特許第6571806号(P6571806)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6571806マイクロ・プラグおよび改良型の標準マイクロ・レセプタクル
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6571806
(24)【登録日】2019年8月16日
(45)【発行日】2019年9月4日
(54)【発明の名称】マイクロ・プラグおよび改良型の標準マイクロ・レセプタクル
(51)【国際特許分類】
   H01R 24/60 20110101AFI20190826BHJP
   H01R 13/64 20060101ALI20190826BHJP
【FI】
   H01R24/60
   H01R13/64
【請求項の数】10
【外国語出願】
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2018-359(P2018-359)
(22)【出願日】2018年1月5日
(62)【分割の表示】特願2014-556081(P2014-556081)の分割
【原出願日】2013年2月8日
(65)【公開番号】特開2018-85342(P2018-85342A)
(43)【公開日】2018年5月31日
【審査請求日】2018年1月5日
(31)【優先権主張番号】12154775.6
(32)【優先日】2012年2月9日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】397056695
【氏名又は名称】サノフィ−アベンティス・ドイチュラント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【弁理士】
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【弁理士】
【氏名又は名称】竹林 則幸
(72)【発明者】
【氏名】クリスティアン・ネッセル
(72)【発明者】
【氏名】イロナ・エッゲルト
(72)【発明者】
【氏名】ミヒャエル・キャスパース
【審査官】 山下 寿信
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−092742(JP,A)
【文献】 特開2011−159587(JP,A)
【文献】 特開平11−191457(JP,A)
【文献】 特表2010−523953(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0240715(US,A1)
【文献】 特開2007−149602(JP,A)
【文献】 特開2009−009895(JP,A)
【文献】 特開2002−315071(JP,A)
【文献】 特開昭60−220036(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 24/60
H01R 13/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
改良型の標準マイクロ・レセプタクル(2’’)を備える可搬型医療用デバイス(4)と、
マイクロ・プラグ(1’)を備える充電デバイス(5)とを備えるシステムであって、
前記マイクロ・プラグ(1’)が、標準マイクロ・レセプタクル(2)に挿入可能であり、
ここで、前記マイクロプラグ(1’)は、
ハウジングと、
前記ハウジングに取り付けられた少なくとも2つの接点ピン(13a〜13e)と、
前記ハウジングに取り付けられ、前記少なくとも2つの接点ピン(13a〜13e)を少なくとも部分的に横方向で封入するシールド(10’)と、
前記シールド(10’)の一部分(14’、15’)に配置された少なくとも1つの凹部(17)とを備え、
ここで、前記改良型の標準マイクロ・レセプタクル、好ましくは改良型のユニバーサル・シリアル・バスのマイクロUSBレセプタクルであって
そして、前記改良型の標準マイクロ・レセプタクルは
ハウジングと、
前記ハウジングのバー(23’)の2つの面のうちの1つに取り付けられた少なくとも2つの接点端子(23a〜23e)と、
前記ハウジングに取り付けられ、前記少なくとも2つの接点端子(23a〜23e)および前記ハウジングの前記バー(23’)を少なくとも部分的に横方向で封入するシールド(20)と、
対応するマイクロ・プラグ(1’)が改良型の標準マイクロ・レセプタクル(2’’)に挿入されたとき、前記マイクロ・プラグ(1’)の凹部(17)に受け入れられるように構成された、少なくとも1つの突出部(29)とからなり、
ここで、前記改良型の標準マイクロ・レセプタクル(2’’)の前記少なくとも1つの突出部(29)が前記マイクロ・プラグ(1’)の前記少なくとも1つの凹部(17)に受け入れられるように、前記マイクロ・プラグ(1’)が前記改良型の標準マイクロ・レセプタクル(2’’)に挿入可能であり、
ここで、前記少なくとも1つの突出部(29)が、改良型の標準マイクロ・レセプタクル(2’’)への標準マイクロ・プラグ(1)の挿入を妨害するようにさらに構成され、そして、
前記少なくとも1つの突出部(29)が前記バー(23’)に配置される、前記システム。
【請求項2】
前記少なくとも1つの突出部(29)が前記ハウジングの前記バー(23’)の他の面に配置され、前記ハウジングの前記バー(23’)の前記他の面が、前記接点端子(23a〜23e)が取り付けられている前記バー(23’)の前記面と異なる、請求項1に記載のシステム
【請求項3】
前記少なくとも1つの突出部(29)が少なくとも、150N未満の挿入力を支持する、請求項1または2に記載のシステム
【請求項4】
前記改良型の標準マイクロ・レセプタクルが、さらに締結手段(21、22)を備える、請求項1〜3のいずれか1項に記載のシステム
【請求項5】
前記締結手段(21、22)が、ラッチ開口部である、請求項4に記載のシステム
【請求項6】
前記締結手段が前記シールドの頂部および/または底部部分に配置される、請求項またはに記載のシステム
【請求項7】
前記少なくとも1つの突出部(29)が前記バー(23’)と一体的に形成される、請求項1〜6のいずれか1項に記載のシステム
【請求項8】
前記突出部(29)が、前記改良型の標準マイクロ・レセプタクル横方向中央にある、請求項1〜7のいずれか1項に記載のシステム
【請求項9】
前記少なくとも2つの接点ピン(13a〜13e)および前記少なくとも2つの接点端子(23a〜23e)が、前記充電デバイス(5)と前記可搬型医療用デバイス(4)との間の電気接続を形成する、請求項1〜8のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項10】
前記充電デバイス(5)が、前記電気接続を介して前記可搬型医療用デバイス(4)の電池を充電し、前記電気接続が標準電源接続である、請求項に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許出願は、特に、マイクロ・プラグおよびマイクロ・レセプタクルに、好ましくは、マイクロ・プラグおよび改良型のユニバーサル・シリアル・バスのマイクロUSBレセプタクルに関する。
【背景技術】
【0002】
以下、単に例示の目的でマイクロUSBについて言及するが、本発明は、USB1.0、1.1、2.0、ならびに3.0などのUSB規格、あるいはファイヤワイヤ(たとえば、IEEE1394a、IEEE1394b、および/またはIEEE1394−2008)に準拠したプラグおよび/またはレセプタクルなど、他の標準化マイクロ・プラグおよび/またはマイクロ・レセプタクルにも適用可能である。
【0003】
近年、携帯電話およびMP3プレーヤなどの可搬型消費者デバイスの電池は、一般的に、ユニバーサル・シリアル・バスのマイクロUSB電源接続を介して充電デバイスによって充電される。欧州委員会からの要求にしたがって、携帯電話の主要な製造業者は、たとえば、マイクロUSB電源接続に基づいて、欧州連合内で販売されているデータ対応の携帯電話の充電デバイスを調和させるために、覚書に同意している。したがって、単一の充電デバイスが、これらの可搬型デバイスの2つ以上の充電に使用されてもよい。
【0004】
医療用デバイスの分野では、消費者デバイスの分野よりも厳格な(政府)規制および(工業)規格を適用している場合が多い。たとえば、欧州規格EN60101−1は、医療用デバイスと電源電圧との間を二重絶縁することを求めている。これらの規則および規格に準拠するために、可搬型医療用デバイスの電池は、一般的に、企業独自の電源接続を介して企業独自の充電デバイスによって充電される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、充電デバイスは単一の可搬型医療用デバイスの電池を充電するために使用ことしかできないので、かかる企業独自の充電デバイスを使用することはユーザにとって不便である。さらに、対応する可搬型医療用デバイスが壊れると、企業独自の充電デバイスが役に立たなくなることがある。
【0006】
本発明は、特に、これらの目的を解決するという課題に取り組む。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様の一実施形態によれば、標準マイクロ・レセプタクル、好ましくはユニバーサル・シリアル・バスのマイクロUSBレセプタクル、さらにより好ましくはマイクロUSBのAタイプ、Bタイプ、またはABタイプのレセプタクルに挿入可能なマイクロ・プラグは、ハウジングと、ハウジングに取り付けられた少なくとも2つの接点ピンと、ハウジングに取り付けられ、少なくとも2つの接点ピンを少なくとも部分的に横方向で封入するシールドと、シールドの一部分に配置された少なくとも1つの凹部とを備える。その際、マイクロ・プラグが改良型の標準マイクロ・レセプタクルに挿入されたとき、少なくとも1つの凹部は、対応する改良型の標準マイクロ・レセプタクルの、好ましくは改良型のマイクロUSBレセプタクルの突出部を受け入れるように構成される。
【0008】
マイクロ・プラグは、好ましくは、1.5cm未満、好ましくは1cm未満、さらにより好ましくは0.75cm未満の開口径を有するレセプタクルに挿入可能である、プラグ
に関するものと理解されるべきである。
【0009】
ハウジングは、たとえば、プラスチックなどの絶縁体から作られてもよい。ハウジングは、たとえば、成形によって生産されてもよい。
【0010】
たとえば、接点ピンの数は4つまたは5つであってもよい。接点ピンは導体から作られてもよい。接点ピンは、たとえば、Au、Ni−PD、およびNiの少なくとも1つでめっきすることによって生産されてもよい。
【0011】
たとえば、ハウジングおよび/または接点ピンの構成は、ユニバーサル・シリアル・バスのマイクロUSBケーブルおよびコネクタの仕様において規定されるようなマイクロUSBプラグ、たとえばマイクロUSBのAタイプまたはBタイプのプラグの仕様に準拠してもよい。したがって、ハウジングおよび/または接点ピンの生産プロセスを適合させることは必要でないことがある。
【0012】
シールドは、たとえば、打抜きによって生産されてもよい。たとえば、シールドは、ステンレス鋼または等価の材料から作られてもよい。
【0013】
シールドの構成は、たとえば、ユニバーサル・シリアル・バスのマイクロUSBケーブルおよびコネクタの仕様において規定されるような、マイクロUSBプラグの仕様とは異なってもよい。たとえば、この仕様に鑑みて、シールドの一部分に配置される少なくとも1つの凹部は、必要ではないことがある。凹部が配置されるシールドの一部分は、好ましくは、(標準)マイクロUSBレセプタクル(すなわち、ユニバーサル・シリアル・バスのマイクロUSBケーブルおよびコネクタの仕様において規定されるようなマイクロUSBレセプタクル)にマイクロ・プラグを挿入する際の妨害的な衝撃(hindering impact)を有さないように改良可能である、シールドの一部分であってもよい。かかる改良型のシールドを生産するために、たとえば、シールド用の打抜き工具のみが改良されてもよい。しかし、マイクロ・プラグを組み立てるのに、追加の部品は必要でないことがある。したがって、マイクロ・プラグの組立てプロセスは、標準マイクロUSBプラグの組立てプロセスに類似していてもよい。
【0014】
たとえば、マイクロ・プラグをそれに対応して改良された標準マイクロ・レセプタクルに、好ましくは改良型のマイクロUSBレセプタクルに挿入できるようにするために、少なくとも1つの凹部が必要なことがある。かかる改良型の標準マイクロ・レセプタクル(たとえば、改良型のマイクロUSBレセプタクル)は、たとえば、企業独自のマイクロUSBレセプタクルであってもよい。たとえば、より詳細に後述するような、本発明の第2の態様の改良型の標準マイクロ・レセプタクルは、かかる改良型の標準マイクロ・レセプタクルであってもよい。しかし、少なくとも1つの凹部は、標準マイクロ・レセプタクルへの、好ましくは(標準)マイクロUSBレセプタクルへのマイクロ・プラグの挿入を妨害しなくてもよい。
【0015】
凹部の長さおよび/または直径は、少なくとも、改良型の標準マイクロ・レセプタクルの突出部の長さおよび/または直径に相当してもよい。たとえば、凹部の長さ(直径)は、改良型の標準マイクロ・レセプタクルの突出部の長さ(直径)よりも少なくとも5パーセント、好ましくは少なくとも10パーセント大きい。たとえば、凹部の直径は1mm超過であってもよく、突出部の直径は0.75mm未満であってもよい。好ましくは、凹部の直径は1.2mm以上であってもよく、突出部の直径は0.5mm以下であってもよい。
【0016】
1つを超える凹部があってもよい。たとえば、シールドの同じまたは対向する部分に配
置された2つの凹部があってもよい。
【0017】
マイクロ・レセプタクルへのマイクロ・プラグの挿入は、好ましくは、マイクロ・プラグの寸法によって、マイクロ・プラグおよび/またはマイクロ・レセプタクルを損傷することなく、マイクロ・レセプタクルへのマイクロ・プラグの正確な挿入が可能になるものと理解すべきである。
【0018】
マイクロ・レセプタクルへのマイクロ・プラグの挿入は、好ましくは、マイクロ・プラグとマイクロ・レセプタクルとの間の機械的および電気接続を提供することに関するものと理解すべきである。機械的接続は、好ましくは解除可能であってもよい。電気接続は、たとえば、マイクロUSBの電源接続、マイクロUSBの通信接続、直列データ接続、並列データ接続、ユニバーサル非同期型レシーバ・トランスミッタ(UART)データ接続、および/または任意の企業独自の電気接続であってもよい。マイクロUSB電源接続は、好ましくは、デバイス(たとえば、充電デバイス)から別のデバイス(たとえば、可搬型デバイス)に電力を供給するマイクロUSB接続、たとえば、USB1.0、1.1、2.0、および3.0などのUSB規格に電気的および/または機械的に準拠した接続に関するものと理解すべきである。マイクロUSB通信接続は、好ましくは、少なくとも2つのデバイス間でデータが通信されるマイクロUSB接続、たとえば、USB1.0、1.1、2.0、および3.0などのUSB規格に電気的および/または機械的に準拠した接続に関するものと理解すべきである。
【0019】
本発明の第1の態様のマイクロ・プラグによって、標準マイクロ・レセプタクルおよび改良型の標準マイクロ・レセプタクルへの、好ましくは(標準)マイクロUSBレセプタクルおよび改良型のマイクロUSBレセプタクルへの挿入が可能になる。これは特に、USB規格(たとえば、USB1.0、1.1、2.0、および3.0)などの規格に電気的に準拠した、かつより厳格な規制および/または規格に付加的に準拠した、デバイスの(下方への)互換性を改善するのに有利である。
【0020】
さらに、本発明の第1の態様のマイクロ・プラグの生産および組立てプロセスは、(標準)マイクロUSBプラグ(すなわち、ユニバーサル・シリアル・バスのマイクロUSBケーブルおよびコネクタの仕様において規定されるようなマイクロUSBプラグ)などの標準マイクロ・プラグの生産および組立てプロセスとわずかにのみ異なっていてもよい。これは特に、本発明の第1の態様のマイクロ・プラグの単純でコスト効率の良い生産および組立てを可能にするのに有利である。
【0021】
本発明の第1の態様の一実施形態によれば、少なくとも1つの凹部が配置されるシールドの一部分は、少なくとも2つの接点ピンに隣接している。たとえば、シールドのこの一部分は、少なくとも2つの接点ピンによって画成される層に少なくとも実質的に平行であってもよい。
【0022】
たとえば、少なくとも1つの凹部が配置されるシールドの一部分は、シールドの頂部または底部部分であってもよい。シールドの頂部および底部部分は、好ましくは、シールドの少なくとも実質的に共面であって優勢な部分に関するものと理解されてもよい。シールドの側面部分は、好ましくは、シールドの少なくとも実質的に平面であって優勢でない部分に関するものと理解されてもよい。シールドの側面部分に凹部を配置することによって、標準マイクロ・レセプタクルへのマイクロ・プラグの挿入が妨害されてもよい。
【0023】
本発明の第1の態様の一実施形態によれば、マイクロ・プラグは締結手段をさらに備え、少なくとも1つの凹部が配置されるシールドの一部分は、締結手段によって横方向に画成される。たとえば、少なくとも1つの凹部が配置されるシールドの一部分は、締結手段
の動作球体(operational sphere)と干渉しないように画成されてもよい。締結手段は、たとえば、マイクロ・レセプタクル内でマイクロ・プラグを(たとえば、解除可能に)締結するのに役立ってもよい。
【0024】
締結手段は、たとえば、シールドの頂部および/または底部部分に配置されてもよい。締結手段は、たとえば、マイクロUSBプラグに関してユニバーサル・シリアル・バスのマイクロUSBケーブルおよびコネクタの仕様において規定されるような、シールドの底部部分に配置されたラッチであってもよい。この実施形態は、特に、締結手段が正確に機能することを確実にするのに有利である。
【0025】
本発明の第1の態様の一実施形態によれば、マイクロ・プラグは、可搬型医療用デバイス向けの充電デバイスで構成される。たとえば、充電デバイスは、二重絶縁型および/またはいわゆるクラスIIのデバイスであってもよい。たとえば、充電デバイスは、欧州規格EN60101−1に準拠してもよい。特に、充電デバイスは、電源電圧と、マイクロ・プラグを介して充電デバイスに接続されたデバイスとの間の二重絶縁を提供してもよい。
【0026】
本発明の第2の態様の一実施形態によれば、改良型の標準マイクロ・レセプタクル、好ましくは改良型のユニバーサル・シリアル・バスのマイクロUSBレセプタクルは、ハウジングと、ハウジングのバーの表面に取り付けられた少なくとも2つの接点端子と、ハウジングに取り付けられ、少なくとも2つの接点端子およびハウジングのバーを少なくとも部分的に横方向で封入するシールドと、対応するマイクロ・プラグが改良型の標準マイクロ・レセプタクルに正確に挿入されたとき、そのマイクロ・プラグの凹部に受け入れられるように構成された、少なくとも1つの突出部とを備える。その際、少なくとも1つの突出部は、改良型の標準マイクロ・レセプタクルへの、標準マイクロ・プラグ、好ましくはマイクロUSBプラグ、さらにより好ましくはマイクロUSBのAタイプのプラグおよび/またはマイクロUSBのBタイプのプラグの挿入を妨害するようにさらに構成される。
【0027】
マイクロ・レセプタクルは、好ましくは、1.5cm未満、好ましくは1cm未満、さらにより好ましくは0.75cm未満の開口径を有するレセプタクルに関するものと理解されるべきである。
【0028】
たとえば、接点端子の数は4つまたは5つであってもよい。接点端子は導体から作られてもよい。接点端子は、たとえば、Au、Ni−PD、およびNiの少なくとも1つでめっきすることによって生産されてもよい。
【0029】
たとえば、接点端子の構成は、ユニバーサル・シリアル・バスのマイクロUSBケーブルおよびコネクタの仕様において規定されるようなマイクロUSBレセプタクル、たとえばマイクロUSBのAタイプ、Bタイプ、またはABタイプのレセプタクルの仕様に準拠してもよい。改良型の標準マイクロ・レセプタクルは、好ましくは、改良型のマイクロUSBレセプタクルであってもよい。
【0030】
ハウジングは、たとえば、プラスチックなどの絶縁体から作られてもよい。ハウジングは、たとえば、成形によって生産されてもよい。
【0031】
シールドは、たとえば、打抜きによって生産されてもよい。たとえば、シールドは、ステンレス鋼または等価の材料から作られてもよい。
【0032】
たとえば、少なくとも1つの突出部は、シールドおよび/またはハウジングに配置されてもよい。たとえば、シールドの構成および/またはハウジングの構成はそれぞれ、ユニ
バーサル・シリアル・バスのマイクロUSBケーブルおよびコネクタの仕様において規定されるような、マイクロUSBのAタイプ、Bタイプ、またはABタイプのレセプタクルの仕様とは異なってもよい。
【0033】
たとえば、少なくとも1つの突出部とは別に、改良型の標準マイクロ・レセプタクルは、ユニバーサル・シリアル・バスのマイクロUSBケーブルおよびコネクタの仕様において規定されるような、マイクロUSBレセプタクルの仕様に準拠してもよい。したがって、改良型の標準マイクロ・レセプタクルの組立てプロセスは、マイクロUSBのAタイプ、Bタイプ、またはABタイプのレセプタクルなど、マイクロUSBレセプタクルの組立てプロセスに類似していてもよい。
【0034】
少なくとも1つの突出部は、改良型の標準マイクロ・レセプタクルへの標準マイクロ・プラグの、好ましくは(標準)マイクロUSBプラグの挿入が妨害(たとえば、防止)されるように、改良型の標準マイクロ・レセプタクルをキー止めしてもよい。挿入の妨害は、好ましくは、改良型の標準マイクロ・レセプタクルを損傷することなく、75N未満、好ましくは100N未満、さらにより好ましくは150N未満の力で、標準マイクロ・プラグが挿入されることの防止に関するものと理解すべきである。これは特に、少なくとも、改良型の標準マイクロ・レセプタクルへの標準マイクロ・プラグの、好ましくは(標準)マイクロUSBプラグの意図しない挿入を防ぐのに有利である。
【0035】
たとえば、改良型の標準マイクロ・レセプタクルに挿入されたときに少なくとも1つの突出部を受け入れるように構成された凹部を備える、対応するマイクロ・プラグのみが、マイクロ・プラグおよび/または改良型の標準マイクロ・レセプタクルを損傷することなく、改良型の標準マイクロ・レセプタクルに挿入されてもよい。本発明の第1の態様のマイクロ・プラグは、かかる対応するマイクロ・プラグであってもよい。
【0036】
少なくとも1つの突出部の長さおよび/または直径は、少なくとも、対応するマイクロ・プラグの凹部の長さおよび/または直径に対応してもよい。たとえば、少なくとも1つの突出部の長さ(直径)は、対応するマイクロ・プラグの凹部の長さ(直径)よりも、少なくとも5パーセント、好ましくは少なくとも10パーセント小さい。たとえば、突出部の直径は0.75mm未満であってもよく、凹部の直径は1mm超過であってもよい。好ましくは、突出部の直径は0.5mm以下であってもよく、凹部の直径は1.2mm以上であってもよい。
【0037】
改良型の標準マイクロ・レセプタクルへの対応するマイクロ・プラグの挿入は、好ましくは、マイクロ・プラグと改良型の標準マイクロ・レセプタクルとの間の機械的および電気接続を提供することに関するものと理解すべきである。機械接続は、好ましくは解除可能であってもよい。電気接続は、たとえば、マイクロUSBの電源接続、マイクロUSBの通信接続、直列データ接続、並列データ接続、UARTデータ接続、および/またはより詳細に上述したような任意の企業独自の電気接続であってもよい。
【0038】
本発明の第2の態様の改良型の標準マイクロ・レセプタクルは、標準マイクロ・プラグの、たとえば(標準)マイクロUSBレセプタクルの挿入は防止するが、対応するマイクロ・プラグの挿入は許容する。これは特に、企業独自の仕様、ならびに/あるいはUSB1.0、1.1、2.0、および3.0などのUSB仕様よりも厳格な規制および/または規格に電気的に準拠した、デバイス間の電気接続を単に可能にするのに有利である。
【0039】
さらに、本発明の第2の態様の改良型の標準マイクロ・レセプタクルの生産および組立てプロセスは、(標準)マイクロUSBレセプタクルなどの標準マイクロ・レセプタクルの生産および組立てプロセスとわずかにのみ異なっていてもよい。これは特に、その単純
でコスト効率の良い生産および組立てを可能にするのに有利である。
【0040】
本発明の第2の態様の一実施形態によれば、少なくとも1つの突出部は少なくとも、150N未満の挿入力に耐える。
【0041】
少なくとも1つの突出部の負荷容量は特に、少なくとも1つの突出部の配置、材料、および/または寸法に応じて決まる。たとえば、シールドに配置され、シールドと一体的に形成された突出部の直径は、少なくとも150Nの挿入力に耐えるように、0.25mm以上の直径を有してもよい。たとえば、ハウジングのバーに配置され、ハウジングと一体的に形成された突出部の直径は、少なくとも150Nの挿入力に耐えるように、0.15mm以上の直径を有してもよい。別の方法として、またはそれに加えて、改良型の標準マイクロ・レセプタクルは、150Nの負荷容量を確保し、かつ/または負荷容量を増加させるために、2つ以上の突出部を備えてもよい。
【0042】
上述したように、この実施形態は特に、少なくとも改良型の標準マイクロ・レセプタクルへの標準マイクロ・プラグの、たとえば(標準)マイクロUSBプラグの挿入を妨害するのに有利である。
【0043】
本発明の第2の態様の一実施形態によれば、少なくとも1つの突出部はシールドの一部分に配置される。たとえば、少なくとも1つの突出部はシールドと一体的に形成されてもよい。かかる改良型のシールドを生産するために、たとえば、シールド用の打抜き工具のみが改良されてもよい。しかし、改良型の標準マイクロ・レセプタクルを組み立てるのに、追加の部品は必要でないことがある。したがって、改良型の標準マイクロ・レセプタクルの組立てプロセスは、標準マイクロ・レセプタクルの、たとえば(標準)マイクロUSBレセプタクルの組立てプロセスに類似していてもよい。この実施形態は特に、改良型の標準マイクロ・レセプタクルの単純でコスト効率の良い生産および組立てを可能にするのに有利である。
【0044】
本発明の第2の態様の一実施形態によれば、シールドの一部分は、少なくとも2つの接点端子、および/または少なくとも2つの接点端子が取り付けられるバーの表面、および/または少なくとも2つの接点端子が取り付けられる表面とは反対側のバーの表面に隣接している。たとえば、シールドのこの一部分は、少なくとも2つの接点端子によって画成される層に少なくとも実質的に平行であってもよい。
【0045】
たとえば、少なくとも1つの突出部が配置されるシールドの一部分は、シールドの頂部または底部部分であってもよい。シールドの頂部および底部部分は、好ましくは、シールドの少なくとも実質的に共面であって優勢な部分に関するものと理解されてもよい。シールドの側面部分は、好ましくは、シールドの少なくとも実質的に平面であって優勢でない部分に関するものと理解されてもよい。
【0046】
本発明の第2の態様の一実施形態によれば、改良型の標準マイクロ・レセプタクルは締結手段をさらに備え、少なくとも1つの突出部が配置されるシールドの一部分は、締結手段によって横方向に画成される。たとえば、少なくとも1つの突出部が配置されるシールドの一部分は、締結手段の動作球体と干渉しないように画成されてもよい。締結手段は、たとえば、改良型の標準マイクロ・レセプタクル内で対応するマイクロ・プラグを(たとえば、解除可能に)締結するのに役立ってもよい。
【0047】
締結手段は、たとえば、シールドの頂部および/または底部部分に配置されてもよい。締結手段は、たとえば、マイクロUSBレセプタクルに関してユニバーサル・シリアル・バスのマイクロUSBケーブルおよびコネクタの仕様において規定されるような、シール
ドの底部部分に配置されたラッチ開口部であってもよい。
【0048】
この実施形態は、特に、締結手段が正確に機能することを確実にするのに有利である。
【0049】
本発明の第2の態様の一実施形態によれば、少なくとも1つの突出部は、ハウジングのバーの表面に配置され、ハウジングのバーの表面は、接点端子が取り付けられるバーの表面の反対側である。たとえば、少なくとも1つの突出部は、ハウジングと(たとえば、ハウジングのバーと)一体的に形成されてもよい。かかる改良型のシールドを生産するために、たとえば、ハウジング用の成形工具のみが改良されてもよい。しかし、改良型の標準マイクロ・レセプタクルを組み立てるのに、追加の部品は必要でないことがある。したがって、改良型の標準マイクロ・レセプタクルの組立てプロセスは、標準マイクロ・レセプタクルの、たとえば(標準)マイクロUSBレセプタクルの組立てプロセスに類似していてもよい。この実施形態は特に、改良型の標準マイクロ・レセプタクルの単純でコスト効率の良い生産および組立てを可能にするのに有利である。
【0050】
本発明の第2の態様の一実施形態によれば、本発明の第1の態様のマイクロ・プラグは、改良型の標準マイクロ・レセプタクルに挿入可能である。
【0051】
本発明の第2の態様の一実施形態によれば、改良型の標準マイクロ・レセプタクルは可搬型医療用デバイスで構成される。たとえば、可搬型医療用デバイスは、輸液デバイスまたは注射デバイスなど、薬作用物質(たとえば、薬剤の用量)を排出するように構成された医療用デバイスなどの薬物送達デバイス、たとえばインスリン注射ペンであってもよい。注射デバイスは、医療従事者によって、または患者自身によって使用されてもよい。一例として、1型および2型糖尿病は、たとえば一日一回または数回の、インスリン用量の注射によって、患者自身によって治療されてもよい。
【0052】
たとえば、可搬型医療用デバイスは、少なくとも2つの薬作用物質を、第1および第2の薬剤をそれぞれ含む別個のリザーバから排出するように構成されるが、それに限定されない。あるいは、可搬型医療用デバイスは、たとえば、出願人によるソロスター(Solostar)(登録商標)インスリン注射ペンなど、薬作用物質を単一のリザーバから排出するように構成された、従来の医療用デバイスである。
【0053】
たとえば、改良型の標準マイクロ・レセプタクルは、改良型の標準マイクロ・レセプタクルを介して可搬型医療用デバイスの電池を充電可能であるように、可搬型医療用デバイスの電池ユニットに(たとえば、内部で)接続されてもよい。電池ユニットは、たとえば、電池と、電池の充電を制御する電池コントローラとを備えてもよい。電池は、たとえば、リチウム・イオン電池またはNiMH電池であってもよい。
【0054】
たとえば、改良型の標準マイクロ・レセプタクルは、処理装置が改良型の標準マイクロ・レセプタクルを介してデータを送受信できるように、可搬型医療用デバイスの処理装置に(たとえば、内部で)接続されてもよい。処理装置は、たとえば、プロセッサおよびメモリを備えてもよい。たとえば、処理装置は、改良型の標準マイクロ・レセプタクルを介して外部デバイスに対して監視データを送信してもよく、ならびに/あるいは処理装置は、改良型の標準マイクロ・レセプタクルを介して外部デバイスからプログラミング・データを受信してもよい。データは、USB1.0、1.1、2.0、および3.0などのUSB仕様にしたがって送受信されてもよいが、別の業界および/または企業独自の仕様にしたがって同様に送信されてもよい。
【0055】
本発明の第3の態様の一実施形態によれば、システムは、本発明の第2の態様の改良型の標準マイクロ・レセプタクルを備える可搬型医療用デバイスと、本発明の第1の態様の
マイクロ・プラグを備える充電デバイスとを備える。その際、マイクロ・プラグは、改良型の標準マイクロ・レセプタクルの少なくとも1つの突出部がマイクロ・プラグの少なくとも1つの凹部に受け入れられるように、改良型の標準マイクロ・レセプタクルに挿入される。
【0056】
本発明の第3の態様の一実施形態によれば、少なくとも2つの接点ピンおよび少なくとも2つの接点端子は、充電デバイスと可搬型医療用デバイスとの間の電気接続を形成する。電気接続は、たとえば、マイクロUSBの電源接続、マイクロUSBの通信接続、直列データ接続、並列データ接続、UARTデータ接続、および/またはより詳細に上述したような任意の企業独自の電気接続であってもよい。
【0057】
本発明の第3の態様の一実施形態によれば、充電デバイスは、電気接続を介して可搬型医療用デバイスの電池を充電し、その際、電気接続はマイクロUSBの電源接続である。
【0058】
本発明の第4の態様の一実施形態によれば、方法は、本発明の第1の態様のマイクロ・プラグおよび/または本発明の第2の態様の改良型の標準マイクロ・レセプタクルの生産ならびに/あるいは組立てを含み、前記組立てプロセスは、前記組立てを標準マイクロ・プラグおよび/または標準マイクロ・レセプタクルの組立て用の組立て機械によって行うことができるように、標準マイクロ・プラグ(たとえば、ユニバーサル・シリアル・バスのマイクロUSBプラグ)および/または標準マイクロ・レセプタクル(たとえば、ユニバーサル・シリアル・バスのマイクロUSBレセプタクル)を組み立てるプロセスに相当する。
【0059】
本発明の様々な態様のこれらならびに他の利点は、添付図面を適切に参照して以下の詳細な説明を読むことによって、当業者には明白となるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0060】
図1a】マイクロUSBのBタイプのプラグを示す概略図である。
図1b】マイクロUSBのBタイプのプラグを示す概略図である。
図2a】本発明の第1の態様の一実施形態によるマイクロ・プラグを示す概略図である。
図2b】本発明の第1の態様の一実施形態によるマイクロ・プラグを示す概略図である。
図3a】マイクロUSBのBタイプのレセプタクルを示す概略図である。
図3b】マイクロUSBのBタイプのレセプタクルを示す概略図である。
図4a】本発明の第2の態様の一実施形態による改良型のマイクロUSBレセプタクルを示す概略図である。
図4b】本発明の第2の態様の一実施形態による改良型のマイクロUSBレセプタクルを示す概略図である。
図5a】本発明の第2の態様の別の実施形態による改良型のマイクロUSBレセプタクルを示す概略図である。
図5b】本発明の第2の態様の別の実施形態による改良型のマイクロUSBレセプタクルを示す概略図である。
図6】本発明の第3の態様の一実施形態によるシステムを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0061】
図1aおよび1bに示されるマイクロ・プラグ1は、ユニバーサル・シリアル・バスのマイクロUSBケーブルおよびコネクタの仕様において規定されるような、マイクロUSBのBタイプのプラグである。図1aは、マイクロ・プラグ1の正面図であり、図1bは、矢印Ibによって示されるような、マイクロ・プラグ1の下面図である。
【0062】
マイクロ・プラグ1は、シールド10と、ラッチ11および12と、接点ピン13a〜13eと、ハウジングとを備える。シールド10は、接点ピン13a〜13eを少なくとも部分的に封入する。ラッチ11および12は、シールド10の底部部分14に配置される。シールド10の底部部分14の反対側は、シールド10の頂部部分15である。
【0063】
底部部分14および頂部部分15は接点ピン13a〜13eに隣接している。特に、底部部分14および頂部部分15は、接点ピン13a〜13eによって画成される層に少なくとも実質的に平行である。
【0064】
シールド10の底部部分14の陰影部分16は、ユニバーサル・シリアル・バスのマイクロUSBケーブルおよびコネクタの仕様において規定されるようなマイクロUSBのBタイプのレセプタクルにマイクロ・プラグを挿入する際の妨害的な衝撃を有することなく、凹部が配置されてもよい部分に関する。陰影部分16は、ラッチ11および12が陰影部分16の外側に配置されるように、ラッチ11および12によって横方向に画成される。シールド10の頂部部分15は、ユニバーサル・シリアル・バスのマイクロUSBケーブルおよびコネクタの仕様において規定されるようなマイクロUSBのBタイプのレセプタクルにマイクロ・プラグを挿入する際の妨害的な衝撃を有することなく、凹部が配置されてもよい部分に関する。これは、図1aの頂部部分15全体に陰影を付けることによって示される。
【0065】
図2aおよび2bに示されるマイクロ・プラグ1’は、本発明の第1の態様の一実施形態によるマイクロ・プラグである。図2aは、マイクロ・プラグ1’の正面図であり、図2bは、矢印IIbによって示されるような、マイクロ・プラグ1’の下面図である。
【0066】
マイクロ・プラグ1’は、基本的に、図1aおよび1bに示されるようなマイクロ・プラグ1に相当し、したがって、対応する部分は同じ参照番号で表している。特に、マイクロ・プラグ1’もまた、ラッチ11および12と、接点ピン13a〜13eと、ハウジングとを備える。さらに、マイクロ・プラグ1’は、接点ピン13a〜13eを少なくとも部分的に封入する改良型のシールド10’を備える。ラッチ11および12は、シールド10’の底部部分14’に配置される。シールド10’の底部部分14’の反対側は、シールド10’の頂部部分15’である。
【0067】
マイクロ・プラグ1’は、凹部17が改良型のシールド10’の底部部分14’に配置される点のみが、マイクロ・プラグ1と異なる。特に、マイクロ・プラグ1’の改良型のシールド10’の凹部17は、図1aおよび1bに示されるような陰影部分16に配置される。別の方法として、またはそれに加えて、改良型のシールド10’の凹部は、図1aに示されるような陰影部分15に配置されてもよい。
【0068】
凹部17は、シールド10’の縁部から続く。凹部17の直径Aは、図2aおよび2bの実施形態では1.2mmであるが、同様にそれよりも大径または小径であってもよい。凹部17は、図2の実施形態では、改良型のシールド10’の底部部分14’の横方向中央にあるが、同様に、改良型のシールド10’の底部部分14’の横方向中央になくてもよい。特に、凹部17は、より詳細に後述するように、マイクロ・プラグ1’がマイクロ・レセプタクル2’および/またはマイクロ・レセプタクル2’’に挿入されたとき、マイクロ・レセプタクル2’の突出部28および/またはマイクロ・レセプタクル2’’の突出部29を受け入れるように配置される。
【0069】
凹部17は、マイクロ・プラグ1’とマイクロ・プラグ1との間の唯一の違いであるので、それらの生産および組立てプロセスはわずかにのみ異なってもよい。たとえば、それ
らのシールドの生産のみが異なってもよい。
【0070】
マイクロ・プラグ1’は、(標準)マイクロUSBレセプタクル、ならびにより詳細に後述するようなマイクロ・レセプタクル2’および2’’などの、改良型のマイクロUSBレセプタクルに挿入することができる。
【0071】
図3aおよび3bに示されるマイクロ・レセプタクル2は、ユニバーサル・シリアル・バスのマイクロUSBケーブルおよびコネクタの仕様において規定されるような、マイクロUSBのBタイプのレセプタクルである。図3aは、マイクロ・レセプタクル2の正面図であり、図3bは、矢印IIIbによって示されるような、マイクロ・レセプタクル2の下面図である。
【0072】
マイクロ・レセプタクル2は、シールド20と、ラッチ開口部21および22と、バー23と、接点端子23a〜23eと、ハウジングとを備える。シールド20は、接点端子23a〜23eおよびバー23を少なくとも部分的に封入する。ラッチ開口部21および22は、シールド20の底部部分24に配置される。シールド20の底部部分24の反対側は、シールド20の頂部部分25である。
【0073】
底部部分24および頂部部分25は接点端子23a〜23eに隣接している。特に、底部部分24および頂部部分25は、接点端子23a〜23eによって画成される層に少なくとも実質的に平行である。バー23は、マイクロ・レセプタクル2のハウジングの一部である。図3aに示されるように、接点端子23a〜23eは、シールド20の頂部部分25に面するバー23の表面に取り付けられる。
【0074】
マイクロ・レセプタクル2の陰影部分26は、(標準)マイクロUSBプラグをマイクロ・レセプタクルに挿入する際の妨害的な衝撃を有して突出部が配置されてもよい、マイクロ・レセプタクルの一部分に関する。陰影部分26は、ラッチ開口部21および22によって横方向に画成される。マイクロ・レセプタクル2の陰影部分26は、バー23に面する底部部分24の表面から、底部部分24に面するバー23の表面(すなわち、接点端子23a〜23eが取り付けられるバー23の表面とは反対側のバー23の表面)まで続く。
【0075】
マイクロ・レセプタクル2の陰影部分27は、(標準)マイクロUSBプラグをマイクロ・レセプタクルに挿入する際の妨害的な衝撃を有して突出部が配置されてもよい、マイクロ・レセプタクルの一部分に関する。マイクロ・レセプタクル2の陰影部分27は、バー23に面する頂部部分25の表面から続くが、接点端子23a〜23eの接触が、陰影部分27に配置された突出部によって妨害されないように、頂部部分25に面するバー23の表面(すなわち、接点端子23a〜23eが取り付けられるバー23の表面)の手前で終わる。
【0076】
図4aおよび4bに示されるマイクロ・レセプタクル2’は、本発明の第2の態様の一実施形態による改良型のマイクロUSBレセプタクルである。図4aは、マイクロ・レセプタクル2’の正面図であり、図4bは、矢印IVbによって示されるような、マイクロ・レセプタクル2’の下面図である。
【0077】
マイクロ・レセプタクル2’は、基本的に、図3aおよび3bに示されるようなマイクロ・レセプタクル2に相当し、したがって、対応する部分は同じ参照番号で表している。特に、マイクロ・レセプタクル2’もまた、ラッチ開口部21および22と、バー23と、接点端子23a〜23eと、ハウジングとを備える。さらに、マイクロ・レセプタクル2’は、接点ピン23a〜23eを少なくとも部分的に封入する改良型のシールド20’
を備える。ラッチ開口部21および22は、シールド20’の底部部分24’に配置される。シールド20’の底部部分24’の反対側は、シールド20’の頂部部分25’である。
【0078】
マイクロ・レセプタクル2’は、突出部28が改良型のシールド20’の底部部分24’に配置される点のみが、マイクロ・レセプタクル2と異なる。特に、マイクロ・レセプタクル2’の改良型のシールド20’の突出部28は、図4aに示されるような陰影部分26に配置される。別の方法として、またはそれに加えて、突出部は、図4aに示されるような陰影部分27に配置されてもよい。
【0079】
シールド20’はステンレス鋼から形成されてもよい。突出部28は、シールド20’の底部部分24’に配置され、それと一体的に形成される。突出部28の直径Bは、図4aおよび4bの実施形態では0.5mmであるが、同様にそれよりも大径または小径であってもよい。突出部28は、図4aおよび4bの実施形態では、マイクロ・レセプタクル2’の横方向中央にあるが、同様に、マイクロ・レセプタクル2’の横方向中央になくてもよい。特に、突出部28は、マイクロ・レセプタクル2’への(標準)マイクロUSBのBタイプのプラグの挿入を妨害するが、マイクロ・レセプタクル2’へのマイクロ・プラグ1’の挿入は可能にするように配置される。
【0080】
突出部28は、マイクロ・レセプタクル2’とマイクロ・レセプタクル2との間の唯一の違いであるので、それらの生産および組立てプロセスはわずかにのみ異なってもよい。たとえば、それらのシールドの生産のみが異なってもよい。
【0081】
図5aおよび5bに示されるマイクロ・レセプタクル2’’は、本発明の第2の態様の別の実施形態による改良型のマイクロUSBレセプタクルである。図5aは、マイクロ・レセプタクル2’’の正面図であり、図5bは、矢印Vbによって示されるような、マイクロ・レセプタクル2’’の下面図である。
【0082】
マイクロ・レセプタクル2’’は、基本的に、図3aおよび3bに示されるようなマイクロ・レセプタクル2に相当し、したがって、対応する部分は同じ参照番号で表している。特に、マイクロ・レセプタクル2’’もまた、シールド20と、ラッチ開口部21および22と、接点端子23a〜23eと、ハウジングとを備える。さらに、マイクロ・レセプタクル2’は改良型のバー23’を備える。
【0083】
マイクロ・レセプタクル2’’は、突出部29が改良型のバー23’に配置される点のみが、マイクロ・レセプタクル2と異なる。特に、マイクロ・レセプタクル2’の改良型のバー23’の突出部29は、図3aに示されるような陰影部分26に配置される。
【0084】
バー23’は成形プラスチックから作られる。突出部29は、改良型のバー23’に配置され、それと一体的に形成される。突出部29の直径Cは、図5aおよび5bの実施形態では0.5mmであるが、同様にそれよりも大径または小径であってもよい。突出部29は、図5aおよび5bの実施形態では、マイクロ・レセプタクル2’’の横方向中央にあるが、同様に、マイクロ・レセプタクル2’’の横方向中央になくてもよい。特に、突出部29は、マイクロ・レセプタクル2’’への(標準)マイクロUSBのBタイプのプラグの挿入を妨害するが、マイクロ・レセプタクル2’’へのマイクロ・プラグ1’の挿入は可能にするように配置される。
【0085】
突出部29は、マイクロ・レセプタクル2’’とマイクロ・レセプタクル2との間の唯一の違いであるので、それらの生産および組立てプロセスはわずかにのみ異なってもよい。たとえば、それらのバーの生産のみが異なってもよい。
【0086】
図6に示されるシステム6は、本発明の第3の態様の一実施形態によるシステムである。システム6は、可搬型医療用デバイス4と、充電デバイス5と、携帯電話などの可搬型の消費者電子デバイス8とを備える。
【0087】
充電デバイス5は、上述したようなマイクロ・プラグ1’によって形成される充電出力ポートを備え、医療用デバイス4は、上述したようなマイクロ・レセプタクル2’’によって形成される充電入力ポートを備え、可搬型の消費者電子デバイス8は、上述したような(標準)USBマイクロ・レセプタクルであるマイクロ・レセプタクル2によって形成される充電入力ポートを備える。
【0088】
充電デバイス5は、二重絶縁USB電源接続を提供する。たとえば、医療用デバイス4の電池は、かかる二重絶縁充電デバイスによって充電しなければならない(たとえば、政府規制による)。したがって、マイクロ・レセプタクル2’’によって形成される、医療用デバイス4の充電入力ポートは、マイクロ・プラグ1’によって形成される、充電デバイス5の充電出力ポートとのみ接続され、上述したようなマイクロ・プラグ1などの(標準)マイクロUSBプラグによって形成される、(標準)マイクロUSB充電デバイスの充電出力ポートとは接続されなくてもよい。
【0089】
可搬型の消費者電子デバイス8の電池は、(標準)マイクロUSBの充電デバイスなどのUSB電源接続を提供する任意の充電デバイスによって充電されてもよい。したがって、マイクロ・レセプタクル2によって形成される、可搬型の消費者電子デバイス8の充電入力ポートは、マイクロ・プラグ1’によって形成される、充電デバイス5の充電出力ポートと、また、上述したようなマイクロ・プラグ1などの(標準)マイクロUSBプラグによって形成される、(標準)マイクロUSB充電デバイスの充電出力ポートと接続されてもよい。
【0090】
図6に示されるように、充電デバイス5は、医療用デバイス4および可搬型の消費者電子デバイス8に接続されてもよい。特に、充電デバイス5は、これらの接続を介して、医療用デバイス4の電池および可搬型の消費者電子デバイス8の電池を充電してもよい。
【0091】
したがって、本発明は、特に、企業独自の仕様、ならびに/あるいはUSB仕様よりも厳格な規制および/または規格に電気的に準拠した、デバイス(たとえば、可搬型医療用デバイス4)間の電気接続を単に可能にするのに有利である。さらに、本発明は、特に、マイクロ・プラグ1’を備えるデバイスおよび(標準)マイクロUSBレセプタクルを備えるデバイス(たとえば、可搬型の消費者電子デバイス8)の互換性を確保するのに有利である。
【0092】
さらに、したがって、本発明は特に、マイクロ・プラグ1’ならびにマイクロ・レセプタクル2’および2’’の単純でコスト効率の良い生産および組立てを可能にするのに有利である。
【0093】
本発明を、非限定例として理解すべきである実施形態を用いて上述してきた。特に、当業者には明白であって、添付の請求項の範囲および趣旨から逸脱することなく実施することができる、代替の方法および変形が存在することに留意されたい。また、上述したフローチャートにおける方法工程の順序は強制ではなく、代替の順序も可能であってもよいことを理解されたい。
【0094】
本出願で使用するとき、「XはAおよびBを備える」(X、A、およびBは明細書中のすべての種類の語を表す)という表現は、Xが少なくともAおよびBを有するが、さらな
る要素を有し得ることを表すことが意図される。さらに、不定冠詞「a」は、特に明記しない限り、「1つのみ」を意味するものとは理解されない。
【0095】
さらに、本明細書で使用する用語「薬物」または「薬剤」は、少なくとも1つの薬学的に活性な化合物を含む医薬製剤を意味し、
ここで、一実施形態において、薬学的に活性な化合物は、最大1500Daまでの分子量を有し、および/または、ペプチド、タンパク質、多糖類、ワクチン、DNA、RNA、酵素、抗体もしくはそのフラグメント、ホルモンもしくはオリゴヌクレオチド、または上述の薬学的に活性な化合物の混合物であり、
ここで、さらなる実施形態において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病、または糖尿病性網膜症などの糖尿病関連の合併症、深部静脈血栓塞栓症または肺血栓塞栓症などの血栓塞栓症、急性冠症候群(ACS)、狭心症、心筋梗塞、がん、黄斑変性症、炎症、枯草熱、アテローム性動脈硬化症および/または関節リウマチの処置および/または予防に有用であり、
ここで、さらなる実施形態において、薬学的に活性な化合物は、糖尿病または糖尿病性網膜症などの糖尿病に関連する合併症の処置および/または予防のための少なくとも1つのペプチドを含み、
ここで、さらなる実施形態において、薬学的に活性な化合物は、少なくとも1つのヒトインスリンもしくはヒトインスリン類似体もしくは誘導体、グルカゴン様ペプチド(GLP−1)もしくはその類似体もしくは誘導体、またはエキセンジン−3もしくはエキセンジン−4もしくはエキセンジン−3もしくはエキセンジン−4の類似体もしくは誘導体を含む。
【0096】
インスリン類似体は、たとえば、Gly(A21),Arg(B31),Arg(B32)ヒトインスリン;Lys(B3),Glu(B29)ヒトインスリン;Lys(B28),Pro(B29)ヒトインスリン;Asp(B28)ヒトインスリン;B28位におけるプロリンがAsp、Lys、Leu、Val、またはAlaで置き換えられており、B29位において、LysがProで置き換えられていてもよいヒトインスリン;Ala(B26)ヒトインスリン;Des(B28−B30)ヒトインスリン;Des(B27)ヒトインスリン、およびDes(B30)ヒトインスリンである。
【0097】
インスリン誘導体は、たとえば、B29−N−ミリストイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−パルミトイル−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−ミリストイルヒトインスリン;B29−N−パルミトイルヒトインスリン;B28−N−ミリストイルLysB28ProB29ヒトインスリン;B28−N−パルミトイル−LysB28ProB29ヒトインスリン;B30−N−ミリストイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B30−N−パルミトイル−ThrB29LysB30ヒトインスリン;B29−N−(N−パルミトイル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(N−リトコリル−γ−グルタミル)−des(B30)ヒトインスリン;B29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)−des(B30)ヒトインスリン、およびB29−N−(ω−カルボキシヘプタデカノイル)ヒトインスリンである。
【0098】
エキセンジン−4は、たとえば、H−His−Gly−Glu−Gly−Thr−Phe−Thr−Ser−Asp−Leu−Ser−Lys−Gln−Met−Glu−Glu−Glu−Ala−Val−Arg−Leu−Phe−Ile−Glu−Trp−Leu−Lys−Asn−Gly−Gly−Pro−Ser−Ser−Gly−Ala−Pro−Pro−Pro−Ser−NH2配列のペプチドであるエキセンジン−4(1−39)を意味する。
【0099】
エキセンジン−4誘導体は、たとえば、以下のリストの化合物:
H−(Lys)4−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)5−desPro36,desPro37エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39);または
desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,IsoAsp28]エキセンジン−(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)、
desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,IsoAsp28]エキセンジン−4(1−39)、
(ここで、基−Lys6−NH2が、エキセンジン−4誘導体のC−末端に結合していてもよい);
【0100】
または、以下の配列のエキセンジン−4誘導体:
H−(Lys)6−desPro36[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
desAsp28Pro36,Pro37,Pro38エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジ
ン−4(1−39)−Lys6−NH2、
H−desAsp28Pro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
desMet(O)14,Asp28Pro36,Pro37,Pro38エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2;
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Lys6−desPro36[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−Lys6−NH2、
H−desAsp28,Pro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−NH2、
desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2、
H−(Lys)6−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(S1−39)−(Lys)6−NH2、
H−Asn−(Glu)5−desPro36,Pro37,Pro38[Met(O)14,Trp(O2)25,Asp28]エキセンジン−4(1−39)−(Lys)6−NH2;
または前述のいずれか1つのエキセンジン−4誘導体の薬学的に許容される塩もしくは溶媒和化合物
から選択される。
【0101】
ホルモンは、たとえば、ゴナドトロピン(フォリトロピン、ルトロピン、絨毛性ゴナドトロピン、メノトロピン)、ソマトロピン(ソマトロピン)、デスモプレシン、テルリプレシン、ゴナドレリン、トリプトレリン、ロイプロレリン、ブセレリン、ナファレリン、
ゴセレリンなどの、Rote Liste、2008年版、50章に列挙されている脳下垂体ホルモンまたは視床下部ホルモンまたは調節性活性ペプチドおよびそれらのアンタゴニストである。
【0102】
多糖類としては、たとえば、グルコサミノグリカン、ヒアルロン酸、ヘパリン、低分子量ヘパリン、もしくは超低分子量ヘパリン、またはそれらの誘導体、または上述の多糖類の硫酸化形態、たとえば、ポリ硫酸化形態、および/または、薬学的に許容されるそれらの塩がある。ポリ硫酸化低分子量ヘパリンの薬学的に許容される塩の例としては、エノキサパリンナトリウムがある。
【0103】
抗体は、基本構造を共有する免疫グロブリンとしても知られている球状血漿タンパク質(約150kDa)である。これらは、アミノ酸残基に付加された糖鎖を有するので、糖タンパク質である。各抗体の基本的な機能単位は免疫グロブリン(Ig)単量体(1つのIg単位のみを含む)であり、分泌型抗体はまた、IgAなどの2つのIg単位を有する二量体、硬骨魚のIgMのような4つのIg単位を有する四量体、または哺乳動物のIgMのように5つのIg単位を有する五量体でもあり得る。
【0104】
Ig単量体は、4つのポリペプチド鎖、すなわち、システイン残基間のジスルフィド結合によって結合された2つの同一の重鎖および2本の同一の軽鎖から構成される「Y」字型の分子である。それぞれの重鎖は約440アミノ酸長であり、それぞれの軽鎖は約220アミノ酸長である。重鎖および軽鎖はそれぞれ、これらの折り畳み構造を安定化させる鎖内ジスルフィド結合を含む。それぞれの鎖は、Igドメインと呼ばれる構造ドメインから構成される。これらのドメインは約70〜110個のアミノ酸を含み、そのサイズおよび機能に基づいて異なるカテゴリー(たとえば、可変すなわちV、および定常すなわちC)に分類される。これらは、2つのβシートが、保存されたシステインと他の荷電アミノ酸との間の相互作用によって一緒に保持される「サンドイッチ」形状を作り出す特徴的な免疫グロブリン折り畳み構造を有する。
【0105】
α、δ、ε、γおよびμで表される5種類の哺乳類Ig重鎖が存在する。存在する重鎖の種類により抗体のアイソタイプが定義され、これらの鎖はそれぞれ、IgA、IgD、IgE、IgGおよびIgM抗体中に見出される。
【0106】
異なる重鎖はサイズおよび組成が異なり、αおよびγは約450個のアミノ酸を含み、δは約500個のアミノ酸を含み、μおよびεは約550個のアミノ酸を有する。各重鎖は、2つの領域、すなわち定常領域(CH)と可変領域(VH)を有する。1つの種において、定常領域は、同じアイソタイプのすべての抗体で本質的に同一であるが、異なるアイソタイプの抗体では異なる。重鎖γ、α、およびδは、3つのタンデム型のIgドメインと、可撓性を加えるためのヒンジ領域とから構成される定常領域を有し、重鎖μおよびεは、4つの免疫グロブリン・ドメインから構成される定常領域を有する。重鎖の可変領域は、異なるB細胞によって産生された抗体では異なるが、単一B細胞またはB細胞クローンによって産生された抗体すべてについては同じである。各重鎖の可変領域は、約110アミノ酸長であり、単一のIgドメインから構成される。
【0107】
哺乳類では、λおよびκで表される2種類の免疫グロブリン軽鎖がある。軽鎖は2つの連続するドメイン、すなわち1つの定常ドメイン(CL)および1つの可変ドメイン(VL)を有する。軽鎖のおおよその長さは、211〜217個のアミノ酸である。各抗体は、常に同一である2本の軽鎖を有し、哺乳類の各抗体につき、軽鎖κまたはλの1つのタイプのみが存在する。
【0108】
すべての抗体の一般的な構造は非常に類似しているが、所与の抗体の固有の特性は、上
記で詳述したように、可変(V)領域によって決定される。より具体的には、各軽鎖(VL)について3つおよび重鎖(HV)に3つの可変ループが、抗原との結合、すなわちその抗原特異性に関与する。これらのループは、相補性決定領域(CDR)と呼ばれる。VHドメインおよびVLドメインの両方からのCDRが抗原結合部位に寄与するので、最終的な抗原特異性を決定するのは重鎖と軽鎖の組合せであり、どちらか単独ではない。
【0109】
「抗体フラグメント」は、上記で定義した少なくとも1つの抗原結合フラグメントを含み、そのフラグメントが由来する完全抗体と本質的に同じ機能および特異性を示す。パパインによる限定的なタンパク質消化は、Igプロトタイプを3つのフラグメントに切断する。1つの完全なL鎖および約半分のH鎖をそれぞれが含む2つの同一のアミノ末端フラグメントが、抗原結合フラグメント(Fab)である。サイズが同等であるが、鎖間ジスルフィド結合を有する両方の重鎖の半分の位置でカルボキシル末端を含む第3のフラグメントは、結晶可能なフラグメント(Fc)である。Fcは、炭水化物、相補結合部位、およびFcR結合部位を含む。限定的なペプシン消化により、Fab片とH−H鎖間ジスルフィド結合を含むヒンジ領域の両方を含む単一のF(ab’)2フラグメントが得られる。F(ab’)2は、抗原結合に対して二価である。F(ab’)2のジスルフィド結合は、Fab’を得るために切断することができる。さらに、重鎖および軽鎖の可変領域は、縮合して単鎖可変フラグメント(scFv)を形成することもできる。
【0110】
薬学的に許容される塩は、たとえば、酸付加塩および塩基性塩である。酸付加塩としては、たとえば、HClまたはHBr塩がある。塩基性塩は、たとえば、アルカリまたはアルカリ土類、たとえば、Na+、またはK+、またはCa2+から選択されるカチオン、または、アンモニウムイオンN+(R1)(R2)(R3)(R4)(式中、R1〜R4は互いに独立に:水素、場合により置換されたC1〜C6アルキル基、場合により置換されたC2〜C6アルケニル基、場合により置換されたC6〜C10アリール基、または場合により置換されたC6〜C10ヘテロアリール基を意味する)を有する塩である。薬学的に許容される塩のさらなる例は、「Remington’s Pharmaceutical Sciences」17版、Alfonso R.Gennaro(編)、Mark Publishing Company、Easton、Pa.、U.S.A.、1985およびEncyclopedia of Pharmaceutical Technologyに記載されている。
【0111】
薬学的に許容される溶媒和物は、たとえば、水和物である。
図1a
図1b
図2a
図2b
図3a
図3b
図4a
図4b
図5a
図5b
図6