【課題を解決するための手段】
【0010】
この目的は、請求項1に記載のプラグ接続によって達成される。本発明のさらなる有利な発展例は、従属請求項に記載されている。請求項
13に記載のプラグ接続セットも提供される。
【0011】
本発明によるプラグ接続では、第1コーディング要素は、挿入方向に平行に延びる回転軸の周りで回転可能となるようにプラグコネクタに適用される、および/または第2コーディング要素は、回転軸の周りで回転可能となるように挿入箇所に適用される。言い換えると、本発明の第一実施形態では、挿入方向に平行に延びる回転軸の周りで回転可能となるように第1コーディング要素のみがプラグコネクタに適用され、本発明の第二実施形態では、挿入方向に平行に延びる回転軸の周りで回転可能となるように第2コーディング要素のみが挿入箇所に適用され、本発明の特に好適な第三実施形態では、第1および第2コーディング要素がプラグコネクタに/挿入箇所に回転可能に適用される。
【0012】
本発明は、従来のプラグ接続において、ケーブル設置者は、コーディングパターンが相補的なコーディングパターンに正しい位置で係合して挿嵌動作を可能にする前に、たいていプラグコネクタと挿入箇所との間で幾つかの相対的な回転位置を試さなければならないという知識に基づいている。しかしながら、挿入箇所全体の回転と、一般的にねじり剛性ケーブルが装着されるプラグコネクタの回転とは面倒であり、プラグコネクタの破損につながる。対照的に、本発明によるプラグ接続では、他のコーディング要素に対する正確な位置に配向されて挿嵌動作が可能となるように、第1および/または第2コーディング要素を回転させるだけで十分である。対照的に、ケーブルが装着されるプラグコネクタの本体の回転または挿入箇所全体の回転は、本発明によれば必要ではない。
【0013】
回転可能な第1コーディング要素および/または回転可能な第2コーディング要素は、コーディングパターンがケーブル設置者により容易に認識可能、および/または回転を目的としてケーブル設置者にとってアクセス可能となるように、好ましくはプラグコネクタまたは挿入箇所に適用される。これは、一方では、挿入に先立つプラグコネクタと挿入箇所との間での所定の相対的な位置の調節を容易にし、他方では、幾つかのプラグコネクタが設けられる挿入箇所と関連するプラグコネクタの正しい選択を容易にする。特に、第1コーディング要素は、プラグコネクタの外部境界面を形成し、挿入に先立って何の問題もなく確認される、および/または、好ましくは径方向外向き方向に露出している。
【0014】
プラグコネクタと挿入箇所との間の結合動作のさらなる簡易化を達成するため、本発明によるプラグ接続は、プラグコネクタを挿嵌する時に第1コーディング要素と第2コーディング要素とが互いに相対的な所定位置へ自動的に回転される自己整合機構を、有すると好都合であることを示す。二つのコーディング要素の間のこの自己整合は、挿入方向での挿入中に二つのコーディング要素の間に作用する相対的な力によって達成される。言い換えると、自己整合機構は、挿入方向に向けられた挿嵌力を、コーディング要素を周方向に整合させる回転力に変換する力−撓み機構を包含する。コーディングのため、自己整合機構を備える本発明によるプラグ接続は、コーディング要素の正しい配向が自動的に行われるので、互いに属していないプラグコネクタと挿入箇所によるペアの結合を防止するのと同時に、挿嵌の試みの失敗を回避する。
【0015】
好ましくは、挿入方向に垂直な指向の断面におけるプラグコネクタおよび/または挿入箇所の輪郭は実質的に丸く、好ましくは実質的に回転対称であり、特にほぼ円形である。丸い輪郭を有する従来のコーディング式プラグ接続には、本発明による自己整合機構によって解消される、プラグコネクタと挿入箇所との間に外見が紛らわしい多数の相対的な回転位置があることによる特定の挿嵌問題が存在する。
【0016】
本発明の好適な実施形態において、第1コーディング要素は、プラグコネクタの本体を囲繞して回転可能に本体に保持されるリング要素である。代替的または付加的に、第2コーディング要素は、リング要素の導入を許容するように挿入箇所に回転可能に保持されるスリーブ部分である。リング要素の外径は、従ってスリーブ部分の内径に好ましくは適合され、リング要素は、リング要素のコーディングパターンがスリーブ部分の相補的なコーディングパターンに径方向に係合した状態でスリーブ部分に導入される。
【0017】
逆に、本発明の代替的実施形態では、第1コーディング要素は、プラグコネクタの本体に回転可能に保持されるスリーブ部分であり、第2コーディング要素は、スリーブ部分と適合する挿入箇所に回転可能に保持されるリング要素である。
【0018】
リング要素は、必ずしも周方向に閉じたリングでなくてもよい。それは、横からプラグコネクタに嵌着またはクリップされるように、部分的なリングの形であるか分割されていてもよい。好ましくは、リング要素は、挿入方向には溝に固定されるが本体の周りの周方向には溝で回転されうるように、プラグコネクタの本体の周溝に保持される。リング要素の良好な固定を達成するのと同時に確実なコーディング機構を提供するため、溝の奥行は、リング要素の径方向のリング厚さと適合しており、リング要素に設けられるコーディングパターンは、溝から径方向に突出する。
【0019】
本体に対するリング要素の良好な摺動特性を達成するため、リング要素は、プラスチック材料で製作され、溝は、アルミニウムなどの金属で製作される本体に形成されることが好都合である。特に、溝は、プラグコネクタの金属の外部導体部分に形成されるとよい。
【0020】
代替的または付加的に、スリーブ部分は、プラスチック材料で製作される、および/または、金属で製作された挿入箇所のソケット部分に回転可能に装着される。自在軸受は、例えば環状溝に径方向で係合する環状突部により形成されるソケット部分とスリーブ部分との間に設けられる。
【0021】
好適な実施形態では、リング要素は、好ましくは突部および/または溝による所定の空間配置の形であるコーディングパターンを備え、スリーブ部分は、好ましくはこのコーディングパターンのメス型の形であって突部および/または溝による相補的な空間配置を呈する相補的なコーディングパターンを備える。挿嵌動作中に、リング要素とスリーブ部分とが互いに対して所定の回転位置(または幾つかの可能な所定の回転位置の一つ)を取る時に、リング要素のコーディングパターンがスリーブ部分の相補的なコーディングパターンに径方向で係合する。
【0022】
この目的のため、第1コーディングパターンが好ましくは幾つかの径方向外向きに突出する突部の形で設計され、および/または、第2コーディングパターンが好ましくは、各々が突部の導入を対象とした幾つかの案内溝の形で設計されることは、逆も同様に有利である。
【0023】
突部は、好ましくは、リング要素のリング区分から径方向外向きに突出する。案内溝は、好ましくは、少なくともある区分でスリーブ部分の内壁において挿入方向に延び、リング要素の隣接した突部の間の距離は、スリーブ部分の隣接した案内溝の間の距離と適合する。
【0024】
製造が簡易で確実なコーディング機構は、第1コーディングパターンと第2コーディングパターンとが二、三、または四放射相称などの多放射相称を有するという点で提供される。言い換えると、リング要素は、180°の角度で配置された二つの好ましくは同一形状の突部、120°の介在角度で各々が配置された三つの突部、90°の介在角度で各々が配置された四つの突部などを有する。同じことが、スリーブ部分に形成される案内溝にも当てはめられる。n放射相称のコーディング機構は、各々での挿嵌動作が可能であるn個の所定の相対的な位置という利点を提供する。この場合、所与の初期の回転位置から始めて、結合を許容する所定の相対的な位置に達するために、第1および第2コーディング要素の間の比較的小さな相対回転、すなわちせいぜい360°/2nの相対回転のみが必要であり、その結果、結合動作がさらに簡易化される。
【0025】
本発明の特に好適な実施形態では、第1コーディング要素は、所定の角度で周方向に互いに間を開けた2個または3個以上の径方向に突出する突部を有するリング要素である。第2コーディング要素は、スリーブ部分の内壁に形成されてこの所定角度で周方向に互いに間を開けた2個または3個以上の案内溝を有するスリーブ部分である。
【0026】
少なくとも一つの案内溝の幅が少なくとも区分で挿入方向に減少するという、確実に機能する自己整合機構が提供される。この場合、挿入時に案内溝の広い入口区分に係合する突部は、挿嵌動作がさらに進行する間に、狭くなる溝壁によって狭い溝区分へ案内され、コーディング要素は、互いに対して正しく整合されて、プラグコネクタは挿入箇所に結合位置まで導入される。
【0027】
自己整合機構は、少なくとも一つの案内溝―好ましくはすべての案内溝―が、挿入方向に狭くなる溝幅を有する入口区分と、挿入方向に入口区分から続いて実質的に一定の溝幅を有する案内区分とを有するようにさらに改良される。案内区分では、溝幅は好ましくは関連する突部の幅と実質的に適合し、突部が案内区分に配置されると、二つのコーディング要素は、実質的に回転不能に互いに接続され、コーディングパターンと相補的なコーディングパターンとは互いに係合する。
【0028】
好ましくは、周方向での突部の幅は、0.5mmと10mmの間、特に1mmと3mmの間である。また、周方向での案内溝の案内区分の幅は、好ましくは1mmと11mmの間、特に1.5mmと4mmの間であり、突部は、わずかな程度のあそびを伴って案内区分に嵌着する。
【0029】
案内溝の入口区分の軸長は、好ましくは1mmより大きくかつ20mmより小さく、特に好ましくは3mmと10mmの間である。実質的に一定の溝幅を有する
案内溝の案内区
分の軸長は、好ましくは10mmより大きくかつ50mmより小さく、特に好ましくは20mmと30mmの間である。
【0030】
自己整合機構の誤作動は、n(n>1)個の案内溝がスリーブ部分に形成されることにより防止され、狭くなる入口区分の幅広の前端での案内溝は、約360%の円周角範囲をカバーするため、隣接の案内溝の溝壁は、互いに直接隣接するか、前端で互いに合流する。この場合、挿入中において、初期回転位置に関係なく、突部は、狭くなる溝壁と当接し、溝壁に沿って摺動するとともにコーディング要素の間の相対的な回転を導く。特に、案内溝は、入口区分の両側で、案内溝のそれぞれの案内区分の方向に対称状態で狭くなる。
【0031】
好ましくは、第2コーディング要素は、それぞれが周方向の方向成分と挿入方向の方向成分とを有する一つ以上の接触面を有し、プラグコネクタを挿嵌する際において、第1コーディング要素は、第1および第2コーディング要素の間の相対的な回転に付随して、接触面と接触してこれに沿って摺動する。特に、各接触面は、実質的に螺旋の状態で一回転の一部にわたって延在する。
【0032】
特に好適な実施形態では、これらの接触面は、入口区分において案内溝の側壁により形成される。
【0033】
特に好適な実施形態において、挿入箇所は、プラグソケットの形で設計される。したがって、挿入箇所は、ソケット部分に圧入するための圧入リングと、圧入リングに回転可能に装着されてプラグコネクタの方向にスリーブ形の状態で突出する第2コーディング要素とを有する。圧入リングは、圧力の印加を通してやはりスリーブ形のソケット部分へ圧入され、この目的のために好ましくは、圧入された時に摩擦ロックを向上させるナール面を備える。圧入された後で、圧入リングは、ソケット部分の固定位置に保持され、コーディング要素は、圧入リングとソケット部とから成る配置に対して回転可能に保持されている。好ましくは、ソケット部分は、第2コーディング要素がソケット部分の内部に完全に収容されることを許容する軸方向寸法を有する。
【0034】
プラグコネクタは、高電流の伝送のため、または代替的に信号の伝送のために設計される。高電流プラグコネクタの場合に、これは、好ましくは遮蔽された高電流ケーブルに接続される。プラグコネクタは、ケーブルの内部導体と接続されるか、好ましくはこれに圧着される少なくとも一つの内部導体接点と、内部導体接点を少なくとも区分で囲繞してケーブルの外部導体と一緒に押圧される外部導体とを有する。好適な実施形態において、第1コーディング要素は、外部導体の外部境界面に配置される。
【0035】
好ましくは、プラグ接続は、分離不能なプラグ接続として設計される。“分離不能な”プラグ接続は、単純な挿嵌動作による手動結合が可能であるのに対して、その後の分断はもう可能でないか、工具の補助によってのみ可能であることを意味するものと理解される。この目的のため、プラグ接続は、結合位置に達する前または達する際に解除不能に係合状態に止めるスナップロックまたは係止ロック要素を備える。コーディング機構は、間違って結合されたプラグ接続はもう容易には分断されないので、分離不能なプラグ接続の場合に特に重要である。
【0036】
この目的のため、プラグコネクタは、好ましくは一つ以上のスナップロック突部を備え、挿入箇所は、スナップロック突部の係合のための周方向のスナップロック溝を備える。スナップロック突部は、プラグコネクタを囲繞するスナップロックリングに設けられ、スナップロック溝は、挿入箇所のソケット部分の内壁に形成される。
【0037】
さらなる態様によれば、本発明は、挿入箇所に挿嵌されるように設計された本発明によるプラグ接続のプラグコネクタに関する。本発明によるプラグコネクタは、コーディングパターンが配置された第1コーディング要素を有し、コーディング要素は、挿入方向に平行に延びる回転軸の周りで回転可能となるようにプラグコネクタに保持される。本発明によるプラグコネクタは、繰り返されなくともここに記載された特徴のすべてを個別または組み合わせで呈する。
【0038】
さらなる態様によれば、本発明は、プラグコネクタの挿入のために設計された本発明によるプラグ接続の挿入箇所に関する。本発明による挿入箇所は、関連するプラグコネクタのコーディングパターンに相補的であるコーディングパターンが配置された第2コーディング要素を有し、第2コーディング要素は、挿入方向に平行に延びる回転軸の周りで回転可能となるように挿入箇所に保持される。本発明による挿入箇所も、繰り返されなくともここに記載される特徴のすべてを個別または組み合わせで呈する。
【0039】
さらなる態様によれば、本発明は、本発明によるプラグ接続のセットに関する。“セット”は、本発明による2個、3個、または4個以上のプラグ接続を意味するものと理解される。セットの第1および第2プラグ接続のコーディングパターンおよび相補的なコーディングパターンは、第1プラグ接続のプラグコネクタが第1プラグ接続の挿入箇所へ結合位置まで挿嵌されるが、第2プラグ接続の挿入箇所へは挿嵌されないように、それぞれ互いに異なっている。
【0040】
好ましくは、プラグ接続は、本発明による3個以上のプラグ接続を包含し、そのプラグコネクタはそれぞれ、ただ一つの関連する挿入箇所のみに結合位置まで挿嵌される。
【0041】
ゆえに本発
明によるセットは、コーディング機構が設けられているためそれぞれ正しい状態でのみ結合されるプラグコネクタと関連する挿入箇所の幾つかのペアを含む。第1プラグ接続のプラグコネクタと第2プラグ接続の挿入箇所との間違った結合は、コーディングパターンによって防止されうる。同時に、コーディングパターンを有するコーディング要素は回転可能であるため、簡易な結合が可能であり、所定の相対的な位置に配置するために、プラグコネクタ全体または挿入箇所全体は、回転される必要がない。加えて個々のプラグ接続が自己整合機構をそれぞれ備えている場合には、プラグ接続のプラグコネクタをこのプラグ接続の挿入箇所へ挿嵌する際に第1コーディング要素と第2コーディング要素とが互いに対する所定の位置へ自動的に回転されるので、特に簡易な結合が可能である。さらに、自己整合が行われず、そのため結合位置までの挿入が可能でない場合、プラグコネクタと挿入箇所とが同じプラグ接続に属していないことは、最初の挿嵌の試みで、設置者にとってすぐに明白となる。
【0042】
本発明によるプラグ接続のセットは、例えば電気モータの三相交流電流のU相、V相、W相の伝送のための三つのプラグコネクタと、このプラグコネクタに割り当てられる三つの挿入箇所とから成る。この場合、正しい結合が特に重要である。
以下の記載では、同封の図面を参照して発明が説明される。