特許第6571836号(P6571836)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6571836
(24)【登録日】2019年8月16日
(45)【発行日】2019年9月4日
(54)【発明の名称】中継システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04L 12/721 20130101AFI20190826BHJP
   H04W 88/16 20090101ALI20190826BHJP
【FI】
   H04L12/721 Z
   H04W88/16
【請求項の数】20
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2018-96897(P2018-96897)
(22)【出願日】2018年5月21日
【審査請求日】2018年10月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】501440684
【氏名又は名称】ソフトバンク株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】田近 明彦
【審査官】 中川 幸洋
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−077866(JP,A)
【文献】 国際公開第2018/002993(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0205959(US,A1)
【文献】 中国特許出願公開第101828362(CN,A)
【文献】 中国特許出願公開第101159905(CN,A)
【文献】 特開2004−172932(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0098448(US,A1)
【文献】 中国特許出願公開第1503538(CN,A)
【文献】 特開2007−173959(JP,A)
【文献】 特開2003−169081(JP,A)
【文献】 特開2009−111437(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0113203(US,A1)
【文献】 中国特許出願公開第101420423(CN,A)
【文献】 特開2014−239306(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 12/00−955
H04W 88/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バックホールに通信接続され、配下の通信端末の通信を中継する中継システムであって、
配下の通信端末によって送信され、前記バックホールを介して通信制御システムに到達し、前記通信制御システムから前記通信端末の通信相手を示す宛先に向けて送信されるべきパケットを受信する第1パケット受信部と、
前記第1パケット受信部が受信した前記パケットを、前記バックホールを介して前記通信制御システムに送信する第1パケット送信部と、
前記第1パケット受信部が受信した前記パケットの宛先が配下の通信端末を示す場合、前記バックホールを介さずに前記通信相手を示す宛先に向けて前記パケットを送信する第2パケット送信部と、
前記通信制御システムによって送信され、前記バックホールを介して配下の通信端末に到達すべきパケットを受信する第2パケット受信部と、
前記第2パケット受信部が受信した前記パケットの送信元が配下の通信端末である場合、前記パケットを前記配下の通信端末に送信せず、前記パケットの送信元が前記配下の通信端末でない場合、前記パケットを前記配下の通信端末に送信する第3パケット送信部と
を備える中継システム。
【請求項2】
前記第3パケット送信部は、前記第2パケット受信部が受信した前記パケットの送信元が配下の通信端末である場合、前記パケットを廃棄する、請求項1に記載の中継システム。
【請求項3】
前記第2パケット送信部は、前記第1パケット受信部が受信した前記パケットの宛先が配下の通信端末を示し、かつ、前記パケットが予め定められた条件を満たす場合、前記バックホールを介さずに前記通信相手を示す宛先に向けて前記パケットを送信し、
前記第3パケット送信部は、前記第2パケット受信部が受信した前記パケットの送信元が配下の通信端末であり、かつ、前記パケットが予め定められた条件を満たす場合、前記パケットを前記配下の通信端末に送信しない、請求項1又は2に記載の中継システム。
【請求項4】
前記予め定められた条件は、前記パケットに含まれるIPアドレス及びポート番号と、前記パケットが準拠するプロトコルとの少なくともいずれかに関する条件である、請求項3に記載の中継システム。
【請求項5】
配下の通信端末に割り当てられているIPアドレスを登録した登録情報を格納する登録情報格納部
を備え、
前記第2パケット送信部は、前記通信相手を示す宛先のIPアドレスが前記登録情報に含まれている場合、当該宛先が配下の通信端末を示すと判定し、
前記第3パケット送信部は、前記第2パケット受信部が受信した前記パケットの送信元のIPアドレスが前記登録情報に含まれている場合、当該宛先が配下の通信端末を示すと判定する、請求項1から4のいずれか一項に記載の中継システム。
【請求項6】
前記第1パケット受信部が受信した前記パケットに含まれる送信元を示すIPアドレスを取得して、前記登録情報に登録する情報取得部
を備える、請求項5に記載の中継システム。
【請求項7】
前記情報取得部は、前記第1パケット受信部が受信した前記パケットのヘッダに含まれる送信元を示すIPアドレスを取得して、前記登録情報に登録する、請求項6に記載の中継システム。
【請求項8】
前記情報取得部は、前記第1パケット受信部が受信した前記パケットのヘッダに含まれる宛先を示すIPアドレスを取得して、前記登録情報に登録する、請求項6又は7に記載の中継システム。
【請求項9】
前記情報取得部は、前記第1パケット受信部が受信した前記パケットがトンネリングプロトコルによってトンネリングされている場合、前記パケットのペイロードに含まれる送信元を示すIPアドレスを取得して、前記登録情報に登録する、請求項6から8のいずれか一項に記載の中継システム。
【請求項10】
前記情報取得部は、前記第1パケット受信部が受信した前記パケットがトンネリングプロトコルによってトンネリングされている場合、前記パケットのペイロードに含まれる宛先を示すIPアドレスを取得して、前記登録情報に登録する、請求項6から9のいずれか一項に記載の中継システム。
【請求項11】
前記情報取得部は、前記第1パケット受信部が受信した前記パケットに含まれるポート番号を取得して、前記登録情報に登録する、請求項6から10のいずれか一項に記載の中継システム。
【請求項12】
前記情報取得部は、前記第1パケット受信部が受信した前記パケットが準拠するプロトコルを、前記登録情報に登録する、請求項6から11のいずれか一項に記載の中継システム。
【請求項13】
前記第2パケット送信部は、前記パケットがトンネリングプロトコルによってトンネリングされている場合、前記パケットのペイロードに含まれる前記通信相手を示す宛先が、配下の通信端末を示すか否かを判定し、
前記第3パケット送信部は、前記パケットがトンネリングプロトコルによってトンネリングされている場合、前記パケットのペイロードに含まれる前記パケットの送信元が、配下の通信端末を示すか否かを判定する、請求項1から12のいずれか一項に記載の中継システム。
【請求項14】
複数の種類のトンネリングプロトコルのそれぞれのヘッダのデータ量を示すヘッダ情報を格納するヘッダ情報格納部
を備え、
前記第2パケット送信部は、前記パケットがトンネリングプロトコルによってトンネリングされている場合、前記トンネリングプロトコルに対応する前記ヘッダ情報を用いて、前記パケットのペイロードから前記通信相手を示す宛先を特定し、
前記第3パケット送信部は、前記パケットがトンネリングプロトコルによってトンネリングされている場合、前記トンネリングプロトコルに対応する前記ヘッダ情報を用いて、前記パケットのペイロードから前記パケットの送信元を特定する、請求項13に記載の中継システム。
【請求項15】
前記第2パケット送信部は、前記パケットの次の宛先を含むヘッダ内の宛先と送信元とを入れ替えることによって、前記パケットを、前記バックホールを介さずに前記通信相手を示す宛先に向けて送信する、請求項1から14のいずれか一項に記載の中継システム。
【請求項16】
前記第2パケット送信部は、前記パケットの次の宛先を示すヘッダがIPv4パケットである場合、前記IPv4パケット内の宛先ポート番号と送信元ポート番号とを入れ替える、請求項15に記載の中継システム。
【請求項17】
前記第2パケット送信部は、前記パケットの次の宛先を示すヘッダがIPv4パケットである場合、前記IPv4パケット内の宛先ポート番号と送信元ポート番号とを入れ替え、かつ、前記IPv4パケット内のチェックサムを再計算する、請求項15に記載の中継システム。
【請求項18】
前記バックホールは、衛星を介する衛星伝送路を含む、請求項1から17のいずれか一項に記載の中継システム。
【請求項19】
バックホールに通信接続され、配下の通信端末の通信を中継する中継システムであって、
配下の通信端末に割り当てられているIPアドレスを登録する登録情報を格納する登録情報格納部と、
配下の通信端末によって送信され、前記バックホールを介して通信制御システムに到達し、前記通信制御システムから前記通信端末の通信相手を示す宛先に向けて送信されるべきパケットを受信する第1パケット受信部と、
前記第1パケット受信部が受信した前記パケットを、前記バックホールを介して前記通信制御システムに送信する第1パケット送信部と、
前記第1パケット受信部が受信した前記パケットがトンネリングプロトコルによってトンネリングされている場合、前記パケットのペイロードに含まれる送信元を示すIPアドレスを取得して、前記登録情報に登録する情報取得部と
を備える中継システム。
【請求項20】
コンピュータを、請求項1から19のいずれか一項に記載の中継システムとして機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中継システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
災害や地形的要因によって携帯電話システムを利用できないエリアを衛星通信システムでカバーすることで通信手段を確保可能な、地上無線通信システムと衛星通信システムを統合したシステムが知られていた(例えば、特許文献1参照)。
[先行技術文献]
[特許文献]
[特許文献1]特開2016−201635号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
任意のバックホールを介した通信サービスを提供する場合に、通信の遅延を低減するとともに、合法的傍受及びデータ通信課金等に対応できる技術を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の第1の態様によれば、バックホールに通信接続され、配下の通信端末の通信を中継する中継システムが提供される。中継システムは、配下の通信端末によって送信され、バックホールを介して通信制御システムに到達し、通信制御システムから通信端末の通信相手を示す宛先に向けて送信されるべきパケットを受信する第1パケット受信部を備えてよい。中継システムは、第1パケット受信部が受信したパケットを、バックホールを介して通信制御システムに送信する第1パケット送信部を備えてよい。中継システムは、第1パケット受信部が受信したパケットの宛先が配下の通信端末を示す場合、バックホールを介さずに通信相手を示す宛先に向けてパケットを送信する第2パケット送信部を備えてよい。中継システムは、通信制御システムによって送信され、バックホールを介して配下の通信端末に到達すべきパケットを受信する第2パケット受信部を備えてよい。中継システムは、第2パケット受信部が受信したパケットの送信元が配下の通信端末である場合、パケットを配下の通信端末に送信せず、パケットの送信元が配下の通信端末でない場合、パケットを配下の通信端末に送信する第3パケット送信部を備えてよい。
【0005】
上記第3パケット送信部は、上記第2パケット受信部が受信した上記パケットの送信元が配下の通信端末である場合、上記パケットを廃棄してよい。上記第2パケット送信部は、上記第1パケット受信部が受信した上記パケットの宛先が配下の通信端末を示し、かつ、上記パケットが予め定められた条件を満たす場合、上記バックホールを介さずに上記通信相手を示す宛先に向けて上記パケットを送信してよく、上記第3パケット送信部は、上記第2パケット受信部が受信した上記パケットの送信元が配下の通信端末であり、かつ、上記パケットが予め定められた条件を満たす場合、上記パケットを上記配下の通信端末に送信しなくてよい。上記予め定められた条件は、上記パケットに含まれるIPアドレス及びポート番号と、上記パケットが準拠するプロトコルとの少なくともいずれかに関する条件であってよい。
【0006】
上記中継システムは、配下の通信端末に割り当てられているIPアドレスを登録した登録情報を格納する登録情報格納部を備えてよく、上記第2パケット送信部は、上記通信相手を示す宛先のIPアドレスが上記登録情報に含まれている場合、当該宛先が配下の通信端末を示すと判定してよく、上記第3パケット送信部は、上記第2パケット受信部が受信した上記パケットの送信元のIPアドレスが上記登録情報に含まれている場合、当該宛先が配下の通信端末を示すと判定してよい。上記中継システムは、上記第1パケット受信部が受信した上記パケットに含まれる送信元を示すIPアドレスを取得して、上記登録情報に登録する情報取得部を備えてよい。上記情報取得部は、上記第1パケット受信部が受信した上記パケットのヘッダに含まれる送信元を示すIPアドレスを取得して、上記登録情報に登録してよい。上記情報取得部は、上記第1パケット受信部が受信した上記パケットのヘッダに含まれる宛先を示すIPアドレスを取得して、上記登録情報に登録してよい。上記情報取得部は、上記第1パケット受信部が受信した上記パケットがトンネリングプロトコルによってトンネリングされている場合、上記パケットのペイロードに含まれる送信元を示すIPアドレスを取得して、上記登録情報に登録してよい。上記情報取得部は、上記第1パケット受信部が受信した上記パケットがトンネリングプロトコルによってトンネリングされている場合、上記パケットのペイロードに含まれる宛先を示すIPアドレスを取得して、上記登録情報に登録してよい。上記情報取得部は、上記第1パケット受信部が受信した上記パケットに含まれるポート番号を取得して、上記登録情報に登録してよい。上記情報取得部は、上記第1パケット受信部が受信した上記パケットが準拠するプロトコルを、上記登録情報に登録してよい。上記第2パケット送信部は、上記パケットがトンネリングプロトコルによってトンネリングされている場合、上記パケットのペイロードに含まれる上記通信相手を示す宛先が、配下の通信端末を示すか否かを判定してよく、上記第3パケット送信部は、上記パケットがトンネリングプロトコルによってトンネリングされている場合、上記パケットのペイロードに含まれる上記パケットの送信元が、配下の通信端末を示すか否かを判定してよい。上記中継システムは、複数の種類のトンネリングプロトコルのそれぞれのヘッダのデータ量を示すヘッダ情報を格納するヘッダ情報格納部を備えてよく、上記第2パケット送信部は、上記パケットがトンネリングプロトコルによってトンネリングされている場合、上記トンネリングプロトコルに対応する上記ヘッダ情報を用いて、上記パケットのペイロードから上記通信相手を示す宛先を特定してよく、上記第3パケット送信部は、上記パケットがトンネリングプロトコルによってトンネリングされている場合、上記トンネリングプロトコルに対応する上記ヘッダ情報を用いて、上記パケットのペイロードから上記パケットの送信元を特定してよい。
【0007】
上記第2パケット送信部は、上記パケットの次の宛先を含むヘッダ内の宛先と送信元とを入れ替えることによって、上記パケットを、上記バックホールを介さずに上記通信相手を示す宛先に向けて送信してよい。上記第2パケット送信部は、上記パケットの次の宛先を示すヘッダがIPv4パケットである場合、上記IPv4パケット内の宛先ポート番号と送信元ポート番号とを入れ替えてよい。上記第2パケット送信部は、上記パケットの次の宛先を示すヘッダがIPv4パケットである場合、上記IPv4パケット内の宛先ポート番号と送信元ポート番号とを入れ替え、かつ、上記IPv4パケット内のチェックサムを再計算してよい。上記バックホールは、衛星を介する衛星伝送路を含んでよい。
【0008】
本発明の第2の態様によれば、バックホールに通信接続され、配下の通信端末の通信を中継する中継システムが提供される。中継システムは、配下の通信端末に割り当てられているIPアドレスを登録する登録情報を格納する登録情報格納部を備えてよい。中継システムは、配下の通信端末によって送信され、バックホールを介して通信制御システムに到達し、通信制御システムから通信端末の通信相手を示す宛先に向けて送信されるべきパケットを受信する第1パケット受信部を備えてよい。中継システムは、第1パケット受信部が受信したパケットを、バックホールを介して通信制御システムに送信する第1パケット送信部を備えてよい。中継システムは、第1パケット受信部が受信したパケットがトンネリングプロトコルによってトンネリングされている場合、パケットのペイロードに含まれる送信元を示すIPアドレスを取得して、登録情報に登録する情報取得部を備えてよい。
【0009】
本発明の第3の態様によれば、コンピュータを、上記中継装置として機能させるためのプログラムが提供される。
【0010】
なお、上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではない。また、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となりうる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】通信システム10の一例を概略的に示す。
図2】中継装置100の機能構成の一例を概略的に示す。
図3】中継装置100による処理の流れの一例を概略的に示す。
図4】中継装置100による処理の流れの一例を概略的に示す。
図5】衛星通信システム30の一例を概略的に示す。
図6】プロトコルスタック70の一例を概略的に示す。
図7】RTPヘッダフィールド300の一例を概略的に示す。
図8】UDPヘッダフィールド310の一例を概略的に示す。
図9】IPv6ヘッダフィールド320の一例を概略的に示す。
図10】UDPヘッダフィールド340の一例を概略的に示す。
図11】IPv4ヘッダフィールド350の一例を概略的に示す。
図12】中継装置100として機能するコンピュータ1000のハードウエア構成の一例を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0013】
図1は、通信システム10の一例を概略的に示す。通信システム10は、ネットワーク20、バックホール22、通信制御システム24、通信処理装置26、及び通信処理装置28を含む。
【0014】
通信システム10は、複数の通信端末に通信サービスを提供する。図1では、複数の通信端末の一例として、通信端末210、通信端末220、及び通信端末230を示している。
【0015】
通信端末210、通信端末220、及び通信端末230は、通信機能を有する任意の端末であってよい。例えば、通信端末210、通信端末220、及び通信端末230は、スマートフォン等の携帯電話、タブレット端末、及びPC(Personal Computer)等である。ここでは、通信端末210、通信端末220、及び通信端末230が携帯電話である場合を主に例に挙げて説明する。
【0016】
図1に示す例では、通信処理装置26がバックホール22を介してネットワーク20と通信し、通信処理装置28がバックホール22を介さずにネットワーク20と通信する。また、通信端末210及び通信端末220が通信処理装置26の配下に位置し、通信端末230が通信処理装置28の配下に位置している。通信処理装置26は、通信端末210及び通信端末220の通信を中継する。通信処理装置28は、通信端末230の通信を中継する。通信処理装置26及び通信処理装置28は、例えば、無線基地局である。
【0017】
通信端末210は、通信処理装置26及びバックホール22を介して、ネットワーク20内の通信制御システム24と通信する。ネットワーク20は、例えば、いわゆる移動体通信のコアネットワークである。バックホール22は、任意の伝送路によって構成されてよい。例えば、バックホール22は、通信衛星を介する衛星伝送路によって構成される。また、例えば、バックホール22は、通信装置を有する無人航空機及び飛翔体等を介する伝送路によって構成される。
【0018】
通信制御システム24は、通信端末210又は通信端末220からの要求に応じて、通信端末210と通信端末220との通信接続を確立してよい。また、通信制御システム24は、通信端末210又は通信端末230からの要求に応じて、通信端末210と通信端末230との通信接続を確立してよい。
【0019】
通信制御システム24は、例えば、通信端末210、通信端末220、及び通信端末230のそれぞれの間で、VoLTE(Voice over Long Term Evolution)接続を確立する。通信制御システム24は、1又は複数の装置によって構成されてよい。通信制御システム24は、例えば、EPC(Evolved Packet Core)を含む。また、通信制御システム24は、EPC及びIMS(IP Multimedia Subsystem)を含んでもよい。
【0020】
EPCは、MME(Mobility Management Entity)、SGW(Serving Gateway)、PGW(Packet Data Network Gateway)、PCRF(Policy and Charging Rules Function)等から構成され、認証、移動制御、ベアラ管理、課金、QoS制御等の機能を提供する。また、EPCは、合法的傍受機能(LI Function)を提供してよい。合法的傍受機能は、例えば、SGWによって提供される。SGWは、通信端末とIMSとの間で送受信されるパケットをキャプチャすることによって通信傍受を行う。
【0021】
図1に示すような環境において、通信端末210と通信端末220とが通信接続を確立した後、通信端末210と通信端末220との間で通信を実行する場合、通信端末210によって送信されたパケットがネットワーク20を経由して通信端末220に配送されると、パケットはバックホール22を2度経由することになる。
【0022】
例えば、バックホール22が衛星伝送路によって構成される場合、バックホール22を2度経由することによって約500msの遅延時間が追加される場合がある。その結果、通信処理装置26、ネットワーク20、及び通信処理装置28において発生する遅延時間と合わせて、全体的な遅延時間が800msを超えてしまう場合がある。
【0023】
それに対して、バックホール22と通信処理装置26との間に中継装置を配置し、当該中継装置が、通信端末210によって送信され、バックホール22を介して通信制御システム24に到達し、通信制御システム24から通信端末220に向けて送信されるべきパケットを受信した場合に、当該パケットを、バックホール22を介さずに通信端末220に送信することにより、本来、バックホール22を2度経由して通信端末220に到達するパケットを、バックホール22を介さずに通信端末220に到達させることができ、通信の遅延時間を低減することができる。しかし、この場合、通信制御システム24による課金及び合法的傍受等の機能を適用できなくなるという側面もある。
【0024】
本実施形態に係る中継装置100は、通信端末210によって送信され、バックホール22を介して通信制御システム24に到達し、通信制御システム24から通信端末220に向けて送信されるべきパケットを受信した場合、当該パケットを、バックホール22を介して通信制御システム24に送信するとともに、当該パケットを、バックホール22を介さずに通信端末220に送信する。これにより、通信の遅延時間を低減できるとともに、通信制御システム24による課金及び合法的傍受等の機能を適用することができる。
【0025】
中継装置100が通信制御システム24に送信したパケットは、通信制御システム24によってバックホール22を介して中継装置100に送信されることになる。本実施形態に係る中継装置100は、当該パケットを通信端末220に送信することなく廃棄する。これにより、重複して通信端末220に送信することを防止できる。
【0026】
ここで、中継装置100の処理の流れの概要を説明する。まず、中継装置100は、配下の通信端末によって送信され、バックホール22を介して通信制御システム24に到達し、通信制御システム24から当該通信端末の通信相手を示す宛先に向けて送信されるべきパケットを受信する。中継装置100の配下の通信端末とは、中継装置100の下位の通信処理装置と通信接続を確立した通信端末であってよい。中継装置100の下位の通信処理装置とは、バックホール22を介さずに中継装置100に接続された通信処理装置であってよい。中継装置100は、配下の通信端末に割り当てられているIPアドレスを登録する登録情報を格納していてよく、配下の通信端末から受信したパケットに含まれる送信元のIPアドレスを登録情報に登録する。中継装置100は、配下の通信端末から受信したパケットに含まれるポート番号を登録情報に登録してもよい。また、中継装置100は、配下の通信端末から受信したパケットが準拠するプロトコルを登録情報に登録してもよい。
【0027】
次に、中継装置100は、受信したパケットを、バックホール22を介して通信制御システム24に送信するとともに、通信相手を示す宛先が、配下の通信端末を示すか否かを判定する。中継装置100は、通信相手を示す宛先のIPアドレスが、登録情報に含まれている場合、当該宛先が配下の通信端末を示すと判定する。そして、中継装置100は、通信相手を示す宛先が配下の通信端末を示すと判定した場合、バックホール22を介さずに当該通信相手を示す宛先に向けてパケットを送信する。
【0028】
中継装置100は、通信相手を示す宛先が配下の通信端末を示すと判定した場合、パケットがバックホール22を介して通信制御システム24に到達し、通信制御システム24からバックホール22及び通信処理装置26を介して通信相手を示す宛先に送信される場合に対応する形式で、パケットを、バックホール22を介さずに通信相手を示す宛先に向けて送信してよい。例えば、中継装置100は、パケットの次の宛先を含むヘッダ内の当該宛先と送信元とを入れ替えることによって、当該パケットを、バックホール22及びネットワーク20を介さずに、配下の通信端末を示す宛先に向けて送信する。
【0029】
例えば、次の宛先を含むヘッダがIPv4ヘッダである場合、中継装置100は、当該ヘッダ内の宛先アドレスと送信元アドレスとを入れ替える。中継装置100は、当該ヘッダ内の宛先アドレスと送信元アドレスとを入れ替えるとともに、その入れ替えに伴ってチェックサムを再計算してもよい。また、中継装置100は、当該ヘッダ内の宛先アドレスと送信元アドレスとを入れ替えるとともに、当該ヘッダ内のType of Service(サービス種別と記載する場合がある。)を変更してもよい。例えば、中継装置100は、当該ヘッダ内のサービス種別を、通信相手を示す宛先のベアラのQoSに対応する値に変更する。これらにより、パケットを、バックホール22及びネットワーク20を介して通信制御システム24に到達し、通信制御システム24からネットワーク20及びバックホール22を介して当該宛先に送信される場合に対応する形式で、当該宛先に送信することができる。また、例えば、次の宛先を含むヘッダがIPv6ヘッダである場合、中継装置100は、当該ヘッダ内の宛先アドレスと送信元アドレスとを入れ替えてよい。
【0030】
中継装置100は、通信制御システム24によって送信され、バックホール22を介して配下の通信端末に到達すべきパケットを受信した場合、当該パケットの送信元が配下の通信端末であるか否かを判定する。中継装置100は、例えば、送信元を示すIPアドレスが上記登録情報に含まれている場合、当該送信元が配下の通信端末を示すと判定する。そして、中継装置100は、送信元が配下の通信端末を示すと判定した場合、パケットを配下の通信端末に送信せずに廃棄し、送信元が配下の通信端末を示さないと判定した場合、パケットを配下の通信端末に送信する。
【0031】
なお、ここでは、中継装置100がバックホール22と通信処理装置26との間に配置される例を挙げているが、これに限らない。中継装置100は、通信処理装置26と一体であってもよい。また、中継装置100は、バックホール22の途中に配置されてもよい。
【0032】
図2は、中継装置100の機能構成の一例を概略的に示す。中継装置100は、情報格納部110、パケット受信部112、情報取得部114、パケット送信部116、判定部120、パケット送信部122、パケット受信部132、判定部134、及びパケット送信部136を備える。なお、中継装置100がこれらのすべての構成を備えることは必須とは限らない。
【0033】
情報格納部110は、各種情報を格納する。情報格納部110は、例えば、中継装置100の配下の通信端末に割り当てられているIPアドレスを登録した登録情報を格納する。
【0034】
また、情報格納部110は、中継装置100の配下の通信端末に関連するベアラのQoSを格納してよい。例えば、情報格納部110は、中継装置100の配下の通信端末がVoLTE呼を確立したときに取得された、専用ベアラのベアラQoSを格納する。
【0035】
また、情報格納部110は、トンネリングプロトコルのヘッダのデータ量を示すヘッダ情報を格納してよい。情報格納部110は、例えば、GTPのヘッダ情報を格納する。情報格納部110は、複数の種類のトンネリングプロトコルのそれぞれのヘッダ情報を格納してよい。情報格納部110は、例えば、GTP、GRE(Generic Routing Encapsulation)、PPTP(Point−to−Point Tunneling Prtocol)、L2F(Layer 2 Forwading)、L2TP(Layer 2 Tunneling Protocol)、及びCAPWAP(Control And Provisioning of Wireless Access Protocol)等のヘッダ情報を格納する。情報格納部110は、これらのすべてではなく一部を格納してもよい。また、情報格納部110は、これら以外のトンネリングプロトコルのヘッダ情報を格納してもよい。情報格納部110は、ヘッダ情報格納部の一例であってよい。
【0036】
パケット受信部112は、パケットを受信する。パケット受信部112は、中継装置100の配下の通信端末によって送信されたパケットを受信する。パケット受信部112は、例えば、中継装置100の配下の通信端末によって送信されたパケットを、中継装置100の配下の通信処理装置26から受信する。パケット受信部112は、例えば、配下の通信端末によって送信され、バックホール22及びネットワーク20を介して通信制御システム24に到達し、通信制御システム24から宛先に向けて送信されるべきパケットを受信する。パケット受信部112は、第1パケット受信部の一例であってよい。
【0037】
情報取得部114は、各種情報を取得する。情報取得部114は、例えば、パケット受信部112が配下の通信端末から受信したパケットに含まれるIPアドレスを取得する。情報取得部114は、例えば、送信元を示すIPアドレスを取得する。また、情報取得部114は、例えば、宛先を示すIPアドレスを取得する。情報取得部114は、取得した送信元アドレスを、情報格納部110が格納する登録情報に登録してよい。
【0038】
情報取得部114は、パケット受信部112が受信したパケットのヘッダに含まれる送信元を示すIPアドレスを取得して、情報格納部110が格納する登録情報に登録してよい。情報取得部114は、パケット受信部112が受信したパケットのヘッダに含まれる宛先を示すIPアドレスを取得して、情報格納部110が格納する登録情報に登録してよい。
【0039】
情報取得部114は、パケット受信部112が受信したパケットがトンネリングプロトコルによってトンネリングされている場合、当該パケットのペイロードに含まれる送信元を示すIPアドレスを取得して、情報格納部110が格納する登録情報に登録してよい。情報取得部114は、パケット受信部112が受信したパケットがトンネリングプロトコルによってトンネリングされている場合、当該パケットのペイロードに含まれる宛先を示すIPアドレスを取得して、情報格納部110が格納する登録情報に登録してよい。
【0040】
情報取得部114は、配下の通信端末がVoLTE呼を確立する場合に、アタッチ時にS1−AP信号によって取り交わされる通信端末のIPアドレスを取得してよい。情報取得部114は、配下の通信端末がVoLTE発呼した場合に、SIPのINVITEの183 Session progressにおいて取り交わされる通信端末のIPアドレスを取得してもよい。情報取得部114は、配下の通信端末によって、専用ベアラ上で送信されるRTP(Real−time Transport Protocol)パケット又はRTCP(Real−time Transport Control Protocol)パケットから、送信元のIPアドレスを取得してもよい。
【0041】
情報取得部114は、配下の通信端末がVoLTE発呼した場合に、eNodeBによってS1−AP信号で取り交わされるベアラQoSを取得してよい。また、情報取得部114は、配下の通信端末がVoLTE着呼した場合に、eNodeBによってS1−AP信号で取り交わされるベアラQoSを取得してよい。例えば、情報取得部114は、Bearer Setup Request/Session Management Request(ベアラ設定要求/セッション管理要求と記載する場合がある。)に含まれるベアラQoSを取得する。
【0042】
情報取得部114は、配下の通信端末がVoLTE通話中にハンドオーバする場合に取り交わされる情報から、ベアラQoSを取得してもよい。例えば、配下の通信端末に対してS1ハンドオーバが実行される場合、情報取得部114は、Handover Request(ハンドオーバ要求と記載する場合がある。)及びHandover Request Acknowledge(ハンドオーバ要求確認と記載する場合がある。)に含まれるベアラQoS、を取得する。また、例えば、配下の通信端末に対してX2ハンドオーバが実行される場合、情報取得部114は、ハンドオーバ要求、Path Switch Request(パス切替要求と記載する場合がある。)及びPath Switch Request Ack(パス切替要求確認と記載する場合がある。)に含まれるベアラQoSを取得する。情報取得部114は、取得したベアラQoSを情報格納部110に格納してよい。
【0043】
また、情報取得部114は、ポート番号を取得する。情報取得部114は、例えば、パケット受信部112が配下の通信端末から受信したパケットに含まれるポート番号を取得して、情報格納部110が格納する登録情報に登録する。また、情報取得部114は、例えば、パケット受信部112が配下の通信端末から受信したパケットが準拠するプロトコルを取得して、情報格納部110が格納する登録情報に格納する。
【0044】
パケット送信部116は、パケット受信部112が、配下の通信端末によって送信され、バックホール22及びネットワーク20を介して通信制御システム24に到達し、通信制御システム24から宛先に向けて送信されるべきパケットを受信した場合に、当該パケットを、バックホール22を介して通信制御システム24に送信する。パケット送信部116は、第1パケット送信部の一例であってよい。
【0045】
判定部120は、パケット受信部112が受信したパケットが、配下の通信端末によって送信され、バックホール22及びネットワーク20を介して通信制御システム24に到達し、通信制御システム24から当該通信端末の通信相手を示す宛先に向けて送信されるべきパケットである場合に、当該通信相手を示す宛先が配下の通信端末を示すか否かを判定する。判定部120は、当該宛先が情報格納部110の登録情報に含まれている場合、当該宛先が配下の通信端末であると判定してよい。判定部120は、当該宛先が情報格納部110の登録情報に含まれていない場合、当該宛先が配下の通信端末でないと判定してよい。
【0046】
判定部120は、当該パケットがトンネリングプロトコルによってトンネリングされている場合、当該パケットのペイロードに含まれる宛先が、配下の通信端末を示す否かを判定してよい。判定部120は、当該パケットがトンネリングプロトコルによってトンネリングされている場合、情報格納部110に格納されている当該トンネリングプロトコルに対応するヘッダ情報を用いて、当該パケットのペイロードから当該宛先を特定してよい。例えば、判定部120は、当該トンネリングプロトコルに対応するヘッダ情報が示すヘッダのデータ量の分、当該パケットのデータを先頭から読み飛ばして、ペイロードの中身を確認する。
【0047】
パケット送信部122は、判定部120によって、通信相手を示す宛先が配下の通信端末を示すと判定された場合、バックホール22及びネットワーク20を介さずに、当該宛先に向けてパケットを送信する。パケット送信部122は、第2パケット送信部の一例であってよい。パケット送信部122は、当該パケットが、バックホール22及びネットワーク20を介して通信制御システム24に到達し、通信制御システム24からネットワーク20及びバックホール22を介して当該宛先に向けて送信される場合に対応する形式で、バックホール22及びネットワーク20を介さずに当該パケットを当該宛先に向けて送信してよい。
【0048】
パケット送信部122は、例えば、当該パケットの次の宛先を含むヘッダ内の当該宛先と送信元とを入れ替えることによって、当該パケットを、バックホール22及びネットワーク20を介さずに、配下の通信端末を示す宛先に向けて送信する。例えば、次の宛先を含むヘッダがIPv4ヘッダである場合、パケット送信部122は、当該ヘッダ内の宛先アドレスと送信元アドレスとを入れ替える。また、例えば、次の宛先を含むヘッダがIPv6ヘッダである場合、パケット送信部122は、当該ヘッダ内の宛先アドレスと送信元アドレスとを入れ替える。
【0049】
次の宛先を含むヘッダがIPv4ヘッダである場合、パケット送信部122は、当該ヘッダ内の宛先アドレスと送信元アドレスとを入れ替えるとともに、その入れ替えに伴ってチェックサムを再計算してもよい。また、パケット送信部122は、当該ヘッダ内の宛先アドレスと送信元アドレスとを入れ替えるとともに、当該ヘッダ内のサービス種別を変更してもよい。例えば、パケット送信部122は、当該ヘッダ内のサービス種別を、情報格納部110に格納されている、通信相手を示す宛先のベアラのQoSに対応する値に変更する。これらにより、パケットを、バックホール22及びネットワーク20を介して通信制御システム24に到達し、通信制御システム24からネットワーク20及びバックホール22を介して当該宛先に送信される場合に対応する形式で、当該宛先に送信することができる。
【0050】
パケット受信部132は、バックホール22から配下の通信端末宛のパケットを受信する。パケット受信部132は、例えば、通信制御システム24によって送信された配下の通信端末宛のパケットをバックホール22から受信する。パケット受信部132は、第2パケット受信部の一例であってよい。
【0051】
判定部134は、パケット受信部132が受信したパケットの送信元が配下の通信端末であるか否かを判定する。判定部134は、当該送信元が情報格納部110の登録情報に含まれている場合、当該送信元が配下の通信端末であると判定してよい。判定部134は、当該送信元が情報格納部110の登録情報に含まれていない場合、当該宛先が配下の通信端末でないと判定してよい。
【0052】
パケット送信部136は、判定部134によってパケットの送信元が配下の通信端末であると判定された場合、当該パケットを、その宛先である配下の通信端末に送信せず、パケットの送信元が配下の通信端末でないと判定された場合、当該パケットを、その宛先である配下の通信端末に送信する。パケット送信部136は、判定部134によってパケットの送信元が配下の通信端末であると判定された場合、当該パケットを廃棄してよい。パケット送信部136は、第3パケット送信部の一例であってよい。
【0053】
中継装置100は、中継システムの一例であってよい。また、中継装置100と他の中継装置とによって中継システムが実現されてもよい。この場合、例えば、中継装置100が情報格納部110、パケット受信部112、情報取得部114、パケット送信部116、判定部120及びパケット送信部122を備え、他の中継装置が、パケット受信部132、判定部134、及びパケット送信部136を備えてよい。また、例えば、他の中継装置が情報格納部110、パケット受信部112、情報取得部114、パケット送信部116、判定部120及びパケット送信部122を備え、中継装置100が、パケット受信部132、判定部134、及びパケット送信部136を備えてもよい。
【0054】
パケット受信部112及びパケット受信部132は、個別のハードウエア、インターフェースを備えてもよく、同一のハードウエア、インターフェース上に仮想的に実装されてもよい。パケット送信部116、パケット送信部122、及びパケット送信部136は、個別のハードウエア、インターフェースを備えてもよく、同一のハードウエア、インターフェース上に仮想的に実装されてもよい。また、パケット受信部112、パケット送信部116、パケット送信部122、パケット受信部132、及びパケット送信部136は、個別のハードウエア、インターフェースを備えてもよく、同一のハードウエア、インターフェース上に仮想的に実装されてもよい。
【0055】
図3は、中継装置100による処理の流れの一例を概略的に示す。図3では、中継装置100が、配下の通信端末によって送信されたパケットを受信した場合の処理の流れを説明する。図3に示す各処理は、中継装置100が備える制御部が主体となって実行される。
【0056】
ステップ(ステップをSと省略して記載する場合がある。)102では、パケット受信部112が、配下の通信端末によって送信され、バックホール22を介して通信制御システム24に到達し、通信制御システム24から当該通信端末の通信相手を示す宛先に向けて送信されるべきパケットを受信する。S104では、パケット送信部116が、S102においてパケット受信部112が受信したパケットを、バックホール22を介して通信制御システム24に送信する。
【0057】
S106では、情報取得部114が、送信元の情報を取得して情報格納部110に保存する。情報取得部114は、パケットに含まれるIPアドレス、ポート番号、及びパケットが準拠するプロトコル等を情報格納部110に保存してよい。
【0058】
S108では、判定部120が、S102においてパケット受信部112が受信したパケットの宛先が配下の通信端末を示すか否かを判定する。配下の通信端末を示すと判定した場合、S110に進み、示さないと判定した場合、処理を終了する。
【0059】
S110では、判定部120が、S102においてパケット受信部112が受信したパケットが折返対象パケットであるか否かを判定する。判定部120は、例えば、情報取得部114が取得したIPアドレスが予め指定されたIPアドレスである場合、折返対象パケットであると判定する。また、判定部120は、例えば、情報取得部114が取得したポート番号が予め指定されたポート番号である場合、折返対象パケットであると判定する。また、判定部120は、例えば、情報取得部114が取得したプロトコルが予め指定されたプロトコルである場合、折返対象パケットであると判定する。情報取得部114は、情報取得部114が取得したIPアドレス、ポート番号、及びプロトコルのうち複数が、予め指定されたものである場合、折返対象パケットであると判定してもよい。
【0060】
また、判定部120は、例えば、情報取得部114が取得したIPアドレスが予め指定されたIPアドレスでない場合、折返対象パケットであると判定する。また、判定部120は、例えば、情報取得部114が取得したポート番号が予め指定されたポート番号でない場合、折返対象パケットであると判定する。また、判定部120は、例えば、情報取得部114が取得したプロトコルが予め指定されたプロトコルでない場合、折返対象パケットであると判定する。情報取得部114は、情報取得部114が取得したIPアドレス、ポート番号、及びプロトコルのうち複数が、予め指定されたものでない場合、折返対象パケットであると判定してもよい。
【0061】
S110において折返対象パケットであると判定された場合、S112に進み、折返対象パケットでないと判定された場合、処理を終了する。S112では、パケット送信部122が、S102においてパケット受信部112が受信したパケットを、バックホール22を介さずに宛先に送信する。そして、処理を終了する。
【0062】
図4は、中継装置100による処理の流れの一例を概略的に示す。図4では、中継装置100が、通信制御システム24によって送信されたパケットを、バックホール22を介して受信した場合の処理の流れを説明する。図4に示す各処理は、中継装置100が備える制御部が主体となって実行される。
【0063】
S202では、パケット受信部132が、通信制御システム24によって送信され、バックホール22を介して配下の通信端末に到達すべきパケットを受信する。S204では、判定部134が、S202においてパケット受信部132が受信したパケットが、折返対象パケットであるか否かを判定する。判定部134は、パケットの送信元が配下の通信端末であり、かつ、S110において判定部120が折返対象パケットであるか否かを判定するときに用いた条件と同一の条件を満たす場合に、当該パケットが折返対象パケットであると判定してよい。S204において、折返対象パケットでないと判定された場合、S206に進み、折返対象パケットであると判定された場合、S208に進む。
【0064】
S206では、パケット送信部136が、パケットを、宛先である配下の通信端末に送信する。パケット送信部136は、バックホール22を介さずに、パケットを宛先である配下の通信端末に送信する。S208では、パケットを廃棄する。そして、処理を終了する。
【0065】
図5は、衛星通信システム30の一例を概略的に示す。衛星通信システム30は、コアネットワーク40、衛星モデム50、衛星60、中継装置100を含む。コアネットワーク40は、いわゆる移動体通信のコアネットワークであってよい。図5に示す中継装置100は、衛星モデムの機能を備える。
【0066】
図5における中継装置100は、任意の場所に配置可能であってよい。例えば、中継装置100は、離島等のいわゆる携帯電話の電波が届かない地域、届きにくい地域に配置されて、衛星60及び衛星モデム50を介してコアネットワーク40と通信することにより、そのような地域において通信サービスを提供する。中継装置100、衛星60、及び衛星モデム50の間の伝送路を衛星伝送路62と記載する場合がある。
【0067】
衛星通信システム30は、中継装置100を用いて各種通信サービスを提供する。衛星通信システム30は、例えば、音声通話サービスを提供する。衛星通信システム30は任意の通信方式を用いて音声通話サービスを提供してよい。例えば、衛星通信システム30は、VoLTEを用いて音声通話サービスを提供する。また、衛星通信システム30は、例えば、データ通信サービスを提供する。
【0068】
中継装置100は、配下の通信端末の通信を中継する。図5では、中継装置100の配下の通信端末の例として、通信端末210及び通信端末220が示されている。中継装置100の配下の通信端末とは、中継装置100の下位の無線基地局と通信接続を確立した通信端末であってよい。中継装置100の下位の無線基地局とは、衛星60を介さずに、中継装置100に接続された無線基地局であってよい。また、中継装置100の配下の通信端末とは、中継装置100に直接通信接続された通信端末であってもよい。中継装置100に直接通信接続された通信端末とは、中継装置100によって形成された通信エリアに在圏する通信端末であってよい。
【0069】
例えば、通信端末210と、不図示の無線基地局を介してコアネットワーク40に通信接続された通信端末230とが音声通話を実行する場合、衛星伝送路62を介することによって約250msの遅延時間が追加される。その結果、コアネットワーク40及び無線基地局において発生する遅延時間と合わせて、400msから500msの遅延が発生する。400msから500ms程度の遅延であれば、通話者は遅延に気づかずに通話を行うことが比較的多い。
【0070】
しかし、中継装置100の配下の通信端末210と通信端末220とで音声通話が実行される場合、衛星伝送路62を2度介することによって約500msの遅延時間が追加され、全体的な遅延時間が800msを超えてしまうことになる。800msを超える遅延が発生すると、通話者は音声遅延に気づき、話しにくいと感じてしまう。
【0071】
このように、発信側及び受信側の両方が衛星伝送路62を使用する状態を衛星ダブルホップ状態と記載する場合がある。衛星ダブルホップ状態は、異なる中継装置100の配下の通信端末の間でも発生するが、同一の中継装置100の配下の通信端末の間で発生する場合が多い。
【0072】
例えば、中継装置100が離島に配置された場合、その離島内の旅行者又は家族内での通話が多く発生する。また、例えば、中継装置100がある集落に配置された場合、その集落の近所同士や、庭にいる家族と屋内の家族の通話等が多く発生する。また、例えば、中継装置100があるゴルフ場に配置された場合、そのゴルフ場内において別グループでプレイしている者同士の通話が多く発生する。また、中継装置100がキャンプ場に配置された場合、そのキャンプ場内のキャンプサイトにいる家族とバーベキューエリアにいる家族との通話が多く発生する。
【0073】
また、音声通話に限らず、同一の中継装置100の配下の通信端末の間でデータ通信が行われる場合もあり、この場合も衛星ダブルホップ状態となる。例えば、同一の衛中継装置100の配下の通信端末の間で対戦ゲーム等の応答速度を求められるアプリケーションが実行される場合、遅延により操作性が低下してしまう。
【0074】
これに対して、本実施形態に係る中継装置100は、配下の通信端末の通信相手が、配下の他の通信端末であると判定した場合、衛星伝送路62を介して通信制御システム42にパケットを送信するとともに、衛星伝送路62を介さずに直接通信を中継する。例えば、中継装置100は、配下の通信端末によって送信され、衛星伝送路62を介して通信制御システム42に到達し、通信制御システム42から通信相手を示す宛先に向けて送信されるべきパケットを受信し、当該宛先が配下の他の通信端末であると判定した場合、当該パケットを、衛星伝送路62を介して通信制御システム24に送信するとともに、衛星伝送路62を介さずに宛先の通信端末に向けて送信する。
【0075】
中継装置100は、表面上の宛先が通信制御システム42であったりインターネット上のサーバであったりした場合であっても、実際の通信相手が配下の通信端末であるか否かを判定する。そして、配下の通信端末であると判定した場合、中継装置100は、中継装置100内でパケットを折り返して実際の通信相手に向けて送信する。
【0076】
表面上の宛先とは、中継装置100が次にパケットを送信する宛先であってよい。例えば、通信端末210が送信したパケットが、衛星伝送路62及びコアネットワーク40を介して通信制御システム42に到達し、通信制御システム42から通信端末220に向けて送信されるべきものである場合、表面上の宛先は、通信制御システム42内のいずれかの装置である。なお、この場合の表面上の宛先は、衛星60又は衛星モデム50の場合もあってよい。
【0077】
中継装置100は、実際の通信相手が配下の通信端末であると判定した場合、表面上の宛先を含むヘッダ内の当該宛先と送信元とを入れ替えることによって、中継装置100内でパケットを折り返してよい。例えば、中継装置100の下位の無線基地局に在圏する通信端末210が、当該無線基地局に在圏する通信端末220に向けてパケットを送信する場合、実際の送信元は通信端末210であり、実際の通信相手は通信端末220であり、表面上の送信元は通信端末210が在圏する無線基地局であり、表面上の宛先は通信制御システム42内のSGWでありうる。この場合、中継装置100は、表面上の送信元と宛先とを入れ替えて、送信元をSGW、宛先を当該無線基地局とすることによって、パケットを折り返してよい。
【0078】
上述したように、本実施形態に係る中継装置100によれば、配下の通信端末の通信相手が、配下の他の通信端末である場合、衛星伝送路62を介さずに直接通信が中継されるので、衛星伝送路62及びコアネットワーク40を介することによる遅延を発生させないようにでき、超低遅延の通信を実現することができる。また、パケットが衛星伝送路62を介して通信制御システム42にも送信されるので、課金及び合法的傍受等の機能も適用することができる。さらに、当該パケットを受信した通信制御システム42が、中継装置100の配下の通信端末に向けて送信した当該パケットは、中継装置100によって廃棄されるので、宛先である配下の通信端末に重複してパケットが送信されることも防止できる。ここで、衛星伝送路62及びコアネットワーク40はバックホールの一例であってよい。
【0079】
図5では、中継装置100が衛星モデムの機能を備える場合を例に挙げて説明したが、これに限らない。中継装置100と衛星モデムとが別体であってもよい。パケットが折り返される場所は、通信端末210及び通信端末220が在圏する無線基地局であってもよく、無線基地局と衛星モデムとの間であってもよく、衛星モデムと衛星伝送路62との間であってもよい。すなわち、中継装置100は、無線基地局と一体であってもよく、無線基地局と衛星モデムとの間に配置されてもよく、衛星モデムと衛星伝送路62との間に配置されてもよい。
【0080】
また、中継装置100は、バックホールの途中に配置されてもよい。例えば、中継装置100は、衛星60と一体であってもよい。また、中継装置100は、衛星60と衛星伝送路62との間に配置されてもよい。この場合でも、パケットが、衛星60と衛星モデム50との間の衛星伝送路62と、コアネットワーク40内とを通過する分の遅延時間を低減することができる。
【0081】
図6は、中継装置100が中継するパケットのプロトコルスタック70の一例を概略的に示す。プロトコルスタック70は、S1−u区間におけるRTP/RTCPパケットのプロトコルスタックを示す。中継装置100が受信するパケットには、RTP/RTCPヘッダ、UDPヘッダ、IPv6ヘッダ、GTP−U(GTP for User Plane)ヘッダ、及びIPv4ヘッダ等の様々なヘッダが含まれる。
【0082】
判定部134は、パケットの内容を参照して、当該パケットの送信元を特定してよい。また、判定部120は、パケットの内容を参照して、当該パケットを送信した通信端末の通信相手を示す宛先を特定してよい。そして、判定部120は、当該宛先が、配下の通信端末を示すか否かを判定してよい。判定部120によって、通信相手を示す宛先が配下の通信端末であると判定された場合、パケット送信部122は、パケットの表面的な宛先を含むヘッダを特定して、当該ヘッダ内の宛先と送信元とを入れ替える。
【0083】
図7は、RTPヘッダフィールド300の一例を概略的に示す。パケット送信部122は、判定部120によって通信相手を示す宛先が配下の通信端末であると判定された場合であっても、RTPヘッダフィールド300には変更を加えなくてよい。RTCPの場合も同様である。
【0084】
図8は、UDPヘッダフィールド310の一例を概略的に示す。パケット送信部122は、判定部120によって通信相手を示す宛先が配下の通信端末であると判定された場合であっても、UDPヘッダフィールド310には変更を加えなくてよい。
【0085】
図9は、IPv6ヘッダフィールド320の一例を概略的に示す。通信端末210が通信端末220に向けてパケットを送信する場合、IPv6ヘッダフィールド320の送信元アドレスは通信端末210を示し、宛先アドレスは通信端末220を示す。パケット送信部122は、判定部120によって通信相手を示す宛先が配下の通信端末であると判定された場合であっても、IPv6ヘッダフィールド320には変更を加えなくてよい。
【0086】
図10は、UDPヘッダフィールド340の一例を概略的に示す。通信端末210が通信端末220に向けてパケットを送信する場合、中継装置100が受信した当該パケットのUDPヘッダフィールド340の宛先ポート番号は、例えば「2152」であり、送信元ポート番号は、通信端末210でアロケートされたポート番号である。パケット送信部122は、判定部120によって通信相手を示す宛先が配下の通信端末であると判定されて、パケットを通信端末220に向けて折り返す場合、UDPヘッダフィールド340の送宛先ポート番号は「2152」のままとし、送信元ポート番号を任意の値に設定してよい。また、パケット送信部122は、チェックサムを再計算して、UDPヘッダフィールド340のチェックサムの内容を変更してよい。
【0087】
図11は、IPv4ヘッダフィールド350の一例を概略的に示す。通信端末210が通信端末220に向けてパケットを送信する場合、中継装置100が受信した当該パケットのIPv4ヘッダフィールド350の送信元アドレスは、通信端末210が在圏するeNodeBのアドレスであり、宛先アドレスはSGWのアドレスである。パケット送信部122は、判定部120によって通信相手を示す宛先が配下の通信端末であると判定されて、パケットを通信端末220に向けて折り返す場合、IPv4ヘッダフィールド350の送信元アドレスと宛先アドレスとを入れ替える。また、パケット送信部122は、IPv4ヘッダフィールド350のサービス種別の内容を、情報格納部110に格納されている、通信端末220のベアラのQoSに対応する値に変更してよい。また、パケット送信部122は、チェックサムを再計算して、IPv4ヘッダフィールド350のチェックサムの内容を変更してよい。
【0088】
図12は、中継装置100として機能するコンピュータ1000のハードウエア構成の一例を概略的に示す。本実施形態に係るコンピュータ1000は、ホストコントローラ1092により相互に接続されるCPU1010及びRAM1030を有するCPU周辺部と、入出力コントローラ1094によりホストコントローラ1092に接続されるROM1020、通信I/F1040、ハードディスクドライブ1050、及び入出力チップ1080を有する入出力部を備える。
【0089】
CPU1010は、ROM1020及びRAM1030に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。通信I/F1040は、有線又は無線によりネットワークを介して他の装置と通信する。また、通信I/F1040は、通信を行うハードウエアとして機能する。ハードディスクドライブ1050は、CPU1010が使用するプログラム及びデータを格納する。
【0090】
ROM1020は、コンピュータ1000が起動時に実行するブート・プログラム及びコンピュータ1000のハードウエアに依存するプログラムなどを格納する。入出力チップ1080は、例えばパラレル・ポート、シリアル・ポート、キーボード・ポート、マウス・ポートなどを介して各種の入出力装置を入出力コントローラ1094へと接続する。
【0091】
RAM1030を介してハードディスクドライブ1050に提供されるプログラムは、ICカードなどの記録媒体に格納されて利用者によって提供される。プログラムは、記録媒体から読み出され、RAM1030を介してハードディスクドライブ1050にインストールされ、CPU1010において実行される。
【0092】
コンピュータ1000にインストールされ、コンピュータ1000を中継装置100として機能させるプログラムは、CPU1010などに働きかけて、コンピュータ1000を、中継装置100の各部としてそれぞれ機能させてよい。これらのプログラムに記述された情報処理は、コンピュータ1000に読込まれることにより、ソフトウエアと上述した各種のハードウエア資源とが協働した具体的手段である情報格納部110、パケット受信部112、情報取得部114、パケット送信部116、判定部120、パケット送信部122、パケット受信部132、判定部134、及びパケット送信部136として機能する。そして、これらの具体的手段によって、本実施形態におけるコンピュータ1000の使用目的に応じた情報の演算又は加工を実現することにより、使用目的に応じた特有の中継装置100が構築される。
【0093】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0094】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階などの各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」などと明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」などを用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0095】
10 通信システム、20 ネットワーク、22 バックホール、24 通信制御システム、26 通信処理装置、28 通信処理装置、30 衛星通信システム、40 コアネットワーク、42 通信制御システム、50 衛星モデム、60 衛星、62 衛星伝送路、70 プロトコルスタック、100 中継装置、110 情報格納部、112 パケット受信部、114 情報取得部、116 パケット送信部、120 判定部、122 パケット送信部、132 パケット受信部、134 判定部、136 パケット送信部、210 通信端末、220 通信端末、230 通信端末、300 RTPヘッダフィールド、310 UDPヘッダフィールド、320 IPv6ヘッダフィールド、340 UDPヘッダフィールド、350 IPv4ヘッダフィールド、1000 コンピュータ、1010 CPU、1020 ROM、1030 RAM、1040 通信I/F、1050 ハードディスクドライブ、1080 入出力チップ、1092 ホストコントローラ、1094 入出力コントローラ
【要約】
【課題】バックホールを介した通信を提供する場合に、通信遅延を低減するとともに、合法的傍受等に対応できる技術を提供することが望ましい。
【解決手段】配下の通信端末によって送信され、バックホールを介して通信制御システムに到達し、宛先に向けて送信されるべきパケットを受信する第1パケット受信部と、第1パケット受信部が受信したパケットを通信制御システムに送信する第1パケット送信部と、宛先が配下の通信端末を示す場合、バックホールを介さずに宛先に向けてパケットを送信する第2パケット送信部と、通信制御システムによって送信され、バックホールを介して配下の通信端末に到達すべきパケットを受信する第2パケット受信部と、第2パケット受信部が受信したパケットの送信元が配下の通信端末である場合、配下の通信端末に送信せず、配下の通信端末でない場合、配下の通信端末に送信する第3パケット送信部とを備える中継システムを提供する。
【選択図】図2
図1
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図3
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図5
図6
図7
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図9
図10
図11
図12