特許第6571812号(P6571812)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6571812透光部、透光部を有する電飾装置、および透光部の作成方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6571812
(24)【登録日】2019年8月16日
(45)【発行日】2019年9月4日
(54)【発明の名称】透光部、透光部を有する電飾装置、および透光部の作成方法
(51)【国際特許分類】
   G09F 13/18 20060101AFI20190826BHJP
   G09F 13/20 20060101ALI20190826BHJP
   F21V 8/00 20060101ALI20190826BHJP
   A63F 7/02 20060101ALN20190826BHJP
   A63F 5/04 20060101ALN20190826BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20190826BHJP
【FI】
   G09F13/18 Q
   G09F13/20 L
   F21V8/00 310
   !A63F7/02 304D
   !A63F5/04 512
   !A63F5/04 601Z
   F21Y115:10
【請求項の数】8
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-15471(P2018-15471)
(22)【出願日】2018年1月31日
(65)【公開番号】特開2019-133027(P2019-133027A)
(43)【公開日】2019年8月8日
【審査請求日】2018年1月31日
(73)【特許権者】
【識別番号】308033283
【氏名又は名称】株式会社スクウェア・エニックス
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【弁理士】
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100130409
【弁理士】
【氏名又は名称】下山 治
(74)【代理人】
【識別番号】100134175
【弁理士】
【氏名又は名称】永川 行光
(72)【発明者】
【氏名】青木 聡一
【審査官】 大澤 元成
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−234906(JP,A)
【文献】 特開2009−192915(JP,A)
【文献】 実開昭61−126291(JP,U)
【文献】 実開昭55−133462(JP,U)
【文献】 特開2012−79600(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 13/00−13/46
F21V 8/00
A63F 7/02
A63F 5/04
F21Y 115/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電飾装置の透光部であって、
第1面と、前記第1面と反対の第2面と、を有する第1部材と、
前記第1部材の第1面に重ねて固定された第2部材と、
前記第1部材の第2面に重ねて固定された第3部材と、を備え、
前記第1部材は、前記第1部材の第1面と第2面に略垂直な第3面を有し、
前記第2部材は、前記第1部材の第1面に重ねられる第1面と、前記第2部材の第1面に略垂直な第3面と、を有し、前記第2部材の第1面と第3面との境界部分は、第1面取面であり、
前記第3部材は、前記第1部材の第2面に重ねられる第1面と、前記第3部材の第1面に略垂直な第3面と、を有し、前記第3部材の第1面と第3面との境界部分は、第1面取面であり、
前記第1部材の第3面、前記第2部材の第1面取面の少なくとも一部、および前記第3部材の第1面取面の少なくとも一部は、同一の空間に対向しており
前記空間には、光源が配置され
前記第1部材は、前記第1部材の第3面と反対の第4面を有し、
前記第2部材は、前記第2部材の第1面と反対の第2面と、前記第2部材の第3面と反対の第4面と、を有し、前記第2部材の第2面と第4面との境界部分は、第2面取面であり、
前記第3部材は、前記第3部材の第1面と反対の第2面と、前記第3部材の第3面と反対の第4面と、を有し、前記第3部材の第2面と第4面との境界部分は、第2面取面であり、
前記第1部材の第4面、前記第2部材の第4面と第2面取面、および前記第3部材の第4面と第2面取面は、平面である、
ことを特徴とする電飾装置の透光部。
【請求項2】
前記第1部材、前記第2部材、および前記第3部材は、板状である、ことを特徴とする請求項1に記載の電飾装置の透光部。
【請求項3】
前記第1部材、前記第2部材、および前記第3部材は、半透明である、ことを特徴とする請求項1または2に記載の電飾装置の透光部。
【請求項4】
前記第1部材は、前記第3面と反対の第4面を有し、
前記第1部材の第3面、および前記第1部材の第4面の少なくとも1つは、光拡散機能が付与されている、ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の電飾装置の透光部。
【請求項5】
前記第2部材の第4面、前記第2部材の第2面取面、前記第3部材の第4面、および、前記第3部材の第2面取面の少なくとも1つは、光拡散機能が付与されている、ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一項に記載の電飾装置の透光部。
【請求項6】
前記第1部材の第1面の前記空間側の端部の位置は、前記第2部材の第1面の前記空間側の端部の位置と異なり、
前記第1部材の第2面の前記空間側の端部の位置は、前記第3部材の第1面の前記空間側の端部の位置と異なる、
ことを特徴とする請求項1ないしのいずれか一項に記載の電飾装置の透光部。
【請求項7】
請求項1ないしのいずれか一項に記載の透光部と、前記空間に配置された光源と、を備える電飾装置。
【請求項8】
請求項1に記載の電飾装置の透光部を作製する方法であって、
3つの部材を準備すること、
前記部材のうちの2つ部材に対して、面取り加工すること、
面取り加工された前記2つの部材の面取面を端部に有する面同士を対向させ、その間に前記部材のうちの残りの部材を挿入すること、および
前記3つの部材を重ねて接着剤で固定すること、を含む、ことを特徴とする作製方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電飾装置の透光部に関に関する。
【背景技術】
【0002】
各種の商業施設などにおいて、光の列を想起させる電飾装置が使用されている。たとえば、ゲーム機などの遊戯機器の筐体に設置されている電飾部やタイトルパネルに、種々の色やパターンで点灯や点滅しているものがあり、集客効果を向上させるためやゲームの雰囲気を盛り上げる演出のために使用されている。
【0003】
特許文献1には、筐体に電飾装置を備えるゲーム機が開示されている。また、特許文献2には、複数の発光ダイオード(LED)を用いた電飾装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−130378号公報
【特許文献2】特開平10−083148号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電飾装置では、光源を半透明の透光部によって覆い、光源からの光を透光部で拡散(散乱)させて、透光部から光を出射している。複数の光源が使用される電飾装置において、隣り合う光源の間は非発光領域となるため、点灯時に透光部で光が点状に視認される(粒感を与える)ことがあった。ここでいう点状に視認(粒感)とは、目視などで透光部を確認したときに、複数の光源が個々に独立して確認されることをいう。
【0006】
透光部からの光を、点状でなく(粒感を出さず)、面状(大きな面積)に視認させる方法としては、隣り合う光源の間隔を短くする方法、光源と透光部との距離を長くする方法などがある。しかしながら、光源の間隔を小さくすると、光源の数が多くなり、消費電力および製造コストの増加が生じる。また、電飾装置の設置対象または設置場所によっては、奥行方向に空間が取れないため、光源と透光部との距離を長くできないことがあった。
【0007】
本発明は、面状に光っているように視認させることができる電飾装置の透光部を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の目的を達成するために、例えば、本発明の電飾装置の透光部は以下の構成を備える。すなわち、
電飾装置の透光部であって、
第1面と、前記第1面と反対の第2面と、を有する第1部材と、
前記第1部材の第1面に重ねて固定された第2部材と、
前記第1部材の第2面に重ねて固定された第3部材と、を備え、
前記第1部材は、前記第1部材の第1面と第2面に略垂直な第3面を有し、
前記第2部材は、前記第1部材の第1面に重ねられる第1面と、前記第2部材の第1面に略垂直な第3面と、を有し、前記第2部材の第1面と第3面との境界部分は、第1面取面であり、
前記第3部材は、前記第1部材の第2面に重ねられる第1面と、前記第3部材の第1面に略垂直な第3面と、を有し、前記第3部材の第1面と第3面との境界部分は、第1面取面であり、
前記第1部材の第3面、前記第2部材の第1面取面の少なくとも一部、および前記第3部材の第1面取面の少なくとも一部は、同一の空間に対向している、
ことを特徴とする電飾装置の透光部。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、面状に光っているように視認させることができる電飾装置の透光部を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態に係る電飾装置の透光部の斜視図。
図2】本実施形態に係る透光部を備える電飾装置の部分拡大した概略図。
図3】本実施形態に係る透光部のa−a断面図。
図4】本実施形態に係る透光部のa−a断面における分解断面図。
図5】本実施形態に係る透光部の側面図。
図6】別の実施形態に係る電飾装置の透光部の側面図。
図7】本実施形態に係る電飾装置の透光部の固定前の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を適用できる実施形態を図面に基づいて説明する。ただし、本発明の範囲は以下の実施形態に限定されるものではない。
【0012】
本実施形態に係る電飾装置の透光部は、第1部材と、第1部材に重ねて固定される第2部材および第3部材と、を備えている。第1部材は重ね面に略垂直な面を有し、第2部材は重ね面に略垂直な面と、この面に隣接する面取面とを有し、第3部材は重ね面に略垂直な面と、この面に隣接する面取面とを有し、第1部材の面、第2部材の面取面、および第3部材の面取面は、同一の空間に対向している。
【0013】
本実施形態に係る電飾装置の透光部は、第1部材の面、第2部材の面取面、および第3部材の面取面が対向する空間に光源を配置して利用されるものであり、光源と、透光部の入射光端面との間に空間を有することで、第1部材、第2部材、および第3部材の間の明暗のバランスが取れ、透光部が面状に光っているように視認させることができるものである。
【0014】
(本実施形態に係る電飾装置の透光部)
図1は、本実施形態に係る電飾装置の透光部の斜視図を示す。電飾装置の透光部10は、第1部材11と、第2部材12と、第3部材13と、を含んでいる。一実施形態において、第1部材11、第2部材12、および第3部材は、板状材料から形成されている。ここで、第1部材11、第2部材12、および第3部材の積層方向をX軸方向とし、透光部10の長手方向をY軸方向とし、X軸およびY軸と直交する方向をZ軸方向とする。
【0015】
第1部材11、第2部材12、および第3部材を構成する各々の板状材料は、同じ材料であっても、異なる材料であってもよい。一実施形態において、板状材料は、半透明(乳白色)の材料で構成される。たとえば、板状材料としては、アクリル樹脂、ポリカーボネートなどの有機材料、ガラスなどの無機材料、または、シリコーンなどの無機および有機の両方の特性を併せもつ材料などが例示される。
【0016】
一実施形態において、電飾装置の透光部10は、Y軸方向の両端部にZ軸方向に段差を有しており、この段差は電飾装置の設置対象に取り付ける取付部14である。取付部14は、設置対象に応じて、透光部10における位置および形状が変更され得、透光部10を設置対象に接着剤などで固定する場合や、設置対象へ他の固定手段で固定する場合は、取付部14を設けないこともできる。
【0017】
図2は、本実施形態に係る透光部を備える電飾装置の部分拡大した概略図を示す。つまり、図2は、図1に示す透光部10を備える電飾装置の端部側を含む部分を拡大した概略図である。電飾装置は、透光部10および光源15を含んでおり、透光部10は、光源15を覆うように配置されている。透光部10に、Z軸方向と略平行な方向から光源15の光が入射され、矢印cのように透光部10の種々の面から光が出射される。
【0018】
一実施形態において、光源15としては、たとえば、発光ダイオード(LED)が挙げられ、複数のLEDが略等間隔で配置され、連結された線状発光体が挙げられる。一実施形態において、線状発光体は、直径約3mmのLEDが約16mm間隔で配置されたものが例示される。また、後述するように、透光部10は、設置対象の設置部分の形態に応じて、直線状形状、湾曲形状または屈曲形状など種々形態とされ得、光源15としては、複数のLEDがシリコーンチューブなどに挿入されたフレキシブルな線状発光体が利用され得る。
【0019】
一実施形態において、光源15は接続部16に連結されており、接続部16は、光の色や点灯や点滅のパターンなどを制御する制御部(図示せず)および電源(図示せず)に接続される。たとえば、全体として光源の光が一定方向に面状に流れているよう視認できるように、制御部は、線状発光体の各光源に供給される電力を制御することができるものである。
【0020】
次に、透光部10を構成する第1部材11、第2部材12、および第3部材13について説明する。図3は、図1の本実施形態に係る透光部のa−a断面図を示す。なお、本実施形態に係る透光部の説明の便宜上、図3は光源15も示している。また、図4は、図1の本実施形態に係る透光部のa−a断面における分解断面図を示す。
【0021】
(第1部材)
第1部材11は、第1面17と、第1面17と反対の第2面18と、光源15と対向する第3面19と、第3面19と反対の第4面20と、を有している。一実施形態において、第1面17および第2面18と、第3面19および第4面20とは、略垂直である。
【0022】
一実施形態において、第1部材の第3面19および第4面20には、光源15が発する光をさらに拡散(散乱)させるために、光拡散(光散乱)機能を付与することができる。たとえば、光拡散(光散乱)機能は、第1部材の第3面19および第4面20に、ローレット加工などにより凹凸を形成すること、光を拡散(散乱)させるシートまたは膜を設けること、または、着色することで付与される。
【0023】
(第2部材、第3部材)
第2部材12は、第1部材に重ねて固定されるもので、第1部材の第1面17に重ねられる第1面21と、第2部材の第1面21と反対の第2面22と、光源15側の第3面23と、第2部材の第3面23と反対の第4面24と、を有している。第2部材の第1面21と第3面23との境界部分は、面取り加工された第1面取面25である。一実施形態において、第2部材の第2面22と第4面24との境界部分も、面取り加工された第2面取面26である。一実施形態において、第2面21および第2面22と、第3面23および第4面24とは、略垂直である。
【0024】
第3部材13は、第1部材に重ねて固定されるもので、第1部材の第2面18に重ねられる第1面27と、第3部材の第1面27と反対の第2面28と、光源15側の第3面29と、第3部材の第3面29と反対の第4面30と、を有している。第3部材の第1面27と第3面29との境界部分は、面取り加工された第1面取面31である。一実施形態において、第2部材の第2面28と第4面30との境界部分も、面取り加工された第2面取面32である。一実施形態において、第2面27および第2面28と、第3面29および第4面30とは、略垂直である。
【0025】
本実施形態に係る透光部10は、第1部材の第3面19、第2部材の第1面取面25の少なくとも一部、および第3部材の第1面取面31の少なくとも一部が、同一の空間に対向しているものである。別の表現をすれば、第2部材の第3面23、および、第3部材の第3面29が、第1部材の第3面19より光源15側に位置するものである。つまり、透光部10は、第2部材の面取面25、第1部材の第3面19、および第3部材の面取面31によって形成された凹み形状を備えるもので、上記空間に配置される光源15を凹み形状で離間して覆うものである。透光部10が、このような凹み形状を有することで、光源15と、入射光端面との間に空間ができ、第1部材、第2部材、および第3部材の間の明暗のバランスが取れ、透光部10が面状に光っているように視認させることができる。
【0026】
一実施形態において、第2部材の第4面24および第2面取面26、および第3部材の第4面30および第2面取面32には、光源15が発する光をさらに拡散(散乱)させるために、第1部材と同様の光拡散(光散乱)機能を付与することができる。たとえば、第2部材の第4面24および第2面取面26、および第3部材の第4面30および第2面取面32に、ローレット加工などにより凹凸を形成することができる。一実施形態において、第2部材の第1面取面25、および第3部材の第1面取面31は、面取り加工のままとすることができる。
【0027】
(各部材の寸法)
図5は、本実施形態に係る透光部の側面図を示す。図5は、図1に示す矢印b側から見た側面図である。以下の説明は、一実施形態における透光部10の各部材11、12、13の寸法の例示であって、これに限定されるものでない。
【0028】
第1部材11、第2部材12、および第3部材13の厚さt1、t2、t3は、一実施形態において2mm以上、別の実施形態において3mm以上であり、一実施形態において10mm以下、別の実施形態において7mm以下である。厚さt1、t2、t3は、同じ厚さであっても、異なる厚さであってもよい。たとえば、厚さt1、t2、t3はいずれも5mmが例示される。
【0029】
第1部材11のZ軸方向の長さL1は、一実施形態において5mm以上、別の実施形態において8mm以上であり、一実施形態において20mm以下、別の実施形態において15mm以下である。たとえば、長さL1は、12mmが例示される。
【0030】
第2部材の第3面23と第2部材の第4面24の間の長さL2、または、第3部材の第3面29と第3部材の第4面30の間の長さL2は、一実施形態において7mm以上、別の実施形態において10mm以上であり、一実施形態において30mm以下、別の実施形態において20mm以下である。たとえば、長さL2は、15mmが例示される。
【0031】
第2部材の第3面23、および、第3部材の第3面29は、第1部材の第3面19より光源15側に位置しており、第2部材の第3面23、および、第3部材の第3面29は、略同一平面内に位置することができる。第2部材の第3面23および第3部材の第3面29の少なくとも一方と、第1部材の第3面19との段差(L2−L1)は、一実施形態において2mm以上、別の実施形態において3mm以上であり、一実施形態において10mm以下、別の実施形態において5mm以下である。たとえば、段差は、3mmが例示される。一方、第1部材の第4面20、第2部材の第4面24、および第3部材の第4面30は、略同一平面内に位置することができる。
【0032】
第2部材の第1面取面25、および第3部材の第1面取面31は、一実施形態においてC3以上、別の実施形態においてC4以上であり、一実施形態においてC8以下、別の実施形態においてC6以下である。第2部材の第2面取面26、および第3部材の第2面取面32は、一実施形態においてC2以上、別の実施形態においてC3以上であり、一実施形態においてC7以下、別の実施形態においてC5以下である。一実施形態において、第2部材の第1面取面25、および第3部材の第1面取面31は、第2部材の第2面取面26、および第3部材の第2面取面32より大きく面取りされることができる。
【0033】
一実施形態において、透光部10の取付部14における、第1部材の取付面33、第2部材の取付面34および第3部材の取付面35は、略同一平面内に位置することができる。また、これらの取付面33、34、35には、光源15が発する光をさらに拡散(散乱)させるために、光拡散(光散乱)機能を付与してもよい。
【0034】
(透光部の形態)
図6は、別の実施形態に係る電飾装置の透光部の側面図を示す。図6は、X軸方向から見た側面図である。透光部10は、図1に示すような直線状形状のみならず、設置対象に応じてZ軸方向、およびX軸方向の少なくとも一方に湾曲または屈曲した形状とすることができる。図6は、透光部10がZ軸方向に湾曲した形状であるものを示している。
【0035】
(透光部の作製方法)
本実施形態に係る透光部の作製方法は、(1)3つの部材を準備すること、(2)3つの部材のうちの2つの部材に面取り加工すること、(3)面取り加工された2つの部材の面取面を端部に有する面同士を対向させ、その間に残りの1つの部材を挿入すること、(4)3つの部材を重ねて接着剤で固定すること、を含む。
【0036】
一実施形態において、3つの部材は板状材料で構成される。たとえば、板状材料は板厚5mmの半透明の板状アクリル樹脂が例示される。
【0037】
一実施形態において、2つの部材の面取り加工は、切断、切削などで行われる。図7は、図1の本実施形態に係る電飾装置の透光部の固定前の斜視図を示す。図7において、面取り加工される2つの部材である、第2部材12および第3部材13には、複数の加工が施されている。2つの部材に面取り加工することは、第2部材12の第1面21と第3面23との境界部分、および第3部材13の第1面27と第3面29との境界部分を面取り加工することである。一実施形態において、図7に示すように、部材の固定前に、第1部材11、第2部材12、および第3部材13に他の加工(面取り加工、光拡散機能を付与する加工、取付部の形成など)を施すことができる。また、ここで採用される加工方法は、特に限定されるものでない。
【0038】
一実施形態において、面取り加工された2つの部材の面取面を端部に有する面同士を対向させ、その間に残りの部材を挿入することは、たとえば、図7に示すように、第2部材12の第1面取面25を端部に有する第1面21と、第3部材13の第1面取面31を端部に有する第1面27とを対向させ、その間に第1部材を挿入することである。
【0039】
一実施形態において、3つの部材を重ねて接着剤で固定することは、たとえば、図7に示すように、第1部材11の第1面17、または、第2部材12の第1面21に接着剤36を塗布して、図1に示すように、両面を重ねあわせて固定すること、および第1部材11の第2面18、または、第3部材13の第1面27に接着剤36を塗布して、図1に示すように、両面を重ねあわせて固定することである。接着剤36は、特に限定されるものでなく、板状部材の材質によって選択される。また、この際に、本実施形態の電飾装置の透光部となるように、第2部材12の第3面23、および、第3部材13の第3面29が、第1部材11の第3面19より光源15側に位置するように固定する。
【0040】
ここで、図3を参照する。図3は、図1に示す透光部のa−a断面図であり、図7に示す第1部材11、第2部材12、および第3部材13を重ねて固定されたものの断面図に相当する。点線丸枠dで示されるように、第1部材11の第1面17の光源側(空間側)の端部の位置が、第2部材12の第1面21の光源側(空間側)の端部の位置と異なり、段差が設けられている。同様に、第1部材11の第2面18の光源側(空間側)の端部の位置が、第3部材13の第1面27の光源側(空間側)の端部の位置と異なり、段差が設けられている。これにより、第1部材と、第2部材および第3部材との固定の際に、接着剤36が、固定面(重ねあわせ面)から広がったとしても、段差部分に留まる。つまり、光の入射端面となり得る、第1部材の第3面19、第2部材の第3面23、第2部材の面取面25、第3部材の第3面29、および第3部材の面取面31に接着剤36が広がることを抑制することができる。これにより、透光部の面状発光がより良くなる。
【0041】
別の実施形態において、第2部材12、および第3部材13は、クランプなどにより固定することができる。このような、第1部材11、第2部材12、および第3部材13の固定を、接着剤を使用しない方法、または接着剤が固定面から広がらない量で接着する方法などの場合、上記の段差を設けなくてもよい。
【0042】
一実施形態に係る透光部の作製方法は、3つの部材を加工および固定するものであるが、たとえば、第2部材および第3部材の重ね合わせ面側、または重ね合わせ面と反対側にさらに部材を固定することもできる。
【0043】
また、透光部を射出成型のような成型などにより作製するには、透光部の形態に応じた金型などが必要となり、設置対象や発光形状に応じて種々の透光部を作製することが困難である。しかし、本実施形態に係る透光部の作製方法は部材を切削加工などして固定するものであるため、図6に示すZ軸方向に湾曲した透光部などの種々の形態の透光部を容易に作製できる。
【0044】
一実施形態において、透過部は、ゲーム機、パチンコ、スロットマシンなどで使用される遊戯機器用透光部、車両用透光部、ディスプレイケースなどで利用され得る。
【符号の説明】
【0045】
10 透光部、11 第1部材、12 第2部材、13 第3部材、14 取付部、15 光源、16 接続部、17 第1部材の第1面、18 第1部材の第2面、19 第1部材の第3面、20 第1部材の第4面、21 第2部材の第1面、22 第2部材の第2面、23 第2部材の第3面、24 第2部材の第4面、25 第1面取面、26 第2面取面、27 第3部材の第1面、28 第3部材の第2面、29 第3部材の第3面、30 第3部材の第4面、31 第1面取面、32 第2面取面、33 第1部材の取付面、34 第2部材の取付面、35 第3部材の取付面、36 接着剤
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7