(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1および特許文献2に開示された技術は、微細気泡を含有する水をレーザ装置に使用する技術ではあるが、冷却水に関連する課題を解決する技術ではなかった。冷却水に関連する課題として、例えば、冷却水の循環路を構成する金属管等の腐食や、冷却水における藻等の繁殖があり、そのため冷却水おける水質の管理が難しいという課題があった。これにより、必要な管理作業に労力と時間を要し、レーザ装置の稼働率が低下する場合あった。また、冷却水の管理が完全ではない場合、レーザ装置に故障が生じる場合があった。
【0007】
また、冷却水に関連する他の課題として、例えば、腐食への対策として冷却水の循環路を構成する金属管の肉厚を厚くした場合、レーザ装置における冷却効率に悪影響が生じる場合があった。例えば、冷却効率が低くなることで、電気からレーザへの変換効率が低下し、レーザキャビティ等におけるレーザ出力や寿命に悪影響が生じる場合があった。
【0008】
本発明は、冷却水に微細気泡を含有する微細気泡含有水を使用することで、管理作業を低減可能なレーザ装置を提供することを目的とする。また、本発明は、レーザキャビティの冷却性に優れたレーザ装置を提供することを他の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)上記目的を達成するため本発明は、1又は複数のレーザキャビティ(例えば、後述のレーザキャビティ12)と、前記1又は複数のレーザキャビティを収容する筐体(例えば、後述の筐体5)と、を有するレーザ発振装置(例えば、後述のレーザ発振装置2)と、前記レーザ発振装置外に配置され、前記レーザ発振装置を冷却するための循環冷却水を冷却可能な冷却装置(例えば、後述の冷却装置3)と、前記レーザ発振装置と前記冷却装置とを前記循環冷却水が循環可能に連結する冷却水循環路(例えば、後述の冷却水循環路50)と、を備え、前記循環冷却水は、微細気泡を含み該微細気泡のピーク径が100μm以下である微細気泡含有水であるレーザ装置(例えば、後述の半導体レーザ装置1)を提供する。
【0010】
(2) (1)に記載のレーザ装置において、前記循環冷却水は、微細気泡を含み該微細気泡のピーク径が1μm以下である微細気泡含有水であってもよい。
【0011】
(3) (1)又は(2)に記載のレーザ装置において、前記レーザ発振装置に配置され、微細気泡を発生させ前記微細気泡含有水を生成する微細気泡発生装置(例えば、後述の微細気泡発生装置100)と、前記微細気泡発生装置と前記冷却水循環路とに連結され、前記冷却水循環路から循環冷却水を前記微細気泡発生装置に供給可能であると共に、前記微細気泡発生装置により発生された微細気泡を含む微細気泡含有水を前記冷却水循環路に供給可能な第1バイパス路(例えば、後述の第1バイパス路110)と、を更に備えていてもよい。
【0012】
(4) (1)又は(2)に記載のレーザ装置において、前記レーザ発振装置外に配置され、微細気泡を発生させ前記微細気泡含有水を生成する微細気泡発生装置(例えば、後述の微細気泡発生装置200)と、前記微細気泡発生装置と前記冷却水循環路とに連結され、前記冷却水循環路から循環冷却水を前記微細気泡発生装置に供給可能であると共に、前記微細気泡発生装置により発生された微細気泡を含む微細気泡含有水を前記冷却水循環路に供給可能な第2バイパス路(例えば、後述の第2バイパス路210)と、を更に備えていてもよい。
【0013】
(5) (4)に記載のレーザ装置において、前記微細気泡発生装置により生成された微細気泡含有水を貯蔵可能な貯蔵容器(例えば、後述の貯蔵容器300)と、前記微細気泡発生装置と前記貯蔵容器とに連結されると共に前記貯蔵容器と前記冷却水循環路とに連結され、前記微細気泡発生装置により生成された微細気泡含有水を前記貯蔵容器に供給可能であると共に、前記貯蔵容器に貯蔵された微細気泡含有水を前記冷却水循環路に供給可能な第3バイパス路(例えば、後述の第3バイパス路310)と、を更に備えていてもよい。
【0014】
(6) (3)から(5)いずれかに記載のレーザ装置において、前記微細気泡発生装置は、外部から供給される気体又は循環冷却水に含まれる気体を利用して微細気泡を発生させてもよい。
【0015】
(7) (6)に記載のレーザ装置において、前記微細気泡発生装置に気体を供給可能であると共に、供給する気体の種類を選択可能であって、少なくとも活性ガス、不活性ガスおよび空気から選ばれる1種類以上を選択可能な気体選択機構(例えば、後述の気体選択機構120)と、を備え、前記微細気泡発生装置は、前記気体選択機構により選択され供給された気体の微細気泡を発生させてもよい。
【0016】
(8) (7)に記載のレーザ装置において、前記気体選択機構は、運転モードを変更可能なモード設定部(例えば、後述のモード設定部127)を備えていてもよい。
【0017】
(9) (6)から(8)いずれかに記載のレーザ装置において、前記微細気泡発生装置に供給される気体は、窒素であり、前記微細気泡発生装置は、窒素の微細気泡を発生してもよい。
【0018】
(10) (6)から(8)いずれかに記載のレーザ装置において、前記微細気泡発生装置に供給される気体は、酸素であり、前記微細気泡発生装置は、酸素の微細気泡を発生しえもよい。
【0019】
(11) (6)から(8)いずれかに記載のレーザ装置において、前記微細気泡発生装置に供給される気体は、圧縮空気又は空気であり、前記微細気泡発生装置は、空気の微細気泡を発生してもよい。
【0020】
(12) (1)から(11)いずれかに記載のレーザ装置において、前記冷却水循環路に連結され、前記循環冷却水により直接又は間接的に冷却される冷却板部(例えば、後述の冷却板部22)と、を更に備え、前記レーザキャビティは、前記冷却板部に接触して配置されてもよい。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、冷却水に微細気泡を含有する微細気泡含有水を使用することで、管理作業を低減可能なレーザ装置を提供することができる。また、本発明によれば、レーザキャビティの冷却性に優れたレーザ装置を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、第2実施形態以下の説明においては、第1実施形態と共通する構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0024】
[第1実施形態]
まず、
図1により、半導体レーザ装置1(レーザ装置)について説明する。
図1は、第1実施形態におけるレーザ装置の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、半導体レーザ装置1は、レーザ発振装置2と、冷却装置3と、冷却水循環路50と、を備える、また、半導体レーザ装置1は、外部から微細気泡含有水BWを供給可能な供給口39を備える。本実施形態における半導体レーザ装置1は、循環冷却水として外部から供給された微細気泡含有水BWを使用するレーザ装置である。
【0025】
レーザ発振装置2は、出力すべきレーザ光を共振させるためのレーザ発振装置である。レーザ発振装置2は、1又は複数のレーザキャビティ12と、1又は複数のレーザキャビティ12を収容する筐体5と、を有する。また、レーザ発振装置2は、筐体5内に収容配置される不図示の各種部材等を有する。
レーザ発振装置2は、冷却水循環路50により、外部に配置される冷却装置3と循環冷却水である微細気泡含有水BWを循環可能に接続される。
【0026】
レーザ発振装置2は、(本実施形態においては一つの)レーザキャビティ12を備える。レーザキャビティ12は、発熱部である。レーザキャビティ12は、光出力エネルギーに応じて、例えば、数十Wの熱エネルギーを発生させる。そのため、レーザキャビティ12には、温度上昇による機能等の低下を抑制するために冷却が必要である。本実施形態において、レーザキャビティ12は、後述する冷却板部22に接触して配置(載置)される。
【0027】
レーザ発振装置2は、レーザキャビティ12を冷却するための冷却板部22を有する。
冷却板部22は、レーザキャビティ12に載置されると共に、レーザキャビティ12を冷却する部材である。
【0028】
冷却板部22は、冷却水循環路50に連結され、循環冷却水である微細気泡含有水BWにより直接又は間接的に冷却される冷却板部である。冷却板部22は、例えば、複数の電熱性板状部材を積層配置すると共に、各層の間に循環冷却水である微細気泡含有水BWを通液可能に構成される。冷却板部22は、循環冷却水である微細気泡含有水BWを通液可能な通液路54を有する。冷却板部22は、冷却水循環路50(供給路52)から供給された循環冷却水である微細気泡含有水BWが通液路54を通液することで冷却される。ここで、冷却板部22は、該冷却板部22を構成する電熱性板状部材が薄いほどレーザキャビティ12に対する冷却性は高くなる。
【0029】
冷却装置3は、レーザ発振装置2外に配置され、レーザ発振装置2を冷却するための循環冷却水を冷却可能な装置である。冷却装置3は、レーザ発振装置2外に配置され、レーザキャビティ12を冷却するための循環冷却水(微細気泡含有水BW)を冷却可能な装置である。
【0030】
本実施形態において、冷却装置3は、冷却部31と、ポンプ35と、供給口39と、を有する。
冷却部31は、例えば、低温の冷媒が通液された熱交換器である。冷却部31は、循環冷却水(微細気泡含有水)を通液させることで該循環冷却水を冷却する。
ポンプ35は、冷却水循環路50(後述の排出路56)からの循環冷却水を冷却部31に送液する。
供給口39は、外部から微細気泡含有水BWを循環冷却水として循環系に供給可能な部分である。本実施形態においては、半導体レーザ装置1の外部において生成された微細気泡含有水BWを使用している。そのため、微細気泡含有水BWは、供給口39から循環冷却水の循環系に供給される。
【0031】
冷却水循環路50は、レーザ発振装置2と冷却装置3とを循環冷却水(微細気泡含有水BW)が循環可能に連結する。冷却水循環路50は、循環冷却水(微細気泡含有水BW)が冷却装置3とレーザ発振装置2の内部との間で循環可能となるように構成される。冷却水循環路50は、例えば、金属管やバルブ等を有して構成される。
【0032】
冷却水循環路50は、供給路52と、排出路56とを有する。
供給路52は、冷却装置3(冷却部31)からの循環冷却水(微細気泡含有水BW)をレーザ発振装置2に供給する経路である。詳細には、供給路52は、冷却装置3(冷却部31)からの循環冷却水(微細気泡含有水BW)を冷却板部22に供給する経路である。
【0033】
排出路56は、レーザ発振装置2からの循環冷却水(微細気泡含有水BW)を冷却装置3(冷却部31)に戻す経路である。詳細には、排出路56は、冷却板部22からの循環冷却水(微細気泡含有水BW)を冷却装置3(冷却部31)に戻す経路である。本実施形態においては、供給口39は、排出路56上に配置される。
【0034】
本実施形態において、循環冷却水として使用される微細気泡含有水BWは、微細気泡を含み該微細気泡のピーク径が100μm以下、好ましくは10μm以下、更に好ましくは1μm以下の微細気泡含有水である。微細気泡含有水BWに含有される微細気泡は、径が小さいほど長期間存在する。
【0035】
本実施形態において、微細気泡を形成するために使用される気体の種類は特に限定されない。微細気泡を形成するために使用される気体の種類は、必要とする機能等に応じて適宜選択される。微細気泡を形成するために使用される気体は、例えば、活性ガス、不活性ガス、空気等から選ばれる。本実施形態においては、主に腐食防止や防菌の視点から選択される。
【0036】
微細気泡含有水BWは、例えば、旋回液流式、加圧溶解式や微細孔式の微細気泡発生装置により生成される。また、上記方式で精製された微細気泡を所定条件下で収縮させ、細かくならなかった微細気泡を浮上分離させることで、更に径が小さい微細気泡を含有する微細気泡含有水BWを得ることができる。
【0037】
微細気泡含有水BWに含まれる微細気泡の径は、例えば、動的光散乱法、レーザ回析・散乱法等の公知の方法により測定される。
微細気泡含有水BWに含まれる微細気泡の含量は、特に制限されないが、例えば1,000万個/mL以上であることが好ましく、より好ましくは1億個/mL以上である。
【0038】
本実施形態において、微細気泡含有水BWは、供給口39から供給され、循環冷却水として使用される。微細気泡含有水BWは、一定期間内は微細気泡を有した状態で冷却水循環路50内に存在するが、徐々に微細気泡が無くなり、最終的には通常の冷却水となる。微細気泡が無くなった後も通常の冷却水として冷却機能を有するためそのまま使用され、一定期間経過後、新たな微細気泡含有水BTと交換される。
【0039】
本実施形態によれば、以下の効果が奏される。
本実施形態において、半導体レーザ装置1は、1又は複数のレーザキャビティ12と、レーザキャビティ12を収容する筐体5と、を有するレーザ発振装置2と、レーザ発振装置2外に配置され、レーザ発振装置2を冷却するための循環冷却水を冷却可能な冷却装置3と、レーザ発振装置2と冷却装置3とを循環冷却水が循環可能に連結する冷却水循環路50と、を備え、循環冷却水は、微細気泡を含み該微細気泡のピーク径が100μm以下である微細気泡含有水である。
本実施形態によれば、冷却水に微細気泡を含有する微細気泡含有水を使用することで、管理作業を低減可能なレーザ装置を提供することができる。また、本実施形態によれば、循環冷却水に関連する管理作業の時間が短くなるため、レーザ装置における稼働率を向上させることができる。
【0040】
また、本実施形態によれば、循環冷却水に腐食防止機能等を有する微細気泡含有水を使用しているので、冷却水循環路に使用される金属管や冷却板部の厚さを薄くすることができる。これにより、レーザ発振装置(レーザキャビティ)の冷却性に優れたレーザ装置を提供することができる。また、冷却性が向上することで、電気からレーザへの変換効率が向上し、レーザにおける出力・品質が向上し、その寿命が長くなる。
【0041】
また、本実施形態において、前記循環冷却水は、微細気泡を含み該微細気泡のピーク径が1μm以下である微細気泡含有水である。
【0042】
本実施形態によれば、微細気泡のピーク径が1μm以下である微細気泡含有水を使用しているので、微細気泡がより長期間存在する。そのため、長期間、腐食防止機能等を有する。これにより、レーザ装置は、循環冷却水の交換頻度をより下げることができる。つまり、本実施形態によれば、管理作業をより低減可能なレーザ装置を提供することができる。また、本実施形態によれば、循環冷却水に関連する管理作業の時間がより短くなるため、レーザ装置における稼働率をより向上させることができる。
【0043】
[第2実施形態]
続けて、
図2により、第2実施形態のレーザ装置について説明する。
図2は、第2実施形態におけるレーザ装置の構成を示すブロック図である。なお、以下、第1実施形態と相違する構成について説明し、第1実施形態と同様の構成についてはその説明を省略する。
【0044】
図2に示すように、半導体レーザ装置1Aは、レーザ発振装置2A側に微細気泡発生装置100を有する態様である。微細気泡発生装置100がレーザ発振装置2Aに内蔵されている態様である。
半導体レーザ装置1Aは、微細気泡発生装置100と、第1バイパス路110と、を更に有する。
【0045】
微細気泡発生装置100は、レーザ発振装置2Aに配置される。微細気泡発生装置100は、微細気泡を発生させ、微細気泡含有水を生成する。微細気泡発生装置100は、上述した方式により、微細気泡を生成する。
【0046】
微細気泡発生装置100は、外部から供給される気体又は循環冷却水に含まれる気体を利用して微細気泡を発生させる。微細気泡発生装置100には、特定の気体が供給可能に構成される。また、循環冷却水に含まれる気体を利用して微細気泡を発生させる場合、外部からの気体の供給は不要である。例えば、微細気泡発生装置100は、循環冷却水に含まれる空気を利用して微細気泡を発生させる。この場合、主に窒素と酸素とが溶存しているので、窒素の微細気泡を含む微細気泡含有水の機能と、酸素の微細気泡を含む微細気泡含有水との機能を奏する微細気泡含有水が生成される。
【0047】
微細気泡発生装置100は、第1バイパス路110(後述の第1供給路111)により供給された循環冷却水内に微細気泡を発生させ、第1バイパス路110(後述の第1排出路112)を介して冷却水循環路50に微細気泡含有水を戻す。
微細気泡発生装置100は、連続的又は間欠的に稼働する。現実的には、微細気泡発生装置100は、腐食防止や防菌の視点で管理され、所定期間ごとに定期的に稼働する。
【0048】
第1バイパス路110は、微細気泡発生装置100と冷却水循環路50とに連結され、冷却水循環路50から循環冷却水を微細気泡発生装置100に供給可能であると共に、微細気泡発生装置100により発生された微細気泡を含む微細気泡含有水BWを冷却水循環路50に供給可能に構成される。
【0049】
第1バイパス路110は、第1供給路111と、第1排出路112とを有する。第1供給路111は、冷却水循環路50における排出路56と微細気泡発生装置100とに連結され、循環冷却水を微細気泡発生装置100に供給する。第1排出路112は、微細気泡発生装置100と冷却水循環路50における排出路56とに連結され、微細気泡発生装置100により生成された微細気泡含有水BWを冷却水循環路50における排出路56に供給する。
【0050】
本実施形態によれば、以下の効果が奏される。
本実施形態において、半導体レーザ装置1Aは、レーザ発振装置2Aに配置され、微細気泡を発生させ微細気泡含有水を生成する微細気泡発生装置100と、微細気泡発生装置100と冷却水循環路50とに連結され、冷却水循環路50から循環冷却水を微細気泡発生装置100に供給可能であると共に、微細気泡発生装置100により発生された微細気泡を含む微細気泡含有水を冷却水循環路50に供給可能な第1バイパス路110と、を更に備える。
本実施形態によれば、微細気泡発生装置100がレーザ発振装置2Aに内蔵されているので、循環冷却水を常時、微細気泡含有水にすることができる。これにより、腐食防止効や防菌効果が持続するため、循環冷却水の交換頻度を更に下げることができる。
【0051】
また、本実施形態によれば、微細気泡発生装置100がレーザ発振装置2Aに内蔵されているので、省スペース化が可能である。
また、本実施形態によれば、微細気泡発生装置100は、外部から供給される気体又は循環冷却水に含まれる気体を利用して微細気泡を発生させる。
【0052】
本実施形態によれば、外部から供給される気体を利用して微細気泡を発生させる場合、必要な機能に応じた種類の気体を選択可能である。これにより、気体の種類を選択するだけで、必要な機能を奏する微細気泡含有水を生成することができる。また、循環冷却水に含まれる気体を利用して微細気泡を発生させる場合、微細気泡発生装置100を簡易化できる。また、作業負担や管理負担等も低減される。
【0053】
[第3実施形態]
続けて、
図3により、第3実施形態のレーザ装置について説明する。
図3は、第3実施形態におけるレーザ装置の構成を示すブロック図である。なお、以下、上述の実施形態と相違する構成について説明し、同様の構成についてはその説明を省略する。
【0054】
図3に示すように、半導体レーザ装置1Bは、微細気泡発生装置100に気体を供給可能であると共に、供給する気体の種類を選択可能な気体選択機構120を有する態様である。半導体レーザ装置1Bは、第2実施形態における半導体レーザ装置1Aに更に気体選択機構120が設置された半導体レーザ装置である。
半導体レーザ装置1Bは、気体選択機構120と、を更に有する。
【0055】
気体選択機構120は、気体選択部121と、気体供給路125と、を有する。
気体選択部121は、微細気泡発生装置100に供給する気体の種類を選択可能に構成される。気体選択部121には、少なくとも
不活性ガスG1、活性ガスG2および空気G3それぞれを供給可能なガスボンベ等が接続される。気体選択部121は、不図示の切替部により、特定の気体を微細気泡発生装置100に供給可能に構成される。気体の種類は、循環冷却水において求められる機能に応じて選択される。また、気体選択部121は、複数種類の気体を選択して微細気泡発生装置100に供給することも可能に構成される。
【0056】
気体供給路125は、気体選択部121により選択された種類の気体を微細気泡発生装置100に供給する。
【0057】
ここで、
不活性ガスG1として微細気泡発生装置100に供給される気体は、例えば、窒素である。この場合、微細気泡発生装置100は、窒素の微細気泡を発生する。窒素の微細気泡を含有する微細気泡含有水BWは、冷却水循環路50を構成する金属管や冷却板部22における酸化反応等を抑制する機能を有する。
【0058】
また、活性ガスG2として微細気泡発生装置100に供給される気体は、例えば、酸素である。この場合、微細気泡発生装置100は、酸素の微細気泡を発生する。酸素の微細気泡を含有する微細気泡含有水BWは、循環冷却水中の有機物の分解や生物の繁殖防止機能を有する。
【0059】
また、空気G3として微細気泡発生装置100に供給される気体は、例えば、圧縮空気又は外気(空気)である。外気の場合、不図示のフィルター等を介して取り込まれた空気が使用される。これらの場合、微細気泡発生装置は、空気の微細気泡を発生する。空気の微細気泡を含有する微細気泡含有水BWは、窒素と酸素の微細気泡含有水の機能を有する。
【0060】
本実施形態によれば、以下の効果が奏される。
本実施形態において、半導体レーザ装置1Bは、微細気泡発生装置100に気体を供給可能であると共に、供給する気体の種類を選択可能であって、少なくとも活性ガス、不活性ガスおよび空気から選ばれる1種類以上を選択可能な気体選択機構120と、を備え、微細気泡発生装置100は、気体選択機構120により選択され供給された気体の微細気泡を発生させる。
本実施形態によれば、気体選択機構120は、必要な機能に応じた気体を選択して微細気泡発生装置100に供給することができる。これにより、半導体レーザ装置1Bは、必要な機能を有する微細気泡含有水を得ることができる。また、本実施形態によれば、気体選択機構は、複数種類の気体を微細気泡発生装置100に供給できるので、半導体レーザ装置1Bは、複数の機能を有する微細気泡含有水を得ることができる。
【0061】
また、本実施形態において、微細気泡発生装置100に供給される気体は、窒素であり、微細気泡発生装置100は、窒素の微細気泡を発生する。
本実施形態によれば、微細気泡発生装置100は、窒素の微細気泡を発生する。窒素の微細気泡を含有する微細気泡含有水は、金属の酸化抑制機能等を有するので、冷却水循環路50を構成する金属管や冷却板部における酸化反応等の抑制を目的とする場合に好適である。
【0062】
また、本実施形態において、微細気泡発生装置100に供給される気体は、酸素であり、微細気泡発生装置100は、酸素の微細気泡を発生する。
本実施形態によれば、微細気泡発生装置100は、酸素の微細気泡を発生する。酸素の微細気泡を含有する細気泡含有水は、防菌機能等を有するので、循環冷却水中の有機物の分解や生物の繁殖防止を目的とする場合、好適である。
【0063】
また、本実施形態において、微細気泡発生装置100に供給される気体は、圧縮空気又は空気(外気)であり、微細気泡発生装置100は、空気の微細気泡を発生する。
本実施形態によれば、微細気泡発生装置100は、空気の微細気泡を発生する。空気の微細気泡を含有する微細気泡含有水BWは、窒素と酸素の微細気泡含有水の機能を有するので、冷却水循環路50を構成する金属管や冷却板部における酸化反応等の抑制、および循環冷却水中の有機物の分解や生物の繁殖防止を目的とする場合、好適である。また、外気を利用する場合、コスト面や管理面でもメリットがある。
【0064】
[第4実施形態]
続けて、
図4により、第4実施形態のレーザ装置について説明する。
図4は、第4実施形態におけるレーザ装置の構成を示すブロック図である。なお、以下、上述の実施形態と相違する構成について説明し、同様の構成についてはその説明を省略する。
【0065】
図4に示すように、半導体レーザ装置1Cは、気体選択機構120における運転モードを変更可能なモード設定部127を有する態様である。半導体レーザ装置1Bは、第3実施形態における半導体レーザ装置1Bに更にモード設定部127が設置された半導体レーザ装置である。
半導体レーザ装置1Cは、モード設定部127を更に有する。
【0066】
モード設定部127は、モード入力部127aと、制御部127bと、を有する。モード設定部127は、運転モードを変更可能に構成される。
【0067】
モード入力部127aは、気体選択機構120における運転モードを選択可能であると共に、選択結果を制御部127bに出力可能に構成される。モード入力部127aは、例えば、タッチパネルやボタン等により構成される。
【0068】
制御部127bは、モード入力部127aから出力された選択結果の情報に基づいて、気体選択部121にモードに応じた指示を出力する。制御部127bは、選択された運転モードに応じて、気体選択部121に対して適宜指示を出力する。また、制御部127bは、同様に、微細気泡発生装置100に対しても適宜指示を出力する、
【0069】
運転モードとしては、例えば、気体選択部121に対して腐食防止効果の高い
窒素を供給させるモード、気体選択部121に対して殺菌効果の高い
酸素を供給させるモード等が例示できる。また。例えば、稼働時間に応じて、気体選択部121に対して気体種類の選択や供給を自動的に指示する自動運転モードが例示できる。
【0070】
本実施形態によれば、以下の効果が奏される。
本実施形態において、半導体レーザ装置1Cは、運転モードを変更可能なモード設定部127を備える。
本実施形態によれば、装置や環境に適した管理を容易に実施することが可能である。
【0071】
[第5実施形態]
続けて、
図5により、第5実施形態のレーザ装置について説明する。
図5は、第5実施形態におけるレーザ装置の構成を示すブロック図である。なお、以下、上述の実施形態と相違する構成について説明し、同様の構成についてはその説明を省略する。
【0072】
図5に示すように、半導体レーザ装置1Dは、冷却装置3D側に微細気泡発生装置200を有する態様である。微細気泡発生装置200がレーザ発振装置2Aに内蔵されている態様である。
半導体レーザ装置1Dは、冷却装置3Dに配置される微細気泡発生装置200と、第2バイパス路210と、を更に有する。
【0073】
本実施形態において、微細気泡発生装置200は、冷却装置3Dに配置される。微細気泡発生装置200は、微細気泡を発生させ、微細気泡含有水を生成する。微細気泡発生装置100は、上述した方式により、微細気泡を生成する。
【0074】
微細気泡発生装置200は、第2バイパス路210(後述の第2供給路211)により供給された循環冷却水内に微細気泡を発生させ、第2バイパス路210(後述の第2排出路212)を介して冷却水循環路50に微細気泡含有水を戻す。
微細気泡発生装置200は、連続的又は間欠的に稼働する。現実的には、微細気泡発生装置200は、腐食防止や防菌の視点で管理され、所定期間ごとに定期的に稼働する。
【0075】
第2バイパス路210は、微細気泡発生装置200と冷却水循環路50とに連結され、冷却水循環路50から循環冷却水を微細気泡発生装置200に供給可能であると共に、微細気泡発生装置200により発生された微細気泡を含む微細気泡含有水BWを冷却水循環路50に供給可能に構成される。
【0076】
第2バイパス路210は、第2供給路211と、第2排出路212とを有する。第2供給路211は、冷却水循環路50における排出路56と微細気泡発生装置200とに連結され、循環冷却水を微細気泡発生装置200に供給する。第2排出路212は、微細気泡発生装置200と冷却水循環路50における排出路56とに連結され、微細気泡発生装置200により生成された微細気泡含有水BWを冷却水循環路50における排出路56に供給する。
【0077】
本実施形態によれば、以下の効果が奏される。
本実施形態において、半導体レーザ装置1Dは、レーザ発振装置2D外に配置され、微細気泡を発生させ微細気泡含有水を生成する微細気泡発生装置200と、微細気泡発生装置200と冷却水循環路50とに連結され、冷却水循環路50から冷却水を微細気泡発生装置200に供給可能であると共に、微細気泡発生装置200により発生された微細気泡を含む微細気泡含有水を冷却水循環路50に供給可能な第2バイパス路210と、を更に備える。
本実施形態によれば、微細気泡発生装置200が冷却装置3に内蔵されているので、循環冷却水を常時、微細気泡含有水にすることができる。これにより、腐食防止効や防菌効果が持続するため、循環冷却水の交換頻度を更に下げることができる。
【0078】
また、本実施形態によれば、微細気泡発生装置200が冷却装置3に内蔵されているので、省スペース化が可能である。また、本実施形態によれば、微細気泡発生装置200が冷却装置3に内蔵されているので、微細気泡発生装置200を有しないレーザ発振装置を使用することができる。特に、複数のレーザ発振装置を1の冷却装置に接続する場合には、本実施形態の態様が好適である。
【0079】
[第6実施形態]
続けて、
図6により、第6実施形態のレーザ装置について説明する。
図6は、第6実施形態におけるレーザ装置の構成を示すブロック図である。なお、以下、上述の実施形態と相違する構成について説明し、同様の構成についてはその説明を省略する。
【0080】
図6に示すように、半導体レーザ装置1Eは、レーザ発振装置を複数(本実施形態においては2つ)有する態様である。また、半導体レーザ装置1Eは、冷却装置3Eに気体選択機構220が配置され、冷却装置3E外に微細気泡含有水を貯蔵可能な貯蔵容器300が配置されている態様である。
【0081】
半導体レーザ装置1Eは、複数(本実施形態において2つ)のレーザ発振装置2a、2bと、冷却装置3Eに配置された気体選択機構220と、冷却装置3外に配置される貯蔵容器300と、第3バイパス路310と、を有する。
【0082】
レーザ発振装置2a、2bには、冷却水循環路50を介して冷却装置3E又は貯蔵容器300から微細気泡含有水BWが供給される。
冷却水循環路50は、供給路52Eと、排出路56Eとを有する。供給路52Eは、分岐点P52により分岐された供給路52aと供給路52bとを有する。排出路56Eは、分岐点P56により分岐された排出路56aと排出路56bとを有する。
【0083】
気体選択機構220は、上述の気体選択機構120と同様の構成である。モード設定部227の構成およびモード内容等についても上述のモード設定部127と同様である。
【0084】
貯蔵容器300は、微細気泡発生装置200により生成された微細気泡含有水BWを貯蔵可能に構成される。貯蔵容器300には、冷却水循環路50Eに微細気泡含有水BWを供給しない状態において微細気泡発生装置200により生成された微細気泡含有水BWが供給され、貯蓄される。貯蔵容器300に貯蔵された微細気泡含有水BWは、例えば、運転モードに応じて、適宜、冷却水循環路50Eに供給される。貯蔵容器300があることで、微細気泡発生装置200が効率的に稼働される。
【0085】
第3バイパス路310は、供給路311と、排出路312とを有する。第3バイパス路310は、微細気泡発生装置200と貯蔵容器300とに連結されると共に、貯蔵容器300と冷却水循環路50Eとに連結される。第3バイパス路310は、微細気泡発生装置200により生成された微細気泡含有水BWを貯蔵容器300に供給可能であると共に、貯蔵容器300に貯蔵された微細気泡含有水BWを冷却水循環路50Eに供給可能に構成される。
【0086】
本実施形態によれば、以下の効果が奏される。
本実施形態において、半導体レーザ装置1Eは、微細気泡発生装置200により生成された微細気泡含有水を貯蔵可能な貯蔵容器300と、微細気泡発生装置200と貯蔵容器300とに連結されると共に貯蔵容器300と冷却水循環路50Eとに連結され、微細気泡発生装置200により生成された微細気泡含有水を貯蔵容器300に供給可能であると共に、貯蔵容器300に貯蔵された微細気泡含有水を冷却水循環路50Eに供給可能な第3バイパス路(例えば、第3バイパス路310)と、を更に備える。
本実施形態によれば、微細気泡含有水を貯蔵する貯蔵容器300を有するので、循環冷却水に微細気泡含有水を混入する必要ない場合に生成された微細気泡含有水を貯蔵容器300に貯蔵することができる。これにより、微細気泡発生装置200を効率的に稼働させることができる。また、これにより、必要な時に貯蔵しておいた微細気泡含有水を短時間に大量に供給することができる。また、これにより、一つの冷却装置に複数のレーザ発振装置を接続しても循環冷却水の品質を保持できる。また、必要な時に貯蔵しておいた微細気泡含有水を短時間に大量に供給することができるので、微細気泡発生装置200の製造能力を低くすることができる。そのため、装置の小型化に寄与する。
【0087】
上述において、第1実施形態から第6実施形態について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。本発明の目的を達成できる範囲での変形や改良も当然に本発明に含まれる。