(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記先端検出手段は、前記搬送方向に対して交差する幅方向に複数、設けられるシート検出手段で構成され、前記複数のシート検出手段それぞれによる検出結果に基づいて、前記先端の搬送方向に対する傾きを検出することを特徴とする請求項2に記載のシート処理装置。
前記検出手段は、前記シートの搬送方向に対して直交する幅方向の複数箇所に設けられた複数の筋検出手段により構成されることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のシート処理装置。
前記制御手段は、前記シートの幅方向に対する前記第2の筋の方向を制御するために、前記検出手段の検出結果に基づいて、前記筋付け手段による前記第2の筋の方向を制御することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のシート処理装置。
前記筋付け手段に搬送されるシートは、該シートに画像を形成する画像形成装置から供給されることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のシート処理装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものでなく、また本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明の解決手段に必須のものとは限らない。なお、同一の構成要素には同一の参照番号を付して、説明を省略する。
【0010】
図1は、画像形成システム10の構成を示す図である。
図1に示すように、画像形成システム10は、画像形成装置100、シート筋付け装置170、フィニッシャ180を含む。画像形成装置100は、シート等の記録媒体に白黒/カラーでの画像形成を行う。本実施形態では、画像形成装置100は、電子写真方式により画像形成を行う構成として説明するが、インクジェット記録方式等、他の記録方式により画像形成を行う構成であっても良い。シート筋付け装置170は、画像形成装置100と接続され、画像形成装置100から排出されたシートに対して筋付け処理を行う。フィニッシャ180は、シート筋付け装置170から排出されたシートに対して筋付け処理以外のフィニッシング処理を行うシート処理装置であり、例えば、シートに対してステイプル処理を行う装置である。なお、画像形成装置100は、フィニッシャ180及び筋付け装置170を接続しないで、単独でも使用可能である。また、画像形成装置100は、筋付け装置170、フィニッシャ180をシート排出装置として一体的に組み込まれて構成されても良い。ここで、ユーザが画像形成装置100に対して各種入力/設定を行うために操作部101に臨む位置を画像形成装置100の正面手前側(以下、手前側)といい、装置背面側を奥側という。
図1は、装置手前側から見た画像形成システム10を示している。筋付け装置170、フィニッシャ180は、画像形成装置100の側部(処理後段側)に順次接続される。
【0011】
画像形成装置100内のカセット110、111から供給されたシートに対して、それぞれ画像形成部を構成するイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの感光ドラム120、121、122、123によって、4色のトナー像が転写される。そして、定着器130に搬送されてトナー画像が定着され、片面の画像形成モードであれば、そのまま排出ローラ対140から装置外に排出される。両面の画像形成モードであれば、シートは、定着器130から反転ローラ150に受け渡される。そして、シートは、シートの搬送方向の後端が反転フラッパ部Pを超えると反転ローラ150を反回転させ、搬送方向と逆の両面搬送ローラ160、161、162、163、164、165の方向へ搬送される。そして、再度、感光ドラム120、121、122、123によって、裏面に4色のトナー像が転写される。両面に転写されたシートは、再度、定着器130に搬送されてトナー画像が定着され、排出ローラ対140から画像形成装置100の装置外に排出される。
【0012】
図2は、画像形成装置100の制御部のブロック構成を示す図である。コントローラ200は、CPU201、ROM202、RAM203を有する。コントローラ200は、原稿給送装置制御部212、イメージリーダ制御部213、画像信号制御部214、プリンタ制御部215、フィニッシャ制御部216、筋付け装置制御部217、外部インタフェース211を制御する。コントローラ200は、ROM202に記憶されているプログラムを読み出して実行することにより、もしくは操作部101の設定に基づいて、コントローラ200に接続されている上記各部を制御する。原稿給送装置制御部212は、原稿を一枚ずつ、イメージリーダの読取位置に給送する原稿給送装置102を制御する。イメージリーダ制御部213は、原稿画像を光学的に読み取るイメージリーダを制御する。イメージリーダは、原稿に対して光を照射する光源、原稿からの反射光を検出するイメージセンサを有する。プリンタ制御部215は、シートに対して画像を形成する画像形成部を制御する。筋付け装置制御部217は、筋付け装置170を制御する。フィニッシャ制御部216は、フィニッシャ180を制御する。
【0013】
本実施形態では、筋付け装置制御部217は筋付け装置170に搭載され、フィニッシャ制御部216はフィニッシャ180に搭載された構成として説明する。しかしながら、このような構成に限定されるものではない。例えば、筋つけ装置制御部217とフィニッシャ制御部216がコントローラ200と一体的に画像形成装置100に設けられ、画像形成装置100側から筋つけ装置170、フィニッシャ180を制御可能なように構成しても良い。
【0014】
RAM203は、制御データを一時的に保持する領域や、制御に伴う演算の作業領域として用いられる。外部インタフェース211は、外部のPC210からのインタフェースであり、例えば、PC210から受信したプリントデータを画像に展開して画像信号制御部214へ出力する。イメージリーダ制御部213から画像信号制御部214へは、イメージリーダのイメージセンサで読み取られた画像データが出力され、画像信号制御部214からプリンタ制御部215へ出力された画像データは、不図示の露光制御部へ入力される。露光制御部は、感光体ドラム上へ照射するレーザーによる露光を制御する。
【0015】
筋付け装置制御部217は、筋付け装置170に搭載され、画像形成装置100のコントローラ200と通信することにより筋付け装置170全体の駆動制御を行う。フィニッシャ制御部216は、フィニッシャ180に搭載され、画像形成装置100のコントローラ200と通信することによりフィニッシャ180全体の駆動制御を行う。筋付け装置制御部217、フィニッシャ制御部216は、筋付け装置170、フィニッシャ180それぞれの装置内のモータおよびセンサの駆動を制御する。
【0016】
図3は、筋付け装置170の断面図である。筋付け装置170は、画像形成装置100から排出されたシートを順に取り込み、取り込んだシートに筋付け処理を行い、下流のフィニッシャ180に受け渡す。筋付け装置170でのシートに対する処理は、画像形成装置100に設けられた操作部101におけるユーザ設定に基づいて動作する。ユーザ設定とは、例えば、筋付け位置、筋付けの本数である。
【0017】
画像形成装置100から排出されたシートは、筋付け装置170の入口ローラ対301に受け渡される。シートは、搬送ローラ対302、303、304により筋付け部305に搬送され、筋付け部305の搬送パスを通過し、装置の前奥側に郤置されたシート先端斜行検知センサ306でシートの斜行量が検知される。そして、その検知結果である斜行量に応じて、装置の前奥側に郤置された斜行補正ローラ対307による搬送量を変化させることにより、シートの斜行が補正される。そして、シートが搬送方向上の所定位置に停止した後、筋付け駆動部308は、筋付け部305を動作させてシートに筋付けを行う。二本目の筋付けを行う場合、シートは、斜行補正ローラ対307により再度搬送される。シートの筋の谷部を装置の前奥側に郤置された筋斜行検知センサ309が検知することにより、筋の斜行量が検知される。そして、その検知結果に基づいて斜行補正ローラ対307の搬送量を変化させることにより、再度、シートの斜行量が補正される。三本目以降の筋付けを行う場合も、二本目の筋付けを行う場合と同様に行われる。
【0018】
筋付けが行われたシートは、搬送ローラ対310、311、排出ローラ対312により搬送され、下流のフィニッシャ180に受け渡される。各部の構成の詳細については後述する。搬送ローラ駆動モータ(M6)313は、入口ローラ対301、搬送ローラ対302、303、304の駆動を制御し、搬送ローラ駆動モータ(M7)314は、搬送ローラ対310、311、排出ローラ対312の駆動を制御する。従動ローラ322、323、324、325、326、327は、各ローラ対のうちの従動ローラである。
【0019】
図4は、筋付け装置制御部217の構成を示す図である。
図4に示すように、筋付け装置制御部217は、CPU401、RAM402、ROM403、入出力部(I/O)406、407、408、通信インタフェース404、ネットワークインタフェース405を有する。I/O406は、搬送制御部409との入出力制御を行う。搬送制御部409は、シートの搬送処理を制御する。搬送制御部409は、搬送ローラ駆動モータ313、314を制御し、入口センサ315、出口センサ316からの検知信号をI/O406へ伝達する。
【0020】
I/O407は、筋付け駆動制御部410との入出力制御を行う。筋付け駆動制御部410は、カム駆動モータ318により、カムシャフト319を介してカム317の駆動を制御する。I/O408は、斜行補正制御部411との入出力制御を行う。斜行補正制御部411は、
図5の斜行補正ローラ駆動モータ(M2)501、斜行補正ローラ駆動モータ(M3)502、シート先端検知センサ320、シート先端斜行検知センサ306、筋斜行検知センサ309からの検知信号をI/O408へ伝遉する。斜行補正制御部411は、斜行補正ローラ駆動モータ501、502により、斜行補正ローラ321を制御する。I/O406、407、408の入力ポートには、各種センサ信号が入力される。I/O406、407、408の出力ポートは、不図示の制御ブロックや、不図示の各種ドライバを介して接続された各駆動系に接続されている。
【0021】
図7は、筋付け部305をシート搬送方向下流側から見た断面図であり、
図8は、筋付け部305を装置正面側から見た図である。ダイプレート701は、筋付け溝702を有している。シャフトガイド703a、703bがダイプレート701に立てられており、可動プレート704、ブレードプレート705をスライド可能に支持している。筋付けブレード706は、ブレードプレート705に設置されており、筋付け溝702と係合してシートに筋付け可能なように構成されている。筋付けされたシートの断面は、
図6に示すように、谷部601を有するものとなる。
【0022】
押圧バネ707a、707b、707cが可動プレート704とブレードプレート705の間に設置されており、
図3のカム317で
図9に示すように可動プレート704を押し下げることで押圧バネ707a、707b、707cがブレードプレート705を押し下げ、筋付けブレード706が筋付け溝702と係合するように構成されている。リリースバネ708a、708bは、押し下げられたブレードプレート705を押し上げるバネであり、ブレードプレート705の上死点はストッパ709a、709bに当接した位置である。また、可動プレート704の上死点はストッパ710a、710bに当接した位置である。筋付けブレード706は、筋付け溝702との係合時には、シート幅方向全域に均等に力がかかるように構成されている。
【0023】
図3の筋付け駆動部308は、筋付け部305の可動プレート704の上面あるいは筋付け部305の可動プレート704の上面を押し下げるカム317、カムシャフト319、カムシャフト319を回転させるカム駆動モータ(M1)318を含む。カムシャフト319の軸中心に対してカム317は偏心しており、可動プレート704の上面を押し下げた位置と押し下げない位置とが回動可能に構成されている。
【0024】
本実施形態におけるシートの斜行補正は、
図3のシート先端検知センサ320、シート先端斜行検知センサ306、筋斜行検知センサ309、斜行補正ローラ対307を含む斜行補正部で行われる。シート先端検知センサ320は、シートの搬送方向の先端位置を検知し、シート先端を検知してから斜行補正ローラ対307によりシートを所定量搬送することで、シート先端からの筋付け位置にシートを位置させるために用いられる。シート先端斜行検知センサ306は、
図5に示すようにシート斜行検知センサ306a、306bとして構成され、搬送されるシートの先端を検知して(シート検出)、2つのセンサの検知時間差から筋付け部305に対するシート先端の斜行量を測定するために用いられる。筋付け部305とシート先端斜行検知センサ306a、306bは平行となるように郤置されている。シート先端斜行検知センサ306a、306bは、光を紙に投射し、反射光の電圧出力値に基づいてシートの先端を検知するセンサである。
【0025】
筋斜行検知センサ309は、
図5に示すように筋斜行検知センサ309a、309bとして構成され、搬送されるシートに付けられた筋の溝を検知して(筋検出)、2つのセンサの検知時間差から筋付け部305に対する筋の斜行量を測定するために用いられる。筋付け部305と筋斜行検知センサ309a、309bは平行となるように郤置されている。筋斜行検知センサ309a、309bは、
図6に示すように、紙面から筋の谷部の底部までの距離D(筋の溝の深さ)を測定する測長センサである。測定した距離Dが最も大きい位置を筋の搬送方向の中心として、前奥側に郤置された各々のセンサで距離Dが最大となったときの時間差に基づいて、筋の斜行量が測定される。
【0026】
図5は、斜行補正部をシート搬送方向下流側から見た図である。上ガイド503、下ガイド504で通紙パス505が形成され、シートを搬送する斜行補正駆動ローラ321a、321b、従動ローラ322a、322bが設けられている。斜行補正駆動ローラ321aは、駆動モータ501から、ギア506a、507a、ローラシャフト508aを介して駆動される。また、斜行補正駆動ローラ321bは、駆動モータ502から、ギア506b、507b、ローラシャフト508bを介して駆動される。シート先端斜行検知センサ306a、306b、筋斜行検知センサ309a、309bにより検知された各斜行量をキャンセルするように、斜行補正駆動ローラ321aと321bに回転速度差をつけることで斜行補正が行われる。
【0027】
[筋付けモードの動作の説明]
以下、本実施形態におけるシートの筋付けモードの動作を説明する。
図11及び
図12は、筋付けモードにおけるシートの筋付け処理を示すフローチャートである。
図11及び
図12に示す処理は、例えば、CPU401がROM403に記憶されたプログラムをRAM402に読み出して実行することにより実現される。但し、S101〜S105の処理については、画像形成装置100のCPU201がROM202に記憶されたプログラムをRAM203に読み出して実行することにより実現される。また、
図11及び
図12の処理全てが画像形成装置100のCPU201がROM202に記憶されたプログラムをRAM203に読み出して実行することにより実現されるようにしても良い。
【0028】
S101において、画像形成装置100の操作部101は、ユーザからメイン画面上で筋付けモードの遥択を受け付ける。筋付けモードの遥択を受け付けると、操作部101は、筋付けモードの設定画面を表示する。S102において、操作部101は、シートサイズ、枚数の遥択を受け付ける。そして、S103において、操作部101は、筋付け本数の入力を受け付け、S104において、筋付け位置の入力を受け付ける。S105において、操作部101は、コピースタートの指示を受け付ける。コピースタートの指示を受け付けると、画像形成装置100においてプリントが開始される。
【0029】
S106において、CPU401は、筋付け装置170の搬送ローラ駆動モータ313、314を駆動させ、入口ローラ対301、搬送ローラ対302、303、304、310、311、出口ローラ対312を回転させる。
【0030】
S107において、シートが画像形成装置100から筋付け装置170へ受け渡されて入口センサ315がONすると、S108において、CPU401は、斜行補正ローラ駆動モータ501、502を駆動させ、斜行補正ローラ321a、321b、従動ローラ322a、322bを回転させる。
【0031】
S109において、シート先端斜行検知センサ306a、306bが、搬送されたシートの先端を検知すると、S110において、CPU401は、不図示のソレノイドにより、従動ローラ323、324、325、326、327をニップ解除状態とする。S111において、CPU401は、シート先端斜行検知センサ306a、306bの検知時間差からシートの斜行量を測定し、斜行補正ローラ321で補正すべき斜行量を取得する。
【0032】
シートは、画像形成装置100内の搬送、および、筋付け装置170内のRのついた搬送路R1を通過することで、搬送路を構成する搬送ガイドの抵抗を受けて斜行しやすい。特に、厚紙は剛度が高いので、搬送ガイドの抵抗を大きく受けやすい。本実施形態では、そのような斜行が発生している場合に筋付け処理前に補正する。
【0033】
S112において、CPU401は、斜行をキャンセルするように斜行補正ローラ駆動モータ501、502により、斜行補正ローラ321a、321bの搬送速度を所定時間、個別に変更して斜行を補正する。S113において、CPU401は、斜行を補正すると、斜行補正ローラ321a、321bをともに同じ搬送速度に変更する。S114において、シート先端検知センサ320がシートの先端を検知すると、S115において、CPU401は、筋付け部305からのシート先端の距離に基づいて、斜行補正ローラ321a、321bを所定量回転させ、シートを筋付け位置まで搬送したか否かを判定する。シートを筋付け位置まで搬送したと判定されるまでS115の処理を繰り返す。シートを筋付け位置まで搬送したと判定されると、S116において、CPU401は、斜行補正ローラ駆動モータ501、502により、斜行補正ローラ321a、321bの回転を停止する。
【0034】
S117及びS118において、CPU401は、カム駆動モータ318を1回転駆動させることにより筋付け処理を行う。つまり、S117においてCPU401は、カム駆動モータ318をONし、S118においてCPU401は、カム駆動モータ318をOFFする。そして、S119において、CPU401は、斜行補正ローラ駆動モータ501、502を駆動させてシートを搬送する。その時点で、
図10(a)及び(b)の筋1001がシートSに付けられる。このように、本実施形態では、筋付け処理前に、シートの斜行量を検知し斜行補正してから筋付け処理を行うので、シート先端に対して筋1001が斜めにならず、
図10(b)に示すように、長さ1011=長さ1021となる。
【0035】
S120において、CPU401は、二箇所目の筋付けを行うか否かを判定する。この判定は、例えば、筋付けモードの設定画面での設定内容に基づいて行われる。二箇所目の筋付けを行うと判定された場合、S121へ進み、二箇所目の筋付けを行わないと判定された場合、S131へ進む。
【0036】
二箇所目の筋付けを行うと判定された場合、S121において、筋斜行検知センサ309a、309bが、搬送されたシートについて、S117及び118で先にシート上に付けられた筋を検知する。S122において、CPU401は、筋斜行検知センサ309a、309bの検知時間差に基づいて筋の斜行量を検出し、その検出結果に基づいて、斜行補正ローラ321a、321bにより補正すべき斜行量を取得する。なお、S122において検出された斜行量が所定の範囲の場合には、斜行補正ローラ321a、321bによる補正を行わないようにしてもよい。
【0037】
一度は斜行補正されたシートであっても、筋付け装置170内のRのついた搬送路R1にシートの後端側がかかった状態で、かつ、先端側が搬送路R2にかかった状態で搬送されるとする。その場合、搬送路を構成する搬送ガイドの抵抗を受けて斜行し、
図10(c)のように斜めに搬送されてしまい、先に付けた筋1001と2回目に付ける筋1002の相対位置関係として、斜めになってしまう可能性が高い。このため、本実施形態では、シートが斜めになったまま、後続の筋付け処理を行わないように、後続の筋付け処理前に再度、斜行状態に応じてシートの斜行補正を行う。
【0038】
S123において、CPU401は、斜行をキャンセルするように斜行補正ローラ駆動モータ501、502により、斜行補正ローラ321a、321bの搬送速度を所定時間個別に変更することにより斜行が所定の範囲内に収まるように補正する。S124において、CPU401は、斜行補正ローラ駆動モータ501、502により、斜行補正ローラ321a、321bをともに同じ搬送速度に変更する。そして、S125及びS126において、CPU401は、斜行補正ローラ321a、321bを所定量回転させて、シートを筋付け位置で停止させる。そして、CPU401は、カム駆動モータ318を1回転駆動させることにより筋付け処理を行う。つまり、CPU401は、S127においてカム駆動モータ318をONし、S128においてカム駆動モータ318をOFFする。その後、S129において、CPU401は、斜行補正ローラ駆動モータ501、502を駆動させてシートを搬送させる。この時点で、
図10(a)及び(b)の筋1002をシートSに付けることができる。
【0039】
なお、本実施形態においては、筋付け部305と筋斜行検知センサ309a、309bの位置を、搬送路中でRとなる部分を挟まないように配置している。これは、筋付け処理後のRを挟んだ位置で筋の斜行を検出すると、R部分でのシートSの屈曲の程度によっては、発生している斜行を正しく検出できない場合があるためである。本実施形態のように筋付け部305と筋斜行検知センサ309a、309bを配置することにより、筋付け処理後の搬送によっても、シートSに発生している斜行を、正しく検出することができる。
【0040】
このように、本実施形態では、筋付け処理前に筋1001の斜行量を検知して斜行補正してから筋1002を付けるので、筋1001に対して筋1002が斜めにならず、長さ1012=長さ1022となる。即ち、筋1001と筋1002とを所定の斜行の範囲内とし、平行性を向上することができる。仮に、この斜行補正を行わずに筋付け処理を行うと、
図10(c)に示すように、筋1001に対して筋1002が斜めになってしまい、長さ1032≠長さ1042となる。
【0041】
S130において、CPU401は、筋付け処理が終了したか否かを判定する。筋付け処理が終了していないと判定された場合、即ち、さらに同じシートの異なる個所に筋付け処理を行う場合、S121からの処理を繰り返す。一方、筋付け処理が終了したと判定された場合、S131に進む。
【0042】
S131において、CPU401は、不図示のソレノイドにより、従動ローラ323、324、325、326、327をニップ状態とする。そして、CPU401は、筋付け装置170からフィニッシャ180へとシートを受け渡す。S132において、出口センサ316が筋付け装置170の装置外への排出完了を検知すると、S133において、CPU401は、斜行補正ローラ駆動モータ501、502により、斜行補正ローラ321a、321bの駆動を停止する。
【0043】
S134において、CPU401は、筋付け処理の対象となる最終シートであるか否かを判定する。最終シートでないと判定された場合、S107からの処理を繰り返す。一方、最終シートであると判定された場合、CPU401は、搬送ローラ駆動モータ313、314を停止させて搬送ローラ対を停止し、ジョブを完了する。その後、
図11及び12の処理を終了する。
【0044】
(その他の実施形態)
本実施形態においては、先端斜行検知センサ306と筋斜行検知センサ309を別体として構成したが、先端斜行検知センサ306を測距センサとして筋斜行検知センサを兼ねる構成としてもよい。この構成とすることにより、一箇所目の筋の斜行検出と斜行補正を行ってから二箇所目の筋付けを行うまでのシート搬送距離を短くできるので、一箇所目と二箇所目の筋の平行性をより向上することが可能となる。さらに、シート先端検知センサ320を筋の通過も検出可能なものとし、シート先端検出センサ320が一箇所目の筋の通過を検出してから所定の距離だけシートを搬送し、二箇所目の筋付けを行ってもよい。この構成とすることにより、一箇所目の筋から二箇所目の筋までの距離の精度を向上することが可能となる。
【0045】
また、前奥側に設置されたシート幅方向(搬送方向と交差(直交)する方向)の複数箇所のセンサ、つまり、シート先端斜行検知センサ306a及び306b、筋斜行検知センサ309a及び309bの代わりに、ラインセンサを用いるようにしても良いし、ユーザが筋付け処理を行ったシートを読取装置で読み取って、斜行の補正をするようにしても良い。
【0046】
以上説明したように、本実施形態によれば、シートに形成された筋同士の平行性を向上することができる。本実施形態では、1箇所目の筋の斜行を検出し、その斜行に応じてシートを補正し、2箇所目の筋付け処理を行なう構成としたが、そのような構成に限られない。例えば、2箇所目の筋付け処理を行なわない場合でも、1箇所目の筋の斜行に応じてシートの斜行を補正する構成としても良い。この構成とすることにより、斜行が少ない状態でシートの搬送を行うことができる。
【0047】
また、上述の実施形態では、1箇所目の筋の斜行を検出し、その斜行に応じてシートの位置を変更する(シートを補正する)構成としている。しかしながら、2箇所目の筋付け処理を行うために、シートの位置を変更する構成に限られず他の構成が用いられても良い。例えば、筋付け部305の向きを変更して、1箇所目の筋に対して斜行が所定の範囲内になるように筋付け処理を行うようにしても良い。そのような場合、例えば、筋付け部305の底部にターンテーブルの構成を設け、筋付け部305が軸に対して回転可能なように構成する。そして、1箇所目の筋の斜行を検出すると、その検出値(例えば、搬送方向に対する角度)に応じて、筋付け部305を回転させるようにする。
【0048】
さらには、斜行補正ローラと筋付け部305の回転を組み合わせた構成としてもよい。