特許第6571689号(P6571689)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6571689スプレー乾燥装置用の、案内羽根フレームワークを備える空気供給装置、及び、スプレー乾燥装置内にこのような空気供給装置を組立てる方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6571689
(24)【登録日】2019年8月16日
(45)【発行日】2019年9月4日
(54)【発明の名称】スプレー乾燥装置用の、案内羽根フレームワークを備える空気供給装置、及び、スプレー乾燥装置内にこのような空気供給装置を組立てる方法
(51)【国際特許分類】
   B01D 1/20 20060101AFI20190826BHJP
   F26B 3/12 20060101ALI20190826BHJP
   F26B 17/10 20060101ALI20190826BHJP
   B05B 7/08 20060101ALI20190826BHJP
【FI】
   B01D1/20
   F26B3/12
   F26B17/10 B
   B05B7/08
【請求項の数】24
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-570810(P2016-570810)
(86)(22)【出願日】2014年6月4日
(65)【公表番号】特表2017-520393(P2017-520393A)
(43)【公表日】2017年7月27日
(86)【国際出願番号】DK2014050159
(87)【国際公開番号】WO2015185059
(87)【国際公開日】20151210
【審査請求日】2017年2月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】516114569
【氏名又は名称】ゲーエーアー プロセス エンジニアリング アクティーゼルスカブ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100102819
【弁理士】
【氏名又は名称】島田 哲郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100141081
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 庸良
(74)【代理人】
【識別番号】100147555
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 公一
(72)【発明者】
【氏名】クレスチャン クローウ
【審査官】 菊地 寛
(56)【参考文献】
【文献】 実開平05−022025(JP,U)
【文献】 特開昭55−031490(JP,A)
【文献】 米国特許第04226603(US,A)
【文献】 特表平05−504090(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/051878(WO,A1)
【文献】 実開平05−076291(JP,U)
【文献】 国際公開第2007/071238(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 1/20
F26B 3/12
B05B 7/08
B01F 3/00
B01F 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スプレー乾燥装置用の空気供給装置(4)であって、
軸方向と、前記軸方向(y)に直交して延在する半径方向と、を定義する、長手方向軸を有し、前記空気供給装置(4)の内周と前記空気供給装置(4)の外周との間に形成された空間(45)へ空気を導く空気入口(81)を備え、上面と、底面及び外周壁と、1セットの案内羽根セット(7)と、霧化手段からの供給出口より上に位置するようにされた、前記空気供給装置(4)の内周における空気出口(82)と、を有する、スプレー乾燥装置用の空気供給装置において、
前記案内羽根セット(7)の各案内羽根が、前記半径方向においてあらかじめ決定された長さを有し、前記軸方向に垂直に、前記空間(45)内に配置されており、
前記空気供給装置は、
前記空間(45)の少なくとも前記底面及び外部壁が、ベースモジュール(5)により設けられていること、前記上面が、トッププレート(6)により設けられていること、前記案内羽根セット(7)が、固定装置(10、11)に取り外し可能に固定されてフレームワークを形成していること、及び、前記トッププレート(6)を、前記ベースモジュールの上面に取り付けて、前記フレームワークを前記ベースモジュールに設けられた空間内に取り囲むことによって、前記フレームワークが、前記ベースモジュール(5)に対して嵌め合いによって前記軸方向に固定されていること、
を特徴とする、空気供給装置。
【請求項2】
前記固定装置が、前記フレームワークの内周及び前記フレームワークの外周に対して同心に配置された少なくとも1つのリング(10、11)を備え、前記少なくとも1つのリングの各々が、前記フレームワークの内周から前記フレームワークの外周までの範囲内の半径を有している、
請求項1に記載の空気供給装置。
【請求項3】
前記固定装置が2つの以上のリングを備え、各リング(10、11)が、前記フレームワークの内周から前記フレームワークの外周までの範囲内の異なる半径を有している、
請求項2に記載の空気供給装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つのリング及び/又は前記案内羽根セットが、前記少なくとも1つのリング(10、11)と前記フレームワーク内の前記案内羽根セット(7)との間の取り外し可能な係合を可能にする係合手段を備えている、
請求項2及び3のいずれか1項に記載の空気供給装置。
【請求項5】
前記係合手段が、それぞれのリング(10、11)を収容するために、各案内羽根(7)に形成された少なくとも1つのスリット(701、711)を備え、各リング(10、11)には、好ましくは、対応するスリット(101、111)が設けられている、
請求項4に記載の空気供給装置。
【請求項6】
前記ベースモジュール(5)及び/又は前記固定装置(10、11)が、前記案内羽根セット(7)及び前記固定装置(10、11)を含む前記フレームワークの、前記ベースモジュール(5)に対する回転する動きを防止する、保持手段を備えている、
請求項1〜5のいずれか1項に記載の空気供給装置。
【請求項7】
保持手段が、それぞれの前記リング(10、11)における対応する穴(10a、10b、11a、11b)と共に働く、前記ベースモジュール(5)内に形成された突起(54a、54b、55a、55b)、を備えている、
請求項2又は6に記載の空気供給装置。
【請求項8】
前記案内羽根セット(7)の前記案内羽根には、上縁部が設けられており、前記上縁部は、湾曲した角(つの)状の形状を有しており、前記湾曲した角(つの)状の形状の高さは、前記フレームワークの内周における高さが、前記フレームワークの外周における高さよりも小さい、
請求項1〜7のいずれか1項に記載の空気供給装置。
【請求項9】
前記トッププレート(6)は、任意に2分割トッププレートとすることができ、前記空間(45)を閉め切っており、前記トッププレート(6)が、固定手段によって、ベースモジュール(5)に取り外し可能に結合されている、
請求項1〜8のいずれか1項に記載の空気供給装置。
【請求項10】
前記トッププレート(6)が、部分的に又は完全に前記案内羽根(7)の上縁部に対応する形状を有している、
請求項9に記載の空気供給装置。
【請求項11】
前記案内羽根セット(7)の少なくとも一部の案内羽根(71、75)が、前記半径方向に測った長さが異なる長さを有している、
請求項1〜10のいずれか1項に記載の空気供給装置。
【請求項12】
前記ベースモジュール(5)が、下部部分(51)と上部部分(52)とを備えた2重壁ユニットとして形成され、前記空間(45)の前記底面及び外部壁が、前記上部部分(52)によって形成されている、
請求項1〜11のいずれか1項に記載の空気供給装置。
【請求項13】
絶縁材料(53)が、前記下部部分(51)と前記上部部分(52)との間に挿入されている、
請求項12に記載の空気供給装置。
【請求項14】
前記下部部分(51)及び前記上部部分(52)が、少なくとも1つの結合要素(56)によって互いに結合されている、
請求項12又は13に記載の空気供給装置。
【請求項15】
絶縁モジュール(9)が、前記ベースモジュール(5)及び前記トッププレート(6)との取り外し可能な結合のために設けられている、
請求項1〜14のいずれか1項に記載の空気供給装置。
【請求項16】
別個の空気入口部品(8)が、前記ベースモジュール(5)に連結されている、
請求項1〜15のいずれか1項に記載の空気供給装置。
【請求項17】
前記ベースモジュール(5)の下部部分(51)が、スプレー乾燥装置の乾燥チャンバーの天井を形成するようにされている、
請求項12〜16のいずれか1項に記載の空気供給装置。
【請求項18】
スプレー乾燥装置内に空気供給装置を組立てる方法において、
− 空気入口(81)を備えるベースモジュール(5)を設けるステップと、
− 案内羽根セット(7)を設けるステップと、
− 固定装置(10、11)を設けるステップと、
− 前記固定装置(10、11)に前記案内羽根セット(7)を結合してフレームワークを形成するステップと、
を備え、
前記方法が、更に、
− 前記ベースモジュール(5)に対して前記フレームワークを取り外し可能に固定し、前記フレームワークの軸方向の動きを防止するステップを備え、
ッププレート(6)を前記ベースモジュールの上面に取り付けて、前記フレームワークを前記ベースモジュールに設けられた空間内に取り囲むことによって、前記案内羽根セットと前記固定装置とを備える前記フレームワークが、前記ベースモジュール(5)に対して嵌め合いによって前記軸方向に固定される、
ことを特徴とする、方法。
【請求項19】
前記案内羽根セット及び前記固定装置を含む前記フレームワークが、前記ベースモジュール(5)に対して回転する動きをしないように保持される、
請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記案内羽根セットが、4〜24枚、好ましくは12〜24枚の案内羽根を備える、
請求項18又は19に記載の方法。
【請求項21】
前記案内羽根セットの少なくとも一部の案内羽根が、半径方向に異なる長さを有し、各案内羽根が、個別にマーキングされる、
請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記案内羽根が、フレームワークを形成するとき、時計回り又は反時計回りに見て増加する長さを有する、
請求項20又は21に記載の方法。
【請求項23】
前記案内羽根セットの各案内羽根が、レーザー切断によって提供される、
請求項18〜22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
前記空気供給装置をスプレー乾燥装置内に取り付ける更なるステップが含まれる、
請求項18〜23のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スプレー乾燥装置用の空気供給装置であって、軸方向と、軸方向に直交して延びる半径方向と、を定義する、長手方向軸を有し、内側半径及び外側半径の内部に形成された空間へ空気を導く空気入口を備え、上面と、底面及び外周壁と、1セットの案内羽根と、霧化手段からの供給出口より上に位置するようにされた、内側半径における空気出口と、を有する、スプレー乾燥装置用の空気供給装置において、案内羽根セットの各案内羽根が、半径方向においてあらかじめ決定された長さを有し、軸方向に実質的に垂直に、内側半径と外側半径との間の空間内に配置されている、空気供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、スプレー乾燥は、多くの方法で行なうことができ、全ての方法に対して、スプレー乾燥装置内の空気の分布が最も重要な部分の1つであるということが言える。プラント設計及び生産すべき製品のタイプに応じて、様々なシステムが存在する。スプレー乾燥器内では、おおよそ直線の「栓流」空気流か又は旋回空気流のいずれかを達成するために、空気供給装置の様々な設計又は制御が使用されている。最も一般的なのは、空気供給装置が、スプレー乾燥器の上面に位置し、1つ又は複数の霧化装置が、空気供給装置の中央に配置され、このようにして、空気と霧化された液滴との最適な混合を、確実なものとすることである。
【0003】
案内羽根セットは、空気供給装置内部の乾燥用空気の分布を与えるために、案内羽根フレームワーク内に配置されている。このようなフレームワークを組み込んでいる先行技術の空気供給装置の例は、特許文献1(Niro)及び特許文献2(Niro)である。
【0004】
後者の文献中、空気供給装置は、軸方向に対して実質的に垂直に配置され、空気供給装置の管壁と外部壁とによって形成された空間内で実質的に半径上に配置された、複数の案内羽根を備えており、少なくとも1つの案内羽根が、霧化手段を取り囲む管壁から、空気供給装置の外部壁に向かう方向で、全半径の少なくとも90%を覆っており、この他の案内羽根は、この管の周囲に沿って、半径上に分布している。
【0005】
この空気供給装置は、信頼性の高い作動を与えるものの、この空気供給装置の製造方法は、比較的面倒であり、各案内羽根を、正確な位置に溶接しなければならないので、いくつかの不利益をもたらす。製造コストに対する要求が増加するのに加えて、溶接そのものがわずかに変形することは避けられず、このことが、今度は、空気流の精度を低減させる可能性がある。その上、一部の利用分野では、衛生が主要な要素であり、空気供給装置の全ての部品の徹底的な洗浄が不可欠である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第4,227,896号
【特許文献2】国際公開第2007/071238A1号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、製造及び作動の条件が改善された、スプレー乾燥装置用の空気供給装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の実施態様において、この目的及び更なる目的は、本書の導入部で述べたタイプの空気供給装置によって達成され、この空気供給装置は、更に、空間の少なくとも底面及び外部壁が、ベースモジュールにより設けられていること、上面が、トッププレートにより設けられていること、案内羽根セットが、固定装置に取り外し可能に固定されてフレームワークを形成していること、及び、このフレームワークが、トッププレートによって、ベースモジュールに対して軸方向にしっかり固定されていること、を特徴としている。
【0009】
このようにして、固定装置によって結合された案内羽根を含むフレームワークが、別個のユニットとして取扱うことができ、このユニットは、次に、積極的な係合又は嵌合ロックのみによって、すなわちボルトなどを使用することなく、ベースモジュールの上面にトッププレートを取り付け、ベースモジュールに設けられた空間にフレームワークを取り囲むことによって、ベースモジュールに固定される。したがって、案内羽根は、ひとたび案内羽根及び固定装置を含むフレームワークが取り外されると、単純な分解作業において固定装置から分離することができ、その後洗浄でき、同様に、ベースモジュールが、別個に洗浄できる。これに対応して、フレームワークは、洗浄後に空気供給装置を組立てるとき、ベースモジュール内に容易に再挿入することができる。その上、案内羽根の数を必要に応じて変化させることができ、したがって、案内羽根セットは、空気供給装置の特定の利用分野に合わせてサイズ及び数の両方に関して変化させることができる。最終的には、案内羽根セットを含むフレームワークは、固定装置を用いてしっかり固定されていることから、溶接を最小限に低減することができる。
【0010】
本明細書中で使用する「空気供給装置」という用語は、スプレー乾燥器において使用される、乾燥用ガスを供給されるあらゆる供給装置を意味する。当業者であれば、霧化すべき液体が水溶液である場合、乾燥用ガスとして空気が使用されることが多く、一方霧化すべき液体が非水溶液であるか又は製品の酸化が回避されなければならない場合、例えば窒素などの不活性ガスが使用される確率がより高くなる、ということを認識している。したがって、「乾燥用空気」という用語は、スプレー乾燥プロセスにおいて使用可能な、全てのタイプの乾燥用ガスを包含するものと、解釈されねばならない。
【0011】
「取り外し可能な」などの用語に関しては、実質的に工具を使用することなく、且つ溶接継手、封止部材などの実質的な永久結合又は永久継手を破壊することなく、容易に固定され取り外される、あらゆる結合を含むものとして、これを解釈すべきである。
【0012】
1つの好ましい実施形態において、固定装置は、内側半径及び外側半径に対し実質的に同心に配置された少なくもと1つのリングを備え、少なくとも1つのリングの各々は、内側半径から外側半径までの範囲内の半径を有している。1つ又は複数のリングは、明確に定義された位置を与え、案内羽根セットを、固定装置に、次に、空気供給装置のベースモジュールに、信頼性及び再現性ある形態で固定することを、可能にする。
【0013】
この好ましい実施形態の更なる展開において、固定装置は、2つの以上のリングを備え、各リングは、内側半径から外側半径までの範囲内の異なる半径を有する。この構成は、フレームワークの安定性を増加させ、羽根セットの位置の正確さは、より一層改善される。
【0014】
原則として、案内羽根セットは、案内羽根セットを取り外し可能に固定できるようにする適切な方法で、固定装置に結合され、ベースモジュールに対して固定されることができる。機械的に単純であるもののそれでも信頼性の高い1つの実施形態においては、少なくとも1つのリング及び/又は案内羽根セットは、少なくとも1つのリングとフレームワーク内の案内羽根セットとの間の取り外し可能な係合を可能にする、係合手段を備えている。この実施形態の更なる展開において、係合手段は、それぞれのリングを収容するために各案内羽根内に形成された少なくとも1つのスリットを備え、各リングには、好ましくは、対応するスリットが設けられている。
【0015】
精度を更に一層増すために、更なる実施形態は、案内羽根セット及び固定装置を含むフレームワークの、ベースモジュールに対する回転する動きを防止する保持手段を備える、ベースモジュール及び/又は固定装置を設ける。この実施形態の展開において、保持手段は、ベースモジュール内に形成された突起を備え、この突起は、それぞれのリングにおける対応する穴と共に働く。
【0016】
案内羽根の形状は、任意の適切な形態をとることができる。ただし、1つの実施形態において、案内羽根には、上縁部が設けられており、上縁部は、湾曲した角(つの)状の形状を有しており、湾曲した角(つの)状の形状は、内側半径における高さが、外側半径における高さよりも小さい。
【0017】
ベースモジュールに設けられ案内羽根セットが配置されている空間を閉め切るために、且つ、案内羽根セット及び固定装置を含むフレームワークへの比較的容易なアクセスをなおも与えるために、トッププレートは、空間を閉め切り、固定手段によってベースモジュール(5)に取り外し可能に結合されており、任意に、2分割トッププレートとすることができる。この構成は、信頼できる閉鎖を与え、同時に、比較的容易なアクセスを可能にする。1つの実施形態において、トッププレートは、部分的に又は完全に案内羽根の上縁部に対応する形状を有する。
【0018】
個々の案内羽根の長さは、空気供給装置に対する空気入口の場所と設計とを考慮に入れて、水平方向平面内で空気流を均等に分布させるように計算されると有利である。空気入口は、空気供給装置に対して接線方向又は半径方向である。この利点を与える更なる好ましい実施形態においては、案内羽根セットの少なくとも一部の案内羽根は、半径方向に測った長さが異なっている。
【0019】
更なる好ましい実施形態において、ベースモジュールは、下部部分と上部部分を備えた2重壁ユニットとして形成され、上記空間の底面及び外部壁は、上部部分によって形成されている。こうして、ベースモジュールは、一定範囲の空気供給装置全体にわたって使用され、案内羽根セット、及び案内羽根が中に配置されている空間は、特定のニーズに適用され、一方、ベースモジュールは、同じ状態を維持している。
【0020】
作動条件を改善するため、絶縁材料は、ベースモジュールの下部部分と上部部分の間に挿入され得る。
【0021】
ベースモジュールは、1つの統合された要素として形成され得るが、製造条件に関して有利である1つの実施形態においては、下部部分及び上部部分は、少なくとも1つの結合要素を用いて互いに結合されている。
【0022】
空気供給装置には、同様に、ベースモジュールとの、そして任意にはトッププレートとの、取り外し可能な結合のための絶縁モジュールも設けることができる。この構成は、作動条件を更に一層改善させ、同時に、絶縁モジュールは、空気供給装置の外部表面を与える。
【0023】
別個の空気入口部品を、ベースモジュールに結合されるように設けることができる。
【0024】
本発明の第1の態様に係る空気供給装置は、適切なタイプのスプレー乾燥装置内で使用可能である。空気供給装置は、従来の方法で、すなわち乾燥用チャンバーの天井に空気供給装置を取り付けることによって使用することができる。2重壁ベースモジュールを組み込んだ実施形態の有利な利用分野において、ベースモジュールの下部部分は、スプレー乾燥装置の乾燥用チャンバーの天井を形成するようにされている。
【0025】
第2の態様では、スプレー乾燥装置の空気供給装置を組立てるための方法が提供される。
【0026】
案内羽根セットと固定装置との間に積極的な取り外し可能な係合を与えることによって、且つ今度は、半径方向、接線方向及び軸方向における案内羽根セットの運動を防止するためにベースモジュールを用いて、スプレー乾燥装置内への空気供給装置の組立ては容易になり、容易なアクセス及び分解が可能になる。
【0027】
更なる詳細及び利点は、詳細な説明及び添付のクレームから明らかになる。
【0028】
以下では、好ましい実施形態の以下の説明を用い、図面を参照しながら、本発明について更に詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】スプレー乾燥装置の天井に取り付けられた先行技術の空気供給装置の部分斜視断面図を示す。
図2】本発明の第1の実施形態における空気供給装置の部分斜視断面図を示す。
図3】本発明の第1の実施形態における空気供給装置の部分斜視断面図を示す。
図4図2及び図3に示された空気供給装置の細部の斜視図である。
図5】案内羽根及び固定装置を含むフレームワークを示す、図2及び図3に示された空気供給装置の細部の斜視図である。
図6図5に示されたフレームワークの側面図である。
図7図5に示されたフレームワークの上面図である。
図8】第1の実施形態の空気供給装置の上面図である。
図9図8のラインA−Aに沿った空気供給装置の拡大断面図である。
図10図9の断面Bの更に拡大した部分断面図である。
図11】本発明に係る空気供給装置の更なる実施形態の、概略的断面図を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1では、番号1を付した先行技術のスプレー乾燥装置の上面の関連部分が示されている。このスプレー乾燥装置1は、乾燥用チャンバー2を備え、乾燥用チャンバー2には、スプレー乾燥させるべき供給が、適切な霧化手段3によって、乾燥用チャンバー2の上面に導かれ、この供給は、スプレー乾燥装置の乾燥用チャンバー2の天井に取り付けられた番号4の空気供給装置を介して導入される乾燥用空気による、乾燥用チャンバー2における下向きの運動、場合によっては渦巻く運動、に設定される。スプレー乾燥装置は、スプレー乾燥プラントの一部を構成し、例えば、内部に更なる構成要素を含むスプレー乾燥プラントの一部を構成し、乾燥プロセス及び材料の乾燥に付随する他のプロセスが実施されるスプレー乾燥プラントの一部を構成する。
【0031】
ここで図2〜10を参照して、本発明に係る番号4を付した空気供給装置の、第1の実施形態について幾分か詳細に説明する。本発明に係る空気供給装置が内部に組込まれるようにされているスプレー乾燥装置の部品は、先行技術の部品と同一でもよいが、細部において変えることもできる。
【0032】
空気供給装置4は、軸方向を画定する長手方向軸及びこの軸方向に直交して延在する半径方向を有する。軸方向yは、図9に表わされている。空気供給装置は、図示されている実施形態において、別個の空気入口部品8を介して乾燥用空気又はガスの供給部に結合されており、内側半径及び外側半径の内部に形成された空間45に通じる空気入口81を有する。空間45は、図2に最も明確に示されている通り、上面、底面及び外周壁により形成されている。図示された実施形態において、上面は、トッププレート6により設けられ、底面及び外部壁は、以下で更に詳述する通りに構築されたベースモジュール5により設けられている。1組の案内羽根7が、空間45の内部に配置されている。空気出口82が、内側半径に存在し、取り付けられた条件で、ノズル又は回転式アトマイザーなどの霧化手段の供給出口を取り囲んでいる。
【0033】
半径方向にあらかじめ決定された長さを有する案内羽根セットの各案内羽根7は、内側半径と外側半径の間で、軸方向に実質的に垂直に、空間45に配置される。案内羽根7は、固定装置10、11を用いて、且つ、係合のみによって、ベースモジュール5に対して取り外し可能に固定される。図示された実施形態において、固定装置は、内側半径及び外側半径に対して実質的に同心に配置された2つのリング10、11を備え、少なくとも1つのリングの各々は、内側半径から外側半径までの範囲内の半径を有しており、案内羽根7は、1つ又は複数のリングに結合され、ベースモジュール5に対してしっかり固定されている。以上によって、この構成は、案内羽根を、工具を用いず、又は溶接を除去することなく、ベースモジュールから取り外せるようにする。
【0034】
指示された通り、固定装置は2つ以上のリングを備え、各リング10、11は、内側半径から外側半径までの範囲内の異なる半径を有する。固定装置は、少なくとも1つのリング10、11と案内羽根7の間の取り外し可能な係合を可能にする係合手段を備えている。
【0035】
特に図4及び5の詳細図を参照して、フレームワークを形成するための案内羽根セット及び固定装置の係合及びベースモジュールに対する固定について、更に詳述する。図示された実施形態においては、固定装置を構成するリング10、11及び案内羽根セットは各々、フレームワーク内でリング10、11と案内羽根セット7の間の取り外し可能な係合を可能にする係合手段を備えている。
【0036】
係合手段は、ここではそれぞれのリング10、11を収容するために、案内羽根セット7の各案内羽根内に形成された少なくとも1つ、ここでは2つのスリット701、711を備えており、案内羽根は、ここでは付番75で代表されている。原則的にはこれで充分であるが、図示された実施形態において、各リング10、11には、対応するスリット101、111が設けられている。こうして、スリット701はスリット101と、スリット711はスリット111と、共に働く。このようにして、図示された実施形態において、案内羽根セット7は、軸方向だけでなく、リング10、11に対して回転しないようにも、固定装置を構成するリング10、11にロックされている。
【0037】
案内羽根セット7及び固定装置10、11を含むフレームワークの、ベースモジュール5に対する回転する動きを防止するために、ベースモジュール及び/又は固定装置10、11は、保持手段を備えている。図示された実施形態において、保持手段は、それぞれのリング10、11における対応する穴10a、10b、11a、11bと共に働く、ベースモジュール5に形成された突起54a、54b、55a、55bを、備えている。
【0038】
図2〜11に示されている実施形態において、ベースモジュール5は、下部部分51と上部部分52とを備える2重壁ユニットとして形成されており、ここで、空間45の底面及び外部壁は、上部部分52により形成されている。図10の詳細図の中に最も明確に示されている通り、空気供給装置には、下部部分51と上部部分52の間に挿入された絶縁材料53が設けられている。
【0039】
図示されている実施形態において、空気供給装置のベースモジュール5の周囲で、下部部分51及び上部部分52は、結合要素56によって互いに結合されている。
【0040】
特に図8及び9で示されている通り、図示された実施形態に係る空気供給装置は、ベースモジュール5との取り外し可能な結合のための絶縁モジュール9を備えている。任意には、絶縁モジュール9は、トッププレート6とも結合されてよい。
【0041】
ベースモジュールの周囲に沿った1点において、別個の空気入口部品8が、ベースモジュール5に結合されている。詳細には示されていないものの、空気入口部品8は、乾燥用空気を供給するための配管を含み、空間45に対し接線方向又は半径方向のいずれかで空気入口81に連結されている。
【0042】
図2〜11に示されている実施形態において、案内羽根7には、上縁部が設けられており、上縁部は、湾曲した角(つの)状の形状を有しており、湾曲した角(つの)状の形状は、内側半径における高さが、外側半径における高さよりも小さい。
【0043】
この実施形態において、空間45の上面は、別個のトッププレート6によって閉鎖されている。トッププレート6は、任意に2分割トッププレートとすることができ、適切な固定手段によりベースモジュールに結合され、ここではベースモジュール5にボルト締めされているが、ベースモジュール5に対する他の取り外し可能な結合も、同様に、想定可能である。同様にこの実施形態において、トッププレート6は案内羽根7の上縁部に対応する形状を有する。シーリング57を介してベースモジュール5の上部部分52の階段状部分が、トッププレート6の外縁部に向かって当接している。
【0044】
トッププレートの形状の如何に関わらず、トッププレートは、軸方向yに積極的な係合を形成することができ、案内羽根セット及び固定装置で構成されたフレームワークの動きを防止することができる。
【0045】
案内羽根セット7の少なくとも一部の案内羽根は、半径方向に測った長さが異なる長さを有してよい。案内羽根の異なる長さの根拠となる原理は、出願人の上述の特許文献2中に詳述されている。1つの案内羽根は、半径方向に最大の範囲を有し、残りの案内羽根は、対応する形状で製造され、半径方向外向きに配置された1つの端縁部から短いだけであり、案内羽根セットの全ての案内羽根は、取り付けられたときには、実質的に同じ広がりを有している。
【0046】
図11において、番号35を付した公知のノズルランスが、空気出口82において空気供給装置を通って突出するように挿入されている。このようにして、霧化手段3は、スプレー乾燥装置の作動中、液体供給(図示せず)の霧化を行う。
【0047】
空気供給装置の部品の材料及び製造方法に関しては、案内羽根は、任意の適切な材料、例えば金属材料、典型的には鋼で製造され、レーザー切断によって形成され得る。案内羽根セット及び固定装置を含むフレームワークにおける位置を示すマーキングも、レーザー切断によって行われる。想定可能な他の材料は、他の金属材料又は複合材であるが、射出成形、ダイカスト成形などの製造技術を用いてポリマー及びセラミクス材料を利用することもできる。
【0048】
ベースモジュール5及びトッププレート6の製造は、任意の適切な方法で実施され得る。1つの実施例は、本出願と同じ日付で出願された、本出願人の同時係属出願中で詳述されている。
【0049】
本発明に係る空気供給装置がその中に組込まれるようにされているスプレー乾燥装置の残りの部品は、図示されていない。これらの部品は例えば、先行技術を表わす図1の中に示されているものに対応し得る。本発明に係る空気供給装置の1つの特定の使用分野において、ベースモジュールの下部部分51は、スプレー乾燥装置の乾燥用チャンバーの天井を形成するようにされている。
【0050】
空気供給装置を組立てる方法は、原則として、提示された要求を満たすかぎりにおいて、自由に選択され得る。
【0051】
スプレー乾燥装置内の空気供給装置を組立てる1つの方法には、以下のステップが含まれる:
− 空気入口81を備えるベースモジュール5を設けるステップ、
− 案内羽根セット7を設けるステップ、
− 固定装置10、11を設けるステップ、
− 固定装置10、11に案内羽根セット7を結合してフレームワークを形成するステップ、及び
− ベースモジュール5に対してフレームワークを、取り外し可能に固定し、軸方向の動きを防止するステップ。
【0052】
一部の利用分野において、この方法は、空気供給装置をスプレー乾燥装置に取り付ける更なるステップを含むことができる。
【0053】
この方法の更なる展開においては、上述の通り、トッププレートが設けられる。案内羽根及び固定装置のフレームワークは、12〜24枚の案内羽根を備える案内羽根セットを設けるように特注で製作することができ、特に、案内羽根セットの少なくとも一部の案内羽根が半径方向に異なる長さを有するような組合せで、製作することができる。この場合、各案内羽根は、案内羽根を正しく識別し配置できるように、個別にマーキングされる。
【0054】
本発明は、図示され以上で説明された実施形態に限定されるものとみなされるべきではなく、特徴の様々な修正及び組合せを、以下のクレームの範囲から逸脱することなく実施することができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11