特許第6571807号(P6571807)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ プレコルディール オサケユイチアの特許一覧

特許6571807心臓の機能不全と異常を表す情報を測定するための方法及び器械
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6571807
(24)【登録日】2019年8月16日
(45)【発行日】2019年9月4日
(54)【発明の名称】心臓の機能不全と異常を表す情報を測定するための方法及び器械
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/0452 20060101AFI20190826BHJP
   A61B 10/00 20060101ALI20190826BHJP
   A61B 5/02 20060101ALI20190826BHJP
   A61B 5/0245 20060101ALI20190826BHJP
   A61B 5/0456 20060101ALI20190826BHJP
   A61B 5/11 20060101ALI20190826BHJP
【FI】
   A61B5/04 312A
   A61B10/00 K
   A61B5/02 BZDM
   A61B5/0245 100D
   A61B5/04 312R
   A61B5/11 100
【請求項の数】11
【外国語出願】
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2018-6247(P2018-6247)
(22)【出願日】2018年1月18日
(62)【分割の表示】特願2015-507565(P2015-507565)の分割
【原出願日】2013年4月17日
(65)【公開番号】特開2018-86278(P2018-86278A)
(43)【公開日】2018年6月7日
【審査請求日】2018年2月15日
(31)【優先権主張番号】20125442
(32)【優先日】2012年4月23日
(33)【優先権主張国】FI
(73)【特許権者】
【識別番号】517018628
【氏名又は名称】プレコルディール オサケユイチア
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100160705
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 健太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100157211
【弁理士】
【氏名又は名称】前島 一夫
(72)【発明者】
【氏名】ユハニ アイラクシネン
(72)【発明者】
【氏名】テロ コイビスト
(72)【発明者】
【氏名】ヨーナ マルク
(72)【発明者】
【氏名】アリ パーシオ
(72)【発明者】
【氏名】ミッコ ペンケーレ
(72)【発明者】
【氏名】カティ サイラネン
(72)【発明者】
【氏名】トゥオマス バルトネン
(72)【発明者】
【氏名】ペテル ビルタ
【審査官】 松本 隆彦
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2012/149652(WO,A1)
【文献】 国際公開第2011/068687(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0210921(US,A1)
【文献】 特表2004−538035(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B5/02−5/053
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
心臓活動に関連する電磁現象を表す第1信号と心臓血管の動きを表すサイスモカルジオグラフィーの信号である第2信号とを受信するための信号インターフェース(401)と、
前記信号インターフェースに接続されている処理装置(402)であって、心室性筋肉組織の脱分極によって生じ、前記第1信号上で心拍数を繰り返す第1波形を表すRピークを前記第1信号から抽出し、且つ、大動脈弁の開放によって生じ、前記第2信号上で前記心拍数を繰り返す第2波形を表すAOピークを前記第2信号から抽出するように構成されている処理装置(402)と、
を備える器械であって、
前記処理装置が、さらに、
−各タイミング値がある1つの心拍周期に属する前記第1波形の基準点から同一の心拍周期に属する前記第2波形の基準点までの時間を表すタイミングデータを作成し、且つ、
−ペーシングデータの各値が前記心拍数の瞬時値を表すように当該ペーシングデータを作成し、
−前記タイミングデータと前記ペーシングデータとの間の相関係数を計算し、
−前記相関係数が閾値よりも大きい状況に応答して心房細動を表す信号を発信する、ように構成されており、
前記相関係数が、
【数1】
であり、
式中、
C(j)が前記相関係数であり、
Eが期待値演算子であり、
TDが前記タイミングデータであり、
μTが前記タイミングデータの平均であり、
PDが前記ペーシングデータであり、
μPが前記ペーシングデータの平均であり、
jが心拍周期内の前記タイミングデータに関して前記ペーシングデータの時間差を表す整数である、
ことを特徴とする器械。
【請求項2】
前記処理装置が、Rピークの頂点を前記第1波形の前記基準点として使用し、且つ、AOピークの頂点を前記第2波形の前記基準点として使用するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の器械。
【請求項3】
前記処理装置が、前記心臓血管の動きを表す前記第2信号をローパスフィルタにかけ、且つ、前記ローパスフィルタにかけられた信号からAOピークを検出するように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の器械。
【請求項4】
前記ローパスフィルタリングの上限の周波数が30Hzであることを特徴とする請求項3に記載の器械。
【請求項5】
前記処理装置が0を前記閾値として使用するように構成されている、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の器械。
【請求項6】
心臓活動に関連する電磁現象を表す第1信号から、心室性筋肉組織の脱分極によって生じ且つ前記第1信号上で心拍数を繰り返す第1波形を表すRピークを抽出するステップ(201)と、
心臓血管の動きを表すサイスモカルジオグラフィーの信号である第2信号から、大動脈弁の開放によって生じ且つ前記第2信号上で前記心拍数を繰り返す第2波形を表すAOピークを抽出するステップ(202)と、
を含む方法であって、
当該方法が、
−各タイミング値がある1つの心拍周期に属する前記第1波形の基準点から同一の心拍周期に属する前記第2波形の基準点までの時間を表すタイミングデータを作成するステップ(203)と、
−ペーシングデータの各値が前記心拍数の瞬時値を表すように当該ペーシングデータを作成するステップと、
−前記タイミングデータと前記ペーシングデータとの間の相関係数を計算するステップ(204)と、
−前記相関係数が閾値よりも大きい状況に応答して心房細動を表す信号を発信するステップと、
をさらに含み、
前記相関係数が、
【数2】
であり、
式中、
C(j)が前記相関係数であり、
Eが期待値演算子であり、
TDが前記タイミングデータであり、
μTが前記タイミングデータの平均であり、
PDが前記ペーシングデータであり、
μPが前記ペーシングデータの平均であり、
jが心拍周期内の前記タイミングデータに関して前記ペーシングデータの時間差を表す整数である、
ことを特徴とする方法。
【請求項7】
Rピークの頂点が前記第1波形の前記基準点であり、且つ、AOピークの頂点が前記第2波形の前記基準点であることを特徴とする請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記方法が、前記心臓血管の動きを表す前記第2信号をローパスフィルタにかけるステップ(211)と、前記ローパスフィルタにかけられた信号からAOピークを検出するステップ(212)とを含むことを特徴とする請求項6又は7に記載の方法。
【請求項9】
前記ローパスフィルタリングの上限の周波数が30Hzであることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記閾値が0である請求項6〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
心臓活動に関連する電磁現象を表す第1信号から、心室性筋肉組織の脱分極によって生じ且つ前記第1信号上で心拍数を繰り返す第1波形を表すRピークを抽出し、
心臓血管の動きを表すサイスモカルジオグラフィーの信号である第2信号から、大動脈弁の開放によって生じ且つ前記第2信号上で前記心拍数を繰り返す第2波形を表すAOピークを抽出する、プログラミング可能なプロセッサを制御するためのコンピュータが実行可能な命令を含むコンピュータプログラムにおいて、
当該コンピュータプログラムが、
−各タイミング値がある1つの心拍周期に属する前記第1波形の基準点から同一の心拍周期に属する前記第2波形の基準点までの時間を表すタイミングデータを作成し、
−ペーシングデータの各値が前記心拍数の瞬時値を表すように当該ペーシングデータを作成し、
−前記タイミングデータと前記ペーシングデータとの間の相関係数を計算し、
−前記相関係数が閾値よりも大きい状況に応答して心房細動を表す信号を発信する、プログラミング可能なプロセッサを制御するためのコンピュータが実行可能な命令をさらに含み、
前記相関係数が、
【数3】
であり、
式中、
C(j)が前記相関係数であり、
Eが期待値演算子であり、
TDが前記タイミングデータであり、
μTが前記タイミングデータの平均であり、
PDが前記ペーシングデータであり、
μPが前記ペーシングデータの平均であり、
jが心拍周期内の前記タイミングデータに関して前記ペーシングデータの時間差を表す整数である、
ことを特徴とするコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して心臓の機能不全と異常、例えば、心房細動などを表す情報を測定することに関する。
より具体的には、本発明は心臓の機能不全と異常を表す情報を測定するための器械と方法に関する。
さらに、本発明は心臓の機能不全と異常を表す情報を測定するためのコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
心臓血管系において生じ得る機能不全と異常は、診断されず、適切に治療又は改善されなかった場合、特に、個体がストレスに出会った時に冠動脈の酸素需要を満足させる充分な酸素を供給する心臓血管系の能力を漸進的に低下させ得る。
現在では、心臓活動に関連する電磁現象に基づく心拍記録法、心エコー検査法、及び心臓血管の動きに基づく心拍記録法などの方法が様々な心臓の機能不全と異常の特定と評価において用いられている。
心臓活動に関連する電磁現象に基づく心拍記録法のよく知られている例は心電図記録法「ECG」であり、心臓血管の動きに基づく心拍記録法の例はバリストカルジオグラフィー「BCG」及びサイスモカルジオグラフィー「SCG」である。
心エコー検査法は心臓の切片の画像を提供し、且つ、心臓の構造と機能についての包括的な情報を提供することができるが、高価な機器と特別な操作担当者を必要とする。
ECGは心臓の電気的評価をかなり速く与えるが、収縮力に関連するどのような情報も提供しない。
心臓血管の動きに基づく心拍記録法は心臓血管の動きを表す信号の測定を伴う。
以前はその信号は、動きを測定するための器械が用意されているベッドに個体が横たわっている間に、又は、脚の脛のいたる所に取り付けられた支援装置が存在する間に取得された。
現在では、その信号は、心臓の動きを表す微細な動きを測定するのに適切である小さなセンサ素子、例えば加速度センサを使用して取得され得る。
【0003】
図1a、図1bは、律動的な電気的機能と関連の心臓血管の動きとの間の関係を示す。
図1aはECG波形の例を示し、図1bは、心臓血管の動きを表し、通常はy方向と呼ばれる「頭足」方向で加速度センサによって測定された例となる信号の波形を示す。
例示を目的として基本的な心臓機能の簡単な説明を下に提供する。
【0004】
心臓は4つの小室を含む。
右心房は三尖弁によって右心室と相互接続されており、左心房は僧帽弁によって左心室によって相互接続されている。
血液は上大静脈を介して上半身から右心房に、下大静脈を介して下半身から右心房に送られる。
右心房の心筋と右心室の乳頭筋が同時に収縮して三尖弁が開き、それによって血液が右心房から右心室へ流れる。
その後、その乳頭筋が弛緩して三尖弁が閉じる。
右心室の心筋が収縮すると、血液が肺動脈弁を通って右心室から血液を肺に送る肺動脈へ押し出され、そこで血液は酸素負荷される。
次に酸素負荷された血液は肺静脈を介して左心房へ送られる。
酸素負荷された血液は、血液の左心房から左心室へ流れを可能にする左心房の心筋と左心室の乳頭筋の同時収縮により僧帽弁が開いたときに左心房から左心室へ流れる。
その後、その乳頭筋が弛緩して僧帽弁が閉じる。
次に酸素負荷された血液は大動脈弁を通って左心室から酸素負荷された血液を末梢血管系に送る大動脈へ押し出される。
【0005】
各心拍周期は心房収縮期、心室収縮期及び心臓拡張期の主要な3つのステージを伴う。
心房収縮期は右心房と左心房を取り囲む心筋の収縮期である。
両方の心房が乳頭筋の収縮により同時に収縮してそれにより三尖弁と僧帽弁を開放させる。
心臓の小室の筋肉組織を刺激してそれらを収縮させる電気的活性、すなわち、電気的収縮は右心房に位置する洞房結節において始まる。
電気的脱分極の伝達が続いて、各心房筋細胞を次々と脱分極させる両方の心房を介して波として下方、左方、及び後方へ伝わる。
この電荷の伝播を図1aに示されるECG波形上のP波として見ることができる。
この直後に、図1bに示される波形のhピーク(peak)に対応するインパクトと図1bに示される波形のiバレー(valley)に対応する反動として検出される心房の機械的収縮が続く。
右心房と左心房が収縮し始めると、右心室と左心室への高速の血流が生じ、それは図1bに示される波形上のjピークにより表される。
三尖弁が閉じ始めると、続いている心房の収縮によってさらに右心室と左心室への低速の血流が生じる。
その追加的な血流は「心房キック」と呼ばれ、図1bに示される波形の「a−a1」波複合に対応する。
心房が空になった後に三尖弁と僧帽弁が閉じ、それにより図1bに示される波形上の下行g波が生じる。
心室収縮は左心室と右心室の筋肉の収縮であり、図1aに示されるECG波形の「Q−R−S」波複合を生じる心室心筋層の電気的脱分極によって引き起こされる。
下行Q波は、「ヒス束」と呼ばれる特別な細胞群に沿う中隔を通る脱分極の下降流によって引き起こされる。
Rピークは心室筋肉組織の脱分極によって生じ、S波は心房と心室の間の心臓組織の脱分極によって生じる。
脱分極が中隔を下り、心室心筋層中に伝わると、心房と洞房結節が分極し始める。
三尖弁と僧帽弁の閉鎖が心室収縮期の始まりであり、心臓が拍動するときに心臓によって生じるラブ・ダブ(lub−dub)音の1番目の部分を生じる。
この音は通常は「1音」として知られている。心室心筋層の電気的脱分極がピークに達すると、右心室と左心室を分ける房室「AV」中隔が収縮し、図1bに示される波形上のHピークに対応するインパクトと図1bに示される波形上のIバレーに対する反動を引き起こす。
心室の収縮により血液が肺動脈弁を介して右心室から肺動脈へ、及び大動脈弁を介して左心室から大動脈へ非常に高速で押し出され、それにより図1bに示される波形上のJピークが生じる。
左心室から大動脈への血流の減速により、図1bに示される波形上の下行K波が生じる。
左心室が空になるとその圧力は大動脈の圧力よりも下に落ち、大動脈弁が閉じる。
同様に、右心室の圧力が肺動脈の圧力よりも下に落ちると肺動脈弁が閉じる。
ラブ・ダブ音の2番目の部分は通常は「2音」として知られており、心室収縮期の終わりの肺動脈弁と大動脈弁の閉鎖によって生じ、それにより図1bに示される波形上の上行L波が生じる。
肺動脈弁と大動脈弁の閉鎖と同時に房室「AV」中隔が弛緩及び上昇し、心室心筋層が再分極して図1aに示されるECG波形上のT波が生じる。
心臓拡張期は心房拡張期と心室拡張期を含み、心臓が収縮後に弛緩し、且つ、循環血液で再補充される準備をしている期間である。
心房拡張期は右心房と左心房が弛緩している期間であり、心室拡張期は右心室と左心室が弛緩している期間である。
心房拡張期の間に右心房は脱酸素化された血液によって再補充され、左心房は酸素負荷された血液によって再補充される。
心房の再補充によって図1bに示される波形上の下行M波がヒス束細胞の再分極と同時に起こる拡張期の初期に生じ、その再分極はECG波形のU波として示される。
右心房と左心房がそれらの最大容量まで補充されると三尖弁と僧帽弁への血液の逆流により、図1bに示される波形上の上行N波が生じる。
【0006】
特許文献1は、前胸部の加速血流シグナルを記録することにより対象の心収縮力を評価するための方法を記載する。
特許文献2は個体の生理的状態をモニターし、その異常を検出するための方法を記載する。
その方法は、ECG信号である第1信号と心臓血管の動きを表す第2信号を同時に受信することを含む。
【0007】
心臓血管の動きを表す波形の分析は、異常な心臓血管機能を正常な事例と区別するために通常は有資格の診断医によって視覚的に実施される。
しかしながら、多くの場合では、例えば、心房細動などのある特定の心臓の機能不全と異常を視覚的分析により見つけ出すことは困難であり得る。
したがって、心臓の機能不全と異常を表す情報を測定するための方法と器械の必要性が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】国際公開第2012149652号パンフレット
【特許文献2】米国特許出願公開第2008194975号明細書
【発明の概要】
【0009】
次に、発明の様々な実施形態のうちの幾つかの態様を基本的に理解してもらうために簡略化した概要を提示する。
本概要は本発明の広範囲にわたる概説ではない。
それは本発明の重要又は重大な要素を特定することを意図しても、本発明の範囲を詳しく説明することを意図してもいない。
次の概要は、本発明の好ましい実施形態のさらに詳しい説明の前置きとなる本発明の簡略化された幾つかの構想を提示するだけのものである。
【0010】
本発明により、心臓の機能不全と異常、例えば、心房細動を表す情報を測定するための新しい方法が提供される。
本発明による方法は、
−心臓活動に関連する電磁現象を表す第1信号からある心拍数を繰り返す第1波形を抽出するステップと、
−心臓血管の動きを表す第2信号からその心拍数を繰り返す第2波形を抽出するステップと、
−各タイミング値がある1つの心拍周期に属する第1波形の基準点から同一の心拍周期に属する第2波形の基準点までの時間を表すタイミングデータを作成するステップと、
−前記タイミングデータと前記の心拍数を表すペーシングデータとの間の相関を決定するステップと、
を含み、
その相関が心臓の機能不全と異常を表す。
【0011】
第2波形が第1信号上の第1波形に対する心臓の応答を表すものであるように第2波形が選択されることが好都合である。
第1信号は、例えば、心電計「ECG」波形又は誘導的に測定された波形を表し得る。
第1波形は、必ずというわけではないが、例えば、図1aに示されるECG波形上の「Q−R−S」波複合のRピークであり得、第2波形は、必ずというわけではないが、例えば、図1bに示される波形上のJピークであり得る。
この場合、Rピークの頂点は第1波形の基準点として使用され得、Jピークの頂点は第2波形の基準点として使用され得、各タイミング値はRピークの頂点の瞬間からJピークの頂点の瞬間までの時間を表し得る。
別の例では、第2波形は通常はz方向と呼ばれる「通胸」方向で測定された心臓血管の動きを表す波形上の大動脈弁開放「AO」ピークであり得る。
【0012】
本方法は、心臓活動に関連する電磁現象を表す第1信号及び/又は心臓血管の動きを表す第2信号から上述のペーシングデータを検出するステップをさらに含み得る。
そのペーシングデータの検出は、例えば、ECG波形の連続するRピーク間の時間を検出するステップを含み得る。
心拍数を表すペーシングデータは個体の身体から測定される第3信号に基づいて作成されることもあり得る。
【0013】
タイミングデータとペーシングデータとの間の上述の相関は心臓の機能不全と異常の指標として使用され得る。
例えば、実証的なデータに照らすと、ペーシングデータの各値が心拍数の瞬時値を、例えば、分当たりの心拍数で表すとき、正の相関は心房細動の可能性の上昇を意味する。
同様に、ペーシングデータの各値が1回の心拍周期の時間の長さを、例えば、秒で、すなわち1/心拍数で表すとき、負の相関は心房細動の可能性の上昇を意味する。
【0014】
タイミングデータとペーシングデータとの間の相関の程度は、必ずというわけではないが、例えば、次の式:
【数1】
に従って計算され得る相関係数を用いて表現され得、
式中、
C(j)はその相関係数であり、
Eは期待値演算子であり、すなわちE{変数}は変数の期待値であり、
TDはタイミングデータであり、
μTはタイミングデータの平均であり、
PDはペーシングデータであり、
μPはペーシングデータの平均であり、
jは心拍周期内のタイミングデータに関してペーシングデータの時間差を表す整数である。
実証的な結果に照らすと、ペーシングデータPDがタイミングデータTDに関して1回の心拍周期の時間差、すなわちj=1を有することが有利である。
この場合、タイミングデータTDが所与の心拍周期に関連するとき、対応するペーシングデータPDは先の心拍周期に関連する。
相関係数は、フォルムρT,Pで表され得、それは、常に−1から+1までの範囲であり、
【数2】
(σTとσPがそれぞれタイミングデータとペーシングデータの標準偏差である)である。
【0015】
タイミングデータとペーシングデータとの間の可能性がある相関を表現する多数の方法が存在し、本発明はその相関を表現するどの特定の方法にも限定されないことに留意すべきである。
さらに、その相関は必ずしも数学量ではないが、従属を含む広範な統計学的関係のいずれかに関連しており、その相関はその広い意味で因果関係を含むこと、又は必要とすることが無いことに留意すべきである。
【0016】
本発明の別の好ましい実施形態による方法では、心臓の機能不全と異常の指標の測定は実質的に一定の心拍数におけるタイミングデータの変化の測定を含む。
例えば、実証的なデータに照らすと、タイミングデータの標準偏差は心房細動の間では平均値の約10%であり得、正常状態の場合では平均値の約1〜2%であり得る。
【0017】
本発明の好ましい実施形態による方法では、心臓血管の動きを表す信号をローパスフィルタにかけ、そのローパスフィルタにかけられた信号から上述のAOピークを検出するステップ、及び/又は、心臓血管の動きを表す前記信号をバンドパスフィルタにかけ、大動脈弁の閉鎖により生じるACピークをそのバンドパスフィルタにかけられた信号から検出するステップ、を含む。
ローパスフィルタリングの上限の周波数は、必ずというわけではないが、例えば、30Hzであり得、バンドパスフィルタリングの通過帯域は、必ずというわけではないが、例えば、40Hzから100Hzまでであり得る。ローパスフィルタリング及び/又はパスバンドフィルタリングはAOピーク及び/又はACピークの検出を容易にする。
特に心房細動の間にバンドパスフィルタリングを用いると、バンドパスフィルタリングが無いときよりもACピークの発見が容易である。
検出されたAOピーク及び/又はACピークは、例えば上述の第2波形を心臓血管の動きを表す信号から抽出するときに利用され得る。
検出されたAOピーク及び/又はACピークは他の多くの目的のためにも、例えば振幅の変化、時間変化、心拍数、収縮間隔、及び/又は拡張間隔を検出するために使用され得る。
【0018】
本発明によって、心臓の機能不全と異常を表す情報を測定するための新しい器械が提供される。
本発明による器械は、
−心臓活動に関連する電磁現象を表す第1信号と心臓血管の動きを表す第2信号を受信するための信号インターフェースと、
−その信号インターフェースに接続されている処理装置であって、
a)前記第1信号からある心拍数を繰り返す第1波形を抽出し、且つ、前記第2信号から前記心拍数を繰り返す第2波形を抽出し、
b)各タイミング値がある1つの心拍周期に属する前記第1波形の基準点から同一の心拍周期に属する前記第2波形の基準点までの時間を表すタイミングデータを作成し、且つ、
c)前記タイミングデータと前記の心拍数を表すペーシングデータとの間の相関を決定する、
ように構成されている前記処理装置と、
を備えており、
その相関が心臓の機能不全と異常を表す。
【0019】
その器械は心臓活動に関連する電磁現象を表す第1信号を測定するための第1センサ素子及び/又は心臓血管の動きを表す第2信号を測定するための第2センサ素子をさらに備え得る。
その第1センサ素子は個体の身体へ装着に適切な電極を備え得る。
その第2センサ素子は、例えば、加速度センサ、圧電センサ、傾斜センサ、圧力センサ、又は力、加速度、変位、若しくは心臓血管の動きに関連し、心臓血管の動きを表す他のあらゆる量の測定に適切な他のあらゆる素子を備え得る。
前記信号インターフェースは適切なセンサ素子を備える外部機器から前記第1信号及び/又は前記第2信号を受信することができるということもあり得、すなわち前記器械は前記第1信号及び/又は前記第2信号を測定するための手段を必ず備えるわけではないことが強調される。
【0020】
本発明の好ましい実施形態による器械は、心臓血管の動きを表す信号をローパスフィルタにかけるためのローパスフィルタとそのローパスフィルタにかけられた信号からAOピークを検出するための手段、例えばプロセッサ、及び/又は心臓血管の動きを表す前記信号をバンドパスフィルタにかけるためのバンドパスフィルタとそのバンドパスフィルタにかけられた信号からACピークを検出するための手段を備える。
【0021】
本発明により、心臓の機能不全と異常を表す情報を測定するための新しいコンピュータプログラムが提供される。
そのコンピュータプログラムは、
−心臓活動に関連する電磁現象を表す第1信号からある心拍数を繰り返す第1波形を抽出し、
−心臓血管の動きを表す第2信号から前記心拍数を繰り返す第2波形を抽出し、
−各タイミング値がある1つの心拍周期に属する前記第1波形の基準点から同一の心拍周期に属する前記第2波形の基準点までの時間を表すタイミングデータを作成し、且つ、
−前記タイミングデータと前記の心拍数を表すペーシングデータとの間の相関を決定する、
プログラミング可能なプロセッサを制御するためのコンピュータが実行可能な命令を備え、
その相関が心臓の機能不全と異常を表す。
【0022】
本発明の好ましい実施形態によるコンピュータプログラムは、
心臓血管の動きを表す信号をローパスフィルタにかけ、そのローパスフィルタにかけられた信号からAOピークを検出する、プログラミング可能なプロセッサを制御するためのコンピュータが実行可能な命令、及び/又は、
心臓血管の動きを表す信号をバンドパスフィルタにかけ、そのバンドパスフィルタにかけられた信号からACピークを検出する、プログラミング可能なプロセッサを制御するためのコンピュータが実行可能な命令を備える。
【0023】
本発明により、新しいコンピュータプログラム製品が提供される。そのコンピュータプログラム製品は、本発明によるコンピュータプログラムが符号化されている不揮発性のコンピュータ可読媒体、例えば、コンパクトディスク「CD」を備える。
【0024】
本発明の多数の好ましい実施形態は添付されている従属請求項に記載される。
構成と操作方法に関する本発明の様々な好ましい実施形態はそれらの追加的な目的及び利点と共に、添付されている図面と関連させて読まれると、具体的な好ましい実施形態の次の記載から最も良く理解される。
「備える(to comprise)」及び「含む(to include)」という動詞は、本書類において、列挙されていない特徴の存在を排除することも必要とすることもない開放的な制限語として使用される。従属請求項において列挙される特徴は、別途明らかに示されていない限り、自由に相互に組合せ可能である。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本発明の好ましい実施形態とそれらの利点が、添付されている図面の参照により以下にさらに詳しく説明される。
図1a】ECG波形の例を示す図である。
図1b】通常はy方向と呼ばれる「頭足」方向で加速度センサにより測定された心臓血管の動きを表す例となる信号の波形を示す図である。
図2a】心臓の機能不全と異常を表す情報を測定するための本発明の好ましい実施形態による方法のフローチャートを示す図である。
図2b】前記の心臓血管の動きを表す信号からAOデータ及び/又はACデータを抽出するための本発明の好ましい実施形態による方法のフローチャートを示す図である。
図3a-3b】図3aは、例となるECG波形を示す図である。図3bは、通常はz方向と呼ばれる「通胸」方向で加速度センサにより測定された、心臓血管の動きを表す例となる信号の波形を示す図である。
図4】心臓の機能不全と異常を表す情報を測定するための本発明の好ましい実施形態による器械の概略図を示す図である。
図5】例となる心房細動の場合の様々な心拍数におけるECG波形のRピークと心臓血管の動きを表す波形の大動脈弁開放「AO」ピークの間の時間差を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1a、図1bは本発明の背景技術を述べたときに既に説明されている。
図2aは心臓の機能不全と異常、例えば心房細動を表す情報を測定するための本発明の好ましい実施形態による方法のフローチャートを示す。
その方法は心臓活動に関連する電磁現象を表す第1信号からある心拍数を繰り返す第1波形をステップ201において抽出することを含む。
その方法は心臓血管の動きを表す第2信号からその心拍数を繰り返す第2波形をステップ202において抽出することを含む。
その第1信号と第2信号は同一の個体から測定される/測定されたものである。
その方法はタイミングデータの各タイミング値がある1つの心拍周期に属する前記第1波形の基準点から同一の心拍周期に属する前記第2波形の基準点までの時間を表すように、そのタイミングデータTDをステップ203において作成することを含む。
その方法はそのタイミングデータTDに少なくとも部分的に基づいて心臓の機能不全と異常の指標をステップ204において測定することを含む。
【0027】
図3aは心臓活動に関連する電磁現象を表す例となる信号の波形を示し、図3bは心臓血管の動きを表す例となる信号の波形を示す。
図3a、図3bに示されている波形は互いに対応し、同一の個体から同時に測定されたものである。
図3aに示されている波形は個体の胸に装着された電極を用いて測定されたECG波形であり、図3bに示されている波形は通常はz方向と呼ばれる「通胸」方向で加速度センサにより測定されたものである。
図4に示されている座標系450がz方向を示す。
【0028】
図3a、図3bは共にタイミングデータTDを定義するための例となる方法を示す。
この例となる場合では、ECG波形に現れ、且つ、心室性筋肉組織の脱分極により生じるRピークは心拍数を繰り返す第1波形を表し、心臓血管の動きを表す波形の大動脈弁開放「AO」ピークは心拍数を繰り返す第2波形を表す。Rピークの頂点がその第1波形の基準点であり、AOピークの頂点がその第2波形の基準点である。
【0029】
本発明の別の好ましい実施形態による方法では、Rピークは前記第1波形を表し、頭足方向で測定された波形に現れ、且つ、大動脈弁を通る左心室から大動脈への血流によって生じるJピークは前記第2波形を表す。
Rピークの頂点はその第1波形の基準点として使用され得、Jピークの頂点はその第2波形の基準点として使用され得る。
【0030】
本発明の1つの好ましい実施形態による方法では、Rピークは前記第1波形を表し、図3bに示されている波形上のMCピークとAOピークの間のバレー310は前記第2波形を表す。
MCピークは僧帽弁の閉鎖によって生じる。
Rピークの頂点は前記第1波形の前記基準点として使用され得、バレー310の最低点は前記第2波形の前記基準点として使用され得る。
【0031】
図3a、図3bは3回の連続する心拍周期、すなわち、「i」が整数であり得る心拍周期「i−1」、心拍周期「i」、及び心拍周期「i+1」を示す。
例えば、心拍周期「i」に関連するタイミング値TD(i)は、図3a、図3bに示されるように、心拍周期「i」のRピークの頂点の瞬間から心拍周期「i」のJピークの頂点の瞬間までの時間である。
【0032】
図2aに示されているステップ204は前記タイミングデータTDと前記の心拍数を表すペーシングデータPDとの間の相関を決定することを含む。
実証的な結果に照らすと、その相関は心臓の機能不全と異常の前記指標として使用され得る。
【0033】
その方法は、前記の心拍数を表すペーシングデータPDを心臓活動に関連する電磁現象を表す波形及び/又は心臓血管の動きを表す波形から検出することをさらに含み得る。
そのペーシングデータの検出は、例えば、ECG波形上の連続するRピーク間の時間の検出を含み得る。
そのペーシングデータの検出は、例えば、心臓血管の動きを表す波形上の連続するAOピーク又はJピークの間の時間の検出を含むこともあり得る。
より信頼できるペーシングデータを得るために1つより多くの波形を活用することができる。
さらに、第3信号が個体の身体から測定され、この第3信号が単独で、又は心臓活動に関連する電磁現象を表す波形及び/又は心臓血管の動きを表す波形と共に前記の心拍数を表すペーシングデータの測定のために用いられることもあり得る。
図3aでは、連続するRピーク間の時間の長さはHB(i−1)、HB(i)、及びHB(i+1)で示されている。
心拍周期「i−1」、「i」、及び「i+1」のペーシングデータはそれぞれ例えばPD(i−1)=1/HB(i−1)、PD(i)=1/HB(i)、及びPD(i+1)=1/HB(i+1)として定義され得る。
【0034】
タイミングデータTDとペーシングデータPDとの間の相関は、例えば、次の式:
【数3】
に従って計算され得る数学的相関係数を用いて表現され得、
式中、
Nは検討中の心拍周期の回数であり、
jは心拍周期内のタイミングデータTDに関してペーシングデータPDの時間差を表す整数であり、
【数4】
である。
【0035】
上記の相関係数C(j)は心臓の機能不全と異常の前記指標として使用され得る。実証的なデータに照らして、相関係数C(j=1)の正の値は心房細動の可能性の上昇を意味し、その相関の負の値は正常状態を表す。
【0036】
図2bは心臓血管の動きを表す信号からAOデータ及び/又はACデータを抽出するための本発明の好ましい実施形態による方法のフローチャートを示す。
前記の心臓血管の動きを表す信号が、通常はz方向と呼ばれる「通胸」方向で加速度センサにより測定されることが好都合である。
その方法は次のステップを含む:
−ステップ211:心臓血管の動きを表す信号をローパスフィルタにかけること、及び/又は心臓血管の動きを表す信号をバンドパスフィルタにかけること、及び
−ステップ212:そのローパスフィルタにかけられた信号からAOピークを検出すること、及び/又はそのバンドパスフィルタにかけられた信号からACピークを検出すること。
【0037】
ローパスフィルタリングの上限の周波数は、必ずというわけではないが、例えば、30Hzであり得、バンドパスフィルタリングの通過帯域は、必ずというわけではないが、例えば、40Hzから最大で100Hzまでであり得る。
ローパスフィルタリング及び/又はパスバンドフィルタリングはAOピーク及び/又はACピークの検出を容易にする。
検出されたAOピーク及び/又はACピークは例えば上述の第2波形を心臓血管の動きを表す信号から抽出するときに利用され得る。
検出されたAOピーク及び/又はACピークは他の多くの目的のためにも、例えば振幅の変化、時間変化、心拍数、収縮間隔、及び/又は拡張間隔を検出するために使用され得る。
【0038】
本発明の好ましい実施形態による方法はAC〜AO間隔の時間の長さを検出すること、及び検出されたAC〜AO間隔の時間の長さの変化の強度を表す時間変化量を計算することを含み、前記のAC〜AO間隔のそれぞれがACピークのうちの1つからAOピークのうちの次の1つまでの時間間隔であり、その時間変化量が心臓の機能不全と異常を表す。
この時間変化量は可能性がある心臓の機能不全と異常の検出の信頼性を上昇させるためにタイミングデータとペーシングデータとの間の上述の相関と共に使用され得る。
しかしながら、この時間変化量は単独でも使用され得る。
【0039】
本発明の好ましい実施形態による方法はAC〜AO間隔の時間の長さとAO〜AO間隔の時間の長さを検出すること、及び同一の心拍周期内のAC〜AO間隔の時間の長さとAO〜AO間隔の時間の長さの間の比率を表す第1比率量を計算することを含む。
前記のAC〜AO間隔のそれぞれはACピークのうちの1つからAOピークのうちの次の1つまでの時間間隔であり、前記のAO〜AO間隔のそれぞれはAOピークのうちの1つからAOピークのうちの次の1つまでの時間間隔であり、その第1比率量が心臓の機能不全と異常を表す。
この第1比率量は可能性がある心臓の機能不全と異常の検出の信頼性を上昇させるためにタイミングデータとペーシングデータとの間の上述の相関と共に使用され得る。
しかしながら、この第1比率量は単独でも使用され得る。
【0040】
本発明の好ましい実施形態による方法はAC〜R間隔の時間の長さとR〜R間隔の時間の長さを検出すること、及び同一の心拍周期内の前記AC〜R間隔の時間の長さと前記R〜R間隔の時間の長さの間の比率を表す第2比率量を計算すことを含む。
前記のAC〜R間隔のそれぞれはACピークのうちの1つからRピークのうちの次の1つまでの時間間隔であり、前記のR〜R間隔のそれぞれはRピークのうちの1つからRピークのうちの次の1つまでの時間間隔であり、その第2比率量が心臓の機能不全と異常を表す。
この第2比率量は可能性がある心臓の機能不全と異常の検出の信頼性を上昇させるためにタイミングデータとペーシングデータとの間の上述の相関と共に使用され得る。しかしながら、この第2比率量は単独でも使用され得る。
【0041】
図5は例となる心房細動の場合の様々な心拍数において得られたタイミングデータの実証的な値を示す。
図5中の各黒点は
a)ある特定の心拍周期内のECG波形のRピークと心臓血管の動きを表す波形の大動脈弁開放「AO」ピークとの間の時間差と
b)先の心拍周期における心拍数と、を表す。
図5に示されている破線501の正の傾きはタイミングデータとペーシングデータとの間の正の相関を示す。
図5から理解することができるように、そのタイミングデータの傾きは心拍数が分当たり約85拍を越えると心拍数とともに上昇する。
正常状態の場合であれば、その傾きは実質的に一定であるか、又は減少する。
【0042】
本発明の好ましい実施形態による方法は、相関係数C(j=1)が閾値よりも大きい状況に応答して心房細動を表す信号を発信することを含む。
その閾値に適切な値は、一群の患者及び/又は他の人間から集められた実証的データに基づいて決定され得る。
その閾値は必ずしも一定というわけではなく、その閾値は検討中の個体に応じて、時間に応じて、及び/又は他の幾つかの因子に応じて変化し得る。
各閾値が心房細動の特定の可能性、又は他の幾つかの心臓の機能不全及び/又は異常の特定の可能性を表す一連の閾値を設定することも可能である。
幾つかの場合では、その閾値は0であり得る。
【0043】
別の例では、心拍周期「i−1」、「i」、及び「i+1」のペーシングデータはそれぞれPD(i−1)=HB(i−1)、PD(i)=HB(i)、及びPD(i+1)=HB(i+1)と定義され得る。
この場合、相関係数C(j=1)の負の値は心房細動の可能性の上昇を意味し、その相関の正の値は正常状態を表す。
本発明の好ましい実施形態による方法は、相関係数C(j=1)が閾値未満であり、それが、幾つかの場合では、0でありうる状況に応答して心房細動を表す信号を発信することを含む。
【0044】
本発明の好ましい実施形態による方法では、図2aに示されているステップ204は心拍数が実質的に一定であるときのタイミングデータの変化を測定するステップを含む。
実証的なデータに照らして、その変化の程度は心臓の機能不全と異常を表す。
図5では、心拍数が80拍/分であるときのその変化の範囲が垂直の破線部分502によって示されている。
タイミングデータが図3a及び3bに示されるようにRピークとAOピークの間の時間間隔を示すとき、そのタイミングデータは前駆出期「PEP」を示す。
心房細動の期間において連続する心拍周期の間にPEPの確率的な変化があることが気付かれている。
【0045】
上述の変化の程度は、例えば、次の式:
【数5】
に従って計算され得る数学的変化量を用いて表現され得、
式中、
Vはその変化量であり、
Mは検討中の心拍数における検討中のタイミングデータ値の数であり、
【数6】
である。
実証的なデータに照らして、変化量Vは心房細動の間に約10%であり得、正常状態の場合に約1〜2%であり得る。
【0046】
本発明の好ましい実施形態による方法は、変化量Vが閾値よりも大きい状況に応答して心房細動を表す信号を発信するステップを含む。
その閾値に適切な値は、一群の患者及び/又は他の人間から集められた実証的データに基づいて決定され得る。
その閾値は必ずしも一定というわけではなく、その閾値は検討中の個体に応じて、時間に応じて、及び/又は他の幾つかの因子に応じて変化し得る。
各閾値が心房細動の特定の可能性、又は他の幾つかの心臓の機能不全及び/又は異常の特定の可能性を表す一連の閾値を設定することも可能である。
【0047】
本発明の好ましい実施形態による方法は、1回よりも多くの心拍数におけるタイミングデータの変化を検出するステップ、及び心臓の機能不全と異常の前記指標を測定するために検出結果を使用するステップを含む。
例えば、式(3)及び(4)は数回の心拍数における変化量を得るために使用され得、最終的な変化量は、検討中の心拍数に関連する変化量から数学的論理的演算、例えば、算術平均により計算され得る。
【0048】
各ピーク値、例えば1つのAOピークの高さは、極大を捜し求めることによる1つの点であると見なされ得る。
あるいは、そのピーク値は、最初に検討中のピークを含む時間ウィンドウから多数の試料を獲得し、次に、ノイズ効果を軽減するためにそれらの試料の数学的関数、例えば算術平均としてそのピーク値を計算するようにして取得され得る。
その時間ウィンドウは、例えば、100ミリ秒であり得、その時間ウィンドウ内の試料数は、例えば、10以上であり得る。
その時間ウィンドウに基づく方法はデジタルフィルタリングの一例である。
一般に、心臓血管の動きを表す信号及び心臓活動に関連する電磁現象を表す信号におけるノイズ効果を軽減するために用いられ得る多数のデジタル信号処理方法及びアナログ信号処理方法が存在する。
【0049】
本発明の好ましい実施形態による方法は、個体の身体よりセンサ素子を用いて心臓活動に関連する電磁現象を表す第1信号と心臓血管の動きを表す第2信号を測定するステップを所望により含む。
本発明の別の好ましい実施形態による方法は、メモリからこれらの信号を読むステップを含み、その場合、それらの信号は前に測定されており、そのメモリに記録されている。
本発明の好ましい実施形態による方法は、外部データ転送システムからそれらの信号を受信するステップを含む。
したがって、測定は、本発明の実施形態による方法の必須であり、必要なステップというわけではない。
【0050】
図4は心臓の機能不全と異常を表す情報を測定するための本発明の好ましい実施形態による器械の概略図を示す。
その器械は心臓活動に関連する電磁現象を表す第1信号と心臓血管の動きを表す第2信号を受信するための信号インターフェース401を備える。
その器械は前記信号インターフェースに接続されている処理装置402を備える。
その処理装置は、
−前記第1信号からある心拍数を繰り返す第1波形を抽出し、且つ、前記第2信号から前記心拍数を繰り返す第2波形を抽出し、
−各タイミング値がある1つの心拍周期に属する前記第1波形の基準点から同一の心拍周期に属する前記第2波形の基準点までの時間を表すタイミングデータを作成し、且つ、
−前記タイミングデータと前記の心拍数を表すペーシングデータとの間の相関を決定する、
ように構成されており、
その相関が心臓の機能不全と異常を表す。
【0051】
その第1信号は、例えば、心電計「ECG」波形又は誘導的に測定された波形を表し得る。
【0052】
本発明の好ましい実施形態による器械では、処理装置402は、RピークをECG波形から抽出し、且つ、AOピークを心臓血管の動きを表す波形から抽出する、ように構成されている。
この場合、Rピークは前記第1信号上で前記心拍数を繰り返す第1波形を表し、AOピークは前記第2信号上で前記心拍数を繰り返す第2波形を表す。
Rピークの頂点が前記第1波形の基準点であり得、AOピークの頂点が前記第2波形の基準点であり得る。
【0053】
本発明の別の好ましい実施形態による器械では、処理装置402は、RピークをECG波形から抽出し、Jピークを心臓血管の動きを表す波形から抽出する、ように構成されている。
この場合、Rピークは前記第1信号上で前記心拍数を繰り返す第1波形を表し、Jピークは前記第2信号上で前記心拍数を繰り返す第2波形を表す。
Rピークの頂点が前記第1波形の基準点であり得、Jピークの頂点が前記第2波形の基準点であり得る。
【0054】
本発明の好ましい実施形態による器械では、処理装置402は、RピークをECG波形から抽出し、MCピークとAOピークの間の谷を心臓血管の動きを表す波形から抽出する、ように構成されている。
この場合、Rピークは前記第1信号上で前記心拍数を繰り返す第1波形を表し、MCピークとAOピークの間の前記の谷は前記第2信号上で前記心拍数を繰り返す第2波形を表す。
Rピークの頂点が前記第1波形の基準点であり得、前記の谷の最低点が前記第2波形の基準点であり得る。
【0055】
本発明の好ましい実施形態による器械では、処理装置402は、前記タイミングデータと前記ペーシングデータとの間の前記相関の程度を表す相関係数:
【数7】
を計算するように構成されており、
式中、
C(j)はその相関係数であり、
Eは期待値演算子であり、
TDはタイミングデータであり、
μTはタイミングデータの平均であり、
PDはペーシングデータであり、
μPはペーシングデータの平均であり、
jは心拍周期内のタイミングデータに関してペーシングデータの時間差を表す整数である。
【0056】
さらに、処理装置402は、計算された相関係数C(j)を1つ以上の閾値と比較し、且つ、その比較の結果が心臓の機能不全と異常の存在を示す状況に応答して心臓の機能不全と異常を表す信号を発信する、ように構成され得る。
その信号は、例えば、ディスプレー画面406上に示されるメッセージであり得る。
それらの1つ以上の閾値は、前記器械にそのユーザーインターフェースを介して提供され得る調節可能パラメーターであることが好ましい。
【0057】
本発明の好ましい実施形態による器械では、処理装置402は前記第1信号上の連続するRピーク間の時間を検出する、ように構成されている。
検出された時間は前記心拍数に反比例するものとしてその心拍数を表す。
したがって、それらの検出された時間をペーシングデータとして使用することができ、又はそれらの検出された時間を活用してペーシングデータを作成することができる。
【0058】
本発明の好ましい実施形態による器械では、処理装置402は、ペーシングデータの各値が前記心拍数の瞬時値を表すようにペーシングデータを作成し、且つ、相関係数が所定の閾値、例えば0よりも大きい状況に応答して心房細動を表す信号を発信する、ように構成されている。
【0059】
本発明の好ましい実施形態による器械では、処理装置402は、ペーシングデータの各値が1回の心拍周期の時間の長さを表すようにペーシングデータを作成し、且つ、相関係数が所定の閾値、例えば0未満である状況に応答して心房細動を表す信号を発信する、ように構成されている。
【0060】
本発明の好ましい実施形態による器械では、処理装置402は実質的に一定の心拍数に対応するタイミングデータの変化を測定する、ように構成されている。
その処理装置は、
その変化の程度を表す変化量:
【数8】
を測定するように構成され得、
式中、
Vはその変化量であり、
Eは期待値演算子であり、
TDはタイミングデータであり、
μTは検討中の前記心拍数におけるタイミングデータの平均である。
【0061】
さらに、処理装置402は、計算された変化量Vを1つ以上の閾値と比較し、且つ、その比較の結果が心臓の機能不全と異常の存在を示す状況に応答して心臓の機能不全と異常を表す信号を発信する、ように構成され得る。
その信号は、例えば、ディスプレー画面406上に示されるメッセージであり得る。
それらの1つ以上の閾値は、前記器械にそのユーザーインターフェースを介して提供され得る調節可能パラメーターであることが好ましい。
【0062】
本発明の好ましい実施形態による器械では、処理装置402は、1回よりも多くの心拍数におけるタイミングデータの変化を検出し、且つ、それらの1回より多くの心拍数に関連する変化に基づいて心臓の機能不全と異常の指標を測定するように構成されている。
例えば、式(3)及び(4)は数回の心拍数における変化量を得るために使用され得る。
最終的な変化量は、検討中の心拍数に関連する変化量から数学的論理的演算、例えば、算術平均により計算され得る。
【0063】
本発明の好ましい実施形態による器械は個体の身体409から前記第1信号を測定するための第1センサ素子403とその個体の身体から前記第2信号を測定するための第2センサ素子404をさらに備える。
その第1センサ素子と第2センサ素子は、それぞれが、例えば、無線リンク又は有線リンクであり得る1つ以上のデータ転送リンクを介して前記信号インターフェースに接続されている。
センサ素子403及び404から信号インターフェース401へのデータ転送は直接的に、又は例えば電気通信ネットワークなどのデータ転送ネットワーク405を介して起こり得る。
図4に示されている例となる事例では、センサ素子403とセンサ素子404の両方が無線送信機408に接続されている。
処理装置406を備える器械が前記のセンサ素子と一体化していることもあり得る。
この場合、前記信号インターフェースは実際にはセンサ素子403及び404から処理装置402までの単なる配線である。
【0064】
この例となる場合では、第1センサ素子403は個体の身体へ装着に適切な電極を備える。その第1センサ素子は、例えば、増幅器、信号フィルタ、及び/又はアナログデジタル「AD」変換器をさらに備え得る。
第2センサ素子404は、例えば、加速度センサ、圧電センサ、傾斜センサ、圧力センサ、又は力、加速度、変位、若しくは心臓血管の動きに関連し、心臓血管の動きを表す他のあらゆる物理量の測定に適切な他のあらゆる素子を備え得る。
その第2センサ素子は、例えば、増幅器、信号フィルタ、及び/又はアナログデジタル「AD」変換器をさらに備え得る。
加速度センサが、例えば図4に示されている座標系450の3つの互いに直交するx方向、y方向、及びz方向で独立的に動きを測定することができる3軸加速度センサであることが有利である。
この場合、心臓血管の動きを表す第2信号は3つの成分を含み、その第2信号、例えば、そのユークリッドノルム、すなわち、心臓血管の動きを表す3成分ベクトルの絶対値を作成することにより前処理され得る。
【0065】
本発明の好ましい実施形態による器械は、固定された開始時点と固定された終止時点を有する時間ウィンドウ内、又は固定された時間の長さを有し、且つ、時間経過と共に移動するスライディング時間ウィンドウ内で第1信号と第2信号を記録する、ように構成されている。
その器械は、前記の信号を記録するための内部メモリ407を備えることができ、及び/又は、その器械は外部メモリへの接続のためのデータポートを備えることができる。
【0066】
本発明の好ましい実施形態による器械は心臓活動に関連する電磁現象を表す第1信号及び/又は心臓血管の動きを表す第2信号を前処理するための手段を備える。
その前処理は、例えば、呼吸、個体の非心臓血管の動き、外部的理由により引き起こされた振動等により生じた前記第2信号上のノイズの取り消しを含み得る。
その前処理のための手段を、例えば、処理装置402に装備することができ、又はその前処理のための1つ以上の別の処理装置が存在し得る。
【0067】
本発明の好ましい実施形態による器械では、処理装置402は、心臓血管の動きを表す第2信号をローパスフィルタにかけ、上述のAOピークをそのローパスフィルタにかけられた信号から検出する、ように構成されている。
図4に示されている機能ブロック420はそのローパスフィルタリングを表し、機能ブロック422はAOピークの検出を表す。
【0068】
本発明の好ましい実施形態による器械では、処理装置402は、心臓血管の動きを表す第2信号をバンドパスフィルタにかけ、大動脈弁の閉鎖によって生じるACピークをそのバンドパスフィルタにかけられた信号から検出する、ように構成されている。
図4に示されている機能ブロック421はそのバンドパスフィルタリングを表し、機能ブロック422はACピークの検出を表す。
図4に示されている例となる事例では、ローパスフィルタリングとバンドフィルタリングの両方が存在し、機能ブロック422がAOピークとACピークの両方の検出を表す。
ローパスフィルタリングの上限の周波数は、必ずというわけではないが、例えば、30Hzであり得、バンドパスフィルタリングの通過帯域は、必ずというわけではないが、例えば、40Hzから最大で100Hzまでであり得る。
ローパスフィルタリング及び/又はパスバンドフィルタリングはAOピーク及び/又はACピークの検出を容易にする。
検出されたAOピーク及び/又はACピークは利用され得る例えば上述の第2波形を心臓血管の動きを表す信号から抽出するときに.検出されたAOピーク及び/又はACピークは他の多くの目的のためにも、例えば振幅の変化、時間変化、心拍数、収縮間隔、及び/又は拡張間隔を検出するために使用され得る。
【0069】
本発明の好ましい実施形態による器械では、処理装置502はAC〜AO間隔の時間の長さを検出し、且つ、検出されたAC〜AO間隔の時間の長さの変化の強度を表す時間変化量を計算する、ように構成されている。
前記のAC〜AO間隔のそれぞれはACピークのうちの1つからAOピークのうちの次の1つまでの時間間隔であり、前記の時間変化量は心臓の機能不全と異常を表す。
この時間変化量は可能性がある心臓の機能不全と異常の検出の信頼性を上昇させるためにタイミングデータとペーシングデータとの間の上述の相関と共に使用され得る。
しかしながら、この時間変化量は単独でも使用され得る。
【0070】
本発明の好ましい実施形態による器械では、処理装置502はAC〜AO間隔の時間の長さとAO〜AO間隔の時間の長さを検出し、且つ、同一の心拍周期内のAC〜AO間隔の時間の長さとAO〜AO間隔の時間の長さの間の比率を表す第1比率量を計算するように構成されている。
前記のAC〜AO間隔のそれぞれはACピークのうちの1つからAOピークのうちの次の1つまでの時間間隔であり、前記のAO〜AO間隔のそれぞれはAOピークのうちの1つからAOピークのうちの次の1つまでの時間間隔であり、その第1比率量が心臓の機能不全と異常を表す。
この第1比率量は可能性がある心臓の機能不全と異常の検出の信頼性を上昇させるためにタイミングデータとペーシングデータとの間の上述の相関と共に使用され得る。しかしながら、この第1比率量は単独でも使用され得る。
【0071】
本発明の好ましい実施形態による器械では、処理装置502は、AC〜R間隔の時間の長さとR〜R間隔の時間の長さを検出し、且つ、同一の心拍周期内の前記のAC〜R間隔の時間の長さと前記のR〜R間隔の時間の長さの間の比率を表す第2比率量を計算するように構成されている。
前記のAC〜R間隔のそれぞれはACピークのうちの1つからRピークのうちの次の1つまでの時間間隔であり、前記のR〜R間隔のそれぞれはRピークのうちの1つからRピークのうちの次の1つまでの時間間隔であり、その第2比率量が心臓の機能不全と異常を表す。
この第2比率量は可能性がある心臓の機能不全と異常の検出の信頼性を上昇させるためにタイミングデータとペーシングデータとの間の上述の相関と共に使用され得る。
しかしながら、この第2比率量は単独でも使用され得る。
【0072】
処理装置402に、例えば、1つ以上のプロセッサ回路を装備することができ、それらの回路のそれぞれが適切なソフトウェア、例えば特定用途向け集積回路「ASIC」などの専用ハードウェアプロセッサ、又は、例えばフィールドプログラマブルゲートアレイ「FPGA」などの構成可能ハードウェアプロセッサと共に提供されるプログラミング可能なプロセッサ回路であり得る。
【0073】
本発明の好ましい実施形態によるコンピュータプログラムは心臓の機能不全と異常を表す情報を測定するためのソフトウェアモジュールを備える。
それらのソフトウェアモジュールは、
−心臓活動に関連する電磁現象を表す第1信号からある心拍数を繰り返す第1波形を抽出し、
−心臓血管の動きを表す第2信号から前記心拍数を繰り返す第2波形を抽出し、
−各タイミング値がある1つの心拍周期に属する前記第1波形の基準点から同一の心拍周期に属する前記第2波形の基準点までの時間を表すタイミングデータを作成し、且つ、
−前記タイミングデータと前記の心拍数を表すペーシングデータとの間の相関を決定する、
プログラミング可能なプロセッサを制御するためのコンピュータが実行可能な命令を備え、
その相関が心臓の機能不全と異常を表す。
【0074】
本発明の好ましい実施形態によるコンピュータプログラムでは、前記のソフトウェアモジュールは次のもののうちの少なくとも1つを備える:
−心臓血管の動きを表す信号をローパスフィルタにかけ、そのローパスフィルタにかけられた信号からAOピークを検出する、プログラミング可能なプロセッサを制御するためのコンピュータが実行可能な命令、及び/又は
−心臓血管の動きを表す前記信号をバンドパスフィルタにかけ、そのバンドパスフィルタにかけられた信号からACピークを検出する、プログラミング可能なプロセッサを制御するためのコンピュータが実行可能な命令。
【0075】
前記のソフトウェアモジュールは、例えば、適切なプログラミング言語が実装されており、且つ、そのプログラミング言語と前記のプログラミング可能なプロセッサに適切なコンパイラーが実装されているサブルーチン又はファンクションであり得る。
【0076】
本発明の好ましい実施形態によるコンピュータプログラム製品は発明の実施形態によるコンピュータプログラムが符号化されているコンピュータ可読媒体、例えばコンパクトディスク「CD」を備える。
【0077】
本発明の好ましい実施形態による信号は発明の実施形態によるコンピュータプログラムを定義する情報を担持するために符号化される。
【0078】
上記の説明において提供された特定の例は、添付されている特許請求の範囲及び/又は特許請求項の適用可能性を限定するものと解釈されるべきではない。さらに、多くの場合、本発明は心臓の機能不全と異常を検出するための他の技術と共に使用され得ることにも留意されたい。
図1a
図1b
図2a
図2b
図3a-3b】
図4
図5