特許第6571786号(P6571786)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6571786
(24)【登録日】2019年8月16日
(45)【発行日】2019年9月4日
(54)【発明の名称】車両の車台のレベルセンサ
(51)【国際特許分類】
   B60G 17/019 20060101AFI20190826BHJP
   B60G 11/16 20060101ALI20190826BHJP
   B60G 7/00 20060101ALI20190826BHJP
【FI】
   B60G17/019
   B60G11/16
   B60G7/00
【請求項の数】13
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2017-541304(P2017-541304)
(86)(22)【出願日】2016年2月8日
(65)【公表番号】特表2018-504319(P2018-504319A)
(43)【公表日】2018年2月15日
(86)【国際出願番号】US2016016951
(87)【国際公開番号】WO2016127161
(87)【国際公開日】20160811
【審査請求日】2018年7月31日
(31)【優先権主張番号】62/112,743
(32)【優先日】2015年2月6日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】301042963
【氏名又は名称】ボーンズ・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】BOURNS,INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100120112
【弁理士】
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100093089
【弁理士】
【氏名又は名称】佐久間 滋
(72)【発明者】
【氏名】シノザキ,デーヴィッド
【審査官】 高島 壮基
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−290713(JP,A)
【文献】 実開昭60−011208(JP,U)
【文献】 特開昭60−008104(JP,A)
【文献】 特開2005−178489(JP,A)
【文献】 特開2005−257451(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60G 1/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車台(14)と、該車台(14)に可動に結合された制御アーム(34,62)とを有する、車両用のダンパ組立体において、
前記車台(14)に固定される形態とされた第一のばね座(54、90、142)と、
前記制御アーム(34,62)により支持される形態とされた第二のばね座(58、94)と、
第一のばね座(54、90、142)と第二のばね座(58、94)との間を伸びるコイルばね(50、86、138)と、
第一のばね座(54、90、142)及び第二のばね座(58、94)の何れか一方により支持されたセンサモジュール(146)であって、コイルばね(50、86、138)の圧縮状態を計測し得る前記センサモジュール(146)とを備え、
前記センサモジュール(146)は、磁気センサと、コイルばね(50、86、138)の前記何れか一方のばね座の最寄の第一のコイル(150)と、該第一のコイル(150)に面するように前記何れか一方のばね座に取付けられた磁石(148)とを含み、
前記磁気センサは、該磁石(148)により発生された磁界を検出し、前記第一のコイル(150)と、前記磁気センサとの間の空隙を測定する、ダンパ組立体
【請求項2】
請求項に記載のダンパ組立体において、
前記磁気センサ(146)は、前記空隙が第一の寸法であるとき、第一の磁束を検知し、
前記磁気センサ(146)は、空隙が第一の寸法よりも小さい第二の寸法であるとき、前記第一の磁束よりも大きい第二の磁束を検知する、ダンパ組立体。
【請求項3】
請求項1に記載のダンパ組立体において、
前記磁気センサ(146)の少なくとも一部分は、第一のばね座(54、90、142)又は第二のばね座(58、94)内に成形される、ダンパ組立体。
【請求項4】
車台(14)と、該車台(14)に可動に結合された制御アーム(34,62)とを有する、車両用のダンパ組立体において、
前記車台(14)に固定される形態とされた第一のばね座(54、90、142)と、
前記制御アーム(34,62)により支持される形態とされた第二のばね座(58、94)と、
第一のばね座(54、90、142)と第二のばね座(58、94)との間を伸びるコイルばね(50、86、138)と、
第一のばね座(54、90、142)及び第二のばね座(58、94)の何れか一方により支持されたセンサモジュール(146)であって、コイルばね(50、86、138)の圧縮状態を計測し得る前記センサモジュール(146)とを備え、
前記センサモジュール(146)は、ホール効果センサと、前記何れか一方のばね座に取付けられた永久磁石(148)と、前記コイルばねの前記何れか一方のばね座の最寄の第一のコイル(150)とを含み、前記ホール効果センサが、該永久磁石(148)により発生された磁界を検出し、該永久磁石(148)と第一のコイル(150)との間の空隙を測定する、ダンパ組立体。
【請求項5】
請求項1に記載のダンパ組立体において、
前記制御アーム(34,62)により支持される形態とされたストラット(46)を更に備え、
前記第二のばね座(58、94)は、該ストラット(46)に固定される、ダンパ組立体。
【請求項6】
請求項に記載のダンパ組立体において、
前記コイルばね(50、86、138)は、前記ストラット(46)の回りに位置決めされる、ダンパ組立体。
【請求項7】
請求項1に記載のダンパ組立体において、
前記第二のばね座(58、94)は、前記制御アーム(34,62)により支持された車軸(66)に固定される形態とされる、ダンパ組立体。
【請求項8】
車両用の懸架システムにおいて、
車両の車台(14)に回動可能に結合される形態とされた第一の制御アーム(34)と、車両の車台(14)に回動可能に結合される形態とされた第二の制御アーム(62)と、
第一の制御アーム(34)により支持された第一の車輪ハブ(38)と、
第二の制御アーム(62)により支持された第二の車輪ハブ(38)と、
ダンパ組立体であって、
車両の車台(14)に固定される形態とされた第一のばね座(54、90、142)と、
制御アーム(34,62)により支持された第二のばね座(58、94)と、
第一のばね座(54、90、142)と第二のばね座(58、94)との間を伸びるコイルばね(50、86、138)と、
第一のばね座(54、90、142)及び第二のばね座(58、94)の何れか一方により支持され、コイルばね(50、86、138)の圧縮状態を計測し得るセンサモジュール(146)とを含む前記ダンパ組立体とを備え、
前記センサモジュール(146)は、磁気センサと、コイルばね(50、86、138)の前記何れか一方のばね座の最寄の第一のコイル(150)と、該第一のコイル(150)に面するように前記何れか一方のばね座に取付けられた磁石(148)とを含み、
前記センサモジュール(146)は、該磁石(148)により発生された磁束を検知することにより、前記第一のコイル(150)と、前記磁気センサとの間の空隙を測定する、懸架システム。
【請求項9】
請求項に記載の懸架システムにおいて、
前記磁気センサ(146)は、前記空隙が第一の寸法であるとき、第一の磁束を検知し、
前記磁気センサ(146)は、前記空隙が第一の寸法よりも小さい第二の寸法であるとき、前記第一の磁束よりも大きい第二の磁束を検知する、懸架システム。
【請求項10】
請求項に記載の懸架システムにおいて、
前記磁気センサ(146)の少なくとも一部分は、前記第一のばね座(54、90、142)又は第二のばね座(58、94)内に成形される、懸架システム。
【請求項11】
請求項に記載の懸架ステムにおいて、
前記ダンパ組立体は、前記制御アーム(34,62)により支持されたストラット(46)を更に備え、
前記コイルばね(50、86、138)は、該ストラット(46)の回りに位置決めされ。
前記第二のばね座(58、94)は、前記ストラット(46)に固定される、懸架システム。
【請求項12】
請求項に記載の懸架システムにおいて、
前記第一及び第二の制御アーム(34、62)により支持され、かつ前記第一及び第二の車輪ハブ(38)を支持する車軸(66)を更に備え、
前記第二のばね座(58、94)は、該車軸(66)に固定される、懸架システム。
【請求項13】
車両のコイルばね(50、86、138)の圧縮を測定する検知システムにおいて、
前記コイルばね(50、86、138)の一端に結合される形態とされたハウジング(149)と、
該ハウジング(149)により支持され、コイルばね(50、86、138)のコイルと相互作用する磁界を有する永久磁石(148)と、
前記ハウジング(149)により支持され、永久磁石(148)からの磁界を検知し得る磁気センサ(147)と、を備え、
該磁気センサ(147)における磁界は、コイルばね(50、86、138)の圧縮が変化をするとき、変化し、
前記磁気センサ(147)は、永久磁石(148)とコイルばね(50、86、138)のコイルとの間の空隙が減少するとき、増大した磁束を検出し、前記磁気センサ(147)は、前記永久磁石(148)とコイルばね(50、86、138)のコイルとの間の空隙が増大するとき、減少した磁束を検知する、検知システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、その内容の全体を参考として引用し、本明細書に含めた、2015年2月6日付けで出願された米国仮特許出願第02/112,743号に基づく優先権を主張するものである。
【0002】
[0002] 本発明の実施の形態は、車両の懸架装置、より特定的には、車両の懸架装置用のセンサに関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] 車両の懸架装置は、車両の車輪と車台又はフレームとの間の動きを許容する。懸架装置は、典型的に、この相対的な動きを減衰するため、ばねと、ショックと、ストラットと、又はその他の要素とを含む。一部の懸架装置は、また、車輪と車台との間の相対的な動きの量を測定するセンサも含む。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
[0004] 1つの実施の形態において、本発明は、車両用のダンパ組立体を提供する。車両は、車台と、該車台に可動に結合された制御アームとを有する。ダンパ組立体は、また、車台に固定される形態とされた第一のばね座と、制御アームにより支持される形態とされた第二のばね座と、該第一のばね座と該第二のばね座との間を伸びるコイルばねと、該第一のばね座又は該第二のばね座により支持されたセンサモジュールとを含む。該センサモジュールは、コイルばねの圧縮状態を計測するよう作用可能である。
【0005】
[0005] 別の実施の形態において、本発明は、車両用の懸架システムを提供する。該懸架システムは、車両の車台に回動可能に結合される形態とされた第一の制御アームと、車両の車台に回動可能に結合される形態とされた第二の制御アームと、第一の制御アームにより支持された第一の車輪ハブと、第二の制御アームにより支持された第二の車輪ハブとを含む。該懸架システムは、車両の車台に固定される形態とされた第一のばね座と、制御アームにより支持された第二のばね座と、第一のばね座と第二のばね座との間を伸びるコイルばねと、第一のばね座又は第二のばね座により支持されたセンサモジュールとを含む。該センサモジュールは、コイルばねの圧縮状態を計測するよう作用可能である。
【0006】
[0006] 更に別の実施の形態において、本発明は、車両のコイルばねの圧縮を測定する検知システムを提供する。該検知システムは、コイルばねの一端に結合される形態とされたハウジングと、該ハウジングにより支持された永久磁石とを含む。該永久磁石は、コイルばねのコイルと相互作用する磁界を有している。該検知システムは、ハウジングにより支持された磁気センサも含む。該磁気センサは、永久磁石からの磁界を検出するよう作用可能である。該磁気センサにおける磁界は、コイルばねの圧縮が変化すると、変化する。
【0007】
[0007] 本発明のその他の特徴は、詳細な説明及び添付図面を検討することにより、明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】前側懸架システムと、後側懸架システムとを含む車両の斜視図である。
図2】車両の前側懸架システムの斜視図である。
図3】車両の後側懸架システムの斜視図である。
図4】前側懸架システム又は後側懸架システムと共に使用される従来のダンパ組立体の分解図である。
図5】コイルばねと。ばね座と、センサモジュールとを含む、本発明の別の実施の形態に従ったダンパ組立体の一部分の斜視図である。
図6図5に示したダンパ組立体の一部分の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[0014] 本発明の任意の実施の形態に関して詳細に説明する前に、本発明は、以下の説明に記載し又は次の図面に示した構造及び構成要素の配置の詳細にのみその適用を限定することを意図するものではないことを理解すべきである。本発明は、その他の実施の形態が可能であり、また、各種の仕方にて実施し又は実行することが可能である。
【0010】
[0015] 図1には、車10が図示されている。図示した車10は、自動車であるが、これと代替的に、トラック、オートバイ、スクーター、ATV、スノーモービル、芝刈り機等としてもよい。車両は、また、車台14(図2)またはフレームと、複数の車輪18、22とを含む。車10は、また、前輪18を支持する前側懸架システム26と、後輪22を支持する後側懸架システム30とを含む。該懸架システム26、30は、図示を容易にするため、図1にて正確な比率ではなく示されている。図示したシステム26、30は、単に、代表的な懸架システムであり、その他の型式又は配置の懸架システムを車10と共に代替的に使用することができることは容易に明らかであろう。
【0011】
[0016] 図2には、前側懸架システム26がより詳細に示されている。図示した前側懸架システム26は、2つの制御アーム34と、2つの車輪ハブ38と、2つのダンパ組立体42とを含む。制御アーム34は、車両の車台14に回動可能に結合されている。車輪ハブ38又はブレーキロータは、制御アーム34の端部に取り付けられている。車輪ハブ38は、前輪18を回転可能に支持している。ダンパ組立体42は、制御アーム34と車両の車台14 との間を伸びている。図示した実施の形態において、各ダンパ組立体42は、ストラット46と、該ストラット46の回りに位置決めされたコイルばね50とを含む。各コイルばね46は、第一のすなわち上側のばね座54と、第二のすなわち下側のばね座58とを含む。上側ばね座54は、車両の車台14に固定されている。下側ばね座58は、ストラット46の下側部分に固定され、これにより、制御アーム34により支持されている。その他の実施の形態において、これと代替的に、その他の適当なダンパ組立体を採用してもよい。
【0012】
[0017] 図3には、後側懸架システム30がより詳細に図示されている。図示した例において、後側懸架システム30は、4つの制御アーム62と、車軸66と、2つの車輪ハブ70と、2つのダンパ組立体74とを含む。制御アーム62は、車両の車台14に回動可能に結合されている。車軸66は、制御アーム62により支持され、また、差動歯車78を含む。車軸66は、これにより、車台14に対して可動である。車輪ハブ70又はブレーキロータは、車軸66の端部に取り付けられている。車輪ハブ70は、後輪22を回転可能に支持している。ダンパ組立体74は、車軸66と、車両の車台14との間を伸びている。図示した実施の形態において、各ダンパ組立体74は、ショックアブソーバー82と、該ショックアブソーバー82から離間された、すなわち、(該ショックアブソーバーを取り巻かない)コイルばね86とを含む。各コイルばね86は、第一のすなわち上側のばね座90と、第二のすなわち下側のばね座94との間を伸びている。上側ばね座90は、車両の車台14に固定されている。下側ばね座94は、車軸66に固定され、これにより、制御アーム62により支持されている。その他の実施の形態において、その他の適当なダンパ組立体を代替的に採用してもよい。
【0013】
[0018] 図4には、従来のダンパ組立体98が示されている。該ダンパ組立体98は、図2に示したダンパ組立体42と同様である。図示したダンパ組立体98は、ストラット104と、コイルばね106と、上側ばね座110と、下側ばね座114とを含む。ダンパ組立体98は、また、ダンパ組立体98を車両の車台に接続する上側マウント118と、ダンパ組立体98を制御アーム又は車軸に接続する下側マウント122とを含む。図示した実施の形態において、ダンパ組立体98は、ジァウンス(jounce)ダンパ126と、ダストカバー130とを含む。
【0014】
[0019] 図5及び図6には、本発明の実施の形態に従って改変したダンパ組立体134の一部分が示されている。従来のダンパ組立体98と同様に、改変したダンパ組立体134は、コイルばね138と、ばね座142とを含む。該ばね座142は、ダンパ組立体の上側ばね座又は下側ばね座とすることができる。この説明において、ばね座12は、ばね138の端部に結合されたダンパ組立体134の一部分である。図示した例において、ダンパ組立体134は、ばね座142により支持されたセンサモジュール46を更に含む。以下により詳細に説明するように、特定の実施の形態において、センサモジュール146は、コイルばね138の圧縮状態を計測する形態とされている。圧縮状態とは、コイルばね138がその弛緩した状態から圧縮された程度である。図示した実施の形態において、ばね座142は、プラスチック又はゴム材料にて出来ており、また、センサモジュールの少なくとも一部分は、ばね座142内に成形されている。その他の実施の形態において、センサモジュール146は、ばね座142に取り付け、ばね座により支承し又はばね座内に埋め込むことができる。
【0015】
[0020] 一例としての実施の形態において、センサモジュール146又は検知システムは、磁気センサ147と、永久磁石148とを含む。該磁気センサ147及び永久磁石148は、センサモジュール146のハウジング149に結合されている。一部の実施の形態において、磁気センサ147および(または)永久磁石148は、ハウジング149内に位置決めすることができる。その他の実施の形態において、磁気センサ147及び(または)永久磁石148は、ハウジング149の外面に機械的に接続してもよい。
【0016】
[0021] 磁気センサ147は、集積回路の形態とすることができる。更に、磁気センサ147は、ホール効果センサ、好ましくは、線形ホール効果センサとすることができる。一例において、永久磁石148は、ホール効果センサに隣接してばね座142内に埋め込まれている。永久磁石148は、コイルばね138の第一のコイル150(すなわち、図6に示した垂直方向に向けてばね座142の最寄のばね138の部分)に面している。コイルばね138が圧縮されると、コイル150は、永久磁石148に近づくように動き、磁石148の磁界及びホール効果センサを通して測定される磁束密度を変化させる。すなわち、永久磁石148は、コイル150と相互作用し、センサモジュール146とコイル150との間の空隙Aを測定する。空隙AKの寸法は、コイルばね138のピッチ距離に等しい。コイル150が磁石148に接近するように動くとき(すなわち、ばね138が圧縮されたとき)、ホール効果センサを通る磁束も増加する。コイル150が磁石148から更に離れるように動くとき(すなわち、ばね138が弛緩し又は伸びたとき)、ホール効果センサを通る磁束は減少する。換言すれば、ホール効果センサにおける磁束は、ばね138の圧縮が変化するとき、変化する。一部の実施の形態において、空隙Aの寸法は、約1mmから約9mmの範囲とすることができる。その他の実施の形態において、センサモジュール146は、より大きい又は小さい空隙の寸法に合わせて調整することができる。
【0017】
[0022] ホール効果センサは、永久磁石148及びコイル150に起因する磁束を示す信号を出力する。この信号は、例えば、アナログ信号、バルス幅変調(PWM)信号、またはシングルエッジニブル伝送(SENT)信号とすることができる。その他の信号の型式も可能である。信号は、センサモジュール146とコイル150との間の空隙Aの寸法を計測し得るように調整しかつ処理することができる。空隙Aの寸法は、コイルばね138の圧縮状態と相関する。空隙の寸法及びコイルばね138の圧縮状態に対して磁束を相関させることは、センサモジュール146自体により又はセンサモジュール146に結合されたプロセッサにより行うことができる。センサモジュール146は、例えば、ワイヤーハーネス又はピッグテールコネクタを通して車10のその他の電子機器と接続することができる。
【0018】
[0023] その他の実施の形態において、センサモジュール146は、磁界の角度を測定するする、磁気抵抗型センサのような別の型式の磁気センサを含むことができる。かかる実施の形態において、永久磁石148及びセンサモジュール146内のセンサは、コイル150とセンサモジュール146との間の空隙Aが変化するとき(例えば、コイルばね138が圧縮しかつ(または)伸びるとき)、センサにおける磁界の角度が変化するような向きとされている。
【0019】
[0024] 一部の実施の形態において、1つのセンサモジュール146は、車10の4つのコーナに相応して、車10の各車輪18、22に位置決めすることができる。かかる実施の形態において、センサモジュール146は、各車輪18、22におけるばねの圧縮状態を測定することにより、車10のコーナの高さを計測するため使用することができる。次に、コーナの高さを互いに比較して車両のレベルを計測することができる。
【0020】
[0025] その他の有利な点及び改良の内、図示したセンサモジュール146は、ダンパ組立体のばね座に嵌る比較的小さいセンサパッケージ体を提供する。更に、センサモジュール146は、比較的小さい質量を有しており、このため、該センサモジュールは、ダンバーのばね特性を著しく変化させることはない。該センサモジュール146は、また、センサモジュール146をダンパ組立体に接続するめ追加のブラケット、アーム、リンク又はロッドが不要であるため、既存のセンサと比較してコストを削減する。更に、センサモジュール146は、ダンパ組立体の任意のその他の構成要素と接触せず、このため、これらの構成要素の作用を妨害することはない。
【0021】
[0026] 本発明の各種の特徴及び有利な点は、以下の請求の範囲に記載されている。以下は、本願発明の本願出願当初の各種形態である。
(形態1) 車台と、該車台に可動に結合された制御アームとを有する、車両用のダンパ組立体において、
前記車台に固定される形態とされた第一のばね座と、
前記制御アームにより支持される形態とされた第二のばね座と、
第一のばね座と第二のばね座との間を伸びるコイルばねと、
第一のばね座又は第二のばね座により支持されたセンサモジュールであって、コイルばねの圧縮状態を計測し得る前記センサモジュールとを備える、ダンパ組立体ン組立体。
(形態2) 形態1に記載のダンパ組立体において、
前記センサモジュールは、コイルばねの第一のコイルとセンサモジュールとの間の空隙を測定する、ダンパ組立体。
(形態3) 形態2に記載のダンパ組立体において、
前記センサモジュールは、コイルばねの第一のコイルに面する磁石を含み、
前記センサモジュールは、該磁石により発生された磁界を検出し、前記空隙を測定する、ダンパ組立体。
(形態4) 形態3に記載のダンパ組立体において、
前記センサモジュールは、前記空隙が第一の寸法であるとき、第一の磁束を検知し、
前記センサモジュールは、空隙が第一の寸法よりも小さい第二の寸法であるとき、前記第一の磁束よりも大きい第二の磁束を検知する、ダンパ組立体。
(形態5) 形態1に記載のダンパ組立体において、
前記センサモジュールの少なくとも一部分は、第一のばね座又は第二のばね座内に成形される、ダンパ組立体。
(形態6) 形態1に記載のダンパ組立体において、
前記センサモジュールは、ホール効果センサと、永久磁石とを含む、ダンパ組立体。
(形態7) 形態6に記載のダンパ組立体において、
前記永久磁石は、コイルばねのコイルと相互作用する、ダンパ組立体。
(形態8) 形態6に記載のダンパ組立体において、
前記永久磁石は、前記第一のばね座又は第二のばね座内に埋め込まれる、ダンパ組立体。
(形態9) 形態1に記載のダンパ組立体において、
前記制御アームにより支持される形態とされたストラットを更に備え、
前記第二のばね座は、該ストラットに固定される、ダンパ組立体。
(形態10) 形態9に記載のダンパ組立体において、
前記コイルばねは、前記ストラットの回りに位置決めされる、ダンパ組立体。
(形態11) 形態1に記載のダンパ組立体において、
前記第二のばね座は、前記制御アームにより支持された車軸に固定される形態とされる、ダンパ組立体。
(形態12) 車両用の懸架システムにおいて、
車両の車台に回動可能に結合される形態とされた第一の制御アームと、車両の車台に回動可能に結合される形態とされた第二の制御アームと、
第一の制御アームにより支持された第一の車輪ハブと、
第二の制御アームにより支持された第二の車輪ハブと、
ダンパ組立体であって、
車両の車台に固定される形態とされた第一のばね座と、
制御アームにより支持された第二のばね座と、
第一のばね座と第二のばね座との間を伸びるコイルばねと、
第一のばね座又は第二のばね座により支持され、コイルばねの圧縮状態を計測し得るセンサモジュールとを含む前記ダンパ組立体とを備える、懸架システム。
(形態13) 形態12に記載の懸架システムにおいて、
前記センサモジュールは、コイルばねの第一のコイルと、前記センサモジュールとの間の空隙を測定する、懸架システム。
(形態14) 形態13に記載の懸架システムにおいて、
前記センサモジュールは、コイルばねの第一のコイルに面する磁石を含み、
前記センサモジュールは、該磁石により発生された磁束を検知して、前記空隙を測定する、懸架システム。
(形態15) 形態14に記載の懸架システムにおいて、
前記センサモジュールは、前記空隙が第一の寸法であるとき、第一の磁束を検知し、
前記センサモジュールは、前記空隙が第一の寸法よりも小さい第二の寸法であるとき、前記第一の磁束よりも大きい第二の磁束を検知する、懸架システム。
(形態16) 形態12に記載の懸架システムにおいて、
前記センサモジュールの少なくとも一部分は、前記第一のばね座又は第二のばね座内に成形される、懸架システム。
(形態17) 形態12に記載の懸架ステムにおいて、
前記ダンパ組立体は、前記制御アームにより支持されたストラットを更に備え、
前記コイルばねは、該ストラットの回りに位置決めされ。
前記第二のばね座は、前記ストラットに固定される、懸架システム。
(形態18) 形態12に記載の懸架システムにおいて、
前記第一及び第二の制御アームにより支持され、かつ前記第一及び第二の車輪ハブを支持する車軸を更に備え、
前記第二のばね座は、該車軸に固定される、懸架システム。
(形態19) 車両のコイルばねの圧縮を測定する検知システムにおいて、
前記コイルばねの一端に結合される形態とされたハウジングと、
該ハウジングにより支持され、コイルばねのコイルと相互作用する磁界を有する永久磁石と、
前記ハウジングにより支持され、永久磁石からの磁界を検知し得る磁気センサと、を備え、
該磁気センサにおける磁界は、コイルばねの圧縮が変化をするとき、変化する、検知システム。
(形態20) 形態19に記載の検知システムにおいて、
前記磁気センサは、永久磁石とコイルばねのコイルとの間の空隙が減少するとき、増大した磁束を検出し、前記磁気センサは、前記永久磁石とコイルばねのコイルとの間の空隙が増大するとき、減少した磁束を検知する検知システム。
図1
図2
図3
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図5
図6