特許第6571875号(P6571875)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6571875紙プラスチック袋カッティング・シーリング一体機のカッティング装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6571875
(24)【登録日】2019年8月16日
(45)【発行日】2019年9月4日
(54)【発明の名称】紙プラスチック袋カッティング・シーリング一体機のカッティング装置
(51)【国際特許分類】
   B26D 5/06 20060101AFI20190826BHJP
   B26D 1/18 20060101ALI20190826BHJP
   B26D 7/26 20060101ALI20190826BHJP
   B26D 7/27 20060101ALI20190826BHJP
   B31B 70/14 20170101ALI20190826BHJP
【FI】
   B26D5/06 A
   B26D1/18
   B26D7/26
   B26D7/27
   B31B70/14
【請求項の数】4
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2018-533918(P2018-533918)
(86)(22)【出願日】2017年8月31日
(65)【公表番号】特表2019-509901(P2019-509901A)
(43)【公表日】2019年4月11日
(86)【国際出願番号】CN2017099867
(87)【国際公開番号】WO2018041210
(87)【国際公開日】20180308
【審査請求日】2018年8月31日
(31)【優先権主張番号】201610792503.6
(32)【優先日】2016年8月31日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201621024778.7
(32)【優先日】2016年8月31日
(33)【優先権主張国】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518222778
【氏名又は名称】山▲東▼逸▲風▼医▲療▼科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】EASYSEAL MEDICAL TECHNOLOGY CO., LTD
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】特許業務法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】李岱▲華▼
(72)【発明者】
【氏名】▲趙▼健喜
(72)【発明者】
【氏名】▲趙▼水冰
(72)【発明者】
【氏名】邵珠▲帥▼
【審査官】 石川 健一
(56)【参考文献】
【文献】 実開昭59−080204(JP,U)
【文献】 実開昭63−192212(JP,U)
【文献】 中国実用新案第204136089(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26D 5/06
B26D 1/18
B26D 7/26
B26D 7/27
B31B 70/14
B65B 51/10
B29C 65/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平変位駆動機構(18)と連結された摺動フレームと、カッター(7)とを含む、
紙プラスチック袋カッティング・シーリング一体機のカッティング装置において、
摺動フレームは上板(1)と後板(4)が連結されて成り、摺動ブロック(5)は連結軸(2)を介して後板(4)上に取り付けられ、かつ連結軸(2)に沿って前後に摺動可能であり、長手方向に沿って、連結軸(2)上に前後2つの係止溝(35)が設けられており、摺動ブロック(5)上には、最低位置が摺動ブロック(5)の底面より低いカッター(7)が取り付けられており、摺動ブロック(5)上にはバネ位置決め柱(10)が取り付けられ、バネ位置決め柱(10)の頂端が摺動ブロック(5)の連結軸の軸孔の孔壁を貫通して連結軸(2)に当接していることを特徴とする、紙プラスチック袋カッティング・シーリング一体機のカッティング装置。
【請求項2】
前記水平変位駆動機構(18)はプーリ伝動機構を採用しており、摺動フレームは上板(1)の上方に位置する上圧板をさらに含み、上圧板上には、プーリ伝動機構中の伝動ベルトと組み合わせるための取付溝(12)が設置されており、プーリ伝動機構の伝動ベルトは上圧板と上板(1)の間に配置され、かつ固定部材によって上圧板が上板(1)と連結固定されていることを特徴とする、請求項1に記載の紙プラスチック袋カッティング・シーリング一体機のカッティング装置。
【請求項3】
前記プーリ伝動機構の後方には、水平シュート(23)が設けられた基板(22)が取り付けられており、摺動フレームの後板(4)の背面には摺動ブロックが設置され、摺動ブロックは水平シュート(23)内に位置し、かつ水平シュート(23)内でX軸方向に沿って左右に摺動可能であることを特徴とする、請求項2に記載の紙プラスチック袋カッティング・シーリング一体機のカッティング装置。
【請求項4】
前記上板(1)上には調整ボルト(36)が取り付けられており、調整ボルト(36)の上板(1)上方に位置する部分にはナット(37)が取り付けられ、調整ボルト(36)の下端が摺動ブロック(5)上に当接していることを特徴とする、請求項1に記載の紙プラスチック袋カッティング・シーリング一体機のカッティング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は紙プラスチック袋カッティング・シーリング一体機のカッティング装置に係わり、紙プラスチック袋カッティング・シーリング装置の分野に属する。
【背景技術】
【0002】
医療用のシーラは医療用消毒に幅広く応用され、連続シーリングなどの特徴を有している。
【0003】
現在、市場には単独の紙プラスチック袋カッターや単独の紙プラスチック袋シーラがあるが、具体的な操作では、消毒機器ごとに長さ規格の異なる紙プラスチック袋を採用しなければならず、使用方法においては、まず紙プラスチック袋をカッターで切断し、その後、単独のシーラでシーリングしなければならないので、手軽に使えず、効率が低く、スペースを浪費するといった問題が存在していた。
【0004】
その後、研究者がカッティング機能とシーリング機能が一体となった紙プラスチック袋カッティング・シーリング一体機を開発した。該一体機は、給紙装置(紙送り長さの調節可能)、カッティング装置、紙送り装置及びシーリング装置を含み、給紙装置の作用下で、紙プラスチック袋がY軸方向に沿って紙送り装置の上、下のベルトコンベアの間に進入し、カッティング装置がX軸方向に走行し(現在は通常、伝動ベルトでカッティング装置を走行させている)、紙プラスチック袋の材料をカッティングし、カッティングされた紙プラスチック袋が両ベルトコンベアのベルトに動かされてX軸方向に沿ってシーリング装置内に進入し、シーリングが行われる。つまり、該紙プラスチック袋カッティング・シーリング一体機により、紙プラスチック袋のカッティング、シーリングの一連の動作を実現することができるのである。
【0005】
しかし、上記の紙プラスチック袋カッティング・シーリング一体機は、使用の過程で以下の欠点を有している。
【0006】
現在、シーリングが必要な紙プラスチック袋は、通常、シーリング位置の外側にいずれも番号が打たれているので、シーリング位置と紙プラスチック袋の辺縁との間の距離は一般的に1〜4cmであり、カッティング装置中のカッターの位置は比較的外寄りであるが、シーリング線の外側に番号を打つ必要のない紙プラスチック袋にとっては、シーリング位置と紙プラスチック袋辺縁との間の距離が明らかに大きすぎるので、紙プラスチック袋のカッティング過程で、大量の紙プラスチック袋材料を浪費してしまう。しかし、従来の紙プラスチック袋カッティング・シーリング一体機のカッティング装置は位置が固定されているので、カッターの位置を調節してシーリング位置と紙プラスチック袋辺縁の間の距離を小さくすることは困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明で解決すべき技術的課題は、既存技術における不備を克服し、紙プラスチック袋カッティング・シーリング一体機のカッティング装置を提供することにより、実際の需要に基づいて、便利に、スピーディにカッターの位置を調節し、紙プラスチック袋材料の浪費を有効に減少させることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の前記紙プラスチック袋カッティング・シーリング一体機のカッティング装置は、摺動フレームとカッターを含み、摺動フレームは水平変位駆動機構と連結され、水平変位駆動機構は紙プラスチック袋カッティング・シーリング一体機の制御システムに連結されており、摺動フレームは上板と後板が連結されて成り、摺動ブロックは連結軸を介して後板上に取り付けられ、かつ連結軸に沿って前後に摺動可能であり、長手方向(即ちY軸方向)に沿って、連結軸上に前後2つの係止溝が設けられている。カッターは摺動ブロック上に取り付けられて、摺動ブロックとともに移動し、カッターの最低位置は摺動ブロックの底面より低い。摺動ブロック上にはバネ位置決め柱が取り付けられており、バネ位置決め柱の頂端は、摺動ブロックの連結軸の軸孔の孔壁を貫通して連結軸に当接している。
【0009】
本発明の前記カッティング装置では、摺動ブロックが連結軸に沿って前後(即ちY軸方向に沿って)摺動するので、カッターが摺動ブロックの作用下で前後の変位を実現することができ、摺動ブロックが摺動する過程では、バネ位置決め柱が常に受圧状態にあるので、摺動ブロックがいずれかの係止溝のある位置まで移動すると、バネ位置決め柱が自身の弾力作用により自ら該係止溝の中に跳び込み、摺動ブロックと摺動フレームの両者の位置を相対的に固定して、カッターの位置決めを実現する。バネ位置決め柱が連結軸後部の係止溝(即ち後板寄りの係止溝)内に係入されると、本カッティング装置を、シーリング位置の外側に番号が打たれている従来の紙プラスチック袋のカッティングに用いることができる。カッティングが必要な紙プラスチック袋のシーリング位置の外側に番号を打つ必要がない場合は、Y軸方向に沿って前向きに摺動ブロックをトグルして、バネ位置決め柱を摺動ブロック後部の係止溝内から脱出させ、前部の係止溝(即ちカッター寄りの係止溝)内に進入させることで、摺動ブロック及びカッターの位置に対する調節を実現する。このように、カッティングする位置が前に移動すると、カッティング後の紙プラスチック袋上のシーリング位置と紙プラスチック袋辺縁との間の距離が小さくなり、従来の紙プラスチック袋カッティング・シーリング一体機におけるカッティング装置の位置の固定による紙プラスチック袋材料の大量浪費という難題を有効に克服し、生産コストを引き下げている。
【0010】
好適には、前記水平変位駆動機構はプーリ伝動機構を採用しており、摺動フレームは、上板の上方に位置する上圧板をさらに含み、上圧板上には、プーリ伝動機構中の伝動ベルトと組み合わせるための取付溝が設置されており、伝動ベルトは上圧板と上板の間に配置され、かつ固定部材により上圧板と上板を連結固定しており、伝動ベルトがカッティング装置をX軸方向に沿って移動させることにより、紙プラスチック袋のカッティングを遂行する。
【0011】
好適には、前記プーリ伝動機構の後方には、水平シュートが設けられた基板が取り付けられており、摺動フレームの後板の背面には摺動ブロックが設置され、摺動ブロックは水平シュート内に位置し、かつ水平シュート内でX軸方向に沿って左右に摺動可能であり、水平シュートは摺動フレームに対して良好な案内作用を果たす。
【0012】
好適には、前記上板上には調整ボルトが取り付けられており、調整ボルトの上板上方に位置する部分にはナットが取り付けられ、調整ボルトの下端は摺動ブロック上に当接しており、調整ボルトによって摺動ブロックの位置を調節し、さらにカッターの高さを調整する作用も果たすことができる。
【0013】
実際の使用過程では、人為的な手動操作により摺動ブロックをトグルすることで、カッター位置の変更を実現することができるが、もちろん、自動方式を採用してカッター位置を調節することもできる。具体的な手段は以下の通りである。
【0014】
摺動ブロックのX軸方向に沿った左右のいずれかの端面上にピンを設け、ピンに対応してピントグル機構を設け、ピントグル機構によりピンをトグルすることにより、カッター位置の自動調節を実現することができる。本発明では、以下の構造形式のピントグル機構が望ましい。ピントグル機構は、ピン牽引板と、カムと、モータと、固定フレームを含み、モータは固定フレーム上に取り付けられ、モータの出力軸上にカムが取り付けられており、ピン牽引板はカムと組み合わされ、かつカムによってY軸方向の前後の変位を実現しており、ピン牽引板のピン寄りの片端にはピン挿入溝孔が開設され、ピン挿入溝孔の孔径はピンの直径より大きく、Y軸方向に沿って固定フレーム上に前後2つのリミットスイッチが取り付けられ、両リミットスイッチ及びモータはいずれも紙プラスチック袋カッティング・シーリング一体機の制御システムに連結されている。カムによりモータ出力軸の回転動作をピン牽引板のY軸方向に沿った前後移動に転換することができ、ピン牽引板上のピン挿入溝孔内のピン及び摺動ブロックは、ピン牽引板とともに前後に移動する。該ピントグル機構によるカッター位置の調節の具体的プロセスは以下の通りである。
【0015】
カッターを後方から前方に(Y軸方向に沿って)調節する必要がある場合は、まず摺動フレームをピン牽引板の片側に移動させ、摺動ブロック上のピンをピン牽引板前端のピン挿入溝孔内に挿入する(正常ではない状況で、摺動ブロックの片側のピンが横方向上でピン牽引板前端のピン挿入溝孔と非同軸状態であれば、摺動フレームがピン牽引板の片側まで動いた時に、摺動ブロック上面のピンがピン牽引板前端のピン挿入溝孔内に伸入することができない。この時は、モータを起動させて、ピン牽引板をモータによって動かし、最終的にピンをピン挿入溝孔内に伸入させる必要がある)。その後、制御システムによりモータを起動させ、カムによってピン牽引板を前向きに移動させると、ピン牽引板が最前方まで移動した時、摺動ブロック上のバネ位置決め柱がちょうど連結軸前部の係止溝位置まで進み、かつ該係止溝内に跳び込む。それと同時に、ピン牽引板の後端がちょうど前方のリミットスイッチの位置に到達し、この時、該リミットスイッチが、信号を紙プラスチック袋カッティング・シーリング一体機の制御システムに伝送し、制御システムがモータを停止させると、摺動ブロックが移動を停止し、カッターの位置決めが実現される。カッターを前方から後方に調節する必要がある場合も、まず摺動フレームをピン牽引板の片側に移動させ、ピンをピン挿入溝孔内に挿入し(上記と同様、正常ではない状況では、モータを起動させ、ピンをピン挿入溝孔内に伸入させる必要がある)、その後、モータを起動してピン牽引板を最後方まで移動させる。この時、摺動ブロック上のバネ位置決め柱が連結軸後部の係止溝内に跳び込み、同時にピン牽引板の後端がちょうど後方のリミットスイッチの位置に到達するので、制御システムがモータを停止させ、カッターの位置決めを行う。
【0016】
好適には、前記リミットスイッチには接触スイッチが採用されており、ピン牽引板の上面には凹溝が開設され、ピン牽引板がY軸方向に沿って後ろ向きに後方の接触スイッチまで移動すると、前方の接触スイッチがちょうど上記凹溝内に来る。
【0017】
好適には、前記カムには偏心輪が採用されており、ピン牽引板上には偏心輪と整合する偏心輪孔が設けられ、偏心輪は軸受を介して偏心輪孔内に組み込まれており、偏心輪によりモータ出力軸の回転動作をピン牽引板のY軸方向に沿った前後移動に転換することができる。
【0018】
好適には、前記ピン牽引板の摺動フレーム寄りの板面上には、固定部材を介してバネの片端が固定されており、バネの他端は紙プラスチック袋カッティング・シーリング一体機のケーシング上に取り付けられている。
【0019】
好適には、紙プラスチック袋カッティング・シーリング一体機のケーシング上には斜め上向きの案内板及び光電スイッチが取り付けられており、光電スイッチは紙プラスチック袋カッティング・シーリング一体機の制御システムに連結されており、摺動フレームの案内板寄りの片側には外凸板があり、摺動ブロックが、案内板に沿って、カッターの切断面が紙プラスチック袋カッティング・シーリング一体機の紙送り装置内の紙プラスチック袋所在平面(紙プラスチック袋が存在する平面)より高い位置まで移動すると、光電スイッチが外凸板を感知することができる。実際の応用では、摺動ブロック下部の、後板に近接する位置にローラを取り付けることができる。紙プラスチック袋カッティング・シーリング一体機を採用してシーリング操作のみを行う場合は、カッターが誤って未シールの紙プラスチックテープに当たり、紙プラスチックテープを損壊することを防止するために、本好適な手段によりカッター位置の上方変位を実現して、カッターの切断面を紙送り装置内の紙プラスチック袋の所在平面より高くすることができる。その具体的な動作は次の通りである。制御システムにより水平変位駆動機構を起動させ、カッティング装置全体をX軸に沿って案内板の方向へ移動させる。案内板のある位置まで移動した時、ローラを有する摺動ブロックが案内板に沿って斜め上方に移動し、摺動ブロック上のカッターの位置を上昇させ(Z軸方向に沿って移動)、カッターの切断面を紙送り装置内の紙プラスチック袋の所在平面より高くする。この時、光電スイッチが外凸板を感知し、かつ該信号を制御システムに出力すると、制御システムが水平変位駆動機構の動作を停止させるので、最終的にカッティング装置全体の移動が止まる。
【0020】
本発明では、摺動ブロックの頂部に弾性部材を取り付けることができ、カッターが案内板に沿って移動する過程では、弾性部材が圧縮状態となる。そのうち、弾性部材にはスプリングボールを採用してもよいし、バネなどを採用してもよい。カッターによってカッティング動作を行う必要がある場合は、制御システムにより水平変位駆動機構を起動させ、カッティング装置全体をX軸に沿って案内板から離れる方向に移動させると、移動の過程で、弾性部材が自身の弾力作用により摺動ブロックに下向きの作用力を与え、摺動ブロックに弾性部材の作用下で連結軸周りを偏移させ、カッターが開始位置(即ちカッティング状態におけるカッターの所在位置)に復帰するまでカッターの位置を下げる。
【0021】
本発明のカッターには、円形バイトを採用することができ、円形バイトは緊締部材により摺動ブロック上に取り付けられる。通常の場合、カッターを一定時間使用すると、鈍ったり、磨耗したりするので、従来のカッターを採用した場合、定期的にカッターを交換する必要があるが、本手段では、円形バイトを採用することでカッターの使用寿命が大幅に延長される。円形バイトのよく使うカッティング面が損傷した場合、緊締部材を緩めて円形バイトを回転させてカッティング面を変え、最後に緊締部材で円形バイトをロックすることで、カッターを交換する必要がなくなる。そのうち、緊締部材にはネジ、ボルトなどの通常の部品を採用することができる。
【0022】
本発明を既存技術と比較した場合、以下のような有益な効果がある。
【0023】
1.本カッティング装置は設計構造に優れており、カッターをY軸方向に沿って前後に移動可能な摺動ブロック上に取り付けることで、カッターの位置を調節し、紙プラスチック袋カッティング・シーリング一体機を、従来のシーリング位置の外側に番号が打たれている紙プラスチック袋に適用させることができるだけでなく、シーリング位置の外側に番号を打つ必要のない紙プラスチック袋にも適用させることができ、しかもシーリング位置の外側に番号を打つ必要のない紙プラスチック袋をカッティングする際に、従来の紙プラスチック袋カッティング・シーリング一体機におけるカッティング装置の位置の固定による紙プラスチック袋材料の大量浪費という難題を有効に克服し、生産コストを引き下げることもできる。
【0024】
2.本カッティング装置内のカッターは、斜め上向きの案内板の作用により位置を上方変位することができ(即ちカッターがZ軸方向に沿って移動する)ので、紙プラスチック袋カッティング・シーリング一体機を採用してシーリング操作のみを行う場合に、カッターが誤って未シールの紙プラスチックテープに当たり、紙プラスチックテープを損壊することを有効に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1図1は、ピントグル機構を省略した本発明の立体図である。
図2図2は、図1の正面図である。
図3図3は、上圧板の構造概略図である。
図4図4は、本発明を紙プラスチック袋カッティング・シーリング一体機に応用した立体図である。
図5図5は、本発明を紙プラスチック袋カッティング・シーリング一体機に応用した正面構造概略図である。
図6図6は、図5のI部位の部分拡大図である。
図7図7は、本発明を紙プラスチック袋カッティング・シーリング一体機に応用した左側構造概略図である。
図8図8は、図2のA−A断面図である。
【符号の説明】
【0026】
図中:1、上板;2、連結軸;3、固定部材取付孔;4、後板;5、摺動ブロック;6、ローラ;7、カッター;8、緊締部材;9、スプリングボール;10、バネ位置決め柱;11、ピン;12、取付溝;13、外凸板;14、リミットスイッチ;15、固定フレーム;16、モータ;17、カッティング装置;18、水平変位駆動機構;19、シーリング装置;20、紙送り装置;21、ピン牽引板;22、基板;23、水平シュート;24、光電スイッチ;25、案内板;26、凹溝;27、ピン挿入溝孔;28、バネ;29、軸受;30、偏心輪;31、ナット;32、柱体;33、受圧バネ;34、位置決めボール;35、係止溝;36、調整ボルト;37、ナット。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下では、図面と結び付けて、本発明の実施例に対してさらなる説明を行う。
【0028】
図1図2図3図8は、紙プラスチック袋カッティング・シーリング一体機のカッティング装置の構造概略図であり、該カッティング装置の構造は以下の通りである。
【0029】
カッティング装置は、摺動フレーム及びカッター7を含み、摺動フレームは水平変位駆動機構18と連結され、摺動フレームは上板1と後板4がL字形に連結されており(もちろん、直接一体圧縮成型してもよい)、摺動ブロック5は連結軸2を介して後板4上に取り付けられ、かつ連結軸2に沿って前後に摺動可能であり、長手方向に沿って、連結軸2上には前後2つの係止溝35が設けられている。摺動ブロック5上にはバネ位置決め柱10が取り付けられ、バネ位置決め柱10の頂端は摺動ブロック5の連結軸の軸孔の孔壁を貫通して連結軸2に当接している。上板1上には調整ボルト36が取り付けられ、調整ボルト36の上板1上方の部分にはナット37が取り付けられており、調整ボルト36の下端は摺動ブロック5上に当接しており、調整ボルト36によって摺動ブロック5の位置を調節し、さらにカッター7の高さを調整する作用も果たすことができる。摺動ブロック5の下部にはローラ6が取り付けられており、ローラ6の位置は後板4に近接している。カッター7には円形バイトが採用され、円形バイトは緊締部材8により摺動ブロック5上に取り付けられ、摺動ブロック5とともに移動し、円形バイトの最低位置は摺動ブロック5の底面より低い。本実施例のバネ位置決め柱には、図8に示すような構造を採用することができ、具体的には、柱体32と、受圧バネ33と、位置決めボール34を含み、柱体32は外から内に向かって摺動ブロック5内にねじ込まれ、その下部はナット31によって緊締されており、柱体32の上部には、内部に受圧バネ33が設置された取付溝が開設されており、受圧バネ33の上端には連結軸2に当接する位置決めボール34が取り付けられており、位置決めボール34の直径は連結軸2上の係止溝35の深さより大きい。摺動ブロック5の左端にはピン11が設けられ、ピン11に対応してピントグル機構が設けられており、ピントグル機構は図1図2及び図8には記されていない。
【0030】
図4図7は、上記のカッティング装置を紙プラスチック袋カッティング・シーリング一体機に応用した構造概略図であり、そのうち、カッティング装置17は水平変位駆動機構18上に取り付けられており、水平変位駆動機構18を起動すると、カッティング装置17がX軸方向に沿って紙プラスチック袋材料のカッティングを行い、カッティング後に得られる紙プラスチック袋は、紙送り装置20内の2つのベルトコンベアのベルトによって動かされ、X軸方向に沿って右側のシーリング装置19に進入し、シーリングが行われる。こうして、該紙プラスチック袋カッティング・シーリング一体機により、紙プラスチック袋のカッティング、シーリングの一連の動作を実現することができるのである。
【0031】
本実施例において、
水平変位駆動機構18はプーリ伝動機構を採用しており、摺動フレームは上圧板(その構造は図3の通り)をさらに含み、上圧板は上板1の上方に位置し、上圧板上には、プーリ伝動機構中の伝動ベルトと組み合わせるための取付溝12が設置されており、伝動ベルトは上圧板と上板1の間に配置され、上圧板及び上板1上には位置が対応する固定部材取付孔3が設けられ、固定部材取付孔3には固定部材が取り付けられて、上圧板と上板1を連結固定している。伝動ベルトがカッティング装置17をX軸方向に沿って移動させることにより、紙プラスチック袋のカッティングを遂行する。プーリ伝動機構の後方には、水平シュート23が設けられた基板22が取り付けられており、摺動フレームの後板4の背面には摺動ブロックが設置され、摺動ブロックは水平シュート23内に位置し、かつ水平シュート23内でX軸方向に沿って左右に摺動可能であり、水平シュート23は摺動フレームに対して良好な案内作用を果たしている。
【0032】
ピントグル機構は、ピン牽引板21と、カムと、モータ16と、固定フレーム15を含み、モータ16は固定フレーム15上に取り付けられ、モータ16の出力軸上にはカムが取り付けられており、本実施例では、カムには偏心輪30が採用されており、ピン牽引板21上には偏心輪30と整合する偏心輪孔が設けられ、偏心輪30は軸受29を介して偏心輪孔内に組み込まれており、偏心輪30によりモータ16出力軸の回転動作がピン牽引板21のY軸方向に沿った前後移動に転換される。ピン牽引板21のピン11寄りの片端にはピン挿入溝孔27が開設されており、ピン挿入溝孔27の孔径はピン11の直径より大きく、カッター7の位置を調節する前に、摺動ブロック5上のピン11をピン牽引板21前端のピン挿入溝孔27内に挿入して、カッター7がピン牽引板21の前後移動に伴って位置を変えることを確保しなければならず、正常ではない状況で、摺動ブロック5の左側のピン11が横方向上でピン牽引板21前端のピン挿入溝孔27と非同軸状態であれば、摺動フレームが最も左側の位置まで動いた時に、摺動ブロック5上面のピン11がピン牽引板21前端のピン挿入溝孔27内に伸入することができないので、この時は、モータ16を起動させて、最終的にピン牽引板21をモータ16によって動かし、ピン11をピン挿入溝孔27内に伸入させる必要がある。Y軸方向に沿って固定フレーム15上に前後2つのリミットスイッチ14が取り付けられており、両リミットスイッチ14及びモータ16は、いずれも紙プラスチック袋カッティング・シーリング一体機の制御システムに連結されている。リミットスイッチ14には通常の接触スイッチを採用することができ、ピン牽引板21の上面には凹溝26が開設され、ピン牽引板21がY軸方向に沿って後ろ向きに後方の接触スイッチまで移動すると、前方の接触スイッチがちょうど上記凹溝26内に来る。ピン牽引板21の摺動フレーム寄りの板面上には、固定部材を介してバネ28の片端が固定されており、バネ28の他端は紙プラスチック袋カッティング・シーリング一体機のケーシング上に取り付けられている。
【0033】
紙プラスチック袋カッティング・シーリング一体機のケーシング上には、斜め上向きの案内板25及び光電スイッチ24が取り付けられており、光電スイッチ24は紙プラスチック袋カッティング・シーリング一体機の制御システムに連結されており、上圧板の案内板25寄りの片側には外凸板13があり(外凸板13は摺動フレームの他の構造上、例えば上板1の案内板25寄りの片側に設けることもできる)、摺動ブロック5が、案内板25に沿って、カッター7の切断面が紙プラスチック袋カッティング・シーリング一体機の紙送り装置20内の紙プラスチック袋所在平面より高い位置まで移動すると、光電スイッチ24が外凸板13感知することができる。紙プラスチック袋カッティング・シーリング一体機を採用してシーリング操作のみを行う場合は、本手段によりカッター7の位置を上方変位させることができ、それによりカッター7が誤って未シールの紙プラスチックテープに当たり、紙プラスチックテープを損壊することを有効に防止することができる。
【0034】
本発明の前記カッティング装置17により、カッター7のX軸、Y軸、Z軸の3方向に沿った移動を実現することができる。
【0035】
(1)プーリ伝動機構の伝動ベルトに動かされることで、カッター7はX軸方向に沿って左右に移動することができ、
(2)ピントグル機構の作用下で、カッター7はY軸方向に沿って前後に移動することができる。具体的なプロセスは次の通り。
【0036】
カッター7を前方から後方に(Y軸方向に沿って)調節する必要がある場合は、まず摺動フレームをピン牽引板21の左側まで移動させ、摺動ブロック5上のピン11をピン牽引板21前端のピン挿入溝孔27内に挿入し、その後、制御システムによりモータ16を起動させ、偏心輪30によってピン牽引板21を後ろ向きに移動させると、ピン牽引板21が最後方まで移動した時、摺動ブロック5上のバネ位置決め柱10がちょうど連結軸2後部の係止溝35位置まで進み、かつ該係止溝35内に跳び込む。それと同時に、ピン牽引板21の後端がちょうど後方のリミットスイッチ14の位置に到達し、この時、該リミットスイッチ14が信号を紙プラスチック袋カッティング・シーリング一体機の制御システムに伝送し、制御システムがモータ16停止させると、摺動ブロック5が移動を停止し、カッター7の位置決めが実現される。カッター7が該位置にある時、本カッティング装置を、シーリング位置の外側に番号が打たれている従来の紙プラスチック袋のカッティングに用いることができる。カッティングが必要な紙プラスチック袋のシーリング位置の外側に番号を打つ必要がない場合は、カッター7を後方から前方に調節する必要があり、操作前に、やはり摺動フレームをピン牽引板21の片側まで移動させ、ピン11をピン挿入溝孔27内に挿入し、その後、モータ16を起動してピン牽引板21を最前方まで移動させなければならない。この時、摺動ブロック5上のバネ位置決め柱10が連結軸2前部の係止溝35内に跳び込み、それと同時に、ピン牽引板21の後端がちょうど前方のリミットスイッチ14の位置に到達し、制御システムがモータ16を停止させ、カッター7を位置決めする。このようにして、カッター7の位置(即ちカッティング位置)が前に移動するので、カッティング後の紙プラスチック袋上のシーリング位置と紙プラスチック袋辺縁との間の距離が小さくなり、従来の紙プラスチック袋カッティング・シーリング一体機におけるカッティング装置の位置の固定による紙プラスチック袋材料の大量浪費という難題を有効に克服し、生産コストを引き下げている。
【0037】
(3)斜め上向きの案内板25の作用により、カッター7はZ軸方向に沿って上下に移動することができる。具体的なプロセスは次の通り。
【0038】
制御システムにより水平変位駆動機構18を起動させ、カッティング装置17全体をX軸に沿って案内板25の方向へ移動させると、案内板25のある位置まで移動した時、ローラ6を有する摺動ブロック5が案内板25に沿って斜め上向きに移動し、摺動ブロック5上のカッター7の位置を上昇させ(Z軸方向に沿って移動)、カッター7の切断面を紙送り装置20内の紙プラスチック袋の所在平面より高くする。この時、光電スイッチ24が外凸板13を感知し、かつ該信号を制御システムに出力するので、制御システムが水平変位駆動機構18の動作を停止させ、最終的にカッティング装置17全体の移動が止まる。カッティング装置を用いて紙プラスチック袋材料をカッティングする必要がある場合は、制御システムにより水平変位駆動機構18を起動させ、カッティング装置17全体をX軸方向とは逆の方向(即ち、案内板25から遠ざかる方向)に沿って移動させればよい。
【0039】
具体的に応用する場合は、摺動ブロック5の頂部にスプリングボール9を取り付けることもでき、カッター7が案内板25に沿って移動する過程で、スプリングボール9が圧縮状態となる。カッター7でカッティング動作を行う必要がある場合は、制御システムにより水平変位駆動機構18を起動させ、カッティング装置17全体をX軸に沿って案内板25から離れる方向へ移動させると、移動の過程で、スプリングボール9が自身の弾力作用により摺動ブロック5に下向きの作用力を与え、摺動ブロック5にスプリングボール9の作用下で連結軸2の周りを下向きに偏移させ、カッターが開始位置(即ちカッティング状態におけるカッター7の所在位置)に復帰するまでカッターの位置を下げる。
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