特許第6571847号(P6571847)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6571847
(24)【登録日】2019年8月16日
(45)【発行日】2019年9月4日
(54)【発明の名称】インテリジェント車両電子キーシステム
(51)【国際特許分類】
   H04W 12/06 20090101AFI20190826BHJP
   G06Q 30/06 20120101ALI20190826BHJP
   B60R 25/24 20130101ALI20190826BHJP
   E05B 49/00 20060101ALI20190826BHJP
【FI】
   H04W12/06
   G06Q30/06 350
   B60R25/24
   E05B49/00 J
【請求項の数】14
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2018-164501(P2018-164501)
(22)【出願日】2018年9月3日
【審査請求日】2018年9月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】518314165
【氏名又は名称】笠▲衆▼實業有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(72)【発明者】
【氏名】陳▲ケイ▼定
【審査官】 神田 泰貴
(56)【参考文献】
【文献】 中国特許出願公開第106302510(CN,A)
【文献】 特開2013−141922(JP,A)
【文献】 特開2018−028192(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0262441(US,A1)
【文献】 特開2015−153258(JP,A)
【文献】 特表2013−509640(JP,A)
【文献】 特開2010−126949(JP,A)
【文献】 特開2007−251557(JP,A)
【文献】 特開2003−041825(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 12/06
B60R 25/24
E05B 49/00
G06Q 30/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クラウドサーバと、
無線ネットワーク接続機能を有し、かつインターネットを通して前記クラウドサーバに接続される第1のユーザデバイスと、
無線ネットワーク接続機能を有し、かつ前記インターネットを通して前記クラウドサーバに接続される第2のユーザデバイスと、
車両内に設置され、無線ネットワーク接続機能を有し、前記インターネットを通して前記クラウドサーバに接続される車両制御ユニットと、を含み、
電子キー共有機能を起動後、前記第1のユーザデバイスは電子キー情報リンクを前記第2のユーザデバイスに送信し、前記電子キー情報リンクを起動後、前記第2のユーザデバイスはアクセス権リクエストを前記クラウドサーバに送信し、
前記クラウドサーバが前記第2のユーザデバイスにアクセス確認を返した後、前記第2のユーザデバイスは、車両制御機能を起動させ、かつ、前記車両制御ユニットに前記車両の操作を制御させるために前記クラウドサーバを通して前記車両制御ユニットに車両制御信号を送信することを特徴とする、
インテリジェント車両電子キーシステム。
【請求項2】
前記第1のユーザデバイスは電子キーアプリケーションを含み、前記第1のユーザデバイスは前記電子キーアプリケーションを実施し、かつ前記第1のユーザデバイスのディスプレースクリーン上での前記電子キーアプリケーションの操作のための第1のユーザインターフェースを生成し、前記電子キーアプリケーションは、前記第1のユーザデバイスに、前記クラウドサーバを通して前記第2のユーザデバイスに前記電子キー情報リンクを送信させるために、前記電子キー共有機能を提供することを特徴とする、請求項1に記載のインテリジェント車両電子キーシステム。
【請求項3】
前記第2のユーザデバイスは、前記インターネットを通して前記クラウドサーバから前記電子キー情報リンクを受信し、前記第2のユーザデバイスが前記電子キー情報リンクを起動後、前記第2のユーザデバイスは、前記第2のユーザデバイスのディスプレースクリーン上に前記車両制御機能を表示するための第2のユーザインターフェースを生成し、前記車両制御機能によって、前記第2のユーザデバイスは、インターネット接続によって前記クラウドサーバを通して前記車両制御信号を前記車両制御ユニットに送信することを特徴とする、請求項1に記載のインテリジェント車両電子キーシステム。
【請求項4】
前記第1のユーザデバイスは、ショートメッセージサービス(SMS)、電子メール、および通信ソフトウェアによって、前記クラウドサーバを通して前記第2のユーザデバイスに前記電子キー情報リンクを送信することを特徴とする、請求項1〜3のうちいずれか一項に記載のインテリジェント車両電子キーシステム。
【請求項5】
前記第2のユーザインターフェースはウェブベースインターフェースであることを特徴とする、請求項3に記載のインテリジェント車両電子キーシステム。
【請求項6】
前記車両制御機能は、車両位置特定機能、ドアロック解除機能、またはエンジン始動機能を含むことを特徴とする、請求項1に記載のインテリジェント車両電子キーシステム。
【請求項7】
前記第2のユーザデバイスは、車両位置特定機能を実施し、前記第2のユーザデバイスは、インターネット接続によって前記クラウドサーバを通して前記車両制御ユニットに車両位置リクエストを送信し、前記車両制御ユニットは、前記インターネット接続によって前記クラウドサーバを通して車両位置情報を前記第2のユーザデバイスに送信することを特徴とする、請求項6に記載のインテリジェント車両電子キーシステム。
【請求項8】
前記ドアロック解除機能を実施する時、前記第2のユーザデバイスは、前記車両制御ユニットに前記車両のドアをロック解除させるために、前記クラウドサーバを通して前記車両制御ユニットにドアロック解除信号を送信することを特徴とする、請求項6に記載のインテリジェント車両電子キーシステム。
【請求項9】
エンジン始動機能を実施する時、前記第2のユーザデバイスは、前記車両制御ユニットに前記車両のエンジンを始動させるために、エンジン始動信号を前記車両制御ユニットに送信することを特徴とする、請求項6に記載のインテリジェント車両電子キーシステム。
【請求項10】
前記第2のユーザデバイスが前記車両制御機能を実施する時、前記車両制御ユニットは、前記クラウドサーバを通して前記第1のユーザデバイスに対応する操作の通知をさらに送信することを特徴とする、請求項7〜9のうちいずれか一項に記載のインテリジェント車両電子キーシステム。
【請求項11】
クラウドサーバと、
無線ネットワーク接続機能を有し、かつインターネットを通して前記クラウドサーバに接続される第1のユーザデバイスと、
無線ネットワーク接続機能および近距離接続機能を有し、かつ前記インターネットを通して前記クラウドサーバに接続される第2のユーザデバイスと、
車両内に設置され、無線ネットワーク接続機能および前記近距離接続機能を有し、近距離接続によって第2のユーザデバイスに接続され、第1のキー情報の少なくとも1つのセットと共に組み込まれる、車両制御ユニットと、を含み、
電子キー共有機能を起動後、前記第1のユーザデバイスは電子キー情報リンクを前記第2のユーザデバイスに送信し、前記電子キー情報リンクを起動後、前記第2のユーザデバイスはアクセス権リクエストを前記クラウドサーバに送信し、
前記クラウドサーバが前記第2のユーザデバイスにアクセス確認および第2のキー情報を返した後、前記第2のユーザデバイスは、第2のキー認証リクエストを前記車両制御ユニットに送信し、
前記車両制御ユニットは、前記第1のキー情報の少なくとも1つのセットによって前記第2のキー情報を適正に認証した後、前記第2のユーザデバイスに前記アクセス確認を返し、
前記第2のユーザデバイスは、車両制御機能を起動し、かつ、前記車両制御ユニットに前記車両の操作を制御させるために前記車両制御ユニットに車両制御信号を送信することを特徴とする、
インテリジェント車両電子キーシステム。
【請求項12】
前記第1のユーザデバイスは、近距離接続機能をさらに含み、かつ第1のキー情報更新リクエストを前記クラウドサーバに送信し、前記クラウドサーバは、前記インターネットを通して前記車両制御ユニットから接続リクエストが受信されるかどうかを判断し、前記接続リクエストが受信される時、前記クラウドサーバは第1のキー情報を格納するために前記車両制御ユニットに送信し、前記接続リクエストが受信されない時、前記クラウドサーバは前記第1のキー情報を格納するために前記第1のユーザデバイスに送信し、前記近距離接続機能を通して接続するために前記車両制御ユニットとペアリングした後、前記第1のユーザデバイスは前記第1のキー情報を格納するために前記車両制御ユニットに送信することで、前記車両制御ユニット内に前記第1のキー情報を作成することを特徴とする、請求項11に記載のインテリジェント車両電子キーシステム。
【請求項13】
前記第1のキー情報を格納後、前記車両制御ユニットは前記第1のユーザデバイスに格納確認を返すことを特徴とする、請求項12に記載のインテリジェント車両電子キーシステム。
【請求項14】
前記第1のキー情報を格納後、前記車両制御ユニットは前記クラウドサーバに格納確認を返すことを特徴とする、請求項12に記載のインテリジェント車両電子キーシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子キーシステムに関し、より詳細には、インテリジェント車両電子キーシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の所有者が該所有者の車両とは異なる位置にいる時に、他の人に該車両の使用を承認できるように、所有者は、車両のキーを承認した人に預けるか、車両を出入りさせるために駐車した場所までこの承認した人と共に行くかのどちらかを行う可能性がある。車両を戻すと、車両のキーも所有者に戻さなければならない。従って、キー引き渡しプロセスは、所有者および承認した人の時間を費やすだけでなく、キーの格納および操作上のセキュリティに対して予想外の危険性をもたらす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、車両所有者、および、物理的な車両キーを使用することが承認された人がキー引き渡しプロセス中に費やされる時間の問題点、および、キーの格納および操作上の安全性から生じる予想外の危険性の問題点を解決する、インテリジェント車両電子キーシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前述の目的を達成するために、インテリジェント車両電子キーシステムは、クラウドサーバ、第1のユーザデバイス、第2のユーザデバイス、および車両制御ユニットを含む。
【0005】
第1のユーザデバイスは、無線ネットワーク接続機能を有し、かつインターネットを通してクラウドサーバに接続される。
【0006】
第2のユーザデバイスは、無線ネットワーク接続機能を有し、かつインターネットを通してクラウドサーバに接続される。
【0007】
車両制御ユニットは、車両内に設置され、無線ネットワーク接続機能を有し、インターネットを通してクラウドサーバに接続される。
【0008】
電子キー共有機能を起動後、第1のユーザデバイスは電子キー情報リンクを第2のユーザデバイスに送信し、電子キー情報リンクを起動後、第2のユーザデバイスはアクセス権リクエストをクラウドサーバに送信し、クラウドサーバが第2のユーザデバイスにアクセス確認を返した後、第2のユーザデバイスは、車両制御機能を起動させ、かつ、車両制御ユニットに車両の操作を制御させるためにクラウドサーバを通して車両制御ユニットに車両制御信号を送信する。
【0009】
前述のインテリジェント車両電子キーシステムを前提として、第1のユーザデバイス、第2のユーザデバイス、および車両制御ユニットは、クラウドサーバおよびインターネットを通して相互に接続されて、車両の制御および操作に関して、電子キーのアクセス権の共有を達成し、かつ、アクセス権を共有する際の利便性およびセキュリティを向上させる。
【0010】
前述の目的を達成するために、インテリジェント車両電子キーシステムは、クラウドサーバ、第1のユーザデバイス、第2のユーザデバイス、および車両制御ユニットを含む。
【0011】
第1のユーザデバイスは、無線ネットワーク接続機能を有し、かつインターネットを通してクラウドサーバに接続される。
【0012】
第2のユーザデバイスは、無線ネットワーク接続機能および近距離接続機能を有し、かつインターネットを通してクラウドサーバに接続される。
【0013】
車両制御ユニットは、車両内に設置され、無線ネットワーク接続機能および近距離接続機能を有し、インターネットを通してクラウドサーバに接続され、第1のキー情報の少なくとも1つのセットと共に組み込まれる。
【0014】
電子キー共有機能を起動後、第1のユーザデバイスは電子キー情報リンクを第2のユーザデバイスに送信し、電子キー情報リンクを起動後、第2のユーザデバイスはアクセス権リクエストをクラウドサーバに送信し、クラウドサーバが第2のユーザデバイスにアクセス確認および第2のキー情報を返した後、第2のユーザデバイスは、第2のキー認証リクエストを車両制御ユニットに送信し、車両制御ユニットは、第1のキー情報の少なくとも1つのセットによって第2のキー情報を適正に認証した後、第2のユーザデバイスにアクセス確認を返し、第2のユーザデバイスは、車両制御機能を起動し、かつ、車両制御ユニットに車両の操作を制御させるために車両制御ユニットに車両制御信号を送信する。
【0015】
前述のインテリジェント車両電子キーシステムを前提として、第2のユーザデバイスは、近距離接続によって車両制御ユニットに接続可能であり、クラウドサーバから取得される第2のキー情報は、車両制御ユニットにおける第1のキー情報によって認証される。第2のキー情報が第1のキー情報によって適正に認証された後、第2のユーザデバイスは次いで、車両に対する制御を行うことで、車両の制御および操作に関して電子キーのアクセス権の共有を達成し、かつ、アクセス権を共有する際の利便性およびセキュリティを向上させることが可能である。さらに、車両制御ユニットがインターネットを通してクラウドサーバに接続できない時、第2のユーザデバイスを活用して車両を制御できる。
【0016】
本発明の他の目的、利点、および新規の特徴は、添付の図面と併せて以下の詳細な説明からより明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明による、インテリジェント車両電子キーシステムのシステムアーキテクチャを示す概略図である。
図2A】本発明による、車両電子キーに対するアクセス権を共有するために第1のタイプの操作を示すシーケンス図である。
図2B】本発明による、車両電子キーに対するアクセス権を共有するための第2のタイプの操作を示すシーケンス図である。
図3図2Aにおける車両キーの詳細な操作を示すシーケンス図である。
図4A】本発明による第1の所有者操作を示す第1のユーザインターフェースの概略図である。
図4B】第2の所有者操作を示す図4Aにおける第1のユーザインターフェースの概略図である。
図4C】第3の所有者操作を示す図4Aにおける第1のユーザインターフェースの概略図である。
図4D】第4の所有者操作を示す図4Aにおける第1のユーザインターフェースの概略図である。
図5A】本発明による、第1の承認操作を示す第2のユーザインターフェースの概略図である。
図5B】第2の承認操作を示す図5Aにおける第2のユーザインターフェースの概略図である。
図6】第3の承認操作を示す図5Aにおける第2のユーザインターフェースの概略図である。
図7】本発明による、インテリジェント車両電子キーシステムの別のシステムアーキテクチャを示す概略図である。
図8】本発明による、車両電子キーに対するアクセス権を共有するために第3のタイプの操作を示すシーケンス図である。
図9図1におけるインテリジェント車両電子キーシステムの車両制御ユニットを使用することによって第1のキー情報を確立するフロー図である。
図10A】第5の所有者操作を示す図4Aにおける第1のユーザインターフェースの概略図である。
図10B】第4の承認操作を示す図5Aにおける第2のユーザインターフェースの概略図である。
図10C】第5の承認操作を示す図5Aにおける第2のユーザインターフェースの概略図である。
図10D】第6の承認操作を示す図5Aにおける第2のユーザインターフェースの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1を参照する。本発明によるインテリジェント車両電子キーシステムは、第1のユーザデバイス11、第2のユーザデバイス12、クラウドサーバ13、および車両制御ユニット21を含む。
クラウドサーバ13はクラウドベースサーバホストであってよい。車両制御ユニット21は車両20内に設置される。車両制御ユニット21とクラウドサーバ13との間の接続性を明確に示していることを考慮すると、図1において車両制御ユニット21が車両20外部に位置していることは、必要性ではなく関係を示す意図である。
【0019】
第1のユーザデバイス11および第2のユーザデバイス12は、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ(PC)、ラップトップコンピュータ、携帯情報端末(PDA)、スマートウォッチ、またはスマートグラスなどのポータブル電子デバイスまたはウェアラブル電子デバイスであってよいが、これらに限定されない。
第1のユーザデバイス11または第2のユーザデバイス12として、無線ネットワーク接続性能、携帯性、または着用性を有する任意のモバイル電子デバイスを採用することが可能である。無線ネットワーク接続性能は、Wi−Fi(登録商標)、ZigBee(登録商標)、3G、3.5G、4G、またはより高位のモバイル標準に準拠する無線ネットワークモジュールによって実装可能であり、かつ、第1のユーザデバイス11または第2のユーザデバイス12に埋め込み可能である。
【0020】
第1のユーザデバイス11、第1のユーザデバイス12、および車両制御ユニット21は、インターネットまたはそれらのための他のネットワークを通してクラウドサーバ13に無線で接続されて相互に無線で通信する。それらの間の通信について、図2および図3と併せて後に詳しく述べる。
【0021】
本発明の技術的解決策を図示する実際の例の前提として、車両20の所有者は、自身の友達または家族に車両20を他の場所から指定された位置に移動してもらうようにお願いする。所有者は、第1のユーザデバイス11を所持する第1のユーザである。友達または家族は、第2のユーザデバイス12を所持する第2のユーザである。
【0022】
第1のユーザ(すなわち、所有者)が第1のユーザデバイス11を通して電子キー共有機能を起動する時、第1のユーザデバイス11は、第2のユーザによって所有される第2のユーザデバイス12に電子キー情報リンクを送信する。第2のユーザデバイス12を操作して電子キー情報リンクを開いた後、第2のユーザはさらに、第2のユーザデバイス12を操作して、車両制御機能を起動し、かつ車両制御信号をクラウドサーバ13に送信する。クラウドサーバ13は次いで、車両制御ユニット21に車両20の操作を制御させるために車両制御ユニット21に車両制御信号を送る。
【0023】
図2Aおよび図4A図4Dを参照する。第1のユーザは第1のユーザデバイス11を通して電子キーアプリケーションを実施する。図4Aに示されるように、第1のユーザデバイス11は第1のディスプレースクリーン15を有する。
第1のユーザが電子キーアプリケーションを実行する時、第1のユーザデバイス11の第1のディスプレースクリーン15上に、電子キーアプリケーションの操作時のユーザインターフェースとしての役割を果たすための第1のユーザインターフェース16が示される。第2のユーザとの電子キーに対するアクセス権を共有しようとする時、第1のユーザは第1のユーザインターフェース16上に示される電子キー共有機能を実施する(S11)。
本実施形態において、160の印がつけられた電子キー共有機能は、第1のユーザインターフェース16の右上隅に表示される。本発明において、ユーザインターフェース上で実施される機能は、「キーを押す」、「ボタン」、「スクロールバー制御」、および「テキストボックス」などによって実装され、操作機能に従って選択的に提示される。例えば、電子キー共有機能を有効または無効にしようとする場合、第1のユーザは、「スクロールバー制御」と関連した第1のユーザインターフェース16上の要素を操作でき、電子キーのデフォルト名を変更しようとする場合、第1のユーザは、「テキストボックス」に関連した第1のユーザインターフェース16上の要素を操作でき、以下同様に行うことが可能である。
電子キーに関連付けられた操作は、以降、文字通りの「機能」、または、第1のユーザインターフェース16上の「キーを押す」、「ボタン」、「スクロールバー制御」、および「テキストボックス」などの対応する実際的な操作によって表現されてよいが、これらに限定されない。
【0024】
第1のユーザが電子キー共有機能160を実施することを選択する時、電子キーアプリケーションに対応する第1のユーザインターフェース16上の画面は図4Bに示される。図4Bに示されるように、電子キーアプリケーションは、電子キー機能161および瞬時位置機能162を含む。
第1のユーザが瞬時位置機能162を選択する時、第1のユーザインターフェース16は車両20の駐車位置の座標および位置情報を表示する。例えば、第1のユーザインターフェース16、またはウェブベースインターフェースといった、第1のディスプレースクリーン15上でさらに起動させる別のユーザインターフェース上で、車両20の瞬時駐車位置の情報は、デジタルマップ、ストリートビュー情報、衛星画像、またはテキストによって実証可能であるが、これらに限定されない。換言すれば、第1のユーザが瞬時位置機能162を選択する時、第1のユーザのための車両探索機能が実施される。
車両の瞬時駐車位置の座標情報は、車両20内の車両制御ユニット21の座標情報に対応する。瞬時位置機能162の実装を含むがこれに限定されない1つの実現可能な解決策は、以下のように提案される。車両制御ユニット21は、インターネットを通してクラウドサーバ13とのその接続性を維持し、車両制御ユニット21は、その座標情報をクラウドサーバ13に連続して送信できる。そのように、第1のユーザデバイス11がクラウドサーバ13を通して車両20の座標情報をリクエストする時、クラウドサーバ13は、第1のユーザに車両20の瞬時駐車位置の座標情報を認識させるために、車両制御ユニット21の座標情報を第1のユーザデバイス11に送信できる。
【0025】
電子キー機能161を選択後、第1のユーザは、電子キー(eKey)を作成することによって、電子キーのアクセス権を友達と共有するためのキー共有機能163を選択できる。第1のユーザがキー共有機能163を選択後、電子キーアプリケーションに対応する第1のユーザインターフェース16上の画面は図4Cによって示される。図4Cに示されるように、電子キーアプリケーションはさらに、権限共有機能164を含む。
第1のユーザがキー共有機能163を選択後、権限共有機能のデフォルト状態は有効になり、第1のユーザインターフェース16はまた、友達と共有可能な電子キーの共有のための名称、権限、および残り時間を表示する。例えば、図4Cに示されるように、電子キーが作成される時、共有するためのデフォルトの電子キーの名称およびデフォルトの残り時間は、「ekey1」および1時間であってよいが、これらに限定されない。
【0026】
さらに、電子キーのアクセス権を取り消そうとする場合、第1のユーザは、第2のユーザがこれ以上電子キーのアクセス権を有することがないように、権限共有機能164を有効状態から無効状態に変更するように選択または切り換えてよい。換言すれば、第2のユーザが電子キーを受信する場合でも、該電子キーは操作に対して有効性がない。
【0027】
なおまた、電子キーのアクセス権を他の人とさらに共有しようとする場合、類似性を考慮して、第1のユーザが、電子キーのアクセス権を共有するために第2のユーザ以外のユーザを増やすために再び図4Cに示されるように第1のユーザインターフェース16上でキー共有機能163を選択できる。この点については、ここでは詳しく述べない。
【0028】
図4C上に示される電子キーの名称が選択される時、選択された電子キーは構成され、このアクセス権は送信される。電子キーを選択すると、第1のユーザインターフェース16は図4D上の対応する画面を表示する。図4Dに示されるように、電子キーアプリケーションは、名称設定機能165、実効時間設定機能166、位置共有機能167、コメント機能168、送信機能169、および起動機能170をさらに含む。
【0029】
第1のユーザが名称設定機能165を選択する時、電子キーのデフォルト名は、とりわけ、電子キーのアクセス権が同時に複数の人達によって共有される時により良く認識可能である他の新しい名称に変更されてよい。また、第1のユーザが権限共有情報を第2のユーザに送信する時、第2のユーザデバイス12に対して、電子キーの名称は送信されかつ示される。
第1のユーザが実効時間設定機能166を選択する時、アクセス権を共有する時間は変更可能である。実効時間設定機能166は、電子キーのアクセス権を共有するための操作条件を取り扱っていることを容易に認識させるために、共有の残り時間の設定または指定された有効期限の設定に利用可能であってよい。
【0030】
第1のユーザが位置共有機能167を選択する時、車両20の駐車位置の座標情報および位置情報は、第2のユーザへの共有アクセス権情報の送信と並行して送信されてよい。コメント機能168を選択する時、第1のユーザは、第1のユーザインターフェース16内で電子キーをどのように使用するかについてのテキストを入力できる。このテキストは、第2のユーザが、第1のユーザによって気付かされ、かつ、電子キーをどのように使用するかを知るために第1のユーザによってコメントされたテキストを認識するように、第2のユーザデバイス12に送信され、該テキストはまた、図5Bに示される。
【0031】
送信機能169を選択する時、第1のユーザは、マルチメディアメッセージングサービス(MMS)、ショートメッセージサービス(SMS)、電子メール、および通信ソフトウェア(例えば、LINE(登録商標)、WhatsApp(登録商標)、WeChat(登録商標)、Snapchat(登録商標)、Facebook(登録商標)、Messenger、Vessenger、およびTwitter(登録商標)メッセージなど)など含むがこれらに限定されない通信手段から任意の1つを選択して、第2のユーザに電子キーを使用させるために、電子キーの共有アクセス権を第2のユーザデバイス12に送信できる。
【0032】
起動機能170を選択する時、第1のユーザは、拡張機能のアクセス権を第2のユーザとさらに共有する。例えば、第1のユーザが起動機能170を選択する時、第2のユーザは第2のユーザデバイス12を通して車両20のエンジンを起動させることが可能になる。対照的に、起動機能170が第1のユーザによって選択されない場合、第2のユーザは、第2のユーザデバイス12を通して車両のドアを開けるまたはロックすることのみが可能であり、さらに車両20のエンジンを起動させることはできない。拡張機能のアクセス権は、前述の説明によって例証可能であるが、これに限定されない。
【0033】
図2Aおよび図2Bをさらに参照する。電子キー共有機能を選択する(S11)時、第1のユーザはさらに、図4Aに示されるように電子キー共有機能160を実施して、先に論述したように、電子キー機能161、瞬時位置機能162、キー共有機能163、権限共有機能164、名称設定機能165、実効時間設定機能166、位置共有機能167、およびコメント機能168を選択的に実行できる。次いで、第1のユーザデバイス11は、送信機能169を実施することによって、電子キー情報リンクを第2のユーザデバイス12に送信する(S12)。
【0034】
例えば、第1のユーザデバイス11が、インターネットおよびクラウドサーバ13を通して電子キー情報リンクを送信する時、電子キー情報リンクに対応してリンクされるウェブアドレス情報は、使用されるSMS、電子メール、または通信ソフトウェアの操作のための操作インターフェースを通して入力されてよい。ゆえに、電子キー情報リンクが第2のユーザデバイス12に送信される時、第2のユーザデバイス12によって受信される電子キー情報リンクはリンクされるウェブアドレス情報である。
【0035】
電子キー情報リンクを第1のユーザデバイス11から第2のユーザデバイス12に送信するプロセス中、情報の完全性を保持し、かつ識別情報を認証するために、ハッシングが導入される。例えば、電子キー情報リンクの元のコンテンツは、SHA−512であってよいがこれに限定されない、暗号学的ハッシュ関数によって処理できる。ハッシュ値は、電子キー情報リンクが暗号学的ハッシュ関数によって処理された後に得られ、その後、第2のユーザデバイス12に送信される。
第2のユーザデバイス12がハッシュ値を受信し、ハッシュ値がクラウドサーバ13によって認証された後、ハッシュ値が適正である、またはクラウドサーバ13に格納されるものと同一である場合、電子キー情報リンクが改ざんされておらず、また、これによって、第2のユーザデバイス12が電子キーのアクセス権を共有可能である適正なデバイスであることが確認されることを意味する。それゆえに、情報の完全性を保持しかつ識別情報を認証する有効性を得ることが可能であり、電子キーのアクセス権を共有する際のセキュリティは向上する。
【0036】
図5Aを参照する。第2のユーザデバイス12は第2のディスプレースクリーン25を有する。第2のユーザが電子キー情報リンク、すなわち、第2のユーザデバイス12からリンクされるウェブアドレス情報を選択する時、第2のユーザインターフェース26は第2のユーザデバイス12の第2のディスプレースクリーン25上に表示される。
第2のユーザインターフェース26はウェブベースインターフェースである。電子キー情報リンクが第2のユーザインターフェース26上でクリックされる(S13)時、第2のユーザインターフェース26は、ウェブベースインターフェースの上部においてリンクされるウェブアドレス情報260を表示する。
【0037】
図2Aを参照する。電子キー情報リンクが第2のユーザデバイス12から選択された(S13)後、第2のユーザデバイス12のアクセス権はさらに認証される。具体的には、ステップS13の後、第2のユーザデバイス12は、電子キーに対するハッシングによって生成されてよい権限認証リクエストをクラウドサーバ13に送信する(S19)。本実施形態において、権限認証リクエストは、第1のユーザデバイス11が電子キー共有機能を起動し、かつアクセス権リクエストをクラウドサーバ13に送信する時に生成されるため、クラウドサーバ13はアクセス権リクエストに従って、権限認証リクエストを第1のユーザデバイス11に返す。次いで、第1のユーザデバイス11は、第2のユーザデバイス12に、権限認証リクエストおよび電子キー情報リンクをまとめて送信する。
電子キー情報リンクを選択する時、第2のユーザデバイス12は、クラウドサーバ13に、格納した権限認証に関連付けられた情報で権限認証リクエストを認証させるために、権限認証リクエストをクラウドサーバ13に送信する。権限認証リクエストのコンテンツがクラウドサーバ13によって適正であると認証される場合、クラウドサーバ13は第2のユーザデバイス12にアクセス確認を返す(S1A)。よって、第2のユーザが第2のユーザデバイス12を通してアクセス確認を受信する時、第2のユーザは、第2のユーザデバイス12がアクセス権を有することを認識する。それ以外の、第2のユーザデバイス12がアクセス確認を受信しない、または受信されたメッセージがアクセス確認についての通告ではない場合、第2のユーザデバイス12が電子キーにアクセスする有効性がないデバイスであることを意味する。
【0038】
第2のユーザデバイス12が認証された後、第2のユーザは、第2のユーザデバイス12に、インターネットを通してクラウドサーバ13に車両制御信号を送信させる(S15)ために、第2のユーザデバイス12の第2のユーザインターフェース26上で車両制御機能を起動する(S14)。車両制御信号を受信する時、クラウドサーバ13はさらに、車両制御信号を車両制御ユニット21に送信する(S15’)。
【0039】
クラウドサーバ13から送信された車両制御信号を受信する時、車両制御ユニット21は車両制御信号を出力して車両操作を制御する(S16)。また、車両制御ユニット21はクラウドサーバ13に車両操作情報を返す(S17)。車両操作情報を受信後、クラウドサーバ13は第2のユーザデバイス12に車両操作情報を返す(S17’)。第2のユーザデバイス12を通して車両操作情報を受信する第2のユーザは、車両制御ユニット21が車両20に対して対応する制御操作を行ったことを認識できる。
【0040】
車両操作情報を第2のユーザデバイス12に返す時、クラウドサーバ13は車両制御通知を第1のユーザデバイス11に送信してよい(S18)。第1のユーザが、車両制御通知を受信することによって、車両20が位置付けられているところでどのタイプの制御または操作ステータスであるかを認識できるようにすることは随意であり、制約されない。
【0041】
図2Bをさらに参照する。図2Bは主に、クラウドサーバ13が第2のユーザデバイス12にアクセス確認を返した(S1A)後、および、車両制御機能が起動される(S14)前に、クラウドサーバ13が同時に、第2のユーザデバイス12にアクセス確認を返すとインターネットを通して第1のユーザデバイス11にキー起動通知を送信する(S1B)点で、図2Aと異なっている。ゆえに、第1のユーザは、キー起動通知を受信することによって、第2のユーザデバイス12が権限認証を完了し、かつ電子キーにアクセスする有効性を有するデバイスになることを認識できる。
【0042】
図3を参照する。ステップS14において起動された車両制御機能は、車両位置特定機能、ドアロック解除機能、およびエンジン始動機能を含む。換言すれば、第2のユーザが電子キー情報リンクを起動する(S13)時、第2のユーザは、実際の状況に応じて、車両位置特定機能(S141)、ドアロック解除機能(S142)、またはエンジン始動機能(S143)を実施する。
【0043】
第2のユーザが、車両20がどこに駐車されているかを忘れている時、車両位置特定機能(S141)が実施される。第2のユーザデバイス12は、インターネットを通してクラウドサーバ13に車両位置リクエストを送信する(S151)。車両制御ユニット21がインターネットを通してクラウドサーバ13に常に接続されているため、車両制御ユニット21は、この座標情報をクラウドサーバ13に連続して送信できる。その結果、車両位置リクエストを受信する時、クラウドサーバ13は車両位置特定情報を第2のユーザデバイス12に送信する(S161)。よって、第2のユーザは、車両20の駐車位置の座標情報を取得できる。
【0044】
図6を参照する。第2のユーザデバイス12の第2のディスプレースクリーン25によって生成された第2のユーザインターフェース26は、位置情報Pcを表示できる。本実施形態において、車両20の位置情報は、デジタルマップの形態で提示されてよいがこれに限定されない。例えば、ストリートビュー情報、衛星画像、またはテキストを使用して、車両20の駐車位置の位置情報を示してよい。
【0045】
さらに図3を参照する。第2のユーザが既に、車両位置特定情報を通して車両20がどこに駐車されているかを知っているまたは車両を位置特定している時、ドアロック解除機能(S142)が次いで実施される。第2のユーザデバイス12はインターネットを通してクラウドサーバ13にドアロック解除信号を送信する(S152)。ドアロック解除信号を受信する時、クラウドサーバ13はさらに、ドアロック解除信号を車両制御ユニットに送信する(S152’)。
【0046】
クラウドサーバ13から送信されたドアロック解除信号を受信する時、車両制御ユニット21は、車両20のドアをロック解除するための制御信号を出力する(S162)。さらに、車両制御ユニットは、クラウドサーバ13にドアロック解除操作情報を返す(S172)。ドアロック解除操作情報を受信する時、クラウドサーバ13はさらに、ドアロック解除操作情報を第2のユーザデバイス12に送信する(S172’)。よって、第2のユーザは、第2のユーザデバイス12を通してドアロック解除操作情報を受信することによって、車両制御ユニット21が車両20のドアをロック解除したことを認識できる。
【0047】
第2のユーザデバイス12にドアロック解除操作情報を返す時、クラウドサーバ13がインターネットを通して第1のユーザデバイス11にドアロック解除済み通知を同時に送信してよい(S182)ことは、随意であり、制約されない。よって、第1のユーザは、車両20のドアがロック解除状態であるように車両制御ユニット21によって制御されていることを認識できる。
【0048】
第2のユーザがさらに、車両20のエンジンを始動しようとする時、エンジン始動機能(S143)が次いで実施される。第2のユーザデバイス12は、インターネットを通してクラウドサーバ13にエンジン始動信号を送信する(S153)。エンジン始動信号を受信する時、クラウドサーバ13はさらに、エンジン始動信号を車両制御ユニット21に送信する(S153’)。
【0049】
クラウドサーバ13から送信されたエンジン始動信号を受信する時、車両制御ユニット21はさらに、車両20を制御してエンジンを始動するための制御信号を出力する(S163)。また、車両制御ユニットは、クラウドサーバ13にエンジン始動操作情報を返す(S173)。エンジン始動操作情報を受信する時、クラウドサーバ13はさらに、第2のユーザデバイス12にエンジン始動操作情報を返す(S173’)。よって、第2のユーザは、エンジン始動操作情報を受信することによって、車両制御ユニット21が車両20のエンジンを始動するための制御操作を行ったことを認識できる。
【0050】
第2のユーザデバイス12にエンジン始動操作情報を返す時、クラウドサーバ13が、インターネットを通して第1のユーザデバイス11にエンジン始動済み通知を同時に送信してよい(S183)ことは、随意であり、制約されない。よって、第1のユーザは、エンジン始動済み通知を受信することによって、車両のエンジンが車両制御ユニット21によって始動されたことを認識できる。
【0051】
ステップS1B、S18、S182、またはS183などの、第1のユーザデバイス11に対する通知に関連付けられた前述のステップは、プッシュメッセージ、例えば、クラウドサーバ13、Google(登録商標)クラウドメッセージング(GCM)、Apple(登録商標)プッシュ通知サービス(APNS)、マイクロソフトプッシュ通知サービス(MPNS)、または技術者によって開発された他のプッシュサーバによって提供されるプッシュサービスによって、第1のユーザデバイス11に通知する。
【0052】
第2のユーザによって実施されるステップは、図5Aに表示される機能を通して行われ得る。第2のユーザインターフェース26上の電子キー情報リンクが起動される(S13)時、図5Aに示される車両制御機能は、制御機能261および位置特定機能262を含む。第2のユーザが位置特定機能262を選択する時、第2のユーザデバイス12は、車両位置特定機能を実施する(S141)。詳細な説明は、図3および図6、ならびに対応する説明を参照できるので、ここでは繰り返さない。
【0053】
第2のユーザが制御機能261を選択する時、第2のユーザインターフェース26はさらに、ロック/エンジン始動機能263およびロック解除/エンジン停止機能264を提供する。第2のユーザが簡潔にはロック/エンジン始動機能263をクリックする時、第2のユーザデバイス12はドアロック機能を実施する。車両に対する基本操作であるドアロック機能は、従って、ここでは詳しく述べられない。また、第2のユーザがしばらくの間ロック/エンジン始動機能263を押し続ける時、第2のユーザデバイス12は次いで、エンジン始動機能S143を実施する。エンジン始動機能S143に関連付けられた詳細な説明は、図3および対応する説明を参照できるため、ここでは繰り返さない。
【0054】
前述のコメント機能168において入力されたテキストに関連付けられた操作は、以下のように説明される。第1のユーザがコメント機能168において入力されたテキストを第2のユーザデバイス12に送信後、第2のユーザは、第2のユーザデバイス12の第2のユーザインターフェース26上で対応するテキストを読み取ることが可能である。第2のユーザはさらに、フォントサイズ縮小機能265またはフォントサイズ拡大機能266を選択することによって、第2のユーザインターフェース26上に表示されるテキストのサイズを調節できる。
【0055】
第1のユーザが車両20のアクセス権を第2のユーザに与えることを可能にするために車両制御ユニット21がインターネットにスムーズに接続できるような、オープンスペースの敷地、タワーパーキングの地上階、または沿道に車両20が駐車される時、車両制御ユニット21はインターネットを通してクラウドサーバ13に直接接続できる。第2のユーザは、第2のユーザデバイス12を使用してインターネットを通してクラウドサーバ13に接続することによって、車両制御ユニット21を制御できる。
【0056】
車両制御ユニット21がクラウドサーバ13に直接接続できないような地下駐車場に車両20が駐車される状況下では、第2のユーザは、第2のユーザデバイス12を使用して、クラウドサーバ13を通して車両制御ユニット21を制御不可能である場合がある。この問題点に対処するために、近距離接続手段により、車両制御ユニット21がインターネットを通してクラウドサーバ13に接続できない条件にもかかわらず、車両制御ユニット21は依然、第2のユーザデバイス12に接続でき、かつ、第2のユーザデバイス12によって制御可能である。近距離接続手段については、対応する図面と併せて、以下のように説明される。
【0057】
第1のユーザデバイス11、第2のユーザデバイス12、および車両制御ユニット21のそれぞれは、近距離接続機能をさらに有する。図7に示されるように、第1のユーザデバイス11および第2のユーザデバイス12は、近距離接続機能を通して車両制御ユニット21に接続できる。さらに、図1に示されるように、車両制御ユニット21は、インターネットにアクセス可能な環境においてクラウドサーバ13に接続できる。
具体的には、このような近距離接続機能は、Bluetooth(登録商標)標準に従ったBluetoothモジュールによって実装可能である。このような近距離接続機能は、第1のユーザデバイス11および第2のユーザデバイス12が限定された距離の下でその間にある距離を有して位置する時、利用可能である。近距離接続機能の説明を容易にするために、近距離接続をBluetooth接続によって表すことが可能であるが、これに限定されない。
【0058】
近距離接続によって制御するための技術的解決策を説明するために、図7および図8を参照する。車両制御ユニット21は第1のキー情報の少なくとも1つのセットと共に組み込まれる。第1のユーザデバイス11が電子キー共有機能を起動する(S41A)時、図10Aに示されるように、第1のユーザデバイス11の第1のディスプレースクリーン15は第1のユーザインターフェース16Aを表示する。
第1のユーザインターフェース16Aは、第2のユーザデバイス12が車両制御ユニット21に接続し、かつBluetooth接続によって車両20を制御できるようにするBluetooth制御機能171Aと共に、電子キーに関連付けられた、名称、実効時間、リンク共有、起動、および位置情報の設定を含む、電子キー設定機能を提供する。電子キー情報の設定が行われた後、第1のユーザデバイス11は、第2のユーザデバイス12が、電子キー情報に従って車両を制御するためのアクセス権を取得するように、電子キー情報リンクを第2のユーザデバイス12に送信する(S42A)。
【0059】
電子キー情報リンクを起動(S43A)後、第2のユーザデバイス12は権限認証リクエストをクラウドサーバ13に送信する(S44A)。権限認証リクエストが適正であることを確認後、クラウドサーバ13は、第2のユーザデバイス12に、アクセス確認を返し、かつ第2のキー情報を送信する(S45A)。それ以外は、第2のユーザデバイス12がアクセス確認を受信できない、またはアクセス権に無関係の通知であるメッセージを受信する場合、第2のユーザデバイス12が電子キーにアクセスする有効性がないデバイスであることを意味する。
【0060】
第2のユーザデバイス12に対して、アクセス確認を返し、かつ第2のキー情報を送信すると、クラウドサーバ13は、第2のユーザが電子キーの権限認証を完了し、かつ第1のユーザデバイス11を通して電子キーのアクセス権を取得したことを第1のユーザデバイスが知るように、キー起動通知を第1のユーザデバイスに送信する(S46A)。
【0061】
車両が地下駐車場に駐車される時にインターネットへアクセスできないことによって、第2のユーザデバイス12は、Bluetooth接続によって車両制御ユニット21に接続される。具体的には、第1のユーザが電子キー情報をセットアップする時、Bluetooth機能は既に起動されている。ゆえに、第2のユーザデバイス12がBluetooth接続によって車両20に接続される時、Bluetoothペアリングは必要とされない。
セキュリティの目的で、車両制御ユニット21に接続後、第2のユーザデバイス12は第2のキー認証リクエストを車両制御ユニット21に送信し(S51A)、車両制御ユニット21は、車両制御ユニット21に格納された第1のキー情報の少なくとも1つのセットによって第2のキー情報を認証する。第2のキー情報が第1のキー情報の少なくとも1つのセットの任意のものと同一であると認証される時、車両制御ユニット21は、第2のユーザデバイス12に車両制御ユニット21を通して車両20を制御させるために、第2のユーザデバイス12にアクセス確認を返す(S52A)。それ以外は、第2のユーザデバイス12が、アクセス確認を受信できない、またはアクセス権に無関係の通知であるメッセージを受信する場合、第2のユーザデバイス12が第2のキー情報にアクセスする有効性がないデバイスであることを意味する。
【0062】
車両20を制御するためのアクセス権を取得後、第2のユーザデバイス12は、図10B図10Dに示されるように車両制御機能を起動する(S53A)。第2のユーザデバイス12の第2のディスプレースクリーン25は第2のユーザインターフェース26Aを提供する。第2のユーザインターフェース26Aは、第2のユーザインターフェース26Aの最下部にツールバー31Aを提供する。ツールバー31Aは、第2のユーザが選定して利用可能である、ロック/ロック解除ツール311A、エンジン制御ツール312A、および機能設定ツール313Aを含む。
【0063】
第2のユーザが図10Bに示されるようにロック/ロック解除ツール311Aを選択する時、第2のユーザインターフェース26Aは、ロック機能、ロック解除機能、タイミング機能、およびコメント機能を提供する。第2のユーザが図10Cに示されるようにエンジン制御ツール312Aを選択する時、第2のユーザインターフェース26Aは、エンジン始動機能およびエンジン停止機能を提供する。
第2のユーザが図10Dに示されるように機能設定ツール313Aを選択する時、第2のユーザインターフェース26Aは、常時スクリーンオン機能、デバイス探索時間設定機能、およびコマンド送信用遅延時間設定を提供する。常時スクリーンオン機能は、第2のディスプレースクリーンを常に照らし続けるための役割を果たす。デバイス探索時間設定機能は、第2のユーザデバイス12に対するBluetooth接続を探索するのに必要とされる時間をセットアップするための役割を果たす。コマンド送信用遅延時間設定は、コマンドの衝突およびコマンドの再送信を回避するために連続的に送信される2つのコマンド間の期間をセットアップするための役割を果たす。
【0064】
図8を参照する。第2のユーザは、車両20の、制御されるべき対応する部分に従って、ドアロック解除状態など、車両20の状態を変更し、第2のユーザデバイス12を使用して車両制御信号を暗号化し、Bluetooth接続によって車両制御ユニット21に車両制御信号を送る(S54A)。車両制御ユニット21は、受信された車両制御信号に従って車両20の操作を制御するための制御信号を出力する(S55A)。車両20の操作を制御後、車両制御ユニット21は、車両制御ユニット21が第2のユーザデバイス12を通して車両20の操作を制御したことを第2のユーザが知るように、第2のユーザデバイス12に暗号化された車両操作情報を返す(S56A)。
【0065】
第2のユーザデバイス12を使用して、クラウドサーバ13を通して第2のキー情報を取得し、かつBluetooth接続によって車両制御ユニット21に接続することによって、第2のキー情報は、認証のために車両制御ユニット21に送信可能であり、第2のキー情報の認証がうまくいった後、第2のユーザデバイスは車両20を制御するためのアクセス権を取得できる。
よって、車両制御ユニット21がインターネットを通してクラウドサーバ13に接続できない状況下で、第2のユーザは依然、車両制御ユニット21に接続するための近距離接続によって第2のユーザデバイス12を経由することで車両20の操作を制御でき、それによって、第2のユーザデバイス12は、インターネットがない状態で車両20を制御でき、さらに、操作上の利便性がもたらされる。
【0066】
図9を参照する。前述のインテリジェント車両電子キーシステムによって第1のキー情報を作成するための方法が示されている。
【0067】
ステップS61:ネットワークを通して第1のユーザデバイス11をクラウドサーバ13に接続して、第1のキー情報更新リクエストを第1のユーザデバイス11からクラウドサーバ13に送信する。
【0068】
ステップS62:クラウドサーバ13が車両制御ユニット21から接続リクエストを受信するかどうかを判断し、受信できる場合、ステップS63を実施する。それ以外は、ステップS65を実施する。インターネットに対する接続性を有する環境に位置する時、車両制御ユニット21は、無線ネットワーク接続を通してインターネットに接続して、接続リクエストをクラウドサーバ13に送信できる。位置する環境にインターネットに対する接続性がない場合、クラウドサーバ13は車両制御ユニット21から接続リクエストを受信できない。
【0069】
ステップS63:ネットワークを通してクラウドサーバ13から車両制御ユニット21に第1のキー情報を直接送信し、第1のキー情報を更新しかつ格納する。
【0070】
ステップS64:第1のキー情報を格納後、車両制御ユニット21からクラウドサーバ13に格納確認を返す。
【0071】
ステップS65:第1のキー情報をクラウドサーバ13から第1のユーザデバイス11に送信する。
【0072】
ステップS66:第1のユーザデバイス11および車両制御ユニット21をペアリングして近距離接続によって接続し、第1のキー情報を車両制御ユニット21に送信する。
【0073】
ステップS67:車両制御ユニット21に第1のキー情報を格納し、かつ、車両制御ユニット21から第1のユーザデバイス11に格納確認を送信する。具体的には、第1のユーザデバイス11が第1のキー情報を受信する時、第1のユーザデバイス11および車両制御ユニット21を接続させるようにペアリングするために、ユーザデバイスは、車両20が駐車された階の方へ移動し、第1のユーザデバイス11は、接続がペアリングされた後、車両制御ユニット21に接続される。車両制御ユニット21から返された格納確認を、クラウドサーバ13に格納するために第1のユーザデバイス11からクラウドサーバ13に送信する。第1のキー情報を格納後、車両制御ユニット21は、無線ネットワークがインターネットに接続できる時、格納確認をクラウドサーバ13に送信できる。
【0074】
前述の方法によると、第1のキー情報は車両制御ユニット21内に作成でき、それによって、車両20を制御しようとする時、第2のユーザデバイス12は、第2のキー情報を車両制御ユニットに送って、車両制御ユニット21に格納された第1のキー情報によって第2のキー情報を適正に認証した後、操作の安全性を得るように車両20を制御しなければならないようにする。
【0075】
要するに、本発明は、以下の特徴および利点を有する。
【0076】
1.インテリジェント車両電子キーシステムにより、第1のユーザデバイス11、第2のユーザデバイス12、および車両制御ユニット21は、インターネット接続によってインターネットを通して相互に接続されることで、電子キーを使用して制御および操作を行い、電子キーの操作上のセキュリティを向上させるアクセス権を確実に共有可能にする。
【0077】
2.第1のユーザまたは車両所有者は、電子キーのアクセス権を共有かつ取り消しでき、電子キーを使用する際の操作上のセキュリティを向上させるためにアクセス権を共有するための時間設定を構成できる。
【0078】
3.セキュアハッシュアルゴリズムは、送信された電子キー情報リンクを算出しかつ変換して、データ完全性を保持し、識別情報認証を達成し、さらに、電子キーのアクセス権を共有する際のセキュリティを向上させる。
【0079】
4.車両制御機能を実施する時、第2のユーザデバイス12はさらに、第1のユーザまたは車両所有者が、制御下の車両の状態を捉えるように、対応する操作通知を第1のユーザデバイス11に送信する。
【0080】
5.車両20が地下駐車場に駐車される時、第2のユーザデバイス12は近距離接続によって車両制御ユニット21に接続でき、それによって、インターネットを通してクラウドサーバ13に接続できない時、車両制御ユニット21が操作上の利便性を向上させるように車両20を制御できるようにする。
【0081】
6.第2のユーザデバイス12を使用して、車両制御ユニット21における第1のキー情報によって認証される第2のキー情報を取得することで、近距離接続によって車両制御ユニット21に接続される条件下の第2のユーザデバイス12が依然、操作上のセキュリティを維持するようにキー情報によって認証される必要があるようにする。
【0082】
本発明の多数の特性および利点が、本発明の構造および機能の詳細と共に、前述の説明において明記されているにもかかわらず、本開示は例示に過ぎない。添付の特許請求の範囲が表される用語の一般的な広義によって指示される最大限の範囲において、本発明の原理の範囲内で、とりわけ、一部分の形状、サイズ、および配置構成に関して、細部において変更を行うことが可能である。
【要約】      (修正有)
【課題】車両キーを使用することが承認された人が、容易かつ安全に利用できるインテリジェント車両電子キーシステムを提供する。
【解決手段】インテリジェント車両電子キーシステムは、クラウドサーバ13、第1のユーザデバイス11、第2のユーザデバイス12、および車両制御ユニット21を含む。車両制御ユニット21は、車両内に設置され、インターネットを通してクラウドサーバ13に接続される。電子キー共有機能を起動後、第1のユーザは電子キー情報リンクを第2のユーザデバイス12に送信する。第2のユーザデバイス12は、クラウドサーバ13に対して、権限認証リクエストの送信およびアクセス確認の受信を行ない、車両制御機能を起動させ、かつ、車両制御ユニット21に車両の操作を制御させるためにクラウドサーバ13を通して車両制御信号を送信する。
【選択図】図1
図1
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10A
図10B
図10C
図10D