【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明1は、熱可塑性樹脂と可塑剤を含有し、多数の気泡を有する樹脂発泡体であって、JIS G0602に従って機械インピーダンス測定(MIM)により測定される20〜60℃の範囲における1次反共振周波数の損失係数の最小値が0.05以上、かつ、20〜60℃の範囲における2次反共振周波数が300〜800Hzである樹脂発泡体である。
【0006】
本発明2は、熱可塑性樹脂と可塑剤を含有し、多数の気泡を有する樹脂発泡体であって、JIS K7391に従って機械インピーダンス測定(MIM)により測定される20〜60℃の範囲における1次反共振周波数の損失係数の最小値が0.005以上、かつ、20〜60℃の範囲における2次反共振周波数が300〜800Hzである樹脂発泡体である。
【0007】
本発明3は、熱可塑性樹脂と可塑剤を含有し、多数の気泡を有する樹脂発泡体であって、ISO 16940に従って機械インピーダンス測定(MIM)により測定される0〜50℃の範囲における1次反共振周波数の損失係数の最大値が0.20以上、かつ、0〜30℃の範囲における2次反共振周波数が800Hz以下である樹脂発泡体である。
以下に本発明を詳述する。
【0008】
本発明1、本発明2及び本発明3(以下、本発明1、本発明2及び本発明3に共通する事項については、単に「本発明」ともいう。)の樹脂発泡体は、熱可塑性樹脂と可塑剤を含有する。
上記熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、フッ化ビニリデン−六フッ化プロピレン共重合体、ポリ三フッ化エチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、ポリエステル、ポリエーテル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセタール、エチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。なかでも、ポリビニルアセタール、又は、エチレン−酢酸ビニル共重合体が好ましく、ポリビニルアセタールがより好ましい。
ポリビニルアセタールは、合わせガラス用中間膜の原材料として広く用いられている。合わせガラスの製造時においては、合わせガラス用中間膜をガラスと貼り合わせた際に、端部に余った合わせガラス用中間膜が切断され、大量の合わせガラス用中間膜が廃棄されている。本発明において、大量に発生する合わせガラス用中間膜の廃棄物を原料として用いれば、リサイクル等の観点からも極めて有意義である。
【0009】
上記ポリビニルアセタールは、ポリビニルアルコールをアルデヒドでアセタール化して得られるポリビニルアセタールであれば特に限定されないが、ポリビニルブチラールが好適である。また、必要に応じて2種以上のポリビニルアセタールを併用してもよい。
【0010】
上記ポリビニルアセタールのアセタール化度の好ましい下限は40モル%、好ましい上限は85モル%であり、より好ましい下限は60モル%、より好ましい上限は75モル%である。
上記ポリビニルアセタールは、水酸基量の好ましい下限が15モル%、好ましい上限が40モル%である。水酸基量がこの範囲内であると、可塑剤との相溶性が高くなる。
なお、上記アセタール化度及び水酸基量は、例えば、JIS K 6728「ポリビニルブチラール試験方法」に準拠して測定できる。
【0011】
上記ポリビニルアセタールは、ポリビニルアルコールをアルデヒドでアセタール化することにより調製することができる。
上記ポリビニルアルコールは、通常、ポリ酢酸ビニルを鹸化することにより得られ、鹸化度70〜99.8モル%のポリビニルアルコールが一般的に用いられる。上記ポリビニルアルコールの鹸化度は、80〜99.8モル%であることが好ましい。
上記ポリビニルアルコールの重合度の好ましい下限は500、好ましい上限は4000である。上記ポリビニルアルコールの重合度が500以上であると、得られる樹脂発泡体の取り扱い性が優れるものとなる。上記ポリビニルアルコールの重合度が4000以下であると、樹脂発泡体の成形が容易になる。上記ポリビニルアルコールの重合度のより好ましい下限は1000、より好ましい上限は3600である。
【0012】
上記アルデヒドは特に限定されないが、一般には、炭素数が1〜10のアルデヒドが好適に用いられる。上記炭素数が1〜10のアルデヒドは特に限定されず、例えば、n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、n−バレルアルデヒド、2−エチルブチルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、n−オクチルアルデヒド、n−ノニルアルデヒド、n−デシルアルデヒド、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒド等が挙げられる。これらのアルデヒドは単独で用いられてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、得られる樹脂発泡体の損失係数を高く設計しやすいという観点からは、炭素数が2〜10のアルデヒドが好ましく、n−ブチルアルデヒド、n−ヘキシルアルデヒド、n−バレルアルデヒドがより好ましく、n−ブチルアルデヒドが特に好ましい。
【0013】
上記可塑剤は特に限定されず、例えば、一塩基性有機酸エステル、多塩基性有機酸エステル等の有機エステル可塑剤、有機リン酸可塑剤、有機亜リン酸可塑剤等のリン酸可塑剤等が挙げられる。上記可塑剤は液状可塑剤であることが好ましい。
【0014】
上記一塩基性有機酸エステルは特に限定されないが、例えば、グリコールと一塩基性有機酸との反応によって得られたグリコールエステル等が挙げられる。
上記グリコールとしては、例えば、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリプロピレングリコール等が挙げられる。上記一塩基性有機酸としては、例えば、酪酸、イソ酪酸、カプロン酸、2−エチル酪酸、ヘプチル酸、n−オクチル酸、2−エチルヘキシル酸、ペラルゴン酸(n−ノニル酸)、デシル酸等が挙げられる。なかでも、トリエチレングリコールジカプロン酸エステル、トリエチレングリコールジ−2−エチル酪酸エステル、トリエチレングリコールジ−n−オクチル酸エステル、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキシル酸エステル等が好適である。
【0015】
上記多塩基性有機酸エステルは特に限定されないが、例えば、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸等の多塩基性有機酸と、炭素数4〜8の直鎖又は分岐構造を有するアルコールとのエステル化合物が挙げられる。なかでも、ジブチルセバシン酸エステル、ジオクチルアゼライン酸エステル、ジブチルカルビトールアジピン酸エステル等が好適である。
【0016】
上記有機エステル可塑剤は特に限定されず、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート、トリエチレングリコールジカプリレート、トリエチレングリコールジ−n−オクタノエート、トリエチレングリコールジ−n−ヘプタノエート、テトラエチレングリコールジ−n−ヘプタノエート、テトラエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート、ジブチルセバケート、ジオクチルアゼレート、ジブチルカルビトールアジペート、エチレングリコールジ−2−エチルブチレート、1,3−プロピレングリコールジ−2−エチルブチレート、1,4−ブチレングリコールジ−2−エチルブチレート、ジエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、ジエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート、ジプロピレングリコールジ−2−エチルブチレート、トリエチレングリコールジ−2−エチルペンタノエート、テトラエチレングリコールジ−2−エチルブチレート、ジエチレングリコールジカプリエート、アジピン酸ジヘキシル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ヘキシルシクロヘキシル、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸ヘプチルノニル、セバシン酸ジブチル、油変性セバシン酸アルキド、リン酸エステルとアジピン酸エステルとの混合物、アジピン酸エステル、炭素数4〜9のアルキルアルコール及び炭素数4〜9の環状アルコールから作製された混合型アジピン酸エステル、アジピン酸ヘキシル等の炭素数6〜8のアジピン酸エステル等が挙げられる。
【0017】
上記有機リン酸可塑剤は特に限定されず、例えば、トリブトキシエチルホスフェート、イソデシルフェニルホスフェート、トリイソプロピルホスフェート等が挙げられる。
【0018】
更に、上記可塑剤として、加水分解を起こしにくいため、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)、トリエチレングリコールジ−2−エチルブチレート(3GH)、テトラエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(4GO)、ジヘキシルアジペート(DHA)を含有することが好ましい。テトラエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(4GO)、トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)を含有することがより好ましい。トリエチレングリコールジ−2−エチルヘキサノエート(3GO)を含有することが更に好ましい。
【0019】
本発明の樹脂発泡体における上記可塑剤の含有量は特に限定されないが、上記熱可塑性樹脂100重量部に対する好ましい下限が5重量部、好ましい上限が60重量部である。上記可塑剤の含有量がこの範囲内であると、特に高い遮音性を発揮することができ、樹脂発泡体から可塑剤がブリードアウトすることもない。上記可塑剤の含有量のより好ましい下限は20重量部、より好ましい上限は55重量部である。
なお、多くの合わせガラス用中間膜では、ポリビニルアセタール100重量部に対する可塑剤の含有量が20〜55重量部程度であることから、廃棄された合わせガラス用中間膜をそのまま、本発明の樹脂発泡体の原料として利用することができる。
【0020】
本発明の樹脂発泡体は、更に粘着剤を含有することが好ましい。粘着剤を含有することにより、本発明の樹脂発泡体は粘着性を発揮することができ、取扱性が向上する。
上記粘着剤としては特に限定されず、例えば、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ゴム系粘着剤等の公知の粘着剤が挙げられる。
【0021】
本発明の樹脂発泡体は、上記熱可塑性樹脂と可塑剤の他に、例えば、接着力調整剤、熱線吸収剤、紫外線遮蔽剤、酸化防止剤、光安定剤、帯電防止剤等の添加剤を含有してもよい。また、得られる樹脂発泡体の外観を調整するために、カーボンブラック等の顔料や染料等を含有してもよい。
【0022】
本発明1の樹脂発泡体は、JIS G0602に従って機械インピーダンス測定(MIM)により測定される20〜60℃の範囲における1次反共振周波数の損失係数の最小値が0.05以上、かつ、20〜60℃の範囲における2次反共振周波数が300〜800Hzである。
JIS G0602は、被験物を2枚の鋼板の間に挟持した状態で機械インピーダンス測定(MIM)を行い、1次反共振周波数の損失係数及び2次反共振周波数を求める規格である。鋼板の間に挟持した状態で測定することから、樹脂発泡体を自動車等の内装と外装の空隙や、住宅の床下地材と表材の空隙や、住宅の外壁と内装の間の空隙や、複数枚のパネルからなる防音材の板間の空隙等に挟みこんで用いる制振材や遮音材等の用途に用いた場合に対応しているものと考えられる。
【0023】
本発明1の樹脂発泡体は、上記1次反共振周波数の損失係数(以下、単に「損失係数」ともいう。)の最小値が0.05以上であることにより、高い振動吸収性を発揮し、音のエネルギーを損失させて高い遮音性能を発揮することができる。上記1次反共振周波数の損失係数は0.06以上であることが好ましく、0.11以上であることがより好ましい。
【0024】
本発明1の樹脂発泡体は、上記2次反共振周波数が300〜800Hzであることにより、組み合わせる材料との間で共振が生じる場合にでも、その共振の振動数が低いことから、人間の耳にノイズとして感じにくくさせることができる。上記2次反共振周波数の好ましい下限は320Hz、好ましい上限は720Hzであり、より好ましい下限は330Hz、より好ましい上限は630Hzである。
なお、上記2次反共振周波数が300〜800Hzであるとは、2次反共振周波数の最小値が300Hz以上、最大値が800Hz以下であることを意味する。
【0025】
なお、本発明1において20〜60℃の範囲における上記1次反共振周波数の損失係数、2次反共振周波数を測定したのは、共振現象では1次共振の振幅が最も大きく振動の要素として最も問題になるためであり、また、自動車や住宅など用途を問わず、実用上300〜800Hzという中周波域の振動が問題になることが多いことから、この領域に反共振点を有していることが好ましいためである。
【0026】
本発明2の樹脂発泡体は、JIS K7391に従って機械インピーダンス測定(MIM)により測定される20〜60℃の範囲における1次反共振周波数の損失係数の最小値が0.005以上、かつ、20〜60℃の範囲における2次反共振周波数が300〜800Hzである。
JIS K7391は、被験物の一方の面を1枚の鋼板に貼付し、他方の面は開放した状態で機械インピーダンス測定(MIM)を行い、1次反共振周波数の損失係数及び2次反共振周波数を求める規格である。一方の面を1枚の鋼板に貼付し、他方の面は開放した状態で測定することから、樹脂発泡体を自動車の内装や外装、住宅の外壁や内壁、遮音性能や防音性能を企図した壁等に、貼り付けて遮音性や防音性を得る遮音材、制振材等の用途に用いた場合に対応しているものと考えられる。
【0027】
本発明2の樹脂発泡体は、上記1次反共振周波数の損失係数の最小値が0.005以上であることにより、高い振動吸収性を発揮し、音のエネルギーを損失させて高い遮音性能を発揮することができる。上記1次反共振周波数の損失係数は0.006以上であることが好ましく、0.007以上であることがより好ましい。
【0028】
本発明2の樹脂発泡体は、上記2次反共振周波数が300〜800Hzであることにより、組み合わせる材料との間で共振が生じる場合にでも、その共振の振動数が低いことから、人間の耳にノイズとして感じにくくさせることができる。上記2次反共振周波数の好ましい下限は440Hz、好ましい上限は740Hzであり、より好ましい下限は470Hz、より好ましい上限は720Hzである。
なお、上記2次反共振周波数が300〜800Hzであるとは、2次反共振周波数の最小値が300Hz以上、最大値が800Hz以下であることを意味する。
【0029】
なお、本発明2において20〜60℃の範囲における上記1次反共振周波数の損失係数、2次反共振周波数を測定したのは、共振現象では1次共振の振幅が最も大きく振動の要素として最も問題になるためであり、また、自動車や住宅など用途を問わず、実用上300〜800Hzという中周波域の振動が問題になることが多いことから、この領域に反共振点を有していることが好ましいためである。
【0030】
本発明3の樹脂発泡体は、ISO 16940に従って機械インピーダンス測定(MIM)により測定される0〜50℃の範囲における1次反共振周波数の損失係数の最大値が0.20以上、かつ、0〜30℃の範囲における2次反共振周波数が800Hz以下である。
ISO 16940は、被験物を2枚のガラス板の間に挟持した状態で機械インピーダンス測定(MIM)を行い、1次反共振周波数の損失係数及び2次反共振周波数を求める規格である。ガラス板の間に挟持した状態で測定することから、樹脂発泡体を壁面貼り付けミラーにおいてミラーガラスと壁面との間の空隙に挟み込んで振動を抑制する制振材や、テレビ、スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータ等の前面板と筐体との間の空隙に挟みこんで用いる衝撃吸収材、制振材等の用途に用いた場合に対応しているものと考えられる。
【0031】
本発明3は、上記1次反共振周波数の損失係数の最大値が0.20以上であることにより、高い振動吸収性を発揮し、音のエネルギーを損失させて高い遮音性能を発揮することができる。上記1次反共振周波数の損失係数は0.24以上であることが好ましく、0.33以上であることがより好ましい。
【0032】
本発明3は、上記2次反共振周波数が800Hz以下であることにより、組み合わせる材料との間で共振が生じる場合にでも、その共振の振動数が低いことから、人間の耳にノイズとして感じにくくさせることができる。上記2次反共振周波数は、780Hz以下であることが好ましい。上記2次反共振周波数の下限は特に限定されないが、300Hz以上であることが好ましい。
なお、上記2次反共振周波数が800Hz以下であるとは、2次反共振周波数の最大値が800Hz以下であることを意味する。
【0033】
なお、本発明3において0〜50℃の範囲における上記1次反共振周波数の損失係数、0〜30℃の範囲における上記2次反共振周波数を測定したのは、共振現象では1次共振の振幅が最も大きく振動の要素として最も問題になるためであり、また、自動車や住宅など用途を問わず、実用上300〜800Hzという中周波域の振動が問題になることが多いことから、この領域に反共振点を有していることが好ましいためである。
【0034】
上記損失係数や2次反共振周波数は、樹脂発泡体の発泡状態を調整することにより達成することができる。具体的には例えば、樹脂発泡体の連続気泡率を20%以上とすることが好ましい。連続気泡率が20%以上とすることにより、得られる樹脂発泡体の1次反共振周波数の損失係数や2次反共振周波数を所期の範囲に調整することができ、極めて高い遮音性を発揮させることができる。上記連続気泡率が30%以上であることがより好ましく、40%以上であることが更に好ましく、50%以上であることが特に好ましい。上記連続気泡率の上限は特に限定されないが、98%程度が実質的な上限である。
なお、本明細書において連続気泡とは、樹脂発泡体を形成する気泡がお互いにつながっているものを意味する。
また、上記連続気泡率は、寸法測定によって得られる樹脂発泡体の見掛け体積に対する、樹脂発泡体の外部にまで連結している気泡の容積割合で定義され、JIS K 7138記載のピクノメータ法などにより測定することができる。
【0035】
本発明の樹脂発泡体は、平均気泡径の好ましい下限が100μm、好ましい上限が1000μmである。上記平均気泡径がこの範囲内にあることにより、より高い遮音性を発揮することができる。上記平均気泡径のより好ましい下限は120μm、より好ましい上限は500μm、更に好ましい下限は200μmである。
なお、上記平均気泡径は、気泡の断面観察写真より気泡壁部と空隙部とを観察して、空隙部のサイズを測定する方法により測定することができる。
【0036】
本発明の樹脂発泡体は、気泡の平均アスペクト比が2以下であることが好ましい。上記気泡の平均アスペクト比が2以下であることにより、より高い遮音性を発揮することができる。上記気泡の平均アスペクト比は、1.5以下であることがより好ましい。
なお、上記気泡の平均アスペクト比は、気泡の断面観察写真より空隙部の長径と短径とを測定してその比を計算する方法により測定することができる。
【0037】
本発明の樹脂発泡体は、見掛け密度が300kg/m
3以下であることが好ましい。上記見掛け密度が300kg/m
3以下であることにより、より優れた衝撃吸収性、制振性と低流動性とを発揮することができる。上記見掛け密度は、200kg/m
3以下であることがより好ましい。上記見掛け密度の下限は特に限定されないが、50kg/m
3程度が実質的な下限である。
【0038】
本発明の樹脂発泡体の厚みの上限は10mm以下であることが好ましい。樹脂発泡体の厚みの上限が上記好ましい範囲であれば、得られる樹脂発泡体がせん断破断しにくくすることができる。本発明の樹脂発泡体の厚みの下限は50μm以上であることが好ましい。樹脂発泡体の厚みの下限が上記好ましい範囲であれば、得られる樹脂発泡体の遮音性をより一層向上させることができる。
【0039】
本発明の樹脂発泡体を製造する方法は特に限定されないが、例えば、上記熱可塑性樹脂、可塑剤及び必要に応じて添加する添加剤に熱分解型発泡剤を配合して樹脂組成物を調製し、該樹脂組成物を発泡温度にまで加熱して熱分解型発泡剤を分解させる方法が好適である。
【0040】
ここで、連続気泡率を20%以上とし、1次反共振周波数の損失係数や2次反共振周波数を所期の範囲に調整して極めて高い遮音性を発揮させるためには、熱可塑性樹脂と可塑剤の選択に加えて、製造時における熱分解型発泡剤の種類と配合量、及び、発泡温度の設定が極めて重要である。なかでも、発泡温度の設定は、高い連続気泡率を達成するために必須である。
上記発泡温度は、180℃以上であることが好ましい。180℃以上の温度では、発泡時に上記樹脂組成物が充分に軟化して気泡同士が連通しやすくなるため、連続気泡が発生し易くなるものと考えられる。
【0041】
上記熱分解型発泡剤としては、分解温度が120〜240℃程度であるものであれば特に限定されず、従来公知のものを用いることができる。なお、上記連続気泡率をより高くできることから、発泡前の原料である樹脂組成物の成形温度に対して、分解温度が20℃以上高い熱分解型発泡剤を用いることが好ましく、50℃以上高い熱分解型発泡剤を用いることがより好ましい。
【0042】
上記熱分解型発泡剤としては、具体的には例えば、アゾジカルボンアミド、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミン、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、尿素、炭酸水素ナトリウム、及び、これらの混合物等が挙げられる。
上記熱分解型発泡剤のうち市販のものとしては、例えば、セルマイクシリーズ(三協化成社製)やビニホールシリーズ、セルラーシリーズ、ネオセルボンシリーズ(以上、永和化成工業社製)等が挙げられる。
【0043】
上記樹脂組成物中の上記熱分解型発泡剤の配合量は特に限定されないが、上記熱可塑性樹脂100重量部に対する好ましい下限は4重量部、好ましい上限は20重量部である。上記熱分解型発泡剤の配合量がこの範囲内であれば、連続気泡率が10%以上の発泡体を製造することができる。上記熱分解型発泡剤の配合量のより好ましい下限は5重量部、より好ましい上限は15重量部である。
【0044】
本発明の樹脂発泡体は、上記構成を有することにより、従来の樹脂発泡体からなる遮音材では達成できなかった、極めて高い遮音性能を発揮することができる。このため、本発明の樹脂発泡体は、遮音材や防音材として極めて好適である。
具体的には例えば、自動車や航空機、船舶等の車両用部材、建築部材、電子部品、カーペットの裏材等の生活部材、家庭用、業務用の電気製品等のあらゆる用途に用いることができる。とりわけ、本発明の樹脂発泡体をシート状に成形した樹脂発泡体シートは、取り扱い性に優れ、多くの用途に好適に用いることができる。
本発明の樹脂発泡体からなる樹脂発泡体シートもまた、本発明の1つである。
【0045】
本発明の樹脂発泡体シートの少なくとも一方の面に粘着剤層を形成した粘着テープは、極めて取り扱い性に優れる。
本発明の樹脂発泡体シートと、該樹脂発泡体シートの少なくとも一方の面に形成された粘着剤層とを有する粘着テープもまた、本発明の1つである。
【0046】
上記粘着剤層を構成する粘着剤としては特に限定されず、例えば、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ゴム系粘着剤等の公知の粘着剤が挙げられる。
ただし、本発明の樹脂発泡体シートは可塑剤を含有することから、上記粘着剤層へ可塑剤が移行することにより、粘着力の低下が生じる恐れがある。そこで、上記粘着剤層として、可塑剤耐性の高い粘着剤層を用いることが好ましい。
上記可塑剤耐性の高い粘着剤層としては、例えば、アクリル系重合体(X)、軟化点が140〜160℃である粘着付与樹脂(Y)、及び、架橋剤(Z)を含む粘着剤組成物により形成された粘着剤層等が挙げられる。このような粘着剤組成物を用いることで、可塑剤の移行に由来する経時的な粘着力の低下が生じにくくなる。
以下、上記粘着剤組成物を構成する各成分について詳しく説明する。
【0047】
上記アクリル系重合体(X)は、アルキル基の炭素数が4以下の(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー(a)を60重量%以上含む(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー(A)100重量部に対して、カルボキシル基含有モノマー(B)を5〜18重量部含むモノマー混合物を重合してなる重合体である。
なお、本明細書において、(メタ)アクリル酸はアクリル酸又はメタクリル酸を示し、(メタ)アクリレートはアクリレート又はメタクリレートを示す。
【0048】
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー(A)は、アルキル基の炭素数が4以下の(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー(a)を60重量%以上含むことが好ましい。アルキル基の炭素数が4以下の(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー(a)の含有量が60重量%以上であると、得られる粘着剤層の可塑剤耐性が高くなる。上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー(a)の含有量は、軟質ポリ塩化ビニルに対する粘着力の低下を抑制する観点から、より好ましくは80重量%以上、更に好ましくは90重量%以上、特に好ましくは100重量%である。
【0049】
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー(a)としては、具体的には例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー(a)は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、n−ブチル(メタ)アクリレートを含むことが好ましく、n−ブチル(メタ)アクリレートのみを単独で含むことがより好ましい。
【0050】
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー(A)は、アルキル基の炭素数が5以上の(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー(b)を含んでもよい。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー(b)としては、具体的には例えば、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー(A)が上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー(b)を含む場合の含有量は、好ましくは20重量%以下、より好ましくは10重量%以下である。
【0051】
上記カルボキシル基含有モノマー(B)は、分子内にカルボキシル基を含有し重合可能なモノマーであり、好ましくはカルボキシル基を含有したビニル系モノマーである。
上記カルボキシル基含有モノマー(B)としては、具体的には例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸等が挙げられる。これらのカルボキシル基含有モノマー(B)は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、(メタ)アクリル酸が好ましく、アクリル酸がより好ましい。
【0052】
上記アクリル系重合体(X)の原料となるモノマー混合物は、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー(A)及びカルボキシル基含有モノマー(B)以外のその他のモノマーを更に含有してもよい。
上記その他のモノマーとしては、例えば、カルボキシル基以外の極性基を含有するモノマー、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、及びp−メチルスチレン等のスチレン系モノマー等が挙げられる。
【0053】
上記アクリル系重合体(X)の原料となるモノマー混合物における上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマー(A)100重量部に対する上記カルボキシル基含有モノマー(B)の含有量の好ましい下限は5重量部、好ましい上限は18重量部である。上記カルボキシル基含有モノマー(B)を5重量部以上用いることにより、得られる粘着剤層の可塑剤耐性が高くなる。上記カルボキシル基含有モノマー(B)の含有量のより好ましい下限は6重量部、より好ましい上限は17重量部であり、更に好ましい下限は10重量部、更に好ましい上限は15重量部である。
【0054】
上記アクリル系重合体(X)の重量平均分子量の好ましい下限は55万、好ましい上限は100万である。重量平均分子量が55万以上であれば、得られる粘着剤層の可塑剤耐性が高くなる。重量平均分子量が100万以下であれば、粘着剤層が硬くなりすぎることを抑制でき、複雑な形状の被着体に対する粘着力を発揮することができる。上記重量平均分子量のより好ましい下限は60万、より好ましい上限は80万であり、更に好ましい下限は65万、更に好ましい上限は75万である。
【0055】
上記アクリル系重合体(X)は、上記モノマー混合物を重合することにより得られる。
上記重合方法は特に限定されないが、例えば、上記モノマー混合物を重合開始剤の存在下にてラジカル重合させる方法等が挙げられる。より具体的には、溶液重合、乳化重合、懸濁重合、塊状重合等の従来公知の重合方法を採用できる。
【0056】
上記重合開始剤としては特に限定されないが、例えば、有機過酸化物系重合開始剤、アゾ系重合開始剤等が挙げられる。
上記有機過酸化物系重合開始剤としては、例えば、クメンハイドロパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、o−クロロベンゾイルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート又はジ−t−ブチルパーオキサイド等が挙げられる。
上記アゾ系重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)等が挙げられる。
これらの重合開始剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、得られるアクリル系重合体(X)の臭気低減の観点から、ラウロイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ステアロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイドが好ましい。
上記重合開始剤の量は特に限定されないが、上記モノマー混合物100重量部に対して、好ましくは0.01〜10重量部、より好ましくは0.05〜2重量部程度用いる。
【0057】
上記粘着付与樹脂(Y)の軟化点の好ましい下限は140℃、好ましい上限は160℃である。軟化点が上記範囲内であれば、得られる粘着剤層の経時的な粘着力の低下を抑制できる。経時的な粘着力低下を更に抑制する観点から、軟化点のより好ましい上限は150℃である。
なお、上記粘着付与樹脂(Y)の軟化点は、JIS K2207に準拠して測定することができる。
【0058】
上記粘着付与樹脂(Y)としては、例えば、石油樹脂系粘着付与樹脂、水添石油樹脂系粘着付与樹脂、ロジンジオール系粘着付与樹脂、ロジンエステル系粘着付与樹脂等のロジン系樹脂、テルペン樹脂、フェノール樹脂、キシレン樹脂、クマロン樹脂、ケトン樹脂、及びこれらの変性樹脂等が挙げられる。これらの粘着付与樹脂は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、経時的な粘着力を抑制する観点から、ロジン系粘着付与樹脂が好ましく、ロジンエステル系粘着付与樹脂がより好ましい。
上記ロジンエステル系粘着付与樹脂としては、不均化ロジンエステル、重合ロジンエステル、水添ロジンエステル、ロジンフェノール系等が挙げられる。
【0059】
上記粘着付与樹脂(Y)は、分子量600以下の成分の含有量が13重量%以下であることが好ましい。このような粘着付与樹脂を用いれば、粘着性を維持しつつ、粘着付与樹脂より発生する揮発成分を低く抑えることができる。更に、低分子量成分が少ないことにより、粘着剤層の粘度を相対的に高くでき、粘着剤層への可塑剤の移動が阻害されやすくなり、経時的な粘着力の低下が生じにくくなる。
粘着付与樹脂から分子量600以下の成分を除去する方法としては、例えば、粘着付与樹脂を軟化点以上に加熱溶融する方法、水蒸気を吹き込む方法等が挙げられる。
なお、上記粘着付与樹脂の分子量及びその含有量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定し、ポリスチレン換算値及び面積比により算出できる。
【0060】
上記粘着剤組成物中の粘着付与樹脂(Y)の配合量は、アクリル系重合体(X)100重量部に対する好ましい下限が3重量部、好ましい上限が9重量部である。粘着付与樹脂の配合量が3重量部以上であれば、難被着体に対する粘着力が向上する。粘着付与樹脂の配合量が9重量部以下であれば、粘着剤層への可塑剤の移動を抑制しやすくなり、経時的な粘着力の低下を防止できる。難被着体への粘着力を高め、かつ、粘着力を維持する観点から、粘着付与樹脂(Y)の配合量のより好ましい下限は4重量部、より好ましい上限は8重量部であり、更に好ましい上限は7重量部である。
【0061】
上記架橋剤(Z)は、得られる粘着剤層の凝集力を高め、粘着テープとしての物性を向上させる役割を有する。
上記架橋剤(Z)としては特に限定されないが、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、アジリジン系架橋剤、金属キレート系架橋剤等が挙げられる。なかでも、イソシアネート系架橋剤又は金属キレート系架橋剤が好ましい。
【0062】
上記イソシアネート系架橋剤としては、具体的には例えば、トリレンジイソシアネート、ナフチレンー1,5−ジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートが挙げられる。また、市販品としては、例えば、日本ポリウレタン社製のコロネートL等が挙げられる。
上記金属キレート系架橋剤としては、具体的には例えば、金属原子がアルミニウム、ジルコニウム、チタニウム、亜鉛、鉄、スズ等であるキレート化合物が挙げられる。なかでも、中心金属がアルミニウムであるアルミニウムキレートが好ましい。市販品としては、川研ファインケミカル株式会社製のアルミキレートA、アルミキレートM等が挙げられる。
上記粘着剤組成物中の架橋剤(Z)の含有量は特に限定されないが、上記アクリル系重合体(X)100重量部に対する好ましい下限は0.005重量部、好ましい上限は5重量部であり、より好ましい下限は0.01重量部、より好ましい上限は1重量部であり、更に好ましい下限は0.02重量部、更に好ましい上限は0.1重量部である。
【0063】
上記粘着剤組成物は、上記アクリル系重合体(X)、粘着付与樹脂(Y)、及び架橋剤(Z)以外にも、酢酸エチル、ジメチルスルホキシド、エタノール、アセトン、ジエチルエーテル等の溶剤を含んでもよい。なかでも、揮発成分を低く抑える観点から、酢酸エチルが好ましい。
上記粘着剤組成物には、更に必要に応じて、充填剤、顔料、染料、酸化防止剤等の添加剤を含有してもよい。
【0064】
上記粘着剤層の厚みの好ましい下限は5μm、好ましい上限は200μmである。粘着剤層の厚みがこの範囲内であると、充分な粘着性を発揮することができる。粘着剤層の厚みのより好ましい下限は7μm、より好ましい上限は150μmであり、更に好ましい下限は10μm、更に好ましい上限は100μmである。
【0065】
本発明の樹脂発泡体シートの少なくとも一方の面に粘着剤層を形成して本発明の粘着テープを製造する方法としては特に限定されないが、例えば、樹脂発泡体シートの少なくとも一方の面に、コーター等の塗工機を用いて粘着剤を塗布する方法、スプレーを用いて粘着剤を噴霧、塗布する方法、刷毛を用いて粘着剤を塗布する方法等が挙げられる。また、樹脂発泡体シートの少なくとも一方の面に、両面粘着テープを貼り付ける方法により粘着剤層を形成してもよい。
【0066】
本発明の樹脂発泡体、樹脂発泡体シート、粘着テープは、極めて高い遮音性能を発揮することができることから、遮音材や防音材として優れた性能を発揮できる。このため、自動車や航空機、船舶等の車両用部材、建築部材、電子部品、カーペットの裏材等の生活部材、家庭用、業務用の電気製品等のあらゆる用途に用いることができる。
上記生活部材としては、例えば、カーペット裏材、カーテン素材、壁紙等の、振動、衝撃、音等の緩和を目的とした部材が挙げられる。
上記電気部材としては、例えば、携帯電話、タブレット、パソコン等の電子部品や、オーディオ、ヘッドフォン、テレビ、冷蔵庫、洗濯機、掃除機等の家電製品等、或いは業務用電気製品において、振動、衝撃、音等の緩和を目的として用いられる部材が挙げられる。
上記その他の用途の部材としては、例えば、室内外運動施設における床、マット、壁等の、追突時の衝撃緩和を目的として用いられる部材が挙げられる。
【0067】
本発明の樹脂発泡体、樹脂発泡体シート、粘着テープは、車両用部材、建築部材として特に好適である。
本発明の樹脂発泡体、樹脂発泡体シート又は粘着テープを用いた車両用部材もまた、本発明の1つである。
本発明の樹脂発泡体、樹脂発泡体シート又は粘着テープを用いた建築部材もまた、本発明の1つである。
【0068】
上記車両用部材としては、例えば、自動車や航空機、船舶等の車両の天井材、内装材、内装裏打ち材等の、振動、衝撃、音等の緩和を目的とした部材が挙げられる。
より具体的には例えば、自動車等の車両の天井やドアパネル、床板等の鋼板部材に直接貼り付けて用いるデッドニング材や、外装や躯体を構成する鋼板部材と内装の樹脂部材との間に挟んで用いるダンピング材、クッション材等が挙げられる。
【0069】
上記建築部材としては、例えば、床下地材、防音壁用材料、天井材、樹脂製及び金属製瓦の裏打ち材等の、振動、衝撃、音等の緩和を目的とした部材が挙げられる。
より具体的には例えば、ガルバリウム鋼板(登録商標)からなる金属瓦に雨音対策として直接貼り付けるデッドニング材や、住宅床のフローリング材と下地材との間に挟み込んで使用する遮音マット等が挙げられる。