特許第6571759号(P6571759)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6571759制御ゲートと浮遊ゲートとの間の強化された横方向結合によりスケーリングが改良される分割ゲートフラッシュメモリセル
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6571759
(24)【登録日】2019年8月16日
(45)【発行日】2019年9月4日
(54)【発明の名称】制御ゲートと浮遊ゲートとの間の強化された横方向結合によりスケーリングが改良される分割ゲートフラッシュメモリセル
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/336 20060101AFI20190826BHJP
   H01L 29/788 20060101ALI20190826BHJP
   H01L 29/792 20060101ALI20190826BHJP
   H01L 27/11524 20170101ALI20190826BHJP
【FI】
   H01L29/78 371
   H01L27/11524
【請求項の数】18
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-506772(P2017-506772)
(86)(22)【出願日】2015年7月13日
(65)【公表番号】特表2017-524260(P2017-524260A)
(43)【公表日】2017年8月24日
(86)【国際出願番号】US2015040189
(87)【国際公開番号】WO2016022256
(87)【国際公開日】20160211
【審査請求日】2017年2月6日
(31)【優先権主張番号】62/035,062
(32)【優先日】2014年8月8日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】14/790,540
(32)【優先日】2015年7月2日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500147506
【氏名又は名称】シリコン ストーリッジ テクノロージー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】SILICON STORAGE TECHNOLOGY, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(72)【発明者】
【氏名】ヤン ジェン−ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】ウ マン−タン
(72)【発明者】
【氏名】チェン チュン−ミン
(72)【発明者】
【氏名】ス チエン−シェン
(72)【発明者】
【氏名】ドー ニャン
【審査官】 宮本 博司
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2013/0313626(US,A1)
【文献】 特開2009−188293(JP,A)
【文献】 特開平07−226448(JP,A)
【文献】 特開2001−085543(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2005/0045940(US,A1)
【文献】 特開2009−044164(JP,A)
【文献】 特開2006−093707(JP,A)
【文献】 特開2000−286348(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0217489(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/336
H01L 27/11524
H01L 29/788
H01L 29/792
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
不揮発性メモリセルであって、
第1の導電型の半導体材料の基板と、
前記第1の導電型とは異なる第2の導電型の前記基板内の離間した第1及び第2の領域であって、前記基板内で間にチャネル領域を有する、離間した領域と、
前記チャネル領域の第1の部分の垂直上方に配設され、前記第1の部分から絶縁される、第1の部分と、前記第1の領域の垂直上方に配設され、前記第1の領域から絶縁される、第2の部分と、を有する浮遊ゲートであって、前記浮遊ゲートが、導電性であり、前記浮遊ゲートの対向する垂直側面にある鋭角縁部で終端する傾斜した上面を含む、浮遊ゲートと、
前記浮遊ゲートの垂直上方に配設され、前記浮遊ゲートから絶縁される、消去ゲートであって、前記鋭角縁部が、前記消去ゲートに面し、前記消去ゲートから絶縁され、前記消去ゲートは導電性であり、前記浮遊ゲートの前記傾斜した上面に面する部分を有し、かつ前記浮遊ゲートの前記傾斜した上面の形状に整合する形状を有する底面を有し、そして前記消去ゲートの底面がさらに前記鋭角縁部の回りを包む部分を含み、前記浮遊ゲートと消去ゲートとの間に配設された均一な厚さのトンネル酸化層を有する消去ゲートと、
前記浮遊ゲートの横方向に隣接して配設され、前記浮遊ゲートから絶縁され、前記第1の領域の垂直上方に配設され、前記第1の領域から絶縁される、第1の部分を有し、導電性である制御ゲートと、
前記チャネル領域の第2の部分の垂直上方に配設され、前記第2の部分から絶縁され、前記浮遊ゲートの横方向に隣接して配設され、前記浮遊ゲートから絶縁される、第1の部分を有し、導電性である選択ゲートと、を含む、不揮発性メモリセル。
【請求項2】
前記制御ゲートが、前記消去ゲートの横方向に隣接して配設され、前記消去ゲートから絶縁される、第2の部分を有する、請求項1に記載の不揮発性メモリセル。
【請求項3】
前記選択ゲートが、前記消去ゲートの横方向に隣接して配設され、前記消去ゲートから絶縁される、第2の部分を有する、請求項1に記載の不揮発性メモリセル。
【請求項4】
前記選択ゲートがスペーサである、請求項1に記載の不揮発性メモリセル。
【請求項5】
前記浮遊ゲートが、
前記チャネル領域の前記第1の部分と、
前記制御ゲートに面する側面と、を含み、
前記浮遊ゲートの前記側面の1つが前記選択ゲートに面しており、かつ前記底面の水平長さを超える垂直長さを有する、請求項1に記載の不揮発性メモリセル。
【請求項6】
不揮発性メモリセルのアレイであって、
第1の導電型の半導体材料の基板と、
実質的に互いに平行であり、第1の方向に延在する、前記基板の上に形成される離間した分離領域と、を備え、各組の隣接した分離領域の間に活性領域を有し、
前記活性領域のそれぞれがメモリセルの組を含み、前記メモリセル組のそれぞれが、 前記第1の導電型とは異なる第2の導電型を有する前記基板内の離間した、第1の領域、及び第2の領域の組であって、前記基板内で前記第1の領域と前記第2の領域との間にチャネル領域を有する、第1の領域、及び第2の領域の組と、
浮遊ゲートのそれぞれが、前記チャネル領域のうちの1つの第1の部分の垂直上方に配設され、前記第1の部分から絶縁される、第1の部分と、前記第1の領域の垂直上方に配設され、前記第1の領域から絶縁される、第2の部分と、を有する浮遊ゲートの組であって、前記浮遊ゲートのそれぞれが、導電性であり、前記浮遊ゲートの対向する垂直側面にある鋭角縁部で終端する傾斜した上面を含む、浮遊ゲートの組と、
消去ゲートの組であって、前記消去ゲートのそれぞれ1つが、前記浮遊ゲートのうちの1つの垂直上方に配設され、前記1つの浮遊ゲートから絶縁され、前記1つの浮遊ゲートの前記1つ以上の鋭角縁部が前記1つの消去ゲートに面する消去ゲートの組であって、前記消去ゲートの組のそれぞれが導電性であり、かつ、前記浮遊ゲートの前記傾斜した上面の形状に整合する形状を有する底面を有し、そして前記消去ゲートの組のそれぞれの底面がさらに前記鋭角縁部の回りを包む部分を含み、前記浮遊ゲートと消去ゲートとの間に配設された均一な厚さのトンネル酸化層を有する消去ゲートの組と、
前記浮遊ゲートの横方向に隣接して配設され、前記浮遊ゲートから絶縁され、前記第1の領域の垂直上方に配設され、前記第1の領域から絶縁される、第1の部分を有する制御ゲートであって、導電性である制御ゲートと、
選択ゲートの組であって、前記選択ゲートのそれぞれが、前記チャネル領域のうちの1つの第2の部分の垂直上方に配設され、前記第2の部分から絶縁され、前記浮遊ゲートのうちの1つの横方向に隣接して配設され、前記1つの浮遊ゲートから絶縁される、
第1の部分を有する、導電性である選択ゲートの組と、を含む、アレイ。
【請求項7】
前記メモリセルの組のそれぞれに対し、前記制御ゲートが、前記消去ゲートの組の間に横方向に配設され、前記消去ゲートの組から絶縁される、第2の部分を有する、請求項6に記載のアレイ。
【請求項8】
前記選択ゲートのそれぞれが、前記消去ゲートのうちの1つの横方向に隣接して配設され、前記1つの消去ゲートから絶縁される、第2の部分を有する、請求項6に記載のアレイ。
【請求項9】
前記選択ゲートのそれぞれがスペーサである、請求項6に記載のアレイ。
【請求項10】
前記メモリセルの組のそれぞれに対し、前記浮遊ゲートのそれぞれが、
前記チャネル領域のうちの1つの前記第1の部分及び前記第1の領域に面する底面、を含み、
前記浮遊ゲートの前記側面の1つが、前記制御ゲートに面しており、かつ、前記底面の水平長さを超える垂直長さを有する、請求項6に記載のアレイ。
【請求項11】
前記消去ゲートのそれぞれが、前記第1の方向に対して直角の第2の方向で、前記活性領域及び前記分離領域と交差して延在する消去ゲート線の一部として形成され、前記消去ゲート線のそれぞれが、前記活性領域のそれぞれの中の前記消去ゲートのうちの1つを捕える、請求項6に記載のアレイ。
【請求項12】
不揮発性メモリセルを形成する方法であって、
第1の導電型の半導体材料の基板を提供することと、
前記第1の導電型とは異なる第2の導電型の前記基板内に離間した第1及び第2の領域を形成する工程であって、前記基板内で間にチャネル領域を有することと、
浮遊ゲートを形成する工程であって、前記浮遊ゲートが、導電性であり、前記チャネル領域の第1の部分の垂直上方に配設され、前記第1の部分から絶縁される、第1の部分と、前記第1の領域の垂直上方に配設され、前記第1の領域から絶縁される、第2の部分と、を有し、前記浮遊ゲートが、前記浮遊ゲートの対向する垂直側面にある鋭角縁部で終端する傾斜した上面を含むことと、
前記浮遊ゲートの垂直上方に配設され、前記浮遊ゲートから絶縁される、消去ゲートを形成する工程であって、前記鋭角縁部が、前記消去ゲートに面し、前記消去ゲートから絶縁され、前記消去ゲートが導電性であり、かつ、前記浮遊ゲートの前記傾斜した上面の形状に整合する形状を有する底面を有し、そして前記消去ゲートの底面がさらに前記鋭角縁部の回りを包む1つ以上の部分を含み、前記浮遊ゲートと消去ゲートとの間に配設されたトンネル酸化層を有することと、
前記浮遊ゲートの横方向に隣接して配設され、前記浮遊ゲートから絶縁され、前記第1の領域の垂直上方に配設され、前記第1の領域から絶縁される、第1の部分を有する、制御ゲートであって、導電性である制御ゲートを形成することと、
前記チャネル領域の第2の部分の垂直上方に配設され、前記第2の部分から絶縁され、前記浮遊ゲートの横方向に隣接して配設され、前記浮遊ゲートから絶縁される、第1の部分を有する選択ゲートを形成することであって、前記選択ゲートが導電性である選択ゲートを形成することと、を含む、方法。
【請求項13】
前記選択ゲートを形成することが、導電性材料のスペーサを形成することを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記浮遊ゲートが、
前記チャネル領域の前記第1の部分及び前記第1の領域に面する底面と、
を含み、
前記浮遊ゲートの前記側面の1つが、前記制御ゲートに面しており、かつ前記底面の水平長さを超える垂直長さを有する、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
不揮発性メモリセルのアレイを形成する方法であって、
第1の導電型の半導体材料の基板を提供することと、
実質的に互いに平行であり、第1の方向に延在する、前記基板の上に形成される離間した分離領域を形成することであって、各組の隣接した分離領域の間に活性領域を有することと、
前記活性領域のそれぞれにメモリセルの組を形成することと、を含み、
前記メモリセルの組が、前記第1の導電型とは異なる第2の導電型を有する前記基板内の離間した、第1の領域、及び第2の領域の組を形成することであって、前記基板内で前記第1の領域と前記第2の領域との間にチャネル領域を有することと、
浮遊ゲートの組を形成することであって、前記浮遊ゲートのそれぞれが、前記チャネル領域のうちの1つの第1の部分の垂直上方に配設され、前記第1の部分から絶縁される、第1の部分と、前記第1の領域の垂直上方に配設され、前記第1の領域から絶縁される、第2の部分と、を有し、前記浮遊ゲートのそれぞれが、導電性であり、かつ前記浮遊ゲートの対向する垂直側面にある鋭角縁部で終端する傾斜した上面を含むことと、
消去ゲートの組を形成することであって、前記消去ゲートのそれぞれ1つが、前記浮遊ゲートのうちの1つの垂直上方に配設され、前記1つの浮遊ゲートから絶縁され、前記1つの浮遊ゲートの前記鋭角縁部が前記1つの消去ゲートに面し、前記消去ゲートの組のそれぞれが導電性であり、かつ、前記浮遊ゲートの前記傾斜した上面の形状と整合する形状を有する底面を有し、そして前記消去ゲートのそれぞれの底面がさらに前記鋭角縁部の回りを包む部分を含み、均一な厚さのトンネル酸化層が前記浮遊ゲートと消去ゲートの間に配設されることと、
前記浮遊ゲートの横方向に隣接して配設され、前記浮遊ゲートから絶縁され、前記第1の領域の垂直上方に配設され、前記第1の領域から絶縁される、第1の部分を有する、制御ゲートであって、導電性である制御ゲートを形成することと、
選択ゲートの組を形成することであって、前記選択ゲートのそれぞれが、前記チャネル領域のうちの1つの第2の部分の垂直上方に配設され、前記第2の部分から絶縁され、前記浮遊ゲートのうちの1つの横方向に隣接して配設され、前記1つの浮遊ゲートから絶縁される、第1の部分を有する、導電性である選択ゲートの組を形成すること、によって構成される、方法。
【請求項16】
前記選択ゲートのそれぞれを形成することが、導電性材料のスペーサを形成することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記メモリセルの組のそれぞれに対し、前記浮遊ゲートのそれぞれが、
前記チャネル領域のうちの1つの前記第1の部分及び前記第1の領域に面する底面、を含み、
前記浮遊ゲートの側面の1つが、前記制御ゲートに面しており、かつ前記底面の水平長さを超える垂直長さを有する、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記消去ゲートのそれぞれが、前記第1の方向に対して直角の第2の方向で、前記活性領域及び前記分離領域と交差して延在する消去ゲート線の一部として形成され、前記消去ゲート線のそれぞれが、前記活性領域のそれぞれの中の前記消去ゲートのうちの1つを捕える、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
〔関連出願〕
本出願は、2014年8月8日に出願された米国特許仮出願第62/035,062号の利益を主張し、この仮出願は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、不揮発性フラッシュメモリセル、そのようなフラッシュメモリセルのアレイ、並びにそのようなメモリセル及びアレイの製造方法に関する。
【背景技術】
【0003】
分割ゲートフラッシュメモリセルアレイは、当該技術分野において周知である。そのようなアレイの一例は、米国特許第7,927,994号に開示され、この米国特許は、あらゆる目的のため参照により本明細書に組み込まれる。図1は、周知のメモリセル構造を例示している。具体的には、メモリセルはそれぞれ、4つのゲート、つまり、浮遊ゲート10(ソース領域14とドレイン領域16との間に延在するチャネル領域12の第1の部分の上に配設され、その部分の導電性を制御する)、制御ゲート18(浮遊ゲート10の上に配設される)、消去ゲート20(ソース領域14の上に配設され、2つの隣接したメモリセルの間で共有される)、及び選択ゲート22(ワード線WLとも称され、チャネル領域12の第2の部分の上に配設され、その部分の導電性を制御する)を有する。
【0004】
動作時の制御ゲート18と浮遊ゲート10との間の容量結合は、ONO絶縁体(酸化物/窒化物/酸化物)又は他の誘電体をポリ間誘電体(IPD)として間に挟んで浮遊ゲート10の上に制御ゲート18を(好ましくは自己整合的に)形成することによって達成される。容量結合は、中間誘電体の厚さ、及び互いに隣接した位置に置かれる2つのゲートの相対表面積によって決定づけられる。
【0005】
各メモリセルに割り当てられる基板表面のサイズが縮小する先端テクノロジノードでは、制御ゲートの(横方向の)限界寸法が縮小し、その結果、浮遊ゲート10と制御ゲート18との間の容量結合が低下する(互いに隣接した2つのゲートの表面積の減少に起因する)。更に、浮遊ゲート10と消去ゲート20との間のトンネル酸化物(消去動作時に電子がその中を通ってトンネリングする)は、後に続くロジック酸化物の窒化物形成又はHKMG(高−K金属ゲート)処理に曝される。そのため、トンネル酸化物の品質は、制御することが困難である。これら2つの問題により、この種のメモリセルのサイズを縮小することは困難になっている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の問題及び需要は、第1の導電型の半導体材料の基板と、第1の導電型とは異なる第2の導電型の基板内の第1及び第2の離間した領域であって、基板内で間にチャネル領域を有する、離間した領域と、導電性浮遊ゲートであって、チャネル領域の第1の部分の垂直上方に配設され、この第1の部分から絶縁される、第1の部分と、第1の領域の垂直上方に配設され、第1の領域から絶縁される、第2の部分と、を有し、浮遊ゲートが、1つ以上の鋭角縁部で終端する傾斜した上面を含む、導電性浮遊ゲートと、浮遊ゲートの垂直上方に配設され、浮遊ゲートから絶縁される、導電性消去ゲートであって、1つ以上の鋭角縁部が消去ゲートに面し、消去ゲートから絶縁される、導電性消去ゲートと、浮遊ゲートの横方向に隣接して配設され、浮遊ゲートから絶縁され、第1の領域の垂直上方に配設され、第1の領域から絶縁される、第1の部分を有する、導電性制御ゲートと、チャネル領域の第2の部分の垂直上方に配設され、この第2の部分から絶縁され、浮遊ゲートの横方向に隣接して配設され、浮遊ゲートから絶縁される、第1の部分を有する、導電性選択ゲートと、を含む、不揮発性メモリセルによって対処される。
【0007】
不揮発性メモリセルのアレイは、第1の導電型の半導体材料の基板と、実質的に互いに平行であり、第1の方向に延在する、基板の上に形成される離間した分離領域であって、各組の隣接した分離領域の間に活性領域を有する、分離領域と、活性領域のそれぞれの中にあるメモリセルの組と、を含む。メモリセル組のそれぞれは、第1の導電型とは異なる第2の導電型を有する基板内の離間した、第1の領域、及び第2の領域の組であって、基板内で第1の領域と第2の領域との間にチャネル領域を有する、離間した領域と、導電性浮遊ゲートの組であって、それぞれが、チャネル領域のうちの1つの第1の部分の垂直上方に配設され、この第1の部分から絶縁される、第1の部分と、第1の領域の垂直上方に配設され、第1の領域から絶縁される、第2の部分と、を有し、浮遊ゲートのそれぞれが、1つ以上の鋭角縁部で終端する傾斜した上面を含む、導電性浮遊ゲートの組と、導電性消去ゲートの組であって、それぞれ1つが、浮遊ゲートのうちの1つの垂直上方に配設され、この1つの浮遊ゲートから絶縁され、この1つの浮遊ゲートの1つ以上の鋭角縁部がこの1つの消去ゲートに面する、導電性消去ゲートの組と、浮遊ゲートの横方向に隣接して配設され、浮遊ゲートから絶縁され、第1の領域の垂直上方に配設され、第1の領域から絶縁される、第1の部分を有する、導電性制御ゲートと、導電性選択ゲートの組であって、それぞれが、チャネル領域のうちの1つの第2の部分の垂直上方に配設され、この第2の部分から絶縁され、浮遊ゲートのうちの1つの横方向に隣接して配設され、この1つの浮遊ゲートから絶縁される、第1の部分を有する、導電性選択ゲートの組と、を含む。
【0008】
不揮発性メモリセルを形成する方法は、第1の導電型の半導体材料の基板を提供することと、第1の導電型とは異なる第2の導電型の基板内の第1及び第2の離間した領域を形成することであって、基板内で間にチャネル領域を有する、ことと、導電性浮遊ゲートを形成することであって、チャネル領域の第1の部分の垂直上方に配設され、この第1の部分から絶縁される、第1の部分と、第1の領域の垂直上方に配設され、第1の領域から絶縁される、第2の部分と、を有し、浮遊ゲートが、1つ以上の鋭角縁部で終端する傾斜した上面を含む、ことと、浮遊ゲートの垂直上方に配設され、浮遊ゲートから絶縁される、導電性消去ゲートを形成することであって、1つ以上の鋭角縁部が、消去ゲートに面し、消去ゲートから絶縁される、ことと、浮遊ゲートの横方向に隣接して配設され、浮遊ゲートから絶縁され、第1の領域の垂直上方に配設され、第1の領域から絶縁される、第1の部分を有する、導電性制御ゲートを形成することと、チャネル領域の第2の部分の垂直上方に配設され、この第2の部分から絶縁され、浮遊ゲートの横方向に隣接して配設され、浮遊ゲートから絶縁される、第1の部分を有する、導電性選択ゲートを形成することと、を含む。
【0009】
不揮発性メモリセルのアレイを形成する方法は、第1の導電型の半導体材料の基板を提供することと、実質的に互いに平行であり、第1の方向に延在する、基板の上に形成される離間した分離領域を形成することであって、各組の隣接した分離領域の間に活性領域を有する、ことと、活性領域のそれぞれの中にメモリセルの組を形成することと、を含む。メモリセルの組のそれぞれは、第1の導電型とは異なる第2の導電型を有する基板内の離間した、第1の領域、及び第2の領域の組を形成することであって、基板内で第1の領域と第2の領域との間にチャネル領域を有する、ことと、導電性浮遊ゲートの組を形成することであって、浮遊ゲートのそれぞれが、チャネル領域のうちの1つの第1の部分の垂直上方に配設され、この第1の部分から絶縁される、第1の部分と、第1の領域の垂直上方に配設され、第1の領域から絶縁される、第2の部分と、を有し、浮遊ゲートのそれぞれが、1つ以上の鋭角縁部で終端する傾斜した上面を含む、ことと、導電性消去ゲートの組を形成することであって、消去ゲートのそれぞれ1つが、浮遊ゲートのうちの1つの垂直上方に配設され、この1つの浮遊ゲートから絶縁され、この1つの浮遊ゲートの1つ以上の鋭角縁部がこの1つの消去ゲートに面する、ことと、浮遊ゲートの横方向に隣接して配設され、浮遊ゲートから絶縁され、第1の領域の垂直上方に配設され、第1の領域から絶縁される、第1の部分を有する、導電性制御ゲートを形成することと、導電性選択ゲートの組を形成することであって、選択ゲートのそれぞれが、チャネル領域のうちの1つの第2の部分の垂直上方に配設され、この第2の部分から絶縁され、浮遊ゲートのうちの1つの横方向に隣接して配設され、この1つの浮遊ゲートから絶縁される、第1の部分を有する、ことと、によって形成される。
【0010】
本発明の他の目的及び特徴は、明細書、請求項、付属の図面を見直すことにより明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】従来の不揮発性メモリセルの横断面図である。
図2A】本発明の不揮発性メモリセルを形成する工程の(ワード線方向の)横断面図である。
図2B】本発明の不揮発性メモリセルを形成する工程の(ワード線方向の)横断面図である。
図2C】本発明の不揮発性メモリセルを形成する工程の(ワード線方向の)横断面図である。
図2D】本発明の不揮発性メモリセルを形成する工程の(ワード線方向の)横断面図である。
図2E】本発明の不揮発性メモリセルを形成する工程の(ワード線方向の)横断面図である。
図3A】本発明の不揮発性メモリセルを形成する工程の(ビット線方向の)横断面図である。
図3B】本発明の不揮発性メモリセルを形成する工程の(ビット線方向の)横断面図である。
図3C】本発明の不揮発性メモリセルを形成する工程の(ビット線方向の)横断面図である。
図3D】本発明の不揮発性メモリセルを形成する工程の(ビット線方向の)横断面図である。
図3E】本発明の不揮発性メモリセルを形成する工程の(ビット線方向の)横断面図である。
図3F】本発明の不揮発性メモリセルを形成する工程の(ビット線方向の)横断面図である。
図3G】本発明の不揮発性メモリセルを形成する工程の(ビット線方向の)横断面図である。
図3H】本発明の不揮発性メモリセルを形成する工程の(ビット線方向の)横断面図である。
図3I】本発明の不揮発性メモリセルを形成する工程の(ビット線方向の)横断面図である。
図3J】本発明の不揮発性メモリセルを形成する工程の(ビット線方向の)横断面図である。
図4A】本発明のメモリセルの横断面図である(ワード線方向)。
図4B】本発明のメモリセルの横断面図である(ビット線方向)。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、修正されたメモリセル構成及びその製造方法であり、消去ゲートが浮遊ゲートの上方に形成され、制御ゲートがソース領域の上方に形成される。制御ゲートと浮遊ゲートとの間の改良された容量結合は、これら2つのゲートを互いに横方向に隣接して形成すること、及び浮遊ゲートを垂直方向により厚く(より高く)することによって達成される。ここで、浮遊ゲート及び消去ゲートは自己整合され、それにより、(制御ゲートの代わりに)消去ゲートが、浮遊ゲートの上方に配設され、浮遊ゲートから絶縁される。制御ゲートは、消去ゲートの代わりに、ソース領域の上方に配設され、ソース領域から絶縁される。この構成を使用すると、消去ゲートの限界寸法を技術の進歩に応じて縮小させることができる。浮遊ゲートと消去ゲートとの間のトンネル酸化物は、消去ゲートポリによって保護され、それにより、トンネル酸化物の品質及び信頼性は、後に続くLV酸化物窒化物形成又はHKMG(高−K金属ゲート)モジュール処理によって低下することがなくなる。浮遊ゲートコーナー部は、等方性ポリエッチングを使用することによってシェーパー(shaper)にすることができ、消去ゲートポリ(浮遊ゲートの列の上に延在する)の長さ方向に対して直角に走ることができる。したがって、消去効率は、消去ゲートから浮遊ゲートへの張り出し部を必要とせずに高めることができる。ソース線は制御ゲートポリによって保護されるため、ワード線VTインプラントは、メモリ全体を開放する、さほど重要ではないMCELマスクで行うことができる。一方、従来技術では、WL領域を開放し、かつソース線領域をフォトレジストで覆うために、WLVTマスクが使用される。WLVTオーバレイ(アライメント)から拡散(活性)は、従来技術のデバイス製造で重大な問題になることがある。
【0013】
図2A〜2Eはワード線方向の横断面図であり、図3A〜3Jはビット線方向の横断面図であり、本発明のメモリセルを形成する工程を例示している。図2Aから始めると、MCELフォトリソグラフィ、セル穿孔防止インプラント(cell anti-punch implant)、フォトレジスト除去、及びパッド酸化物除去の後、第1の導電型のシリコン半導体基板30の表面の上で酸化物の層32を成長させる。本明細書で使用される場合、基板は、単一の導電型のモノリシック基板、又は基板の他の部分とは異なる導電型を有する、基板の井戸部分を意味することができる。ポリシリコン(ポリ)の層34を酸化物32の上に堆積させる。酸化物層36をポリ層34の上に堆積させる。窒化物層38を酸化物層36の上に堆積させる。窒化物層38の上にフォトレジストの層をコーティングし、フォトリソグラフィ処理を使用してその部分を選択的に除去して、窒化物層38の選択した部分を露出させる。次いで、窒化物、酸化物、ポリ、酸化物、及びシリコンのエッチングを実施して、窒化物38、酸化物36、ポリ34、酸化物32を貫いて基板30の中にまで延在するトレンチ40を形成する。最終的な構造を図2Aに示す(フォトレジストが除去された後)。
【0014】
焼鈍しが後に続く、線形酸化物形成、及び酸化物堆積(例えば、HARP、高アスペクト比プロセス(high aspect ratio process))を実施して、図2Bに例示されているように、窒化物38上及びトレンチ40内に酸化物42を形成する。次いで、酸化物CMP(化学機械研磨)エッチングを実施して、窒化物38の上にある酸化物42の部分を除去する。窒化物エッチングを使用して窒化物38を除去し、その後に酸化物エッチングを実施して酸化物36、及びポリ34より上にある酸化物42を除去し、図2Cに示す構造が残る。ポリエッチングを実施して、ポリ34に、浮遊ゲート34の対向する側面上で酸化物42に沿って走る鋭角上縁部34aの組で終端する傾斜した上面を作製する。次いで、酸化物エッチングを使用して、酸化物42の上面を後退させる。次いで、ポリ34にインプラント及び焼鈍しを実施する。HTO酸化物形成を使用して、ポリ34の露出面(鋭角上縁部34aの周囲を含む)の上に薄い(トンネリング)酸化物層44を形成する。結果得られた構造を図2Dに示す。
【0015】
ポリシリコンの層46を構造の上に堆積させる。次いで、図2Eに示すように、ハードマスク層48をポリ46の上に堆積させる。ハードマスク48は、窒化物、又はNON層(窒化物、酸化物、窒化物の副層を有する)にすることができる。結果得られた構造は、活性領域52の交互的な列によって区切られるSTI分離領域50(酸化物42を含む)の列を画定する。メモリセルは、活性領域52内に列で形成される。フォトレジスト54を構造の上にコーティングし、フォトリソグラフィ処理によって選択的に除去して、活性及び分離領域50/52の列長さ方向に対して直角に延在するフォトレジスト54のストライプを残す。次いで、ハードマスクエッチングを実施して、図3Aに示すように(活性領域52のうちの1つに沿って広がっている)、ハードマスク48の露出部分を除去する。
【0016】
フォトレジスト54を除去した後、ポリ及び酸化物異方性エッチングを使用して、ポリ46及び酸化物44をハードマスク48の真下にあるそれらの部分を除いて除去する。次いで、ポリエッチングを使用して、図3Bに示すように、ポリ34の露出した上面部分を後退させる。次いで、ポリ34、酸化物44、ポリ46、及びハードマスク48の露出した側壁に沿って酸化物及び窒化物スペーサを形成する。スペーサの形成は、当該技術分野において既知であり、構造の輪郭上で材料の堆積の後、異方性エッチング処理を伴い、材料は、構造の水平面から除去される一方で、材料は、(丸みを帯びた上面を有する)構造の垂直に配向した表面上に大部分はそのまま残存する。酸化物及び窒化物の堆積及びエッチングによって、酸化物スペーサ56及び窒化物スペーサ58を形成する。結果得られた構造を図3Cに示す。
【0017】
ポリエッチングを実施してポリ層34の露出部分を除去し、図3Dに示すように構造スタックS1とS2との組を残す。構造の上に酸化物層(スクリーン)60を形成する。フォトレジスト62を形成し、フォトリソグラフィによって選択的に除去して、隣接したスタックS1とS2との間の領域を露出させる。インプラント及び焼鈍し処理を実施して、図3Eに示すように、基板30内でスタックS1とS2との間に(第2の導電型の)ソース領域64を形成する。フォトレジスト62を除去した後、酸化物エッチングを使用して、スクリーン酸化物60、及び酸化物層32の残り部分を除去する。絶縁層66(例えばONO−酸化物、窒化物、酸化物の副層を有する)を構造の上に形成する。次いで、図3Fに示すように、ポリシリコンの層68をONO層66の上に堆積させる。次いで、ポリ等方性エッチングを使用して、ポリ層68をスタックS1とS2との間の空間を除いて除去する。次いで、図3Gに示すように、スタックS1及びS2の外側の基板の部分(即ち、ワード線の下になる、基板30のそれらの部分30a)にワード線VTインプラントを実施する。マスキング工程(フォトレジスト、及びフォトリソグラフィを使用したエッチング)を使用して、メモリセル領域以外の基板の領域を保護することができる。
【0018】
酸化物エッチングを実施して、ONO絶縁部66から上部酸化物層を除去する(この絶縁部は、ポリ68によって保護されている部分を除いてON絶縁層になる)。窒化物堆積及びエッチングを実施して、窒化物スペーサ70をスタックS1及びS2の側面に沿って形成し、スタックS1及びS2の外側の基板の上にあるON絶縁層66から窒化物を除去する。好ましくはこの段階で、ロジック及び高電圧井戸形成、インプラント焼鈍し、HV及びI/O酸化物形成、並びにコアロジック酸化物形成など、同じチップ上のロジックデバイス処理を実施する。この処理中、スタックS1及びS2の外側にある基板30上の酸化物を除去し、ワード線酸化物72を基板の上に形成する。結果得られた構造を図3Hに示す。
【0019】
ポリシリコンの層を構造の上に堆積させる。堆積したポリシリコンに対してインプラント及び焼鈍し(例えばリンなどのN+インプラント)を実施することができる。次いで、異方性ポリエッチングを使用して、ポリシリコンの一部を除去し、スタックS1及びS2の外側で窒化物スペーサ70と隣接するポリスペーサ74を残す。このポリエッチングはまた、低及び高電圧ロジックデバイス用のゲートなど、チップの他の部分内でポリシリコン層の残りの部分を画定するために使用することもできる。フォトレジスト及びリソグラフィは、このポリシリコンエッチングと併用することができる。次いで、構造を酸化させて、ポリスペーサ74及びポリ68の露出部分の上に酸化物層76を形成する。結果得られた構造を図3Iに示す。次いで、最後のメモリアレイ処理を実施して、図3Jに示すように、メモリアレイ構造を完成させる。この処理は、ポリスペーサ74に隣接する基板内に(第2の導電型の)ドレイン領域78を形成するインプラント工程を含む。
【0020】
ワード線方向及びビット線方向で見た最終的なメモリセル構造をそれぞれ、図4A及び4Bに示す。メモリセルは、間に基板のチャネル領域80を画定するソース及びドレイン領域64、78をそれぞれ含む。浮遊ゲート34は、チャネル領域80の第1の部分及びソース領域64の一部分の上に配設され、これらから酸化物32によって絶縁される。制御ゲート68は、ソース領域64の上に配設され(及びこれからONO層66によって絶縁され)、浮遊ゲート34と横方向に隣接する(及びこれからONO層66によって絶縁される)。消去ゲート46は、浮遊ゲート34の垂直上方に配設され、これから酸化物44によって絶縁される。消去ゲート46は、制御ゲート68の上部の横方向に隣接して配設される(及びこれからONO層66、窒化物スペーサ58、及び酸化物スペーサ56によって絶縁される)。消去ゲートは、活性及び分離領域が延在する方向に対して直角の方向で、活性領域及び分離領域と交差して延在する導電性消去ゲート線の一部として形成される。消去ゲート線のそれぞれは、活性領域のそれぞれの中の消去ゲートのうちの1つを捕える。選択ゲート74(ワード線とも呼ばれる)は、チャネル領域80の第2の部分の上に配設される(及びこれから酸化物72によって絶縁される)。選択ゲート74の下部は、浮遊ゲート34の横方向に隣接して配設される(及びこれから窒化物スペーサ70、並びにONO層66の酸化物部分によって絶縁される)。選択ゲート74の上部は、消去ゲート46の横方向に隣接して配設される(及びこれから窒化物スペーサ70、ONO層66の酸化物部分、窒化物スペーサ58、並びに酸化物スペーサ56によって絶縁される)。浮遊ゲート34及び制御ゲート68は垂直方向に延長され(例えば、浮遊ゲート34は、その底面34cよりも長さが大きい垂直に配向した側面34bを有することができ、制御ゲート68は、その底面68bよりも長さが大きい垂直に配向した側面68aを有することができる)、これら2つのゲートの垂直に配向した側面が、互いに隣接しかつ絶縁されるため、浮遊ゲートと制御ゲートとの間の容量結合は、過度の横方向フットプリント領域を使用せずに強化される。
【0021】
メモリセルをプログラムするには、正電圧を選択ゲート74に印加して、ゲート74の下のチャネル領域部分の導電性を有効にする。正電圧を制御ゲート68に印加すると、浮遊ゲート34との強い容量結合により、正電圧が浮遊ゲート上に現れる。電子がチャネル領域を通ってドレイン78からソース64に流れるように、正電圧をソース領域64に印加する(ドレイン領域78に対して相対的に)。電子がチャネル領域80の、浮遊ゲートの下にある部分に接近すると、それらは、浮遊ゲートに連結した正電位によってホット電子となり、酸化物32を通って自身を浮遊ゲート34上に注入する。
【0022】
メモリセルを消去するには、高い正電圧を消去ゲート46に印加する。それにより、浮遊ゲート34上の電子が、鋭角縁部34aから、トンネル酸化物44を通って、消去ゲート46上にトンネリングするように誘導される。
【0023】
メモリセルを読み出すには、正電圧を選択ゲート74に印加して、ゲート74の下のチャネル領域部分の導電性を有効にする。ソース64及びドレイン78にわたって読み出し電位電圧を印加し、低い正電圧を制御ゲート68に印加する(制御ゲート68は浮遊ゲート34に連結される)。浮遊ゲート34が電子でプログラムされていない場合、浮遊ゲート34の下のチャネル領域の伝導性が有効になり、電流がチャネル領域を流れる(非プログラム状態として検知される)。浮遊ゲート34が電子でプログラムされている場合、それらの電子は、低い結合電圧が浮遊ゲート34の下のチャネル領域の導電性を有効にすることを妨げ、チャネル領域の電流の流れが減少又は不可能になる(プログラム状態として検知される)。
【0024】
上述したように、制御ゲート68と浮遊ゲート34との間の強化された容量結合は、これら2つのゲートを互いに横方向に隣接して形成し、浮遊ゲート34を垂直方向に延長することによって達成され、浮遊ゲートの横方向フットプリントを増加させることなく、プログラム性能を強化する。更に、消去ゲート46は、浮遊ゲート34の垂直上方に自己整合的に形成され、それにより、浮遊ゲート34の鋭角上縁部34aが両方とも消去ゲート46に面し、消去動作時に酸化物44の中を通るトンネリングが強化される。この構成により、メモリセル消去性能を維持したまま、浮遊及び消去ゲートの横方向フットプリントを縮小することが可能になる。消去ゲートは鋭角縁部34aの全体にわたって延在し、したがってその間にトンネル酸化物44が延在するため、トンネル酸化物44は、LV酸化物窒化物形成又はHKMG(高−K金属ゲート)モジュール処理など、後に続くメモリセル及びロジックデバイス処理から保護される。消去ゲートポリ(浮遊ゲートの列の上に延在する)の長さ方向に対して直角に走る浮遊ゲート鋭角縁部を使用すると、特に工夫された、消去ゲートから浮遊ゲートへの張り出し部を必要とせずに、消去効率を高められる。最後に、ソース線64は制御ゲートポリ68によって保護されるため、ワード線VTインプラントは、メモリ全体を開放する、さほど重要ではないMCELマスクで行うことができる。
【0025】
本発明は、図示された上記実施例(複数可)に限定されるものではなく、添付の請求の範囲にあるあらゆる全ての変形例も包含することが理解されよう。例えば、本明細書における本発明への言及は、いかなる特許請求の範囲又は特許請求の範囲の用語も限定することを意図するものではなく、代わりに特許請求の範囲の1つ以上によって網羅され得る1つ以上の特徴に言及するにすぎない。上述の材料、プロセス、及び数値例は、単なる例示であり、請求項を限定するものと見なされるべきではない。更に、特許請求及び明細書を見てわかるように、全ての方法のステップが例示又は請求した正確な順序で実施される必要はなく、むしろ任意の順序で本発明のメモリセルの適切な形成が可能である。最後に、単一層の材料をそのような又は同様の材料の複数層として形成することができ、逆もまた同様である。
【0026】
本明細書で使用される場合、「の上に(over)」及び「の上に(on)」という用語は両方とも、「の上に直接」(中間物質、要素、又は空間がそれらの間に何ら配置されない)と、「の上に間接的に」(中間物質、要素、又は空間がそれらの間に配置される)と、を包括的に含むことに留意するべきである。同様に、「隣接した」という用語は「直接隣接した」(中間物質、要素、又は空間がそれらの間に何ら配置されない)、及び「間接的に隣接した」(中間物質、要素、又は空間がそれらの間に配置される)を含み、「取付けられた」は、「直接取付けられた」(中間物質、要素、又は空間がそれらの間に何ら配置されない)、及び「間接的に取付けられた」(中間物質、要素、又は空間がそれらの間に配置される)を含み、「電気的に結合された」は、「直接電気的に結合された」(中間物質、又は要素がそれらの間で要素を電気的に連結しない)、及び「間接的に電気的に結合された」(中間物質、又は要素がそれらの間で要素を電気的に連結する)を含む。例えば、要素を「基板の上に」形成することは、その要素を基板の上に直接、中間材料/要素をそれらの間に何ら伴わずに、形成すること、並びにその要素を基板の上に間接的に、1つ以上の中間材料/要素をそれらの間に伴って、形成することを含み得る。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図3G
図3H
図3I
図3J
図4A
図4B