン系ブロックコポリマー、オレフィン系特殊エラストマー、オレフィン系特殊プラストマー、それらの混合物、それらの混和物、及び同種のものがさらに挙げられる。
【0029】
特定の一例では、外層のポリマーは、接着性を有する。接着性ポリマーの場合、ポリマー内で化学的に活性な官能基をポリマー鎖にグラフトすることによるか、別の化学成分をポリマーのマトリクスの中に取り込むことによるか、いずれかによるポリマーへの修飾が、ポリマーとそれが直接隣接する層との間の接着の向上につながる。任意の化学的に活性な官能基又は化学的成分が想定される。
【0030】
一実施形態では、外層のポリマーは、望ましいショア硬度を有する。特定の一実施形態では、外層の溶融加工可能なポリマーは、内層の溶融加工可能なフルオロポリマーのショア硬度より低いショア硬度を有する。例えば、外層は、約80未満、例えば約40〜約80、又はさらには約70〜約80のショアA硬度を有するポリマーから形成される。
【0031】
他の一例では、外層のポリマーは、さらに望ましい特性を有する。例えば、外層のポリマーは、ジュロメーター(即ち硬度)、引っ張り強さ、伸び、及び可撓性の試験の組合せによって定義した場合、内層より大幅に高い可撓性を有する。一実施形態では、ASTM D1646に基づいて、外層は150%超の回復可能変形を有し、内層は150%未満の回復可能変形を有する。
【0032】
例示的な一実施形態では、外層のポリマーは、架橋結合剤、架橋助剤、光開始剤、フィラー、可塑剤、又はそれらの任意の組合せなど、任意適切な添加剤をさらに含み得る。外層のポリマー組成物の架橋結合を増加及び/又は向上させる任意の架橋助剤が想定される。さらなる一実施形態では、架橋助剤の使用は、架橋助剤を含まない外層に比べて、小分子の透過が低減され、外層の弾性回復が改善されるなど、望ましい特性を提供し得る。例えば、ビスフェノールAF、トリアリールイソシアヌラート(TAIC)、トリアリールシアヌラート(TAC)、有機ペルオキシド、又はそれらの組合せなど、任意の架橋助剤が想定される。任意適切な量の架橋助剤が想定される。あるいは、外層のポリマーは、架橋結合剤、架橋助剤、光開始剤、フィラー、可塑剤、又はそれらの組合せが実質的になくてもよい。「実質的にない」は、本明細書で使用される場合、外層のポリマーの合計重量の約1.0重量%未満、又はさらには約0.1重量%未満を指す。
【0033】
一例では、
図1は、少なくとも2つの層を有する例示的な多層可撓性チューブ100の図示を含む。例えば、内層102は、外層104に接着され得る。特に、内層と外層(102、104)は、接着層など、いかなる介在層もなく、直接接触している。内層102は、流体が通過流動する通路を画定する内ルーメン106を有する。上述のように、内層102は、典型的には溶融加工可能なフルオロポリマーであり、外層104は、典型的には溶融加工可能なポリマーである。
【0034】
図1に戻ると、外層104は、内層102より大きい厚さを有し得る。例えば、多層可撓性チューブ100の層の合計の厚さは、少なくとも3ミル〜約1000ミル、例えば約3ミル〜約500ミル、又はさらには約3ミル〜約100ミルであり得る。一実施形態では、内層102は、約0.1ミル〜約100ミルの範囲、例えば約0.5ミル〜約100ミルの範囲、例えば約1ミル〜約100ミルの範囲、例えば約1ミル〜約50ミルの範囲、例えば約1ミル〜約10ミルの範囲、又はさらには約1ミル〜約2ミルの範囲の厚さを有する。上記の差を、外層104と任意の他の層とが埋めることができる。一例では、外層104は、約0.1ミル〜約100ミルの範囲、例えば約1ミル〜約100ミルの範囲、例えば約2ミル〜約50ミルの範囲、又はさらには約5ミル〜約50ミルの範囲の厚さを有し得る。さらなる一例では、内層102の厚さに対する外層104の厚さの比率は、少なくとも約1.0、例えば少なくとも約1.5、例えば少なくとも約2.0、例えば少なくとも約5.0、又はさらには少なくとも約10.0である。
【0035】
一実施形態では、少なくとも1つの層が、内層102と外層104の間の接着を改善するように処理され得る。2つの隣接する層の間の接着を向上させる任意の処理が想定される。例えば、外層104に直接隣接する、内層102の表面が処理される。さらに、内層102に直接隣接する、外層104の表面が処理される。一実施形態では、処理としては、表面処理、化学的処理、ナトリウムエッチング、下塗り剤の使用、又はそれらの任意の組合せが挙げられる。一実施形態では、処理としては、コロナ処理、UV処理、電子ビーム処理、火炎処理、スカフィング、ナトリウムナフタレン表面処理、又はそれらの任意の組合せが挙げられる。
【0036】
一実施形態では、任意の後硬化ステップが想定され得る。特に、後硬化ステップとしては、任意の放射線処理、例えば、eビーム処理、ガンマ線処理、又はそれらの組合せなどが挙げられる。一例では、ガンマ線放射又はeビーム放射は、約0.1MRad〜約50MRadにおいてのものある。特定の一実施形態では、放射線処理は、層間及び/又は層中の架橋結合を増加させるように提供され得る。
【0037】
図1では2つの層しか例示されていないが、多層可撓性チューブ100は追加的な層(図示せず)をさらに含み得る。結合層、エラストマー層、補強層、又はそれらの任意の組合せなど、任意の追加的な層が想定され得る。追加的な層は、内層及び外層に対して任意の位置が想定される。例えば、外層104の表面108に、追加的なエラストマー層が配置され得る。他の一例では、補強層(図示せず)などの追加的な層が、外層104の表面108に近接して配置された追加的な層の中又は間に組み込まれ得る。一実施形態では、補強層は、内層102と外層104の間に配置され得る。例示的な補強層としては、ポリエステル、接着修飾ポリエステル(adhesion modified polyester)、ポリアミド、ポリアラミド、ガラス、金属、又はそれらの組合せなどの材料から形成された線材、繊維、織布などの織物、編物、又はそれらの任意の組合せが挙げられる。
【0038】
さらなる一例では、
図2は、2つよりも多い層を含む多層可撓性チューブ200の図示を含む。一実施形態では、チューブ200は、内層202、外層204、及び結合層206を含む。例えば、内層202は、結合層206に直接接触し得る。特定の一例では、内層202は、チューブの内面208を形成する。結合層206は、介在層なしで、内層202に直接結合され得る。特に、結合層206は、外層204への内層202の接着を向上させるために提供される。外層204は、結合層206に直接接触して周設され得る。外層204は、上に記載の通りに外層である。
【0039】
例えば、結合層206は任意適切なポリマーであり得る。例示的な一実施形態では、結合層206は、熱可塑性材料を含む。例えば、熱可塑性材料は、天然又は合成を起源とする架橋性エラストマーのポリマーなど、熱可塑性エラストマーを含み得る。例えば、例示的なエラストマー材料としては、シリコーン、天然ゴム、ウレタン、オレフィンのエラストマー、ジエンエラストマー、オレフィン系エラストマーとジエン系エラストマーとの混合物、フルオロポリマー、ペルフルオロエラストマー、又はそれらの任意の組合せが挙げられる。一実施形態では、結合層206は、ウレタン、例えば熱可塑性ウレタンであり得る。一実施形態では、結合層206は、内層のフルオロポリマーと、外層用に記載したポリマーとのポリマー混合物であり得る。さらなる例示的な結合層206の材料は、EVOH、アクリラート、アクリラートコポリマー、アセタールコポリマー、及び高極性をもった熱可塑性物質であり得る。
【0040】
特定の一実施形態では、結合層206は、ヘキサフルオロプロピレンとポリビニリデンフルオリドとのフルオロポリマーコポリマーと、熱可塑性ウレタンとの混合物を含む。一例では、熱可塑性ウレタンとフルオロポリマーコポリマーとの混合物は、容積測定の混合物の比率が50:50であり、各材料の比重により、結果的に60:40の混合比率に近くなるものである。結合層206と、それが直接隣接する例えば外層204、内層202、又はそれらの組合せなど、少なくとも1つの層との接着を向上させるために、結合層206は、結合層206のポリマーに添加される接着促進剤をさらに含み得る。例えば、接着促進剤としては、無水マレイン酸グラフトPVDF、シラン系接着促進剤、エポキシ系化学物質、EVOH、アクリラートポリマー、アクリラートコポリマー、アセタールコポリマー、高極性をもった熱可塑性物質、又はそれらの組合せを含む接着促進剤が挙げられる。
【0041】
例示的な一実施形態では、結合層のポリマーは、任意適切な添加剤、例えば、架橋結合剤、架橋助剤、光開始剤、フィラー、可塑剤、又はそれらの任意の組合せをさらに含み得る。結合層のポリマー組成物の架橋結合を増加及び/又は向上させる任意の架橋助剤が想定される。さらなる一実施形態では、架橋助剤の使用は、架橋助剤を含まない結合層に比べて、小分子の透過が低減され、結合層の弾性回復が改善されるなど、望ましい特性を提供し得る。例えば、ビスフェノールAF、トリアリールイソシアヌラート(TAIC)、トリアリールシアヌラート(TAC)、有機ペルオキシド、又はそれらの組合せなど、任意の架橋助剤が想定される。任意適切な量の架橋助剤が想定される。あるいは、結合層は、架橋結合剤、架橋助剤、光開始剤、フィラー、可塑剤、又はそれらの組合せが実質的になくてもよい。「実質的にない」は、本明細書で使用される場合、結合層のポリマーの合計重量の約1.0重量%未満、又はさらには約0.1重量%未満を指す。
【0042】
図1に関連して一般的に記載される層の厚さが適用されるが、多層可撓性チューブ200の合計の厚さは、約3ミル〜約1000ミル、例えば約3ミル〜約500ミル、又はさらには約3ミル〜約100ミルであり得る。一実施形態では、内側ライナー202は、約0.5ミル〜約50ミル、例えば、約0.5ミル〜約20ミル、例えば、約1ミル〜約10ミル、又はさらには約1ミル〜約2ミルの範囲の厚さを有してもよく、結合層206と外層204が上記の差を埋める。特定の一実施形態では、外層204は、内側ライナー202よりも大きい厚さを有する。より特定の一実施形態では、内側ライナー202は、結合層206よりも大きい厚さを有する。例えば、結合層206は、約0.01ミル〜約100ミル、例えば約0.1ミル〜約100ミルの範囲、例えば約0.5ミル〜約50ミルの範囲、例えば約0.5ミル〜約10ミルの範囲、例えば約1ミル〜約10ミルの範囲、又はさらには約1ミル〜約5ミルの範囲の厚さを有し得る。
【0043】
図2では3つの層しか例示されていないが、多層可撓性チューブ200は追加的な層(図示せず)をさらに含み得る。追加的な結合層、エラストマー層、補強層、又はそれらの組合せなど、任意の追加的な層が想定され得る。追加的な層は、多層可撓性チューブ200に対して任意の位置が想定される。例えば、外層204の表面210に、追加的なエラストマー層が配置され得る。他の一例では、補強層(図示せず)などの追加的な層が、外層204の表面210に近接して配置された追加的な層の中又は間に組み込まれ得る。一実施形態では、補強層は、内層202と外層204の間に配置され得る。例示的な補強層としては、ポリエステル、接着修飾ポリエステル、ポリアミド、ポリアラミド、ガラス、金属、又はそれらの組合せなどの材料から形成された線材、繊維、織布などの織物、編物、又はそれらの任意の組合せが挙げられる。
【0044】
特定の一実施形態では、流体導管などの多層可撓性チューブは、フルオロポリマーを含む内層を提供することと、例えば、介在接着性又は結合増強性の層なしで、内層の結合表面に直接接触するように外層を適用することとによって形成される。フルオロポリマーは、想定される任意の方法によって提供されてもよく、内層のために選ばれるフルオロポリマーによって決まる。一実施形態では、フルオロポリマーは、押出し成形されるか、射出成形されるか、又はマンドレル巻き(mandrel wrapped)される。例示的な一実施形態では、フルオロポリマーは、押出し成形される。一例では、内層の結合表面には、表面処理が施される。一実施形態では、フルオポリマー(fluopolymer)は、多層可撓性チューブに対する任意のさらなる層の適用の後又は間に硬化され得る。内層は、熱、放射線、又はそれらの任意の組合せによるなど、種々の硬化技術を用いて適切に硬化され得る。
【0045】
外層は、上に記載のポリマーを含む。ポリマーは、想定される任意の方法によって提供されてもよく、外層のために選ばれるポリマーによって決まる。本方法は、任意の方法によって外層を提供することをさらに含み得る。外層を提供することは、外層のために選ばれるポリマー材料によって決まる。一実施形態では、外層は、押出し成形されるか、又は射出成形される。例示的な一実施形態では、外層は、押出し成形され得る。特定の一実施形態では、外層はフルオロポリマー層上に押出し成形され、外層は硬化される。また、外層は、熱、放射線、又はそれらの任意の組合せによるなど、種々の硬化技術を用いて適切に硬化され得る。
【0046】
特定の一実施形態では、第1のポリマーは溶融加工可能なフルオロポリマー層であり、外層は溶融加工可能なポリマーである。例示的な一実施形態では、内層は、フルオロポリマーを押出し成形粘度になるまで加熱し、フルオロポリマーを押出し成形して内層を形成することによって提供される。外層は、ポリマーを押出し成形粘度になるまで加熱し、次いでポリマーを押出し成形することによって提供される。特定の一実施形態では、内層のフルオロポリマーの粘度と外層のポリマーの粘度との差は、加工の改善をもたらすように、25%以下、例えば20%以下、10%以下、又はさらには0%である。理論に縛られるものではないが、粘度が似ていることが外層への内層の接着を改善することが推量される。
【0047】
一実施形態では、外層が内層の上にあり、それらの間に結合層が配置され得る。結合層が用いられる場合、それは典型的には、想定される任意の方法によって提供され、結合層のために選ばれる材料によって決まる。例えば、結合層は押出し成形され得る。特定の一実施形態では、結合層はフルオロポリマー層に直接接触するように押出し成形される。一実施形態においては、かつ、選ばれる材料によっては、結合層は硬化されてもよい。また、結合層は、熱、放射線、又はそれらの任意の組合せによるなど、種々の硬化技術を用いて適切に硬化され得る。一実施形態では、結合層は、外層の適用の後又は間に硬化され得る。一実施形態では、結合層は、ポリマーを押出し成形粘度になるまで加熱し、次いでポリマーを押出し成形することによって提供される。特定の一実施形態では、結合層は、内層、外層、又はそれらの差と相対的に同等な押出し成形粘度になるまで加熱される。理論に縛られるものではないが、粘度が似ていることが内層と外層への結合層の接着を改善することが推量される。一例では、外層は、結合層に直接接触するように配置される。
【0048】
多層可撓性チューブとして一般的に記載されているが、任意の適切なポリマー物品が想定され得る。ポリマー物品は、代わりに、フィルム、ワッシャー、又は流体導管の形を取り得る。例えば、ポリマー物品は、形、又は積層物などのフィルム、又は隔壁若しくはワッシャーなどの平面状の物品を取り得る。他の一例では、ポリマー物品は、流体導管、例えばチューブ類、パイプ、ホース、又はより詳しくは、可撓性チューブ類、移送チューブ類、ポンプチューブ類、耐化学性チューブ類、高純度チューブ類、滑腔チューブ類、フルオロポリマー裏打ちパイプ、若しくは硬質管、又はそれらの任意の組合せの形を取り得る。
【0049】
特定の一実施形態では、ポリマー混合物は、チューブ類及びホース類を生産するために用いられ得る。例えば、ポリマー混合物は、燃料ポンプチューブ類、強化ホース類、耐化学性ホース類、編上げホース類、並びに蠕動ポンプホース類及びチューブ類を生産するためにチューブ類又はホース類として用いられ得る。特定の一実施形態では、多層可撓性チューブ類は、燃料チューブ、蠕動ポンプチューブ、例えば化学品又は洗浄剤分配用のもの、又は液体移送チューブ、例えば耐化学性液体移送チューブである。
【0050】
チューブ類は、チューブの中央のルーメンを画定する内面を含む。例えば、特定の選ばれた用途のための任意の有用な径サイズを有するチューブ類が提供され得る。一実施形態では、チューブ類は、約5.0インチ(約12.7cm)以下、例えば約0.25インチ(約0.635cm)、0.50インチ(約1.27cm)、及び1.0インチ(約2.54cm)の外径(OD)を有し得る。一実施形態では、チューブ類は、約0.03インチ(約0.0762cm)〜約4.00インチ(約10.16cm)、例えば約0.06インチ(約0.1524cm)〜1.00インチ(約2.54cm)の内径(ID)を有し得る。記載される多層可撓性チューブ類は、有利なことには、寿命の増加など、所望の特性を示す。例えば、多層可撓性チューブは、Cole Parmer EZ Load IIポンプヘッドによって、600RPM、背圧ゼロで、水をポンピング媒体として試験した場合に、少なくとも約12時間の連続運転使用のポンプ寿命を有し得る。
【0051】
実施形態では、得られる多層可撓性チューブは、さらに望ましい物理的及び機械的特性を有し得る。一実施形態では、多層可撓性チューブは、SAE J30及びSAE J1737(カリフォルニア大気資源局準拠)によって測定した場合、燃料透過に対して、約15g/日/m
2未満の望ましい耐性を有する。さらに、内層及び外層は、110°Fで少なくとも2週間後に、燃料への曝露後の層分離に対して耐性がある。一実施形態では、多層可撓性チューブは、ねん転に耐性があり、かつ透明又は少なくとも半透明に見える。例えば、多層可撓性チューブは、可視光波長範囲において、約2%超又は約5%超の光透過率を有し得る。特に、多層可撓性チューブは、望ましい可撓性かつ実質的な透明性又は半透明性を有する。例えば、多層可撓性チューブは、少なくとも0.5インチ(約1.27cm)の曲げ半径を有する。例えば、有利なことには、多層可撓性により、低ジュロメーターチューブを生産し得る。例えば、多層可撓性チューブは、約35〜約90のショアAジュロメーターを有し、例えば、望ましい機械的特性を有する約55〜約70のものが形成され得る。かかる特性は、可撓性材料を示すものである。
【0052】
さらに、多層可撓性チューブは、紫外線光に曝露された場合に有利な物理的特性を有する。例えば、多層可撓性チューブは、約60℃で450時間以上、0.90放射量の紫外線光に曝露された場合、ひびが入らない。さらに、多層可撓性チューブは、ASTM D790によって測定して少なくとも約10,000、例えば約10,000〜約20,000の曲げ弾性率を有する。
【0053】
多層可撓性チューブ類の用途は数多い。例示的な一実施形態では、多層可撓性チューブ類は、耐化学性、及び/又はガス及び炭化水素に対する低透過性、及び/又は高純度が所望される、工業、廃水、デジタルプリント機器、自動車などの用途、又は他の用途で用いられ得る。
【0054】
多くの異なる態様及び実施形態が可能である。それらの態様及び実施形態のいくつかは本明細書に記載される。本明細書を読んだ後に当業者は、それらの態様及び実施形態は例示的に過ぎず、本発明の範囲を限定しないということを理解するものである。実施形態は、以下に列記される項目のいずれか1つ又は複数に従い得る。
【0055】
項目1. 溶融加工可能なフルオロポリマーを含む内層であって、前記フルオロポリマーがポリビニリデンフルオリド(PVDF)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)とのコポリマーを含む内層と、内層のショア硬度より低いショア硬度を有する溶融加工可能なポリマーを含む外層とを含む、多層可撓性チューブ。
【0056】
項目2. 溶融加工可能なフルオロポリマーを含む内層であって、前記フルオロポリマーがポリビニリデンフルオリド(PVDF)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)とのコポリマーを含む内層を提供することと、前記内層のショア硬度より低いショア硬度を有する溶融加工可能なポリマーを含む外層を提供することとを含む、多層可撓性チューブの製作方法。
【0057】
項目3. 前記ポリビニリデンフルオリドと前記ヘキサフルオロプロピレンとのコポリマーは、1:99〜99:1、例えば約20:80〜80:20、又は約40:60〜60:40のモル濃度である、項目1〜2に記載のいずれかの多層チューブ、又は多層可撓性チューブの製作方法。
【0058】
項目4. 前記ポリビニリデンフルオリドと前記ヘキサフルオロプロピレンとの前記コポリマーは、約95未満のショアD、例えば約80のショアA〜約95のショアD、例えば約80のショアA〜約65のショアD、例えば約85〜約90のショアAを有する、項目1〜3のいずれかに記載の多層可撓性チューブ又は多層可撓性チューブの製作方法。
【0059】
項目5. 前記外層は、熱可塑性ポリウレタン、熱硬化性ウレタン、フルオロエラストマー、EPDM、熱可塑性EPDM複合材、スチレン−エチレン系コポリマー、スチレンイソプレン系コポリマー、ポリオレフィンエラストマー、PVC、イソプレン、熱可塑性イソプレン複合材、混合物、合金、又はそれらの任意の組合せである、項目1〜4のいずれかに記載の多層可撓性チューブ又は多層可撓性チューブの製作方法。
【0060】
項目6. 前記外層は、熱可塑性ポリウレタン、PVC、合金、又はそれらの任意の組合せである、項目5に記載の多層可撓性チューブ又は多層可撓性チューブの製作方法。
【0061】
項目7. 前記外層は、約80未満、例えば約40〜約80、又はさらには約70〜約80のショアA硬度を有する、項目1〜6のいずれかに記載の多層可撓性チューブ又は多層可撓性チューブの製作方法。
【0062】
項目8. 前記内層は、前記外層に直接接するように配置される、項目1〜7のいずれかに記載の多層可撓性チューブ又は多層可撓性チューブの製作方法。
【0063】
項目9. 前記内層と前記外層の間に配置される結合層をさらに含む、項目1〜8のいずれかに記載の多層可撓性チューブ又は多層可撓性チューブの製作方法。
【0064】
項目10. 前記結合層は、熱可塑性ウレタン、ヘキサフルオロプロピレンとポリビニリデンフルオリドとのフルオロポリマーコポリマーと熱可塑性ウレタンとの混合物、又はそれらの組合せを含む、項目9に記載の多層可撓性チューブ又は多層可撓性チューブの製作方法。
【0065】
項目11. 前記結合層は、接着促進剤をさらに含み、前記接着促進剤は、無水マレイン酸グラフトPVDF、シラン系接着促進剤、エポキシ系化学物質、EVOH、アクリラートポリマー、アクリラートコポリマー、アセタールコポリマー、高極性をもった熱可塑性物質、又はそれらの組合せを含む、項目9又は10に記載の多層可撓性チューブ又は多層可撓性チューブの製作方法。
【0066】
項目12. 前記可撓性チューブは、SAE J30及びSAE J1737によって測定した場合、燃料透過に対して約15g/日/m
2未満の耐性を有する、項目1〜11のいずれかに記載の多層可撓性チューブ又は多層可撓性チューブの製作方法。
【0067】
項目13. 前記多層可撓性チューブは、約10,000未満、例えば約10,000〜約20,000の曲げ弾性率を有する、項目1〜12のいずれかに記載の多層可撓性チューブ又は多層可撓性チューブの製作方法。
【0068】
項目14. 多層可撓性チューブは、Cole Parmer EZ Load IIポンプヘッドによって、600RPM、背圧ゼロで試験した場合に、少なくとも12時間の連続運転使用の寿命を有する、項目1〜13のいずれかに記載の多層可撓性チューブ又は多層可撓性チューブの製作方法。
【0069】
項目15. 前記内層及び前記外層は、110°Fで少なくとも2週間後に、燃料への曝露後の層分離に対して耐性がある、項目1〜14のいずれかに記載の多層可撓性チューブ又は多層可撓性チューブの製作方法。
【0070】
項目16. 前記多層可撓性チューブは、約60℃で450時間以上、0.90放射量の紫外線光に曝露された場合、ひびが入らない、項目1〜15のいずれかに記載の多層可撓性チューブ又は多層可撓性チューブの製作方法。
【0071】
項目17. 前記多層可撓性チューブは、燃料チューブ、蠕動ポンプチューブ、又は耐化学性液体移送チューブである、項目1〜16のいずれかに記載の多層可撓性チューブ又は多層可撓性チューブの製作方法。
【0072】
項目18. 前記内層、前記外層、又はそれらの組合せは架橋助剤をさらに含む、項目1〜17のいずれかに記載の多層可撓性チューブ又は多層可撓性チューブの製作方法。
【0073】
項目19. 前記架橋助剤は、ビスフェノールAF、トリアリールイソシアヌラート(TAIC)、トリアリールシアヌラート(TAC)、有機ペルオキシド、又はそれらの組合せを含む、項目18に記載の多層可撓性チューブ又は多層可撓性チューブの製作方法。
【0074】
項目20. 約0.1MRad〜約50MRadでのガンマ線放射又はeビーム放射によるなど、前記多層可撓性チューブに放射を行うことをさらに含む、項目18又は19に記載の多層可撓性チューブ又は多層可撓性チューブの製作方法。
【0075】
項目21. 前記内層を提供すること及び前記外層を提供することは、前記フルオロポリマーを押出し成形粘度になるまで加熱し、前記外層の前記ポリマーを押出し成形粘度になるまで加熱することを含み、前記フルオロポリマーの前記押出し成形粘度と前記ポリマーの前記押出し成形粘度の差が25%以下である、項目1〜20のいずれかに記載の、多層可撓性チューブの製作方法。
【0076】
項目22. 前記内層、前記外層、又はそれらの差と相対的に同等な押出し成形粘度になるまで結合層を加熱することをさらに含む、項目21に記載の、多層可撓性チューブの製作方法。
【0077】
項目23. 前記内層、前記外層、前記結合層、又はそれらの組合せを押出し成形することをさらに含む、項目21又は22に記載の多層可撓性チューブ又は多層可撓性チューブの製作方法。
【0078】
項目24. 溶融加工可能なフルオロポリマーを含む内層であって、前記フルオロポリマーがポリビニリデンフルオリド(PVDF)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)とのコポリマーを含む内層と、前記内層のショア硬度より低いショア硬度を有する溶融加工可能なポリマーを含む外層と、前記内層と前記外層の間に配置される結合層であって、熱可塑性ウレタン、ヘキサフルオロプロピレンとポリビニリデンフルオリドとのフルオロポリマーコポリマーと熱可塑性ウレタンとの混合物、又はそれらの組合せを含む結合層とを含む、多層可撓性チューブ。
【0079】
項目25. 前記外層は、熱可塑性ポリウレタン、熱硬化性ウレタン、フルオロエラストマー、EPDM、熱可塑性EPDM複合材、スチレン−エチレン系コポリマー、スチレンイソプレン系コポリマー、ポリオレフィンエラストマー、PVC、イソプレン、熱可塑性イソプレン複合材、混合物、合金、又はそれらの任意の組合せである、項目24に記載の多層可撓性チューブ。
【0080】
項目26. 前記外層は、熱可塑性ポリウレタン、PVC、合金、又はそれらの任意の組合せである、項目25に記載の多層可撓性チューブ。
【0081】
項目27. 溶融加工可能なフルオロポリマーを含む内層であって、前記フルオロポリマーがポリビニリデンフルオリド(PVDF)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)とのコポリマーを含む内層と、前記内層のショア硬度より低いショア硬度を有する溶融加工可能なポリマーを含む外層とを含み、前記内層、前記外層、又はそれらの組合せは、ビスフェノールAF、トリアリールイソシアヌラート(TAIC)、トリアリールシアヌラート(TAC)、有機ペルオキシド、又はそれらの組合せを含む架橋助剤を含む、多層可撓性チューブ。
【0082】
項目28. 約0.1MRad〜約50MRadでのガンマ線放射又はeビーム放射によるなど、前記多層可撓性チューブに放射を行う、項目27に記載の多層可撓性チューブ。
【0083】
本発明の方法及び組成物をより良く開示し教示するために以下の実施例が提供される。それらは例示目的のためであるに過ぎず、その後に続く特許請求の範囲に記載される本発明の精神及び範囲に実質的に影響することなく軽微な変形及び変更が行われ得ることが認められなければならない。
【実施例】
【0084】
二層チューブ及び三層チューブを形成する。二層チューブは、ポリビニリデンフルオリド(PVDF)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)とのコポリマー(Arkema Inc.から市販される「Kynar Ultraflex」)の内層を熱可塑性ポリウレタンの外層とともに押出し成形することによって形成する。3つの二層チューブを同じ材料で、但し内層に異なる厚さをもたせて、形成する。三層チューブ(341−167−1)は、ポリビニリデンフルオリド(PVDF)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)とのコポリマー(Arkema Inc.から市販される「Kynar Ultraflex」)の内層、熱可塑性ポリウレタン/ポリビニルクロリドの合金の外層、並びにヘキサフルオロプロピレンとポリビニリデンフルオリドとのフルオロポリマーコポリマーと熱可塑性ウレタンとの混合物の結合層を押出し成形することによって形成する。三層チューブ(LP−1100)は、ポリビニリデンフルオリド(PVDF)とヘキサフルオロプロピレン(HFP)とのコポリマー(Arkema Inc.から市販される「Kynar 2500」)の内層と可撓性ポリビニルクロリド(PVC)の外層を熱可塑性ポリウレタンの結合層とともに押出し成形することによって形成する。これらのチューブを単層の可撓性ポリビニルクロリドチューブと比較する。チューブの例は表1にみることができる。
【0085】
【表1】
【0086】
試料は透過試験にかける。透過試験は、J30かJ1737のいずれかによって行う。結果を表2にみることができる。明らかに、本発明の二層構造物及び三層構造物は、可撓性ポリビニルクロリドチューブに比較して、望ましく低い透過率を有する。
【0087】
【表2】
【0088】
表3は、室温及び110°Fの高温での、燃料等級の異なる試料におけるチューブの体積変化を示す。結果は、多層チューブの160−136−1及びLP−1100に対するものである。
【0089】
【表3】
【0090】
望ましい体積変化のパーセンテージは、30%未満、25%、20%、さらには例えば15%未満である。
【0091】
表4は、室温及び110°Fの高温での、燃料等級の異なる試料における例示的なチューブの継手引き外し(Fitting Pull Off)(ポンド−力)を示す。結果は、多層チューブの160−136−1及びLP−1100に対するものである。
【0092】
【表4】
【0093】
表5は、室温及び110°Fの高温での、燃料の異なる試料におけるチューブの継手引き外し(ポンド−力)を示す。結果は、341−167−1(三層チューブ)に対するものである。
【0094】
【表5】
【0095】
表6は、室温及び110°Fの高温での、湿潤状態にある燃料等級の異なる試料におけるチューブの継手引き外し(ポンド−力)を示す。結果は、多層チューブの160−136−1及びLP−1100に対するものである。
【0096】
【表6】
【0097】
標準対照の継手引き外し(ポンド−力)を測定し、結果は表7に見ることができる。
【0098】
【表7】
【0099】
一般的に、高い継手引き外し値は、湿潤及び乾燥の両方の状態に望ましいが、補修を容易にするために、継手の低い引き外し力と望ましく釣り合いが取られる。
【0100】
押し込み力(Force to Push On)(ポンド−力)を表8に見ることができる。表9は、引き抜き力(Pull Through Force)(ポンド−力)、UV試験、及び圧力試験の結果を示す。UV試験は、ANSI B175.2 付属書D.1によって行った。
【0101】
【表8】
【0102】
【表9】
【0103】
二層及び三層の例示的なチューブは、可撓性及び対押し力(force on push)など、さらに望ましい特性を有する。さらに、本発明の例示的なチューブは、望ましく低い引き抜き力を有する。望ましい引き抜き力は、20ポンド−力未満である。さらには、例示的なチューブはUV試験に合格しており、望ましい圧力試験結果を有し、これは漏れのないことの表れである。5%で、表9にみられるチューブは漏れなかった。表10は、例示的なチューブに対する、締めしろ(interference)10%での弾性データである。
【0104】
【表10】
【0105】
チューブ類を、10%の締りばめによって所定の率で引き通す。チューブ類の長さを前後に測定する。一般的に、チューブの長さの変化0%が望ましい。
【0106】
一般的な説明又は実施例で上記した活動のすべてが必要とされるとは限らないこと、具体的な活動の一部が必要とされないこともあること、及び記載したものに加えて、1つ又は複数のさらなる活動が行われ得ることに留意されたい。なおさらに、活動が列挙される順序は、必ずしもそれらが行われる順序ではない。
【0107】
上述の明細書において、概念は、具体的な実施形態への言及とともに記載した。しかし、当業者は、以下の特許請求の範囲に示されるとおりの本発明の範囲から逸脱することなしに、様々な変形及び変更が行われ得ることを理解する。したがって、本明細書及び図は、限定的というよりもむしろ例証的な意味で考慮されるべきであり、このような変形のすべては、本発明の範囲内に含まれることが意図される。
【0108】
利益、他の利点、及び問題に対する解決策は、具体的な実施形態に関して上に記載した。しかし、利益、利点、問題に対する解決策、及び利益、利点、又は解決策を生じさせる又はより顕著にさせ得る任意の特徴(複数可)は、特許請求の範囲のいずれか又はすべての、決定的な、必要な、又は必須の特徴と解釈されるべきではない。
【0109】
本明細書を読んだ後に、当業者は、ある種の特徴が、明確にするために、本明細書で別個の実施形態の文脈で記載され、また、単一の実施形態において組み合わせて提供され得ることを理解する。逆に、簡潔にするために、単一の実施形態の文脈で記載される様々な特徴は、別個に又は任意のサブコンビネーションでも提供され得る。さらに、範囲において記載される値への言及は、その範囲内のそれぞれの及びあらゆる値を含む。