(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
高周波信号を第1の周波数範囲にわたって分析して、その中にピークの大きさの周波数応答を有する少なくとも1つの干渉高周波成分を突き止める電子的実装方法であって、
前記方法は、
少なくとも、高速フーリエ変換(FFT)を実行することと、前記FFTに基づいて、周波数の試験範囲内の周波数のサブレンジを有する候補干渉成分を特定することとにより、電子的ハードウエアを用いて前記試験範囲を分析することであって、前記候補干渉成分は、有意性閾値を超える信号強さを有しており、周波数の前記サブレンジは、ピークの大きさの周波数応答を有する高周波成分を含む、ことと、
電子的ハードウエアを用いて前記分析を終了するための条件が満たされたかを決定することと、
前記条件が満たされなかった場合、前記条件が満たされるまで、以前の分析動作において前記候補干渉成分を含むとして特定された周波数の前記サブレンジに対して前記分析および前記決定を反復的に実行することと
を含み、
入力信号をフィルタリングして、周波数成分を周波数の前記試験範囲外に排除するか、または減衰させることを更に含み、
フィルタリング帯域幅は、各反復時に減少され、最も大きい信号強さを有しているビンの周りに中心合わせされる、方法。
前記FFTを実行することは、信号強度を周波数の関数として推定し、かつ前記信号強度の前記推定を前記試験範囲内の複数のビンの各々に割り当て、前記候補干渉成分は、前記複数のビンのうち、前記ピークの大きさの周波数応答を有するビンに対応する、請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の方法。
前記フィルタリングが、前記分析および前記決定の各反復時に重複している周波数範囲にわたって動作するように、周波数の前記試験範囲を周波数変換することを更に含む、請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の方法。
前記フィルタリングは、低域通過フィルタリングまたは帯域通過フィルタリングを含み、周波数の前記試験範囲は、変換されて前記フィルタリングの通過帯域内に位置する、請求項5に記載の方法。
フーリエ変換エンジンは、前記FFTを実行して、信号強度を周波数の関数として推定し、かつ前記強度の推定を周波数の前記試験範囲内の複数の領域の各々に割り当てるために使用される、請求項1〜7のうちのいずれか一項に記載の方法。
前記検索空間制御装置は、可変周波数検索範囲を所定の周波数範囲にマッピングするように構成される周波数変換器、および制御可能帯域幅フィルタを備える、請求項14に記載の装置。
前記制御可能帯域幅フィルタは、前記制御可能帯域幅フィルタの帯域幅を変更するための帯域幅制御器に応答するデジタルフィルタを含む、請求項15または16に記載の装置。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
特定の発明態様の概要
本開示の第1の態様では、入力信号内の支配的または有意な周波数成分を特定する方法が提供される。本方法は、電子的ハードウエアを用いて実装される。本方法は、複数の反復を含み得る。反復では、複数の動作が実施される。周波数の試験範囲は、第1の周波数範囲に広がる入力信号から選択され、第1の周波数範囲は対象の範囲を表す。試験範囲の選択は、入力信号をフィルタリングして周波数を試験範囲外へ減衰させることにより達成され得る。試験範囲内の周波数は、分析されて、支配的な周波数成分または少なくとも1つの有意な周波数成分の存在を決定する。そのような周波数成分が特定されると、支配的または少なくとも1つの有意な信号成分が推定される。周波数の推定値は、次いで、周波数の試験範囲の異なる範囲の後続の反復に用いられる。この反復は、試験範囲の中心周波数および/または試験範囲の帯域幅を調節することを含み得る。試験範囲は、検索範囲と同義であるとみなし得る。
【0007】
処理は、支配的な信号が充分な程度の精度で特定されるまでまたは充分な数、好ましくは、所定の数、の反復が完了するまで、繰り返され得る。
【0008】
検索をそれらから指向させることにより、以前に特定された何らかの成分に加えて他の有意な信号を捜すために、以前に見つけた有意な周波数成分の知識に基づいて処理を繰り返すことも可能である。
【0009】
試験範囲内の周波数は、分析エンジンにより調べられ得る。分析エンジンは、フーリエ変換エンジンを含み得る。あるいは、分析エンジンは、パラメトリックエンジンを含んでもよい。パラメトリックエンジンは、例えば、テプリッツ行列等の、行列を解くためのレビンソン再帰法を実施するように配置され得る。
【0010】
したがって、入力信号を分析して周波数検索範囲内の支配的な周波数を突き止める方法であって、周波数検索範囲を複数の領域に分割することと、各領域内の信号強度を分析して、支配的な信号を含んでいる可能性が最も高い候補領域を特定することと、検索すべき新たな周波数検索範囲を規定することと、を含む、方法を提供することができる。新たな周波数検索範囲は、先の周波数検索範囲よりも小さくかつ候補領域を含み得る。分割、分析、および規定の動作は、所望の周波数解像度が達成されるまで繰り返される。第1の反復では、周波数検索範囲(試験範囲)は第1の周波数範囲に対応し得る。
【0011】
実施形態では、支配的な信号を突き止める方法は、検索を再帰的に実施することを含み、低域周波数LF
Kと高域周波数UF
Kとの間の周波数検索範囲をY個の周波数ビンに分割し、入力信号を分析して周波数ビンの各々の内に生じている信号の大きさを特定する。最大の信号の大きさを有している周波数ビンYmax
(K)が一旦突き止められると、ビン中央周波数が、ビン幅が受容可能な周波数解像度を表す所定の周波数範囲を下まわるかの結果として、出力され得る。値Kは、反復回数を表す。
【0012】
受容可能な解像度に達しない場合、更なる検索が実施され、周波数検索範囲は新たな低域周波数LF
K+1および新たな高域周波数UF
K+1に狭められ、UF
K+1とLF
K+1との間の範囲は、ビンYmax
(K)の周波数範囲の全体を包含し、UF
K+1−LF
K+1はUF
K−LF
K未満である。
【0013】
好都合なことに、分析されている信号はデジタル領域に変換されたもの、またはすでにその内に存在する。デジタル信号は、間引かれ得る。検索されている信号に適用される間引き率は、検索の解像度を変化させるために、各反復K時に変化され得る。
【0014】
周波数検索範囲は、デジタルフィルタの中心周波数(通過帯域中心周波数)を変えることにより選択され得る。原則として、公知の周波数検索範囲および公知の所望解像度が与えられれば、フィルタ中心周波数およびフィルタ帯域幅は予め決定され得、特定のフィルタ実装例に対する係数は計算されまたは参照され得る。しかし、対象の周波数範囲を各反復に対する所与の周波数空間にするための周波数変換技術、例えば、下方変換、を用いることにより、周波数検索範囲を選択することができる。例えば、最低周波数は、各反復時に実質的に0Hzに変換され得、次いでフィルタの高周波数遮断点を設定してフィルタ帯域幅を制御し得る。
【0015】
検索範囲を変えてそれを狭めるための上記手法のいずれも、周波数空間の領域への「ズーミングイン」と考え得る。
【0016】
実施形態では、本方法は、この方法の前の反復で(または第1の反復全第1の周波数範囲に対する)特定された最大の大きさを有する高速フーリエ変換(FFT)ビンの周波数範囲を包含するように周波数試験範囲を位置付けることと、フィルタの通過帯域を前の反復のFFTビンの帯域幅、プラス保護帯域(または第1の反復全第1の周波数範囲に対する)に減少することと、サンプルレートを各FFTビンが減少した周波数範囲を覆うようにFFTまで減少することと、FFTを実施することと、最大の大きさを有しかつそのビンに関連する周波数を有するFFTビンを特定することと、FFT帯域幅が所望の解像度に減少されるまで、位置付け、通過帯域減少、サンプリングレートの減少、実施および特定、の連続した反復を繰り返すことと、を含む。
【0017】
保護帯域は、は実質的に零Hz以上の範囲であり得る。保護帯域は、電流ビン幅の2分の1以上等の、電流ビン幅の比率に設定し得る。周波数試験または検索空間は、最大振幅を有するFFTビンの中心周波数について中心合わせされ得る。
【0018】
更なる変形例では、第1の周波数範囲内の少なくとも1つの有意な周波数または支配的な周波数を検索する方法が提供され、該方法は、第1の周波数範囲から試験範囲を選択することと、試験範囲内の支配的または少なくとも1つの有意な周波数を推定するためのパラメトリックな方法を用い、試験範囲を絞り込む推定に基づいて、試験範囲の信号を分析することとを含む。
【0019】
好都合なことに、試験範囲は、周波数変換装置と組み合わせで働き得る帯域通過フィルタまたは低域通過フィルタにより選択され得る。あるいは、試験範囲は、帯域通過フィルタを統合する直列接続フィルタの動作により規定され得る。
【0020】
好ましくは、パラメトリックエンジンは、M次のユールウォーカの方程式を解くように配置される。M値は、パラメトリックエンジンにより特定され得る多数の有意な周波数成分を規定し得る。
【0021】
好ましくは、Mは、パラメトリックエンジン内の計算上の負荷を減少するために、比較的小さい値に維持される。Mは、10未満である。好都合なことに、Mは、5未満とし得る。実施形態では、M=1であり、計算上効率が良い。
【0022】
パラメトリックエンジンは、反復的に働き、着信信号内の支配的な周波数成分を突き止める。
【0023】
本開示の第2の態様によれば、入力信号の入力周波数範囲を再帰的または反復的に検索するように、かつ各パスで支配的な信号を含む前のパスで特定された減少された周波数検索範囲を検索し、支配的な信号の周波数が所定の精度で推定されるまで継続するように配置された支配的信号検出装置が提供される。
【0024】
好都合なことに、本装置は、通過帯域を周波数検索空間に規定および/または適用するための検索空間/試験範囲制御装置、ならびに検索空間内のスペクトル強さを複数の周波数ビン内に割り当てるためのスペクトル分析エンジンを備え得る。検索空間制御装置は、制御可能な帯域幅フィルタに提供するために、可変周波数検索範囲を所定の周波数範囲にマッピングするための周波数変換器を備え得る。検索の各K番目の反復での周波数検索範囲は、Y個の周波数ビンに分割できるので、着信信号は分析されて、ビンの各々内に生じる信号の大きさを特定する。最大の信号大きさを有するビンYmax
(K)が一旦特定されたら、ビン中央周波数が、ビン幅が受容可能な周波数解像度を表す所定の周波数範囲を下まわるかの結果として、出力され得る。好都合なことに、入力周波数は、Ymax
(K)に対応する周波数範囲内の信号が固定周波数(例えば、0Hzの中心周波数)の可変帯域幅フィルタ、例えば、低域通過フィルタ、の使用を可能にする周波数空間にマッピングされるように、各反復で異なる量変換された周波数である。
【0025】
スペクトル分析エンジンは、低N点高速フーリエ変換(FFT)エンジンを含み得る。そのようなエンジンは、専用ハードウエアとして提供され得、2、3または4つ程度のバッファ格納信号、即ち、分析されている信号の2、3または4つのサンプル、に対して働き得る。そのような低N点FFTエンジンは、デジタル領域でデジタル信号に対して、またはアナログ領域でアナログ信号に対して働くように利用可能である。制御装置は、FFTエンジンの出力を調べて、最大の信号係数を有するビンを特定し得る。制御装置は、実行された検索アルゴリズムの知識を有するので、ビンYmax
(K)にマッピングされた周波数範囲を推定し得る。制御装置は、この情報を用いて、周波数変換器の動作およびフィルタの帯域幅を設定し、次回の検索がビンYmax
(K)に対応する周波数範囲について中心合わせされかつ実質的にこれに制限されることを確実にする。
【0026】
あるいは、スペクトル分析エンジンは、パラメトリックエンジンを含んでもよい。そのような配置例では、パラメトリックエンジンは、それに提供された信号を分析して、M個の最も有意な信号を特定するが、Mはパラメトリックエンジンの次数である。パラメトリックエンジンは、反復的検索を実施するために使用され得、各反復で支配的な信号の周波数が推定され、続く反復では検索が今回の反復からの推定に基づく減少された検索空間または試験範囲内で実施される。
【0027】
更なる態様にしたがえば、支配的信号検出装置を備える受信機が提供される。好都合なことに、支配的信号検出装置は、ブロッカー信号の高調波を捜すように配置され、高調波はデジタル化信号内に生じる。受信機は、ラジオ、無線モデム、電話機、基地局、等の、通信デバイス内に実装され得る。
例えば本願発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
信号を第1の周波数範囲にわたって分析して、その中の少なくとも1つの比較的有意な周波数成分を突き止める電子的実装方法であって、電子的ハードウエアを用いて周波数試験範囲を分析して、上記試験範囲の潜在的に有意な成分を特定することと、電子的ハードウエアを用いて上記分析を終了するための条件が満たされたかを決定し、上記条件が満たされなかった場合、上記分析の結果として上記試験範囲を変更し、上記分析および上記決定を繰り返すことと、を含む、方法。
(項目2)
上記試験範囲を変更することは、上記試験範囲の周波数範囲を変更することを含む、上記項目に記載の方法。
(項目3)
上記試験範囲を変更することは、上記試験範囲の帯域幅を変更することを含む、上記項目のうちのいずれか一項に記載の方法。
(項目4)
上記分析を終了するための上記条件が満たされたかの決定は、
1つ以上の周波数成分が所定の精度で特定されたか、または
反復限界に達したか、
のうちの少なくとも一方を決定することを含む、上記項目のうちのいずれか一項に記載の方法。
(項目5)
周波数の上記第1の周波数範囲の上記分析は、連続した近似検索を実施することを含む、上記項目のうちのいずれか一項に記載の方法。
(項目6)
上記周波数検索範囲を複数の領域に分割することと、各領域内の信号強度を分析して、有意または支配的な信号を含んでいる可能性が最も高い候補領域を特定することと、上記試験範囲を変更し、上記候補領域を含めることであって、上記新たな試験範囲が先の周波数試験範囲よりも小さい、ことと、を含む、上記項目のうちのいずれか一項に記載の方法。
(項目7)
入力信号をフィルタリングして、周波数成分を上記周波数試験範囲外に排除するか、または減衰させることを更に含む、上記項目のうちのいずれか一項に記載の方法。
(項目8)
上記フィルタリングが、上記分析および上記決定の各反復時に重複している周波数範囲にわたって動作するように、上記周波数試験範囲を周波数変換することを更に含む、上記項目のうちのいずれか一項に記載の方法。
(項目9)
上記フィルタリング帯域幅は、各反復時に減少される、上記項目のうちのいずれか一項に記載の方法。
(項目10)
上記フィルタリングは、低域通過フィルタリングまたは帯域通過フィルタリングを含み、上記周波数試験範囲は、変換されて上記フィルタリングの通過帯域内に位置する、上記項目のうちのいずれか一項に記載の方法。
(項目11)
上記周波数変換は、デジタル周波数変換装置またはデジタル周波数変換器を用いて実施される、上記項目のうちのいずれか一項に記載の方法。
(項目12)
フーリエ変換エンジンは、信号強度を周波数の関数として推定し、かつ上記強度の推定値を上記周波数試験範囲内の複数の領域の各々に割り当てるために使用される、上記項目のうちのいずれか一項に記載の方法。
(項目13)
上記フーリエ変換エンジンは、N個のサンプルに働き、Nは16以下の整数である、上記項目のうちのいずれか一項に記載の方法。
(項目14)
上記フーリエ変換エンジンはN個のサンプルに働き、Nは8以下の整数である、上記項目のうちのいずれか一項に記載の方法。
(項目15)
上記フーリエ変換エンジンはN個のサンプルに働き、Nは4以下の整数である、上記項目のうちのいずれか一項に記載の方法。
(項目16)
上記フーリエ変換エンジンに提供される上記信号を、各反復で増加される間引き係数により間引くことを更に含む、上記項目のうちのいずれか一項に記載の方法。
(項目17)
1つ以上の成分を推定するためにパラメータに関するエンジンが使用される、上記項目のうちのいずれか一項に記載の方法。
(項目18)
上記パラメータに関するエンジンは、低次または単一次数のエンジンである、上記項目のうちのいずれか一項に記載の方法。
(項目19)
入力信号の入力周波数範囲を再帰的に検索するように、かつ以前のパスで支配的な信号を含んでいるとして特定され、かつ上記支配的な信号の周波数が所定の精度で推定されるまで続く減少された周波数検索範囲を各パスで検索するように配置される主要信号検出装置。
(項目20)
上記周波数検索空間を規定するように配置される検索空間制御装置、およびスペクトル分析エンジンを備える、上記項目に記載の装置。
(項目21)
上記検索空間制御装置は、可変周波数検索範囲を所定の周波数範囲にマッピングするように構成される周波数変換器、および制御可能帯域幅フィルタを備える、上記項目のうちのいずれか一項に記載の装置。
(項目22)
上記スペクトル分析エンジンは、低N点FFTエンジンを含む、上記項目のうちのいずれか一項に記載の装置。
(項目23)
上記スペクトル分析エンジンは、パラメータに関するエンジン含む、上記項目のうちのいずれか一項に記載の装置。
(項目24)
上記周波数変換器は、デジタル下方変換器を含む、上記項目のうちのいずれか一項に記載の装置。
(項目25)
上記制御可能帯域幅フィルタは、上記制御可能帯域幅フィルタの帯域幅を変更するための帯域幅制御器に応答するデジタルフィルタを含む、上記項目のうちのいずれか一項に記載の装置。
(項目26)
項目19に記載の主要信号検出装置を備える無線受信機。
(項目27)
上記主要信号検出装置は、ブロッカー信号の高調波を捜すように配置され、上記高調波は、デジタル化信号内に生じる、上記項目に記載の無線受信機。
(摘要)
周波数範囲内の干渉信号等の、支配的な周波数を突き止めるための単一の複雑な計算は、いくつかのより簡単なものに置換される。信号を第1の周波数範囲にわたって分析して、その中の少なくとも1つの比較的有意な周波数成分を突き止める。これには、電子的ハードウエアを用いて周波数試験範囲を分析して、試験範囲内に潜在的に有意な成分を特定することと、電子的ハードウエアを用いて分析を終了するための条件が満たされたかどうかについて決定することと、を含み得る。条件が満たされなかった場合、分析の結果として試験範囲を変更し、かつ分析をすることおよび決定をすることの動作を繰り返す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
(特定の実施形態の詳細な説明)
図1は、第1の周波数範囲にわたり帯域幅制限された信号内のブロッカー信号等の、支配的な信号を探し出すように配置される信号処理システムのブロック図である。このため、例えば、
図1のシステムが受信機内に実装されていると、着信無線信号は増幅されて基礎帯域または低中間の周波数に下方変換されているかもしれない。下方変換された信号は、次いでアナログデジタル変換器50の入力に供給され得る。しかし、そのような配置では、信号を受信機が受信する送信機は、受信機が受信することになる最強信号を提供し得ない。ブロッカー信号または干渉信号として折に触れて公知の、遙かに強力な信号が存在し得る。
【0030】
あるいは、アナログデジタル変換器50の入力は、監視および/または計装装置により供給され得る。
【0031】
一部の読者にとっては、ブロッカー信号が問題となり得る理由をより明確にするために、無線受信機の動作を簡単に検討することが有益かもしれない。
図7は、例えば、基地局内の移動体電話技術(例えば、3G、4G、LTE)に、例えば、使用されるタイプの無線受信機の一部の構成要素を概略的に示す。アンテナ12は、着信無線信号を受信する。「入用の」着信無線信号は、環境内で発生する種々の他の信号と競合した上で受信されなければならない。一部の場合には、「入用の」信号は、基地局セルの外れに位置する移動体電話機の移動体電話信号であるかもしれない。一方、他の移動体電話機が、アンテナ12により近く位置している可能性もあり、結果的に、それらの信号強さは入用の信号よりアンテナ12で遙かに大きくなる。他のデバイスからのこうした不要な信号は、入用の信号と干渉するかまたはこれを阻止するかもしれない。当業者に公知なように、符号分割多重系では、移動体電話機または他のデバイスに出入りする個々の信号は、同一周波数空間を共有するが、直交符号により符号化されて各信号が他の各信号に対してノイズとして現れるようにしている。しかし、異なる移動体電話機周波数帯域も割り当てられるので、これらの帯域の信号は、受信機での非線形性により、入用の信号を妨害しかつこれと干渉する可能性がある。
【0032】
アンテナ12は、低雑音増幅器等の、高周波(RF)増幅器14に接続され、これが入用の信号および不要な信号を増幅して、増幅した信号を直角位相受信機のミクサ20aおよび20bに送出する。各ミクサ20aおよび20bは、RF増幅器14から同一の信号を受信する。各ミクサ20aおよび20bは、ミクサ20aおよび20bが公称で90°位相が外れた局部振動子信号を受信するように移相器24が信号路内に提供されることを除けば、局部振動子21から同一の信号を受信する。便宜上、未移相信号は同位相信号Iとして公知であり、90°移相信号は直角位相信号Qとして公知である。着信RF信号は、局部振動子信号と混合されて、以降の処理のためにその信号を周波数偏移および下方変換する。局部振動子信号は、入用の信号を低中間周波数まで混合するように選択され、またはミクサ20aおよび20bの出力が基礎帯域信号を表すように、着信RF信号の周波数と一致するようにそれが選択され得る直接変換アーキテクチャとし得る。ミクサ20aおよび20bからの下方変換された信号は、次いでそれぞれの低域通過フィルタ22aおよび22bに、次いでアナログデジタル変換器24aおよび24bに通されるのだが、これらは別個のデバイスでもよく、または時間多重的に作用する単一のアナログデジタル変換器により提供されてもよい。アナログデジタル変換器24aおよび24bは、デジタル化信号のストリームをデジタル基礎帯域プロセッサ30に提供する。必要な場合には、フィルタ22a、22bとアナログデジタル変換器24aおよび24bとの間に追跡および保持ブロックまたはサンプルおよび保持ブロックを提供してもよいが、変換器アーキテクチャによっては含まれなくても構わない。
【0033】
設計者達は、増幅器およびミクサ、ならびにアナログデジタル変換器をできるだけ線形にすることを求めるが、これらの成分内の何らかの非線形性が周波数混合を生じ得る。特に、強力な信号がアンテナ12で受信され、この信号が所望の信号から、例えば、周波数δ1だけずらされると、その干渉信号のそれ自身との非線形混合は、干渉信号の画像が周波数で入用の信号と整合する潜在性を生じる。
【0034】
潜在的干渉信号の周波数が特定され得るならば、干渉信号の影響を減少させるために、それを着信受信信号から分離してそれを使用して、アナログ領域またはデジタル領域のいずれかで、信号路に再注入され得る解消信号を発生させることが可能であろう。
【0035】
したがって、潜在的ブロッカーの周波数を特定するための方法およびその方法の実装方法を探し出すことが望ましい。前述したように、
図1は、潜在的ブロッカーを特定するための配置例の第1の実施形態を示し、
図7のものと同様の無線受信機に実装され得る。
【0036】
図1に示す配置例では、全ての動作がデジタルの信号または語に対して実施されるので、動作は専用ハードウエアまたは再使用可能/多目的なコンピュータエンジンおよび/またはソフトウエアで実施され得ることは明白に違いないのだが、信号処理システム内に実装される機能を、ハードウエアについて説明する。本明細書での「ソフトウエア」とは、プロセッサにより実行可能な非一時的メモリ内に格納される命令を指し得る。更に、本明細書に説明する機能ブロックは、単一のデバイスにより実施され得る。アナログデジタル変換器50(
図7に関して説明する変換器22aおよび22bでもあり得る)の出力は、
図1の下方変換器60に提供される。図示したように、下方変換器60の出力は、低N点高速フーリエ変換エンジン等の、スペクトル分析エンジン70に提供されるのだが、これはプロセッサにより実行可能な非一時的メモリ内に格納された命令により実装されるような専用ハードウエアおよび/またはソフトウエア内に実装され得る。同様に、下方変換器60(より一般的には、周波数変換装置)も専用ハードウエアおよび/またはソフトウエア内に実装され得る。ハードウエアまたはソフトウエアのいずれに実装されようと、スペクトル分析エンジン70の出力は、次いで、
図1のデジタル下方変換器60の動作を制御するように帰還される。
【0037】
図1のデジタル下方変換器60およびスペクトル分析エンジン70を、
図2により詳細に示す。
図2では、デジタル下方変換器60は、着信信号y
n(nは指数)を受信する乗算器62を備え、該着信信号は、本実施例では乗算器62の第1の入力時のサンプリングレートFsでアナログデジタル変換器50により出力されるデジタルシーケンスである。図示のように、第2の入力乗算器62は、デジタル振動子64から振動信号を受信する。デジタル振動子64は、スペクトル分析エンジン70により決定される要求周波数に等しく設定される基本周波数を有するデジタル信号を生成するように配置され得る。デジタル振動子64の出力は、語のシーケンスであり得、その値は正弦曲線に近似し、その場合、正弦曲線を相応の周波数で合成するために、計算エンジンが提供され得る。あるいは、減少された解像度の正弦曲線が読み出し専用メモリ内に保持され得、正弦曲線を相応の周波数で合成するために補間が用いられ得る。更なる代替例では、デジタル振動子64の出力は、アナログデジタル変換器50の出力が、相応の要求周波数に設定された基本周波数を有する交互のシーケンス内で、1を、次いで−1(または+aおよび−a)を乗算されるように、単に矩形波であり得る。高次の高調波は、ミクサ62の出力を受信するために配置されるフィルタ66により拒否され得るため、この手法が用いられ得る。
【0038】
各反復で検索エンジン70として提供されるFFTエンジンのビン周波数のうちの1つに一致し得るので、要求周波数は事前に推定し得ることは、以下の説明から明白になるであろう。結果として、デジタル正弦曲線を正弦曲線メモリ内に生成するための1つ以上のシーケンスを事前にロードするためにアクションがとられ得る。いずれにしても、当業者に公知の、数値制御(デジタル)振動子を提供するいくつかの手法が存在する。
【0039】
デジタル振動子64が周波数F
NCOを有する場合、当業者に公知なように、信号成分は下方変換器60内でF
NCOだけ周波数偏移される。したがって、下方変換器60のアクションは、着信信号の周波数を新たな周波数周りに中心合わせになるように移動することである。このことは、周波数空間の検索を実装するために利用され得る。
【0040】
当業者に公知なように、高速フーリエ変換(FFT)動作(および実に多くの周波数分析動作)は、着信信号を調べて、その成分を「ビン」に割り当てる。ビンに割り当てられた信号の大きさは、特定のビンに属する周波数範囲内の信号強度を表す。原則として、着信信号のFFTは、所望程度の精度で支配的な信号の周波数を特定するように実施され得、予め決められ得る。しかし、このことは、コンピューテーション上高価で時間を費やすものと急速になり得る。
【0041】
本発明者は、支配的な信号が存在しそうな周波数範囲を特定するように比較的簡単な検索を、周波数空間を通して行い得ることを認識した。例えば、2点フーリエ変換では、周波数空間は、上半分と下半分に分割される。3点フーリエ変換では、周波数空間は、3領域等に分割され、以下同様である。第1の反復では、着信信号の第1の周波数範囲は、第1の解像度で調べられる。第1の解像度は、第1の「ビン」幅に対応する。信号を含んでいる領域が一旦特定されると、当該領域は候補領域とみなされ得、次いで検索空間(即ち、試験範囲または検索範囲)は、少なくとも候補領域の周波数範囲に広がり、好ましくは、当該候補領域またはビンの中間周波数周りに中心合わせにされ得る。第2の反復では、この減少された周波数試験範囲は調べられるが、この減少された周波数試験を検索するために用いられるビン数は同一のままである。したがって、ビン幅は減少され、言い換えれば解像度が増大される。最大信号成分を含むビンが特定され、次回の反復用の減少された検索空間の中心になり、以下同様である。この手法を達成するために、検索空間または試験範囲を各反復時に規定する簡単かつ確実な方法が望まれる。これは、フィルタを含むデジタル下方変換器60により達成され得る。
【0042】
図2では、ミクサ62からの出力は狭帯域フィルタ66に通されるのだが、当該フィルタは、デジタル下方変換器60の動作のために、一反復から次回まで単一の中心周波数を有し得るが、その帯域幅は一反復から次回まで帯域幅制御器68に応答して可変である。狭帯域フィルタ66は、低域通過フィルタとしてまたは帯域通過フィルタとして提供され得る。デジタルフィルタである狭帯域フィルタ66の出力は、次いでデシメータ69に提供され、このデシメータは、制御可能な間引き係数Dによりデータストリームを間引ように動作可能である。狭帯域フィルタ66のフィルタ帯域幅は、最新に実施されたFFT分析で最大の大きさを有しているとして選択されたビンの全体を通過させるように、帯域幅制御器68により制御され得る。それは、更なるスペクトル分析用に選択されたビンまわりに配設される保護帯域を通過させるようにも配置される。
【0043】
下方変換器60の結果として、対象の周波数範囲、即ち、試験範囲、は、着信信号Y
nの精査すべき範囲が公知の周波数空間に渡されるように、下方変換器60により下方変換され得る。例えば、その最低周波数が下方変換器60内の所定の周波数にマッピングするように、対象の周波数範囲は変換され得、そのような周波数は、例えば、約0Hzである。あるいは、周波数範囲の中点値は、狭帯域フィルタ66の中点値等の、所定の周波数にマッピングされ得る。いずれにせよ、下方変換器の周波数は、候補領域の周波数範囲がフィルタ66の通過帯域に位置するように変形されるように、選択される。
【0044】
本実施例のスペクトル分析エンジン70は、デシメータ69により出力された最新のN個の語を記録するN点バッファ72を備える。N点バッファ72からの出力は、N点FFTエンジン74に提供され、当該N点FFTエンジンは、当業者に公知なように、対象の周波数空間をN個のビンに分割し、信号強度を各ビンの信号強度に割り当てる。ビンは、Y
Kと標記する。N点FFTエンジン74の出力は、選択器回路76に提供され、当該選択器回路は、図示するように、内部の最大の信号係数を有する選択ビンY
KMAXを特定する。選択ビンY
KMAXが一旦選択されると、このビンの中心周波数が、スペクトル分析エンジン70によりアルゴリズムに従って計算され、以降の反復でデジタル振動子64の周波数NCOを設定するために使用される。当業者には公知なように、フーリエ変換は、ハードウエア内部で実施され得、Massachusetts州、NorwoodのAnalog Devicesは利用可能な48点FFTエンジンを有している。したがって、例えば、16、10、8、4、3または2点に働く小型FFTエンジンは、当業者により実装され得る。したがって、FFTエンジンの特定実装例を更に検討する必要はない。
【0045】
図1および2の回路の動作を、
図3a、3bおよび3cを参照して説明する。便宜的に、10個のビンが、これらの図の各々に示されている。第1の反復では、N点バッファがフラッシュされ、次いで第1の間引き係数Dで間引かれたサンプルで満たすのを許容されるものと想定する。第1の間引き係数は、バッファが満杯になるまでいずれのサンプルもバッファを通過されるように、単一でよい。また、第1の反復では、デジタル振動子64は、作動していなくてもよく、狭帯域フィルタ66の帯域幅は、全通過帯域がFFTエンジン74に提供されるように、その最広帯域幅に設定される。全スペクトルにわたるスペクトル強さが、次いでFFTエンジン74により、低域周波数LF
Kと高域周波数UF
Kとの間に広がる
図3a中の中心周波数Y
1〜Y
10を有する複数の周波数ビンのうちの1つに割り当てられる。Kは反復カウンタである。
【0046】
図示の周波数スペクトルは最も有意なブロッカーのみならず他の信号も含むので、ピーク信号強さはブロッカーが内部にあるビンに対応するはずであるが、隣接するビンに対応する可能性もあり得る。この現象は、「スペクトル汚れ」として公知で、複数の隣接ビンにわたって汚されているスペクトル成分の強さとしてそれ自体を表し得る。したがって、
図3aでは、本図示例ではブロッカーはほぼビンY
6に一致するのだが、ビンY
5が最も大きい信号強さを有しているビンとして選択されている。
【0047】
第1のパスでの周波数ビンY
5に対応する周波数が推定され、デジタル振動子64に対する新たな周波数として設定される。このことは、狭帯域フィルタ66を、実質的に第1の反復のビンY
5に対応する周波数の周囲に中心合わせする効果を有する。この点で、狭帯域フィルタ66の帯域幅も、少なくとも
図3aからのビンY
5の幅を覆うように、減少される。本実施例では、フィルタの通過帯域は、ビンY
4、Y
5およびY
6の周波数範囲を包含する。間引き係数は、FFTエンジン74の解像度を増大させるために、係数により2〜Nの間に増大され得る。この余剰帯域幅は、保護帯域であるとみなし得る。保護帯域の幅は、ユーザまたは設計者により選択されればよく、減少または拡大され得る。
【0048】
間引き係数は、ユーザまたは設計者により調整が可能である。理想的には、間引き係数は、周波数エリアシングを回避するために、ナイキストサンプリング基準(最大周波数の2倍より大きいサンプルレート)を満たすように選択しなければならない。
【0049】
当業者に公知なように、高速フーリエ変換の周波数解像度、Fres、は等式1により表される。
【数1】
【0050】
言い換えれば、周波数ビンの大きさは等式2により表される。
【数2】
【0051】
式中、F
Sはサンプリング周波数であり、ナイキストサンプリング基準を満たすために、理想的には充分に高速に選択される。
【0052】
デジタル下方変換器60のアクションのために、各連続した反復での対象周波数範囲は、直流(DC)(0Hz)または狭帯域フィルタ66(設計者の任意選択での)の中心周波数の周りに実質的に中心合わせであり、徐々に狭くなる。したがって、サンプルレートは、各反復で減少可能であり、このことはデシメータ69の間引き係数を増大することにより行われ得る。第2の反復の解像度は、
図3bに示すように、等式3により表される。
【数3】
【0053】
ビンサイズはDの増大と共に減少し、したがってビン中心周波数と実際のブロッカー周波数との間の誤差は減少する。改めて、各ビンの最大値を推定して新たな候補ビンを突き止めることができ、デジタル下方変換器の周波数を調節してビン中心周波数、つまり狭帯域フィルタ66の通過帯域の中点値、を設定することができ、本フィルタの帯域幅をさらに減少できる。したがって、
図3cの第3の反復に示すように、実際のブロッカー周波数とブロッカーの推定周波数との間の誤差は、第1および第2の反復に対して減少され、本例では、受容可能な誤差値以内にあるとみなし得る。
【0054】
図4は、ブロッカー信号の周波数を特定するための更なる装置の実施形態を概略的に示す。本装置は、デジタル化入力信号を受信し、当該装置はアナログデジタル変換器、例えば、受信機のアナログデジタル変換器24a(
図2)または50(
図1)、のうちの一方から受信し得る。
図4に示す装置は、ブロッカー検出器140を備え、当該ブロッカー検出器は、図示のように、デジタルミクサ142、デジタルフィルタ144、パラメトリックエンジン146、デジタル積分器148、およびデジタル制御振動子150を備える。ミクサ142、フィルタ144、積分器148およびデジタル振動子150は、プロセッサにより実行可能なハードウエア構成要素またはソフトウエア構成要素、もしくは両者の混合として提供される。説明の目的のために、これらを物理的構成要素であるかの如く説明するが、ブロッカー検出器140の特徴の全体が、
図7に示す基地局のデジタル基礎帯域プロセッサ30等の、プロセッサにより実行可能なソフトウエアにより実装され得ることを理解すべきである。
【0055】
パラメトリックエンジン146はいくつかの機能ブロックを含む。
図4に示す実施例では、パラメトリックエンジン146は、Mタップ相関器160を含み、当該相関器は、フィルタ144を通過した複数のデジタル語を受信する。Mタップ相関器160は、語を保留して、自己共分散または自己相関の機能をそれらの語に対して実施する。Mタップ相関器160からの出力は、
図4のM次レビンソン再帰エンジン162等の、適当な処理エンジンに送られ、当該処理エンジンは、プロセッサ内に実装され得、後述するように、極零S平面図内のM箇所の極、より厳密には、サンプルデータシステムで扱っているような、Z平面内の極位置、を出力するように動作可能である。
図4で、このデータは、M番目の極ブロック164から出力され、次いで支配的な極ブロック166により支配的な極の位置を見出すように調べられる。支配的な極の移相角度は、角度カルキュレータ168により計算され、位相誤差φ
eとして出力されて積分器148に提供される。図示のように、積分器148は位相誤差φ
eを積分して位相補正信号を得、当該位相補正信号はその周波数を変更するためのデジタル制御振動子150(数値制御振動子としても公知)に提供される。デジタル制御振動子150は、正弦曲線信号の数値表現を出力し、したがってこの数値表現は単に正弦曲線の近似値またはサンプルを表す一連の番号を表す。このデジタル表現正弦曲線は、デジタルの表現の着信信号を乗算されて、アナログ回路部で、これが全て行われるであろう場合のように、周波数混合成分を得ることができる。したがって、デジタル制御振動子150およびデジタルミクサ142は、デジタル回路部により実装され得る。デジタルミクサ142の出力は、デジタルフィルタ144に提供され、当該デジタルフィルタは、有限インパルス応答フィルタまたは無限応答フィルタとして適宜提供される。デジタルフィルタ144は、調節可能な中心周波数を有し得、または本実施例での場合のように、0Hz等の、特定周波数の周りに中心合わせされた自身の通過帯域を有するように、しかしブロッカー検出の連続した反復間で帯域幅を変化させるように制御可能な自身の帯域幅を有するように設定され得る。したがって、本実施形態に対してプロセッサにより実行されるハードウエアおよび/またはソフトウエアの多くは、
図1および2に関して説明した実施形態と共通である。パラメトリックエンジン146の動作を、完璧を期するために、説明する。
【0056】
データの時間シーケンスが与えられれば、パラメトリックモデルを用いて潜在的ブロッカーの存在を特定することが可能である。したがって、バッファ内にN点のサンプルが保持されているとすれば、N点のサンプルに近似する出力を有するシステムの応答をパラメータ化することが可能である。
【0057】
実際、応答は、例えば、自己回帰モデルとして、モデル化され得る。自己回帰モデルは、ランダム信号を、白色雑音信号である入力への線形時間変数システムの出力としてみなす。線形時間変数システムは、全極システムである。
【0058】
ユールウォーカの方程式等の、公知の有力な数学的技術があり、自己回帰モデルパラメータをランダム処理の自己共分散(または自己相関)と関連づけるのに役立ち得る。処理が零平均値を有する場合、自己相関と自己共分散とは同一である。
【0059】
時間シーケンスを表すデータXmが与えられれば、当該データに対する自己相関値を推定することが可能である。次いで、これらの値を用いて、L=1〜M、Mは自己回帰モデルの次数、に対する線形回帰パラメータα
Lを探し出すことは可能である。
【0060】
ユールウォーカの方程式についての問題は、使用されるべきM値についての指図がないことである。しかし、以下の検討から明白なように、大きな値Mはコンピューテイング上の負担により回避可能である。
【0061】
そのため、自己回帰モデルに対しては、
【数4】
【数5】
【0062】
式中、
【化1】
はシステムへの白色雑音入力であり、αは係数であり、x
mは離散(サンプリングされた)着信信号の値である。等式4のモデルはM=3に対するものだが、より低次またはより高次のモデルも構築し得る。
【0063】
ユールウォーカの方程式の導出過程は公知であるが、本明細書では完璧を期するために含める。
【0064】
第1の動作では、等式の両辺をχ[
m−L]により乗算され得、期待値は次のようになる。
【数6】
【0065】
第1の期待性
【化2】
は、自己相関関数r
xx[L−K]である。
【0066】
一方、サンプル間の関連はないので、白色雑音の期待値は、それ自身の時間偏移バージョンで零であり、L=0の場合、期待性はσ
2となり白色雑音ω[
m]の分散である。
したがって、(L>0の場合)
【数7】
または
【数8】
【0067】
この等式は、Lの種々の値に対して表現され得る。L=1に対して、次のように書き表せる。
【数9】
【0068】
L=2、L=3等に対し、行列を定めるように、等価線を書き表すことができる。
【数10】
または
【数10-1】
【0069】
したがって、R値(自己相関)が分かれば、係数αに対して解くことができる。
【0070】
式中、
Rは、自己相関係数行列であり、
αは、係数ベクトルであり、
r=相関係数ベクトルである。
それで
【数11】
【0071】
上記の等式を迅速かつ確実に解くためのルーチンを含むいくつかの信号処理ライブラリがある。それらは、アルゴリズムの形で、ゲートまたはプロセッサの論理部に埋込可能である。パーソナルコンピューティングの環境で周知なライブラリの実施例は、MATLABであり、機能は指令ARYULEを用いて利用可能である。
【0072】
しかし、ユーザは、依然として、モデルの命令を決定しなければならない。
【0073】
ユールウォーカの方程式は、低値のMに対して比較的迅速に解き得るが、行列を反転させるための計算コストは、Mの増大と共に急速に増大する。このことは、基本的列演算(公式的というよりは直感的)等の、技術を用いて、または決定的な4演算過程(行列および低位行列を計算し、それを余因子に変え、次いで随伴行列を形成し、1/行列式を乗じる)である低次、余因子および随伴行列の技術を用いて、2×2行列および3×3行列を反転させる複雑さを比較することにより理解し得る。
【0074】
数値的方法が存在するが、計算上の負担が次数とともに増大する。
【0075】
レビンソンアルゴリズムは、ユールウォーカの方程式を再帰的に解くために使用され得る。レビンソンアルゴリズムは、自己回帰モデル用係数を効率的に抽出し得るアルゴリズムの実施例である。レビンソンアルゴリズムも、ライブラリの形で利用可能であるので、その導出過程について理解しなくても使用できる。しかし、手短な導出過程は有益でもあり得るので本明細書に含める。
【0076】
予測誤差ε
mを定義でき、mはユールウォーカの方程式の次数を表す指数である。
【0077】
m=0に対して、ユールウォーカの方程式は、下記を与える。
【数12】
【0078】
簡単にいえば、白色雑音に作用するフィルタまたはシステムは存在しない。
【0079】
次数m=1に対して、ユールウォーカの方程式の導出過程に戻ることができ、下記が与えられる。
【数13】
したがって
【数14】
かつ
【数15】
【0080】
一般に、レビンソン(より正確にはレビンソンダービン)アルゴリズムは、解を次数m−1のテプリッツ行列に利用することにより、次数mのユールウォーカの方程式を解くことができる。
【0081】
行列Rは、テプリッツ行列の形であり、多くの場合下記のように書き表される。
【数16】
【0082】
レビンソンダービンアルゴリズムは、第1の動作で、「順方向」および「逆方向」ベクトルを形成するように進行する。
【0083】
順方向ベクトル
【化3】
は、下記の条件を満たす長さmのベクトルである。
【数17】
【0084】
eiは、値1を有するi番目の桁を除けば、零により定められる。
【0085】
同様に、逆方向ベクトル
【化4】
は、下記を満たす長さmのベクトルである。
【数18】
【0086】
下記のように行および列を(適宜)加えることにより、行列を拡大できる。
【数19】
【0087】
行列を拡大する際に、行列に加えられた余剰列は、零を用いて順方向ベクトルを拡大するとき解を変更しまたはかき乱すことはない。このことは、解をかき乱し、n番目の強さに対して順方向誤差
【化5】
を生じる余剰行には当てはまらず、そのため標記
【化6】
を使用する。
【0088】
逆方向ベクトルは、同様に拡大されえる。
【数20】
【0089】
そのことは、誤差項を生じることにもなる。
【0090】
誤差項は、実質的に互いに解消するように使用し得る。
【数21】
【0091】
いくらかの操作で、下記が分かる。
【数22】
かつ
【数23】
【0092】
これらの等式を操作すると、下記が導出される。
【数24】
【0093】
中央の零は、寄与しないので、これは崩壊して下記になり、
【数25】
例えば、クラーメルの2×2反転行列式を用いて解かれる。
【0095】
バライスアルゴリズム、シューア分解およびコレスキー分解等の、他の数値による技術またはアルゴリズムも使用し得る。他の技術も存在する。
【0096】
通信システムに関しては、前述したように、受信される信号は、入用の信号の受信と干渉し得る多数の信号の存在下にあり得る。これらの信号は、多くの場合、干渉信号、インタフェアラー、阻止信号、またはブロッカーとして知られ、前述したように、ブロッカーの存在を、その効果またはそれらの効果を軽減するようにアクションを講じ得るように、認識することが有益であるであろう。
【0097】
受信したシンボル/データのシーケンスを、自己回帰モデル等の、パラメトリックエンジンに提供することにより、各潜在的ブロッカーの振幅および周波数の決定が可能になる。
【0098】
しかし、本発明者は、このような想定は、そうした処理のかなりの計算コストにより未確立であることを認識した。
【0099】
前述したように、パラメトリックエンジン内に大次数Mを許容することについての計算コストは、大型の行列を連続的に反転させる動作により、急激に増大する。しかし、本発明者は、不特定の(低M)パラメトリックエンジンの性能を利用して、入力データストリームのパラメータ表現で極を特定するための計算上単純なシステムを提供し得ることを認識した。
【0100】
本発明者は、パラメトリックエンジンを、例えば、1または2次の、低次を有するように拘束するが、3極以上を有するシステムのパラメータ化を行うことを求めれば、エンジンは、着信信号内の最大である一極または複数極の位置近傍に極位置を推定する傾向があることを観測した。したがって、結果は厳密に正確なわけではないが、最終結果に対する妥当な近似である。このことは、重要ではない極は排除するがより有意な極は含めるように着信信号の帯域幅制限をすることにより、連続した反復での周波数検索空間(即ち、試験範囲)の絞り込みに利用され得る。これにより、行列の反転または計算コストを大幅に減少させることが可能になる。しかし、フィルタの複雑さおよびコストも、可能であれば簡素化するのが望ましい。このことは、傾向として、比較的単純な帯域通過特性を用いるフィルタを使用することを示す。これらの両方の特徴を考慮して、本発明者は、先の反復から推定された極の周波数周りに中心合わせされたより小さな周波数空間を検索するように反復的または再帰的に動作される単次パラメトリックエンジン等の、低次パラメトリックエンジンで、適当な性能が達成され得ることを認識した。
【0101】
低次だが1次よりは大きい次数を有するパラメトリックエンジンも、比較的容易に実装され得る。単一次数パラメトリックエンジンの実施例を
図5に示すが、
図4に関して説明した部分は類似の参照番号を付する。相関器160は、複合自己相関
【化7】
を形成するように配置される第1の部分180と、nと次のサンプルn−1の共役との間の、
【化8】
と表現される、自己相関を形成するように配置される第2の部分182とを有する。第1の部分180および第2の部分182の出力は、それぞれr
0およびr
1と示され、角度決定ユニット184に提供され、当該角度決定ユニットは、r
1のr
0に対する比率を比較でき、
【化9】
により表される複素振幅図上の角度変位を決定し、当該角度変位は前述のようにデジタル制御振動子150を制御する積分器148に提供される。
図5の回路は、等式14を実装する単一次数(M=1)エンジンである。これは、計算上簡素である。
【0102】
図5の回路を、相関ブロック180および182と、フィルタタップ参照表190とに提供されるタイミング信号およびリセット信号の図解表現と共に、
図6で繰り返すが、当該フィルタタップ参照表は、潜在的な干渉信号の位置が充分な精度で推定されるような時までフィルタ144の通過帯域を次第に減少させるために、回路の連続した反復の間のタップ係数を指定しかつ変更するように用いられる。したがって、
図6に示す回路は、ブロッカーの周波数を反復的に推定し、次いで下方変換器/周波数変換装置およびフィルタを用いてブロッカーをズームインしかつその周波数を最大精度で推定するように動作する。
【0103】
前述したように、単一次数エンジンは実装が比較的容易だが、本開示は1次数パラメトリックエンジンに限定されない。
【0104】
図8は、第2の高調波低減器200と通信する無線受信機10の概略図を示す。無線受信機10は、
図7に関して説明したものと同様である。無線受信機10は、受信信号を増幅するための低雑音増幅器14を備える。信号は、ミクサ20に提供される前に帯域幅制限するフィルタ15に通され、当該ミクサは信号を局部振動子信号(図示せず)と混合して対象の着信RF信号を基礎帯域または低中間周波数に変換し、当該信号は、次いで低域通過フィルタ22によりフィルタリングされかつアナログデジタル変換器24(または
図1中50)によりデジタル化される。この処理は線形でなければならないが、小さな利得誤差が存在し得、例えば、強さ条件によりモデル化される。通常は高調波信号の発生により表すこれらの非線形性を除去するために、二乗器202、補正信号発生器204および加算器206を備える第2の高調波低減器200が、
図8に提供される。第2の高調波低減器200が、ADC24のデジタル化出力に(本実施例で)作用するとすれば、二乗器202は、2入力デジタル乗算器としてハードウエア内に実装され得る。二乗器202の出力は、推定補正係数a
2を受信する補正信号発生器に提供される。a
2の符号は、乗算器104の出力のADC24からの対応するデジタル語への加算器206での加算が更なる出力を形成するように、無効にされ得る。
【数26】
【0105】
更なる分析により、第3高調波HD3=−a
2 a
2x
3が通過帯域外にあり、第4高調波HD4=−a
22 a
22x
4が受信機のノイズフロアを下回ることが示されるであろう。
【0106】
第2高調波の残存量は、a
2−a
2を減少させる推定精度a
2に依存する。
【0107】
図9は、移動体受信機または基地局に見ることができ、無線受信機に関連する第2高調波減少回路のブロック図である。減少器200は、
図8に関連して説明でき、
図1〜3cまたは4〜6に関して説明したブロッカー検出エンジン210と関連する。ブロッカー検出エンジン210は、適合化エンジン220に接続され、プロセッサにより実行されるハードウエア、ソフトウエア、または両者の混合内に実装され得る。
【0108】
減少器200は、ADC24がデータを出力している間は連続的に動作する一方、ブロッカー検出エンジン210および適合化エンジン220は断続的に動作し得る。
【0109】
補正信号発生器204(
図8)は、ADC24(または
図1の50)からの最新のN個の出力語の記録を維持するためのバッファまたは遅延ラインとして実装され得る。第2高調波減少回路は、同相で直角位相の信号に働く。多くの応答または転送特性が、減少回路内に実装され得、当該減少回路は、R遅延素子を含む有限インパルス応答(FIR)フィルタと構造が類似する。適合化エンジン220が配置されて、ブロッカー検出器210の出力を用いて、フィルタであって、はそれが受信する高調波低減器200に提供される一方の入力と高調波低減器200の出力である他方の入力をフィルタリングするフィルタの動作を適合化し、かつこれらの信号からブロッカー信号を選択して、補正信号発生器の係数を調節してブロッカー信号の影響を最小化することを求める。
【0110】
図10は、例えば、
図1および2に示した装置で使用するための本開示の実施形態を構成する検索アルゴリズムのフローチャートである。検索処理は、ブロック300で開始される。制御は次いで動作302に進められ、初期振動子周波数が設定される。これには、第1のパスで周波数変換を実施しないような、振動子を設定しないことも含み得る。制御は次いで動作304に進められ、この時にフィルタ66の帯域幅が初期値に設定される。フィルタは、その最大帯域幅に、または調べるべき周波数範囲に見合った帯域幅に設定され得る。制御は次いで動作306に進められ、初期間引き率Dが設定される。初期間引き率は、アナログデジタル変換器50からの各サンプルをデシメータ69の出力にまわすような、間引きを何ら実施しないことも含み得る。
【0111】
制御は次いで動作310に進められ、デシメータからのN個のサンプルがN点バッファ72に取り込まれる。これが完了すると、制御は動作312に進められ、FFTエンジン74がその変換を実施する。制御は次いで動作314に進められ、FFTエンジン74の出力が、(
図2中の回路素子76により示されるような)最大の大きさを有するFFTビンを探し出すために調べられる。制御は次いで動作316に進められ、FFTビンの幅が、FFTエンジンにより出力された任意の結果が所望の解像度を有する程度まで減少されたかについて決定される。これが達成されたら、制御は動作320に進められ、
図2のFFT検出アルゴリズム70は、選択されたビンY
K│max│の中心周波数に対応する周波数を出力する。制御は次いで動作322に進められ、アルゴリズムの終了が表される。
【0112】
動作316に戻って、ビンの幅が所望の解像度より大きければ、制御は次いで動作330に進められる。動作330は、選択されたビンY
K│max│の中心周波数についての周波数検索を中心合わせするように、新たな振動子周波数を計算し、この周波数を振動子64内に設定する。制御は次いで動作332に進められ、フィルタ66の新規かつ減少された帯域幅が計算され、設定される。制御は次いで動作334に進められ、新たな間引き率Dが、FFTエンジンの解像度を増大させるように、設定される。これらのステップを実施すると、制御は動作310に戻る。
【0113】
したがって、ブロッカー高調波を特定可能で大型のFFTエンジンを用いない装置を提供することができる。したがって、複雑なコンピューテーションを、いくつかのより簡単なコンピューテーションに置換することができる。これにより、着信データのバッファサイズを減少させることができる。比較的大型のバッファに対する要求は、データを反復的により小型のバッファ内に(またはシーケンス的に同一バッファ内に)取り込むことにより置換される。これにより、FFTエンジンを実装するための負担になるハードウエアまたはソフトウエアおよびバッファを提供するために使用されるハードウエアについて節約を可能にする。
【0114】
同様に、パラメトリックエンジンは、入力周波数範囲をくまなく検索してブロッカーの周波数を探し出して、この周波数を減少回路にまわすように使用され得る。検索は、
図10に関して説明したものと同様である。
【0115】
図11aおよび11bは、
図4に示したパラメトリックエンジンに対する測定性能を示す。
図11aおよび11bに関して示した試験では、入用の信号は、ブロッカー信号に比べて−80dBの強さレベルを有していた。ブロッカーは、50MHz(まわりに中心合わせ)で下方変換信号中に生じ、入用の信号は、100MHzで下方変換信号中に生じた。結果として、受信機における非線形性は、ブロッカーの画像を入用の信号上に滞留せしめ得る。試験では、パラメトリックエンジンはブロッカーに2マイクロ秒以内固定され、迅速に数十ヘルツ以内で周波数推定として達成された。
【0116】
同様の試験を
図12aおよび12bに示すが、ここでは支配的または主要なブロッカーは1つのみだが複数の潜在的ブロッカーが存在する。エンジンは、やはり上手く実施されて、支配的または主要なブロッカーを正確に突き止めており、許容可能なブロッカー周波数推定値は1または2マイクロ秒以内で、わずか数百ヘルツの周波数誤差である。
【0117】
ここで説明したエンジンは、本明細書に説明した連続した近似(検索およびズーム)モードで動作され得る。しかし、それらのエンジンは、階段状に着信信号範囲をくまなく走査するようにも配置され得る。強さが有意性閾値を超える潜在的に有意または支配的な信号を有するいかなる周波数ビンも、したがって更に調べられ得る。
【0118】
そのような配置は、混合系のハードウエア、ソフトウエアに提供され得、通信、制御および他のシステムならびに応用に含めるのに適する。
【0119】
本明細書に説明した原理および利点は、種々の装置に実装され得る。そのような装置の実施例には、家庭用電化製品、家庭用電化製品の部品、電子試験設備、携帯電話の基地局等の、無線通信基盤、等を含み得るが、これらに限定はされない。家庭用電化製品には、無線デバイス、移動体電話機(例えば、高度自動機能電話)、電話機、テレビジョン、コンピュータ、手持ち式コンピュータ、装着型コンピュータ、タブレットンピュータ、ラップトップコンピュータ、腕時計、等を含み得るが、これらに限定はされない。更に、装置には、未完成品も含み得る。開示した技術は、精神的ステップには適用可能ではなく、人の心の内部でまたは紙片上の人による書き物によっては実施されない。
【0120】
文脈上他に明らかに要求されない限り、本明細書および特許請求の範囲を通して、「備える」、「備えている」、「含む」、「含んでいる」等の語は、排他的または網羅的意味とは対照的に、包含的意味に、即ち、「含むが、限定はされない」意味に解釈されるべきである。「結合される」または「接続される」の語は、本明細書で一般的に使用される場合、直接接続されるか、または1個以上の中間構成要素を経由して接続されるかのずれかで構わない2個以上の要素を指す。加えて、「本明細書で」、「以上に」、「以下に」、および同様のインポートの語は、本出願で使用される場合、本出願を全体として指すのであって、本出願の特定部分を指すのではない。文脈上許容される場合、単数または複数を用いた詳細な説明中の語は、複数または単数もまた、それぞれ、含み得る。2個以上のアイテムのリストに関する「または」の語は、リスト中のアイテム、リスト中の全てのアイテム、およびリスト中のアイテムの任意の組合せ、の語の解釈の全てに及ぶように意図されている。本明細書において提供される全ての数値は、測定誤り以内の類似値を含むように意図されている。
【0121】
しかも、とりわけ、「can」、「could」、「might」、「may」、「e.g.」、「for example」、「such as」等の、本明細書で使用される条件付の語は、他で特に述べていない限り、あるいは使用される文脈の範囲内で理解される限り、ある実施形態が、他の実施形態は含まない、ある特長、構成要素および/または状態を含むことを伝えるように一般に意図されている。
【0122】
本明細書で提供される発明の教示は、必ずしも上述のシステムではない他のシステムにも適用され得る。上述の種々の実施形態の構成要素および行為は、組み合わされて更なる実施形態を提供し得る。本明細書で述べた方法の行為は、適当な方法で、任意の順序で実施され得る。しかも、本明細書で述べた方法の行為は、適当な方法で、連続的にまたは並行に実施され得る。
【0123】
本発明のある実施形態を説明したが、これらの実施形態は実施例のみにより提供され、本開示の範囲を限定するようには意図されていない。実際は、本明細書で説明した新規な方法およびシステムは、種々の他の形態に具現化させてもよい。更に、本開示の趣旨から逸脱しない限り、本明細書で説明した方法およびシステムの形の様々な省略、置換および変更を行ってもよい。添付の特許請求の範囲およびそれらの均等物は、本開示の範囲および趣旨内に収まるであろうように、そのような形態または変更例に及ぶように意図されている。
【0124】
ここに提示する特許請求の範囲は、米国特許商標庁での使用に適した単項従属形式である。しかし、技術的に明らかに不可能である場合を除けば、いずれの特許請求の範囲も同一形式の任意の先行する特許請求の範囲に従属し得ることを理解すべきである。