(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
ポイントサービスにおいて管理されるポイントのうち、使用の度合いが閾値未満のポイントをレアポイントとして設定し、当該レアポイントをイベントの識別情報と関連付けてメモリに記憶するレアポイント設定部と、
前記ポイントサービスを利用可能なユーザを含む複数のユーザに対し、前記イベントの実施を知らせるイベント情報を前記レアポイントと関連付けて提示するイベント提示制御部と、
前記イベント情報の提示後に、前記ユーザにより使用されたポイントが前記メモリに記憶されたレアポイントであるか否かを判定する判定部と、
前記ユーザにより使用されたポイントがレアポイントと判定された場合に、当該レアポイントを使用したユーザを前記イベントに対し関心を示したユーザと判断する処理実行部と
を具備するイベント管理装置。
前記レアポイント設定部は、過去の単位期間において1回の取引で使用されたポイントの使用回数の分布を表すヒストグラム情報に基づいて、1回の取引で使用されたポイントの使用回数が閾値未満のポイントをレアポイントとして設定する、請求項1に記載のイベント管理装置。
前記レアポイント設定部は、前記イベントの実施対象が店舗である場合に、当該店舗ごとに過去の単位期間において1回の取引で使用されたポイントの使用回数の分布を表すヒストグラム情報に基づいて、前記1回の取引で使用されたポイントの使用回数が閾値未満のポイントをレアポイントとして設定する、請求項2に記載のイベント管理装置。
前記レアポイント設定部は、前記イベントの実施対象が商品またはサービスである場合に、当該商品またはサービスの購入または利用に際し過去の単位期間において1回の取引で使用されたポイントの使用回数の分布を表すヒストグラム情報に基づいて、前記1回の取引で使用されたポイントの使用回数が閾値未満のポイントをレアポイントとして設定する、請求項2に記載のイベント管理装置。
前記レアポイント設定部は、前記イベントの実施対象が前記ユーザである場合に、当該ユーザが過去の単位期間において1回の取引で使用したポイントの使用回数の分布を表すヒストグラム情報に基づいて、前記1回の取引で使用されたポイントの使用回数が閾値未満のポイントをレアポイントとして設定する、請求項2に記載のイベント管理装置。
前記レアポイント設定部は、前記イベントの実施対象が特定の情報サイトをアクセスしたユーザ群である場合に、当該ユーザ群が過去の単位期間において1回の取引で使用したポイントの使用回数の分布を表すヒストグラム情報に基づいて、前記1回の取引で使用されたポイントの使用回数が閾値未満のポイントをレアポイントとして設定する、請求項5に記載のイベント管理装置。
前記レアポイント設定部は、前記イベントの実施対象が特定の商品またはサービスを予め設定された数だけ購入または利用したユーザ群である場合に、当該ユーザ群が過去の単位期間において1回の取引で使用したポイントの使用回数の分布を表すヒストグラム情報に基づいて、前記1回の取引で使用されたポイントの使用回数が閾値未満のポイントをレアポイントとして設定する、請求項5に記載のイベント管理装置。
前記レアポイント設定部は、前記イベントの実施対象が、予め設定された金額の範囲の買い物を行ったユーザ群である場合に、当該ユーザ群が過去の単位期間において1回の取引で使用したポイントの使用回数の分布を表すヒストグラム情報に基づいて、前記1回の取引で使用されたポイントの使用回数が閾値未満のポイントをレアポイントとして設定する、請求項5に記載のイベント管理装置。
前記レアポイント設定部は、前記使用の度合いが閾値未満のポイントの中から、前記イベントの特徴を表す情報と関連性を有する数値のポイントを選択し、当該選択したポイントを前記レアポイントとして設定する、請求項1乃至8のいずれかに記載のイベント管理装置。
前記処理実行部は、前記レアポイントを使用したユーザの数を計数し、その計数結果に基づいて前記イベントの効果を表す情報を生成し出力する、請求項1乃至9のいずれかに記載のイベント管理装置。
前記処理実行部は、前記レアポイントを使用したユーザに対しインセンティブポイントを付与する処理を、前記ポイントサービスの管理装置に指示する、請求項1乃至10のいずれかに記載のイベント管理装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載された技術は、クレジットカード会員の中から所定の条件を満たすユーザを事前に抽出してこれを広告対象ユーザとするものとなっている。このため、抽出条件によっては、広告対象ユーザが少数に制限されたりユーザ属性等に偏りが生じたりして、精度の高い分析結果を得ることが難しかった。また、例えば対象ユーザの抽出数を増やすと、対象ユーザを抽出し、当該対象ユーザに広告を配信し、さらにその回答を収集して分析するといった一連の処理の処理量が増加するため、分析装置の処理負荷が高くなる。そのため、分析装置が他の重要な処理を並行して実行している場合には、当該重要処理に対し処理遅延等の悪影響を及ぼすおそれがある。
【0007】
なお、分析装置で対象ユーザの抽出処理を行わず、携帯端末等においてユーザがエントリして広告に対する回答を入力する手法も提案されている。しかし、この手法ではユーザに面倒なエントリ操作を強いることになるため、十分な数の分析対象ユーザを確保することが難しい。
【0008】
この発明は上記事情に着目してなされたもので、ユーザの操作負担と装置の処理負荷を軽減した上で、幅広いユーザ層から多数の対象ユーザを確保することを可能にした技術を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明に係る第1の態様は、イベント管理装置、方法またはプログラムにおいて、ポイントサービスにおいて管理されるポイントのうち、使用の度合いが閾値未満のポイントをレアポイントとして設定し、当該レアポイントをイベントの識別情報と関連付けてメモリに記憶するレアポイント設定部またはその過程と、前記ポイントサービスを利用可能な複数のユーザに対し、前記イベントの実施を知らせるイベント情報を前記レアポイントと関連付けて提示するイベント提示制御部またはその過程と、前記イベント情報の提示後に、前記ユーザにより使用されたポイントが前記メモリに記憶されたレアポイントであるか否かを判定する判定部またはその過程と、前記ユーザにより使用されたポイントがレアポイントと判定された場合に、当該レアポイントを使用したユーザを前記イベントに対し関心を示したユーザと判断する処理実行部またはその過程とを具備するものである。
【0010】
この発明の第1の態様によれば、通常では使用される機会が少ないポイントがレアポイントとして設定され、このレアポイントがイベント情報と関連付けられてユーザに提示される。このため、イベントに関心を持ったユーザは、イベント情報に関連付けられて提示されたレアポイントを使用するだけで、面倒なエントリ操作を行うことなく簡単に、イベントに対する回答をすることが可能となる。従って、ターゲティング広告のように、対象ユーザの数が制限されたりユーザ属性に偏りを生じることなく、幅広いユーザ層から多数の回答を収集することが可能となる。
【0011】
また装置にとっては、ユーザが使用したポイントがレアポイントであるか否かを判定するだけで、イベントに対するユーザの関心の有無を判断することが可能となる。従って、装置は対象ユーザを抽出して当該対象ユーザに回答を依頼し、さらに対象ユーザから回答を収集するといった処理を行う必要がなくなり、これにより装置の処理負荷を軽減して他の重要処理に悪影響が及ぼさないようにすることが可能となる。
【0012】
この発明に係る第2の態様は、前記第1の態様において、前記レアポイント設定部が、過去の単位期間において1回の取引で使用されたポイントの使用回数の分布を表すヒストグラム情報に基づいて、1回の取引で使用されたポイントの使用回数が閾値未満のポイントをレアポイントとして設定するようにしたものである。
【0013】
この発明の第2の態様によれば、過去の単位期間において1回の取引で使用されたポイントの使用回数の分布を表すヒストグラム情報から、レアポイントが選択され設定される。このため、ポイントの過去の実際の使用履歴に基づいて、使用される機会の少ないレアポイントを選択し設定することができる。
【0014】
この発明の第3の態様は、前記第2の態様において、前記レアポイント設定部が、前記イベントの実施対象が店舗である場合に、当該店舗ごとに過去の単位期間において1回の取引で使用されたポイントの使用回数の分布を表すヒストグラム情報に基づいて、前記1回の取引で使用されたポイントの使用回数が閾値未満のポイントをレアポイントとして設定するようにしたものである。
【0015】
この発明の第3の態様によれば、店舗に対しイベントが実施される場合に、店舗ごとに過去の単位期間において1回の取引で使用されたポイントの使用回数の分布を表すヒストグラム情報に基づいて、レアポイントが選択され設定される。このため、店舗ごとに、使用機会の少ないレアポイントを選択し設定することが可能となる。なお、上記店舗には、物理的に実在する店舗に加えて、ネットワーク上に開設された電子的な店舗等も含まれる。
【0016】
この発明の第4の態様は、前記第2の態様において、前記レアポイント設定部が、前記イベントの実施対象が商品またはサービスである場合に、当該商品またはサービスの購入または利用に際し過去の単位期間において1回の取引で使用されたポイントの使用回数の分布を表すヒストグラム情報に基づいて、前記1回の取引で使用されたポイントの使用回数が閾値未満のポイントをレアポイントとして設定するようにしたものである。
【0017】
この発明の第4の態様によれば、商品またはサービスに対しイベントが実施される場合に、商品の購入またはサービスの利用に際し過去の単位期間において1回の取引で使用されたポイントの使用回数の分布を表すヒストグラム情報から、レアポイントが選択され設定される。このため、商品またはサービスごとに、使用される機会の少ないレアポイントを選択し設定することが可能となる。
【0018】
この発明の第5の態様は、前記第2の態様において、前記イベントの実施対象が前記ユーザである場合に、当該ユーザが過去の単位期間において1回の取引で使用したポイントの使用回数の分布を表すヒストグラム情報に基づいて、前記1回の取引で使用されたポイントの使用回数が閾値未満のポイントをレアポイントとして設定するようにしたものである。
【0019】
この発明の第5の態様によれば、店舗や商品以外にユーザを対象にしてイベントを実施した場合に、当該対象ユーザのイベントへの関心の有無やその度合い等の関心状況を判断することができる。
【0020】
この発明の第6の態様は、前記第5の態様において、前記イベントの実施対象が特定の情報サイトをアクセスしたユーザ群である場合に、当該ユーザ群が過去の単位期間において1回の取引で使用したポイントの使用回数の分布を表すヒストグラム情報に基づいて、前記1回の取引で使用されたポイントの使用回数が閾値未満のポイントをレアポイントとして設定するようにしたものである。
【0021】
この発明の第6の態様によれば、特定の情報サイトに対するアクセス履歴に基づいて、例えばアクセス回数の多いユーザ群を対象としてイベントを実施した場合に、当該対象ユーザ群のイベントへの関心の有無やその度合い等の関心状況を判断することが可能となる。
【0022】
この発明の第7の態様は、前記第5の態様において、前記イベントの実施対象が特定の商品またはサービスを予め設定された数だけ購入または利用したユーザ群である場合に、当該ユーザ群が過去の単位期間において1回の取引で使用したポイントの使用回数の分布を表すヒストグラム情報に基づいて、前記1回の取引で使用されたポイントの使用回数が閾値未満のポイントをレアポイントとして設定するようにしたものである。
【0023】
この第7の態様によれば、商品の購入個数またはサービスの利用回数に応じて、例えば購入個数が所定数より多いまたはサービスの利用回数が所定数より多いユーザを対象としてイベントを実施した場合に、当該対象ユーザのイベントへの関心の有無やその度合い等の関心状況を判断することが可能となる。
【0024】
この発明の第8の態様は、前記第5の態様において、前記イベントの実施対象が、予め設定された金額の範囲の買い物を行ったユーザ群である場合に、当該ユーザ群が過去の単位期間において1回の取引で使用したポイントの使用回数の分布を表すヒストグラム情報に基づいて、前記1回の取引で使用されたポイントの使用回数が閾値未満のポイントをレアポイントとして設定するようにしたものである。
【0025】
この発明の第8の態様によれば、商品等の購入金額に応じて、例えばヘビーユーザを対象として、或いはまだ購入履歴のない新規ユーザを対象としてイベントを実施した場合に、当該対象ユーザのイベントへの関心の有無やその度合い等の関心状況を判断することが可能となる。
【0026】
この発明の第9の態様は、前記第1乃至8のいずれかの態様において、前記レアポイント設定部が、前記使用の度合いが閾値未満のポイントの中から、前記イベントの特徴を表す情報と関連性を有するポイントを選択し、当該選択したポイントを前記レアポイントとして設定するようにしたものである。
【0027】
この発明の第9の態様によれば、使用される度合いが少ないポイントの中から、イベントの特徴と関連性を有するポイントがレアポイントとして設定される。例えば、イベントが開店「8周年」を記念するイベントであれば、「8ポイント」がレアポイントとして選択され設定される。その結果、ユーザはレアポイントを違和感なくかつ誤ることなく使用することが可能となり、これによりさらに多くのユーザをイベント評価の対象ユーザにすることが可能となる。
【0028】
この発明の第10の態様は、前記第1乃至9のいずれかの態様において、前記処理実行部が、前記レアポイントを使用したユーザの数を計数し、その計数結果に基づいて前記イベントの効果を表す情報を生成し出力するようにしたものである。
【0029】
この発明の第10の態様によれば、レアポイントを使用したユーザの数が計数され、その計数結果に基づいてイベントの効果を表す情報が生成され出力される。従って、管理者はイベントの効果を自身で統計処理することなく簡易に把握することが可能となる。
【0030】
この発明の第11の態様は、前記第1乃至10のいずれかの態様において、前記処理実行部が、前記レアポイントを使用したユーザに対しインセンティブポイントを付与する処理を、前記ポイントサービスの管理装置に指示するようにしたものである。
【0031】
この発明の第11の態様によれば、レアポイントを使用したユーザに対しインセンティブポイントを付与する処理がポイントサービスの管理装置に指示される。このため、レアポイントを使用することでイベント効果の分析に協力したユーザは、インセンティブポイントの付与による利益還元を受けることができる。
【発明の効果】
【0032】
すなわち、この発明の各態様によれば、装置の処理負荷とユーザの操作負担を軽減しつつ、幅広いユーザ層から多数の対象ユーザを確保することを可能にした技術を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、図面を参照してこの発明の実施形態を説明する。
[概要]
先ず、この発明に係る一実施形態の概要を説明する。この発明の一実施形態は、例えば、商品や店舗に対し販売促進キャンペーン等のイベントを実施する場合に、イベントの一環として広告情報を提示し、その効果を調査する際に、ポイントサービスを利用するものである。
【0035】
ポイントサービスは、例えば、会員登録されたユーザが商品またはサービスを購入した際に、その購入金額に応じて、或いは店舗への来店回数等に応じて、企業側が定めた条件でユーザに対しポイントを付与し、貯まったポイントを次回以降の来店時に商品またはサービスと交換したり、商品またはサービスの購入時に代金として使用できるようにするサービスである。付与又は使用されたポイントの管理データは、一般にポイントカードまたはスマートフォン等の携帯端末に記憶されると共に、店舗のレジ端末等からポイント管理サーバに送信されて会員ユーザの管理等に利用される。
【0036】
この発明の一実施形態では、イベント管理装置において、例えば、先ず1回のポイント使用時に通常では使用される機会の少ないポイントをレアポイントとして設定する。そして、広告情報を提示する際に当該広告情報に上記レアポイントを関連付けて会員ユーザに告知する。これに対し会員ユーザが、例えば、広告情報の内容により指定された店舗に来店して上記レアポイントを使用するか、或いは上記広告内容により指定された商品またはサービスを購入する際に上記レアポイントを使用すると、上記レアポイントの使用履歴を表す情報が、店舗の販売端末(例えばレジ端末)からポイント管理サーバを介してイベント管理装置に通知される。イベント管理装置は、上記通知されたレアポイントの使用履歴を、上記広告に対する会員ユーザの関心の有無を表す回答であると見なし、この回答を集計することで上記広告の効果を分析する。
【0037】
以上のような処理を行うことで、会員ユーザは、広告内容に関連付けられて提示されたレアポイントを使用するだけで、面倒なエントリ操作を行うことなく簡単に、広告に対し回答をすることができる。またイベント管理装置は、ユーザによるポイント使用履歴をもとに、使用されたポイントがレアポイントか否かを判定するだけで、広告に対する回答を取得することができる。従って、ターゲティング広告のように、対象ユーザの数が制限されたりユーザ属性に偏りを生じることなく、幅広いユーザ層から多数の回答を収集することが可能となる。
【0038】
なお、広告情報の提示は、会員登録されたユーザに限らず、不特定多数のユーザを対象としてもよい。この場合、未登録のユーザはポイントサービスに会員登録することで広告に対し回答を行うことができる。その際、ユーザに会員登録と同時にレアポイント相当のサービスポイントを付与すれば、当該ユーザは商品等を別途購入してポイント付与を受けることなく広告に対する回答を行うことができる。また、ポイントサービスの運用者にとっては、会員を増やすことができるメリットがある。
【0039】
[一実施形態]
(構成)
図1は、この発明の一実施形態に係るイベント管理装置を備えたシステムの全体構成を例示した図である。
このシステムは、イベント管理装置として動作するイベント管理サーバESVを備える。イベント管理サーバESVは、例えば、インターネットに代表される広域ネットワーク(Wide Area Network:WAN)を介して、複数の商品販売管理システムCS1〜CSn、および複数の広告配信サーバASV1〜ASVkとの間で、それぞれデータ伝送できるように構成されている。
【0040】
商品販売管理システムCS1〜CSnは、例えば店舗単位で或いは複数の店舗を集合した店舗群単位で設けられ、それぞれ複数のPOS(Point Of Sales)端末2a1〜2amをLAN(Local Area Network)2bを介して店舗管理サーバ2cに接続したものとなっている。
【0041】
POS端末2a1〜2amは、商品またはサービスの販売に伴う金銭登録処理や、販売した商品またはサービスの種類および数の登録処理、販売時刻の登録処理等を行う通常のレジ機能に加えて、上記したポイントサービスの決済処理機能を備えている。
【0042】
またPOS端末2a1〜2amは、上記ポイントサービスの決済処理において、例えば、ユーザが提示したポイントカードまたはその機能を内蔵した携帯端末に対し、購入金額に応じたポイントの付与および使用ポイントの減算処理を行い、その処理結果を店舗管理サーバ2cに通知する。
【0043】
店舗管理サーバ2cは、上記POS端末2a1〜2amから、そのレジ機能により生成された売上データや商品またはサービスの販売データをLAN2bを介して収集し、店舗ごとまたは店舗群ごとの売上データおよび販売データを集計する。
【0044】
また店舗管理サーバ2cは、上記ポイントサービスの決済情報を、広域ネットワークNWを介してポイント管理サーバ(図示省略)へ転送する。ポイント管理サーバは、例えばポイントサービス事業者が運用する。ポイント管理サーバは、会員データベースにおいて、上記ポイントの決済情報を会員ユーザの識別情報(会員ユーザID)および会員ユーザの属性情報と関連付けて管理する。
【0045】
さらにポイント管理サーバは、イベント管理サーバESVからの要求に応じて、上記ポイントの決済情報をもとに会員ユーザごとのポイント使用履歴を表す情報を生成し、イベント管理サーバESVへ送信する機能を有する。またポイント管理サーバは、イベント管理サーバESVからの要求に応じて、会員ユーザの属性情報をイベント管理サーバESVへ送信する機能も有する。
【0046】
イベント管理サーバESVは、Web上またはクラウド上に設けられたサーバコンピュータからなる。
図2はイベント管理サーバESVの機能構成を示すブロック図である。
【0047】
イベント管理サーバESVは、例えば、中央制御ユニット(Central Processing Unit:CPU)と呼ばれるハードウェアプロセッサを用いた制御ユニット10に、図示しないバスを介して、通信インタフェースユニット11と、入出力インタフェースユニット12と、記憶ユニット13を接続したものとなっている。
【0048】
通信インタフェースユニット11は、広域ネットワーク(WAN)NWにおいて規定された通信プロトコルに従い、当該広域ネットワークNWを介して、上記商品販売管理システムCS1〜CSnの各店舗管理サーバ2c、および広告配信サーバASV1〜ASkとの間でデータ通信を行う。
【0049】
入出力インタフェースユニット12は、システムオペレータ等が使用する管理用端末TMとの間で入力データおよび表示データの入出力処理を行う。
【0050】
記憶ユニット13は、記憶媒体として、例えばHDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、ROM、RAMを使用する。そして、これらの記憶媒体により構成される記憶領域には、プログラムを格納するプログラム領域に加え、この発明の一実施形態において使用する、ポイント使用履歴記憶部131と、広告情報記憶部132と、ポイント使用データ記憶部133と、レアポイント使用情報記憶部134と、ユーザ属性情報記憶部135が設けられている。
【0051】
ポイント使用履歴記憶部131は、ポイント管理サーバから取得された、会員ユーザごとの過去の一定期間におけるポイント使用履歴を表す情報を記憶するために用いられる。このポイント使用履歴を表す情報は定期的に更新される。
【0052】
広告情報記憶部132は、例えば広告制作会社が運用するサーバまたは端末(図示省略)から送信された、各イベントの広告情報を記憶するために用いられる。広告情報の種類としては、例えば、店舗についての広告や、商品またはサービスについての広告を、SNS(Social Network System)向けに制作したものや、デジタルサイネージ向けに制作したものが想定される。なお、広告情報の種類は上記したものに限定されるものではなく、他にテレビジョン放送向けや、Webページ向けに制作されたバナー広告等であってもよい。
【0053】
ユーザ属性情報記憶部135は、ポイント管理サーバから取得された、各会員ユーザの属性情報を記憶するために用いられる。ユーザ属性情報には、例えばユーザ名、住所、性別および年齢が含まれるが、これに限定されるものではない。
【0054】
ポイント使用データ記憶部133およびレアポイント使用情報記憶部134は、広告の効果を分析する過程で取得または生成される各種データを記憶するために用いられる。
【0055】
制御ユニット10は、一実施形態を実施するために必要な制御機能部として、レアポイント設定部101と、広告配信制御部102と、ポイント使用データ取得制御部103と、レアポイント使用状況判定部104と、広告効果分析部105とを備えている。これらの制御機能部101〜105は、上記記憶ユニット13内に設けられたプログラム領域に格納されたプログラムを、上記ハードウェアプロセッサに実行させることにより実現される。
【0056】
レアポイント設定部101は、過去の所定期間においてユーザが1回の取引(商品購入だけでなく来店のみを含む)で使用したポイントの使用履歴を表す情報を、上記ポイント使用履歴記憶部131から読み込む。そして、この読み込んだ使用履歴を表す情報に基づいて、上記過去の単位期間における各ポイントの使用回数の分布を表すヒストグラムを生成する。またレアポイント設定部101は、上記生成されたヒストグラムに基づいて、ポイントの使用回数が予め設定した閾値以下のポイントをレアポイント候補とし、このレアポイント候補の中からイベントの特徴に対応するレアポイント候補をレアポイントとして選択し設定する処理を行う。
【0057】
広告配信制御部102は、イベントの開始時、或いはイベントの実施期間中に、広告情報記憶部132から上記イベントに対応する広告情報を読み出す。そして、上記広告情報と、上記レアポイント設定部101により設定されたレアポイントとを関連付け、このレアポイントが関連付けられた広告情報を通信インタフェースユニット11から広告配信サーバASV1〜ASVkに対し送信する処理を行う。広告情報の一例は後述する。
【0058】
ポイント使用データ取得制御部103は、イベント実施期間中に複数の会員ユーザが使用したポイントの使用履歴を表す情報(ポイント使用データ)を、例えばイベント実施期間中、或いはイベント実施期間終了後に、ポイント管理サーバから取得して、ポイント使用データ記憶部133に記憶させる処理を行う。
【0059】
レアポイント使用状況判定部104は、上記ポイント使用データ記憶部133に記憶された、イベント実施期間中におけるポイント使用履歴を表す情報から、レアポイントの使用履歴を抽出する。そして、その抽出されたレアポイントの使用履歴を、レアポイントの使用状況を表す情報としてレアポイント使用情報記憶部134に記憶させる処理を行う。
【0060】
広告効果分析部105は、上記レアポイント使用情報記憶部134に記憶されたレアポイントの使用状況を表す情報と、ユーザ属性情報記憶部135に記憶されている会員ユーザの属性情報とに基づいて、広告効果の分析処理を行う。そして、分析結果を表す情報を、入出力インタフェースユニット12から管理用端末TMへ出力して表示させる処理を行う。広告効果の分析処理の一例については後述する。
【0061】
(動作)
次に、以上のように構成されたイベント管理サーバESVの動作を説明する。
図3はイベント管理サーバESVによる処理手順と処理内容を示すフローチャートである。
【0062】
(1)レアポイントの設定
イベントの実施に先立ち、イベント管理サーバESVは先ずポイント管理サーバに対しアクセスし、当該ポイント管理サーバから過去の所定期間(例えば1ヶ月間または半年間)における会員ユーザのポイント使用履歴情報を取得して、当該ポイント使用履歴情報をポイント使用履歴記憶部131に記憶させる。
【0063】
なお、このときポイント管理サーバから取得するポイント使用履歴情報は、全会員ユーザのものであってもよいが、予め設定された選択ルールに従い選択したものであってもよい。選択ルールとしては、例えば、イベントの実施対象エリアに居住する会員ユーザを選択対象としたり、性別や年齢層等を選択対象とするものが考えられる。
【0064】
またそれと共にイベント管理サーバESVは、広告制作会社が運用するサーバまたは端末に対しアクセスし、当該サーバまたは端末から実施対象のイベントに係る広告情報を取得して広告情報記憶部132に記憶させる。さらに、ポイント管理サーバから会員ユーザの属性情報を取得し、当該ユーザ属性情報をユーザ属性情報記憶部135に記憶させる。
【0065】
なお、ユーザ属性情報は予めユーザ属性情報記憶部135に記憶しておいてもよく、また広告情報は、広告制作会社のサーバまたは端末からのアップロードを待って広告情報記憶部132に記憶させるようにしてもよい。
【0066】
さて、この状態で、ある商品または店舗について販売促進キャンペーンを実施するために、例えば管理用端末TMにおいてイベント開始指示が入力されたとする。このとき、イベント開始指示には、キャンペーンの名称やID等の識別情報と、広告対象が「商品」であるか「店舗」であるかを指定する広告対象指定情報と、広告の種類を指定する広告種別指定情報と、イベント実施期間を指定する情報が含まれる。
【0067】
イベント管理サーバESVは、レアポイント設定部101の制御の下、ステップS10において、上記イベント開始指示を入出力インタフェースユニット12を介して受け取ると、先ずステップS11において、ポイント使用履歴記憶部131から過去の所定期間におけるポイント使用履歴情報を読み出す。そして、レアポイント設定部101は、ステップS12において以下のようにレアポイントの設定処理を実行する。
【0068】
図4は、レアポイント設定処理の手順と処理内容を示すフローチャートである。すなわち、レアポイント設定部101は、先ずステップS20において、上記イベント開始指示に含まれる広告対象指定情報をもとに、広告対象が「商品」であるか「店舗」であるかを判別する。続いてレアポイント設定部101は、ステップS21において、上記判別した広告対象に対応する、過去の単位期間における各ポイントの使用回数の分布を表すヒストグラムを生成する。
【0069】
例えば、広告対象が「商品A」であれば、上記ポイント使用履歴記憶部131から読み出されたポイント使用履歴情報の中から、上記商品Aの購入に際し使用されたポイントの使用履歴情報を抽出する。そして、この抽出されたポイント使用履歴情報に基づいて、ポイント別の使用回数の分布を表すヒストグラムを生成する。
図5はこのようにして生成されたヒストグラムの一例を示すものである。
【0070】
また、広告対象が「店舗B」であれば、上記ポイント使用履歴記憶部131から読み出されたポイント使用履歴情報の中から、当該店舗Bにおいて使用されたポイントの使用履歴情報を抽出する。なお、店舗がチェーン化されていれば、チェーンに属する全ての店舗を対象として、ポイント使用履歴情報を抽出するようにしてもよい。そして、上記抽出されたポイント使用履歴情報に基づいて、ポイント別の使用回数の分布を表すヒストグラムを生成する。
図6はこのようにして生成されたヒストグラムの一例を示すものである。
【0071】
続いてレアポイント設定部101は、ステップS22において、上記生成されたヒストグラムにおける各ポイントの使用回数を予め設定された閾値と比較し、使用回数が閾値に満たないポイント群をレアポイント候補として選択する。
【0072】
この結果、例えば
図5に示した「商品A」に対応するヒストグラムからは、閾値TH1未満のポイント「1」〜「4」、「6」〜「9」、「11」〜「14」…がレアポイント候補として選択される。また、例えば
図6に示した「店舗B」に対応するヒストグラムからは、閾値TH2未満のポイント「4」、「6」、「8」、「14」、「18」、「24」〜「28」…がレアポイント候補として選択される。
【0073】
次にレアポイント設定部101は、ステップS23において、広告情報記憶部132から前記イベント開始指示に含まれるキャンペーン識別情報に対応する広告情報を読み出し、当該広告情報からキャンペーンの特徴を表すキーワードを抽出する。なお、この特徴キーワードは、上記キャンペーン識別情報から抽出してもよい。そしてレアポイント設定部101は、ステップS24において、上記レアポイント候補の中から、上記抽出した特徴キーワードに対応するポイントを1つまたは複数選択し、当該ポイントをレアポイントとして設定する。
【0074】
例えば、広告情報の内容が「商品A」の発売開始8周年を記念する場合には、特徴ワードとしては「8」が抽出される。そして、レアポイント候補の中から「8ポイント」が選択され、この「8ポイント」がレアポイントとして設定される。同様に、広告情報の内容が「店舗B」の開店8周年を記念する場合にも、特徴ワードとしては「8」が抽出され、レアポイント候補の中の「8ポイント」が選択され、この「8ポイント」がレアポイントとして設定される。
【0075】
(2)広告配信制御
上記レアポイントの設定が終了するとイベント管理サーバESVは、次に広告配信制御部102の制御の下、ステップS13において以下のように広告配信制御を実行する。
【0076】
すなわち、広告配信制御部102は、上記管理用端末TMから受け取ったイベント開始指示に含まれる広告種別指定情報をもとに、広告の種類を決定する。そして、広告情報記憶部132からキャンペーンに対応する広告情報を読み出し、この広告情報をもとに上記広告の種類に対応する広告配信情報を編集する。このとき広告配信情報には、上記レアポイントの使用を促すメッセージが含められる。
【0077】
例えば、上記したように、広告情報の内容が「店舗B」の開店8周年を記念するもので、かつ広告の種類が「SNS」向けであれば、例えば
図7に示すようなSNS向けの広告配信情報が生成される。また同様に、広告情報の内容が「商品A」の発売開始8周年を記念するもので、かつ広告の種類がデジタルサイネージ向けであれば、例えば
図8に示すようなデジタルサイネージ向けの広告配信情報が生成される。
【0078】
続いて広告配信制御部102は、上記イベント開始指示に含まれるイベント実施期間の指定情報に基づいて、キャンペーンの実施開始日になったか否かを監視する。そして、キャンペーン実施開始日になると、上記生成された広告配信情報を、通信インタフェースユニット11から広告の種類に対応する広告配信サーバASV1〜ASVkへ送信する。
【0079】
広告配信サーバASV1〜ASVkは、上記広告配信情報を受信すると、当該広告配信情報を広告配信対象に向け配信する。例えば、広告配信情報がSNS向けであれば、SNSサーバを介して、会員ユーザが所持するスマートフォン等の携帯端末へ配信する。なお、SNS配信のための会員ユーザのアドレス情報は、ポイント管理サーバから取得したユーザ属性情報をもとに指定することができる。
【0080】
また、例えば広告配信情報がデジタルサイネージ向けであれば、広告配信サーバASV1〜ASVkは、上記広告配信情報をデジタルサイネージ用の表示装置に向け配信する。配信先となるデジタルサイネージ用の表示装置のアドレス情報は、例えば、広告配信対象となるエリアに存在するデジタルサイネージ用の表示装置のアドレス情報を、イベント管理サーバESVが広告配信サーバASV1〜ASVkに指定すればよい。
【0081】
イベント管理サーバESVは、上記広告配信情報を、イベント開始時だけでなく、イベント実施期間中において少なくとも1回追加配信するようにしてもよい。
【0082】
(3)レアポイントの使用状況の判定
上記広告配信情報の配信後に、会員ユーザが、例えば通行中にデジタルサイネージ表示装置に表示された広告配信情報を見てその内容に興味を持ち、「商品A」を購入する際にレアポイント「8」を使用したとする。または、会員ユーザが、SNS媒体を介して自身の携帯端末に配信された広告配信情報を見てその内容に興味を持ち、キャンペーン対象の店舗に行ってレアポイント「8」を使用したとする。そうすると、このレアポイント「8」の使用履歴が、商品販売管理システムCS1〜CSnの店舗管理サーバ2cからポイント管理サーバに送られる。そして、ポイント管理サーバにおいて、対応する会員ユーザのポイント使用履歴情報が更新される。
【0083】
この状態で、イベント管理サーバESVは、ポイント使用データ取得制御部103の制御の下、ステップS14において、上記ポイント管理サーバから会員ユーザのポイント使用履歴情報を収集して、ポイント使用データ記憶部133に記憶させる。このポイント使用履歴情報の収集処理は、ステップS15によりイベント実施期間の終了が判定されるまで、例えば定期的に行われる。なお、イベント管理サーバESVは、上記ポイント使用履歴情報を、イベント実施期間の終了後にポイント管理サーバから一括して収集するようにしてもよい。
【0084】
イベント管理サーバESVは、会員ユーザのポイント使用履歴を表す情報の収集が終了すると、続いてレアポイント使用状況判定部104の制御の下、ステップS16において、ポイント使用データ記憶部133から各会員ユーザのポイント使用履歴情報を読み出す。そして、ステップS17において、上記読み出されたポイント使用履歴情報から、レアポイントの使用履歴を含む情報のみを抽出し、その抽出結果を表す情報をレアポイントの使用状況を表す情報(レアポイント使用情報)としてレアポイント使用情報記憶部134に記憶させる。なお、上記レアポイント使用情報には、例えば、レアポイントを使用した会員ユーザの識別情報(ユーザID)、使用回数、使用日時および使用店舗の識別情報(店舗ID)が含まれる。
【0085】
(4)広告効果の分析
次にイベント管理サーバESVは、広告効果分析部105の制御の下、ステップS18において、上記レアポイント使用情報記憶部134からレアポイント使用情報を読み出し、当該レアポイント使用情報と、ユーザ属性情報記憶部135に記憶されている会員ユーザの属性情報とに基づいて、例えば以下のような広告効果の分析処理を行う。
【0086】
(1) SNS媒体を利用して広告を配信した場合には、レアポイント使用情報に基づいて、イベント実施期間中に「店舗B」でレアポイント「8」を使用した会員ユーザの人数を計数する。これにより、SNSによる広告を見て「店舗B」に来店したユーザと、広告を見ずに来店した他のユーザとを判別することが可能となり、これにより広告効果を推定できる。
【0087】
(2) SNSにより配信した対象ユーザの人数に対する、上記レアポイントを使用した会員ユーザ数の割合を計算する。また、上記会員ユーザの属性情報に基づいて、上記レアポイントを使用したユーザの性別、年齢層、居住エリア等を分類する。さらに、レアポイントを使用した店舗の店舗IDをもとに、店舗別の広告効果を推定する。
【0088】
(3) デジタルサイネージを利用して広告配信をした場合には、レアポイント使用情報に基づいて、イベント実施期間中にレアポイント「8」を使用して「商品A」を購入した会員ユーザの人数を計数する。これにより、広告を見て「商品A」を購入したユーザと、広告を見ずに「商品A」を購入したユーザとを判別することが可能となる。
【0089】
(4) レアポイント「8」を使用した店舗の位置情報と、デジタルサイネージ表示装置の設置位置情報とに基づいて、デジタルサイネージ表示装置によるエリア別の広告効果を推定する。
【0090】
イベント管理サーバESVは、上記広告効果分析部105により得られた上記各分析結果を表す情報を、記憶ユニット13内の分析結果記憶部(図示省略)に一旦記憶させると共に、例えば入出力インタフェースユニット12を介して管理用端末TMへ出力して表示させる。
【0091】
なお、上記イベント管理サーバESVは、上記分析結果を表す情報を、通信インタフェースユニット11から予め指定された報告先の端末へ送信するようにしてもよい。
【0092】
(一実施形態の効果)
以上詳述したように一実施形態では、イベント管理サーバESVにおいて、過去の単位期間においてユーザが1回の取引で使用したポイントの使用履歴を表す情報に基づいて、上記過去の単位期間における各ポイントの使用回数の分布を表すヒストグラムを生成する。そして、上記ヒストグラムに基づいて、ポイントの使用回数が閾値以下のポイントをレアポイント候補とし、このレアポイント候補の中からイベントの特徴に対応するレアポイント候補をレアポイントとして設定する。そして、広告配信後の各ユーザのポイント使用履歴を取得して、この使用履歴からレアポイントの使用状況を判定し、この判定されたレアポイントの使用状況を表す情報と、ユーザの属性情報をもとに、広告効果を分析するようにしている。
【0093】
従って一実施形態によれば、通常では使用される機会が少ないレアポイントが広告に対する回答手段として使用される。このため、ユーザは、広告で指定された店舗への来店時に、または広告で指定された商品の購入時にレアポイントを使用するだけで、面倒なエントリ操作を行うことなく簡単に、イベントに対し回答することが可能となる。従って、例えばターゲティング広告のように、対象ユーザの数が制限されたりユーザ属性に偏りを生じることなく、幅広いユーザ層から多数の回答を収集することが可能となる。
【0094】
またイベント管理サーバESVにとっては、ユーザが使用したポイントがレアポイントであるか否かを判定するだけで、イベントに対するユーザの関心の有無を判断することが可能となる。従って、イベント管理サーバESVは対象ユーザを抽出して当該対象ユーザに回答を依頼し、さらに対象ユーザから回答を収集するといった処理を行う必要がなくなり、これにより装置の処理負荷を軽減して他の重要処理に悪影響が及ぼさないようにすることが可能となる。
【0095】
さらに、レアポイントを設定する際に、広告対象の店舗または商品を指定し、この指定した店舗における過去のポイント使用履歴、または指定した商品の購入時におけるポイントの使用履歴に基づいて、ポイントの使用分布を表すヒストグラムを生成し、このヒストグラムに基づいてレアポイントを選択するようにしている。このため、店舗ごとに、或いは商品ごとに、使用機会の少ないポイントを、的確にレアポイントとして選択し設定することができる。
【0096】
さらに、レアポイントを設定する際に、広告内容から特徴的なキーワードを選択し、このキーワードと関連性を有する数のポイントをレアポイントとして設定するようにしている。このため、ユーザはレアポイントを違和感なくかつ誤ることなく使用することが可能となり、これによりさらに多くのユーザをイベント評価の対象ユーザにすることができる。
【0097】
さらに、レアポイントの使用状況を表す情報をもとに広告の効果を分析し、その分析結果を出力するようにしている。このため、広告主や広告制作者は、自身で広告効果を分析処理することなく、分析結果を即時把握することができる。
【0098】
[他の実施形態]
(1)前記一実施形態では、1個のイベント(広告付きのキャンペーン)に対し1個のレアポイントを設定し、ユーザがこのレアポイントを使用した際に、ユーザが上記イベントに対し関心を持っていると判断して、イベントに対する評価を行うようにした。しかし、この発明はそれに限定されるものではなく、1個のイベントに対し関心の大きさに対応した複数のレアポイントを設定し、ユーザがこれらのレアポイントのいずれを使用するかによって上記イベントに対するユーザの関心の大きさを判断するようにしてもよい。
【0099】
(2)前記一実施形態では、イベント管理サーバESVにおいてレアポイントを自動設定する場合について述べた。しかし、例えばイベント管理サーバESVの管理者、広告制作者または広告主がレアポイントを任意に選択し、この選択したレアポイントを上記各者が使用する端末からイベント管理サーバESVが取得して設定するようにしてもよい。
【0100】
(3)前記一実施形態では、ポイント管理サーバとは別にイベント管理サーバESVを設け、このイベント管理サーバESVによりこの発明の一実施形態に係る処理を実行するようにした。しかし、それに限らず、イベント管理サーバESVによる処理機能をポイント管理サーバに設けてもよい。
【0101】
(4)イベント管理サーバESVにおいて、レアポイントの使用情報をもとにイベント実施期間中にレアポイントを使用したユーザのリスト、つまり広告に回答したユーザのリストを作成し、当該ユーザリストをポイント管理サーバに通知する。ポイント管理サーバは、上記ユーザリストに記載された各ユーザに対し、インセンティブポイントを付与する処理を行う。インセンティブポイントは、レアポイント以上の値に設定する。このようにすると、ユーザはポイントを消費することなく、またはポイント付与の恩恵を受けながら広告に回答することができるので、広告に対する回答数の増加が期待できる。
【0102】
(5)イベントの実施対象がユーザである場合に、イベント管理サーバESVは、レアポイントを設定する際に、上記ユーザが過去の単位期間において1回の取引で使用したポイントの使用回数の分布を表すヒストグラム情報に基づいて、上記1回の取引で使用されたポイントの使用回数が閾値未満のポイントをレアポイントとして設定するようにしてもよい。このようにすると、店舗や商品以外にユーザを対象にしてイベントを実施した場合に、当該対象ユーザのイベントへの関心の有無やその度合い等の関心状況を判断することができる。
【0103】
(6)イベントの実施対象が特定の情報サイトをアクセスしたユーザ群である場合に、イベント管理サーバESVは、レアポイントを設定する際に、上記ユーザ群が過去の単位期間において1回の取引で使用したポイントの使用回数の分布を表すヒストグラム情報に基づいて、上記1回の取引で使用されたポイントの使用回数が閾値未満のポイントをレアポイントとして設定するようにしてもよい。このようにすると、特定の情報サイトに対するアクセス履歴に基づいて、例えばアクセス回数の多いユーザ群を対象としてイベントを実施した場合に、当該対象ユーザ群のイベントへの関心の有無やその度合い等の関心状況を判断することが可能となる。
【0104】
(7)イベントの実施対象が特定の商品またはサービスを予め設定された数だけ購入または利用したユーザ群である場合に、イベント管理サーバESVは、レアポイントを設定する際に、当該ユーザ群が過去の単位期間において1回の取引で使用したポイントの使用回数の分布を表すヒストグラム情報に基づいて、上記1回の取引で使用されたポイントの使用回数が閾値未満のポイントをレアポイントとして設定するようにしてもよい。このようにすると、商品の購入個数またはサービスの利用回数に応じて、例えば購入個数が所定数より多いまたはサービスの利用回数が所定数より多いユーザを対象としてイベントを実施した場合に、当該対象ユーザのイベントへの関心の有無やその度合い等の関心状況を判断することが可能となる。
【0105】
(8)イベントの実施対象が、予め設定された金額の範囲の買い物を行ったユーザ群である場合に、イベント管理サーバESVは、レアポイントを設定する際に、上記ユーザ群が過去の単位期間において1回の取引で使用したポイントの使用回数の分布を表すヒストグラム情報に基づいて、上記1回の取引で使用されたポイントの使用回数が閾値未満のポイントをレアポイントとして設定するようにしてもよい。このようにすると、商品等の購入金額に応じて、例えばヘビーユーザを対象として、或いはまだ購入履歴のない新規ユーザを対象としてイベントを実施した場合に、当該対象ユーザのイベントへの関心の有無やその度合い等の関心状況を判断することが可能となる。
【0106】
(9)その他、イベントの種類や、レアポイントの設定方法、広告の対象や広告の種類、広告配信情報の内容や配信方法、広告効果の分析方法等についても、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
【0107】
すなわち、この発明は上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、各実施形態は可能な限り適宜組み合わせて実施してもよく、その場合組み合わせた効果が得られる。更に、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適当な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【解決手段】イベント管理サーバESVにおいて、過去の単位期間においてユーザが1回の取引で使用したポイントの使用履歴情報に基づいて、各ポイントの使用回数の分布を表すヒストグラムを生成する。このヒストグラムに基づいて、ポイントの使用回数が閾値以下のポイントをレアポイント候補とし、その中からイベントの特徴に対応するレアポイント候補を選択してレアポイントとして設定する。広告配信後では、各ユーザのポイント使用履歴を取得して、この使用履歴からレアポイントの使用状況を判定し、この判定結果とユーザ属性情報をもとに、広告効果を分析する。