特許第6571810号(P6571810)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6571810
(24)【登録日】2019年8月16日
(45)【発行日】2019年9月4日
(54)【発明の名称】除塵装置
(51)【国際特許分類】
   B08B 5/00 20060101AFI20190826BHJP
   B08B 1/02 20060101ALI20190826BHJP
【FI】
   B08B5/00 A
   B08B1/02
【請求項の数】1
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2018-12284(P2018-12284)
(22)【出願日】2018年1月29日
(62)【分割の表示】特願2015-197682(P2015-197682)の分割
【原出願日】2015年10月5日
(65)【公開番号】特開2018-83196(P2018-83196A)
(43)【公開日】2018年5月31日
【審査請求日】2018年1月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】500469109
【氏名又は名称】有限会社タクショー
(74)【代理人】
【識別番号】100080746
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 武嗣
(72)【発明者】
【氏名】宇澤 啓
(72)【発明者】
【氏名】久保 孝夫
(72)【発明者】
【氏名】添本 和彦
【審査官】 新井 浩士
(56)【参考文献】
【文献】 特許第5008706(JP,B2)
【文献】 特開2009−204242(JP,A)
【文献】 特開2008−185982(JP,A)
【文献】 特開平10−000439(JP,A)
【文献】 特開2000−323448(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B08B 5/00
B08B 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
厚み寸法が10μm〜200μmの薄いシート状であってかつ連続帯状のワーク(W)にシート張力を与えつつ走行させてワーク端縁(We)に付着した異物を除去する除塵ヘッド(1)を有する除塵装置であって、
上記除塵ヘッド(1)は、上記ワーク端縁(We)が走行通過するためのスリット溝(2)と、圧送エアー供給手段に接続される単数個のエアー供給口(39)と、負圧発生手段に接続される単数個の吸引接続口(59)と、を有し、
上記除塵ヘッド(1)は、上記スリット溝(2)の両溝側面(21)(21)夫々に、上記ワーク端縁(We)に向ってエアーを噴出するための1つの円形状の側面吐出孔(3)、及び、該側面吐出孔(3)から噴出したエアーを吸い込むための2つの円形状の側面吸引孔(5)(5)を、有し、かつ、上記スリット溝(2)の溝底面(20)に、上記ワーク端縁(We)の最外端縁部(Wg)に向かってエアーを噴出するための1つの円形状の底面吐出孔(4)、及び、該底面吐出孔(4)から噴出したエアーを吸い込むための2つの円形状の底面吸引孔(6)(6)を、有し、さらに、上記除塵ヘッド(1)は、2つの上記側面吐出孔(3)(3)及び上記底面吐出孔(4)と上記エアー供給口(39)を連通させるための共通吐出流路(30)と、4つの上記側面吸引孔(5)(5)(5)(5)及び2つの上記底面吸引孔(6)(6)と上記吸引接続口(59)を連通させるための共通吸引流路(50)と、を有し、
上記スリット溝(2)の両溝側面(21)(21)夫々において、2つの上記側面吸引孔(5)(5)、上記側面吐出孔(3)よりも、ワーク走行方向(Y)の上流側・下流側に分離して配設され、かつ、上記スリット溝(2)の溝底面(20)において、2つの上記底面吸引孔(6)(6)が、上記底面吐出孔(4)よりも、上記ワーク走行方向(Y)の上流側・下流側に分離して配設され、
上記スリット溝(2)の両溝側面(21)(21)夫々において、2つの上記側面吸引孔(5)(5)の吸引総面積を、1つの上記側面吐出孔(3)の吐出面積の40倍以上400倍以下に設定して、側面吸引総流量が側面吐出総流量の3倍以上15倍以下となるように構成したことを特徴とする除塵装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、除塵装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、シート状ワークから塵や埃等の異物を除去する除塵装置としては、走行するシー
ト状のワーク表て面に向って超音波エアーを噴出する一対の噴出ノズルと、その一対の噴
出ノズルの間に配設されワーク表て面の異物を吸い込む吸引ノズルと、を備えたものがあ
った(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第2820599号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の除塵装置では、平坦な広い平面上に軽く乗った粉塵等の異物は除去可能であった
。しかし、スリッター刃にて切断されたシート状のワーク端縁(切断端縁)に対しては、
切断によるスリッター粉等の異物が強く付着しているため除去できないといった問題や、
平坦な広いワーク表て面に比べて、ワーク端縁は複雑な箇所であるため効率良く異物を除
去することが至難であるといった問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、薄いシート状のワークの端縁(ワーク端縁)に強く付着している異物を確実に効率良く除去可能な除塵装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、厚み寸法が10μm〜200μmの薄いシート状であってかつ連続帯状のワーク(W)にシート張力を与えつつ走行させてワーク端縁に付着した異物を除去する除塵ヘッドを有する除塵装置であって、上記除塵ヘッドは、上記ワーク端縁が走行通過するためのスリット溝と、圧送エアー供給手段に接続される単数個のエアー供給口と、負圧発生手段に接続される単数個の吸引接続口と、を有し、上記除塵ヘッドは、上記スリット溝の両溝側面夫々に、上記ワーク端縁に向ってエアーを噴出するための1つの円形状の側面吐出孔、及び、該側面吐出孔から噴出したエアーを吸い込むための2つの円形状の側面吸引孔を、有し、かつ、上記スリット溝の溝底面に、上記ワーク端縁の最外端縁部に向かってエアーを噴出するための1つの円形状の底面吐出孔、及び、該底面吐出孔から噴出したエアーを吸い込むための2つの円形状の底面吸引孔を、有し、さらに、上記除塵ヘッドは、2つの上記側面吐出孔及び上記底面吐出孔と上記エアー供給口を連通させるための共通吐出流路と、4つの上記側面吸引孔及び2つの上記底面吸引孔と上記吸引接続口を連通させるための共通吸引流路と、を有し、上記スリット溝の両溝側面夫々において、2つの上記側面吸引孔、上記側面吐出孔よりも、ワーク走行方向の上流側・下流側に分離して配設され、かつ、上記スリット溝の溝底面において、2つの上記底面吸引孔が、上記底面吐出孔よりも、上記ワーク走行方向の上流側・下流側に分離して配設され、上記スリット溝の両溝側面夫々において、2つの上記側面吸引孔の吸引総面積を、1つの上記側面吐出孔の吐出面積の40倍以上400倍以下に設定して、側面吸引総流量が側面吐出総流量の3倍以上15倍以下となるように構成したものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、薄いシート状であってかつ連続帯状のワークの端縁に強く付着しているスリッター粉等の異物を、シート張力を受けて走行中に、確実に除去できる。中間平坦面に比べて複雑な形状である端縁であっても安定した除塵性能を発揮できる。ワーク端縁が除塵ヘッドのスリット溝側面に接触するような不具合が発生せず、ワークの損傷を防止できると共に除塵を連続して効率良く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の使用状態の一例を示す簡略平面図である。
図2】除塵ヘッドの一例を示す平面図である。
図3】除塵ヘッドの一例を示す側面図である。
図4】除塵ヘッドの一例を示す正面図である。
図5図4のA−A断面図である。
図6図4のB−B断面図である。
図7図4のC−C断面図である。
図8】断面正面図である。
図9】作用を説明するための斜視図である。
図10】作用を説明するための断面正面図である。
図11】比較例の作用を説明するための断面正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図示の実施形態に基づき本発明を詳説する。
本発明に係る除塵装置は、図1に示すように、プラスチックフィルムや紙、布等の基材
88から、複数のスリッター刃81を備えた切断手段80によって切断して形成された複数の帯状のワークW,Wの各端縁We,Weに対して、スリッター粉や塵や埃等の異物を除去(除塵)するための複数の除塵ヘッド1,1を備えている。
ワークWは、図示省略の搬送手段によって矢印Y方向に連続帯状体として搬送されている(ワークWは、ワーク走行方向Yに連続帯状に走行している)。ワークWは薄いシート状であって、その厚み寸法は、10μm〜200μmである。
【0010】
図2及び図3に於て、除塵ヘッド1は、矩形ブロック形状のヘッドボディ10を有し、ヘッドボディ10の先端面11に、二点鎖線で図示するシート状のワークWの端縁We(ワーク端縁We)が走行通過するためのスリット溝2が凹設され、ヘッドボディ10の基端面12に、図示省略の吸引ポンプ等の負圧発生手段に吸引配管を介して接続される吸引接続口59が開設されている。
また、除塵ヘッド1は、ヘッドボディ10の外面(外側面)13に開口するネジ孔のエアー供給口39と、そのエアー供給口39に螺着する圧送エアー配管用の接続継手(プラグ)19を備えている。
接続継手19は、図示省略のエアー配管を介してコンプレッサや圧力タンク等の圧送エアー供給手段に接続している。
【0011】
図4乃至図8に於て、スリット溝2は、相互に平行な一対の溝側面21,21と、両溝側面21,21と直角状に接する溝底面(溝奥面)20と、を有する横断面コの字状である。溝側面21は搬送基準姿勢のシート状のワーク端縁Weに平行状かつ対面状に配設される。
なお、図4に於てワークWを図示省略し、また、図5乃至図8に於て、ワークWを二点鎖線で図示している。
【0012】
除塵ヘッド1は、両溝側面21,21夫々に、ワーク端縁Weに向ってエアーを噴出するための1つの円形状の側面吐出孔3と、側面吐出孔3から噴出したエアーや異物を吸い込むための2つの円形状の側面吸引孔5,5と、を有している。
側面吐出孔3及び側面吸引孔5,5は、溝側面21に直交方向に開口している。
【0013】
側面吐出孔3は、スリット長手方向中央位置に設けている。
2つの側面吸引孔5,5は、側面吐出孔3よりも、ワーク走行方向Yの上流側・下流側
に分離して配設されている。
つまり、2つの側面吸引孔5,5は、側面吐出孔3の近傍に配設され、走行中のワーク
端縁Weがスリット溝2に侵入するスリット上流端2a側の側面吸引孔5と、走行中のワ
ーク端縁Weがスリット溝2から退出するスリット下流端2b側の側面吸引孔5と、から
成る。
スリット溝2の一溝側面21Aに設けた側面吐出孔3Aは、ワーク端縁Weの一面Waにエアーを吹き付ける。
スリット溝2の他溝側面21Bに設けた側面吐出孔3Bは、ワーク端縁Weの他面Wbにエアーを吹き付ける。
【0014】
そして、スリット溝2の一溝側面21Aに設けた上流側の側面吸引孔5Aとスリット溝2の他溝側面21Bに設けた上流側の側面吸引孔5B、一溝側面21Aに設けた側面吐出孔3Aと他溝側面21Bに設けた側面吐出孔3B、一溝側面21Aに設けた下流側の側面吸引孔5Cと他溝側面21Bに設けた下流側の側面吸引孔5D、は、スリット長手方向の位置及びスリット溝深さ方向Xの位置を同位置としている。
つまり、スリット溝2の一溝側面21Aに設けた側面吐出孔3A及び2つの側面吸引孔5A,5Cと、他溝側面21Bに設けた側面吐出孔3B及び2つの側面吸引孔5B,5Dは、スリット溝2の幅方向中心線Lを含み、かつ、両溝側面21A,21Bに平行な(図4に一点鎖線で図示する)スリット基準平面Sに関して、対称に設けている。
【0015】
さらに、除塵ヘッド1は、溝底面20に、ワーク端縁Weの最外端縁部Wgに向ってエアーを噴出するための1つの円形状の底面吐出孔4と、底面吐出孔4から噴出したエアーや異物を吸い込むための2つの円形状の底面吸引孔6,6と、を有している。
底面吐出孔4及び底面吸引孔6,6は、溝底面20に直交方向に開口している。
【0016】
底面吐出孔4は、スリット長手方向の中央位置に設けている。
底面吐出孔4及び2つの底面吸引孔6,6の中心は、正面視(図4参照)、スリット溝
2の幅方向中心線L上(スリット基準平面S上)に配設している。
2つの底面吸引孔6,6は、底面吐出孔4よりも、ワーク走行方向Yの上流側・下流側
に分離して配設されている。
つまり、2つの底面吸引孔6,6は、底面吐出孔4の近傍に配設され、スリット上流端
2a側の底面吸引孔6Aと、スリット下流端2b側の底面吸引孔6Bと、から成る。
【0017】
そして、上流側の各側面吸引孔5A,5Bと上流側の底面吸引孔6A、各側面吐出孔3
A,3Bと底面吐出孔4、下流側の各側面吸引孔5C,5Dと下流側の底面吸引孔6B、
は、スリット長手方向位置が同位置である。
【0018】
側面吐出孔3及び底面吐出孔4は、ヘッドボディ10内の共通吐出流路30を介してエアー供給口39(接続継手19)に連通している。
側面吸引孔5及び底面吸引孔6は、ヘッドボディ10内の共通吸引流路50を介して吸引接続口59に連通している。
【0019】
そして、側面吐出孔3の吐出(開口)面積と底面吐出孔4の吐出(開口)面積を同等に
形成している。
また、側面吸引孔5の吸引(開口)面積と底面吸引孔6の吐出(開口)面積を同等に形
成している。
【0020】
さらに、両溝側面21,21夫々において、2つの側面吸引孔5,5の吸引総面積を、1つの側面吐出孔3の吐出面積の40倍以上400倍以下、好ましくは40倍以上250倍以下に設定し、側面吸引総流量が側面吐出流量よりも多くなるように構成している。
【0021】
側面吸引総流量が側面吐出流量よりも多くなるようにとは、より具体的には、側面吸引
総流量が側面吐出流量の3倍以上15倍以下、好ましくは5倍以上10倍以下となるよう
にする。このように設定することによって、異物をワークWから確実に吹き飛ばすことを可能にしながらも、ワークWが溝側面21に接触する虞のあるような極端な溝側面21への接近(悪影響)を確実に防止できる。
また、側面吐出孔3及び側面吸引孔5を円形状とすれば、容易に加工でき、高精度に開口面積を設定可能で、高品質の除塵ヘッド1を得ることができる。
【0022】
また、2つの底面吸引孔6,6の吸引総面積を、1つの底面吐出孔4の吐出面積の40
倍以上400倍以下、好ましくは40倍〜250倍に設定し、底面吸引総流量が底面吐出
流量よりも多くなるように構成している。
【0023】
底面吸引総流量が底面吐出流量よりも多くなるようにとは、より具体的には、底面吸引
総流量が底面吐出流量の3倍以上15倍以下、好ましくは、5倍以上10倍以下となるよ
うにする。
【0024】
また、スリット溝2内でのスリット吸引総流量(側面吸引総量と底面吸引総量の和)が、スリット溝2内でのスリット吐出総流量(側面吐出流量と底面吐出流量の和)の、3倍以上15倍以下、好ましくは5倍以上10倍以下とする。
また、一溝側面21A側の側面吐出孔3Aと他溝側面21Bの側面吐出孔3Bの吐出流量は同じである。
【0025】
また、接続継手19(エアー供給口39)に100kPa以上500kPa以下の圧縮エアーを供給して側面吐出孔3及び底面吐出孔4からエアーを噴出(吐出)させるのが好ましい。
また、吸引接続口59を−10kPa以上−3kPa以下で吸引(真空引き)して側面吸引孔5及び底面吸引孔6からエアーを吸い込むのが好ましい。
【0026】
例えば、側面吸引孔5及び底面吸引孔6の直径を5mmとし、側面吐出孔3及び底面吐
出孔4の直径を0.5mmとして、両溝側面21,21夫々において吸引総面積を吐出面積の200倍に設定し、溝底面20における吸引総面積を吐出面積の200倍に設定し、接続継手19に200kPaの圧縮エアーを供給して側面吐出孔3及び底面吐出孔4からエアーを噴出させると共に、吸引接続口59を−5kPaで吸引(真空引き)して側面吸引孔5及び底面吸引孔6からエアーを吸い込んで、両溝側面21,21夫々において側面吸引総流量が側面吐出流量の5倍となるようにすると共に、溝底面20において底面吸引総流量が底面吐出流量の5倍となるようにする。
【0027】
また、ヘッドボディ10は、共通吐出流路30からスリット溝2の近傍を通ってヘッドボディ10の先端面11近傍まで設けられた2つの溝側面吐出用流路31,31(31A,31B)と、共通吐出流路30から溝底面20近傍まで設けられた溝底面吐出用流路32と、を有している。
2つの溝側面吐出用流路31A,31B夫々に、2つの側面吐出孔3A,3B夫々を1対1で対応させて直交状に連通連結している。溝側面吐出用流路31は横断面円形状であって、直径寸法を側面吐出孔3の直径寸法よりも大きく設定している。
また、溝底面吐出用流路32の先端に、底面吐出孔4を同軸心状に連通連結している。溝底面吐出用流路32は横断面円形状であって、直径寸法を底面吐出孔4の直径寸法よりも大きく設定している。
【0028】
また、ヘッドボディ10は、共通吸引流路50からヘッドボディ10の先端面11近傍まで設けられた4つの溝側面吸引用流路51,51,51,51(51A,51B,51C,51D)と、共通吸引流路50から溝底面20近傍まで設けられた2つの溝底面吸引用流路52,52(図5参照)と、を有している。
4つの溝側面吸引用流路51A,51B,51C,51D夫々に、4つの側面吸引孔5A,5B,5C,5D夫々を、1対1で対応させて直交状に連通連結している。
また、溝側面吸引用流路51は横断面円形状であって、直径寸法を側面吸引孔5の直径寸法と同じに設定している。
また、2つの溝底面吸引用流路52A,52B夫々の先端に、2つの底面吸引孔6A,6B夫々を、1対1で対応させて同軸心状に連通連結している。溝底面吸引用流路52は横断面円形状であって、直径寸法を底面吸引孔6の直径寸法と同じに設定している。
【0029】
なお、本発明は、設計変更可能であって、ヘッドボディ10の外形状は、先端側へ略縮径乃至段階的に径が減少する短円柱型とするも良い。ヘッドボディ10の基端面12にエアー供給口39を設けても良い。ヘッドボディ10の外面(外側面又は外周面)13に吸引接続口59を開設するも良い。
【0030】
次に、本発明の除塵装置の作用(使用方法)について説明する。
図5乃至図8に示すように、スリット溝2内をワーク端縁Weが走行すると、側面吐出
孔3及び底面吐出孔4から噴射した圧縮エアーによって、スリット粉や塵等の異物がワー
クWから吹き飛ばされて分離する。さらに、噴出したエアーとワークWから分離された異
物を、側面吸引孔5及び底面吸引孔6にて吸い込んで、周囲に異物を飛散させることなく
、ワーク端縁Weから異物を除去する。
また、図9に示すように、ワーク端縁Weの両面(表裏面)Wa,Wb及び最外端縁部
Wgに、ワーク走行方向Yの上流側から下流側に向って、エアー吸引、エアー噴出、エア
ー吸引が、順次作用する。
【0031】
ここで、図8に示すように、搬送基準位置で搬送されるワーク端縁Weが、スリット溝
2の溝幅方向Zの中央位置(図4のスリット基準平面S上)を走行するように、除塵ヘッ
ド1を固設している。しかし、ワーク端縁Weは、走行時の振れや振動、シート張力の変
化等によって搬送基準位置から位置ズレして、図10に示すように、スリット基準平面S上(幅方向中心線L上)から、ワーク端縁Weが両溝側面21,21の何れか一方側へ寄ることがある(図例に於ては一溝側面21A側へ接近している)。このようにワークWがスリット溝幅方向Zの一方へ振れたまま走行すると、溝側面21へ摺接(接触)して、損傷する虞れがある。
【0032】
ところが、ワーク端縁Weが一溝側面21Aへ接近すると、ワーク端縁Weと一溝側面21Aの間が狭くなって(吸引が困難になり)一溝側面21Aに設けた2つの側面吸引孔5A,5Cの吸引総流量が低下すると共に、ワーク端縁Weと他溝側面21Bの間が広くなって(吸引が容易になり)他溝側面21Bに設けた2つの側面吸引孔5B,5Dの吸引総流量が増加する。
つまり、一溝側面21A側の吸引流速が遅くなると共に他溝側面21B側の吸引流速が速くなり、ベルヌイの法則(定理)によって、ワーク端縁Weは、他溝側面21B側へ引き寄せられ、一溝側面21Aへの接触が防止される。
【0033】
そして、ワーク端縁Weと一溝側面21Aの間の吸引流速と、ワーク端縁Weと他溝側面21Bの間の吸引流速が同じとなるように(釣り合うように)、ワーク端縁Weがスリット溝幅方向Zに振れつつ次第に振れがおさまって(減衰して)、基準平面S上(幅方向中心線L上)を走行する。或いは、ワーク端縁Weが基準平面Sを中心にスリット溝幅方向(ワーク厚み方向)Zに振れつつも溝側面21へ接触の虞れがあるような極端な接近(偏り)することなく走行する。
【0034】
例えば、図11に示す比較例の除塵ヘッド9のように、スリット溝92の両溝側面91,91夫々に、側面吐出孔93のみを設けた(側面吸引孔5を設けていない)場合は、ワーク端縁Weが基準平面S上から一溝側面91Aへ接近すると、ワーク端縁Weと一溝側面91Aの間が狭くなってスリット溝92の両端92a,92bへ向って流れる(一溝側面91A側の)吐出流速が速くなると共に、ワーク端縁Weと他溝側面91Bの間が広くなってスリット溝92の両端92a,92bへ向って流れる(他溝側面91B側の)吐出流速が遅くなり、ワーク端縁Weは、ベルヌイの法則によって、一溝側面91Aに極端に引き寄せられた状態で保持され、ワークWが僅かに振れると一溝側面91Aに接触し、ワークWが損傷する。
【0035】
ここで、図10に於て、ワークWが、スリット溝幅方向Zに移動することで、各側面吐出孔3,3の噴出エアーの流速は変化するが、各側面吐出孔3,3の両側近傍に側面吸引孔5,5を設けているため、噴出エアーがワーク端縁Weに接するように流れた後、直ぐに側面吸引孔5,5へ吸引されることとなり、噴出エアーの流速がワーク端縁Weに作用する範囲が(図11の比較例に比べて)十分に小さく(短く)なる。
したがって、噴出エアーの流速は、吸引エアーの流速に比べて、ワークWへの影響が非
常に小さく、ワーク端縁Weの引き寄せ作用は、吸引エアーの流速の変化によって発生す
る(起因する)。
【0036】
そして、上述した側面吐出面積(側面吐出流量)に対する側面吸引総面積(側面吸引総
流量)の倍率や、スリット吐出総流量に対するスリット吸引総流量の倍率について、下限
値未満であると、ワーク端縁Weがスリット溝幅方向Zに振れた際に、噴出エアーの流速
の変化がワーク端縁Weに悪影響を及ぼす虞が高くなり、上限値を越えると、噴出エアー
と吸引エアーのバランスが崩れてワーク端縁Weの走行が不安定になりやすく、また、噴
出エアーにより異物吹き飛ばし(剥離)効果が小さくなる虞がある。
【0037】
以上のように本発明の除塵装置は、厚み寸法が10μm〜200μmの薄いシート状であってかつ連続帯状のワークWにシート張力を与えつつ走行させてワーク端縁(We)に付着した異物を除去する除塵装置であって、上記ワーク端縁Weが走行通過するためのスリット溝2を有する除塵ヘッド1を備え、除塵ヘッド1は、スリット溝2の両溝側面21,21夫々に、ワーク端縁Weに向ってエアーを噴出するための1つの側面吐出孔3、及び、側面吐出孔3から噴出したエアーを吸い込むための2つの側面吸引孔5,5を、有し、2つの側面吸引孔5,5は、側面吐出孔3よりも、ワーク走行方向Yの上流側・下流側に分離して配設され、2つの側面吸引孔5,5の吸引総面積を、1つの側面吐出孔3の吐出面積の40倍以上400倍以下に設定して、側面吸引総流量が側面吐出流量よりも多くなるように構成したので、薄いシート状のワークWの端縁Weに強く付着しているスリッター粉等の異物を、確実に除去できる。中間平坦面のみに比べて複雑な形状である端縁であっても安定した除塵性能を発揮できる。ワーク端縁Weが除塵ヘッド1のスリット溝2の溝側面21に接触するような不具合が発生せず、ワークWの損傷を防止できると共に除塵を連続して効率良く行うことができる。除塵工程(除塵装置)による不具合が発生せず、図1に示したような基材88の切断工程において、切断を停止することなく、連続して基材88を切断できる。
【符号の説明】
【0038】
1 除塵ヘッド
2 スリット溝
3 側面吐出孔
底面吐出孔
5 側面吸引孔
底面吸引孔
21 溝側面
30 共通吐出流路
39 エアー供給口
50 共通吸引流路
59 吸引接続口
We ワーク端縁
Y ワーク走行方向
図1
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図11