(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6571741
(24)【登録日】2019年8月16日
(45)【発行日】2019年9月4日
(54)【発明の名称】作業者管理装置
(51)【国際特許分類】
G06N 20/00 20190101AFI20190826BHJP
G05B 19/418 20060101ALI20190826BHJP
【FI】
G06N20/00
G05B19/418 Z
【請求項の数】14
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2017-228573(P2017-228573)
(22)【出願日】2017年11月29日
(65)【公開番号】特開2019-101516(P2019-101516A)
(43)【公開日】2019年6月24日
【審査請求日】2019年4月15日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】390008235
【氏名又は名称】ファナック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001151
【氏名又は名称】あいわ特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】白石 亘
【審査官】
塚田 肇
(56)【参考文献】
【文献】
特開2015−95209(JP,A)
【文献】
国際公開第2010/143361(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06N 20/00
G05B 19/418
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
工場で製造機械に係る作業を行う作業者を管理する作業者管理装置において、
前記作業者の外的状態及び前記製造機械の状態に対する前記作業者のステータスの推定を学習する機械学習装置を備え、
前記機械学習装置は、
前記作業者の作業状況を撮像した画像データと、前記製造機械から取得したデータとに基づいて、前記作業者の外的状態を示す作業者外的状態データと、前記製造機械の状態を示す製造機械状態データとを、環境の現在状態を表す状態変数として観測する状態観測部と、
前記作業者のステータスを示す作業者ステータスデータを、ラベルデータとして取得するラベルデータ取得部と、
前記状態変数と前記ラベルデータとを用いた教師あり学習により、前記作業者外的状態データ及び前記製造機械状態データと、前記作業者ステータスデータとを関連付けて学習する学習部と、
を備える作業者管理装置。
【請求項2】
前記学習部は、
前記状態変数から前記作業者の現在のステータスを推定する相関性モデルと、予め用意された教師データから識別される相関性特徴との誤差を計算する誤差計算部と、
前記誤差を縮小するように前記相関性モデルを更新するモデル更新部とを備える、
請求項1に記載の作業者管理装置。
【請求項3】
前記学習部は、前記状態変数と前記ラベルデータとを多層構造で演算する、
請求項1または2に記載の作業者管理装置。
【請求項4】
工場で製造機械に係る作業を行う作業者を管理する作業者管理装置において、
前記作業者の外的状態及び前記製造機械の状態に対する前記作業者のステータスの推定を学習した機械学習装置を備え、
前記機械学習装置は、
前記作業者の作業状況を撮像した画像データと、前記製造機械から取得したデータとに基づいて、前記作業者の外的状態を示す作業者外的状態データと、前記製造機械の状態を示す製造機械状態データとを、環境の現在状態を表す状態変数として観測する状態観測部と、
前記作業者の外的状態及び前記製造機械の状態と、前記作業者のステータスとを関連付けて教師あり学習した学習部と、
前記状態観測部が観測した状態変数と、前記学習部による学習結果に基づいて、前記作業者のステータスを出力する推定結果出力部と、
を備える作業者管理装置。
【請求項5】
工場で製造機械に係る作業を行う作業者を管理する作業者管理装置において、
前記作業者の外的状態及び前記製造機械の状態に対する前記作業者のステータスの推定を学習する機械学習装置を備え、
前記機械学習装置は、
前記作業者の作業状況を撮像した画像データと、前記製造機械から取得したデータとに基づいて、前記作業者の外的状態を示す作業者外的状態データと、前記製造機械の状態を示す製造機械状態データとを、環境の現在状態を表す状態変数として観測する状態観測部と、
前記状態変数を用いた教師なし学習により前記作業者のステータスを学習する学習部と、
を備える作業者管理装置。
【請求項6】
工場で製造機械に係る作業を行う作業者を管理する作業者管理装置において、
前記作業者の外的状態及び前記製造機械の状態に対する前記作業者のステータスの推定を学習した機械学習装置を備え、
前記機械学習装置は、
前記作業者の作業状況を撮像した画像データと、前記製造機械から取得したデータとに基づいて、前記作業者の外的状態を示す作業者外的状態データと、前記製造機械の状態を示す製造機械状態データとを、環境の現在状態を表す状態変数として観測する状態観測部と、
前記作業者の外的状態及び前記製造機械の状態に基づいた前記作業者のステータスの教師なし学習をした学習部と、
前記状態観測部が観測した状態変数と、前記学習部による学習結果に基づいて、前記作業者のステータスを出力する推定結果出力部と、
を備える作業者管理装置。
【請求項7】
工場で製造機械に係る作業を行う作業者を管理する作業者管理装置において、
前記作業者の外的状態及び前記製造機械の状態に対する前記作業者のステータスの推定を学習する機械学習装置を備え、
前記機械学習装置は、
前記作業者の作業状況を撮像した画像データと、前記製造機械から取得したデータとに基づいて、前記作業者の外的状態を示す作業者外的状態データと、前記製造機械の状態を示す製造機械状態データとを、環境の現在状態を表す状態変数として観測する状態観測部と、
前記作業者のステータスを示す作業者ステータスデータを、ラベルデータとして取得するラベルデータ取得部と、
前記状態変数と前記ラベルデータとを用いた教師あり学習により、前記作業者外的状態データ及び前記製造機械状態データと、前記作業者ステータスデータとを関連付けて学習する第1学習部と、
前記状態変数を用いた教師なし学習により、前記作業者のステータスを学習する第2学習部と、
を備える作業者管理装置。
【請求項8】
工場で製造機械に係る作業を行う作業者を管理する作業者管理装置において、
前記作業者の外的状態及び前記製造機械の状態に対する前記作業者のステータスの推定を学習した機械学習装置を備え、
前記機械学習装置は、
前記作業者の作業状況を撮像した画像データと、前記製造機械から取得したデータとに基づいて、前記作業者の外的状態を示す作業者外的状態データと、前記製造機械の状態を示す製造機械状態データとを、環境の現在状態を表す状態変数として観測する状態観測部と、
前記作業者の外的状態及び前記製造機械の状態と、前記作業者のステータスとを関連付けて教師あり学習した第1学習部と、
前記作業者の外的状態及び前記製造機械の状態に基づいた前記作業者のステータスの教師なし学習をした第2学習部と、
前記状態観測部が観測した状態変数と、前記第1学習部による学習結果及び前記第2学習部による学習結果に基づいて、前記作業者のステータスを出力する推定結果出力部と、
を備える作業者管理装置。
【請求項9】
工場で製造機械に係る作業を行う作業者の外的状態及び前記製造機械の状態に対する前記作業者のステータスの推定を学習する機械学習装置において、
前記作業者の作業状況を撮像した画像データと、前記製造機械から取得したデータとに基づいて、前記作業者の外的状態を示す作業者外的状態データと、前記製造機械の状態を示す製造機械状態データとを、環境の現在状態を表す状態変数として観測する状態観測部と、
前記作業者のステータスを示す作業者ステータスデータを、ラベルデータとして取得するラベルデータ取得部と、
前記状態変数と前記ラベルデータとを用いた教師あり学習により、前記作業者外的状態データ及び前記製造機械状態データと、前記作業者ステータスデータとを関連付けて学習する学習部と、
を備える機械学習装置。
【請求項10】
工場で製造機械に係る作業を行う作業者の外的状態及び前記製造機械の状態に対する前記作業者のステータスの推定を学習した機械学習装置において、
前記作業者の作業状況を撮像した画像データと、前記製造機械から取得したデータとに基づいて、前記作業者の外的状態を示す作業者外的状態データと、前記製造機械の状態を示す製造機械状態データとを、環境の現在状態を表す状態変数として観測する状態観測部と、
前記作業者の外的状態及び前記製造機械の状態と、前記作業者のステータスとを関連付けて教師あり学習した学習部と、
前記状態観測部が観測した状態変数と、前記学習部による学習結果に基づいて、前記作業者のステータスを出力する推定結果出力部と、
を備える機械学習装置。
【請求項11】
工場で製造機械に係る作業を行う作業者の外的状態及び前記製造機械の状態に対する前記作業者のステータスの推定を学習する機械学習装置において、
前記作業者の作業状況を撮像した画像データと、前記製造機械から取得したデータとに基づいて、前記作業者の外的状態を示す作業者外的状態データと、前記製造機械の状態を示す製造機械状態データとを、環境の現在状態を表す状態変数として観測する状態観測部と、
前記状態変数を用いた教師なし学習により前記作業者のステータスを学習する学習部と、
を備える機械学習装置。
【請求項12】
工場で製造機械に係る作業を行う作業者の外的状態及び前記製造機械の状態に対する前記作業者のステータスの推定を学習した機械学習装置において、
前記作業者の作業状況を撮像した画像データと、前記製造機械から取得したデータとに基づいて、前記作業者の外的状態を示す作業者外的状態データと、前記製造機械の状態を示す製造機械状態データとを、環境の現在状態を表す状態変数として観測する状態観測部と、
前記作業者の外的状態及び前記製造機械の状態に基づいた前記作業者のステータスの教師なし学習をした学習部と、
前記状態観測部が観測した状態変数と、前記学習部による学習結果に基づいて、前記作業者のステータスを出力する推定結果出力部と、
を備える機械学習装置。
【請求項13】
工場で製造機械に係る作業を行う作業者の外的状態及び前記製造機械の状態に対する前記作業者のステータスの推定を学習する機械学習装置において、
前記作業者の作業状況を撮像した画像データと、前記製造機械から取得したデータとに基づいて、前記作業者の外的状態を示す作業者外的状態データと、前記製造機械の状態を示す製造機械状態データとを、環境の現在状態を表す状態変数として観測する状態観測部と、
前記作業者のステータスを示す作業者ステータスデータを、ラベルデータとして取得するラベルデータ取得部と、
前記状態変数と前記ラベルデータとを用いた教師あり学習により、前記作業者外的状態データ及び前記製造機械状態データと、前記作業者ステータスデータとを関連付けて学習する第1学習部と、
前記状態変数を用いた教師なし学習により、前記作業者のステータスを学習する第2学習部と、
を備える機械学習装置。
【請求項14】
工場で製造機械に係る作業を行う作業者の外的状態及び前記製造機械の状態に対する前記作業者のステータスの推定を学習した機械学習装置において、
前記作業者の作業状況を撮像した画像データと、前記製造機械から取得したデータとに基づいて、前記作業者の外的状態を示す作業者外的状態データと、前記製造機械の状態を示す製造機械状態データとを、環境の現在状態を表す状態変数として観測する状態観測部と、
前記作業者の外的状態及び前記製造機械の状態と、前記作業者のステータスとを関連付けて教師あり学習した第1学習部と、
前記作業者の外的状態及び前記製造機械の状態に基づいた前記作業者のステータスの教師なし学習をした第2学習部と、
前記状態観測部が観測した状態変数と、前記第1学習部による学習結果及び前記第2学習部による学習結果に基づいて、前記作業者のステータスを出力する推定結果出力部と、
を備える機械学習装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業者管理装置に関し、特に作業者の作業状況や技能などのステータスを自動検知して、作業者の安全確保、パフォーマンス評価やスキルアップ、さらに工場の稼働率の分析などを簡単に実現する作業者管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
工場には、現場で作業している作業者を管理している管理者がいる。管理者は、作業者が効率良く作業をこなしているか、作業者が作業内容を充分に理解して作業を進めているか、危険を伴う作業に対して作業者が充分に気を付けて作業をしているのか、等といったことを監視し、何か問題が有った場合には作業者に対する指導や、現場配置の調整、トレーニングや休養の指示等を行う。
【0003】
例えば、射出成形工場を例として説明する。射出成形システムは、射出成形機、金型、金型温調器、成形材料乾燥機、成形品取出機(ロボット)、インサート品挿入ロボット、成形品検査装置、コンベア、成形品梱包装置、金型表面の異物監視カメラ、成形データ管理用パソコンなどで構成されている。これらのメンテナンスは、工場内の作業者が実施しており、特に、金型や射出成形機に搭載されたスクリュ・シリンダは、高温樹脂の劣化に起因するガスヤニや炭化物などが付着・堆積するために、定期的なメンテナンスが必須となっている。しかしながら、金型やスクリュ・シリンダは高温に温調されていたり、複雑な形状の金属部品で組立てられているため、これらのメンテナンスには危険を伴う。そこで、リスク低減のための保護方策として、作業者はこれらのメンテナンス作業時には安全確保のために色々な安全装備や服装などで作業することとなっている。一般的には、保護帽、作業服、軍手、安全靴などの装備が必要であり、メンテナンスの内容によっては、長い髪は束ねる、ネックレスやネクタイ等を外す、安全眼鏡またはゴーグル着用、耐熱手袋などの装着が必要な場合もある。作業者がこれらの保護法策を守らずに作業を開始することが無いように、管理者は作業者をチェックし、必要に応じて作業者を指導する。
【0004】
この様に、工場の現場における管理者の作業は重要ではあるものの、現場で作業している全ての作業者の状況を少数の管理者でチェック・管理することは非常に困難である。そこで、作業者の状況のチェックを自動化するための従来技術として、例えば特許文献1には、作業現場で予め決められた保護具を作業者が着用しているかを、現場に入るときに保護具に付設されたID−TAGを自動的に検知することで保護具着用状態を作業者に報知する技術が開示されている。
また、特許文献2では、対象者の身体の所定部位を画像検出して作業内容に応じた適正な状態にあるかを監視する技術や、所定部位以外に着用された物体又は周囲に存在する物体を認識して作業環境もしくは作業内容を推定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−146301号公報
【特許文献2】特開2015−95209号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
作業者が作業現場で行う作業や状況によって様々であり、その作業の状況(作業ステータス)によって管理者がチェックするべき内容は異なる。特許文献1に記載された技術は、現場に入る時に保護具の装着状態をチェックすることは可能ではあるが、同じ作業現場において同じ作業者に対して保護具が必要な状況と保護具が必要ない状況とを区別して管理することはできない。
【0007】
また、特許文献2に記載された技術は、画像上は同じに見えるが作業内容が異なるという場合の判別が困難である。例えば正常な運転中に一時停止して加工物などの目視確認等をするためにツールや加工物に接近している状態と、何等かの異常が発生して調整やメンテナンスのためにツールや加工物に接近している場合などの判別は困難な場合がある。また、機械の周囲にメンテナンスツール類が常備してある工場も多いため、周囲の物体で作業内容を推定することが困難な場合もある。このような場合、メンテナンス作業を行わない作業者がツールや加工物に接近したことに起因する誤った警告や管理者への誤報が発生する懸念がある。
【0008】
更に、現場における管理者による作業者の管理業務は上記したように、作業者の作業状況から配置の見直しやトレーニングの必要性の判断、休養の必要性の判断など多岐に渡っている。しかしながら、作業者のパフォーマンス評価や、作業者の現在の作業状況や技能などのステータスを数値化する手法が確立されていないため、これらを数値化して作業者管理、工場管理などに活用することができなかった。
【0009】
そこで本発明の目的は、作業者の作業状況や技能などのステータスを自動検知して、作業者の安全確保、パフォーマンス評価やスキルアップ等を簡単に実現する作業者管理装置及び機械学習装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明では、機械学習によって作業者の画像データや成形システムに関する物理量(工程監視データ、操作履歴、アラーム履歴、成形条件変更履歴など)を学習し、作業者のステータスを自動検知して管理することで、上記課題を解決する。
【0011】
そして、本発明の一態様は、工場で製造機械に係る作業を行う作業者を管理する作業者管理装置において、前記作業者の外的状態及び前記製造機械の状態に対する前記作業者のステータスの推定を学習する機械学習装置を備え、前記機械学習装置は、前記作業者の作業状況を撮像した画像データと、前記製造機械から取得したデータとに基づいて、前記作業者の外的状態を示す作業者外的状態データと、前記製造機械の状態を示す製造機械状態データとを、環境の現在状態を表す状態変数として観測する状態観測部と、前記作業者のステータスを示す作業者ステータスデータを、ラベルデータとして取得するラベルデータ取得部と、前記状態変数と前記ラベルデータとを用いた教師あり学習により、前記作業者外的状態データ及び前記製造機械状態データと、前記作業者ステータスデータとを関連付けて学習する学習部と、を備える作業者管理装置である。
【0012】
本発明の他の態様は、工場で製造機械に係る作業を行う作業者を管理する作業者管理装置において、前記作業者の外的状態及び前記製造機械の状態に対する前記作業者のステータスの推定を学習した機械学習装置を備え、前記機械学習装置は、前記作業者の作業状況を撮像した画像データと、前記製造機械から取得したデータとに基づいて、前記作業者の外的状態を示す作業者外的状態データと、前記製造機械の状態を示す製造機械状態データとを、環境の現在状態を表す状態変数として観測する状態観測部と、前記作業者の外的状態及び前記製造機械の状態と、前記作業者のステータスとを関連付けて教師あり学習した学習部と、前記状態観測部が観測した状態変数と、前記学習部による学習結果に基づいて、前記作業者のステータスを出力する推定結果出力部と、を備える作業者管理装置である。
【0013】
本発明の他の態様は、工場で製造機械に係る作業を行う作業者を管理する作業者管理装置において、前記作業者の外的状態及び前記製造機械の状態に対する前記作業者のステータスの推定を学習する機械学習装置を備え、前記機械学習装置は、前記作業者の作業状況を撮像した画像データと、前記製造機械から取得したデータとに基づいて、前記作業者の外的状態を示す作業者外的状態データと、前記製造機械の状態を示す製造機械状態データとを、環境の現在状態を表す状態変数として観測する状態観測部と、前記状態変数を用いた教師なし学習により前記作業者のステータスを学習する学習部と、を備える作業者管理装置である。
【0014】
本発明の他の態様は、工場で製造機械に係る作業を行う作業者を管理する作業者管理装置において、前記作業者の外的状態及び前記製造機械の状態に対する前記作業者のステータスの推定を学習した機械学習装置を備え、前記機械学習装置は、前記作業者の作業状況を撮像した画像データと、前記製造機械から取得したデータとに基づいて、前記作業者の外的状態を示す作業者外的状態データと、前記製造機械の状態を示す製造機械状態データとを、環境の現在状態を表す状態変数として観測する状態観測部と、前記作業者の外的状態及び前記製造機械の状態に基づいた前記作業者のステータスの教師なし学習をした学習部と、前記状態観測部が観測した状態変数と、前記学習部による学習結果に基づいて、前記作業者のステータスを出力する推定結果出力部と、を備える作業者管理装置である。
【0015】
本発明の他の態様は、工場で製造機械に係る作業を行う作業者を管理する作業者管理装置において、前記作業者の外的状態及び前記製造機械の状態に対する前記作業者のステータスの推定を学習する機械学習装置を備え、前記機械学習装置は、前記作業者の作業状況を撮像した画像データと、前記製造機械から取得したデータとに基づいて、前記作業者の外的状態を示す作業者外的状態データと、前記製造機械の状態を示す製造機械状態データとを、環境の現在状態を表す状態変数として観測する状態観測部と、前記作業者のステータスを示す作業者ステータスデータを、ラベルデータとして取得するラベルデータ取得部と、前記状態変数と前記ラベルデータとを用いた教師あり学習により、前記作業者外的状態データ及び前記製造機械状態データと、前記作業者ステータスデータとを関連付けて学習する第1学習部と、前記状態変数を用いた教師なし学習により、前記作業者のステータスを学習する第2学習部と、を備える作業者管理装置である。
【0016】
本発明の他の態様は、工場で製造機械に係る作業を行う作業者を管理する作業者管理装置において、前記作業者の外的状態及び前記製造機械の状態に対する前記作業者のステータスの推定を学習した機械学習装置を備え、前記機械学習装置は、前記作業者の作業状況を撮像した画像データと、前記製造機械から取得したデータとに基づいて、前記作業者の外的状態を示す作業者外的状態データと、前記製造機械の状態を示す製造機械状態データとを、環境の現在状態を表す状態変数として観測する状態観測部と、前記作業者の外的状態及び前記製造機械の状態と、前記作業者のステータスとを関連付けて教師あり学習した第1学習部と、前記作業者の外的状態及び前記製造機械の状態に基づいた前記作業者のステータスの教師なし学習をした第2学習部と、前記状態観測部が観測した状態変数と、前記第1学習部による学習結果及び前記第2学習部による学習結果に基づいて、前記作業者のステータスを出力する推定結果出力部と、を備える作業者管理装置である。
【0017】
本発明の他の態様は、工場で製造機械に係る作業を行う作業者の外的状態及び前記製造機械の状態に対する前記作業者のステータスの推定を学習する機械学習装置において、前記作業者の作業状況を撮像した画像データと、前記製造機械から取得したデータとに基づいて、前記作業者の外的状態を示す作業者外的状態データと、前記製造機械の状態を示す製造機械状態データとを、環境の現在状態を表す状態変数として観測する状態観測部と、前記作業者のステータスを示す作業者ステータスデータを、ラベルデータとして取得するラベルデータ取得部と、前記状態変数と前記ラベルデータとを用いた教師あり学習により、前記作業者外的状態データ及び前記製造機械状態データと、前記作業者ステータスデータとを関連付けて学習する学習部と、を備える機械学習装置である。
【0018】
本発明の他の態様は、工場で製造機械に係る作業を行う作業者の外的状態及び前記製造機械の状態に対する前記作業者のステータスの推定を学習した機械学習装置において、前記作業者の作業状況を撮像した画像データと、前記製造機械から取得したデータとに基づいて、前記作業者の外的状態を示す作業者外的状態データと、前記製造機械の状態を示す製造機械状態データとを、環境の現在状態を表す状態変数として観測する状態観測部と、前記作業者の外的状態及び前記製造機械の状態と、前記作業者のステータスとを関連付けて教師あり学習した学習部と、前記状態観測部が観測した状態変数と、前記学習部による学習結果に基づいて、前記作業者のステータスを出力する推定結果出力部と、を備える機械学習装置である。
【0019】
本発明の他の態様は、工場で製造機械に係る作業を行う作業者作業者の外的状態及び前記製造機械の状態に対する前記作業者のステータスの推定を学習する機械学習装置において、前記作業者の作業状況を撮像した画像データと、前記製造機械から取得したデータとに基づいて、前記作業者の外的状態を示す作業者外的状態データと、前記製造機械の状態を示す製造機械状態データとを、環境の現在状態を表す状態変数として観測する状態観測部と、前記状態変数を用いた教師なし学習により前記作業者のステータスを学習する学習部と、を備える機械学習装置である。
【0020】
本発明の他の態様は、工場で製造機械に係る作業を行う作業者の外的状態及び前記製造機械の状態に対する前記作業者のステータスの推定を学習した機械学習装置において、前記作業者の作業状況を撮像した画像データと、前記製造機械から取得したデータとに基づいて、前記作業者の外的状態を示す作業者外的状態データと、前記製造機械の状態を示す製造機械状態データとを、環境の現在状態を表す状態変数として観測する状態観測部と、前記作業者の外的状態及び前記製造機械の状態に基づいた前記作業者のステータスの教師なし学習をした学習部と、前記状態観測部が観測した状態変数と、前記学習部による学習結果に基づいて、前記作業者のステータスを出力する推定結果出力部と、を備える機械学習装置である。
【0021】
本発明の他の態様は、工場で製造機械に係る作業を行う作業者の外的状態及び前記製造機械の状態に対する前記作業者のステータスの推定を学習する機械学習装置において、前記作業者の作業状況を撮像した画像データと、前記製造機械から取得したデータとに基づいて、前記作業者の外的状態を示す作業者外的状態データと、前記製造機械の状態を示す製造機械状態データとを、環境の現在状態を表す状態変数として観測する状態観測部と、前記作業者のステータスを示す作業者ステータスデータを、ラベルデータとして取得するラベルデータ取得部と、前記状態変数と前記ラベルデータとを用いた教師あり学習により、前記作業者外的状態データ及び前記製造機械状態データと、前記作業者ステータスデータとを関連付けて学習する第1学習部と、前記状態変数を用いた教師なし学習により、前記作業者のステータスを学習する第2学習部と、を備える機械学習装置である。
【0022】
本発明の他の態様は、工場で製造機械に係る作業を行う作業者の外的状態及び前記製造機械の状態に対する前記作業者のステータスの推定を学習した機械学習装置において、前記作業者の作業状況を撮像した画像データと、前記製造機械から取得したデータとに基づいて、前記作業者の外的状態を示す作業者外的状態データと、前記製造機械の状態を示す製造機械状態データとを、環境の現在状態を表す状態変数として観測する状態観測部と、前記作業者の外的状態及び前記製造機械の状態と、前記作業者のステータスとを関連付けて教師あり学習した第1学習部と、前記作業者の外的状態及び前記製造機械の状態に基づいた前記作業者のステータスの教師なし学習をした第2学習部と、前記状態観測部が観測した状態変数と、前記第1学習部による学習結果及び前記第2学習部による学習結果に基づいて、前記作業者のステータスを出力する推定結果出力部と、を備える機械学習装置である。
【発明の効果】
【0023】
本発明により、簡単に作業者の安全確保、ステータス管理を行うことができ、工場の稼働率向上を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】第1の実施形態による作業者管理装置の概略的なハードウェア構成図である。
【
図2】第1の実施形態による作業者管理装置の概略的な機能ブロック図である。
【
図3】作業者管理装置の一形態を示す概略的な機能ブロック図である。
【
図4B】ニューラルネットワークを説明する図である。
【
図5】第2の実施形態による作業者管理装置の概略的な機能ブロック図である。
【
図6】第3の実施形態による作業者管理装置の概略的な機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態を図面と共に説明する。
図1は第1の実施形態による作業者管理装置の要部を示す概略的なハードウェア構成図である。作業者管理装置1は、例えば工場に設置された製造機械70の制御装置や、製造機械70に併設されたパソコンとして実装することが出来る。また、作業者管理装置1は、例えば工場に設置された製造機械70とネットワーク2を介して接続されたセルコンピュータ、ホストコンピュータ、クラウドサーバ等のコンピュータとして実装することが出来る。なお、製造機械70は、工場に設置される製造工程に係る機械のことであり、例えば射出成形工場における製造機械70は、射出成形機、金型温調器、成形材料乾燥機、成形品取出機(ロボット)、インサート品挿入ロボット、成形品検査装置、コンベア、成形品梱包装置等が挙げられる。
【0026】
本実施形態による作業者管理装置1が備えるCPU11は、作業者管理装置1を全体的に制御するプロセッサである。CPU11は、ROM12に格納されたシステム・プログラムをバス20を介して読み出し、該システム・プログラムに従って作業者管理装置1全体を制御する。RAM13には一時的な計算データ、図示しない入力部を介してオペレータが入力した各種データ等が一時的に格納される。
【0027】
不揮発性メモリ14は、例えば図示しないバッテリでバックアップされるなどして、作業者管理装置1の電源がオフされても記憶状態が保持されるメモリとして構成される。不揮発性メモリ14には入力装置40を操作してオペレータが入力した各種データや撮像装置60から取得したデータ(例えば、作業者の作業状況を示す静止画や動画等の画像、撮像時刻等)、インタフェース19を介して製造機械70から取得したデータ(例えば、製造機械70の稼動状態を示す情報。一例として、製造機械70が射出成形機であれば、各成形条件、射出成形に関する各物理量データ、作業者の操作履歴、成形条件変更履歴、アラーム履歴、成形品検査データ、周辺機器に関する各物理量データ等)、図示しないインタフェースを介して入力された制御用のプログラムなどが記憶されている。不揮発性メモリ14に記憶されたプログラムや各種データは、実行時/利用時にはRAM13に展開されても良い。また、ROM12には、撮像装置60や製造機械70から取得した情報を解析する公知の解析プログラムや後述する機械学習装置100とのやりとりを制御するためのシステム・プログラムなどを含むシステム・プログラムがあらかじめ書き込まれている。
【0028】
撮像装置60は、主として作業者の作業状況を撮影するために用いられる。撮像装置60としては、ロボットや工場の天井等に設置された静止画乃至動画を撮影するカメラ等を用いることができる。撮像装置60により撮像された作業者の作業状況は、インタフェース18を介してRAM13乃至不揮発性メモリ14に保存され、公知の解析プログラム等で解析されて利用される。
【0029】
インタフェース21は、作業者管理装置1と機械学習装置100とを接続するためのインタフェースである。機械学習装置100は、機械学習装置100全体を統御するプロセッサ101と、システム・プログラム等を記憶したROM102、機械学習に係る各処理における一時的な記憶を行うためのRAM103、及び学習モデル等の記憶に用いられる不揮発性メモリ104を備える。機械学習装置100は、インタフェース21を介して作業者管理装置1で取得可能な各情報(作業者の作業状況を示す静止画や動画及びこれら静止画や動画を解析して得られた作業者の作業状況を示すステータス情報、製造機械70の稼動状態を示す情報等)を観測することができる。また、作業者管理装置1は、機械学習装置100から出力される管理情報をインタフェース17を介して表示装置50に表示する。
【0030】
図2は、第1の実施形態による作業者管理装置1と機械学習装置100の概略的な機能ブロック図である。
図2に示した各機能ブロックは、
図1に示した作業者管理装置1が備えるCPU11、及び機械学習装置100のプロセッサ101が、それぞれのシステム・プログラムを実行し、作業者管理装置1及び機械学習装置100の各部の動作を制御することにより実現される。
【0031】
本実施形態の作業者管理装置1は、撮像装置60から取得された画像を解析して機械学習装置100による学習に用いられるデータを生成する画像解析部32と、機械学習装置100から出力された作業者に対する指示を表示装置50へと表示する表示部34を備える。
【0032】
画像解析部32は、撮像装置60から取得され、不揮発性メモリ14に蓄積された作業者の作業状況を示す画像に係るデータに基づいて、機械学習装置100による学習に用いられるデータを生成する。画像解析部32は、例えば、作業者の装備の装着状況(例えば、安全帽をかぶっているか、軍手を嵌めているか、安全眼鏡を掛けているか等)、作業者の行動(例えば、どの製造機械70の近傍で作業しているのか、どのような行動をしているのか、どこに手を伸ばしているか等)、作業者の近傍にある製造機械70の状態(例えば、作業者の近傍に有る製造機械70のランプの点灯状況、可動部分の状態等)、撮像時刻等を解析し、これらのデータを機械学習装置100へと出力する。画像解析部32による画像解析方法は、従来からある公知の方法を用いれば良い。例えば、装備の装着状況については、画像から作業者の身体を識別し、その頭部、手、眼等の部分の色を識別することで、作業者が装備を装着しているか否かを判別したり、装備そのものに識別用のマークを付与しておいて、そのマークの検出状況により作業者が装備を装着しているか否かを判別するようにしても良い。また、例えば作業者の行動についても、動画像から作業者の身体を識別し、その動きを解析することで作業者の行動を識別すれば良い。そして、このようにして作成されたデータセットが、機械学習装置100による学習や推定に用いられる。
【0033】
表示部34は、機械学習装置100から出力された作業者ステータスの推定の結果を表示装置50に表示する機能手段で有る。表示部34は、機械学習装置100から出力された作業者ステータスに含まれる警告や、アドバイス、指示等をアラーム等を鳴らすと共に表示するようにしてもよい。また、表示部34は、機械学習装置100から出力された作業者ステータスの種類に応じて、異なる文字色・背景色・ステータス名称にして表示装置50へ表示するようにしても良い。更に、表示部34は、機械学習装置100から出力された作業者ステータスを製造機械70に対して出力するようにしてもよい。
【0034】
一方、作業者管理装置1が備える機械学習装置100は、作業者の外的状態及び製造機械の状態に対する、当該作業者の作業者ステータスの推定を、いわゆる機械学習により自ら学習するためのソフトウェア(学習アルゴリズム等)及びハードウェア(プロセッサ101等)を含む。作業者管理装置1が備える機械学習装置100が学習するものは、作業者の外的状態及び製造機械の状態と、作業者の作業者ステータスとの、相関性を表すモデル構造に相当する。
【0035】
図2に機能ブロックで示すように、作業者管理装置1が備える機械学習装置100は、作業者の外的状態を示す作業者外的状態データS1と、製造機械の状態を示す製造機械状態データS2を含む環境の現在状態を表す状態変数Sとして観測する状態観測部106と、作業者の現在のステータスを示す作業者ステータスデータL1を含むラベルデータLを取得するラベルデータ取得部108と、状態変数SとラベルデータLとを用いて、作業者の外的状態及び製造機械の状態に、作業者の現在のステータスを関連付けて学習する学習部110と、学習部110による学習済みモデルを用いて作業者の外的状態及び製造機械の状態から推定した作業者の現在のステータスを出力する推定結果出力部122と、を備える。
【0036】
状態観測部106は、学習部110による学習時において、状態変数Sとしての作業者外的状態データS1及び製造機械状態データS2を画像解析部32及び製造機械70から取得する。また、状態観測部106は、学習部110の学習結果を用いた作業者の作業者ステータス推定時において、状態変数Sとしての作業者外的状態データS1及び製造機械状態データS2を画像解析部32及び製造機械70から取得する。
【0037】
状態観測部106が観測する状態変数Sのうち、作業者外的状態データS1は、例えば外部観測的に特定可能な作業者の状態を示すデータのセットとして取得することができる。外部観測的に特定可能な作業者の状態を示すデータとしては、例えば、作業者の装備の装着状態を示すデータ、作業者の位置を示すデータ(どの製造機械70の近傍で作業しているのか等)、作業者の外観的動作を示すデータ(どのような行動をしているのか、どのように手を動かしているか、手、頭や胴体の製造機械70に対する位置関係、手、頭や胴体の保持時間等)、作業者による製造機械70に対する操作履歴、観測された時刻等が例示される。作業者外的状態データS1としては、作業者の作業について外部観測的に特定するために有用なデータであればどのようなデータを採用しても良い。作業者外的状態データS1に含まれる作業者の状態を示すそれぞれのデータは、例えば単体の数値であっても良いし、所定の期間において変化する値を所定周期でサンプリングした値の系列であっても良い。
【0038】
状態変数Sのうち、製造機械状態データS2は、各製造機械70から取得された製造機械70の状態を示すデータのセットとして取得することができる。製造機械状態データS2としては、例えば製造機械70の稼動状態を示すデータ、製造機械70の可動部分の現在の状態を示すデータ(金型が開いているか等)、製造機械70に設定されている加工条件及びその変更履歴、製造機械70の動作における各物理量を示すデータ、アラーム履歴、製品の検査データ、観測された時刻等が例示される。製造機械状態データS2としては、製造機械70の状態に関連するデータであればどのようなデータであっても採用することができる。製造機械状態データS2に含まれる製造機械70の状態を示すそれぞれのデータは、例えば単体の数値であっても良いし、所定の期間において変化する値を所定周期でサンプリングした値の系列であっても良い。
【0039】
ラベルデータ取得部108は、学習部110の学習時において、ラベルデータLとして、作業者の現在のステータスを示す作業者ステータスデータL1を管理者等による入力装置40からの入力に基づいて取得する。作業者ステータスデータL1は、作業者が現在行おうとしている作業内容を示すデータであり、例えば、射出成形工場における作業者の現在のステータスとしては、「パージ作業中」、「スクリュメンテナンス中」、「金型交換中」、「金型メンテナンス中」、「材料供給中」等が挙げられる。作業者ステータスデータL1には、更に作業者に関する注意や警告の情報を含んでいても良く、例えば、射出成形工場における作業者に関する注意、警告としては、「スクリュメンテナンス中(警告:安全帽未着用)」、「金型交換中(注意:危険区域に手を入れている)」等が挙げられる。また、作業者ステータスデータL1には、更に作業者に関するアドバイスや指示の情報を含んでいても良く、例えば、射出成形工場における作業者に関する注意、警告としては、「スクリュメンテナンス中(警告:安全帽未着用、指示:安全帽を着用してください)」、「金型交換中(注意:危険区域に手を入れている、アドバイス:危険区域に手を入れないでください)」等が挙げられる。作業者ステータスデータL1を取得するタイミングとしては、例えば、予め工場において作業者が作業中の画像とその時の製造機械70の状態を示すデータを取得して不揮発性メモリ14等に記憶しておき、当該画像を管理者に見せて作業者の現在のステータスを入力装置40から入力させる、といったことが考えられる。ラベルデータ取得部108は、学習部110による学習時において利用されるものであり、学習部110による学習が完了した後は機械学習装置100の必須の構成とする必要は無い。
【0040】
学習部110は、機械学習と総称される任意の学習アルゴリズムに従い、状態変数S(作業者の外的状態を示す作業者外的状態データS1及び製造機械70の状態を示す製造機械状態データS2)に対するラベルデータL(作業者の現在のステータスを示す作業者ステータスデータL1)を学習する。学習部110は、例えば状態変数Sに含まれる作業者外的状態データS1及び製造機械状態データS2と、ラベルデータLに含まれる作業者ステータスデータL1との相関性を学習することができる。学習部110は、状態変数SとラベルデータLとを含むデータ集合に基づく学習を反復実行することができる。
【0041】
学習部110による学習においては、複数の作業者のそれぞれが作業をしている状況から得られたデータに基づいた複数の学習サイクルを実行することが望ましい。このような学習サイクルを繰り返すことにより、学習部110は、作業者の外的状態(作業者外的状態データS1)及び製造機械70の状態(製造機械状態データS2)と、作業者の現在のステータス(作業者ステータスデータL1)との相関性を自動的に解釈する。学習アルゴリズムの開始時には作業者外的状態データS1及び製造機械状態データS2に対する作業者ステータスデータL1の相関性は実質的に未知であるが、学習部110が学習を進めるに従い徐々に作業者外的状態データS1及び製造機械状態データS2に対する作業者ステータスデータL1との関係を徐々に解釈し、その結果として得られた学習済みモデルを用いることで作業者外的状態データS1及び製造機械状態データS2に対する作業者ステータスデータL1の相関性を解釈可能になる。
【0042】
推定結果出力部122は、学習部110が学習した結果(学習済みモデル)に基づいて、作業者の外的状態及び製造機械70の状態から作業者の作業者ステータスを推定し、推定した作業者の作業者ステータスを出力する。
【0043】
上記構成を有する機械学習装置100では、学習部110が実行する学習アルゴリズムは特に限定されず、機械学習として公知の学習アルゴリズムを採用できる。
図3は、
図2に示す作業者管理装置1の他の形態であって、学習アルゴリズムの他の例として教師あり学習を実行する学習部110を備えた構成を示す。教師あり学習は、入力とそれに対応する出力との既知のデータセット(教師データと称する)が与えられ、それら教師データから入力と出力との相関性を暗示する特徴を識別することで、新たな入力に対する所要の出力を推定するための相関性モデルを学習する手法である。
【0044】
図3に示す作業者管理装置1が備える機械学習装置100において、学習部110は、製造機械70から得られた作業者の外的状態及び製造機械70の状態から作業者の作業者ステータスを推定する相関性モデルMと、過去の作業者の外的状態及び製造機械70の状態と、管理者により入力された作業者の現在のステータスとから得られた教師データTから識別される相関性特徴との誤差Eを計算する誤差計算部112と、誤差Eを縮小するように相関性モデルMを更新するモデル更新部114とを備える。学習部110は、モデル更新部114が相関性モデルMの更新を繰り返すことによって作業者の外的状態及び製造機械70の状態からの作業者の作業者ステータスの推定を学習する。
【0045】
相関性モデルMの初期値は、例えば、状態変数SとラベルデータLとの相関性を単純化して(例えば一次関数で)表現したものであり、教師あり学習の開始前に学習部110に与えられる。教師データTは、本発明では上述したように過去に取得され作業者の外的状態及び製造機械70の状態と、作業者の作業者ステータスとを利用することができ、作業者管理装置1の運用時に学習部110に与えられる。誤差計算部112は、学習部110に随時与えられた教師データTにより、作業者の外的状態及び製造機械70の状態と作業者の作業者ステータスとの相関性を暗示する相関性特徴を識別し、この相関性特徴と、現在状態における状態変数S及びラベルデータLに対応する相関性モデルMとの誤差Eを求める。モデル更新部114は、例えば予め定めた更新ルールに従い、誤差Eが小さくなる方向へ相関性モデルMを更新する。
【0046】
次の学習サイクルでは、誤差計算部112は、更新後の相関性モデルMに従って状態変数Sを用いて作業者の作業者ステータスの推定が行われ、該推定の結果と実際に取得されたラベルデータLの誤差Eを求め、モデル更新部114が再び相関性モデルMを更新する。このようにして、未知であった環境の現在状態とそれに対する推定との相関性が徐々に明らかになる。
【0047】
前述した教師あり学習を進める際に、ニューラルネットワークを用いることができる。
図4Aは、ニューロンのモデルを模式的に示す。
図4Bは、
図4Aに示すニューロンを組み合わせて構成した三層のニューラルネットワークのモデルを模式的に示す。ニューラルネットワークは、例えば、ニューロンのモデルを模した演算装置や記憶装置等によって構成できる。
【0048】
図4Aに示すニューロンは、複数の入力x(ここでは一例として、入力x
1〜入力x
3)に対する結果yを出力するものである。各入力x
1〜x
3には、この入力xに対応する重みw(w
1〜w
3)が掛けられる。これにより、ニューロンは、次の数1式により表現される出力yを出力する。なお、数1式において、入力x、出力y及び重みwは、すべてベクトルである。また、θはバイアスであり、f
kは活性化関数である。
【0050】
図4Bに示す三層のニューラルネットワークは、左側から複数の入力x(ここでは一例として、入力x1〜入力x3)が入力され、右側から結果y(ここでは一例として、結果y1〜結果y3)が出力される。図示の例では、入力x1、x2、x3のそれぞれに対応の重み(総称してw1で表す)が乗算されて、個々の入力x1、x2、x3がいずれも3つのニューロンN11、N12、N13に入力されている。
【0051】
図4Bでは、ニューロンN11〜N13の各々の出力を、総称してz1で表す。z1は、入カベクトルの特徴量を抽出した特徴ベクトルと見なすことができる。図示の例では、特徴ベクトルz1のそれぞれに対応の重み(総称してw2で表す)が乗算されて、個々の特徴ベクトルz1がいずれも2つのニューロンN21、N22に入力されている。特徴ベクトルz1は、重みW1と重みW2との間の特徴を表す。
【0052】
図4Bでは、ニューロンN21〜N22の各々の出力を、総称してz2で表す。z2は、特徴ベクトルz1の特徴量を抽出した特徴ベクトルと見なすことができる。図示の例では、特徴ベクトルz2のそれぞれに対応の重み(総称してw3で表す)が乗算されて、個々の特徴ベクトルz2がいずれも3つのニューロンN31、N32、N33に入力されている。特徴ベクトルz2は、重みW2と重みW3との間の特徴を表す。最後にニューロンN31〜N33は、それぞれ結果y1〜y3を出力する。
なお、三層以上の層を為すニューラルネットワークを用いた、いわゆるディープラーニングの手法を用いることも可能である。
【0053】
作業者管理装置1が備える機械学習装置100においては、状態変数Sを入力xとして、学習部110が上記したニューラルネットワークに従う多層構造の演算を行うことで、作業者の外的状態及び製造機械70の状態の値(入力x)から作業者の現在のステータス(出力y)を推定することができる。なお、ニューラルネットワークの動作モードには、学習モードと価値予測モードとがあり、例えば学習モードで学習データセットを用いて重みwを学習し、学習した重みwを用いて価値予測モードで行動の価値判断を行うことができる。なお価値予測モードでは、検出、分類、推論等を行うこともできる。
【0054】
上記した機械学習装置100の構成は、プロセッサ101が各々実行する機械学習方法(或いはソフトウェア)として記述できる。この機械学習方法は、作業者の外的状態及び製造機械70の状態から作業者の現在のステータスの推定を学習する機械学習方法であって、プロセッサ101が、作業者の外的状態(作業者外的状態データS1)及び製造機械70の状態(製造機械状態データS2)を現在状態を表す状態変数Sとして観測するステップと、作業者の現在のステータス(作業者ステータスデータL1)をラベルデータLとして取得するステップと、状態変数SとラベルデータLとを用いて、作業者外的状態データS1及び製造機械状態データS2と、作業者の現在のステータスとを関連付けて学習するステップとを有する。
【0055】
機械学習装置100の学習部110により学習されて得られた学習済みモデルは機械学習に係るソフトウェアの一部であるプログラムモジュールとしての利用することが可能である。本発明の学習済みモデルは、CPUやGPU等のプロセッサとメモリを備えるコンピュータにて用いることができる。より具体的には、コンピュータのプロセッサが、メモリに記憶された学習済みモデルからの指令に従って、作業者の外的状態及び製造機械70の状態を入力として演算を行い、演算結果に基づいて作業者の現在のステータスの推定結果を出力するように動作する。本発明の学習済みモデルは、外部記憶媒体やネットワーク等を介して他のコンピュータに対して複製して利用することが可能である。
【0056】
また、本発明の学習済みモデルを他のコンピュータに対して複製して新しい環境で利用する際に、当該環境で得られた新たな状態変数やラベルデータに基づいて当該学習済みモデルに対して更なる学習を行わせることもできる。このようにした場合、当該環境による学習済みモデルから派生した学習済みモデル(以下、派生モデルとする)を得ることが可能である。本発明の派生モデルは、作業者の外的状態及び製造機械70の状態から作業者の現在のステータスの推定結果を出力するという点では元の学習済みモデルと同じだが、元の学習済みモデルよりも新しい環境に適合した結果を出力するという点で異なる。この派生モデルもまた、外部記憶媒体やネットワーク等を介して他のコンピュータに対して複製して利用することが可能である。
【0057】
更に、本発明の学習済みモデルを組み込んだ機械学習装置に対する入力に対して得られる出力を用いて、他の機械学習装置において1から学習を行うことで得られる学習済みモデル(以下、蒸留モデルとする)を作成し、これを利用することも可能である(このような学習工程を蒸留と言う)。蒸留において、元の学習済みモデルを教師モデル、新たに作成する蒸留モデルを生徒モデルとも言う。一般に、蒸留モデルは元の学習済みモデルよりもサイズが小さく、それでいてと元の学習済みモデルと同等の正確度を出せるため、外部記憶媒体やネットワーク等を介した他のコンピュータに対する配布により適している。
【0058】
図5は、第2の実施形態による作業者管理装置1と機械学習装置100の概略的な機能ブロック図である。第1の実施形態による作業者管理装置1及び機械学習装置100は、作業者の作業中の画像データや製造機械から取得したデータから取得した状態変数に基づいて、作業者が行っている作業を示すステータス情報の学習・推定を行うが、本実施形態による作業者管理装置1及び機械学習装置100は、作業者の作業中の画像データや製造機械から取得したデータから取得した状態変数に基づいて、作業者の熟練度や作業者の体調等を示す作業者ステータスの学習・推定を行う。
図5に示した各機能ブロックは、
図1に示した作業者管理装置1が備えるCPU11、及び機械学習装置100のプロセッサ101が、それぞれのシステム・プログラムを実行し、作業者管理装置1及び機械学習装置100の各部の動作を制御することにより実現される。
【0059】
本実施形態の作業者管理装置1は、撮像装置60から取得された画像を解析して機械学習装置100による学習に用いられるデータを生成する画像解析部32と、機械学習装置100から出力された作業者に対する指示を表示装置50へと表示する表示部34を備える。画像解析部32、表示部34が備える機能は、第1の実施形態で説明したものと同様である。
【0060】
一方、作業者管理装置1が備える機械学習装置100は、作業者の外的状態及び製造機械の状態に対する、当該作業者の作業者ステータスの推定を、いわゆる機械学習により自ら学習するためのソフトウェア(学習アルゴリズム等)及びハードウェア(プロセッサ101等)を含む。作業者管理装置1が備える機械学習装置100が学習するものは、作業者の外的状態及び製造機械の状態と、作業者の作業者ステータスとの、相関性を表すモデル構造に相当する。本実施形態の機械学習装置100は、作業者ステータスとして作業者の熟練度や作業者の体調等を学習する点において第1の実施形態と異なる。
【0061】
図5に機能ブロックで示すように、作業者管理装置1が備える機械学習装置100は、作業者の外的状態を示す作業者外的状態データS1と、製造機械の状態を示す製造機械状態データS2を含む環境の現在状態を表す状態変数Sとして観測する状態観測部106と、状態変数Sを用いて、作業者の外的状態及び製造機械の状態に基づく作業者の現在のステータスを学習する学習部116と、学習部116による学習済みモデルを用いて作業者の外的状態及び製造機械の状態から推定した作業者の現在のステータスを出力する推定結果出力部122と、を備える。
【0062】
状態観測部106は、学習部116による学習時において、状態変数Sとしての作業者外的状態データS1及び製造機械状態データS2を画像解析部32及び製造機械70から取得する。また、状態観測部106は、学習部110の学習結果を用いた作業者の作業者ステータス推定時において、状態変数Sとしての作業者外的状態データS1及び製造機械状態データS2を画像解析部32及び製造機械70から取得する。
【0063】
状態観測部106が観測する状態変数Sのうち、作業者外的状態データS1は、例えば外部観測的に特定可能な作業者の状態を示すデータのセットとして取得することができる。外部観測的に特定可能な作業者の状態を示すデータとしては、例えば、作業者の装備の装着状態を示すデータ、作業者の位置を示すデータ(どの製造機械70の近傍で作業しているのか等)、作業者の外観的動作を示すデータ(どのような行動をしているのか、どのように手を動かしているか、手、頭や胴体の製造機械70に対する位置関係、手、頭や胴体の保持時間等)、作業者が外的動作に掛ける時間、作業者による製造機械70に対する操作履歴、観測された時刻等が例示される。作業者外的状態データS1としては、作業者の作業について外部観測的に特定するために有用なデータであればどのようなデータを採用しても良い。作業者外的状態データS1に含まれる作業者の状態を示すそれぞれのデータは、例えば単体の数値であっても良いし、所定の期間において変化する値を所定周期でサンプリングした値の系列であっても良い。
【0064】
状態変数Sのうち、製造機械状態データS2は、各製造機械70から取得された製造機械70の状態を示すデータのセットとして取得することができる。製造機械状態データS2としては、例えば製造機械70の稼動状態を示すデータ、製造機械70の可動部分の現在の状態を示すデータ(金型が開いているか等)、製造機械70に設定されている加工条件及びその変更履歴、製造機械70の動作における各物理量を示すデータ、アラーム履歴、製品の検査データ、アラームが発生してからアラームが解除されるまでに係る時間、それぞれの工程に掛かる時間、観測された時刻等が例示される。製造機械状態データS2としては、製造機械70の状態に関連するデータであればどのようなデータであっても採用することができる。製造機械状態データS2に含まれる製造機械70の状態を示すそれぞれのデータは、例えば単体の数値であっても良いし、所定の期間において変化する値を所定周期でサンプリングした値の系列であっても良い。
【0065】
学習部116は、機械学習と総称される任意の学習アルゴリズムに従い、状態変数S(作業者の外的状態を示す作業者外的状態データS1及び製造機械70の状態を示す製造機械状態データS2)に基づいた所謂教師なし学習により、通常の作業状態を作業ステータスにおける状態変数Sの集合を学習する。学習部116は、例えば状態変数Sに含まれる作業者外的状態データS1及び製造機械状態データS2に基づいて作成されたクラスタを学習することができる。学習部116は、状態変数Sを含むデータ集合に基づく学習を反復実行することができる。
【0066】
学習部116による学習においては、複数の作業者のそれぞれが作業をしている状況から得られたデータに基づいた複数の学習サイクルを実行することが望ましい。例えば、所定の条件下での作業者による作業状態を観測することによって得られた作業者の外的状態を示す作業者外的状態データS1及び製造機械70の状態を示す製造機械状態データS2が所定数(クラスタ分析を行うために充分なデータ数)だけ観測されると、観測された作業者外的状態データS1及び製造機械状態データS2に基づく学習済みモデル(クラスタ集合)を構築(学習)する。学習部116が構築する学習済みモデルは、例えば一般的な作業を行う作業者に対して1つの学習済みモデルを構築しても良いし、作業者毎に通常の作業状態における状態変数を用いて学習済みモデルを構築するようにしても良い。また、作業者の作業内容毎(パージ作業中、スクリュメンテナンス中等)に異なる学習済みモデルを構築するようにしても良く、作業者の体調や熟練度に応じて分類し、それぞれの体調や熟練度の分類毎に異なる学習済みモデルを構築するようにしても良い。なお、教師なし学習の学習アルゴリズムとしては、例えば公知の階層型クラスタリングや非階層型クラスタリング等を用いることができる。
【0067】
推定結果出力部122は、学習部116が学習した結果(学習済みモデル)に基づいて、作業者の外的状態及び製造機械70の状態から作業者の作業者ステータスを推定し、推定した作業者の作業者ステータスを出力する。推定結果出力部122は、例えば観測された作業者の外的状態及び製造機械70の状態が、学習部116が学習した学習済みモデル(クラスタ)のいずれに属するかを求め、その結果に応じて作業者ステータスを推定するようにしても良い。例えば、作業ステータスの推定対象となる作業者の通常の作業状態における状態変数を用いて学習済みモデルが構築されている場合、同じ作業者を観測して得られた状態変数が当該学習済みモデルに属さないと判定されるほどに距離が離れている場合、その作業者は体調等が悪い可能性があることが推定される。また、熟練度の分類毎に異なる学習済みモデルが構築されている場合、作業者を観測して得られた状態変数がいずれの学習済みモデルに属しているかに応じて当該作業者の熟練度を推定できる。
【0068】
図6は、第3の実施形態による作業者管理装置1と機械学習装置100の概略的な機能ブロック図である。本実施形態による作業者管理装置1と機械学習装置100は、第1の実施形態による機械学習装置100が備える学習部110と、第2の実施形態による機械学習装置100が備える学習部116とを備え、それぞれの出力に基づいて総合的な作業者ステータスの学習・推定を行う。
図6に示した各機能ブロックは、
図1に示した作業者管理装置1が備えるCPU11、及び機械学習装置100のプロセッサ101が、それぞれのシステム・プログラムを実行し、作業者管理装置1及び機械学習装置100の各部の動作を制御することにより実現される。
【0069】
本実施形態による作業者管理装置1と機械学習装置100の各構成は、推定結果出力部122を除いて第1の実施形態及び第2の実施形態で説明したものと同様の機能を持つ。
本実施形態の推定結果出力部122は、学習部110が学習した学習済みモデルと、学習部116が学習した学習済みモデルを用いて、作業者の現在の総合的な作業ステータスを推定する。推定結果出力部122は、学習部116に基づいて推定された作業者の体調や熟練度を含む作業ステータスに応じて、学習部110に基づいて推定された作業者の作業状況を含む作業ステータスによる推定結果に追加の情報を加えることで総合的な作業ステータスを作成するようにしても良い。例えば、推定結果出力部122は、学習部116に基づいて作業者が熟練度が低いと推定し、且つ、学習部110に基づいて作業者が装備を未装着の状態でスクリュメンテナンスを行っていることが推定された場合、推定結果に対して作業者に対してトレーニングが必要である旨を追加するようにしても良い。
【0070】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上述した実施の形態の例のみに限定されることなく、適宜の変更を加えることにより様々な態様で実施することができる。
【0071】
例えば、機械学習装置100が実行する学習アルゴリズム、演算アルゴリズム、作業者管理装置1が実行するアルゴリズム等は、上述したものに限定されず、様々なアルゴリズムを採用できる。
【0072】
また、上記した実施形態では作業者管理装置1と機械学習装置100が異なるCPUを有する装置として説明しているが、機械学習装置100は作業者管理装置1が備えるCPU11と、ROM12に記憶されるシステム・プログラムにより実現するようにしても良い。
【符号の説明】
【0073】
1 作業者管理装置
2 ネットワーク
11 CPU
12 ROM
13 RAM
14 不揮発性メモリ
17,18,19 インタフェース
20 バス
21 インタフェース
32 画像解析部
34 表示部
40 入力装置
50 表示装置
60 撮像装置
70 製造機械
100 機械学習装置
101 プロセッサ
102 ROM
103 RAM
104 不揮発性メモリ
106 状態観測部
108 ラベルデータ取得部
110 学習部
112 誤差計算部
114 モデル更新部
116 学習部
122 推定結果出力部