(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という)を、添付図面に基づいて詳細に説明する。
なお、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号を付している。
【0019】
(第1実施形態)
図1は本発明に係る第1実施形態の回転装置10の一部分解斜視図である。
図1に示すように、回転装置10は、筐体20と、筐体20内に配置される各種部品(複数のギヤ30、モータ40、フレキシブル配線基板44及び回路基板50等)を備えている。
【0020】
(筐体)
筐体20は、各部品(複数のギヤ30、モータ40及び回路基板50等)が配置される第1筐体21と、第1筐体21の開口側(図上側)を塞ぐように第1筐体21と合わせられ、蓋部となる第2筐体22と、を備えている。
これら第1筐体21及び第2筐体22は、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ABS等の樹脂材料で形成されている。
【0021】
(ギヤ)
複数のギヤ30は、モータ40の回転を所定のギヤ比で外部に機械的に伝達するためのギヤである。
具体的には、
図1に示すように、複数のギヤ30には、モータ40の回転軸に固定されるウォームギヤ31と、ウォームギヤ31に接続される第1ギヤ32と、第1ギヤ32に接続される第2ギヤ33と、第2ギヤ33に接続される出力ギヤ34と、が含まれている。
【0022】
なお、第1ギヤ32は、ウォームギヤ31と第2ギヤ33に接続されるため二段ギヤになっており、二段ギヤのうち直径の大きいギヤ32aがウォームギヤ31に接続され、直径の小さいギヤ32bが第2ギヤ33に接続されている。
【0023】
同様に、第2ギヤ33は、第1ギヤ32と出力ギヤ34に接続されるため二段ギヤになっており、二段ギヤのうち直径の大きいギヤ33aが第1ギヤ32(直径の小さいギヤ32b)に接続され、直径の小さいギヤ33bが出力ギヤ34に接続されている。
【0024】
そして、第1筐体21には、出力ギヤ34に対応する位置に外部に連通する開口部21aが形成されている。
このため、開口部21aを通じて、筐体20の外部から出力ギヤ34にアクセスすることができるようになっている。
したがって、開口部21aを通じて、出力ギヤ34に設けられた嵌合部34aに自動車等の空調システムに用いられるルーバー等の回転軸を嵌合させることができる。
【0025】
(フレキシブル配線基板)
フレキシブル配線基板44は、モータ40と回路基板50との間の電気的な接続を行う。
フレキシブル配線基板44に関する詳細については、モータ40への取り付け等の関連があることからモータ40の説明で併せて行う。
【0026】
(回路基板)
回路基板50は少なくとも後述するフレキシブル配線基板44と外部とを電気的に接続する配線が形成されている。
図示の例では、回路基板50には、モータ40の回転等を制御する回路が設けられており、第1筐体21のコネクタ接続部23の近くに配置されている。
【0027】
そして、回路基板50には、回路基板50からコネクタ接続部23内に延在するように設けられた外部接続端子(図示せず)が設けられている。
【0028】
また、回路基板50には、モータ40側に設けられ、モータ40と電気的に接続される内部接続端子(図示せず)も設けられている。
【0029】
(モータ)
図2は、モータ40の一部分解斜視図である。
なお、
図2では、ウォームギヤ31がモータ40の回転軸に取り付けられた状態を示している。
モータ40は、モータ本体41と、バネ42と、ホルダ43と、を備えており、フレキシブル配線基板44が電気的に接続される。
【0030】
(モータ本体)
モータ本体41は、外枠となる導電部材で形成されたフレーム41aと、フレーム41a内に収容されたロータ及びステータを有している。
【0031】
ロータ及びステータは、公知のモータと同様の構成であってよい。
ロータは、例えば、モータ本体41から一部が導出される回転軸となるシャフトと、シャフトの外周に装着されたロータマグネットと、を備えている。
【0032】
また、ステータは、中央にロータマグネットを配置する空間を形成するように設けられた複数のティースを有するステータコア(ヨークともいう)と、ステータコアを覆うインシュレータ(ボビンともいう)と、インシュレータを介してティース上に巻回される複数のコイルと、を備えている。
【0033】
なお、ロータは、ロータマグネットをステータコアの中央に設けられた空間内に位置させるように、フレーム41aの一端側と他端側に配置された軸受で回転可能に支持されている。
また、軸受を配置する位置は適宜変更可能である。
例えば、フレーム41aの一端側に軸受を配置し、他の軸受をフレーム41aの外側、又は内側に配置しても構わない。
【0034】
さらに、複数のコイルは、それぞれ端部が端子41bに接続されており、その端子41bから電流が供給されるようになっている。
【0035】
この端子41bからコイルに電流が供給されると、ステータコアのティースに対するコイルの巻方向とコイルに流される電流の方向に応じて、ティースがN極又はS極に励磁され、ロータマグネットとの間で、引き合いが発生し、ロータが回転する。
【0036】
そして、コイルに流す電流の方向又は電流を供給するコイルを切り替えてティースの励磁状態を制御することでロータの回転が持続する。
【0037】
本実施形態では、
図2に示すように、フレーム41aは、ほぼ半分を構成する第1フレーム41aaと、残るほぼ半分を構成する第2フレーム41abと、を備えている。
第1フレーム41aaは、フレーム41aの一端側に設けられている。
第2フレーム41abは、フレーム41aの他端側に設けられている。
【0038】
そして、第1フレーム41aa及び第2フレーム41abの縁部には、それぞれ切欠部41cが形成されている。
これら切欠部41cは、回転軸方向において対向している。
また、これら切欠部41cの間に端子41bがある。
したがって、第1フレーム41aaと第2フレーム41abを合わせてフレーム41aの状態にすると、フレーム41aが端子41bを外部に導出する開口部41dを有するようになっている。
すなわち、第1フレーム41aa及び第2フレーム41abの切欠部41cにより開口部41dが形成され、フレーム41aから外部に向けて端子41bが導出されている。
【0039】
(バネ)
バネ42は、本実施形態では、導電部材で形成された板状のバネである。
図2に示すように、バネ42は、2つの端部(一部分)と、中央部42b(他の一部分)とを備える。
このバネ42は、中央に略矩形状の開口42e(横長でかつ矩形状の開口)を有するとともに、外形が横長でかつ矩形状の板材(導電部材)で形成されている。
また、バネ42の両端部は板材を折り曲げることで形成された弾性部42aとなっている。
この弾性部42aは、バネ42の端部を中央部42bに対して折り曲げられて形成され、折曲部となっている。
【0040】
バネ42は、横長でかつ略矩形状の枠体となっている。
この枠体の2つの端部を中央部42bに対してフレーム41a側に折り曲げることで、一対の弾性部42aはフレーム41aから離れる方向に付勢力を発生させている。
そして、バネ42の中央部42bには、開口の内側に突出した突出部42baが形成されている。
【0041】
図3は、バネ42、ホルダ43及びフレキシブル配線基板44を組み付けた状態を示す斜視図である。
なお、
図3はフレーム41aに取り付けられるときにフレーム41a側となる側から見た斜視図になっている。
図3に示すように、バネ42はホルダ43に支持されており、フレーム41aに対向するホルダ43の面に、バネ42が支持されている。
詳細には、バネ42の中央部42b(他の一部分)がフレーム41aに対向するホルダ43の面に支持されている。
また、バネ42の2つの端部(一部分)がフレーム41aに接触している。
このバネ42の中央部42bに形成されている一対の突出部42baは、ホルダ43に接触するフランジ部を構成している。
【0042】
また、バネ42は、
図2に示すように、中央部42bの外周の一部にホルダ43側に折り曲げるようにして形成された接続ピン42cを有している。
この接続ピン42cは、後述するフレキシブル配線基板44に半田等の導電部材で電気的に接続される端子としての役割を果たす。
すなわち、バネ42は、フレーム41aとフレキシブル配線基板44とを電気的に接続している。
【0043】
(ホルダ)
ホルダ43は、フレーム41aに設けられている。
このホルダ43は、
図2に示すように、フレーム41aの開口部41d上に配置される載置部43aと、載置部43aをフレーム41aに対して支持する一対の支持部43bを有している。
載置部43aは支持部43bによりフレーム41aに対して支持されている。
この一対の支持部43bは、載置部43aから開口部41dの外側に向かって延在するとともに、フレーム41aの外周面に沿って延在している。
なお、ホルダ43は、例えば、絶縁樹脂等の絶縁材料で形成されている。
【0044】
図4は、モータ40の斜視図である。
なお、
図4では、ウォームギヤ31がモータ40の回転軸に取り付けられた状態を示している。
また、フレキシブル配線基板44を併せて図示している。
【0045】
図4に示すように、ホルダ43の載置部43aは、フレキシブル配線基板44の一部が載置される部分となっている。
詳細には、載置部43aは、フレキシブル配線基板44のモータ本体41の端子41bに電気的に接続される第1接続部44aが載置される部分になっている。
よって、フレキシブル配線基板44は、ホルダ43に載置されている。
【0046】
このため、載置部43aは、その第1接続部44aに接続される端子41bを導出するための孔部43aaを有し、端子41bは孔部43aaを通過して、端子41bの一方の端部(第1端部)が第1接続部44aが配置されることになるフレーム41a側の面とは反対側の載置部43a側の面から導出されている。
よって、端子41bはホルダ43を通過してフレキシブル配線基板44に電気的に接続される。
【0047】
本実施形態では、モータ本体41が4つの端子41bを有しているため、載置部43aには、その4つの端子41bに対応する位置に4つの孔部43aaが形成されている。
【0048】
また、載置部43aは、フレーム41a側となる面で、
図3に示すように、バネ42の中央部42bに形成されている一対の突出部42baを受ける受け部としての役割も果たしている。
【0049】
一方、ホルダ43は、
図3に示すように、載置部43aと支持部43bの繋がり部分に、載置部43aの中央側に向かって開放されたコの字状の凹部43abが設けられている。
この凹部43abは、ホルダ43のフレーム41a側の面に形成されている。
【0050】
そして、
図2に示すように、フレーム41aの開口部41d内には、端子41bを取り囲むように配置される規制部41eが設けられており、上述の凹部43abは、この規制部41eに係合する大きさに形成されている。
この規制部41eは凹部43abと接触する接触部、もしくは凹部43abの位置決め部となっている。
規制部41eはインシュレータの部材で形成され、端子41bはインシュレータに圧入して固定されている。
この規制部41eは凹部43abと接触する接触部、もしくは凹部43abの位置決め部となっている。
【0051】
このため、
図4に示すように、ホルダ43がフレーム41a上に配置されると、この規制部41eがホルダ43の凹部43abに係合して、フレーム41aから離れる方向と直交する方向に、ホルダ43が移動するのを抑制する。
【0052】
なお、この規制部41eは、凹部43abに対して圧入するようなものである必要はなく、あくまでも、ホルダ43が大きく移動するのを抑制できるようになっていればよい。
【0053】
(フレキシブル配線基板)
フレキシブル配線基板44は、モータ本体41の端子41bと回路基板50に設けられる上述の内部接続端子(図示せず)の間を電気的に接続するための部材である。
【0054】
このため、フレキシブル配線基板44は、
図2に示すように、端子41bに電気的に接続される第1接続部44aと、回路基板50の内部接続端子(図示せず)に接続される第2接続部44bと、第1接続部44aと第2接続部44bの間を繋ぐ配線部44cと、を備えている。
【0055】
図2に示すように、第1接続部44aには、モータ本体41の4つの端子41bに対応する位置に4つの孔部が設けられている。
そして、4つの孔部のそれぞれの周囲には、半田等の導電部材によって端子41bと電気的な接続を行うためのランド44aaが設けられている。
【0056】
一方、第2接続部44bには、
図3に示すように、モータ本体41の4つの端子41bと電気的に接続される回路基板50の4つの内部接続端子(図示せず)が挿入される4つの孔部が設けられている。
【0057】
そして、その第2接続部44bの4つの孔部のそれぞれの周囲には、半田等によって内部接続端子(図示せず)と電気的な接続を行うためのランド44baが設けられている。
【0058】
また、それぞれのランド44aaとランド44baの間は、配線部44c等に形成された導電パターン(図示せず)で電気的に接続されている。
【0059】
ところで、
図2に示すように、フレキシブル配線基板44の第1接続部44aには、バネ42の接続ピン42cに対応する位置に接続ピン42cを挿入する孔部も設けられており、その孔部の周囲にも半田等の導電部材によって接続ピン42cと電気的な接続を行うためのランド44abが設けられている。
【0060】
そして、
図3に示すように、フレキシブル配線基板44の第2接続部44bには、回路基板50のグランド端子(図示せず)を挿入する孔部が設けられており、その孔部の周囲には、配線部44c等に形成された導電パターン(図示せず)で電気的にランド44ab(
図2参照)に接続されたランド44bbが設けられている。
ランド44aaとランド44baの間を接続する配線部44cに形成された導電パターンは、ランド44abとランド44bbの間を接続する配線部44cに形成された導電パターンと電気的に非接続である。
【0061】
したがって、バネ42は、フレキシブル配線基板44を介して回路基板50のグランドに電気的に接続することができるようになっている。
そして、バネ42が回路基板50のグランドと電気的に接続されると、バネ42は回路基板50のグランドと同電位の状態になる。
また、回路基板50のグランドは、外部接続端子に外部装置が接続されることで、外部装置のグランドと同電位の状態にされる。
【0062】
次に、モータ本体41に対するバネ42、ホルダ43及びフレキシブル配線基板44の取り付け手順等について説明しながら、更に詳細に説明する。
【0063】
図4に示すように、バネ42、ホルダ43、フレキシブル配線基板44の第1接続部44aがモータ本体41のフレーム41a側からバネ42、ホルダ43、第1接続部44aの順に位置するように配置する。
【0064】
このとき、モータ本体41の端子41bが、ホルダ43の載置部43aに形成された孔部43aa(
図2参照)及び第1接続部44aの孔部(ランド44aaを形成)から導出されるようにする。
なお、このときに、バネ42の接続ピン42cも第1接続部44aの対応する孔部(ランド44abを形成)から導出された状態にしておく。
【0065】
ここで、
図4に示すように、バネ42、ホルダ43及び第1接続部44aを配置しただけの状態のときには、フレーム41aに接触しているバネ42の弾性部42aの付勢力によって、ホルダ43及び第1接続部44aがフレーム41aから離れる方向に付勢されている。
【0066】
そこで、ホルダ43及び第1接続部44aをフレーム41aに固定して、バネ42をフレーム41a側に付勢して、ホルダ43の支持部43bがバネ42の内側の開口42eを通じてフレーム41aに接触する状態とする。
なお、このとき、バネ42の弾性部42aが弾性変形して、バネ42がフレーム41aにしっかりと接触した状態になる。
【0067】
そして、ホルダ43の支持部43bがフレーム41aに接触する状態で、孔部(ランド44aaを形成)を通じて、載置部43a及び第1接続部44aのフレーム41aと反対側に導出された端子41bの第1端部(
図4に示す孔部から出ている端子41bの部分)を半田等の導電部材で第1接続部44aのランド44aaに固定する第1固定部(図示せず)を形成する。
なお、このときに、バネ42の接続ピン42cも、半田等の導電部材によって、第1接続部44aのランド44abに固定する。
【0068】
このようにして、形成された第1固定部は、フレキシブル配線基板44の第1接続部44aと端子41bを電気的に接続するだけでなく、バネ42の付勢力でホルダ43がフレーム41aから離れる方向に移動するのを抑制する役目を果たす。
【0069】
そうすると、ホルダ43がフレーム41aから離れる方向に移動しないため、バネ42の弾性部42aは弾性変形した状態が保たれ続けることになり、安定してバネ42がフレーム41aに接触し続ける。
【0070】
上述したように、バネ42及びフレーム41aは、どちらも導電部材で形成されているため、バネ42がフレーム41aに接触すると、フレーム41aとバネ42は短絡することになる。
【0071】
したがって、フレーム41aもフレキシブル配線基板44を介して回路基板50のグランドに電気的に接続された状態となるため、フレーム41aが回路基板50のグランドと同電位になり、電磁シールドの役割を果たすようになる。
このため、モータ本体41内で発生する電磁的ノイズがモータ40の外部に放出されることが抑制される。
【0072】
一方、フレキシブル配線基板44の第1接続部44aは、ホルダ43によってフレーム41a側に動くことが抑制されているため、第1固定部に応力がかかることが抑制され、第1固定部に亀裂等が起きることが抑制できる。
【0073】
ところで、第1固定部には、バネ42の付勢力がかかることになるため、その影響で第1固定部に破損が起きるおそれがある。
したがって、バネ42の付勢力は強すぎないほうがよく、ホルダ43が第1固定部でフレーム41aから離れる方向に動かないように固定された状態のときに、1つの弾性部42aが発揮するばね力が80gf以下であることが好ましく、70gf以下であることがより好ましい。
なお、ここでいうばね力とは、ホルダ43の支持部43bがフレーム41aに接触する状態とされたときに、弾性部42aが発揮する力である。
【0074】
以上のような構成によれば、モータ本体41の端子41bと回路基板50の内部接続端子(図示せず)を電気的に接続するフレキシブル配線基板44を流用してフレーム41aを回路基板50のグランドに簡単に接続することができる。
【0075】
しかも、ホルダ43のフレーム41a側にバネ42を設けるだけの極めてシンプルな構成でフレキシブル配線基板44にフレーム41aを電気的に接続することができるため、ほとんどコストアップすることなく、モータ40の外部に電磁的ノイズが放出されるのを抑制することが可能である。
なお、フレーム41aを電磁シールドにしても構わない。
【0076】
(第2実施形態)
次に、本発明に係る第2実施形態について説明する。
第2実施形態においても基本的な構成は、第1実施形態と同様であるため、以下では、主に第1実施形態と異なる点について説明し、第1実施形態と同様の構成については説明を省略する場合がある。
【0077】
図5は、第2実施形態のモータ40の一部分解斜視図である。
なお、
図5では、ウォームギヤ31がモータ40の回転軸に取り付けられた状態を示している。
また、フレキシブル配線基板44を併せて図示している。
【0078】
また、
図6は、第2実施形態のバネ42、ホルダ43及びフレキシブル配線基板44を組み付けた状態を示す斜視図である。
なお、
図6はフレーム41aに取り付けられるときにフレーム41a側となる側から見た斜視図になっている。
【0079】
図5に示すように、モータ本体41及びフレキシブル配線基板44は、第1実施形態と同様であり、第2実施形態では、ホルダ43及びバネ42が第1実施形態と異なっている。
【0080】
第2実施形態のホルダ43には、第1実施形態の載置部43a(
図2参照)から横側に延在するバネ42を固定する固定部43cが設けられている。
より具体的には、第2実施形態のホルダ43には、一対の支持部43bの並ぶ方向を第1方向(Z軸参照)とすると、この第1方向に直交する方向(第2方向)に載置部43aから延在するように形成された固定部43cが設けられている。
この第1方向と第2方向とで形成される平面は、載置部43aの一面に沿っている。
【0081】
そして、固定部43cには、バネ42の接続ピン42cを通すための孔部43caが設けられている。
また、
図6に示すように、固定部43cのフレーム41a側には、フレーム41a側に突出するバネ42を固定する円形の凸部43cbが設けられている。
【0082】
一方、バネ42は、固定部43cのフレーム41a側の面で受けられる接触部42dと、接触部42dからフレーム41a側に折り曲げられた1つの弾性部42aと、を有している。
【0083】
また、バネ42は、接触部42dの外周の一部に設けられたフレーム41aから離れる側に折り曲げられた接続ピン42cを有している。
【0084】
そして、接触部42dには、固定部43cの凸部43cbに嵌合する円形状の孔部42daが設けられている。
なお、固定部43cの凸部43cbに嵌合させやすいように、接触部42dの外周から接触部42dの孔部42daに向けてスリットが形成されている。
【0085】
このようにホルダ43及びバネ42を構成しても、第1実施形態と同様に、バネ42の接続ピン42cをフレキシブル配線基板44のランド44abに半田等の導電部材で電気的に接続させて、そのランド44abに接続されたバネ42をフレーム41aに接触させるようにすることができる。
【0086】
したがって、第1実施形態と同様に、フレーム41aを回路基板50のグランドにフレキシブル配線基板44を介して電気的に接続して、フレーム41aを電磁シールドとすることができる。
【0087】
このため、第2実施形態においても、モータ本体41内で発生する電磁的ノイズがモータ40の外部に放出されることが抑制できる。
【0088】
以上、本発明を実施形態に基づき説明したが、本発明は実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲での種々の変更が可能であることも言うまでもない。
【0089】
例えば、モータ40を回転装置10以外の装置に用いるようにしてもよい。
この場合でも、フレーム41aを外部のグランドに、フレキシブル配線基板44を介して電気的に接続するようにすることで、モータ40の外部に電磁的ノイズが放出されることを抑制することができる。
【0090】
前述の実施形態のバネは、導電部材で形成された板状のバネであり、バネの両端部は板材を折り曲げることで形成された弾性部又は折曲部となっている。
これに限定されず、全体が湾曲した板状のバネであっても構わない。
具体的には、板状のバネは、一方の端部から他方の端部にかけて、ホルダに向かって凸状に湾曲している。
フレームに対面する2つの端部の面はフレームに接触している。
バネの中央部はホルダによって支持されており、フレームからホルダに向かうバネの付勢力はホルダにより抑制される。
このため、バネによりフレキシブル配線基板がフレームからホルダに向かう方向に浮き上がること、この浮き上がりに伴って、フレキシブル配線基板と端子との接続不良が生じることを防止することができる。
【0091】
したがって、そのような要旨を逸脱しない範囲での種々の変更を行ったものも本発明の技術的範囲に含まれるものであり、そのことは、当業者にとって特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0092】
(第3実施形態)
次に、本発明に係る第3実施形態について
図7乃至
図9を用いて説明する。
第3実施形態においても基本的な構成は、第1実施形態と同様であるため、以下では、主に第1実施形態と異なる点について説明し、第1実施形態と同様の構成については説明を省略する場合がある。側面には、端面、外周側面を含む。
【0093】
図7は、第3実施形態のモータ40の構成を示す斜視図である。なお、
図7では、第1実施形態とは異なり、フレキシブル配線基板84とフレーム41aと後述するバネ71を介して電気的に接続された状態を示している。なお、
図8は、説明の便宜上、フレキシブル配線基板84を除いた状態を図示し、
図9は、モータ40の構成を示す一部分分解斜視図である。
図10は、モータ40の一部分を示す断面図である。
【0094】
第3実施形態におけるモータ40では、第1、第2実施形態のフレキシブル配線基板44を用いる代わりにフレキシブル配線基板84を用い、バネ42を用いる代わりにバネ71を用いている。
【0095】
フレキシブル配線基板84は、フレキシブル配線基板44とその基本構造は同じであり、当該フレキシブル配線基板44のランド44aa、44abと同じランド84aa、84abを有する。ただし、ランド84aaとランド84abとの間隔がランド44aaとランド44abとの間隔よりも広くなっている。また、フレキシブル配線基板84は、フレキシブル配線基板44と同様に、第2接続部44b、ランド44ba、44bb、配線部44cに相当する第2接続部84b、ランド84ba(図示せず)、84bb(図示せず)、配線部84cを備えている。
【0096】
バネ71は、モータ本体41のフレーム41aにおける第2フレーム41abの軸方向の端面41abmと、第2フレーム41abの端面41abmを塞ぐ円盤状の蓋体61との間に挟まれた状態でフレーム41aに支持されている。
【0097】
具体的には、バネ71は、第2フレーム41abの外径よりも小さく、また、蓋体61と同一径または蓋体61よりも僅かに小さい外径を有する平坦な略円盤状の薄い板状部材(以下、「平板状部材」ともいう。)である。ただし、円盤状に限るものではなく、平板状部材であれば、矩形状等その他の形状であってもよい。なお、第1フレーム41aaおよび第2フレーム41abについても円筒形に限るものではなく、角筒形等であってもよく、その場合も、バネ71は第2フレーム41abの外形よりも小さい。バネ71は、環状に形成された部分と、環状に形成された部分から、内側へ突出した弾性を有する弾性部分と、バネ71の中心にモータ本体41の回転軸41jが挿通可能な貫通孔71hと、を有している。貫通孔71hは、回転軸41jの直径よりも大きな外径を有している。貫通孔71hおよび後述する隙間75は、バネ71の内周部71cに囲まれており、バネ71の開口部の一部分として形成されている。
【0098】
バネ71には、貫通孔71hを中心として放射状に所定長さだけ延びた隙間75が複数形成されている。周方向において、複数の隙間75は一定の間隔でバネ71に形成され、これら複数の隙間75の間には弾性部分76が形成されている。これら複数の弾性部分76は、径方向において、貫通孔71hに向かって放射状に延びている。これら複数の弾性部分76は、回転軸方向において、蓋体61に向かって撓むことができる。すなわち、バネ71は、隙間75と隙間75との間に回転軸方向へ撓む可撓性の複数の弾性部分76を有している。
【0099】
第3実施形態におけるモータ40は、さらに、回転軸41jを蓋体61に対して回転可能に支持する支持部材77を備えている。この支持部材77は、蓋体61の中央に設けられた開口部61aに挿入又は嵌め込まれている。支持部材77の内部には、回転軸41jが挿入される凹部77aが設けられている。回転軸41jの端部は、凹部77a内で回転可能に配置されている。また、支持部材77の外周部は、バネ71の貫通孔71hを形成する弾性部分76と接触し、弾性部分76によって支持されている。バネ71の外周部71bは、蓋体61の外周部とフレーム41abとの間に挟持されて、フレーム41abに固定されている。また、回転軸方向において、バネ71の弾性部分76は、フレーム41abの端面41abmから蓋体61に向かって撓んでおり、弾性部分76の端部はバネ71の外周部より蓋体61側にある。撓んだバネ71の弾性部分76は、支持部材77を介して、回転軸41jを、フレーム41aの内部に向かって付勢している。
【0100】
バネ71は、径方向において、外周端縁から外側に向かって(フレーム41aから離れる方向)に延びた突出部73を有している。この突出部73は、第2フレーム41の端面41abm及び外周側面に沿って屈曲した第1の屈曲部73aと、フレーム41aの外周側面からフレキシブル配線基板84に向かって屈曲した第2の屈曲部73bとを有する、屈曲した形状を備えている。突出部73は、フレキシブル配線基板84に電気的に接続される接続ピン73cと、接続ピン73cとバネ71の外周端縁とを連結する連結部(第1の屈曲部73aおよび第2の屈曲部73b)とを有している。突出部73としては、接続ピン73cが第1の屈曲部73aと第2の屈曲部73bとを備えてもよく、連結部が第1の屈曲部73aと第2の屈曲部73bとを備えていてもよく、また、連結部が第1の屈曲部73aを備えており接続ピン73cが第2の屈曲部73bを備えていても構わない。
以下には、接続ピン73cが第2の屈曲部73bを備え、第2の屈曲部73bが接続ピン73cと第1の屈曲部73aとの間に設けられている例を記載する。
【0101】
具体的には、バネ71は、当該バネ71の外周端縁から外側へ突出した突出部73を有している。突出部73は、バネ71の外周端縁から軸方向とは垂直な方向へ突出し、第2フレーム41abの端面41abm及び外周側面に沿って屈曲した第1の屈曲部73aと、フレーム41aの外周側面からフレキシブル配線基板84に向かって屈曲した第2の屈曲部73bと、第2の屈曲部73bと一体に形成された接続ピン73cとを有するL字状の導電性部材である。
【0102】
この突出部73においても、第1、第2実施形態における接続ピン42cと同様に、フレキシブル配線基板84に半田等で電気的に接続される端子としての役割を果たす。すなわち突出部73は、フレーム41aとフレキシブル配線基板84とを電気的に接続している。この場合、バネ71の突出部73と、フレキシブル配線基板84のランド84abとが電気的に接続されている。
【0103】
このような構成のバネ71は、貫通孔71hにモータ本体41の回転軸41jが支持部材77とともに挿通された状態で、かつ、第2フレーム41abの端面41abmと、蓋体61との間に挟まれた状態で第2のフレーム41aに支持される。
【0104】
このとき、バネ71における複数の弾性部分76が支持部材77を付勢している。すなわち、複数の弾性部分76の弾性力により、回転軸41jはフレーム41abの内部へと付勢されることで、回転軸方向における回転軸41jの動きを抑制できる。この結果、モータ本体41が回転軸41jを回転させた際でも、モータの振動や音の発生を抑制することが可能となる。
【0105】
さらに、第2フレーム41abがバネ71の接続ピン73cを介してフレキシブル配線基板84のランド84abと電気的に接続された状態となるため、フレーム41aが回路基板50のグランドと同電位になり、電磁シールドの役割を果たすことができる。かくして、モータ本体41内で発生する電磁ノイズがモータ40の外部に放出されることを抑制することができる。
【0106】
また、上記実施の形態により本発明が限定されるものではない。上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。また、さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。よって、本発明のより広範な態様は、上記の実施形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。