(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記セパレータ側壁部のなかの、前記第1ケース側壁部に対向する面は、前記第1ケース側壁部に対し、前記第1熱媒体の流れ方向に沿って連続的に形成される第1ビードにより、重ね溶接されており、
前記セパレータ側壁部のなかの、前記第2ケース側壁部に対向する面は、前記第2ケース側壁部に対し、前記第1熱媒体の流れ方向に沿って連続的に形成される第2ビードにより、重ね溶接されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の熱交換器。
前記セパレータは、前記セパレータ側壁部の先端から前記第1熱媒体の流路に向かって延びる延長部が形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項記載の熱交換器。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、小型化されたケースにより構成される熱交換チューブを有する熱交換器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
請求項1による発明によれば、熱交換チューブの内部に流される第1熱媒体と、前記熱交換チューブの外部に流される第2熱媒体とで熱交換を行う熱交換器において、
前記熱交換チューブは、ケースと、このケースの内部に上下2層に配置されたフィンと、これらのフィンの間に配置され前記フィンを隔てる板状のセパレータと、からなり、
前記ケースは、前記第1熱媒体の流れ方向から見た場合に、共に略U字形状を呈する第1ケース及び第2ケースが向かい合わせに配置されてなり、
前記第1ケースは、第1ケース底部と、この第1ケース底部の両端から前記第2ケースに向かってそれぞれ立ち上げられた第1ケース側壁部と、からなり、
前記第2ケースは、第2ケース底部と、この第2ケース底部の両端から前記第1ケースに向かってそれぞれ立ち上げられた第2ケース側壁部と、からなり、
前記フィンは、共にコルゲート形の第1フィンと、第2フィンと、からなり、
前記第1フィンは、前記第1ケース底部、及び、前記セパレータの一面に接合され、
前記第2フィンは、前記第2ケース底部、及び、前記セパレータの他面に接合され、
前記セパレータは、両面に前記フィンが接合された本体部と、この本体部の両端において前記第1ケース側壁部及び前記第2ケース側壁部に沿って設けられたセパレータ側壁部と、を含み、
前記セパレータ側壁部のなかの、前記第1ケース側壁部及び前記第2ケース側壁部に対向する面は、前記第1ケース側壁部及び前記第2ケース側壁部に当接すると共に、接合されていることを特徴とする熱交換器が提供される。
【0012】
請求項2に記載のごとく、好ましくは、前記セパレータ側壁部は、前記本体部と一体的に形成されている。
【0013】
請求項3に記載のごとく、好ましくは、前記セパレータ側壁部のなかの、前記第1ケース側壁部に対向する面は、前記第1ケース側壁部に対し、前記第1熱媒体の流れ方向に沿って連続的に形成される第1ビードにより、重ね溶接されており、
前記セパレータ側壁部のなかの、前記第2ケース側壁部に対向する面は、前記第2ケース側壁部に対し、前記第1熱媒体の流れ方向に沿って連続的に形成される第2ビードにより、重ね溶接されている。
【0014】
請求項4に記載のごとく、好ましくは、前記セパレータ側壁部は、接続部を介して前記本体部に接続され、
前記接続部は、前記本体部の端部から前記第2ケース底部に向かって延びた上で、前記第2ケース側壁部に向かって延びている。
【0015】
請求項5に記載のごとく、好ましくは、前記セパレータ側壁部は、前記第1ケース側壁部に向かって付勢されている。
【0016】
請求項6に記載のごとく、好ましくは、前記セパレータは、前記セパレータ側壁部の先端から前記第1熱媒体の流路に向かって延びる延長部が形成されている。
【0017】
請求項7に記載のごとく、好ましくは、前記セパレータ、前記第1フィン又は前記第2フィンには、孔が形成されている。
【発明の効果】
【0018】
請求項1に係る発明において、上下2層のフィンの間に配置され、フィンを隔てる板状のセパレータは、両面にフィンが接合された本体部と、この本体部の両端において第1ケース側壁部及び第2ケース側壁部に沿って設けられたセパレータ側壁部と、を含む。このセパレータ側壁部のなかの、第1ケース側壁部及び第2ケース側壁部に対向する面は、第1ケース側壁部及び第2ケース側壁部に当接すると共に、接合されている。
【0019】
すなわち、本発明では、ケース側壁部の内側にセパレータの端部が重ね合わされ、接合されている。第1ケース側壁部及び第2ケース側壁部の外周面には、固定するための部位が形成されないため、ケースは小型化される。
【0020】
請求項2に係る発明では、セパレータ側壁部は、本体部と一体的に形成されている。すなわち、セパレータは、平板の曲げ加工のみにより製造される。接合が不要であり、簡易にセパレータを製造できる。
【0021】
請求項3に係る発明では、セパレータ側壁部のなかの、第1ケース側壁部に対向する面は、第1ケース側壁部に対し、第1熱媒体の流れ方向に沿って連続的に形成される第1ビードにより、重ね溶接されている。同様に、セパレータ側壁部のなかの、第2ケース側壁部に対向する面は、第2ケース側壁部に対し、第1熱媒体の流れ方向に沿って連続的に形成される第2ビードにより、重ね溶接されている。
【0022】
すなわち、セパレータ側壁部のなかの、第1ケース側壁部に対向する面は、第1ケース側壁部に対し、面同士が当接して、重ね溶接されているので強度も高く、また、溶接可能な範囲も広いため、簡易に接合することができる。同様に、セパレータ側壁部のなかの、第2ケース側壁部に対向する面は、第2ケース側壁部に対し、面同士が当接して、重ね溶接されているので、強度も高く、また、溶接可能な範囲も広いため、簡易に接合することができる。
【0023】
請求項4に係る発明では、セパレータ側壁部は、接続部を介して本体部に接続され、この接続部は、本体部の端部から第2ケース底部に向かって延びた上で、第2ケース側壁部に向かって延びている。
【0024】
すなわち、接続部はセパレータの本体部よりも第2ケース側に位置する。そのため、この接続部に接続するセパレータ側壁部については、本体部を基準として、一部を第2ケース側に位置させ、残りの部位を第1ケース側に位置させることができる。
【0025】
ケース内にフィンとセパレータが配置された場合、第1ケース側壁部は、セパレータ側壁部のなかの第1ケース側に位置する部位に当接させ、第2ケース側壁部は、セパレータ側壁部のなかの第2ケース側に位置する部位と当接させることができる。
【0026】
仮に接続部がない場合、セパレータ側壁部は、本体部よりも第1ケース側又は第2ケース側のいずれか一方に位置することとなる。この場合、第1ケース側壁部又は第2ケース側壁部は、本体部を超えて他方のケース側まで延ばす必要がある。結果、第1ケース側壁部と第2ケース側壁部の高さは異なる。
【0027】
一方、接続部があれば、各ケースの側壁部の高さは、ケースの底部からセパレータの本体部までの寸法で足りる。そのため、第1ケース側壁部と第2ケース側壁部の高さを同一にすることができ、第1ケースと第2ケースの形状も同一となる。結果、第1ケースと第2ケースを共用化ができ、ケースの製造及びケースを取り付ける工程が簡易となる。
【0028】
請求項5に係る発明では、セパレータ側壁部は、第1ケース側壁部に向かって付勢されている。セパレータがケース内に配置された場合、セパレータ側壁部は、第1ケース側壁部及び第2ケース側壁部と、より密着した状態で当接する。密着度の高い状態で、セパレータ側壁部と、第1ケース側壁部及び第2ケース側壁部とが溶接されるため、接合性が上がる。結果、セパレータからケースへの熱の移動について、効率的に熱交換を行うことができる。
【0029】
請求項6に係る発明では、セパレータは、セパレータ側壁部の先端から第1熱媒体の流路に向かって延びる延長部が形成されている。すなわち、延長部は第1熱媒体の流路のなかのフィンの側方に位置する。そのため、延長部は、フィンの側方を通過する第1熱媒体の熱を吸収することができる。ケース内において、第1熱媒体の熱を伝達する部材の表面積が増え、効率的に熱交換を行うことができる。
【0030】
請求項7に係る発明では、セパレータ、第1フィン又は第2フィンには、孔が形成されている。ケース内には第1熱媒体の流れやすい部位と流れにくい部位が存在する。孔を形成し、ケース内における第1熱媒体の移動を許容することにより、第1熱媒体を円滑に流すことができる。これにより第1熱媒体の流量を増加させ、効率的に熱交換を行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。
【0033】
<実施例1>
図1を参照する。EGR(Exhaust Gas Recirculation)クーラ10は、車両用のディーゼルエンジン20の排気口21と吸気口22との間に接続される排気ガス再循環装置である。
【0034】
排気口21から排出された排気ガス(第1熱媒体)の一部はEGRクーラ10に導入される。導入された排気ガスは、EGRクーラ10内において冷却水(第2熱媒体)により冷却され、排出される。冷却された排気ガスは、空気と共にディーゼルエンジン20内に再び導入される。ディーゼルエンジン20内に導入される酸素濃度は低下するため、NOx(窒素酸化物)の生成量は抑制される。
【0035】
なお、EGRクーラ10が取付けられるのは、ディーゼルエンジン20に限られず、ガソリンエンジンにも取り付け可能であり、これらのものに用途は限定されない。
【0036】
図2を参照する。EGRクーラ10は、排気ガスが導入される排気ガス導入部材11と、この排気ガス導入部材11に接続されている上流側エンドプレート12と、この上流側エンドプレート12に接続されているコアケース13と、このコアケース13の下流側の端部に接続されている下流側エンドプレート14と、この下流側エンドプレート14に接続されている排気ガス排出部材15と、コアケース13内に積層され両端が上流側エンドプレート12及び下流側エンドプレート14によって支持されている熱交換チューブ30と、からなる。
【0037】
コアケース13の上面には、上流側エンドプレート12近傍において、冷却水導入管16が差し込まれる冷却水導入口17が形成されている。同様に、コアケース13の上面には、下流側エンドプレート14近傍において、冷却水排出管18が差し込まれる冷却水排出口19が形成されている。
【0038】
排気ガス導入部材11及び排気ガス排出部材15には、それぞれ、他の部品に取り付けるための、フランジ11a,15aが取り付けられている。
【0039】
図3を参照する。
図3は、排気ガスの流れ方向を基準として上流側から下流側に向かって見た場合の、コアケース13の断面図である。コアケース13内には、3つの熱交換チューブ30,30,30が積層されている。コアケース13は、略U字状の上部コアケース13aと、略U字状の下部コアケース13bとが、互いの開口側を対向させ、端部を重ね合わされることにより形成される。
【0040】
図2を併せて参照し、排気ガスと冷却水との熱交換について説明する。排気ガス導入部材11により導入される排気ガスは、上流側エンドプレート12を介して、コアケース13のなかの熱交換チューブ30の内部のみに流される。排気ガスの熱は熱交換チューブ30に伝わる。排気ガスは、下流側エンドプレート14を通じて、排気ガス排出部材15から排出される。
【0041】
冷却水導入管16から導入される冷却水は、冷却水導入口17を通じて、コアケース13内に導入される。冷却水は、コアケース13内において、熱交換チューブ30の外部に流される。このとき、排気ガスの熱は、熱交換チューブ30を介して、冷却水に伝わる。温められた冷却水は、冷却水排出口19を通じて、冷却水排出管18から排出される。
【0042】
図4を参照する。熱交換チューブ30は、ケース31と、このケース31の内部に上下2層に配置されたフィン60と、これらのフィン60の間に配置されフィン60を隔てる板状のセパレータ70と、からなる。
【0043】
ケース31は、排気ガスの流れ方向から見た場合に、共に略U字形状を呈する第1ケース40及び第2ケース50が向かい合わせに配置されてなる。第1ケース40の端部及び第2ケース50の端部は、対向していると共に、僅かに隙間を有している。
【0044】
第1ケース40は、第1ケース底部41と、この第1ケース底部41の両端から第2ケース50に向かってそれぞれ立ち上げられた第1ケース側壁部42,42と、からなる。
【0045】
第2ケース50は、第2ケース底部51と、この第2ケース底部51の両端から第1ケース40に向かってそれぞれ立ち上げられた第2ケース側壁部52,52と、からなる。第1ケース40と第2ケース50は同一の形状を呈する。
【0046】
2層に配置されたフィン60は、共にコルゲート形の第1フィン61と、第2フィン62と、からなる。第1フィン61と第2フィン62とは、同一の形状を呈する。詳細には、これら第1フィン61及び第2フィン62は、略矩形波の形状を呈する。なお、フィン60は正弦波の形状等であってもよい。
【0047】
第1フィン61は、第1ケース底部41、及び、セパレータ70の上面(一面)に接合されている。第2フィン62は、第2ケース底部51、及び、セパレータ70の下面(他面)に接合されている。
【0048】
セパレータ70は、両面に第1フィン61及び第2フィン62が接合された本体部71と、この本体部71の両端から第1ケース側壁部42及び第2ケース側壁部52に沿って立ち上げられたセパレータ側壁部72,72と、を含む。ケース31とセパレータ70との接合の詳細については、後述する。
【0049】
なお、セパレータ側壁部72,72は同一の方向に立ち上げられているが、一方を立ち上げ、他方を立ち下げてもよい。
【0050】
図5を参照する。
図5には、熱交換チューブ30の左端が示されている。右端は左端と対称に構成されており、詳細な説明は省略する。すなわち、下記の熱交換チューブ30の左端の説明は、熱交換チューブ30の右端の構成に適宜読み替えることができる。
【0051】
セパレータ側壁部72のなかの、第1ケース側壁部42及び第2ケース側壁部52に対向する面は、第1ケース側壁部42及び第2ケース側壁部52に当接すると共に、レーザ溶接されている。
【0052】
セパレータ側壁部72は、接続部73を介して本体部71に接続されている。この接続部73は、略J字状を呈し、本体部71の端部から第2ケース底部51に向かって曲げられた上で、第2ケース側壁部52に向かって曲げられている。
【0053】
セパレータ70は、セパレータ側壁部72の先端から排気ガスの流路に向かって延びる延長部74を有している。
【0054】
本実施例では、セパレータ70の厚みD1は、第1ケース40及び第2ケース50の厚みD2よりも薄い。詳細には、セパレータ70の厚みD1は、第1ケース40及び第2ケース50の厚みD2の略1/2から2/3程度である。
【0055】
第1ケース側壁部42の高さhは、第1ケース底部41から本体部71の中央CLまでの高さHよりも短い。同様に、第2ケース側壁部52の高さhは、第2ケース底部51から本体部71の中央CLまでの高さHよりも短い。
【0056】
すなわち、セパレータ側壁部72が第1ケース側壁部42及び第2ケース側壁部52と接合された状態において、第1ケース側壁部42の第1先端部43と第2ケース側壁部52の第2先端部53は離れている。
【0057】
次に、熱交換チューブ30の製造方法について説明する。
図6を参照する。第1ケース40は、板材の両端を下方に向かって折り曲げることにより形成される。第1ケース底部41にはろう材81が設けられ、ろう付き第1ケース82が得られる。ろう材81の塗布やシート状のろう材81の貼付けについては、周知の方法を採用することができる。第2ケース50は、板材の両端を上方に向かって折り曲げることにより形成される。第2ケース底部51には、ろう材81が設けられ、ろう付き第2ケース83が得られる。
【0058】
セパレータ70は、板材の両端を、略Jの字が形成されるように折り曲げることにより形成される。セパレータ側壁部72,72は、第1ケース側壁部42に向かって付勢されている。すなわち、セパレータ70の長手方向の寸法は、第1ケース底部41の長手方向の寸法よりも長い。セパレータの本体部71の両面には、ろう材81が設けられる。
【0059】
次に、矢印(1)によって示されるように、セパレータ70の本体部71の上面に第1フィン61を配置する。同様に、矢印(2)によって示されるように、セパレータ70の本体部71の下面に第2フィン62を配置する。結果、2枚のフィン61,62とこれら2枚のフィン61,62の間に配置されたセパレータ70とからなる2層フィン仮組体84が得られる。
【0060】
図7を参照する。矢印(3)によって示されるように、第2フィン62が第2ケース底部51に設けられたろう材81と接触するように、2層フィン仮組体84をろう付き第2ケース83に近づける。
【0061】
図8を参照する。矢印(4)によって示されるように、2層フィン仮組体84をろう付き第2ケース83に挿入する。2層フィン仮組体84がろう付き第2ケース83に挿入されるに連れて、セパレータ側壁部72の先端は内方に移動し、セパレータ側壁部72,72は第2ケース側壁部52に沿うように弾性変形する。
【0062】
2層フィン仮組体84がろう付き第2ケース83に配置された後は、矢印(5)に示されるように、第1フィン61が、第1ケース底部41に設けられたろう材81と接触するように、第1フィン61にろう付き第1ケース82を被せる。これにより、チューブ仮組体85が得られる。
【0063】
図9を参照する。チューブ仮組体85を真空炉86に入れる。真空炉86において、フィン60とセパレータ70、及び、フィン60とケース31はろう付けされ、ろう付けチューブ仮組体87が得られる。
【0064】
図10(a)を参照する。ろう付けチューブ仮組体87の両端をレーザ溶接することにより、熱交換チューブ30が得られる。
【0065】
図10(b)を参照する。詳細には、第1ケース側壁部42の第1先端部43の近傍及び第2ケース側壁部52の第2先端部53の近傍の2箇所にレーザを照射する。これにより、セパレータ側壁部72は、第1ケース側壁部42及び第2ケース側壁部52に接合される。
【0066】
次に本発明の作用及び効果について説明する。
図5を参照する。セパレータ70は、第1フィン61及び第2フィン62が接合された本体部71と、この本体部71の両端から第1ケース側壁部42及び第2ケース側壁部52に沿って立ち上げられたセパレータ側壁部72と、を含む。このセパレータ側壁部72のなかの、第1ケース側壁部42及び第2ケース側壁部52に対向する面は、第1ケース側壁部42及び第2ケース側壁部52に当接すると共に、レーザ溶接されている。
【0067】
すなわち、熱交換チューブ30は、第1ケース側壁部42及び第2ケース側壁部52の内側にセパレータ70の端部が重ね合わされ、レーザ溶接により接合されている。第1ケース側壁部42及び第2ケース側壁部52の外周面には、ケース31を固定するための部位が形成されないため、ケース31は大型化されない。
【0068】
加えて、レーザは、第1ケース側壁部42及び第2ケース側壁部52と、セパレータ側壁部72との重ね合わされた部位に照射される。突き合わせ部分のみにレーザを照射する場合と比較すると、レーザの照射可能な範囲は広がり、レーザ溶接は容易となる。加えて、面同士が重ね合わされるため、接合強度も高い。
【0069】
さらに、セパレータ側壁部72は、接続部73を介して本体部71に接続され、この接続部73は、略J字状を呈し、本体部71の端部から第2ケース底部51に向かって曲げられた上で、第2ケース側壁部52に向かって曲げられている。
【0070】
すなわち、接続部73はセパレータの本体部71よりも第2ケース50側に位置する。そのため、この接続部73に接続するセパレータ側壁部72については、本体部71を基準として、一部を第2ケース50側に位置させ、残りの部位を第1ケース40側に位置させることができる。
【0071】
ケース31内にフィン60とセパレータ70が配置された場合、第1ケース側壁部42は、セパレータ側壁部72のなかの第1ケース40側に位置する部位に当接させ、第2ケース側壁部52は、セパレータ側壁部72のなかの第2ケース50側に位置する部位と当接させることができる。
【0072】
仮に接続部73がない場合、セパレータ側壁部72は、本体部71よりも第1ケース40側又は第2ケース50側のいずれか一方に位置することとなる。この場合、第1ケース側壁部42又は第2ケース側壁部52は、本体部71を超えて他方のケース側まで延ばす必要がある。結果、第1ケース側壁部42と第2ケース側壁部52の高さは異なる。
【0073】
一方、接続部73を設ければ、第1ケース側壁部42,第2ケース側壁部52の高さは、それぞれのケースの底部41,51からセパレータ70の本体部71までの寸法で足りる。そのため、第1ケース側壁部42と第2ケース側壁部52の高さを同一にすることができ、第1ケース40と第2ケース50の形状も同一となる。結果、第1ケース40と第2ケース50を共用化ができ、ケース31の製造及びケース31を取り付ける工程が簡易となる。
【0074】
特に、本実施例では、接続部73は略J字を呈する。
図6に示されたように、セパレータ側壁部72,72が、第1ケース側壁部42に向かって付勢されている場合、ケース31内にセパレータ70が配置された状態において、セパレータ側壁部72と接続部73との境界付近に応力が発生する。仮に接続部73を直線状とすると、境界付近は角となるため、この応力は大きくなる。一方、接続部73がJ字を呈すれば、境界付近が曲線となり、この応力を小さくすることができる。
【0075】
加えて、本実施例では、セパレータ70の厚みD1は、第1ケース40及び第2ケース50の厚みD2よりも薄い。そのため、熱交換チューブ30は軽量化することができる。
【0076】
第1ケース側壁部42の高さhは、第1ケース底部41から本体部71の中央CLまでの高さHよりも短い。同様に、第2ケース側壁部52の高さhは、第2ケース底部51から本体部71の中央CLまでの高さHよりも短い。
【0077】
例えば、フィン60の個体差により、フィン60の高さが所定の高さよりも低い場合、第1ケース側壁部42と第2ケース側壁部52の先端同士が干渉する虞がある。この場合、フィン60とケース31との密着度が下がる。
【0078】
一方、第1ケース側壁部42の高さhが、第1ケース底部41から本体部71の中央CLまでの高さHよりも短ければ、フィン60の高さが低い場合であっても、先端同士は干渉せず、フィン60とケース31とを密着させることができる。結果、効率的な熱交換が行える。
【0079】
さらに、セパレータ70は、セパレータ側壁部72の先端から排気ガスの流路に向かって延びる延長部74が形成されている。すなわち、延長部74は排気ガスの流路のなかの第1フィン61の側方に位置する。そのため、延長部74は、第1フィン61の側方を通過する排気ガスの熱を吸収することができる。ケース31内において、排気ガスの熱を伝達する部材の表面積が増え、効率的に熱交換を行うことができる。
【0080】
図8を参照する。セパレータ側壁部72は、第1ケース側壁部42に向かって付勢されている。すなわち、セパレータ70の長手方向の寸法は、第1ケース底部41の長手方向の寸法よりも長い。セパレータ70がケース31内に配置された場合、セパレータ側壁部72は、第1ケース側壁部42及び第2ケース側壁部52と、より密着した状態で当接する。密着度の高い状態で、セパレータ側壁部72と、第1ケース側壁部42及び第2ケース側壁部52とが溶接されるため、接合性が上がる。結果、セパレータ70からケース31への熱の移動について、効率的に熱交換を行うことができる。
【0081】
図9及び
図10を参照する。レーザ溶接は、真空炉86によるろう付けの後に行う。仮に、ろう付けの前にレーザ溶接を行うと、ろう材81を設けることが困難となる。一方、第1ケース40と第2ケース50とが接合される前であれば、ろう材81を容易に設けることがである。
【0082】
なお、レーザ溶接に代えて、アーク溶接やろう付け等による接合も可能である。しかし、アーク溶接の場合、溶接の時間が長いため、溶接をする部位の周縁のろう材81を溶かしてしまう虞がある。一方、レーザ溶接では、レーザの照射時間は短く、ろう材81が溶ける虞はない。さらに、溶接ビードについて、レーザ溶接はビード幅が細く、ビード表面はより平らである。そのため、外観的にも好ましく、エンドプレート12,14(
図2参照)への取り付け性も優れている。
【0083】
<実施例2>
次に、本発明の実施例2について説明する。実施例2では、セパレータ70A、第1ケース40A及び第2ケース50Aが実施例1の熱交換チューブ30と異なる。その他の構成については、実施例1の熱交換チューブ30と同様であり、符号を流用すると共に説明を省略する。
【0084】
図11(a)を参照する。セパレータ70Aは、両面に第1フィン61及び第2フィン62が接合された本体部71Aと、この本体部71Aの両端から第1フィン61側に立ち上げられたセパレータ側壁部72A,72Aとからなる。すなわち、セパレータ70Aは、接続部73(
図5参照)を有さない。
【0085】
そのため、セパレータ側壁部72A,72Aは第1フィン61側にのみ位置する。そのため、これらセパレータ側壁部72A,72Aと接合する第1ケース40A及び第2ケース50Aの形状は異なる。第1ケース側壁部42Aの高さは、第2ケース側壁部52Aの高さよりも短い。
【0086】
加えて、セパレータ70Aの厚みD1は、第1ケース40Aの厚みD2及び第2ケース50Aの厚みD2よりも厚い。詳細には、セパレータの厚みD1は、第1ケース及び第2ケース50の厚みD2の略1.5倍から2倍程度である。
【0087】
本体部71Aには、本体部71Aと一体的に形成された立ち上がり部91及び立ち下がり部92が設けられている。
【0088】
図11(b)を参照する。立ち上がり部91及び立ち下がり部92は、それぞれ本体部71Aの長手方向に形成され、立ち上がり部91により構成される列、立ち下がり部92により構成される列が、それぞれ交互に並ぶ。
【0089】
立ち上がり部91は、本体部71Aに略U字状の切り込みが入れられ、この切り込みを上方に曲げることにより形成される。立ち下がり部92は、本体部71Aに略U字状の切り込みを入れ、この切り込みを下方に曲げることにより形成される。
【0090】
切り込みはU字の開口側が中央に向くように形成される。結果、立ち上がり部91及び立ち下がり部92は、本体部71Aの中央を基準として、左右対称となる。
【0091】
図11(c)を参照する。立ち下がり部92が形成されることにより、本体部71Aには、孔93Aが形成される。
【0092】
図11(d)を参照する。立ち上がり部91が形成されることにより、本体部71Aには、孔93Aが形成される。
【0093】
熱交換チューブ30Aにおいても、本発明所定の効果を得ることができる。さらに、熱交換チューブ30Aによれば、上記の構成により、以下の特有の効果を得ることができる。
【0094】
セパレータ70Aは、本体部71Aと、この本体部71Aの両端から立ち上げられたセパレータ側壁部72A,72Aのみからなり、接続部73(
図5参照)は形成されない。そのため、セパレータ70Aは、実施例1のセパレータ70よりも形成が容易となる。結果、より簡素な構造により、ケースを小型化することができる。
【0095】
セパレータ70Aの厚みD1は、第1ケース40Aの厚みD2及び第2ケース50Aの厚みD2よりも厚い。レーザ照射時に裏当てとなるセパレータ側壁部72A,72Aの厚みが増すことにより、溶接しやすくなる。
【0096】
セパレータ70Aの本体部71Aには、孔91Aが形成されている。ケース31A内には排気ガスの流れやすい部位と流れにくい部位が存在する。孔91Aを形成し、ケース31A内における排気ガスの移動を許容することにより、排気ガスを円滑に流すことができる。これにより排気ガスの流量を増加させ、効率的に熱交換を行うことができる。
【0097】
<実施例3>
次に、本発明の実施例3について説明する。実施例3では、セパレータ70Bが実施例2の熱交換チューブ30Aと異なる。その他の構成については、実施例2の熱交換チューブ30Aと同様であり、符号を流用すると共に説明を省略する。
【0098】
図12(a)を参照する。セパレータ70Bの本体部71Bには、矩形状を呈し、排気ガスを取り入れる取り入れ部94が複数設けられている。取り入れ部94は、本体部71Bの上面及び下面に設けられており、取り入れ口は、排気ガスの流れ方向を向いている。
【0099】
図12(b)を参照する。
図12(b)は、セパレータ70Bの平面図である。取り入れ部94は、複数形成され、流れ方向に列をなす。
【0100】
図12(c)を併せて参照する。取り入れ部94は、底面となる本体部71Bには孔91Bが形成されている。
【0101】
熱交換チューブ30Bにおいても、本発明所定の効果を得ることができる。さらに、熱交換チューブ30Bによれば、上記の構成により、以下の特有の効果を得ることができる。
【0102】
セパレータ70Bの本体部71Bには孔91Bが形成されており、取り入れ口は、流れ方向を向いている。そのため、排気ガスは取り入れ部94から取り込まれやすくなり、ケース31A内における排気ガスの移動をより許容する。結果、効率的に熱交換を行うことができる。
【0103】
<実施例4>
次に、本発明の実施例4について説明する。実施例4では、セパレータ70Cが実施例2の熱交換チューブ30Aと異なる。その他の構成については、実施例2の熱交換チューブ30Aと同様であり、符号を流用すると共に説明を省略する。
【0104】
図13を参照する。
図13は、セパレータ70Cの平面図である。本体部71Cには、本体部71Cの幅方向に延びる長尺の孔91Cが複数形成されている。孔91Cは、流れ方向に3列形成されている。各列において、孔91Cと孔91Cとのピッチは同一である。中央の列の孔91Cは、他のピッチの半分の寸法分、流れ方向にずれて形成されている。
【0105】
セパレータ70Cを有する熱交換チューブも、本発明所定の効果を得ることができる。さらに、セパレータ70Cを有する熱交換チューブによれば、上記の構成により、以下の特有の効果を得ることができる。
【0106】
セパレータ70Cの本体部71Cには、孔91Cのみが形成され、セパレータ70Cの製造は容易となる。熱交換チューブ内において、より簡易な方法で流体を移動させることができ、効率的に熱交換を行うことができる。
【0107】
<実施例5>
次に、本発明の実施例5について説明する。実施例5では、フィン60Aが実施例1の熱交換チューブ30と異なる。その他の構成については、実施例1の熱交換チューブ30と同様であり、符号を流用すると共に説明を省略する。
【0108】
図14(a)を参照する。
図14(a)は、フィン60Aの壁部63を正面から見た図であり、排気ガスはフィン60Aの長手方向に流れる。フィン60Aの壁部63には、孔91Eが複数形成されている。孔91Eは、同一直線状に同ピッチで形成されている。
【0109】
図14(b)を参照する。フィン60Aの各壁部には、それぞれ孔91Eが形成されている。各孔91Eは、同一直線状に位置する。
【0110】
フィン60Aを有する熱交換チューブも、本発明所定の効果を得ることができる。さらに、フィン60Aを有する熱交換チューブによれば、上記の構成により、以下の特有の効果を得ることができる。
【0111】
フィン60Aの各壁部には、それぞれ孔91Eが形成されている。そのため、熱交換チューブ内において、フィン60Aの壁部63と壁部63との間においても、排気ガスの移動を許容する。そのため、効率的に熱交換を行える。
【0112】
<実施例6>
次に、本発明の実施例6について説明する。実施例6による熱交換チューブ30Cでは、接合方法が実施例1による熱交換チューブ30と異なる。その他の構成については、実施例1の熱交換チューブ30と同様であり、符号を流用すると共に説明を省略する。
【0113】
図15(a)を参照する。熱交換チューブ30Cにおいて、セパレータ側壁部72のなかの、第1ケース側壁部42に対向する面は、第1ケース側壁部42に対し、第1熱媒体の流れ方向に沿って連続的に形成される第1ビード44により、溶接されている。同様に、セパレータ側壁部72のなかの、第2ケース側壁部52に対向する面は、第2ケース側壁部52に対し、第1熱媒体の流れ方向に沿って連続的に形成される第2ビード54により、溶接されている。
【0114】
すなわち、第1ビード44が第1ケース側壁部42の第1先端部43に形成され、第2ビード54が第2ケース側壁部52の第2先端部53に形成されることにより、セパレータ側壁部72と、第1ケース側壁部42及び第2ケース側壁部52とが接合される。
【0115】
熱交換チューブ30Cも、本発明所定の効果を得ることができる。さらに、熱交換チューブ30Cでは、実施例1によるレーザ溶接と比較して、より簡易に接合することができる。
【0116】
図15(b)を参照する。
図15(b)には、
図15(a)の場合と比較して、第1先端部43と第2先端部53との間の寸法が短い場合が示されている。この場合、第1先端部43と第2先端部53との間の隙間を埋めるように、1つのビードのみが形成されてもよい。即ち、ややビード幅の広い第3ビード33により、セパレータ側壁部72と、第1ケース側壁部42及び第2ケース側壁部52とが接合される。
【0117】
なお、各実施例における熱交換チューブを構成するケース、フィン、セパレータは適宜組み合わせることができる。例えば、実施例1の熱交換チューブのフィン60について、実施例2〜4による孔91A,孔91B,孔91Cを形成してもよい。また、実施例2〜4の熱交換チューブにおいて、セパレータ70A,70B,70Cに接続部73を形成してもよく、実施例1〜4において、実施例5のフィン60Aを採用してもよい。さらに、各実施例において、セパレータ70の厚みは適宜変更することもでき、セパレータ70とケース31の厚みは同一でもよい。
【0118】
本発明のEGRクーラは、実施の形態では四輪車に適用したが、車両全般に適用可能であり、さらに車両以外の用途に用いることも差し支えない。
【0119】
さらに、本発明におけるフィンケースが搭載されている熱交換器は、実施の形態ではEGRクーラに適用したが、排熱回収装置やコージェネレーションシステム、熱電発電装置への適用も可能である。さらに、これらのように、排気ガスの熱と媒体との間で熱交換を行うもの以外の物にも適用が可能である。