特許第6571738号(P6571738)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6571738ワイヤレス給電の検査装置及び関連の方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6571738
(24)【登録日】2019年8月16日
(45)【発行日】2019年9月4日
(54)【発明の名称】ワイヤレス給電の検査装置及び関連の方法
(51)【国際特許分類】
   G01K 1/14 20060101AFI20190826BHJP
   H02J 50/10 20160101ALI20190826BHJP
   H02J 50/80 20160101ALI20190826BHJP
【FI】
   G01K1/14 L
   H02J50/10
   H02J50/80
【請求項の数】17
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2017-206972(P2017-206972)
(22)【出願日】2017年10月26日
(62)【分割の表示】特願2016-58371(P2016-58371)の分割
【原出願日】2016年3月23日
(65)【公開番号】特開2018-40808(P2018-40808A)
(43)【公開日】2018年3月15日
【審査請求日】2017年10月26日
(31)【優先権主張番号】1550340-2
(32)【優先日】2015年3月23日
(33)【優先権主張国】SE
(73)【特許権者】
【識別番号】319004364
【氏名又は名称】ノク9 アイピー アクティエボラーグ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(72)【発明者】
【氏名】マグヌス ビクストランド
【審査官】 平野 真樹
(56)【参考文献】
【文献】 特許第6235642(JP,B2)
【文献】 特開2014−239560(JP,A)
【文献】 特開平11−051776(JP,A)
【文献】 実開平05−030742(JP,U)
【文献】 特開2004−117145(JP,A)
【文献】 特表2003−515092(JP,A)
【文献】 特表2013−543719(JP,A)
【文献】 特開2014−093921(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0372529(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01K 1/00−19/00
H02J 50/10,50/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレス給電コイル(24)を有するワイヤレス給電装置(20)によって生じた熱露出をエミュレートするホスト装置(40)と共に使用する検査装置(30)であって、
前記ワイヤレス給電装置(20)の表面(25)に配置するように適合されている底部側(53)及び前記底部側(53)に対向する上部側(54)を有するハウジング(50)と、
前記ハウジング(50)に設けられているワイヤレス受電コイル(34)と、
熱感知手段(31)と、
前記熱感知手段(31)から測定データの処理を行う前記ホスト装置(40)に前記測定データを供給するインタフェース(33)と、
を備え、前記熱感知手段(31)は、
前記ハウジング(50)の内側にある第1の位置の温度を測定するように適合されている第1の温度センサ(55)と、
前記ハウジング(50)の外側にある第2の位置の温度を測定するように適合されている第2の温度センサ(56)と、
を備える検査装置。
【請求項2】
前記第1の温度センサ(55)は、前記ワイヤレス受電コイル(34)と前記ハウジング(50)の前記上部側(54)との間に位置している請求項1に記載の検査装置。
【請求項3】
前記ハウジング(50)は、前記底部側(53)を備える下側ハウジング部(51)と、前記上部側(54)を備える上側ハウジング部(52)と、を有し、前記上側ハウジング部(52)は、前記ワイヤレス給電装置(20)と共に使用するように設計されている典型的モバイル機器(10)と同様な放熱特性を有する材料で作られている請求項1又は2に記載の検査装置。
【請求項4】
前記上側ハウジング部(52)は、アルミニウム及びガラスの少なくとも一方から成る請求項に記載の検査装置。
【請求項5】
前記典型的モバイル機器(10)はスマートホンである請求項又はに記載の検査装置。
【請求項6】
前記ホスト装置(40)に接続するためのケーブル(35a)を更に備え、前記ケーブル(35a)は、前記インタフェース(33)に備えられており又は前記インタフェース(33)に接続されており、前記第2の温度センサ(56)は、前記ハウジング(50)から所定の距離(61)を隔てて前記ケーブル(35a)の上に配置されている請求項1〜のいずれか一項に記載の検査装置。
【請求項7】
前記第1の温度センサ(55)は、前記ワイヤレス受電コイル(34)によって前記検査装置(30)の内部に生じた熱に関連した温度を表す測定データを提供するように適合されており、
前記第2の温度センサ(56)は、前記検査装置(30)の周囲空気に関連した温度を表す測定データを提供するように適合されている請求項1〜のいずれか一項に記載の検査装置。
【請求項8】
前記熱感知手段(31)は、第3の温度センサ(55’)を更に備え、前記第3の温度センサ(55’)は、第3の位置の温度を測定するように適合されており、前記第3の位置は、前記ハウジング(50)の内側であり、前記第1の位置とは異なる請求項1〜のいずれか一項に記載の検査装置。
【請求項9】
前記第3の温度センサ(55’)は、前記ワイヤレス受電コイル(34)と前記ハウジング(50)の前記底部側(53)との間に配置されており、前記第3の温度センサ(55’)は、前記ワイヤレス給電装置(20)の前記ワイヤレス給電コイル(24)によって生じた熱に関連した温度を表す測定データを提供するように適合されている請求項に記載の検査装置。
【請求項10】
前記検査装置(30)は、ワイヤレス充電器(20)の形態のワイヤレス給電装置(20)と共に使用するように適合されている請求項1〜のいずれか一項に記載の検査装置。
【請求項11】
ワイヤレス給電コイル(24)を有するワイヤレス給電装置(20)からのワイヤレス給電を受けるときにモバイル機器の熱露出をエミュレートする方法であって、
前記ワイヤレス給電コイル(24)に整合するワイヤレス受電コイル(34)を有する検査装置(30)を設けることであって、前記検査装置(30)は、エミュレートするモバイル機器に整合する熱吸収特性及び熱散逸特性を有するハウジング(50)を有すること(110)と、
前記検査装置(30)に対するワイヤレス電力を生成するために動作時間(OT)の間に前記ワイヤレス給電装置(20)を動作させること(120)と、
前記動作時間(OT)の間に前記検査装置(30)の前記ハウジング(50)の内側の第1の位置の第1の温度(T)を測定すること(130)と、
前記動作時間(OT)の間に前記検査装置(30)の前記ハウジング(50)の外側の第2の位置の第2の温度(T)を測定すること(135)と、
前記動作時間(OT)の間の前記第1の温度(T)の測定及び前記第2の温度(T)の測定からの測定データを処理手段(42)に供給すること(150)と、
を有する方法。
【請求項12】
前記処理手段(42)によって、前記測定データを記録すること(160)と、
前記処理手段(42)によって、前記測定データが前記動作時間(OT)の間に又は前記動作時間(OT)の終了時にしきい値を超える前記第1の温度(T)と前記第2の温度(T)との間の長期偏差を表すか否かを見積もること(170)と、
そうである場合(175)、アラーム信号(45)を生成すること(180)と、
を更に有する請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の位置は、前記ワイヤレス受電コイル(34)と前記検査装置(30)の前記ハウジング(50)の上部側(54)との間にあり、前記第1の温度(T)の測定は、前記ワイヤレス受電コイル(34)によって前記検査装置(30)に内部に生じた熱に関連した温度を表し、
前記第2の位置は、前記検査装置(30)の前記ハウジング(50)から所定の距離(61)を隔てて存在し、前記第2の温度(T)の測定は、前記検査装置(30)の周囲空気に関連した温度を表す請求項11又は12に記載の方法。
【請求項14】
前記動作時間(OT)の間に前記検査装置(30)の前記ハウジング(50)の内側の第3の位置の第3の温度(T)を測定すること(140)であって、前記第3の位置は、前記第1の位置とは異なり、測定データを処理手段(42)に供給すること(150)は、前記第3の温度(T)の測定も含むこと(140)を更に有する請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第3の位置は、前記ワイヤレス受電コイル(34)と前記検査装置(30)の前記ハウジング(50)の底部側(53)との間にあり、前記第3の温度(T)の測定は、前記ワイヤレス給電装置(20)の前記ワイヤレス給電コイル(24)によって生じた熱に関連した温度を表す請求項14に記載の方法。
【請求項16】
ワイヤレス給電コイル(24)を有するワイヤレス給電装置(20)からのワイヤレス給電を受けるときにモバイル機器の熱露出をエミュレートする検査システムであって、検査装置(30)と、ホスト装置(40)と、を備え、
前記検査装置(30)は、
前記ワイヤレス給電装置(20)の表面(25)に配置するように適合されている底部側(53)及び前記底部側(53)に対向する上部側(54)を有するハウジング(50)と、
前記ハウジング(50)に設けられているワイヤレス受電コイル(34)と、
熱感知手段(31)と、
前記熱感知手段(31)から測定データの処理を行う前記ホスト装置(40)に前記測定データを供給する検査装置インタフェース(33)と、
を備え、前記熱感知手段(31)は、
前記ハウジング(50)の内側にある第1の位置の温度を測定するように適合されている第1の温度センサ(55)と、
前記ハウジング(50)の外側にある第2の位置の温度を測定するように適合されている第2の温度センサ(56)と、
を備え、前記ホスト装置(40)は、
ホスト装置インタフェース(41)と、
処理手段(42)と、
報告手段(43)と、
を備え、前記ホスト装置(40)は、
前記検査装置(30)からの測定データを前記ホスト装置インタフェース(41)によって受信し、
前記モバイル機器の熱露出をエミュレートする測定処理結果を取得するために、受信した測定データを前記処理手段(42)によって処理し、
前記処理手段(42)によって前記測定処理結果を送信又は提供するように構成されている検査システム。
【請求項17】
前記検査装置(30)は、請求項2〜10のいずれか一項に記載の検査装置である請求項16に記載の検査システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には、ワイヤレス給電の分野に関し、更に詳しくは、モバイル機器のワイヤレス給電に関する。一層詳しくは、本発明は、ワイヤレス給電コイルを有するワイヤレス給電装置と共に使用する検査装置に関する。また、本発明は、ワイヤレス給電コイルを有するワイヤレス給電装置からのワイヤレス給電を受けるときのモバイル機器の熱暴露をエミュレート(emulate)する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ワイヤレス給電は、例えば、モバイル端末、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、カメラ、オーディオプレーヤー、充電式歯ブラシ、無線ヘッドセット並びに他の種々の消費者製品及び電化製品のようなモバイル機器のワイヤレス充電に対して益々普及すると予測される。
【0003】
ワイヤレスパワーコンソーシアムは、Qiとして知られているワイヤレス給電規格を策定した。他の既知のワイヤレス給電の手法は、アライアンスフォーワイヤレスパワー及びパワーマターズアライアンスを含む。
【0004】
ワイヤレスパワーコンソーシアムによるQiとして知られているワイヤレス給電規格は、本発明に適用可能な現在の好適なワイヤレス給電手法としてこの文書を通じて参照されるが、それに限定されない。しかしながら、本発明は、一般的には、上述したワイヤレス給電規格又は方法を含むがそれに限定されない他のワイヤレス給電規格又は方法にも適用することができる。
【0005】
Qiに適合する機器の動作は、平面コイル間の磁気誘導に依存する。2種類の機器、すなわち、(基地局とも称される)ワイヤレス給電を行う機器及び(モバイル機器とも称される)ワイヤレス電力を消費する機器が含まれる。基地局からモバイル機器に給電が行われる。このために、基地局は、1次コイルを備えるサブシステム(給電器)を含み、それに対し、モバイル機器は、2次コイルを備えるサブシステム(受電器)を含む。動作中、1次コイル及び2次コイルは、コアレス共振変圧器(coreless resonant transformer)の二つの部分を構成する。
【0006】
典型的には、基地局は、平面を有し、ユーザは、一つ以上のモバイル機器を平面の上に配置し、基地局に配置された(一つ以上の)モバイル機器に対するワイヤレス充電又は操作可能な給電を享受することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
動作中、受電器すなわちモバイル機器の2次コイルの磁気誘導によって熱が生じる。さらに、基地局の給電器は、基地局からモバイル機器に伝わる熱を生じる。モバイル機器の熱露出が過剰である場合、複数の不所望な影響が生じうる。例えば、スマートホンのリチウムイオン電池又は電子回路のようなモバイル機器の重要な構成要素が損傷することがある。厳しい過熱状態では、モバイル機器の周辺の物体が損傷することがあり、火災又は毒ガスの危険さえ生じる。さらに、温度が再び減少するまで充電電力を減少又はサスペンドさせるためにモバイル機器の保護回路が介在することがあるので、充電時間が延長されることがある。また、将来のユーザは、一般的には疑い深く、モバイル機器を基地局の表面から取り出すときに非常に熱い場合にはモバイル機器(又は基地局)に対して幾分否定的な状態を仮定する。
【0008】
したがって、ワイヤレス給電器からのワイヤレス給電を受けるときにモバイル機器の熱露出の検査、測定、見積もり、エミュレート又は他の評価を種々の利益団体の間で行う必要がある。そのような利益団体は、例えば、モバイル機器の開発者、製造者又は供給者、ワイヤレス給電装置の開発者、製造者又は供給者、ワイヤレス給電の分野の検査又は順守法人(test or compliance entities)及び製品安全の分野の検査又は順守法人の何れかを含んでもよい。
【0009】
発明の目的は、ワイヤレス給電の技術分野において改善を行うことである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様は、ワイヤレス給電コイルを有するワイヤレス給電装置と共に使用する検査装置である。検査装置は、ハウジングを備える。ハウジングは、ワイヤレス給電装置の表面に配置するように適合されている底部側及び底部側に対向する上部側を有する。
【0011】
検査装置は、ハウジングに設けられているワイヤレス受電コイルと、熱感知手段と、熱感知手段からの測定データを供給するインタフェースと、を更に備える。熱感知手段は、ハウジングの内側にある第1の位置の温度を測定するように適合されている第1の温度センサを備える。熱感知手段は、ハウジングの外側にある第2の位置の温度を測定するように適合されている第2の温度センサも備える。
【0012】
有利には、ハウジングは、底部側を備える下側ハウジング部と、上部側を備える上側ハウジング部と、を有する。上側ハウジング部は、ワイヤレス給電装置と共に使用するように設計されているスマートホンのような典型的モバイル機器と同様な放熱特性を有する材料で作られている。したがって、上側ハウジング部は、有利には、アルミニウム及びガラスの少なくとも一方から成る。
【0013】
好適には、第1の温度センサは、上側ハウジング部の内面から下方に突き出るソケットに配置されている。ソケットは、上側ハウジング部と一体であってもよく、上側ハウジング部と同一の材料から作られてもよい。ソケットは、好適には、ワイヤレス受電コイルに対するフェライト層の表面の水平方向の延在の整合を行うように寸法が設定されている領域を有する表面を有する。これによって、ソケットは、フェライト層のマウントとしての役割を果たすことができる。
【0014】
有利には、熱伝導層が、ソケットの表面とフェライト層の表面との間に設けられている。熱伝導層は、好適には、弾性、接着性及び伝熱性の材料から作られており、ワイヤレス受電コイルによって生じた熱の上側ハウジング部への最適な伝導を確立するように適合されている。
【0015】
検査装置は、ホスト装置に接続するためのケーブルを備えてもよい。ケーブルは、検査装置のインタフェースに備えられてもよい又は検査装置のインタフェースに接続されてもよい。有益には、第2の温度センサは、ハウジングから所定の距離を隔ててケーブルの上に配置されてもよい。したがって、第1の温度センサは、ワイヤレス受電コイルによって検査装置の内部に生じた熱に関連した温度を表す測定データを提供するように適合されてもよく、第2の温度センサは、検査装置の周囲空気に関連した温度を表す測定データを提供するように適合されてもよい。
【0016】
任意に、検査装置の熱感知手段は、第3の温度センサを更に備え、第3の温度センサは、第3の位置の温度を測定するように適合されており、第3の位置は、ハウジングの内側であり、第1の位置とは異なる。有利には、第3の温度センサは、ワイヤレス受電コイルとハウジングの底部側との間に配置されており、第3の温度センサは、ワイヤレス給電装置のワイヤレス給電コイルによって生じた熱に関連した温度を表す測定データを提供するように適合されてもよい。
【0017】
本発明の実施の形態の詳細な説明から明らかにように、検査装置を、スマートホンのワイヤレス充電器のようなワイヤレス給電コイルを有するワイヤレス給電装置からのワイヤレス給電を受けるときにモバイル機器の熱露出の検査、測定、見積もり、エミュレート又は他の評価を行うのに有益に用いることができる。
【0018】
本発明の他の態様は、ワイヤレス給電コイルを有するワイヤレス給電装置からのワイヤレス給電を受けるときにモバイル機器の熱露出をエミュレートする方法である。方法によれば、ワイヤレス給電コイルに整合するワイヤレス受電コイルを有する検査装置を設け、検査装置は、エミュレートするモバイル機器に整合する熱吸収特性及び熱散逸特性を有するハウジングを有する。
【0019】
この方法によれば、検査装置に対するワイヤレス電力を生成するために動作時間の間にワイヤレス給電装置を動作させる。動作時間の間に検査装置のハウジングの内側の第1の位置の第1の温度を測定する。さらに、動作時間の間に検査装置のハウジングの外側の第2の位置の第2の温度を測定する。
【0020】
その後、動作時間の間の第1の温度の測定及び第2の温度の測定からの測定データを、ホスト装置の一部とすることができる処理手段に供給する。
【0021】
有利には、処理手段は、測定データを記録し、測定データが動作時間の間に又は動作時間の終了時にしきい値を超える第1の温度と第2の温度との間の長期偏差(long-term deviation)を表すか否かを見積もる。そうである場合、処理手段は、アラーム信号を生成する。
【0022】
発明の第1の態様と同様に、第1の位置は、ワイヤレス受電コイルと検査装置のハウジングの上部側との間にあってもよく、第1の温度の測定は、ワイヤレス受電コイルによって検査装置に内部に生じた熱に関連した温度を表す。それに応じて、第2の位置は、検査装置のハウジングから所定の距離を隔てて存在し、第2の温度の測定は、検査装置の周囲空気に関連した温度を表す。
【0023】
一実施の形態において、熱露出検査は、動作時間の間に検査装置のハウジングの内側の第3の位置の第3の温度も測定することによって改善される。第3の位置は、第1の位置とは異なり、処理手段に供給される測定データは、第3の温度の測定も含む。
【0024】
発明の第1の態様と同様に、第3の位置は、有利には、ワイヤレス受電コイルと検査装置のハウジングの底部側との間にあってもよく、第3の温度の測定は、ワイヤレス給電装置のワイヤレス給電コイルによって生じた熱に関連した温度を表す。
【0025】
発明の実施の形態を、添付の従属項によって規定し、詳細な説明の部分及び図面で更に説明する。
【0026】
本明細書で用いるときの用語「備える/備え」は、説明した特徴、整数、ステップ又は構成要素の存在を特定するものと理解するために強調されるが、他の一つ以上の特徴、整数、ステップ、構成要素又はその群の存在又は追加を除外しない。特許請求の範囲で用いられる全ての用語は、ここでの特別な定めのない限り、技術分野の通常の意味に従って解釈すべきである。「(一つの)[素子、装置、構成要素、手段、ステップ等]」に対する全ての言及は、特に明記しない限り、素子、装置、構成要素、手段、ステップ等の少なくとも一つの例を言及するものとして率直に解釈すべきである。ここで開示したあらゆる方法のステップを、特に明記しない限り、開示した正確な順序で実行する必要はない。
【0027】
ここで説明するような検査装置の3次元空間の方向及び幾何学的配置を、一般的には、水平面にある検査装置に対応する検査装置の水平の幾何学的配置に関連して説明する。
【0028】
発明の実施の形態の目的、特徴及び利点は、添付図面を参照することにより後の詳細な説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】モバイル機器にワイヤレス給電を行うワイヤレス給電装置の略ブロック図である。
図2】ワイヤレス給電装置と共に使用する熱感知手段を有する検査装置及び検査装置から供給される測定データの処理を行うホスト装置の略ブロック図である。
図3】ワイヤレス給電装置の表面に配置された一実施の形態による検査装置の等角図である。
図4】一実施の形態による検査装置の等角分解図である。
図5】一実施の形態による検査装置の等角分解図である。
図6】他の実施の形態による検査装置の等角分解図である。
図7】他の実施の形態による検査装置の等角分解図である。
図8】検査装置の熱感知手段によって取得することができる例示的な測定データを示すグラフである。
図9】ワイヤレス給電装置からのワイヤレス給電を受けるときにモバイル機器の熱露出をエミュレートする方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
発明の実施の形態を、添付図面を参照しながら説明する。しかしながら、発明を、多数の異なる形態で実施してもよく、ここで説明する実施の形態に制限するものと解釈すべきでない。更に正確に言えば、これらの実施の形態は、この開示が完全かつ完璧となるように提供され、発明の範囲を当業者に十分に伝える。添付図面に示す特定の実施の形態の詳細な説明で用いる用語は、発明を限定することを意図しない。図面中、同様な番号は同様な構成要素を言及する。
【0031】
図1は、モバイル機器10にワイヤレス給電するワイヤレス給電装置20を示す。モバイル機器を、例えば、モバイル端末(例えば、スマートホン)10a、タブレットコンピュータ10b(例えば、surfpad)、ラップトップコンピュータ10c、カメラ、オーディオプレーヤー、充電式歯ブラシ、無線ヘッドセット並びに他の種々の消費者製品及び電化製品としてもよい。
【0032】
ワイヤレス給電を、ワイヤレスパワーコンソーシアムによるQi規格に適合するものとして説明する。したがって、ワイヤレス給電装置20は、Qi規格の基地局である。しかしながら、既に説明したように、発明は、一般的には、背景技術で説明したワイヤレス給電規格又は方法を含むがそれに限定されない他のワイヤレス給電規格又は方法にも適用することができる。
【0033】
ワイヤレス給電装置20は、ワイヤレス給電コイル24を有するワイヤレス給電器22を備える。それに応じて、モバイル機器10は、ワイヤレス受電コイル14を有するワイヤレス受電器12を備える。動作中、ワイヤレス給電装置20は、ワイヤレス給電コイル24及びワイヤレス受電コイル14による磁気誘導18によってモバイル機器10にワイヤレス給電を行う。
【0034】
ワイヤレス受電コイル14によって受け取った電力は、モバイル機器10の負荷16を駆動する。典型的には、負荷16を、リチウムイオン電池のような充電式バッテリーとしてもよい。したがって、ワイヤレス給電装置20は、モバイル機器10のワイヤレス充電器としての役割を果たす。他の状況において、負荷16を、モバイル機器の電子回路としてもよく、この場合、ワイヤレス給電装置20は、モバイル機器10のワイヤレス電源としての役割を果たす。
【0035】
背景技術で説明したように、動作中、ワイヤレス給電器22及びコイル24は、ワイヤレス給電装置20からモバイル機器10に伝わる熱を生じる。さらに、モバイル機器10のワイヤレス給電コイル14の磁気誘導によって熱が生じる。モバイル機器10の熱露出が過剰になる場合、モバイル機器の充電式バッテリー又は電子回路のような重要な構成要素が損傷することがある。また、モバイル機器の過剰な熱露出は、火又は煙の発生の危険性を増大させることがある。
【0036】
このために、検査装置30を設け、その実施の形態を、図2〜7に示す。ワイヤレス給電装置からのワイヤレス給電を受けるときにモバイル機器の熱露出をエミュレートする関連の方法も提供する。この方法を図9に示す。
【0037】
図2は、ワイヤレス給電装置20と共に使用する検査装置30を示す略ブロック図である。ワイヤレス給電装置20は、ワイヤレス給電器22及びワイヤレス給電コイル24を有し、図1のワイヤレス給電装置20と同一であってもよい。後に更に詳しく説明するように、検査装置30は、エミュレートするモバイル機器(又はモバイル機器のタイプ)のワイヤレス給電コイルに整合するワイヤレス受電コイル34を有するワイヤレス受電器32を有する。さらに、検査装置30は、エミュレートするモバイル機器(又はモバイル機器のタイプ)に整合する熱吸収特性及び熱散逸特性を有するハウジングを有する。
【0038】
動作中、ワイヤレス給電装置20は、検査セッションの動作時間OTの間にワイヤレス給電コイル24及びワイヤレス受電コイル34による磁気誘導18によって検査装置30にワイヤレス給電を行う。その結果、図1について説明したように熱が生じる。
【0039】
ワイヤレス給電装置20からのワイヤレス給電によって生じた検査装置30の熱露出を測定するために、熱感知手段31を検査装置30に設ける。後に詳細に説明する熱感知手段31は、図2において35で示すように、インタフェース33を通じてホスト装置40に測定データを提供する。
【0040】
ホスト装置40は、検査装置30の熱感知手段31によって取得した測定データを受信するインタフェース41を有する。インタフェース33及び41を、単純な有線、USBのようなシリアルインタフェース、WiFi(登録商標)のブルートゥース(登録商標)のようなワイヤレスインタフェース等を含む任意の適切なタイプとすることができる。
【0041】
ホスト装置40は、検査装置30から受信した測定データを処理する処理手段42も有する。処理手段42は、適切なソフトウェア及び/又はファームウェアを有するマイクロコントローラ、中央処理装置(CPU)、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)又はフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)のようなプログラマブル装置、及び/又は、特定用途向け集積回路(ASIC)のような専用ハードウェアを備えてもよい。
【0042】
さらに、ホスト装置40は、処理手段42によって取得した測定処理結果を送信又は提供する報告手段43を有する。これは、45で示すように、ホスト装置40のローカルユーザインタフェース(例えば、ディスプレイ)への図形情報の提供、視覚的な及び/又は可聴のアラームの生成、又は、外部装置に対する情報の送信を含んでもよい。
【0043】
処理手段42は、44で示すように、検査セッションのためにワイヤレス給電装置20を制御及び/又は駆動してもよい。
【0044】
検査装置30のワイヤレス受電コイル34によって受け取った過剰の電力を処理するために適切な負荷36を設けてもよい。例えば、適切な大きさの抵抗を用いてもよい。
【0045】
検査装置30の実施の形態を、図3〜7を参照しながら説明する。図4,5は、第1の実施の形態を示し、それに対し、図6,7は、熱感知手段31の追加の素子を設けた点を除いて第1の実施の形態と同一の第2の実施の形態を示す。図3は、両方の実施の形態に共通である。図示した実施の形態以外の実施の形態も発明の範囲内で可能である。
【0046】
特に図3に示すように、検査装置30は、実質的には、縁及びコーナーが丸い薄型の箱の形状を有する。開示した実施の形態は、スマートホンの形状のモバイル機器をエミュレートするように作用する。したがって、検査装置30は、よく知られているスマートホン形状を有する。検査装置30は、開示した実施の形態では、設置面積が130mm×70mmのサンドイッチ状の設計を有する。サンドイッチ状の設計は、下側ハウジング部51、中間ハウジング部70及び下側ハウジング部52を有するハウジング50を含む。
【0047】
下側ハウジング部51は、ワイヤレス給電装置20の表面25への配置に適合した底部側53を有する。上側ハウジング部52は、底部側53に対向する上部側54を有する。下側ハウジング部51は、プラスチック又はワイヤレス給電装置20のワイヤレス給電コイル24とワイヤレス受電器32のワイヤレス受電コイル34との間の誘導結合18を許容するのに適した他の材料から作られている。
【0048】
中間ハウジング部70は、プラスチック又はサンドイッチ状の設計に対して十分な安定性をもたらすのに適した他の材料から作られている。
【0049】
上側ハウジング部52は、ワイヤレス給電装置20と共に使用するように設計されている典型的モバイル機器10と同様な放熱特性を有する材料で作られている。有利には、上側ハウジング部52は、アルミニウム、ガラスのような同様な放熱特性を有する他の材料又はその組合せから成ってもよい。
【0050】
図3の開示した実施の形態において、ワイヤレス給電装置20は、図2の44で示すようなホスト装置40に接続することができるケーブル44aを有する。検査装置30は、ケーブル35aを有し、ケーブル35aは、図2の35で示すように、ホスト装置40に接続されているインタフェース33の一部であってもよい。
【0051】
ここで、長手方向側から見た検査装置30の第1の実施の形態を示す図4の等角分解図及び側面側から見た検査装置30の第1の実施の形態を示す図5の等角分解図を参照する。中間ハウジング部70は、更に明瞭にするために図4,5(及び図6図7)から除外した。
【0052】
検査装置30は、図4,5から分かるように内面的にもサンドウッチ状の設計を有する。ワイヤレス受電コイル34は、サンドイッチ状の設計の層の一つとしてハウジング50に設けられている。ワイヤレス受電コイル34の真上に、ワイヤレス受電コイル34のフェライト層58が設けられている。
【0053】
インタフェース33を図4,5に示さないが、インタフェース33を、上側ハウジング部52の半円状の切欠き35及び下側ハウジング部51の半円状の切欠き35によって形成されるケーブル35aの開口の付近でハイジング50の内部に配置される小型のプリント基板として実現してもよい。
【0054】
熱感知手段31の一部である第1の温度センサ55は、ワイヤレス受電コイル34の上に設けられている。第1の温度センサ55は、ハウジング50の内側の第1の位置の温度を測定するように適合されている。更に詳しくは、第1の温度センサ55は、ワイヤレス受電コイル34とハウジング50の上部側54との間に配置されている。一層詳しくは、第1の温度センサ55は、ハウジング50の上側ハウジング部52の内面から下方に突き出る(ベース又はペデスタルとしても知られている)ソケット59に配置されている。
【0055】
図示した実施の形態において、ソケット59は、上側ハウジング部52と一体であり、したがって、上側ハウジング部52と同一の材料、すなわち、好適には、アルミニウム、又は、ガラスのような同様な放熱特性を有する材料から作られている。ソケット59を有する上側ハウジング部52は、ワイヤレス受電コイル34によって生じた熱の受熱器又は蓄熱装置としての役割を果たす。したがって、ソケット59を有する上側ハウジング部52の寸法、質量及び材料は、有利には、これらの組み合わされた放熱特性がワイヤレス給電装置20と共に使用するように設計されたスマートホンのような典型的モバイル機器の放熱特性に類似するように選定される。これによって、例えば充電によってワイヤレス給電装置20からのワイヤレス給電を受けるときにそのような典型的モバイル機器の熱露出の正確なエミュレートが可能になる。
【0056】
ソケット59は、図示した実施の形態において、フェライト層58のマウントとしての役割も果たす。このために、ソケット59は、図4〜7においてわかるように、ワイヤレス受電コイル34に対するフェライト層58の表面58の水平方向の延在の整合を行うように寸法が設定されている領域を有する(図面において下に向いた)表面59を有する。「整合(matching)」は、この文脈において、ソケット59の表面59の領域がフェライト層58の表面58に対して十分に大きいためにソケット59がフェライト層58のマウントとしての役割を果たすことができることを意味する。したがって、「整合」は、図4〜7においてわかるように、領域が等しい大きさを有することを必要とせず、これらの実施の形態では、ソケット59の表面59は、フェライト層58の表面58より幾分小さい。
【0057】
有利には、熱伝導層60が、ソケット59の表面59とフェライト層58の表面58との間に設けられている。熱伝導層60は、ワイヤレス受電コイル34によって生じた熱のソケット59を有する上側ハウジング部52への最適な伝導を確立するとともにソケット59に直接隣接したフェライト層58に対する出現しうるあらゆる不所望な絶縁の影響を回避するように作用する。そのような不所望な絶縁の影響は、典型的モバイル機器に対するソケット59を有する上側ハウジング部52の組み合わされた放熱特性の類似の正確さを危うくする。その理由は、ソケット59を有する上側ハウジング部52によって実際に受け取る熱量がワイヤレス受電コイル34によって生じた熱より未確認の量だけ少ないからである。
【0058】
熱伝導層60は、シリコングリース(silicon grease)、サーマルペースト(thermal paste)又はサーマルテープ(thermal tape)のような良好な伝熱性能を有する弾性かつ接着性の材料から作られている。材料の接着特性は、固有のものとしてもよく、又は、追加の接着によって代替的に設けたものであってもよい。材料の弾性及び接着性又は粘性は、ソケット59の表面59とフェライト層58の表面58との間でこれらに接触するように正確に整列した位置に熱伝導層60を固定することによって検査装置30の組立を容易にする。
【0059】
有利には、第1の温度センサ55は、ソケット59の穴若しくはアイランド又はソケット59の表面59のチャネル若しくは溝に搭載されている。これは、ソケット59の表面59を平らにして妨げなく保持し、したがって、熱伝導層60との十分な接触を可能にし、その結果、ワイヤレス受電コイル34によって生じた熱の上側ハウジング部52への最適な伝導を可能にする。また、第1の温度センサ55のこの配置は有利である。その理由は、第1の温度センサ55がワイヤレス受電コイル34から十分に離間されるとともに磁気的に絶縁されているからである。したがって、ワイヤレス受電コイル34の誘導から生じた磁場からの影響を回避することができる。
【0060】
代替的な実施の形態において、第1の温度センサ55を、例えば、適切な固定手段によってソケット59の表面59又は側面端59に取り付けてもよい。
【0061】
熱感知手段31は、第2の温度センサ56も備える。第2の温度センサ56は、ハウジング50の外側にある第2の位置の温度を測定するように適合されている。したがって、第1の温度センサ55とは異なり、第2の温度センサ56は、ハウジング50の内側ではなく外側に配置されている。第2の温度センサ56は、検査装置30の周囲温度を測定するように作用する。更に詳しくは、開示した実施の形態において、第2の温度センサ56は、ハウジング50から所定の距離61を隔ててケーブル35aの上に配置されている。これは図3で見られる。距離は、ワイヤレス給電装置20又は検査装置30によって生じた熱からの周囲温度測定に対する顕著な影響を防止するのに十分なものとする。一部の実施の形態において、十分な距離は、ハウジング50から少なくとも150〜200mmとしてもよい。
【0062】
開示した実施の形態において、第1の温度センサ55及び第2の温度センサ56は、イギリス国 郵便番号M44 5BD マンチェスター市アーラム・リバーベンドテクノロジーセンター・ワンオメガドライブ(One Omega Drive, River Bend Technology Centre, Irlam, Manchester, M44 5BD, United Kingdom)に所在するオメガエンジニアリング社(Omega Engineering Limited)によって製造される熱電対型番Kのような熱電対である。熱電対は、小さいセンサ出力電圧値を生成し、それは、関連の変換装置によって℃の較正温度値に変換される。変換装置を、例えば、インタフェース33又はホスト装置40に備えてもよい。他の実施の形態において、サーミスタ、抵抗温度計又はシリコンバンドギャップ温度センサ(silicon bandgap temperature sensors)のような他のタイプの温度センサを用いてもよい。
【0063】
第1の温度センサ55及び第2の温度センサ56の詳細、機能及び目的を説明する。
【0064】
図4,5においてわかるように、第1の温度センサ55は、上部側54又はその付近でハウジング50の内側に配置されている。第1の温度センサ55は、検査装置30の内部において、すなわち、ワイヤレス受電コイル34の磁気誘導によって生じた熱に関連した温度を表す測定データを提供するように適合されている。この温度は、ハウジング50の上部側54で放散した熱にも関連(し、ワイヤレス給電装置20のワイヤレス給電コイルによって生じた熱にもある程度関連)する。したがって、その結果、第1の温度センサ55は、検査セッションの動作時間OTの間に検査装置30によって感知するようなエミュレートされるモバイル機器の内部素子が露出される熱環境を評価するように作用する。それに対し、第2の温度センサ56は、ハウジング50の外部に配置されており、検査装置30の周囲空気に関連した温度を表す測定データを提供するように適合されている。これは、エミュレートされるモバイル機器の内部素子の熱露出を評価するときの基準レベルとしての役割を果たす。
【0065】
検査セッションの持続時間OTを、エミュレートされるモバイル機器のワイヤレス給電セッションの典型的な持続時間を反映する適切な最大値に設定してもよく、例えば、エミュレートされるモバイル機器がモバイル端末であるとともにワイヤレス給電装置20がワイヤレス充電器であるときには60分に設定してもよく、例えば、90分に設定してもよく、更に一般的には、10分と10分との間の時間の大きさに設定してもよいが、それに限定されない。一実施の形態において、ワイヤレス給電セッションの持続時間OTを、第1の温度センサ55(及び/又は第3の温度センサ55’)によって提供される測定データによって表されるような所望の又は取得される温度安定化を考慮して選択又は設定してもよい。この場合、温度安定化の基準を、例えば、第1の温度センサ55(又は第3の温度センサ55’)からの二つ以上の順次の温度測定値の間の1℃のようなしきい値よりも小さい偏差としてもよい。
【0066】
第1の温度センサ55及び第2の温度センサ56による温度測定の結果の例示的なグラフは、図8で見られる。上側のグラフ81は、第1の温度センサ55から取得した測定データを表し、動作時間OT=5000秒の後に約36℃の終了温度に近づく。下側のグラフ82は、第2の温度センサ56から取得した測定データを表し、動作時間OT=5000秒の間を通じて約25℃の周囲温度の周辺にリップルが生じる。
【0067】
図6,7で見られる代替的な実施の形態において、熱感知手段31は、第3の位置の温度を測定するように適合されている第3の温度センサ55’を更に備える。この点を除いて、図6,7の代替的な実施の形態を、図4,5の実施の形態と同一としてもよい。第3の位置は、ハウジング50の内側にあり、第1の位置とは異なる。図6,7の開示した実施の形態において、第3の温度センサ55’は、ワイヤレス受電コイル34とハウジング50の底部側53との間に配置されている。
【0068】
第3の温度センサ55’は、ワイヤレス給電装置20から検査装置30に伝わる熱に関連した温度を表す測定データを提供するように適合されている。したがって、その結果、第3の温度センサ55’は、検査セッションの動作時間OTの間に検査装置30によって感知するようなエミュレートされるモバイル機器の底部の熱環境、すなわち、ワイヤレス給電装置20に最も近接する熱環境を評価するように作用することができる。
【0069】
第3の温度センサ55’は、ワイヤレス受電コイル34の巻線の範囲内の位置にあるためにワイヤレス受電コイル34の誘導によって生じる磁場の影響を第1の温度センサ55よりも受けやすくなり得る。したがって、他の実施の形態において、下側ハウジング部51において第3の温度センサ55’の更に端に近い(中央でない)位置を選定してもよい。代替的な手法を、図9のステップ140を参照しながら後に説明する。
【0070】
第1の温度センサ55、第2の温度センサ56及び適用できる場合の第3の温度センサ55’によって供給される集合測定データによって、処理手段42は、ワイヤレス給電装置からのワイヤレス給電を受けるときにモバイル機器の(エミュレートされた)熱露出の種々の分析を行うことができる。そのような分析の結果は、例えば、以下の利益団体のいずれか又は全てによって有益に用いられてもよい。
●モバイル機器の開発者、製造者又は供給者
●ワイヤレス給電装置の開発者、製造者又は供給者
●ワイヤレス給電の分野の検査又は順守法人
●製品安全の分野の検査又は順守法人
【0071】
図9は、ワイヤレス給電コイル24を有するワイヤレス給電装置20からのワイヤレス給電を受けるときにモバイル機器の熱露出をエミュレートする方法のフローチャートである。方法は、以下のステップを有する。
【0072】
第1のステップ110において、ワイヤレス給電コイル24に整合するワイヤレス受電コイル34を有する検査装置30を設け、検査装置30は、エミュレートするモバイル機器に整合する熱吸収特性及び熱散逸特性を有する。検査装置を、有利には、図2〜8に対して上述したような検査装置30とすることができる。
【0073】
第2のステップ120において、検査装置30に対するワイヤレス電力を生成するために動作時間OTの間にワイヤレス給電器20を動作させる。
【0074】
第3のステップ130において、動作時間OTの間に検査装置30の内側の第1の位置の第1の温度Tを測定する。
【0075】
第4のステップ135において、動作時間OTの間に検査装置30の外側の第2の位置の第2の温度Tを測定する。
【0076】
任意であるとともに図6,7に示す実施の形態に関連する第5のステップ140において、動作時間OTの間に検査装置30の内側の第3の位置の第3の温度Tを測定する。ワイヤレス受電コイル34の誘導によって生じる磁場からの第3の温度センサ55’へのあり得る影響を回避する又は減少させるために、ワイヤレス給電装置20のワイヤレス給電コイル24を、第3の温度Tを測定するときに一時的に停止させてもよい。
【0077】
ステップ130(及び適用できる場合のステップ140)の測定を、検査セッションの動作時間OTの間に適切な間隔で、例えば、x秒又はy分ごとに繰り返す。ステップ135の測定を同一の間隔又は更に長い間隔で繰り返してもよい。その理由は、周囲空気の温度が検査セッションの動作時間OTの間にほぼ一定のままであると予測できるからである。一部の実施の形態において、ステップ135の測定を、(例えば、検査セッションの動作時間OTの終了時に)1回だけ行い、(例えば、検査セッションの動作時間OTの開始時及び終了時に)2回行い、又は、(例えば、検査セッションの動作時間OTの開始時、中間及び終了時に)3回行う。
【0078】
ステップ150において、動作時間OTの間の第1の温度Tの測定及び第2の温度Tの測定(並びにオプションの第3の温度Tの測定)からの測定データを、処理手段、例えば、図2のホスト装置40の処理手段42に供給する。
【0079】
有利には、方法は、ステップ160を有し、この場合、処理手段42は、検査装置30から受信した測定データを、例えば、当該測定データを適切なメモリに格納することによって記録する。さらに、方法は、有利には、ステップ170を有し、この場合、処理手段42は、測定データが動作時間OTの間に又は動作時間OTの終了時にしきい値を超える第1の温度Tと第2の温度Tとの間の長期偏差(long-term deviation)を表すか否かを見積もる。図8に示す図において、そのような偏差は、検査セッションの動作時間OTの間の所定の期間、典型的には、検査セッションの動作時間OTの終了時の第1のグラフ81と第2のグラフ82との間の(℃の)間隔となる。しきい値を、15℃のような適切な値に設定してもよく、更に一般的には、10〜20℃に設定してもよい(が、それに限定されない)。
【0080】
第1の温度センサ55によって測定された内部温度Tが所定の期間(例えば、所定の数の測定サンプル又は所定の秒数)中に第2の温度センサ56によって測定した周囲温度Tにしきい値を加算した値を超えることがステップ170で分かった場合、処理手段42は、ステップ175において、検査装置30が過剰温度にさらされたと判断する。その結果、処理手段42は、ステップ180でアラーム信号を生成する。アラーム信号を、図2の報告手段43によって45で生成した情報の一部、例えば視覚的な及び/又は可聴のアラームを引き起こす個別の信号、又は、過剰温度状況のアラートとして外部装置に送信される制御信号としてもよい。
【0081】
図9について上述した方法は、図2〜8について上述した検査装置30と同一又は機能的に対応する特徴のいずれか又は全てを有してもよい。例えば、第1の位置は、好適には、ワイヤレス受電コイル34と検査装置30のハウジング50の上部側54との間にあり、第1の温度Tの測定は、ワイヤレス受電コイル34により検査装置30の内部に生じた熱に関連した温度を表す。
【0082】
それに応じて、第2の位置は、検査装置30のハウジング50から所定の距離61を隔てて存在し、第2の温度Tの測定は、検査装置30の周囲空気に関連した温度を表す。
【0083】
第3の位置は、適用できる場合には、ワイヤレス受電コイル34と検査装置30のハウジング50の底部側53との間にあり、第3の温度Tの測定は、ワイヤレス給電装置20のワイヤレス給電コイル24によって生じた熱に関連した温度を表す。
【0084】
発明を、その実施の形態を参照しながら詳細に説明した。しかしながら、当業者が容易に理解できるように、他の実施の形態も、添付した特許請求の範囲で規定したような本発明の範囲内で可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9