(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6571681
(24)【登録日】2019年8月16日
(45)【発行日】2019年9月4日
(54)【発明の名称】フレキシブルデュプレックスを処理するための方法及び装置
(51)【国際特許分類】
H04W 28/08 20090101AFI20190826BHJP
H04W 28/06 20090101ALI20190826BHJP
H04W 72/04 20090101ALI20190826BHJP
H04L 27/26 20060101ALI20190826BHJP
H04L 1/00 20060101ALI20190826BHJP
【FI】
H04W28/08
H04W28/06 130
H04W72/04 131
H04L27/26 113
H04L1/00 E
【請求項の数】20
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2016-562767(P2016-562767)
(86)(22)【出願日】2015年4月15日
(65)【公表番号】特表2017-517930(P2017-517930A)
(43)【公表日】2017年6月29日
(86)【国際出願番号】KR2015003782
(87)【国際公開番号】WO2015160184
(87)【国際公開日】20151022
【審査請求日】2018年1月9日
(31)【優先権主張番号】201410154276.5
(32)【優先日】2014年4月17日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】503447036
【氏名又は名称】サムスン エレクトロニクス カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 允辰
(74)【代理人】
【識別番号】100140534
【弁理士】
【氏名又は名称】木内 敬二
(72)【発明者】
【氏名】インヤン・リ
(72)【発明者】
【氏名】ジンシン・フ
(72)【発明者】
【氏名】シチャン・ジャン
(72)【発明者】
【氏名】チェンジュン・スン
【審査官】
田畑 利幸
(56)【参考文献】
【文献】
特開2002−345014(JP,A)
【文献】
特表2013−543671(JP,A)
【文献】
国際公開第2014/052645(WO,A1)
【文献】
国際公開第2013/134462(WO,A2)
【文献】
特表2011−511596(JP,A)
【文献】
特表2007−529934(JP,A)
【文献】
特表2016−500940(JP,A)
【文献】
特表2015−515775(JP,A)
【文献】
Huawei, HiSilicon,"Motivation of New SI proposal: Evolving LTE with Flexible Duplex for Traffic Adaptation",3GPP TSG RAN Meeting #63 RP-140062,[online],2014年 2月25日,pages 1-2,[検索日 2019.07.04],URL,https://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/TSG_RAN/TSGR_63/Docs/RP-140062.zip
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00−99/00
H04L 1/00− 1/24
H04L 27/00−27/38
3GPP TSG RAN WG1−4
SA WG1−4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレキシブルデュプレックスアップリンク(flexible duplex uplink;FD-UL)キャリアとフレキシブルデュプレックスダウンリンク(flexible duplex downlink;FD-DL)キャリアを含むフレキシブルデュプレックスセルでデータを処理するための方法であって、
UEにより、フレキシブルデュプレックスの設定情報を受信するステップと、ここで、前記フレキシブルデュプレックスの設定情報は、前記FD-ULキャリアが少なくとも一つのダウンリンクサブフレームを含み、前記FD-DLキャリアが少なくとも一つのアップリンクサブフレームを含むことを示し、
前記受信したフレキシブルデュプレックスの設定情報と、前記フレキシブルデュプレックスセルのアップリンク及びダウンリンクサブフレーム分配に基づいて、前記FD-ULキャリアと前記FD-DLキャリアで、前記UEによりデータを送信及び受信するステップと、を有する
ことを特徴とする方法。
【請求項2】
一周期で、必要なアップリンク(UL)サブフレームリソースがダウンリンク(DL)サブフレームリソースより少ないか又は同一である場合、前記FD-ULキャリア上の少なくとも一つのサブフレームは、ダウンリンクサブフレームであり、前記FD-DLキャリア上のすべてのサブフレームは、ダウンリンクサブフレームであり、
一周期で、前記必要なULサブフレームリソースが前記DLサブフレームリソースより多い場合、前記FD-ULキャリア上のすべてのサブフレームは、アップリンクサブフレームであり、前記FD-DLキャリア上の少なくとも一つのサブフレームは、アップリンクサブフレームであり、
前記フレキシブルデュプレックスセルの前記FD-DLキャリア及び前記FD-DLキャリアに対して、前記FD-DLキャリアは、逆方向周波数分割デュプレックス(frequency division duplex;FDD)を使用するUEのためのダウンリンク伝送に使用されるキャリアであり、前記FD-ULキャリアは、前記逆方向FDDを使用するUEのためのアップリンク伝送に使用されるキャリアである
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記フレキシブルデュプレックスセルのアップリンク及びダウンリンクサブフレーム分配は準静的な設定を通じて獲得され、あるいは
前記フレキシブルデュプレックスセルのアップリンク及びダウンリンクサブフレーム分配は、再設定ダウンリンク制御情報(DCI)を通じて獲得される
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記再設定DCIは、前記FD-DLキャリア上で伝送される
ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記フレキシブルデュプレックスセルがUEのセカンダリセルである場合、前記フレキシブルデュプレックスセルのアップリンク及びダウンリンクサブフレーム分配は、前記端末のプライマリセルの再設定DCIで獲得される
ことを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記FD-ULキャリア上でのアップリンク及びダウンリンクサブフレーム分配は、前記再設定DCIに基づいて獲得され、又は
前記FD-ULキャリア上でのアップリンク及びダウンリンクサブフレーム分配及び前記FD-DLキャリア上でのアップリンク及びダウンリンクサブフレーム分配は前記再設定DCIから各々獲得され、あるいは
前記フレキシブルデュプレックスセルの前記FD-ULキャリアと前記FD-ULキャリアのアップリンク及びダウンリンクサブフレーム分配を示す共同表示は、前記再設定DCIの表示フィールドから獲得される
ことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記FD-ULキャリア上のアップリンク及びダウンリンクサブフレームパターンの周期はTmsである
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記FD-ULキャリア上のアップリンク及びダウンリンクサブフレームパターンの周期は10msであり、前記FD-ULキャリア及び前記FD-DLキャリアのうちの一つのキャリア上で、10msの一周期で割り当てられたアップリンクサブフレームの数は0〜10のうちの値である
ことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記FD-ULキャリア上のアップリンク及びダウンリンクサブフレームパターンの周期は8msであり、前記FD-ULキャリア及び前記FD-DLキャリアのうちの一つのキャリア上で、8msの一周期で割り当てられたアップリンクサブフレームの数は0〜8のうちの値である
ことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項10】
前記アップリンク及びダウンリンクサブフレームパターンの周期Tは40msであり、一周期での各々のサブフレームのデュプレックス方向を指示するために40ビットが活用される
ことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項11】
ABSF(almost-blank subframe)のインデックスがnである場合、前記FD-ULキャリア上のサブフレームn+4は、ダウンリンクサブフレームとして設定される
ことを特徴とする請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記FD-ULキャリア上でダウンリンクサブフレームに対して、前記FD-ULキャリア上でのダウンリンクサブフレームと同一の位置の前記FD-DLキャリア上のダウンリンクサブフレームのHARQ-ACK(hybrid automatic repeat request acknowledgement)タイミング位置が、HARQ-ACK情報をフィードバックするために再使用されるステップをさらに有する
ことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項13】
ビットマッピングに従って前記FD-ULキャリア上のすべての可能なダウンリンクサブフレームのCRS(cell-specific reference signal)構造を獲得するステップをさらに有する
ことを特徴とする請求項7に記載の方法。
【請求項14】
前記FD-ULキャリア上でのCRSリソース要素の送信電力は、前記FD-DLキャリア上でのCRSリソース要素の送信電力と同一である
ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項15】
前記UEのタイミングアドバンスは、基地局により制御され、アップリンクサブフレームを受信し、ダウンリンクサブフレームを送信する前記基地局間の間隔が存在し、前記間隔は、アップリンクからダウンリンクへのスイッチングタイムに使用される
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記ダウンリンクサブフレームは、ダウンリンク伝送時間とアップリンク伝送時間との間の間隔を含む
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記ダウンリンクサブフレームは一つのOFDM(orthogonal frequency division multiplexing)シンボルの長さだけ短縮され、前記UEの受信と送信との間の衝突は基地局のスケジューリングを通じて回避され、あるいは
異なる数のOFDMシンボルの複数の短縮された長さは予め定義され、前記UEは、上位階層シグナリングの準静的設定によりシグナリングに従って前記複数の短縮された長さのうち前記ダウンリンクサブフレームの一つの短縮された長さを採択するように決定する
ことを特徴とする請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記FD-DLキャリア上のアップリンク伝送と前記FD-ULキャリア上のアップリンク伝送は、同一のタイミングアドバンスグループ(TAG)により処理され、あるいは
前記FD-DLキャリア上のアップリンク伝送と前記FD-ULキャリア上のアップリンク伝送は異なるTAGにより処理される
ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項19】
前記FD-ULキャリア上のダウンリンク信号に基づいて経路損失(PL)を測定し、前記PLを前記UEのアップリンク電力制御に適用するステップをさらに有する
ことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項20】
フレキシブルデュプレックスアップリンク(flexible duplex uplink;FD-UL)キャリアとフレキシブルデュプレックスダウンリンク(flexible duplex downlink;FD-DL)キャリアを含むフレキシブルデュプレックスセルでデータを処理するための装置であって、
送受信器と、
前記送受信器を制御する制御器と、を含み、
前記制御器は、UEによりフレキシブルデュプレックスの設定情報を受信するように、前記送受信器を制御するように構成され、ここで、前記フレキシブルデュプレックスの設定情報は、前記FD-ULキャリアが少なくとも一つのダウンリンクサブフレームを含み、前記FD-DLキャリアは、少なくとも一つのアップリンクサブフレームを含むことを示し、
前記受信されたフレキシブルデュプレックスの設定情報と、前記フレキシブルデュプレックスセルのアップリンク及びダウンリンクサブフレーム分配に基づいて、前記FD-ULキャリアと前記FD-DLキャリアで、前記UEによりデータを送信及び受信するように前記送受信器を制御するように構成される
ことを特徴とする装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は無線通信技術に関するもので、より詳細にはデュプレックス(duplex)システムを処理するための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
3GPP(3
rd Generation Partnership Project)のLTE(Long-Term Evolution)システムは、周波数分割デュプレックス(FDD)及び時分割デュプレックス(TDD)を含む2個のデュプレックスモードをサポートする。
図1に示すように、FDDシステムでは、各々の無線フレームは10msの長さを有し、10個の1msサブフレームからなる。各サブフレームは、2個の連続する0.5msスロットに設定され、すなわちk番目のサブフレームは、スロット2k及びスロット2k+1を含む。
図2に示すように、TDDシステムでは、各々の10msの無線フレームは、2個の5msのハーフフレームに分割される。各々のハーフフレームは、8個の0.5msのスロットと3個の特別なスロット、すなわちダウンリンクパイロットスロット(Downlink Pilot Slot:DwPTS)、保護区間(Guard Period:GP)、及びアップリンクパイロットスロット(Uplink Pilot Slot:UpPTS)を含む。3個の特別なスロットの総長さは1msである。各々のサブフレームは、2個の連続するスロットからなり、すなわちk番目のサブフレームは、スロット2k及びスロット2k+1を含む。一つのダウンリンク伝送時間間隔(Transmission Time Interval:TTI)は、一つのサブフレームで定義される。
【0003】
TDDシステムは、<表1>に示すように、7つのタイプのアップリンク-ダウンリンク設定をサポートする。ここで、Dはダウンリンクサブフレームを、Uはアップリンクサブフレームを、Sは上記3個の特別なフィールドを含む特別なサブフレームを、各々意味する。
【0004】
【表1】
【0005】
まず、各々のダウンリンクサブフレームのn個のOFDMシンボルがダウンリンク制御情報を伝送するために使用できる。ダウンリンク制御情報は、物理的ダウンリンク制御チャンネル(PDCCH)及び他の制御情報を含み、ここでn=0,1,2,3,又は4であり、残りのOFDMシンボルは、物理的ダウンリンク共有チャンネル(PDSCH)又は拡張型PDCCH(EPDCCH)を伝送するために使用される。LTEシステムにおいて、PDCCH/EPCCHは、ダウンリンクグラント(grant)又はアップリンクグラントとして各々称されるアップリンクチャンネルリソース又はダウンリンクチャンネルリソースを割り当てるダウンリンク制御情報(DCI)を伝達するために使用される。異なるUEのグラントは、独立的に伝送され、DLグラント及びULグラントは独立的に伝送される。
【0006】
モバイルユーザーの増加するトラフィック要件を満たすために、LTE-Aでは、フレキシブルTDD再設定技術、すなわちeIMTAが一層注目されている。eIMTAは、アップリンクサブフレーム対ダウンリンクサブフレームの現在比率を迅速に調整して、現在のアップリンクトラフィックとダウンリンクトラフィックの現在比率に対してより適切にすることによって、それがユーザーのアップリンク及びダウンリンクピークレートを増加させ、システムのスループットを向上させるのに役立つようにする。
【0007】
LTEシステムの拡張型システムにおいて、より広い動作帯域幅は、通信システムのアップリンク及びダウンリンクを形成し、それによってより高い伝送速度をサポートするように複数のコンポーネントキャリアを組み合わせ、すなわちキャリア集積(Carrier Aggregation:CA)を通して獲得される。一つのUEに対して、基地局は、複数のセルで動作するように設定し、それらのうちいずれか一つは、プライマリ(primary)セル(PCell)であり、他のセルはセカンダリ(secondary)セル(SCell)である。ここで、複数の集積されたコンポーネントキャリア(CC)は、同一のFDD又はTDDデュプレックス方式を採択するか、あるいは異なるデュプレックス方式を採択することができる。
【0008】
LTEシステムに対する追加的な研究で、システムの性能を向上させるために、FDDシステムの一対のキャリア(例えば、FDDシステムで一対のダウンリンク及びアップリンクキャリア)の各キャリア上にアップリンク及びダウンリンクサブフレームを同時に設定してアップリンク及びダウンリンクトラフィックの変動に対してより適切になるように、後続する研究がなされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、上記した従来技術の問題点を解決するために、本発明の目的は、フレキシブルデュプレックスを処理するための方法及び装置を提供することにある。それによって、一対のキャリアからなるセル(例えば、FDDセル)でキャリア対又はこのキャリア対のうちいずれか一つでフレキシブルアップリンク及びダウンリンクサブフレーム分配をサポートすることで、アップリンク及びダウンリンクトラフィックの変動に一層適合するようになる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記のような目的を達成するために、本発明の一態様によれば、フレキシブルデュプレックスを処理するための方法が提供される。その方法は、UEにより、フレキシブルデュプレックスの設定情報を受信するステップと、受信したフレキシブルデュプレックスの設定情報に従って、フレキシブルデュプレックスセルの1個又は2個のキャリア上で設定されるアップリンク及びダウンリンクサブフレーム分配に基づいてUEによりデータを送信及び受信するステップとを有する。
【0011】
望ましくは、一周期で、ダウンリンク(DL)サブフレームリソースより多くのアップリンク(UL)サブフレームリソースが必要である場合、あるいは同一のアップリンクサブフレームリソースとダウンリンクサブフレームリソースが必要である場合、フレキシブルデュプレックス-アップリンク(FD-UL)上の一部のサブフレームはダウンリンクサブフレームであり、FD-DL上のすべてのサブフレームはダウンリンクサブフレームであり、一周期で、DLサブフレームリソースより多くのULサブフレームリソースが必要である場合、FD-UL上のすべてのサブフレームはアップリンクサブフレームであり、FD-DL上の一部のサブフレームはアップリンクサブフレームであり、フレキシブルデュプレックスセルの一対のキャリアに対して、FD-DLは、逆方向FDD UEのためのダウンリンク伝送に使用されるキャリアであり、FD-ULは、逆方向FDD UEのためのアップリンク伝送に使用されるキャリアである。
【0012】
望ましくは、フレキシブルデュプレックスセルのアップリンク及びダウンリンクサブフレーム分配は準静的な設定を通じて獲得され、あるいはフレキシブルデュプレックスセルのアップリンク及びダウンリンクサブフレーム分配は、再設定ダウンリンク制御情報(DCI)を通じて獲得される。
【0013】
望ましくは、再設定DCIは、FD-DL上で伝送される。
望ましくは、フレキシブルデュプレックスセルがUEのセカンダリセルである場合、フレキシブルデュプレックスセルのアップリンク及びダウンリンクサブフレーム分配は、プライマリセルの再設定DCIで獲得される。
【0014】
望ましくは、FD-UL上でのアップリンク及びダウンリンクサブフレーム分配は、再設定DCIにより獲得され、又はFD-UL上でのアップリンク及びダウンリンクサブフレーム分配及びFD-DLでのアップリンク及びダウンリンクサブフレーム分配は再設定DCIから各々獲得され、あるいはフレキシブルデュプレックスセルの一対のキャリアのアップリンク及びダウンリンクサブフレーム分配を示す共同表示は、再設定DCIの表示フィールドから獲得される。
【0015】
望ましくは、FD-UL上のアップリンク及びダウンリンクサブフレームパターンの周期はTmsである。
【0016】
望ましくは、FD-UL上のアップリンク及びダウンリンクサブフレームパターンの周期は10msであり、フレキシブルデュプレックスキャリアの一つのキャリア上で、10msの一周期で割り当てられたアップリンクサブフレームの数は0〜10のうち一部の値又は全部の値である。
【0017】
望ましくは、FD-UL上のアップリンク及びダウンリンクサブフレームパターンの周期は8msであり、フレキシブルデュプレックスキャリアの一つのキャリア上で、8msの一周期で割り当てられたアップリンクサブフレームの数は0〜8のうち一部の値又は全部の値である。
【0018】
望ましくは、アップリンク及びダウンリンクサブフレームパターンの周期Tは40msであり、その周期での各々のサブフレームのデュプレックス方向を指示するために40ビットが活用される。
【0019】
望ましくは、ABSFサブフレームのインデックスがnである場合、FD-UL上のサブフレームn+4は、ダウンリンクサブフレームとして設定される。
【0020】
望ましくは、FD-UL上でダウンリンクサブフレームに対して、FD-UL上でのダウンリンクサブフレームと同一の位置のFD-DL上のダウンリンクサブフレームのHARQ-ACKタイミング位置が、HARQ-ACK情報をフィードバックするために再使用されるステップをさらに有する。
【0021】
望ましくは、ビットマッピングに従ってFD-UL上のすべての可能なダウンリンクサブフレームのCRS構造を獲得するステップをさらに有する。
【0022】
望ましくは、FD-ULでのCRSリソース要素の送信電力はFD-DLと同一である。
【0023】
望ましくは、UEのタイミングアドバンスは、基地局により制御され、アップリンクサブフレームを受信し、ダウンリンクサブフレームを送信する基地局間の間隔が存在し、間隔は、アップリンクからダウンリンクへのスイッチングタイムに使用される。
【0024】
望ましくは、ダウンリンクサブフレームは短縮されたダウンリンクサブフレームであり、ダウンリンクサブフレームは、ダウンリンク伝送時間とアップリンク伝送時間との間の間隔を含む。
【0025】
望ましくは、ダウンリンクサブフレームは一つのOFDMシンボルにより短縮され、UEの受信と送信との間の衝突は基地局のスケジューリングを通じて回避され、あるいは異なる数のOFDMシンボルの複数の短縮長さは予め定義され、UEは、より上位階層シグナリングの準静的設定によりシグナリングに従ってどの短縮された長さを採択するように決定する。
【0026】
望ましくは、FD-DL上のアップリンク伝送とFD-UL上のアップリンク伝送は、同一のタイミングアドバンスグループ(TAG)により処理され、あるいはFD-DL上のアップリンク伝送とFD-UL上のアップリンク伝送は異なるTAGにより処理される。
【0027】
望ましくは、FD-UL上のダウンリンク信号に基づいて経路損失(PL)を測定し、PLをUEのアップリンク電力力制御に適用するステップをさらに有する。
【0028】
本発明の他の態様によれば、フレキシブルデュプレックスを処理するための装置が提供される。その装置は、設定モジュール及び伝送モジュールを含み、設定モジュールは、フレキシブルデュプレックスの設定情報を受信するように設定され、伝送モジュールは、フレキシブルデュプレックスの受信した設定情報に基づいてフレキシブルデュプレックスセルの1個又は2個のキャリア上でアップリンク及びダウンリンクサブフレーム分配に従ってデータを送信及び受信する。
【発明の効果】
【0029】
本発明は、フレキシブルデュプレックスセルの一対のキャリア又は一対のキャリアのうちいずれか一つで同時にアップリンク及びダウンリンクサブフレームを設定することをサポートすることによって、アップリンク及びダウンリンクトラフィックに対する要件を一層よく満たすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】FDDシステムのフレーム構造を概略的に示す図である。
【
図2】TDDシステムのフレーム構造を概略的に示す図である。
【
図3】本発明の多様な実施形態によるフレキシブルデュプレックスを処理するための方法を示すフローチャート図である。
【
図4】本発明の多様な実施形態によるフレキシブルデュプレックスを処理するための装置の構造を概略的に示す図である。
【0031】
本発明による実施形態の上記及び他の態様、特徴、及び利点は、添付の図面と共に述べる以下の詳細な説明から、一層明らかになるはずである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の望ましい実施形態を添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0033】
従来のFDDシステムにおいて、各々のセルは、アップリンク伝送及びダウンリンク伝送のために各々使用される一対のキャリアを含む。既存のFDDシステムで、各キャリアのデュプレックス方向は、固定され、2個のキャリアの帯域幅は一般的に同一であり、すなわちアップリンク対ダウンリンクの物理的リソースの比率は1:1である。しかしながら、大部分の場合、ダウンリンクトラフィックは、アップリンクトラフィックよりは明らかに多い。例えば、ダウンリンクトラフィックは、ダウンリンクトラフィックの37倍になり得る。
【0034】
アップリンク及びダウンリンクトラフィックの変動に合わせるために、2個のキャリアからなる一つのセルに対して、一つのキャリア上に2個のデュプレックス方向を有するサブフレームを割り当て、あるいは各々のキャリア上に2個のデュプレックス方向のサブフレームを各々割り当てることが可能である。ここで、セルの2個のキャリアは、FDDセルにより使用できる一対のキャリアであり、あるいはFDDセルにより使用できる一対のキャリアに限定されないこともある。本発明において、このようなシステムは、フレキシブルデュプレックスシステムとして称される。したがって、このようなセルは、フレキシブルデュプレックスセルとして称される。フレキシブルデュプレックス体系をサポートするUEは、フレキシブルデュプレックスUEとして称される。
【0035】
本発明の説明において、フレキシブルデュプレックスセルに対して、そのキャリアは、フレキシブルデュプレックス-ダウンリンクキャリア(FD-DL)及びフレキシブルデュプレックス-アップリンクキャリア(FD-UL)として各々称される。逆方向FDD UEがフレキシブルデュプレックスセルにアクセルできる場合、FD-DLは、逆方向FDD UEのダウンリンク伝送に使用され、FD-ULは、逆方向FDD UEのアップリンク伝送に使用される。トラフィック要件によれば、ダウンリンクトラフィックは、典型的なシナリオでアップリンクトラフィックより多く、それによってFD-UL上のいくつかのサブフレームがダウンリンクデータ伝送に使用できる。しかしながら、アップリンクトラフィックがダウンリンクトラフィックより多くの一部状況も存在する。この場合、FD-DL上のいくつかのサブフレームがアップリンク伝送のために使用される。
上記した分析により、トラフィック変動に適応するために、以下のような3つの方法が本発明で提供される。
【0036】
第1の方法では、FD-UL上の一部のサブフレームのみがそれらのデュプレックス方向を変更するように許容され、FD-DL上のすべてのサブフレームはダウンリンクになるように固定される。
【0037】
第2の方法では、フレキシブルデュプレックスセルの2個のキャリアのうちいずれか一つ(FD-UL又はFD-DL)でのサブフレームは、それらのデュプレックス方向を変更できる。しかしながら、一つのキャリア上の一部サブフレームのデュプレックス方向が変わる場合、他のキャリアのすべてのサブフレームのデュプレックス方向は、同一に維持される。
【0038】
第3の方法では、フレキシブルデュプレックスセルの2個のキャリア(FD-UL及びFD-DL)での一部サブフレームのデュプレックス方向は、各々変更するように許容される。
【0039】
第2の方法に対して、一周期で、必要なULサブフレームリソースがDLサブフレームリソース以下である場合、いくつかのダウンリンクサブフレームは、FD-UL上に割り当てられ、FD-DLはすべてダウンリンクである。一周期で、必要なULサブフレームリソースがDLサブフレームリソースより大きい場合、FD-ULは、すべてアップリンクであり、一部のアップリンクサブフレームはFD-DL上で割り当てられる。上記した周期は、固定した数のサブフレーム、一つの無線フレーム、又は複数の無線フレームでもあり得る。第2の方法は、第3の方法によりサポートされるすべてのアップリンク-ダウンリンクサブフレーム比率をサポートし、より少ない数のパターンのアップリンク-ダウンリンクサブフレーム分配を可能にする。しかしながら、上記第3の方法はより柔軟である。
【0040】
フレキシブルデュプレックスセルに対して、一対のキャリア又はその対のキャリアのうちいずれか一つのアップリンク-ダウンリンクサブフレーム分配は、準静的に設定され得る。例えば、フレキシブルデュプレックスセルの実際のアップリンク-ダウンリンクサブフレーム分配は、ブロードキャストシグナリングで表示され、それによってすべてのフレキシブルデュプレックスUEに適用される。あるいは、フレキシブルデュプレックスセルに対して、一対のキャリア又はその対のキャリアのうちいずれか一つのアップリンク-ダウンリンクサブフレーム分配は、RRCシグナリングを通じてそれぞれのフレキシブルデュプレックスUE又は各グループのフレキシブルデュプレックスUEに対して設定できる。
【0041】
フレキシブルデュプレックスセルに対して、一対のキャリア又はその一対のキャリアのうちいずれか一つのアップリンク-ダウンリンクサブフレーム分配は、動的に、すなわち物理的階層制御シグナリングを通じて設定できる。例えば、シグナリングは、そのセルのすべてのUEに伝送される、以下で再設定DCIとして称されるDCIであり、フレキシブルデュプレックスセルの実際的アップリンク-ダウンリンクサブフレーム分配を示す。再設定DCIは、FD-DLの共通検索空間(Common Search Space:CSS)で伝送されることもできる。例えば、再設定DCIは、すべてのUEに対するCSSの候補PDCCH上で伝送され、あるいは各グループのUEに対するCSSの候補PDCCH上で伝送されてもよい。あるいは、再設定DCIは、UE-専用の検索空間(UE-Specific Search Space:USS)で伝送されてもよい。例えば、再設定DCIは、各々のUE又は各グループのUEに対して伝送され、フレキシブルデュプレックスセルのアップリンク-ダウンリンクサブフレーム分配を示す。FD-DLがすべてのダウンリンクになるように固定され、再設定DCIがFD-DL上で伝送され、それによってFD-DLの各サブフレームが再設定DCIを伝送するために使用できると仮定する。アップリンクサブフレームがFD-DLで構成され、再設定DCIはFD-DL上で伝送される場合、再設定DCIは、FD-DL上のダウンリンクサブフレーム上でのみ伝送され得る。フレキシブルデュプレックスセルがUEの固有のサービングセルである場合、再設定DCIは、FD-DL上で伝送でき、そのFD-ULのアップリンク-ダウンリンクサブフレーム分配を示す。あるいは、再設定DCIは、FD-DL上で伝送され、FD-UL及びFD-DLのアップリンク-ダウンリンクサブフレーム分配を表す。または、再設定DCIは、FD-DL上で伝送され、表示フィールドを通じてフレキシブルデュプレックスセルの一対のキャリアのアップリンク-ダウンリンクサブフレーム分配を共同に表示する。あるいは、再設定DCIは、FD-DL及びFD-UL上で各々伝送でき、それぞれの再設定DCIは、それが伝送されるキャリアのアップリンク-ダウンリンクサブフレーム分配を示す。
【0042】
フレキシブルデュプレックスセルがUEのセカンダリセルとして役割する場合、フレキシブルデュプレックスセルのアップリンク-ダウンリンクサブフレーム分配は、PCellの再設定DCIで表示され得る。アップリンク及びダウンリンクサブフレームが、FD-UL上に設定されるようにする場合、そのPCellの再設定DCIは、フレキシブルデュプレックスセルに対するFD-ULのアップリンク-ダウンリンクサブフレーム分配を示す。あるいは、フレキシブルデュプレックスセルの2個のキャリアがアップリンク及びダウンリンクサブフレームを両方ともに設定するように許容される場合、PCell上の再設定DCIは、フレキシブルデュプレックスセルに対してFD-UL及びFD-DL上のアップリンク-ダウンリンクサブフレーム分配を各々示す。あるいは、PCellの再設定DCIでの共同表示フィールドは、フレキシブルデュプレックスセルの一対のキャリアのアップリンク-ダウンリンクサブフレーム分配を表示するために使用できる。
【0043】
図3は、本発明の多様な実施形態により、フレキシブルデュプレックスを処理するための方法を示すフローチャートである。上記方法は、下記のステップを含む。
【0044】
ステップ301において、UEは、フレキシブルデュプレックスに関する設定情報を受信する。
【0045】
ステップ302において、フレキシブルデュプレックスの受信された設定情報に従って、UEは、設定されたアップリンク-ダウンリンクサブフレーム分配に基づいてフレキシブルデュプレックスセルの1個又は2個のキャリア上でデータを送信及び受信する。
以下に、4つの実施形態について説明する。
【0046】
<第1の実施形態>
本発明の実施形態において、フレキシブルデュプレックスセルの一つ又は各々のキャリアに対して、アップリンク及びダウンリンクサブフレームは、10msの周期で割り当てられる。この方法は、従来のLTEシステムでの10msフレームの構造と一致する。したがって、標準の複雑性及びUEの実現が低減する。
【0047】
再設定周期はN×10msで表示され、ここでNは1以上であり、再設定DCIは、再設定周期の最後の無線フレームのみで伝送され得る。再設定DCIは、FD-DL上で伝送されると仮定する。FD-DLがすべてダウンリンクされるように固定する状況に対して、FD-DL上の各周期の最後の無線フレームは、再設定DCIを伝送するために使用される多くても10個のダウンリンクサブフレームをサポートすることが可能である。また、FD-DLがアップリンクサブフレームで構成される場合、FD-DLのダウンリンクサブフレームのみが再設定DCIを伝送でき、すなわちFD-DL上の各周期の最後の無線フレームのダウンリンクサブフレームの数は、再設定DCIを伝送するために使用されるサブフレームの最大数を決定する。
【0048】
以下、フレキシブルデュプレックスセルのアップリンク-ダウンリンクサブフレーム分配を示す方法について説明する。
【0049】
フレキシブルデュプレックスセルの一つのキャリア上で、周期は10msであり、一周期に割り当てられたアップリンクサブフレームの数は1,2,3,4,5,又は6であると仮定する。例えば、それは、既存のLTE FDDシステムの7個の設定のうち一つだけである。本発明の方法によると、フレキシブルデュプレックスセルに対して、一つのキャリア上に多くても6個のアップリンクサブフレームが存在することに限定される。例えば、FD-UL上で、既存のLTE TDDシステムの7個の設定のうちいずれか一つがフレキシブルデュプレックスセルに対して設定される。したがって、3ビットを通じて表示が実現され得る。
【0050】
フレキシブルデュプレックスセルの一つのキャリア上で、周期は10msであり、一周期で割り当てられたアップリンクサブフレームの数は、0から10までの一部又は全部の値であり得ると仮定する。例えば、既存のLTE TDDシステムで7個の設定に基づいて10msで0,7,8,9,10のアップリンクサブフレームをサポートし、上記アップリンク-ダウンリンクサブフレーム分配のうち一部又は全部をサポートするアップリンク-ダウンリンクサブフレーム分配を追加することが可能である。10ms周期で7,8,又は9サブフレームが存在する状況に対して、10msでアップリンク-ダウンリンクサブフレーム分配のパターンを定義することが必要である。
【0051】
以下の<表2>は、アップリンク-ダウンリンクサブフレーム分配の一例を示し、ここで“D”は、ダウンリンク伝送のために専用で使用されるサブフレームを示し、“U”は、アップリンク伝送のために専用で使用されるサブフレームを示し、“S”は特別なサブフレームを示す。“S”は、ダウンリンク部分(DwPTS)、保護区間(GP)、及びアップリンク部分(UpPTS)を含む。スイッチングタイムの影響のみを考慮する場合、GPの長さは、単に一つのOFDMシンボルであり得る。7又は8個のアップリンクサブフレームが存在する状況に対して、一周期に一つ又は複数のスイッチングポイントが存在できる。10msで2個のスイッチングポイントが存在する場合、ダウンリンクサブフレームは、望ましくは既存のLTE TDDシステムと一致するようにサブフレーム0及び5で分配される。本発明は、これらアップリンク-ダウンリンクサブフレーム分配のみに限定されるように意図されない。
【0053】
さらに、10msで3個のアップリンクサブフレームが存在する状況に対して、従来のLTE TDDシステムのアップリンク-ダウンリンク設定3の代わりに2個のスイッチングポイントを含む<表3>に示すようなアップリンク-ダウンリンクサブフレーム分配を採択することも可能である。
【0055】
以下、フレキシブルデュプレックスセルのキャリア上でアップリンク-ダウンリンクサブフレーム分配を設定するためのいくつかの典型的な方法について説明する。しかしながら、本発明は、以下の方法のみに限定されるものではない。
【0056】
従来のLTE TDDシステムの7個の設定に基づき、すべての10ms周期がアップリンクである一つの分配を追加することが可能である。例えば、FD-UL用で、既存のLTE TDDシステムの7個の設定及びすべてのアップリンクサブフレームの分配がサポートされる。それによって、キャリア上には全8個の設定が存在し、3ビットにより表示され得る。
【0057】
従来のLTE TDDシステムの7個の設定に基づき、10ms周期にすべてのダウンリンクの分配と10ms周期にすべてのアップリンクの分配を両方ともに追加することも可能である。例えば、FD-UL上で、LTE TDDシステムの7個の設定がすべてサポートされると仮定する。したがって、キャリア上には全部9個の設定が存在する。あるいは、ビットオーバーヘッドを減少させるために、従来のLTE TDDシステムの7個の設定のうち一つ以上が禁止され、すべてのアップリンク及びダウンリンクをサポートする分配がサポートされる。したがって、キャリア上にはすべて8個以上の設定が存在せず、これは、3ビットにより表示され得る。例えば、禁止された既存のTDDアップリンク-ダウンリンク設定は、アップリンク-ダウンリンク設定2又は4であり得る。
【0058】
既存のLTE TDDシステムの7個の設定に基づき、キャリア上のアップリンク-ダウンリンクサブフレーム比率を一層柔軟に制御するように、10msで7,8,9,及び10アップリンクサブフレームをサポートするアップリンク-ダウンリンクサブフレーム分配が追加され得る。本発明の方法によると、一つのキャリア上に多くても11個の可能な設定が存在する。ここで、許容されたアップリンク-ダウンリンクサブフレーム分配の数が8になるように限定することによって、それを3ビットで表示することも可能である。例えば、10msで10個のアップリンクサブフレームが存在するアップリンク-ダウンリンクサブフレーム分配がそのキャリアに対して維持され、7個の他の数のアップリンクサブフレームのアップリンク-ダウンリンクサブフレーム分配、例えばアップリンクサブフレームの数が1,2,3,4,5,6、及び8である場合の分配がサポートされる。
【0059】
従来のLTE TDDシステムの7個の設定に基づき、10msで0,7,8,9サブフレームをサポートするアップリンク-ダウンリンクサブフレーム分配が追加されるので、それによってキャリア上でのアップリンク-ダウンリンクサブフレーム比率を一層柔軟に制御する。この方法によれば、一つのキャリア上に多くても11個の可能な設定が存在する。ここで、許容されたアップリンク-ダウンリンクサブフレーム分配の数を3ビットで表示するように8になるように限定することも可能である。例えば、10ms周期でアップリンクサブフレームが存在しない(0個の)アップリンク-ダウンリンクサブフレーム分配がそのキャリアに対して維持でき、7個の他の数のアップリンクサブフレームのアップリンク-ダウンリンクサブフレーム分配、例えばアップリンクサブフレームの数が1,2,3,4,5,6,及び8である場合の分配がサポートされる。
【0060】
従来のLTE TDDシステムの7個の設定に基づき、キャリア上のアップリンク-ダウンリンクサブフレーム比率を一層柔軟に制御するように、10ms周期で0,7,8,9,及び10サブフレームをサポートするアップリンク-ダウンリンクサブフレーム分配が追加され得る。本発明の方法によると、一つのキャリア上に多くても12個の可能な設定が存在する。ここで、許容されたアップリンク-ダウンリンクサブフレーム分配の数が8になるように限定することにより、それを3ビットで表示することも可能である。例えば、10msに0及び10個のアップリンクサブフレームが存在するアップリンク-ダウンリンクサブフレーム分配がそのキャリアに対して維持でき、6個の他の数のアップリンクサブフレームのアップリンク-ダウンリンクサブフレーム分配、例えばアップリンクサブフレームの数が1,2,3,4,6,及び8である場合の分配もサポートされる。
【0061】
上記した説明は、フレキシブルセルの一つのキャリア上でアップリンク-ダウンリンクサブフレーム分配を設定するための方法を記述する。上記したフレキシブルデュプレックスセルのアップリンク-ダウンリンクサブフレーム分配が設定される場合、2個のデュプレックス方向のサブフレームがそのキャリアのうちいずれか一つのみに設定されることが許容される場合、このキャリアのアップリンク-ダウンリンクサブフレーム分配のみが単に表示されることが要求される。2個のデュプレックス方向のサブフレームがフレキシブルデュプレックスセルの一対のキャリア上で設定される場合、2個の独立的な表示フィールドが活用され、その2個のキャリアのアップリンク-ダウンリンクサブフレーム分配を各々表示できる。2個のキャリアのアップリンク-ダウンリンクサブフレーム分配を表示するために共同表示フィールドを使用することも可能である。2個のキャリアのアップリンク-ダウンリンクサブフレーム分配は、その2個のキャリアのアップリンク-ダウンリンクサブフレーム分配の共同表示のオーバーヘッドを低減させるように特定の制限要件を満たすことができる。2個のデュプレックス方向のサブフレームが同時にそのフレキシブルデュプレックスセルの2個のキャリア上で設定されない場合、トラフィックがULサブフレームリソースより多くのDLサブフレームリソースを必要とすると、そのFD-DLは、ダウンリンクのために完全に使用され、FD-UL上の一部サブフレームはダウンリンクのために使用される。トラフィックが同一のULサブフレームリソースとDLサブフレームリソースを必要とする場合、FD-DLは、ダウンリンクのために完全に使用され、FD-ULはアップリンクのために完全に使用される。トラフィックがDLサブフレームリソースより多くのULサブフレームリソースを必要とする場合、FD-ULは、アップリンクのために完全に使用される。例えば、FD-DLが完全にダウンリンクである場合、FD-UL上のアップリンクサブフレームの許容された数は1〜10であり、FD-ULが完全にアップリンクである場合、FD-DL上のアップリンクサブフレームの許容された数は0〜6である。したがって、16個のアップリンク-ダウンリンクサブフレーム分配が全部合わせて要求され、これは4ビットで表示できる。
【0062】
ダウンリンクサブフレームがFD-UL上に割り当てられる場合、UEは、このタイミング位置に関するHARQ-ACK情報をフィードバックできない。したがって、そのUEがすべてのダウンリンクサブフレームのPDSCHのHRQ-ACK情報をフィードバックするように、そのPDSCHのHARQタイミング関係を再定義することが要求される。本発明では、詳細なHARQタイミング関係が限定されることを意図しない。FD-UL上のダウンリンクサブフレームがFD-DL上のダウンリンクサブフレームのサブセットであると仮定する。例えば、FD-DLは、ダウンリンクサブフレームで完全に設定され、同時にFD-UL上でアップリンク及びダウンリンクサブフレームが存在できる。したがって、FD-UL上のダウンリンクサブフレームは、基地局の複雑性とUEのプロセッシングを低減するようにFD-DL上の同一の位置でダウンリンクサブフレームのHARQ-ACKタイミング関係を再使用できる。
【0063】
ダウンリンクサブフレームがFD-UL上で設定される場合、3つのタイプの可能なダウンリンクサブフレームが存在する。第1のタイプでは、ダウンリンク伝送モード1〜9をサポートするのに適合するように正常なサブフレームのCRS構造が採択される。第2のタイプでは、MBSFNのCRS構造が採択され、これは、CRSオーバーヘッド及び発生した干渉を低減する。第3のタイプでは、サブフレームでのCRSが完全に除去され、それによってダウンリンクデータを伝送するために使われるREの数を最大化してCRS干渉を回避するようにする。FD-UL上のCRSリソース要素(RE)は、FD-DL上のCRS REと同一の送信電力を有することができる。あるいは、より上位階層のシグナリングは、FD-UL上のCRS REのための送信電力を追加して設定するために活用される。例えば、放送シグナリング又はRRCシグナリングが活用され得る。最大N個のダウンリンクサブフレームがFD-UL上に設定されると仮定する。したがって、ダウンリンクサブフレームの可能なCRSタイプ、例えば、N=9を示すためにNビットが使用され得る。あるいは、FD-UL上で正常サブフレームのCRS構造を採択しないサブフレームの数は6以下に限定され、それによって既存のLTEシステムの各々の無線フレームでMBSFNサブフレームの最大数と一致させる。
【0064】
本発明の方法により、ABSFがFD-DL上で設定されると仮定する。ABSFサブフレームのインデックスは、nで表示される。ULグラントは、ABSF上で伝送されないため、FD-UL上のサブフレームn+4もPUSCHを伝送するために使用できない。FD-UL上でリソースを十分に活用するために、FD-UL上のサブフレームn+4は、ダウンリンクサブフレームとして設定され、それによってこのサブフレームでダウンリンクデータを伝送して周波数リソースを十分に活用できる。ABSF設定が40msの周期を有し、FD-ULのアップリンク-ダウンリンクサブフレーム分配の周期が10msであるため、FD-UL上のダウンリンクサブフレームは、FD-DL上のABSFに一つずつ対応しないこともある。このとき、ABSFとFD-UL上のダウンリンクサブフレームの位置の関係は基地局により処理されるので、ダウンリンク伝送のためのFD-DL上のABSFサブフレームに該当するFD-UL上のサブフレームを可能な限り多く使用してシステム性能を向上させる。
【0065】
同様に、本発明により、MBSFNがFD-DLに設定されると仮定する。MBSFNサブフレームnに対して、それが放送トラフィックのために実際に使用される場合、あるいはダウンリンク伝送モード1〜8が現在設定される場合、すなわちユニキャストダウンリンクデータがMBSFNサブフレームで伝送されない場合、いかなるHARQ-ACKもFD-UL上のサブフレームn+4でフィードバックされることが要求されない。FD-UL上のサブフレームn+4は、逆方向UEに対する影響を減少させるように、望ましくは、ダウンリンク伝送のために使用してもよい。MBSFN設定の周期が40msである場合、FD-UL上のアップリンク-ダウンリンクサブフレーム分配の周期が10msであるため、FD-UL上のダウンリンクサブフレームは、FD-DL上のMBSFNに一つずつ対応しないこともある。このとき、MBSFNとFD-UL上のダウンリンクサブフレームの位置の関係は、基地局により処理でき、それによってダウンリンク伝送のためのFD-DL上のMBSFNサブフレームに対応するFD-UL上のサブフレームを可能な限り多く使用してシステム性能を向上させる。
【0066】
<第2の実施形態>
本発明の実施形態において、フレキシブルデュプレックスセルで一つのキャリア又は各々のキャリアに対して、アップリンク-ダウンリンクサブフレーム分配のもう一つの反復周期が採択され、これは、10ms無線フレーム構造にのみ限定されない。LTE FDDシステムは、8msHARQラウンドトリップタイム(RTT)を採択するために、一つのキャリア上のアップリンク-ダウンリンクサブフレーム分配は、LTE FDDのHARQ RTTに合わせるように8msの周期に割り当てられることもある。
【0067】
フレキシブルデュプレックスセルの一つのキャリア上で、各々の8ms周期で割り当てられるアップリンクサブフレームの数は、0から8までの部分値又はすべての値であり得る。例えば、FD-UL上で、少なくとも一つのアップリンクサブフレームがアップリンク信号を伝送するために維持されることもある。したがって、8msでアップリンクサブフレームの数は1〜8であり、これは3ビットで表示され得る。あるいは、FD-DLで、任意の数のダウンリンクサブフレームが逆方向UEを動作させてダウンリンク制御情報を伝送するように維持されることが必要である。極限の状況では、少なくとも一つのダウンリンクサブフレームが必要であると仮定する。したがって、8msでのアップリンクサブフレームの数は0〜7であり、これは、3ビットで表示できる。
【0068】
上記の説明は、フレキシブルデュプレックスセルの一つのキャリア上のアップリンク-ダウンリンクサブフレーム分配を設定するための方法を記述する。フレキシブルデュプレックスセルのアップリンク-ダウンリンクサブフレーム分配が設定される場合、2個のデュプレックス方向のサブフレームがそのキャリアのうち一つのみで構成されるように許容される場合、このキャリアのアップリンク-ダウンリンクサブフレーム分配のみで表示されることが要求される。2個のデュプレックス方向のサブフレームがフレキシブルデュプレックスセルの一対のキャリア上で設定される場合、2個の独立的な表示フィールドが活用され、2個のキャリアのアップリンク-ダウンリンクサブフレーム分配を各々表示できる。上記した2個のキャリアのアップリンク-ダウンリンクサブフレーム分配を表示するために共同表示を使用することも可能である。2個のキャリアのアップリンク-ダウンリンクサブフレーム分配は、その2個のキャリアのアップリンク-ダウンリンクサブフレーム分配の共同表示のオーバーヘッドを低減するように、特定の制限要件を満たすことができる。2個のデュプレックス方向のサブフレームが同時にそのフレキシブルデュプレックスセルの2個のキャリア上で設定される場合、トラフィックがULサブフレームリソースより多くのDLサブフレームリースを要求する場合、FD-DLは、ダウンリンクのために完全に使用され、FD-UL上のいくつかのサブフレームはダウンリンクのために使用される。トラフィックが同一のULサブフレームリソースとDLサブフレームリソースを要求する場合、FD-DLは、ダウンリンクのために完全に使用され、FD-ULは、アップリンクのために完全に使用される。トラフィックがDLサブフレームリソースより多くのULサブフレームリソースを要求する場合、FD-ULは、完全にアップリンクのために使用される。例えば、FD-DLが完全にダウンリンクされる場合、FD-UL上のアップリンクサブフレームの許容された数は1〜8であり、FD-ULが完全にアップリンクである場合には、アップリンクサブフレームはFD-DL上に割り当てられる。したがって、FD-UL及びFD-DL上のアップリンク-ダウンリンクサブフレーム分配は、4ビットで表示できる。
【0069】
8ms周期でアップリンクサブフレームの数はN
ULで表示すると、上記した8ms周期でN
ULアップリンクサブフレームの分配パターンが定義される必要がある。以下に、アップリンク及びダウンリンクサブフレームのパターンを設定するための2タイプの可能な基準が記述される場合、本発明は、その2個の基準のみに限定されることを意図しない。
【0070】
アップリンク及びダウンリンクサブフレームのパターンを設定するための第1の基準は、アップリンク-ダウンリンクスイッチングポイントの数を可能であれば大きく減少させることである。これは、特定の長さの保護区間(GP)がアップリンク及びダウンリンク信号の干渉を避けるためにスイッチングポイントで要求され、基地局とUEのアップリンク-ダウンリンクスイッチングタイム及びスイッチング手順のためである。この基準に基づき、8ms周期でのN
ULアップリンクサブフレームは、アップリンク及びダウンリンクサブフレームのパターンを示す<表4>のように連続する時間を示すこともあり、ここで、“D”はダウンリンク伝送のために専用で使用されるサブフレームを、“U”はアップリンク伝送のために専用で使用されるサブフレームを、“S”は特別なサブフレームを、各々示す。“S”は、ダウンリンク部分(DwPTS)、保護区間(GP)、及びアップリンク部分(UpPTS)を含むことができる。スイッチングタイムの影響のみが考慮される場合、GPの長さは、単に一つのOFDMシンボルであり得る。
【0072】
アップリンク及びダウンリンクサブフレームのパターンを設定するための第2の基準は、SRS伝送及びCSI-RSリソース割り当てに対する影響を可能であれば大きく減少させることである。これは、SRS伝送及びCSI-RSの割り当て周期が5msの整数倍であるためである。アップリンク及びダウンリンクサブフレームが8ms周期により設定される場合、一部位置では現在のサブフレームがアップリンクサブフレームであるため、CSI-RSが割り当てられず、あるいは現在のサブフレームがダウンリンクサブフレームであるため、SRSが伝送されないようになる。以下の<表5>は、CSI-RS及びSRSのリソース割り当てを可能な限り多くの保証することができる、このような基準によって設定されるアップリンク及びダウンリンクサブフレームのパターンを示す。例えば、2個のアップリンクサブフレームを含むパターンに対して、20ms周期で割り当てられるSRSシンボルは、アップリンクサブフレーム上で常に割り当てられることが保証され、4個のダウンリンクサブフレームを含むパターンに対しては10msの周期で割り当てられるSRSシンボルがアップリンクサブフレームで常に割り当てられることが保証され、10msの周期で割り当てられるCSI-RSは、ダウンリンクサブフレーム上で常に割り当てられることも保証される。しかしながら、この方法は、多くのスイッチングポイントを有すようになるので、リソースを浪費するようになる。
【0074】
アップリンク及びダウンリンクサブフレームパターンが8ms周期でFD-UL上で設定される場合、一部アップリンクサブフレームはダウンリンク伝送に使用されるため、UEは、このタイミング位置に関するHARQ-ACK情報をフィードバックすることができない。UEがすべてのダウンリンクサブフレームのPDSCHのHARQ-ACK情報をフィードバックすることが可能なように、そのPDSCHのHARQタイミング関係を再定義することが要求される。本発明では、詳細なHARQタイミング関係が限定されることを意図しない。FD-UL上でダウンリンクサブフレームがFD-DL上でのダウンリンクサブフレームのサブセットであると仮定する。例えば、FD-DLは、ダウンリンクサブフレームで完全に設定され、同時にFD-UL上にアップリンク及びダウンリンクサブフレームが存在することもできる。したがって、FD-UL上のダウンリンクサブフレームは、基地局の複雑性とUEのプロセッシングを低減させるように、FD-DL上の同一の位置でダウンリンクサブフレームのHARQ-ACKタイミング関係を再使用することもできる。
【0075】
ダウンリンクサブフレームがFD-UL上で設定される場合、3タイプの可能なダウンリンクサブフレームが存在する。第1のタイプでは、ダウンリンク伝送モード1〜9をサポートするのに有利なように正常サブフレームのCRS構造が採択される。第2のタイプでは、MBSFNのCRS構造が採択され、これはCRSオーバーヘッド及び発生した干渉を減少させる。第3のタイプでは、ダウンリンクデータを伝送するために使用されるREの数を最大化してCRS干渉を回避するようにサブフレームでのCRSが完全に除去される。FD-UL上のCRSリソース要素(RE)は、FD-DL上のCRS REと同一の送信電力を有することができる。あるいは、より上位階層のシグナリングがFD-UL上のCRS REのための送信電力を付加的に設定するために活用され得る。例えば、放送シグナリング又はRRCシグナリングが活用され得る。本発明の方法により、ABSFがFD-DL上で設定されると仮定する。ABSFサブフレームのインデックスは、nにより表示される。ULグラントは、ABSF上で伝送されないため、FD-UL上のサブフレームn+4もPUSCHを伝送するために使用できない。FD-UL上でリソースを十分に活用するために、FD-UL上のサブフレームn+4は、このサブフレームでダウンリンクデータを伝送して周波数リソースを十分に活用するようにダウンリンクサブフレームとして設定できる。ABSF設定が40msの周期を有し、FD-ULのアップリンク-ダウンリンクサブフレーム分配の周期が8msであるため、FD-UL上のダウンリンクサブフレームは、FD-DL上のABSFに一つずつ対応しないこともある。このとき、ABSFとFD-UL上のダウンリンクサブフレームの位置の関係は、システム性能を向上させるように基地局により処理できる。
【0076】
この方法によれば、FD-UL上のアップリンク-ダウンリンクサブフレーム分配は、8msの周期に設定される。しかしながら、一部アップリンク信号、例えば、PRACH、SRS、又はVoIPアップリンクデータは10ms、20ms、又は5msの整数倍である他の値に設定され、FD-UL上で設定されるPRACH、SRS、又はVoIPのようなアップリンクデータのリソース位置がアップリンク-ダウンリンクサブフレーム分配を表示するシグナリングによりダウンリンクサブフレームで構成するようになる。このような問題は、2つの方法により解決できる。第2の方法は、アップリンク-ダウンリンクサブフレーム分配を表示するシグナリングにより作用され、一つのサブフレームがダウンリンクサブフレームとして表示される場合、このサブフレームは、ダウンリンク伝送のみのために使用され、PRACH、SRS、及びVoIPアップリンクデータを伝送するために使用できない。第2の方法は、PRACH、SRS、又はVoIPアップリンクデータの設定情報に従って作動する。PRACH、SRS、又はVoIPアップリンクデータが任意のサブフレームに設定されている場合、UEは、それをアップリンクサブフレームと見なし、それによってPRACH、SRS、又はVoIPアップリンクデータを伝送する。PRACHの設定を一例として見なすと、PRACHリソースは、放送シグナリング又はRRCシグナリングを通じて設定されるため、基地局は、すべてのUEが同一のPRACHリソース設定を採択していると設定することもできる。それによって、すべてのUEは、アップリンク-ダウンリンクサブフレーム分配を示すシグナリングにより表示されるダウンリンクサブフレームが現在アップリンク伝送のために実際に使用されていることを認識可能にする。したがって、UEは、サブフレームの実際方向に対して同一の知識を有することもできる。このようなサブフレームで、PRACH、SRS、又はVoIPアップリンクデータが伝送されることもでき、動的PUSCH伝送がスケジューリングされることもある。
【0077】
<第3の実施形態>
LTE FDDシステムにおいて、サブフレームタイプに関連した任意の機能は、サブフレームパターンを周期的に設定する。例えば、ABSFパターンは、eICICを動作するように40msの周期に設定できる。MBSFNパターンは10ms又は40msの周期に設定される。したがって、フレキシブルデュプレックスセルの一つ又はそれぞれのキャリアに対して、FD-UL上のアップリンク及びダウンリンクサブフレームパターンは、任意の周期Tに従って設定されるので、例えばTは、20ms又は40msである。
【0078】
例えば、ABSFはFD-DL上で40msの周期に設定される。ABSFサブフレームのインデックスは、nにより表示される。ULグラントは、ABSF上では伝送されないため、FD-UL上のサブフレームn+4もPUSCHを伝送するために使用できない。FD-UL上でリソースを十分に活用するため、FD-UL上のサブフレームn+4は、ダウンリンクサブフレームで構成され、それによってこのサブフレームでダウンリンクデータを伝送して周波数リソースを十分に活用可能にする。したがって、FD-UL上のダウンリンクサブフレームパターンは、FD-DL上のABSFに一つずつ対応するように設定され、ABSF及びMBSFNサブフレームの機能を実現するとともにリソース活用率を増加させ得る。
【0079】
FD-UL上のアップリンク及びダウンリンクサブフレームパターンは、放送シグナリングを通じて、又はRRCシグナリングを通じて各々のUEに対して各々設定できる。例えば、周期が40msである場合、一周期で各々のサブフレームのデュプレックス方向を各々表示するために40ビットが活用され得る。フレキシブルデュプレックスセルに対して、アップリンク-ダウンリンクサブフレーム分配は、動的に設定されることもできる。オーバーヘッドを低減させるために、Tの周期を有するNアップリンク及びダウンリンクサブフレームパターンが予め設定され得る。したがって、動的再設定DCIで上記したNパターンを表すために
【0082】
アップリンク及びダウンリンクサブフレームパターンがFD-UL上に設定される場合、一部のアップリンクサブフレームがダウンリンク伝送に使用されるため、UEは、このタイミング位置に関するHARQ-ACK情報をフィードバックすることができない。したがって、PDSCHのHARQタイミング関係は、UEがすべてのダウンリンクサブフレームの際にPDSCHのHARQ-ACK情報をフィードバックできるように再定義される必要がある。ここで、PDSCHのHARQタイミング関係は、FD-ULでのアップリンクサブフレーム分配に従ってTmsの周期として定義され得る。又は、PDSCHのHARQタイミング関係は、10msの周期として相変らず定義され得る。FD-UL上でTmsの周期を有するサブフレームパターンは、10msでHARQ-ACKをフィードバックするために使用されたそれぞれの位置がアップリンクサブフレームになるように固定されることを保証しなければならない。本発明は、HARQタイミング関係の限定を意図するものではない。FD-UL上のダウンリンクサブフレームがFD-DL上のダウンリンクサブフレームのサブセットであると仮定する。例えば、FD-DLは、完全にダウンリンクサブフレームで構成され、同時にFD-UL上にアップリンク及びダウンリンクサブフレームが存在できる。したがって、FD-UL上のダウンリンクサブフレームは、基地局の複雑性とUEのプロセッシングを減少させるようにFD-DL上の同一の位置でダウンリンクサブフレームのHARQ-ACKタイミング関係を再使用することもできる。
【0083】
ダウンリンクサブフレームがFD-UL上で設定される場合、3つのタイプの可能なダウンリンクサブフレームが存在する。第1のタイプでは、ダウンリンク伝送モード1〜9をサポートするのに適合するように正常サブフレームのCRS構造が採択される。第2のタイプでは、MBSFNのCRS構造が採択され、これは、CRSオーバーヘッド及びその発生された干渉を減少する。第3のタイプでは、ダウンリンクデータを伝送するために使用されるREの数を最大化してCRS干渉を回避するように、一つのサブフレームでのCRSが全く除去される。FD-UL上のCRSリソース要素(RE)は、FD-DL上のCRS REと同一の送信電力を有することができる。あるいは、より上位階層のシグナリングがFD-UL上のCRS REのための送信電力を追加して設定するために活用され得る。例えば、放送シグナリング又はRRCシグナリングが活用される。
【0084】
<第4の実施形態>
フレキシブルデュプレックスセルに対して、基地局は、FD-ULとFD-DLのダウンリンク伝送タイミングをほぼ同一に又は全く同一にすることができる。したがって、FD-UL上にいかなる同期チャンネルも存在しないことがあり、すなわちUEは、FD-ULでのダウンリンク伝送のためにFD-DLで検出された同期関係を直接活用する。
【0085】
フレキシブルデュプレックスセルに対して、キャリアが同時に両方のデュプレックス方向のサブフレームを含む場合、すなわちサブフレーム構造がまだ連続して設定される場合、異なるデュプレックス方向の隣接サブフレームの間にはいかなるスイッチングタイムも存在しない。実際には、基地局とUEの全部がダウンリンク-アップリンクスイッチングタイムとアップリンク-ダウンリンクスイッチングタイムを必要とする。
【0086】
アップリンク-ダウンリンクスイッチングタイムは、主に基地局により要求される。その理由は、次のようである。一般的に、伝搬(propagation)遅延の影響が考慮された後、基地局側でのタイミングと比較し、UEは、予めアップリンク信号を伝送し、少しの遅延とともにダウンリンク信号を受信することが必要であり、それによってUEのスイッチングのための時間間隔が発生される。基地局は、アップリンクサブフレームを受信するためのタイミングとダウンリンクサブフレームを伝送するためのタイミングとの間で時間間隔が発生し、アップリンクからダウンリンクへのスイッチングに、例えば20usに対応する624T、T
s=1/(15000×2048)が使用される。
【0087】
隣接したダウンリンクサブフレーム及びアップリンクサブフレームに対して、UEの観点から、UEのアップリンク伝送のタイミングアドバンスの要件を考慮すれば、アップリンクサブフレームの開始タイミングは、完全なダウンリンクサブフレームの終了タイミングより早くなければならず、これは、アップリンク及びダウンリンクサブフレームのオーバーラップするようになる。一つの解決可能な方法は、アップリンク伝送タイムとダウンリンク伝送タイムとの間で所定の時間間隔を発生するようにダウンリンクサブフレームを短くすることである。フレキシブルデュプレックスセルにおいて、LTE TDDシステムに類似したUpPTSが設定される場合、そのUpPTSが位置したサブフレームでダウンリンクサブフレームはUpPTSのためのリソース及びアップリンク伝送タイムとダウンリンク伝送タイムとの間に時間間隔を有するように一層短縮される必要がある。以下に、短いダウンリンクサブフレームを有するサブフレームは、特別なサブフレームとして称される。
【0088】
上記した特別なサブフレームは、UpPTSを含まないと仮定する。したがって、一つの方法において、ダウンリンクサブフレームは、一つのOFDMシンボルの長さだけ短縮される。UEの送受信間の衝突が基地局のスケジューリングにより回避される。一つのOFDMシンボルの長さは、約70usである。したがって、ダウンリンクサブフレームから切るOFDMシンボルの長さは、アップリンク-ダウンリンクスイッチングタイムとダウンリンク-アップリンクスイッチングタイムを生成するのに十分であり、少しの伝搬遅延を許容する。言い換えれば、OFDMシンボルの長さだけダウンリンクサブフレームを切り取ることによって、すべてのサブフレームは、基地局に近いUEにスケジューリングされることもある。基地局で遠く離隔されたUEに対して、一つのOFDMシンボルの長さがアップリンク及びダウンリンク伝送間の衝突を回避するのに十分でない場合、基地局は、このような2個の隣接したダウンリンク及びアップリンクサブフレーム上でこのUEを同時にスケジューリングすることを回避できる。本方法により、ダウンリンク伝送からアップリンク伝送へ、又はアップリンク伝送からダウンリンク伝送への干渉を起こすこともあるが、影響を減少させるために、例えば干渉の程度に従ってサブフレームを複数のセットに分割するような他の技術が採択され得る。あるいは、異なる数のOFDMシンボルの短縮した長さが定義され、どちらかの短縮された長さがより上位階層のシグナリングを通じて、例えば放送シグナリング、RRCシグナリングを通して採択されるかが準静的に(semi-statically)設定される。例えば、正常なCP長さに対して、短縮された後にダウンリンク伝送のために使用されるOFDMシンボルの数は、0〜13である。
【0089】
上記した特別なサブフレームは、LTE TDDのようにUpPTSを含み、そのUpPTSの長さは1又は2OFDMシンボルであり得ると仮定する。一つの方法で、UpPTSに対して使用されたOFDMシンボルを除き、ダウンリンクサブフレームは、一つのOFDMシンボルだけ一層短縮される。上記の方法のように、UEの受信及び送信間の衝突は、基地局のスケジューリングにより回避される。そうでないと、異なる数のOFDMシンボルの短縮された長さが定義され、どんな短縮された長さがより上位階層のシグナリングを通じて、例えば放送シグナリング、RRCシグナリングを通じて採択されるかが準静的に設定される。例えば、正常なCP長さに対して、そのUpPTSが一つのOFDMシンボルを占める場合、短縮された後にダウンリンク伝送のために使用されるOFDMシンボルの数は0〜12であり得る。UpPTSが2個のOFDMシンボルを占める場合、短縮された後にダウンリンク伝送のために使用されるOFDMシンボルの数は、0〜11である。
【0090】
フレキシブルデュプレックスセルに対して、アップリンクリソースがすべてのFD-DL及びFD-ULに設定され、ここでFD-DLは、SRSを伝送するために専用で使用され、あるいはSRS及び他のアップリンク信号を伝送するために使用されると仮定する。一つの実行可能な方法は、次の通りである。FD-DL上のアップリンク伝送とFD-UL上のアップリンク伝送が一つのタイミングアドバンスグループ(TAG)に含める。すなわち、UEは、一般的にPRACHを通じてFD-UL上にアップリンク同期を設定した。したがって、UEは、アップリンク伝送に使用されるTAを維持する。このTAは、FD-DL上でのアップリンク信号伝送のために直接に使用されることもある。そうでないと、もう一つの実行可能な方法においては、FD-DL上でのアップリンク伝送及びFD-UL上のアップリンク伝送は異なるTAGとして処理できる。言い換えれば、UEは、FD-UL上でアップリンク伝送のためにTAを維持するためにPRACHを通じてFD-UL上でアップリンク同期を設定する。一方、UEは、FD-DL上でアップリンク伝送のためにTAを維持するためにPRACHでのFD-DL上でアップリンク同期を設定することが必要である。
【0091】
フレキシブルデュプレックスセルに対して、FD-ULでダウンリンク伝送、例えば、CRSが存在する場合、UEは、そのFD-ULでダウンリンク信号に基づいて経路損失(PL)を測定できる。アップリンク電力制御のために使用される場合、同一の周波数上でチャンネル対称性により、FD-UL上のダウンリンク信号に基づいて測定されたPLは、FD-DL上のダウンリンク信号に基づいて測定されることより正確である。本開示は、従来のLTE FDDシステムより良い電力制御効果を有するようにFD-ULでのダウンリンク信号に基づいて測定されたPLをアップリンク電力制御に対して適用することを提案する。FD-DLとFD-ULすべてにアップリンク伝送が存在する状況に対して、アップリンク信号が位置したキャリア上のダウンリンク信号に基づいてPLを各々測定し、そのPLをUEのキャリア上のアップリンク信号の電力制御に適用することが可能である。
【0092】
上記した方法によると、また、本発明は、フレキシブルデュプレックスを処理するための装置を提供する。その構造は、
図4に示す通りであり、上記装置は、設定モジュールと伝送モジュールを含み、設定モジュールはフレキシブルデュプレックスの設定情報を受信するように設定され、伝送モジュールは、フレキシブルデュプレックスの受信された設定情報に基づいてフレキシブルデュプレックスセルの1個又は2個のキャリア上でアップリンク及びダウンリンクサブフレーム分配に従ってデータを送信及び受信するように設定される。
【0093】
以上、本発明を具体的な実施形態に関して図示及び説明したが、添付した特許請求の範囲により規定されるような本発明の精神及び範囲を外れることなく、形式や細部の様々な変更が可能であることは、当該技術分野における通常の知識を持つ者には明らかである。