(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
最近、本格的な情報化時代に入るにつれ、電気的情報信号を視覚的に表現するディスプレイ(display)分野が急速に発展してきた。これに応じて、薄型化、軽量化、低消費電力化といった優れた性能を有する様々な平板表示装置(Flat Display Device)が開発され、既存のブラウン管(Cathode Ray Tube:CRT)を急速に代替している。
【0003】
このような平板表示装置の具体例としては、液晶表示装置(Liquid Crystal Display device:LCD)、プラズマ表示装置(Plasma Display Panel device:PDP)、電界放出表示装置(Field Emission Display device:FED)、有機発光表示装置(Organic Light Emitting Device:OLED)などを挙げることができる。
【0004】
その中でも、別途の光源を要求せず、装置のコンパクト化及び鮮明なカラーの表示のために、有機発光表示装置が競争力のあるアプリケーション(application)として考慮されている。
【0005】
このような有機発光表示装置は、各サブ画素別に独立して駆動する有機発光素子を備えており、有機発光素子は、正極、負極、及び正極と負極との間に複数個の有機層を備えてなる。
【0006】
そして、前記複数個の有機層には、正極から順に、正孔注入層、正孔輸送層、有機発光層、電子輸送層を含む。このうち、実質的に有機発光層が、正孔と電子が結合してエキシトンを生成し、そのエネルギーがグラウンド状態に落ちながら発光する機能を果たし、他の層は、有機発光層への正孔又は電子の輸送を助ける機能を果たす。
【0007】
また、有機発光表示装置は、カラーの表示のために、サブ画素を赤色、緑色及び青色サブ画素に分けて形成し、各サブ画素に当該サブ画素の色の有機発光層を形成する。一般に、有機発光層は、シャドーマスク(shadow mask)を用いた蒸着方法が用いられた。
【0008】
ところが、シャドーマスクは、大面積の場合、その荷重のため垂れ下がり現象が発生し、これにより、複数回利用時に収率が低下するという問題を有するため、発光層以外の有機層は、シャドーマスクなしに、各サブ画素に途切れなしに共通に形成されている。
【0009】
しかし、サブ画素に共通に備えられる共通層により、平面的に連続した共通層を介して側部に電流が流れ、これにより、側部漏洩電流が問題となっている。
【0010】
図1は、従来の有機発光表示パネルの低階調の青色点灯時を示した写真である。
【0011】
図1は、青色点灯を15グレーにした時、すなわち、低階調の青色点灯時に従来の有機発光表示パネルの点灯状態を示したものである。
【0012】
図1に示したように、従来の有機発光表示パネルにおいては、低階調の青色点灯時に、隣接している赤色サブ画素まで点灯される現象が生じる。これは、点灯された青色サブ画素の正極と負極との間の垂直電界だけでなく、共通層を介して側部に漏洩する電流により、隣接するサブ画素まで点灯される現象を示したものである。このような側部漏洩電流は、特に、
図1のような低階調表現で主に発生するもので、青色サブ画素において水平に流れる側部漏洩電流により共通する有機層に電流が流れるとき、オフ状態の隣接赤色サブ画素がターンオンされることと類似の作用をするためである。
【0013】
これは、相対的に赤色点灯に要求される駆動電圧が青色点灯に要求される駆動電圧よりも低いため、弱い漏洩電流によっても青色と類似の点灯効果を有するためである。
【0014】
特に、このような側部漏洩電流による他の色の点灯現象により、低階調表現において混色が発生してしまい、所望の色表示が正常に行われないという問題がある。
【0015】
また、このような側部漏洩電流は、共通層として用いる有機層の正孔移動度が大きいほど、隣接サブ画素に対する影響力がさらに大きいという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は、上述した問題点を解決するために案出したもので、特に、正孔移動度が高い共通層を備えることにより隣接サブ画素に漏洩する電流を、補助パターンの配置で防止する有機発光表示パネルに関する。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の有機発光表示パネルは、伝導性の高い共通層上に、サブ画素別に区分するためのパターンを備えることによって、電気的漏洩を防止することができる。
【0018】
そのための一実施例に係る有機発光表示パネルは、それぞれ発光部及び非発光部を有するサブ画素を複数個備えた基板と、少なくとも前記各サブ画素の発光部を覆う第1電極と、前記第1電極の縁部と重なり、前記非発光部に備えられたバンクと、前記発光部の第1電極及び前記非発光部のバンク上に位置する第1共通層と、前記バンク上の第1共通層上に接した補助パターンと、前記補助パターン及び前記第1共通層上に備えられた第2共通層と、前記各サブ画素において前記各第2共通層上に位置した発光層とを含むことができる。
【0019】
また、前記補助パターンは電子輸送物質からなることが好ましい。
【0020】
そして、前記補助パターンは、前記第1共通層のHOMOエネルギー準位よりも0.4eV〜0.8eV低いHOMOエネルギー準位を有することができる。
【0021】
また、前記第2共通層は正孔輸送物質を含み、前記第2共通層は、前記補助パターンのLUMOエネルギー準位及びHOMOエネルギー準位よりもそれぞれ高いLUMOエネルギー準位及びHOMOエネルギー準位を有することができる。
【0022】
前記第2共通層は、それぞれ互いに異なる正孔輸送性物質を有する複数層であってもよい。
【0023】
前記第1共通層は、正孔注入物質をホストとし、p型ドーパントを含むことができる。
【0024】
そして、前記補助パターンは、列状のサブ画素に沿ってライン状に備えられてもよい。
【0025】
前記補助パターンの両端に電圧が印加されてもよい。
【0026】
また、前記補助パターンは、単一又は複数個のサブ画素に島状に備えられてもよい。
【0027】
一方、前記基板に備えられたサブ画素に赤色サブ画素、緑色サブ画素、及び青色サブ画素を含み、前記赤色サブ画素に備えられた発光層は赤色発光層であり、前記緑色サブ画素に備えられた発光層は緑色発光層であり、前記青色サブ画素に備えられた発光層は青色発光層であってもよい。
【0028】
また、前記補助パターンは、前記赤色サブ画素の発光部の周囲にのみ備えられてもよい。
【0029】
前記青色発光層は前記第2共通層と接することができる。
【0030】
前記赤色サブ画素において前記第2共通層と前記赤色発光層との間に第1補助正孔輸送層をさらに含むことができる。
【0031】
そして、前記緑色サブ画素において前記第2共通層と前記緑色発光層との間に第2補助正孔輸送層をさらに含むことができる。この場合、前記第1補助正孔輸送層が第2補助正孔輸送層よりも厚くてもよい。
【0032】
一方、前記赤色発光層、緑色発光層及び青色発光層を覆う、第3共通層及び第2電極をさらに含むことができる。ここで、前記第2電極が第3共通層と対面する面に電子注入層をさらに含むことができる。
【0033】
そして、前記補助パターン及び第3共通層は電子輸送性物質からなることができる。
【0034】
ここで、前記基板に備えられたサブ画素に赤色サブ画素、緑色サブ画素、及び青色サブ画素を含み、各サブ画素に備えられた発光層は白色発光層であり、前記赤色サブ画素に赤色カラーフィルター層、緑色サブ画素に緑色カラーフィルター層、及び青色サブ画素に青色カラーフィルター層をさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0035】
本発明の有機発光表示パネルは、次のような効果がある。
【0036】
第一に、伝導性が高い共通層に直接接して補助パターンを備えることによって、補助パターンを境界に側部漏洩電流を防止することができる。この場合、点灯されたサブ画素に隣接するサブ画素の伝導性が高い共通層の上側への電流の伝達を遮断することによって、非点灯の隣接サブ画素への側部漏洩による影響を防止することができる。
【0037】
第二に、側部漏洩電流の防止によって、低階調駆動で生じる点灯サブ画素と隣接サブ画素の意図せぬ発光を防止することによって、低階調において混色を防止することができる。したがって、映像の具現において、色純度を高めることができる。
【0038】
第三に、低階調において色純度を向上させることによって、混色の防止のために駆動電圧の上昇を要求しないため、効率及び寿命を向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0040】
発明の利点及び特徴、そして、それらを達成する方法は、添付の図面と共に詳細に後述されている様々な実施例を参照すれば、明確になるだろう。しかし、本発明は、以下に開示される様々な実施例に限定されるものではなく、互いに異なる様々な形態で具現され、単に、本発明の様々な実施例は、本発明の開示が完全になるようにし、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものである。したがって、本発明は、請求項の範疇によって定義される。
【0041】
本発明の様々な実施例を説明するための図面に開示された形状、大きさ、比率、角度、個数などは例示的なものであるため、本発明が図示された事項に限定されるものではない。本明細書全体にわたって同一の参照符号は同一の構成要素を指す。また、本発明を説明するにおいて、関連する公知技術に対する具体的な説明が本発明の要旨を不明瞭にする可能性があると判断される場合には、その詳細な説明は省略する。本明細書上で言及した「含む」、「有する」、「からなる」などが使用される場合、「〜のみ」が使用されない限り、他の部分が追加されてもよい。構成要素を単数で表現した場合に、特に明示的な記載事項がない限り、複数を含む場合を含む。
【0042】
本発明の様々な実施例に含まれた構成要素を解釈するにおいて、別途の明示的な記載がなくても、誤差範囲を含むものと解釈する。
【0043】
本発明の様々な実施例を説明するにおいて、位置関係に対して説明する場合に、例えば、「〜上に」、「〜上部に」、「〜下部に」、「〜側に」などで二つの部分の位置関係が説明される場合、「すぐ」又は「直接」が使用されない限り、二つの部分の間に1つ以上の他の部分が位置することもできる。
【0044】
本発明の様々な実施例を説明するにおいて、時間関係に対する説明の場合に、例えば、「〜後に」、「〜に続いて」、「〜次に」、「〜前に」などで時間的前後関係が説明される場合、「すぐ」又は「直接」が使用されない限り、連続的ではない場合も含むことができる。
【0045】
本発明の様々な実施例を説明するにおいて、「第1〜」、「第2〜」などが様々な構成要素を述べるために使用され得るが、これらの用語は、互いに同一類似の構成要素間を区別するために使用されるだけである。したがって、本明細書において「第1〜」で修飾される構成要素は、別途の言及がない限り、本発明の技術的思想内において「第2〜」で修飾される構成要素と同一であり得る。
【0046】
本発明の様々な実施例のそれぞれの特徴が、部分的又は全体的に互いに結合又は組み合わせ可能であり、技術的に様々な連動及び駆動が可能であり、各実施例が互いに対して独立して実施されてもよく、関連関係で共に実施されてもよい。
【0047】
本明細書において、ある層の「LUMO(Lowest Unoccupied Molecular Orbitals Level)エネルギー準位」及び「HOMO(Highest Occupied Molecular Orbitals Level)エネルギー準位」ということは、当該層にドープされたドーパント(dopant)物質のLUMOエネルギー準位及びHOMOエネルギー準位と呼ばない限り、当該層のほとんどの重量比を占める物質、例えば、ホスト(host)物質のLUMOエネルギー準位及びHOMOエネルギー準位を意味する。
【0048】
本明細書において、「HOMOエネルギー準位」とは、電極電位値を知っている基準電極に対する、相対的な電位値からエネルギー準位を決定する、CV(cyclic voltammetry)法で測定したエネルギー準位であり得る。例えば、酸化電位値及び還元電位値を知っているフェロセン(Ferrocene)を基準電極として、ある物質のHOMOエネルギー準位を測定することができる。
【0049】
本明細書において、「ドープされた」とは、ある層のほとんどの重量比を占める物質に、ほとんどの重量比を占める物質と異なる物性(互いに異なる物性とは、例えば、N−タイプとP−タイプ、有機物質と無機物質)を有する物質が、重量比10%未満で添加されていることを意味する。言い換えれば、「ドープされた」層とは、ある層のホスト物質とドーパント物質を、重量比の比重を考慮して分別し得る層を意味する。そして、「非ドープされた」とは、「ドープされた」に該当する場合以外の全ての場合を称する。例えば、ある層が単一の物質で構成されるか、または互いに性質が同一類似の物質が混合されて構成される場合、その層は、「非ドープされた」層に含まれる。例えば、ある層を構成する物質のうち少なくとも1つがP−タイプであり、その層を構成する物質の全てがN−タイプではない場合、その層は、「非ドープされた」層に含まれる。例えば、ある層を構成する物質のうち少なくとも1つが有機物質であり、その層を構成する物質の全てが無機物質ではない場合、その層は、「非ドープされた」層に含まれる。例えば、ある層を構成する物質が全て有機物質であり、その層を構成する物質のうち少なくともいずれか1つがN−タイプであり、少なくともいずれか他の1つがP−タイプである場合に、N−タイプの物質が重量比10%未満であるか、またはP−タイプの物質が重量比10%未満である場合に、「ドープされた」層に含まれる。
【0050】
本明細書において、EL(電界発光、electroluminescence)スペクトルとは、(1)有機発光層に含まれるドーパント物質やホスト物質のような発光物質の固有な特性を反映するPL(光発光、photoluminescence)スペクトルと、(2)電子輸送層などのような有機層の厚さを含む有機発光素子の構造及び光学的特性によって決定される、アウトカップリング(out coupling)エミッタンス(emittance)スペクトルカーブとの積で算出される。
【0051】
本明細書において、スタックとは、正孔輸送層と電子輸送層を含む有機層、及び正孔輸送層と電子輸送層との間に配置される有機発光層を含む単位構造を意味する。有機層には、正孔注入層、電子阻止層、正孔阻止層及び電子注入層などがさらに含まれてもよく、それ以外にも、有機発光素子の構造や設計によって他の有機層がさらに含まれてもよい。
【0052】
図2は、本発明の有機発光表示パネルを示した平面図であり、
図3は、
図2のI〜I’線上の断面図である。
【0053】
図2及び
図3に示したように、有機発光表示パネルは、それぞれ発光部及び非発光部を有するサブ画素SPを複数個備えた基板100と、少なくとも前記各サブ画素SPの発光部を覆う第1電極110と、前記第1電極110の縁部と重なり、前記非発光部に備えられたバンク120と、前記発光部の第1電極110及び前記非発光部のバンク上に位置する第1共通層131と、前記バンク120上の第1共通層131上に接した補助パターン132と、前記補助パターン132を含む前記第1共通層131上に備えられた第2共通層133と、前記各サブ画素SPに前記各第2共通層133上に位置した発光層141、142とを含む。
【0054】
図2に示された各サブ画素SPは、発光部の周辺に非発光部が位置することを示す。非発光部は、バンクが配置される領域に対応する。各サブ画素SPの中央に発光部が位置してもよいが、これに限定されず、サブ画素の境界部の一部に偏って発光部が位置してもよい。しかし、各サブ画素SPにおいて、発光部は、全体領域ではなく一部の領域にのみ形成され、その周辺は非発光部として定義される。このように、発光部がサブ画素SPの一部分に形成された理由は、隣接画素間の混色の防止あるいは工程上の限界のためである。サブ画素SPの全体領域が発光部として利用されず、一部分のみが発光部として定義され、発光部は、バンク120がオープンされた領域に定義される。最近は、前記発光部を拡張しようとする種々の試みがある。しかし、発光部の周辺に非発光部は、サブ画素間の区分のために、面積の差はあるが、必ず備えられる領域であり、本発明の補助パターン132は、非発光部内の隣接サブ画素の境界部に備えられる。一方、前記非発光部は、バンク120が備えられた領域に定義され、補助パターン132は前記バンク120の上側に位置する。
【0055】
本発明の有機発光表示パネルでの共通層とは、サブ画素において領域の区分なしに、平面的に連続して形成されたもので、蒸着マスクなしに形成される。
【0056】
そして、このうち第1共通層131は、正孔輸送性を有する有機物質に、相対的に他の層の有機層に比べて正孔移動度が大きいp型ドーパントが含まれたもので、他の層の有機層は、補助パターン132、第2の共通層(正孔輸送層層で機能)、第1及び第2の補助正孔輸送層134、135(以下で述べる)、及び第3の共通層150(以下で述べる)である。すなわち、第1の共通の層131(正孔注入層として機能)は、有機発光表示パネルの有機層のうちホール移動度が最も高い。ここで、p型ドーパントは、電極成分の第1電極110から有機物層の界面で正孔が受けるバリアが大きいため、正孔が注入される場合において、そのバリアを低減し、正孔の注入を円滑にするために含まれるものである。前記第1共通層131の主な物質である正孔輸送性有機物質は、第1電極110が有する仕事関数とその絶対値がほぼ同じ準位のHOMOエネルギー準位を有することができる。ここで、p型ドーパントは、p型有機ドーパントまたは無機ドーパントであってもよく、p型有機ドーパントである場合、下記化学式1〜4の化合物、ヘキサデカフルオロフタロシアニン(Hexadecafluorophthalocyanine、F16CuPc)、11,11,12,12−テトラシアノナフト−2,6−キノジメタン(11,11,12,12−tetracyanonaphtho−2,6−quinodimethane、TNAP)、3,6−ジフルオロ−2,5,7,7,8,8−ヘキサシアノ−キノジメタン(3,6−difluoro−2,5,7,7,8,8−hexacyano−quinodimethane、F2−HCNQ)、及びテトラシアノキノジメタン(Tetracyanoquinodimethane、TCNQ)からなる群から選択された1つ以上であってもよい。
【0058】
化学式1において、Rは、シアノ基、スルホン基、スルホキシド基、スルホンアミド基、スルホン酸基、ニトロ基、またはトリフルオロメチル基である。
【0062】
また、他の例として、前記P型ドーパントが無機物ドーパントであるとき、これは、金属酸化物及び金属ハライドからなる群から選択された1つ以上であってもよい。具体的に、前記P型無機物ドーパントは、MoO
3、V
2O
5、WO
3、SnO
2、ZnO、MnO
2、CoO
2、ReO
3、TiO
2、FeCl
3、SbCl
5及びMgF
2からなる群から選択された1つ以上であってもよい。
【0063】
補助パターン132は、その形成部位で水平に伝達される電流の流れを切る役割を果たす。高い正孔伝達力がある前記第1共通層131上に、補助パターン132が反対の電子輸送性を有する物質からなることによって、第1共通層131上で正孔の伝達を遮断して、補助パターン132の配置で側部漏洩電流を遮断することである。これによって、特定のサブ画素にのみ駆動電圧が印加されたとき、隣接する他のサブ画素に漏洩する電流を遮断する役割を果たす。そのために、互いに異なるサブ画素間の境界部に補助パターン132を備えることができる。
図3に示したように、前記補助パターン132が、正孔輸送性の高い第1共通層131に対して上部の領域において互いに異なる画素間の境界部に位置することによって、下側の第1共通層131に流れる水平電流(1の経路)が一部あっても、補助パターン132が、隣接サブ画素間の自身の上側の共通層から発生する漏洩電流を遮断(2の経路参照)する。実際の駆動時の問題は、実質的に水平に伝達される電流のみでは発生せず、共通層で水平に伝達された電流が上側の非駆動サブ画素の発光層まで垂直に伝達されることによって、意図せぬ点灯が発生して生じるものである。したがって、本発明の有機発光表示パネルでは、隣接サブ画素の境界部に補助パターン132を備えることによって、非駆動画素での補助パターン132での垂直電流パスを遮断しようとする。
【0064】
一方、第1電極110と最も隣接して正孔移動度の高い第1共通層131が備えられ、前記補助パターン132を覆いながら第2共通層133が備えられる。
【0065】
前記第2共通層133は正孔輸送特性を有し、正孔注入特性を有する第1共通層131から上部に位置する発光層141,142に正孔を伝達する機能を果たす。各発光層は、備えられた発光物質の共振条件に応じて、第1電極110と第2電極160との間に当該色の発光がなされ得る有効な高さが定まり、このような高さを調整するために第1補助正孔輸送層134を備える。
【0066】
相対的に赤色サブ画素では、長波長の特性上、他のサブ画素と比較して、第1電極110から最も遠い側に赤色発光層141が位置しなければならず、可視光域で最も短波長である青色サブ画素では、短波長の特性上、他のサブ画素と比較して、第1電極110から最も近い側に青色発光層142が位置しなければならないため、相対的に赤色発光層141を青色発光層142よりも高く位置させるために、赤色発光層141と第2共通層133との間に第1補助正孔輸送層134を備える。すなわち、第1補助正孔輸送層134は正孔輸送特性を有し、相対的に赤色サブ画素(R−sub)に限って形成される。場合によっては、補助正孔輸送層は、他のサブ画素、例えば、緑色サブ画素にも備えることができ、この場合、緑色サブ画素に備えられる補助正孔輸送層は、赤色発光層141に要求される発光領域の位置と異なってもよく、第1補助正孔発光層134とは異なる厚さで緑色サブ画素に備えられてもよい。そして、各サブ画素の発光層141、142は、少なくとも各サブ画素の発光部を含む領域に備えられ、図示のように、周辺の非発光部まで拡張して形成することができる。この場合、青色サブ画素には補助正孔輸送層を備えないので、青色発光層142は前記第2共通層133に直接接することができる。
【0067】
そして、前記発光層141、142を覆うように、再びサブ画素に共通して電子輸送性の第3共通層150及び第2電極160が形成される。
【0068】
以下では、補助パターンが備えられた領域及びサブ画素の発光部の垂直断面を参照して、垂直断面での電流パスを説明する。
【0069】
図4A及び
図4Bは、非発光部及び発光部の概略的な断面図である。
【0070】
図4Aに示したように、非発光部において前記補助パターン132が備えられた領域の垂直断面には、基板100から順に、バンク120、第1共通層131、補助パターン132、第2共通層133、第3共通層150及び第2負極160が備えられる。
図4Bに示したように、赤色サブ画素の発光部は、基板100から順に、第1電極110、第1共通層131、第2共通層133、第1補助正孔輸送層134、赤色発光層141、第3共通層150及び第2電極160が備えられる。
【0071】
ここで、
図4Aの非発光部にある前記補助パターン132は、正孔輸送性の第1及び第2共通層131,133とは異なり、電子輸送性物質からなることで、第1共通層131と第2共通層133との間にバリア(barrier)を大きくすることによって、上側に伝達される垂直電流を遮断することができる。これによって、
図4Bでの駆動電圧を印加する発光部である赤色サブ画素には、第1電極110及び第2電極160に電圧が印加されない限り、第1共通層131を除いた上側で水平に伝達される電流がないため、赤色発光層141は発光しない。
【0072】
ここで言う電子輸送性物質とは、正孔の移動度よりも電子の移動度が少なくとも2オーダー(100倍)以上大きい物質を意味する。したがって、補助パターン132が、正孔輸送性を有する第1共通層131と第2共通層133との層間にあるとき、下側で正孔が第1共通層131から補助パターン132に伝達されたとき、第2共通層133への正孔の供給を遮断することができる。すなわち、青色サブ画素の境界である非発光部の補助パターン132上に伝達される垂直電流が遮断され、補助パターン132の上側の第2共通層133を含め、その上の層に駆動電圧が印加されるサブ画素以外の水平に伝達される漏洩電流が遮断される。
【0073】
反面、他のサブ画素、例えば、青色サブ画素において第1及び第2電極に電圧が印加されると、第1及び第2電極110,160内に第1共通層131及び第2共通層133を介して入った正孔と、第3共通層150を介して入った電子とが青色発光層142で再結合してエキシトンを成し、これは、基底状態のエネルギーに落ちながら発光がなされる。
【0074】
図5は、補助パターンの周辺層のバンドギャップの特性を示した図である。
【0075】
図5に示したように、補助パターン132は、電子輸送性物質からなり、HOMOエネルギー準位が隣接する第1共通層131及び第2共通層132のHOMOエネルギー準位よりも0.4eV〜0.8eV低い。補助パターン132と隣接層131または133との間のHOMOエネルギー準位差は0.4eVから0.8eVである。ここで、HOMOエネルギー準位が低いということは、負の値自体に基づいて比較したもので、絶対値を比較すると、補助パターン132のHOMOエネルギー準位の絶対値が隣接する第1及び第3共通層131,133のHOMOエネルギー準位よりも大きい。
【0076】
前記補助パターン132は、正孔移動度が最も高い第1共通層131に接して備えることがよく、場合によっては、補助パターン132の上側に、第2共通層133以外に単一又は複数個の正孔輸送層がさらに備えられてもよい。さらに備えられる正孔輸送層は、当該サブ画素にのみ選択的に備えられる補助正孔輸送層であってもよく、共通層であってもよい。いずれの場合でも、補助パターン132は、第1共通層131から垂直方向に上側の正孔輸送性層に正孔が伝達されることを遮断する。
【0077】
また、前記第2共通層133は正孔輸送物質を含み、前記第2共通層133は、前記補助パターン132のLUMOエネルギー準位及びHOMOエネルギー準位よりも高いLUMOエネルギー準位及びHOMOエネルギー準位をそれぞれ有するもので、前記第2共通層133が高いLUMOエネルギー準位を有する理由は、右側に隣接する発光層から電子又はエキシトンが第2共通層133に侵入しないようにするために相対的に高いLUMOエネルギー準位を有するものである。そして、前記第2共通層133が高いHOMOエネルギー準位を有する理由は、相対的に正孔輸送性物質のHOMO準位が電子輸送性物質のHOMO準位よりも高いためである。
【0078】
第1共通層131は、正孔の注入を助けるか、または複数層を備えることによって、下側は正孔を注入し、上側は正孔を輸送する機能を有する。第2共通層133は、正孔輸送機能を行うと共に、電子又はエキシトンの阻止層として機能することができる。
【0079】
前記第2共通層133は、それぞれ互いに異なる正孔輸送性物質を有する複数層であってもよい。
【0080】
以下では、具体的に、備えられた様々な色のサブ画素の構造を含む本発明の有機発光表示パネルを説明する。
【0081】
図6は、本発明の第1実施例に係る有機発光表示パネルを示した断面図である。
【0082】
図6のように、本発明の第1実施例に係る有機発光表示パネルは、赤色、緑色及び青色サブ画素が左側から形成された形態を示し、赤色サブ画素と緑色サブ画素においてそれぞれ共振条件に合う発光位置を合わせるために第1補助正孔輸送層134及び第2補助正孔輸送層135を備えた点以外に、発光部の構造は、各サブ画素に、基板100上に第1電極110から、第1共通層131、第2共通層133、第1補助正孔輸送層134又は第2補助正孔輸送層135(青色サブ画素では省略される)、発光層141、143、142、第3共通層150、及び第2電極160の順に形成される。
【0083】
非発光部は、基板100上にバンク120、第1共通層131、補助パターン132、第2共通層133、第3共通層150及び第2電極160の順に形成される。
【0084】
ここで、前記第2電極160が第3共通層150と対面する面に電子注入層(図示せず)をさらに含むことができる。電子注入層は、例えば、LiF又はLi
2O、あるいはLi、Ca、Mg、Smなどのアルカリ金属又はアルカリ土金属などの無機物からなることができ、第2電極160の形成と同一の工程で形成することができる。
【0085】
前記補助パターン132は、発光部内の垂直電流のパスを妨げないためには、バンク120の上部にのみ位置することが好ましい。前記補助パターン132は、その厚さが50Å以下であり、厚すぎると、発光部の正常な垂直電流パスに影響を与えるため、一定の厚さ以下に形成する。すなわち、補助パターン132は、その幅及び厚さを制御して、特定の部位で側部漏洩電流パスを遮断し、正常な第1電極と第2電極との間の駆動電圧の印加による垂直電流には影響を及ぼさない。
【0086】
一方、前記第1共通層131は約40Å〜160Åの厚さで形成し、これは、第1電極110から正孔の注入を助ける層である。場合によっては、第1共通層131を複数層にして、第1電極110に接する層は、正孔の注入を助ける層として、その上側に位置する層は、正孔の輸送のための層として備えることができる。この場合、前記正孔の注入を助ける層は、100Å以内の薄い厚さで、正孔の輸送のための層は、500Å〜1500Åのレベルの十分な厚さで形成することができる。
【0087】
前記補助パターン132の上側の第2共通層133、第1及び第2補助正孔輸送層134,135、発光層141、143、142及び第3共通層150は、相対的に前記補助パターン132よりも厚い厚さで、約100Å〜1500Åの厚さで形成される。
【0088】
場合によっては、前記第2共通層133は、互いに異なる正孔輸送性物質で複数層で形成されてもよく、このような複数層のうち相対的に発光層142に接している層は、50Åの厚さに薄く形成することができる。
【0089】
一方、前記補助パターン132は、第3共通層150と同一の電子輸送性物質で形成されてもよい。
【0090】
図7は、本発明の第2実施例に係る有機発光表示パネルを示した断面図である。
【0091】
図7に示したように、本発明の第2実施例に係る有機発光表示パネルは、各サブ画素に、発光層として共通の白色発光層240を備えることを示したもので、第1電極110及び補助パターン232を除いた残りの層は、各サブ画素に共通して形成される。この場合、第2電極260の上部には、各サブ画素に備えられた有機発光ダイオードを保護し、表面を平坦にする平坦層270を備え、その上側に、各サブ画素別に当該色の光を透過させるカラーフィルター層281、282、283を備える。
【0092】
発光部の構造は、各サブ画素に、基板100上に第1電極110から、第1共通層231、第2共通層233、発光層240、第3共通層250及び第2電極260の順に形成される。
【0093】
前記発光層240は、白色を発光する単一の白色発光層であってもよく、または複数個の発光層、発光層間に電荷生成層、及び発光層と電荷生成層との間の共通層を含む複数のスタック構造を有してもよい。第2実施例に係る有機発光表示パネルの発光層240は、蒸着マスクなしに、領域区分なしに全体のサブ画素に形成され、各サブ画素の発光色の区分をカラーフィルター層281、282、283によって行うことができる。前記カラーフィルター層281、282、283は、場合によっては、平坦層270ではなく、別途の対向基板(図示せず)上に形成することもできる。
【0094】
非発光部は、基板100上にバンク120、第1共通層231、補助パターン232、第2共通層233、第3共通層250及び第2電極260の順に形成される。
【0095】
このような第2実施例のように、発光層240を共通層として備える構造でも、サブ画素は個別に駆動するため、補助パターン232を備えることによって、駆動サブ画素と他の隣接するサブ画素との境界を設け、駆動サブ画素以外に隣接サブ画素への側部漏洩電流を防止することができる。
【0096】
以下、補助パターン(132又は232)の形成範囲を説明する。
【0097】
図8は、補助パターンの形成可能範囲を示した断面図である。
【0098】
図8に示したように、補助パターン(132又は232)は、バンク120が形成された非発光部全体に形成されることを最大幅にし、その内側に形成されてもよい。例えば、補助パターン(132又は232)を最大幅に形成時に、前記バンク120の平坦部だけでなく、傾斜部の全体又は一部に形成されてもよい。また、前記補助パターン(132又は232)は、機能のために要求される最小幅以上に形成され、バンク120の平坦部の幅の1/10以上に形成されてもよい。
【0099】
補助パターンは(132又は232)は、互いに異なる色のサブ画素のうち最も駆動電圧が大きいサブ画素SPと最も駆動電圧が大きいサブ画素との境界部にのみ形成されてもよく、またはサブ画素SPの境界部毎に形成されてもよい。例えば、漏洩電流の問題が大きい赤色サブ画素(R−sub)と青色サブ画素(B−sub)との境界にのみ備えられてもよく、または隣接サブ画素間の漏洩を防止するために、サブ画素全体で隣接サブ画素間の全ての境界部に備えられてもよい。
【0100】
図9A及び
図9Bは、本発明の補助パターンの他の適用例を示した平面図である。
【0101】
図9Aに示したように、一例によって、補助パターン130は、各サブ画素SPにおいて非発光部の一辺に沿って形成され、結果的に、列方向のサブ画素SPに沿って長いライン状に形成され、その両端に電圧を印加して漏洩電流を防止することができる。この場合、補助パターン130は、電子輸送性物質からなる一種の有機物パターンであるため、電圧を印加するとしても電線のような機能を果たすものではなく、一種の接地パターンとして機能することで、形成部位で垂直に伝達される電流パスを遮断する機能を有する。
【0102】
一方、上述した補助パターン130のように両端に電圧が印加されてもよいが、これに限定されず、
図9Bに示したように、補助パターン130aは、各サブ画素SPに互いに分けてパターニングされ、島状に備えられてもよい。また、補助パターン130aは、隣り合う2つのサブ画素SPの境界部毎に備えられるか、またはそれ以上のサブ画素SPを単位としてサブ画素SPの境界部に備えられ、単位毎に互いに離隔して備えられてもよい。この場合、各補助パターン130aは、電圧が印加されていないフローティング状態で備えられてもよい。
【0103】
図9Aや
図9Bの場合の両方とも、正孔輸送性が高い第1共通層131に直接接して、異なる極性の輸送性を有する電子輸送性の補助パターン(130又は130a)を備えることによって、側部漏洩電流を遮断することを示す。
【0104】
以下では、比較例及び実施例において、駆動電圧及び効率と寿命特性を説明し、漏洩電流の程度を通じて、本発明の有機発光表示パネルの効果を説明する。
【0105】
比較例及び実施例は、共通に、青色サブ画素を基準として実験した。このとき、青色サブ画素の発光部は、共通に、
図3に示したように、基板100上にITO(Indium Tin Oxide)からなる第1電極110、アリーレン基、アリール基及び複素環基のいずれか1つの正孔輸送性有機物とp型ドーパントを含む第1共通層131、アリーレン基、アリール基及び複素環基のいずれか1つの正孔輸送性有機物からなり、前記第1共通層131と比較してLUMOエネルギー準位が大きい第2共通層133、青色発光層142、電子輸送性材料からなる第3共通層150、及びMg:Ag又はCa:Agなどの金属合金からなる第2電極160を含むようにしたものであり、それぞれの厚さは、第1共通層131は100Å/1100Åの二重層、第2共通層133は50Å、青色発光層142は200Å、第3共通層150は300Å、第2電極160は200Åとした。
【0106】
そして、比較例及び実施例の非発光部は、実施例において、バンク120上に、第1共通層131と第2共通層133との層間に補助パターン132を50Åの厚さにしてさらに備えたことを除いては、同一である。
【0107】
図10は、本発明及び比較例の寿命特性を示したグラフである。
【0108】
図10において、点線は比較例であり、実線は本発明の実施例の寿命を示したものである。
図10に示したように、本発明の実施例と比較例の寿命を、初期輝度からその95%のレベルに低下するまでの時間を比較したところ、本発明の実施例において、比較例に比べて約30%以上の寿命が向上することがわかる。実質的に有機発光表示パネルを具現する場合、それよりも低い輝度に低下するまで使用するため、実際の具現時には、寿命向上の効果をさらに有することができる。
【0109】
また、特定のサブ画素の点灯時に隣接画素への漏洩がないため、点灯されるサブ画素の効率を上昇させることができる。比較例に比べて、本発明の実施例において約102%の上昇があった。
【0110】
図11は、本発明の有機発光表示パネルの青色低階調点灯時に波長別の強度特性を示したグラフである。
【0111】
図11に示したように、本発明の有機発光表示パネルでは、青色低階調点灯時に隣接する赤色サブ画素の発光がなく、青色波長以外の波長でインパルスが発生せず、駆動が行われた青色波長でのインパルスが観察されるところ、特定の色のサブ画素の駆動時に、混色なしに、純色度の高い表現が可能であることがわかる。これは、特定のサブ画素(実験例では青色サブ画素)の点灯時に、他の色のサブ画素が発光しないことを意味し、これは、側部漏洩電流の発生がないことを示す。
【0112】
図12A及び
図12Bは、比較例及び本発明の実施例の有機発光表示パネルの青色の階調変化を色座標で示した図である。
【0113】
図12Aは、比較例の有機発光表示パネルにおいて、青色をグレースケールG15、G31、G63にしたとき、色座標を示したものである。グレースケールの数字が大きくなるほど高階調を意味し、同一の青色系列で低い階調のG15で、より青色領域帯に近い位置に色座標が現れたものと観察される。これによって、中階調G31の部位の色座標と高階調G63の色座標が類似の位置に集まっている一方、低い階調のG15は、これらと離隔して赤色側にシフトした位置で色座標を有することが観察される。
【0114】
反面、
図12Bに示したように、青色の低、中、高階調であるG15、G31、G63の色座標が互いに隣接する位置で集中しているため、低階調の表現時に特定の色の混色が発生しないことを確認することができる。
【0115】
このように、本発明の有機発光表示パネルは、構造的に共通層を使用する構造において有する漏洩電流を、特定の位置に積層構造で隣接層とは異なる構成の移動度が大きい材料で形成することによって、補助パターンの位置で隣接サブ画素間の漏洩電流を遮断することができる。これによって、特定のサブ画素の駆動時に、隣接サブ画素への漏洩なしに鮮明な階調表現が可能であり、効率が上昇し、寿命が上昇するという利点がある。
【0116】
一方、上述した説明では省略されているが、前記各サブ画素の第1電極及び第2電極と、それらの間の有機物層からなる有機発光ダイオードや、第1電極又は第2電極が、各画素別に駆動薄膜トランジスタと接続される。このような駆動薄膜トランジスタは、有機発光ダイオードの下側に基板上に直接形成されてもよく、同一の工程で、各サブ画素別の駆動薄膜トランジスタと接続されるスイッチング薄膜トランジスタ、センシング薄膜トランジスタ及びストレージキャパシタがさらに形成されてもよい。
【0117】
また、前記第2電極を形成した後、前記各サブ画素を覆うキャッピング層がさらに形成されてもよく、その上部に無機膜及び有機膜が交互に積層される構造の薄膜封止体がさらに備えられてもよい。このような薄膜トランジスタ及び薄膜封止体の構造は、一般的な公知の構造を選択することができ、その説明は、本明細書では省略する。
【0118】
以上、添付の図面を参照して本発明の実施例をさらに詳細に説明したが、本発明は、必ずしもこのような実施例に限定されるものではなく、本発明の技術思想を逸脱しない範囲内で多様に変形して実施可能である。したがって、本発明に開示された様々な実施例は、本発明の技術思想を限定するためのものではなく、説明するためのものであり、このような実施例によって本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。したがって、上述した様々な実施例は、全ての面で例示的なものであり、限定的なものではないと理解しなければならない。本発明の保護範囲は、特許請求の範囲によって解釈されなければならず、それと同等な範囲内にある全ての技術思想は、本発明の権利範囲に含まれるものと解釈されなければならない。