(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記根太材と前記床パネルとが対向する部分の面積に対して前記摩擦抵抗低減部が占める割合は、35%以上であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載した二重床。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図面を参照して、本発明の実施形態を以下に説明する。以下の説明で参照する図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚さと平面寸法との関係や、各層の厚さの比率等は、現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な厚さや寸法は、以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0010】
さらに、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための二重床を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質や、それらの形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることが可能である。また、以下の説明における「左右」や「上下」の方向は、単に説明の便宜上の定義であって、本発明の技術的思想を限定するものではない。よって、例えば、紙面を90度回転すれば「左右」と「上下」とは交換して読まれ、紙面を180度回転すれば「左」が「右」になり、「右」が「左」になることは勿論である。
【0011】
(第一実施形態)
以下、本発明の第一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
(二重床)
図1及び
図2を用いて、二重床1の構成について説明する。
図1中に表すように、二重床1は、基礎面Bの上に配置することで、床面と基礎面Bとの間に空間(床下空間US)を形成する。なお、基礎面Bは、建築物の躯体の一部であり、壁Wや天井(図示せず)と共に、室内空間RSを形成する。
また、二重床1は、根太材10と、支持脚20と、床板高さ調節機構30と、床パネルFPを備えている。
根太材10は、例えば、角柱形状の木材を用いて形成されており、床板高さ調節機構30よりも壁Wに近い位置へ配置されるとともに、基礎面Bの上方へ、予め設定した高さで支持されている。なお、根太材10を基礎面Bの上方で支持する高さは、支持脚20により設定する。
【0012】
また、
図2中に表すように、根太材10には、帯状の部材であるテープ40aが取り付けられている。
テープ40aとしては、根太材10及び床パネルFPを形成する木材よりも摩擦係数が低い素材、例えば、養生テープ(日立マクセル(株)製、商品名:「No.3440」)を用いることが可能である。
根太材10のうち、テープ40aを取り付ける位置は、床パネルFPと対向する上面10u(根太材10の基礎面Bと対向する下面10dと反対側の面)である。
また、テープ40aの幅及び長さは、根太材10と床パネルFPとが対向する部分の面積(上面10uの面積)に対してテープ40aが占める割合が、35[%]以上となる値に設定する。
【0013】
第一実施形態では、
図2中に表すように、テープ40aの長さを、上面10uの長手方向の長さと等しい長さとする。
また、第一実施形態では、テープ40aの幅P2を10[mm]以上とする。
なお、第一実施形態では、一例として、上面10uの幅P1を28[mm]とした場合に、テープ40aの幅P2を10[mm]とした場合について説明する。
第一実施形態のように、上面10uの幅P1>テープ40aの幅P2である場合は、テープ40aを取り付ける位置を、以下の三パターンから選択することが可能である。
【0014】
第一パターン:上面10uのうち、床板高さ調節機構30に近い側(
図2中では、調節機構側と記載する)の縁と、テープ40aの縁が一致するパターン。
第二パターン:上面10uの短手方向中心とテープ40aの幅方向中心が一致するパターン。
第三パターン:上面10uのうち、壁Wに近い側(
図2中では、壁側と記載する)の縁と、テープ40aの縁が一致するパターン。
なお、根太材10に取り付ける帯状の部材は、テープ40aに限定するものではなく、例えば、シート、布、紙であってもよい。
また、テープ40aの幅P2を上面10uの幅P1と同じ値とし、テープ40aにより上面10uの全面を覆うように、根太材10の上面10uにテープ40aを取り付けてもよい。
【0015】
支持脚20は、基礎面Bと根太材10との間に配置されている。
また、支持脚20は、根太材側台座22と、根太材側ねじ軸24を備えている。
根太材側台座22は、ゴム等の弾性材料を用いて形成されており、基礎面Bの上に設置されている。また、根太材側台座22には、上下方向に貫通する貫通孔が形成されている。
根太材側ねじ軸24は、螺旋状のねじ溝が外径面に形成されているとともに、軸方向に貫通する貫通孔が形成されている。根太材側ねじ軸24の上端側は、根太材10の下面10dへ回転可能に挿入されており、根太材側ねじ軸24の下端側は、根太材側台座22へ回転可能に挿入されている。これにより、支持脚20は、根太材側ねじ軸24を回転させることで、根太材10と根太材側台座22との距離を変化させて、根太材10を基礎面Bの上方で支持する高さを設定することが可能な構成となっている。
なお、根太材10のうち、根太材側ねじ軸24の上端側を挿入する部分には、根太材10の下面10dと上面10uを貫通する貫通孔(図示せず)が形成されている。
【0016】
床板高さ調節機構30は、根太材10よりも壁Wから遠い位置へ配置されている。なお、特に図示しないが、床板高さ調節機構30は、例えば、平面視で正方形のグリッド状となるように、等間隔に配置されている。
また、床板高さ調節機構30は、支持板32と、中間側台座34と、中間側ねじ軸36を備えている。
支持板32は、例えば、板状の木材を用いて形成されており、厚さ方向(板厚方向)を上下に向けて配置されている。
中間側台座34は、根太材側台座22と同様、ゴム等の弾性材料を用いて形成されており、基礎面Bの上に設置されている。また、中間側台座34には、上下方向に貫通する貫通孔が形成されている。
【0017】
中間側ねじ軸36は、根太材側ねじ軸24と同様、螺旋状のねじ溝が外径面に形成されているとともに、軸方向に貫通する貫通孔が形成されている。中間側ねじ軸36の上端側は、支持板32へ回転可能に挿入されており、中間側ねじ軸36の下端側は、中間側台座34へ回転可能に挿入されている。これにより、支持脚20は、中間側ねじ軸36を回転させることで、支持板32と中間側台座34との距離を変化させて、支持板32の上に載せる床パネルFPの、基礎面Bからの高さを設定することが可能な構成となっている。
【0018】
なお、支持板32のうち、中間側ねじ軸36の上端側を挿入する部分には、支持板32を厚さ方向に貫通する貫通孔(図示せず)が形成されている。
床パネルFPは、パーティクルボード等を用いて形成されており、根太材10及び支持板32の上に配置されている。
床パネルFPを根太材10及び支持板32に固定する際には、例えば、接着剤、釘、ビス、ステープル等を用いることが可能である。
なお、説明のために図示を省略するが、床パネルFPの上には、カーペット等を配置する。
【0019】
(二重床の施工方法)
図1及び
図2を参照して、二重床1の施工方法(以降の説明では、「二重床施工方法」と記載する場合がある)について説明する。
二重床施工方法は、根太材支持工程と、床パネル配置工程と、摩擦抵抗低減部形成工程を備えている。
根太材支持工程は、根太材10を、基礎面Bの上方へ予め設定した高さで支持する工程である。
具体的に、根太材支持工程では、予め設定した位置であり、基礎面Bのうち壁Wに近い位置に、支持脚20を取り付けた根太材10を配置する(
図1参照)。そして、根太材側ねじ軸24を回転させることで、根太材10を基礎面Bの上方で支持する高さを設定する。さらに、根太材10に形成されている貫通孔へ接着剤を注入する。根太材10に形成されている貫通孔へ注入した接着剤は、根太材側ねじ軸24に形成されている貫通孔の内部と、根太材側台座22に形成されている貫通孔の内部に充填されるとともに、基礎面Bに接触する。したがって、根太材10に形成されている貫通孔へ注入した接着剤が乾燥すると、根太材10、根太材側ねじ軸24、根太材側台座22は、基礎面Bに固定される。
【0020】
床パネル配置工程は、根太材支持工程の後工程であり、根太材10の上に床パネルFPを配置する工程である。
なお、床パネル配置工程を行う前に、床板高さ調節機構30を、根太材10よりも壁Wから遠い位置において、等間隔に配置する。このとき、中間側ねじ軸36を回転させることで、支持板32の上に載せる床パネルFPの、基礎面Bからの高さを設定する。
【0021】
具体的に、床パネル配置工程では、根太材10及び支持板32の上に床パネルFPを配置する。さらに、中間側ねじ軸36を回転させることで、支持板32の上に載せた床パネルFPの傾斜を調節して、複数枚の床パネルFPより、基礎面Bからの高さが均等な床面を形成する(
図1参照)。そして、支持板32に形成されている貫通孔へ接着剤を注入する。支持板32に形成されている貫通孔へ注入した接着剤は、中間側ねじ軸36に形成されている貫通孔の内部と、中間側台座34に形成されている貫通孔の内部に充填されるとともに、基礎面Bに接触する。したがって、支持板32に形成されている貫通孔へ注入した接着剤が乾燥すると、支持板32、中間側ねじ軸36、中間側台座34は、基礎面Bに固定される。
【0022】
摩擦抵抗低減部形成工程は、摩擦抵抗低減部40を、根太材10及び床パネルFPのうち少なくとも一方に形成する工程である。なお、摩擦抵抗低減部40の具体的な構成については、後述する。
第一実施形態では、摩擦抵抗低減部形成工程を、根太材支持工程と床パネル配置工程との間に行う工程とした場合について説明する。
具体的に、摩擦抵抗低減部形成工程では、根太材支持工程において根太材10に形成されている貫通孔へ接着剤を注入した後、根太材10が有する六つの面のうち上面10uとなる面に、テープ40aを取り付ける。
【0023】
(作用)
次に、
図1及び
図2を参照して、二重床1における作用を説明する。
上述したように、根太材10の上面10uにはテープ40aが取り付けられている。これに加え、テープ40aは、根太材10及び床パネルFPを形成する木材よりも摩擦係数が低い素材で形成されている。
したがって、テープ40aは、摩擦抵抗低減部40を形成している。
摩擦抵抗低減部40は、根太材10と床パネルFPとが対向する部分に介在し、且つ根太材10と床パネルFPとの相対変位により発生する摩擦抵抗を、根太材10と床パネルFPとが直に接触した状態での相対変位により発生する摩擦抵抗よりも低減する。
このため、第一実施形態では、摩擦抵抗低減部40によって、根太材10と床パネルFPとの相対変位により発生する摩擦抵抗が、根太材10と床パネルFPとが直に接触した状態での相対変位により発生する摩擦抵抗よりも低減される。
なお、上述した第一実施形態は、本発明の一例であり、本発明は、上述した第一実施形態に限定されることはなく、この実施形態以外の形態であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0024】
(第一実施形態の効果)
第一実施形態の二重床1であれば、以下に記載する効果を奏することが可能となる。
(1)基礎面Bの上方へ予め設定した高さで支持される根太材10と、根太材10の上に配置する床パネルFPとが対向する部分に介在する摩擦抵抗低減部40を備える。
また、摩擦抵抗低減部40は、根太材10と床パネルFPとが対向する部分に介在し、且つ根太材10と床パネルFPとの相対変位により発生する摩擦抵抗を、根太材10と床パネルFPとが直に接触した状態での相対変位により発生する摩擦抵抗よりも低減する。
このため、根太材10と床パネルFPとの相対変位により発生する摩擦抵抗は、摩擦抵抗低減部40により、根太材10と床パネルFPとが直に接触した状態での相対変位により発生する摩擦抵抗よりも低減される。
その結果、室内空間RSにおける人員の歩行等によって床パネルFPへ荷重が加わった場合であっても、根太材10と床パネルFPとの擦れを防止して、床鳴りを抑制することが可能な、二重床1を提供することが可能となる。
【0025】
(2)摩擦抵抗低減部40が、根太材10及び床パネルFPよりも摩擦係数が低く、且つ根太材10に取り付けた帯状の部材であるテープ40aを含む。
その結果、テープ40aを根太材10に取り付けることで、摩擦抵抗低減部40を形成することが可能となり、摩擦抵抗低減部40を形成する作業を簡略化することが可能となる。
【0026】
(3)根太材10と床パネルFPとが対向する部分の面積に対して摩擦抵抗低減部40が占める割合が、35[%]以上である。
その結果、根太材10と床パネルFPとが対向する部分の面積に対して摩擦抵抗低減部40が占める割合が、35[%]未満である場合と比較して、根太材10と床パネルFPとの間で発生した摩擦抵抗を、効率的に低減することが可能となる。
また、第一実施形態の二重床1の施工方法であれば、以下に記載する効果を奏することが可能となる。
【0027】
(4)根太材支持工程と、床パネル配置工程と、摩擦抵抗低減部形成工程を備えている。根太材支持工程は、根太材10を、基礎面Bの上方へ予め設定した高さで支持する工程である。床パネル配置工程は、根太材支持工程の後工程であり、根太材10の上に床パネルFPを配置する工程である。摩擦抵抗低減部形成工程は、摩擦抵抗低減部40を、根太材10及び床パネルFPのうち少なくとも一方に形成する工程である。
また、摩擦抵抗低減部40は、根太材10と床パネルFPとが対向する部分に介在し、且つ根太材10と床パネルFPとの相対変位により発生する摩擦抵抗を、根太材10と床パネルFPとが直に接触した状態での相対変位により発生する摩擦抵抗よりも低減する。
【0028】
このため、根太材10と床パネルFPとの相対変位により発生する摩擦抵抗は、摩擦抵抗低減部40により、根太材10と床パネルFPとが直に接触した状態での相対変位により発生する摩擦抵抗よりも低減される。
その結果、室内空間RSにおける人員の歩行等によって床パネルFPへ荷重が加わった場合であっても、根太材10と床パネルFPとの擦れを防止して、床鳴りを抑制することが可能な、二重床1の施工方法を提供することが可能となる。
【0029】
(変形例)
(1)第一実施形態では、摩擦抵抗低減部40を、根太材10に取り付けた帯状の部材であるテープ40aを含む構成としたが、摩擦抵抗低減部40の構成は、これに限定するものではない。
すなわち、例えば、
図3中に表すように、摩擦抵抗低減部40を、床パネルFPのうち根太材10と対向する位置に取り付けた帯状の部材である、テープ40aを含む構成としてもよい。
【0030】
(2)第一実施形態では、基礎面Bのうち壁Wに近い位置に、支持脚20を取り付けた根太材10を配置した後に、摩擦抵抗低減部40を根太材10に形成した。すなわち、施工時において、支持脚20を取り付けた状態の根太材10を施工現場に搬入した後、施工現場にて、摩擦抵抗低減部40を根太材10に形成したが、これに限定するものではない。
すなわち、例えば、
図4中に表すように、摩擦抵抗低減部40を形成した根太材10のみを、施工現場に搬入してもよい。すなわち、摩擦抵抗低減部40を形成した根太材10のみを製造・販売するシステムとしてもよい。
【0031】
(3)第一実施形態では、摩擦抵抗低減部40を、根太材10に取り付けた帯状の部材であるテープ40aを含む構成としたが、摩擦抵抗低減部40の構成は、これに限定するものではない。
すなわち、例えば、
図5中に表すように、摩擦抵抗低減部40を、根太材10に取り付けた帯状の部材であるカバー40bを含む構成としてもよい。なお、カバー40bは、例えば、プラスチック等の樹脂材料を用いて形成し、根太材10及び床パネルFPよりも摩擦係数が低い構成とする。また、カバー40bは、例えば、断面形状がL字形状となるように形成し、根太材10の上面10uの少なくとも一部と、根太材10のうち床板高さ調節機構30に近い面の少なくとも一部とを覆うように、根太材10に取り付ける。
【0032】
カバー40bの幅及び長さは、上面10uの面積に対してカバー40bが占める割合が、35[%]以上となる値に設定する。
この場合、例えば、
図6中に表すように、カバー40bで摩擦抵抗低減部40を形成した根太材10のみを、施工現場に搬入してもよい。すなわち、カバー40bで摩擦抵抗低減部40を形成した根太材10のみを製造・販売するシステムとしてもよい。
【0033】
また、例えば、
図7中に表すように、摩擦抵抗低減部40を、床パネルFPのうち根太材10と対向する位置に取り付けた帯状の部材である、カバー40bを含む構成としてもよい。
【0034】
(4)第一実施形態では、摩擦抵抗低減部形成工程を、根太材支持工程と床パネル配置工程との間に行う工程としたが、これに限定するものではない。
すなわち、摩擦抵抗低減部形成工程を、根太材支持工程よりも前に行う工程、例えば、根太材10の出荷前に行う工程としてもよい。この場合、例えば、根太材10が有する六つの面のうち上面10uとなる面にテープ40aを取り付けた後に、根太材支持工程を行う。
【0035】
(第二実施形態)
以下、本発明の第二実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、上述した第一実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明する。
(二重床)
図1及び
図2を参照しつつ、
図8を用いて、二重床1の構成について説明する。
なお、第二実施形態の二重床1は、摩擦抵抗低減部40の構成を除き、上述した第一実施形態と同様の構成であるため、摩擦抵抗低減部40以外の構成については、その説明を省略する。
【0036】
第二実施形態の二重床1が備える摩擦抵抗低減部40は、
図8中に表すように、シーリングガン50を用いて根太材10へ帯状に塗布した粘体40cで形成されている。
粘体40cとしては、例えば、シーリング剤、接着剤、粘着剤等を用いることが可能である。
根太材10のうち、粘体40cを塗布する位置は、床パネルFPと対向する上面10uである。
また、根太材10のうち、粘体40cを塗布して乾燥させた面(上面10u)の摩擦係数は、根太材10及び床パネルFPの摩擦係数よりも低い。
【0037】
粘体40cとしては、乾燥した状態で、根太材10及び床パネルFPを形成する木材よりも摩擦係数が低い素材、例えば、パラフィン(中京油脂(株)製、商品名:「セロゾール M−663」)を用いることが可能である。
したがって、乾燥した状態の粘体40cは、摩擦抵抗低減部40を形成している。
また、粘体40cを塗布する部分の幅及び長さは、上面10uの面積に対して粘体40cを塗布する部分が占める割合が、35[%]以上となる値に設定する。
また、第二実施形態では、粘体40cを塗布する部分の幅P3を10[mm]以上とする。
【0038】
第二実施形態のように、上面10uの幅P1>粘体40cを塗布する部分の幅P3である場合は、粘体40cを塗布する位置を、以下の三パターンから選択することが可能である。
第一パターン:上面10uのうち、床板高さ調節機構30に近い側(
図8中では、調節機構側と記載する)の縁と、粘体40cを塗布する部分の縁が一致するパターン。
第二パターン:上面10uの短手方向中心と粘体40cを塗布する部分の幅方向中心が一致するパターン。
第三パターン:上面10uのうち、壁Wに近い側(
図8中では、壁側と記載する)の縁と、粘体40cを塗布する部分の縁が一致するパターン。
また、粘体40cを塗布する部分の幅P3を上面10uの幅P1と同じ値とし、粘体40cを塗布する部分により上面10uの全面を覆うように、根太材10の上面10uに粘体40cを塗布してもよい。
【0039】
(二重床の施工方法)
図1及び
図8を参照して、二重床1の施工方法(以降の説明では、「二重床施工方法」と記載する場合がある)について説明する。
二重床施工方法は、根太材支持工程と、床パネル配置工程と、摩擦抵抗低減部形成工程を備えている。
なお、根太材支持工程及び床パネル配置工程は、上述した第一実施形態と同様であるため、摩擦抵抗低減部形成工程のみを説明する。
摩擦抵抗低減部形成工程は、摩擦抵抗低減部40を、根太材10及び床パネルFPのうち少なくとも一方に形成する工程である。
第二実施形態では、摩擦抵抗低減部形成工程を、根太材支持工程と床パネル配置工程との間に行う工程とした場合について説明する。
具体的に、摩擦抵抗低減部形成工程では、根太材支持工程において、根太材10に形成されている貫通孔へ接着剤を注入した後、根太材10が有する六つの面のうち上面10uとなる面に、粘体40cを塗布して乾燥させる。
【0040】
(作用)
次に、
図1及び
図8を参照して、二重床1における作用を説明する。
上述したように、根太材10の上面10uには、粘体40cを塗布して乾燥させた層が形成されている。これに加え、粘体40cは、乾燥した状態で、根太材10及び床パネルFPを形成する木材よりも摩擦係数が低い素材で形成されている。したがって、乾燥した状態の粘体40cは、摩擦抵抗低減部40を形成している。
このため、第二実施形態では、摩擦抵抗低減部40(粘体40c)によって、根太材10と床パネルFPとの相対変位により発生する摩擦抵抗が、根太材10と床パネルFPとが直に接触した状態での相対変位により発生する摩擦抵抗よりも低減される。
なお、上述した第二実施形態は、本発明の一例であり、本発明は、上述した第二実施形態に限定されることはなく、この実施形態以外の形態であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0041】
(第二実施形態の効果)
第二実施形態の二重床1であれば、上述した第一実施形態の効果(1)及び(4)に加え、さらに、以下に記載する効果を奏することが可能となる。
(1)摩擦抵抗低減部40が、根太材10へ帯状に塗布した粘体40cで形成され、粘体40cを塗布して乾燥させた面の摩擦係数は、根太材10及び床パネルFPの摩擦係数よりも低い。
その結果、根太材10に粘体40cを塗布して乾燥させることで、摩擦抵抗低減部40を形成することが可能となり、摩擦抵抗低減部40を形成する作業を簡略化することが可能となる。
【0042】
(変形例)
(1)第二実施形態では、摩擦抵抗低減部40を、根太材10へ帯状に塗布した粘体40cで形成されている構成としたが、摩擦抵抗低減部40の構成は、これに限定するものではない。
すなわち、例えば、
図9中に表すように、摩擦抵抗低減部40を、床パネルFPのうち根太材10と対向する位置へ帯状に塗布した粘体40cで形成されている構成としてもよい。
この場合、
図9中に表すように、粘体40cは、刷毛52で塗布してもよい。なお、根太材10へ粘体40cを塗布する際にも、刷毛52で粘体40cを塗布してもよい。
【0043】
(2)第二実施形態では、摩擦抵抗低減部40を、根太材10へ帯状に塗布した粘体40cで形成されている構成としたが、摩擦抵抗低減部40の構成は、これに限定するものではない。
すなわち、例えば、
図10中に表すように、摩擦抵抗低減部40を、床パネルFPのうち根太材10と対向する位置へ帯状に塗布した液体40dで形成されている構成としてもよい。
この場合、
図10中に表すように、液体40dは、噴霧器54で塗布してもよい。なお、根太材10へ液体40dを塗布する際にも、噴霧器54で液体40dを塗布してもよい。
【0044】
(3)第二実施形態では、基礎面Bのうち壁Wに近い位置に、支持脚20を取り付けた根太材10を配置した後に、摩擦抵抗低減部40を根太材10に形成した。すなわち、施工時において、支持脚20を取り付けた状態の根太材10を施工現場に搬入した後、施工現場にて、摩擦抵抗低減部40を根太材10に形成したが、これに限定するものではない。
すなわち、例えば、
図11中に表すように、摩擦抵抗低減部40を形成した根太材10のみを、施工現場に搬入してもよい。すなわち、摩擦抵抗低減部40を形成した根太材10のみを製造・販売するシステムとしてもよい。
【0045】
(第三実施形態)
以下、本発明の第三実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、上述した第一実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明する。
(二重床)
図1及び
図2を参照しつつ、
図12を用いて、二重床1の構成について説明する。
なお、第三実施形態の二重床1は、摩擦抵抗低減部40の構成を除き、上述した第一実施形態と同様の構成であるため、摩擦抵抗低減部40以外の構成については、その説明を省略する。
第三実施形態の二重床1が備える摩擦抵抗低減部40は、
図12中に表すように、トレイ56の中で根太材10に薬液40eを含浸させて形成されている。
【0046】
また、根太材10のうち、薬液40eを含浸させて乾燥させた面(根太材10の外面)の摩擦係数は、根太材10及び床パネルFPの摩擦係数よりも低い。
薬液40eとしては、乾燥した状態で、根太材10及び床パネルFPを形成する木材よりも摩擦係数が低い素材、例えば、パラフィン(中京油脂(株)製、商品名:「セロゾール M−663」)を用いることが可能である。
したがって、根太材10に含浸させて乾燥した状態の薬液40eは、摩擦抵抗低減部40を形成している。
【0047】
(二重床の施工方法)
図1及び
図12を参照して、二重床1の施工方法(以降の説明では、「二重床施工方法」と記載する場合がある)について説明する。
二重床施工方法は、根太材支持工程と、床パネル配置工程と、摩擦抵抗低減部形成工程を備えている。
なお、根太材支持工程及び床パネル配置工程は、上述した第一実施形態と同様であるため、摩擦抵抗低減部形成工程のみを説明する。
摩擦抵抗低減部形成工程は、摩擦抵抗低減部40を、根太材10及び床パネルFPのうち少なくとも一方に形成する工程である。
第三実施形態では、摩擦抵抗低減部形成工程を、例えば、根太材10の出荷前等、根太材支持工程の前に行う工程とした場合について説明する。
具体的に、摩擦抵抗低減部形成工程では、トレイ56の中に薬液40eを入れ、さらに、薬液40eの中に根太材10を入れて含浸させた後、トレイ56から根太材10を取り出し、薬液40eを乾燥させる。
【0048】
(作用)
次に、
図1及び
図12を参照して、二重床1における作用を説明する。
上述したように、根太材10の外面には、薬液40eを含浸させて乾燥させた層が形成されている。これに加え、薬液40eは、乾燥した状態で、根太材10及び床パネルFPを形成する木材よりも摩擦係数が低い素材で形成されている。したがって、根太材10に含浸させて乾燥した状態の薬液40eは、摩擦抵抗低減部40を形成している。
このため、第三実施形態では、摩擦抵抗低減部40(薬液40e)によって、根太材10と床パネルFPとの相対変位により発生する摩擦抵抗が、根太材10と床パネルFPとが直に接触した状態での相対変位により発生する摩擦抵抗よりも低減される。
なお、上述した第三実施形態は、本発明の一例であり、本発明は、上述した第三実施形態に限定されることはなく、この実施形態以外の形態であっても、本発明に係る技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
【0049】
(第三実施形態の効果)
第三実施形態の二重床1であれば、上述した第一実施形態の効果(1)及び(4)に加え、さらに、以下に記載する効果を奏することが可能となる。
(1)摩擦抵抗低減部40が、根太材10に薬液40eを含浸させて形成され、薬液40eを含浸させて乾燥させた面の摩擦係数は、根太材10及び床パネルFPの摩擦係数よりも低い。
その結果、根太材10に薬液40eを含浸させて乾燥させることで、摩擦抵抗低減部40を形成することが可能となり、摩擦抵抗低減部40を形成する作業を簡略化することが可能となる。
【0050】
(変形例)
(1)第三実施形態では、摩擦抵抗低減部40を、根太材10に薬液40eを含浸させて乾燥させることで形成されている構成としたが、摩擦抵抗低減部40の構成は、これに限定するものではない。
すなわち、例えば、
図13中に表すように、摩擦抵抗低減部40を、床パネルFPに薬液40eを含浸させて乾燥させることで形成されている構成としてもよい。具体的には、トレイ56の中に薬液40eを入れ、さらに、薬液40eの中に床パネルFPを入れて含浸させた後、トレイ56から床パネルFPを取り出し、薬液40eを乾燥させることで、床パネルFPに摩擦抵抗低減部40を形成する。
この場合、例えば、
図14中に表すように、床パネルFPの根太材10と対向する位置に、予め、凹部FPaを形成しておき、薬液40eを凹部FPaへ注入して、床パネルFPに薬液40eを含浸させてもよい。
【0051】
(2)第三実施形態では、摩擦抵抗低減部40を、トレイ56の中で根太材10に薬液40eを含浸させて形成されている構成としたが、摩擦抵抗低減部40の構成は、これに限定するものではない。
すなわち、例えば、
図15中に表すように、根太材10の上に床パネルFPを配置した状態で、予め床パネルFPに形成した貫通孔FPbから、薬液40eを根太材10の上面へ注入して、根太材10に薬液40eを含浸させてもよい。
【0052】
(3)第三実施形態では、摩擦抵抗低減部40を、根太材10に薬液40eを含浸させて乾燥させることで形成されている構成としたが、摩擦抵抗低減部40の構成は、これに限定するものではない。
すなわち、例えば、
図16中に表すように、摩擦抵抗低減部40を、単体の根太材10に対し、根太材10の上面10uへ塗布して乾燥させた薬液40eで形成されている構成としてもよい。また、例えば、
図17中に表すように、摩擦抵抗低減部40を、支持脚20を取り付けた根太材10に対し、根太材10の上面10uへ塗布して乾燥させた薬液40eで形成されている構成としてもよい。
この場合、
図16及び
図17中に表すように、薬液40eは、刷毛52で塗布してもよい。
【0053】
(4)第三実施形態では、摩擦抵抗低減部40を、根太材10に薬液40eを含浸させて乾燥させることで形成されている構成としたが、摩擦抵抗低減部40の構成は、これに限定するものではない。
すなわち、例えば、
図18中に表すように、摩擦抵抗低減部40を、単体の根太材10に対し、根太材10の上面10uへ塗布して乾燥させた薬液40eで形成されている構成としてもよい。また、例えば、
図19中に表すように、摩擦抵抗低減部40を、支持脚20を取り付けた根太材10に対し、根太材10の上面10uへ塗布して乾燥させた薬液40eで形成されている構成としてもよい。
この場合、
図18及び
図19中に表すように、薬液40eは、噴霧器54で塗布してもよい。