特許第6571893号(P6571893)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6571893駐車装置用の操作盤、及び操作盤を備えた駐車装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6571893
(24)【登録日】2019年8月16日
(45)【発行日】2019年9月4日
(54)【発明の名称】駐車装置用の操作盤、及び操作盤を備えた駐車装置
(51)【国際特許分類】
   E04H 6/42 20060101AFI20190826BHJP
【FI】
   E04H6/42 Z
【請求項の数】4
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2019-39454(P2019-39454)
(22)【出願日】2019年3月5日
【審査請求日】2019年3月12日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】592217141
【氏名又は名称】サノヤス・エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】特許業務法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】笹村 太郎
【審査官】 新井 夕起子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−204649(JP,A)
【文献】 特開平06−286964(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 6/00 − 6/42
B66B 11/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の入出庫可能な駐車装置を操作可能な駐車装置用の操作盤であって、
操作面を含む操作盤本体と、
前記駐車装置を構成する部材に前記操作盤本体を固定する固定部と、を備え、
前記固定部は、前記操作盤本体を、該操作盤本体の裏面の下部における前記操作面と平行又は略平行で且つ水平方向に延びる回動軸周りに回動可能に支持し、
前記操作面は、前記操作盤本体の姿勢の変更と共に向きを変える、駐車装置用の操作盤。
【請求項2】
前記操作盤本体が前記固定部に対して回動できる範囲を規制する規制部を備える、請求項1に記載の駐車装置用の操作盤。
【請求項3】
前記操作盤本体の裏面に配置されるキャッチ本体と前記固定部に配置されるストライクとを有するキャッチ部を備え、
前記キャッチ本体と前記ストライクとは、係合、磁着、係止、又は嵌め合い可能である、請求項1又は2に記載の駐車装置用の操作盤。
【請求項4】
車両の入出庫可能な駐車装置であって、
当該駐車装置を操作可能な操作面を有する操作盤を備え、
前記操作盤は、
操作面を含む操作盤本体と、
当該駐車装置を構成する部材に前記操作盤本体を固定する固定部と、を有し、
前記固定部は、前記操作盤本体の裏面の下部における前記操作面と平行又は略平行で且つ水平方向に延びる回動軸周りに回動可能に前記操作盤本体を支持し、
前記操作面は、前記操作盤本体の姿勢の変更と共に向きを変える、駐車装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車装置用の操作盤、及び前記操作盤を備えた駐車装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、車両の入出庫ゲートの開閉等を操作可能な操作盤を備えた駐車装置が知られている(特許文献1参照)。
この駐車装置は、図10に示すように、支柱911によって構成される主構造体91と、主構造体91の中に車両を載置する複数のパレット92と、駐車装置90の入出庫口に設けられる入出庫ゲート93と、支柱911に固定される操作盤94と、を備える。
【0003】
パレット92は、パレット移動機構により、主構造体91の中で昇降可能である。また、パレット92は、主構造体91の中で車両の幅方向に往復移動可能である。操作盤94は、目的のパレット92を入出庫口まで移動させたり、入出庫ゲート93を開閉させたりする。この操作盤94は、操作面941を有し、該操作面941を正面(入出庫口からの車両の出庫方向)に向けた状態で入出庫口の近くの支柱911に固定されている。
【0004】
この駐車装置90では、車両の入出庫の際、操作盤94が操作されることによって、パレット92が入出庫口まで移動し、入出庫ゲート93が開くことによって、車両が入出庫可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2017−198069号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の駐車装置90では、操作面941が一方向(正面)を向いた姿勢で操作盤94が支柱911に固定されているため、操作盤94を操作する人の身長や姿勢(例えば、起立した姿勢や、車椅子等に座った姿勢)、操作の際の立ち位置によって、操作面941が操作する人の側を向かずに他の方向を向き、これにより、操作面941の表示が見難かったり入力等がし難かったりする(即ち、操作盤94を操作し難い)場合があった。
【0007】
そこで、本発明は、操作し易い駐車装置用の操作盤、及び前記操作盤を備える駐車装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る駐車装置用の操作盤は、
車両の入出庫可能な駐車装置を操作可能な駐車装置用の操作盤であって、
操作面を含む操作盤本体と、
前記駐車装置を構成する部材に前記操作盤本体を固定する固定部と、を備え、
前記固定部は、前記操作盤本体を、該操作盤本体の裏面の下部における前記操作面と平行又は略平行で且つ水平方向に延びる回動軸周りに回動可能に支持し、
前記操作面は、前記操作盤本体の姿勢の変更と共に向きを変える
【0009】
かかる構成によれば、操作する人の側に向くように操作面の向きを変更できるため、操作する人の身長や姿勢等に関わらず操作し易い。
また、このように、固定部に対して操作盤本体の姿勢を変更可能とする簡単な構成によって、操作面の向きを変更可能な構成を実現することができる。
また、水平面に対する操作面の角度を変更可能な構成とすることで、高い位置から操作する場合(例えば、身長の高い人が操作する場合)であっても、低い位置から操作する場合(例えば、身長の低い人や車椅子に座った人が操作する場合)であっても、操作する人の側に操作面を向けることができるため、いずれの場合でも操作し易い。
【0010】
記駐車装置用の操作盤は、
前記操作盤本体が前記固定部に対して回動できる範囲を規制する規制部を備えてもよい。
【0011】
また、前記駐車装置用の操作盤は、
前記操作盤本体の裏面に配置されるキャッチ本体と前記固定部に配置されるストライクとを有するキャッチ部を備え、
前記キャッチ本体と前記ストライクとは、係合、磁着、係止、又は嵌め合い可能であってもよい。
【0014】
また、本実施形態に係る駐車装置は、
車両の入出庫可能な駐車装置であって、
当該駐車装置を操作可能な操作面を有する操作盤を備え、
前記操作盤は、
操作面を含む操作盤本体と、
当該駐車装置を構成する部材に前記操作盤本体を固定する固定部と、を有し、
前記固定部は、前記操作盤本体の裏面の下部における前記操作面と平行又は略平行で且つ水平方向に延びる回動軸周りに回動可能に前記操作盤本体を支持し、
前記操作面は、前記操作盤本体の姿勢の変更と共に向きを変える
【0015】
かかる構成によれば、操作する人の側に向くように操作面の向きを変更できるため、操作する人の身長や姿勢等に関わらず操作し易い。
【0017】
また、このように、水平面に対する操作面の角度を変更可能な構成とすることで、高い位置から操作する場合(例えば、身長の高い人が操作する場合)であっても、低い位置から操作する場合(例えば、身長の低い人や車椅子に座った人が操作する場合)であっても、操作する人の側に操作面を向けることができるため、いずれの場合でも操作し易い。
【発明の効果】
【0018】
以上より、本発明によれば、操作し易い駐車装置用の操作盤、及び前記操作盤を備える駐車装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、本実施形態に係る操作盤が取り付けられた状態の駐車装置の斜視図である。
図2図2は、操作盤本体が姿勢変更する前の状態の上開きの操作盤を説明するための側面図である。
図3図3は、操作盤本体が姿勢変更した後の状態の上開きの操作盤を説明するための側面図である。
図4図4は、起立姿勢で上開きの操作盤を操作する状態を説明するための図である。
図5図5は、車椅子に座った姿勢で上開きの操作盤を操作する状態を説明するための図である。
図6図6は、操作盤本体が姿勢変更する前の状態の下開きの操作盤を説明するための側面図である。
図7図7は、操作盤本体が姿勢変更した後の状態の下開きの操作盤を説明するための側面図である。
図8図8は、車椅子に座った姿勢で下開きの操作盤を操作する状態を説明するための図である。
図9図9は、起立姿勢で下開きの操作盤を操作する状態を説明するための図である。
図10図10は、従来の操作盤を備える駐車装置を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態について、図1図5を参照しつつ説明する。
【0021】
本実施形態に係る駐車装置10は、図1に示すように、いわゆる昇降式の駐車装置であり、例えば、上下方向に間隔をあけて配置される一段目と二段目とのパレット12のそれぞれに車両を駐車できる。
【0022】
具体的に、駐車装置10は、操作盤1と、上下方向に延びる複数の支柱111と水平方向に延びる複数の梁112とを有する躯体部11と、躯体部11の内部に配置されて車両を載置する複数のパレット12と、躯体部11内においてパレット12を昇降させるパレット駆動部13と、支柱111間に形成された車両の入出庫口14を開閉するゲート15と、ゲート15を駆動して開閉させるゲート駆動部16と、各駆動部(パレット駆動部13及びゲート駆動部16)を制御する制御部17と、を備える。本実施形態の駐車装置10においては、複数(図1に示す例では、三つ)の入出庫口14が設けられ、各入出庫口14にゲート15が配置されている。即ち、駐車装置10は、入出庫口14の数と対応する数(図1に示す例では、三つ)のゲート15を備える。
【0023】
操作盤1は、駐車装置10を構成する部材(本実施形態の例では、支柱111)に取り付けられる。この操作盤1は、制御部17に接続され、該制御部17を通じてパレット駆動部13及びゲート駆動部16等を制御することにより、パレット12の移動及びゲート15の開閉を行う、即ち、駐車装置10を操作する。この操作盤1は、操作面(盤面)20を備え、該操作面20の向きを変更可能に構成されている。本実施形態の駐車装置10には、操作盤1が一つ配置されている。この操作盤1は、入出庫口14の近く(例えば、入出庫口14を規定する支柱111)に取り付けられている。詳しくは、操作盤1は、駐車装置10を入庫方向に見て右端の入出庫口14を規定する二つの支柱111のうちの右側の支柱111の地上から、例えば、1000mmの位置(地面から操作盤1の下端までの距離が1000mmの位置)に取り付けられている。
【0024】
具体的に、操作盤1は、図2及び図3にも示すように、操作面20を含む操作盤本体2と、駐車装置10の支柱111(駐車装置10を構成する部材)に操作盤本体2を固定する固定部3と、を備える。この固定部3は、操作盤本体2の固定部に対する姿勢を変更可能に該操作盤本体2を保持する。また、本実施形態の操作盤1は、操作盤本体2の姿勢変更の範囲を規制する規制部4を備える。この操作盤1は、固定部3に対する操作盤本体2の姿勢を維持する(操作盤1を操作する人の意図しない操作盤1の姿勢変更を防止する)キャッチ部5も備える。
【0025】
操作盤本体2は、正面側(本実施形態の例では、出庫方向側)に操作面20を有する部位であり、内部に基板等を有する。本実施形態の操作盤本体2は、略直方体形状である。
【0026】
操作面20は、駐車装置10の操作に用いられる表示部やボタン等が配置されている部位である。本実施形態の操作面20には、例えば、操作電源スイッチ、操作部、情報入力部、情報表示部、非常停止ボタン等が配置されている。この操作面20のボタン等への入力やスイッチの切り替え等によって、駐車装置10(パレット12やゲート15)が操作される。
【0027】
具体的には、車両を入庫又は出庫するときには、操作盤1を操作し(即ち、操作面20のボタン等への入力等によって)、目的とするパレット12を所定の入出庫口14まで移動(本実施形態の例では、昇降)させる。詳しくは、上側のパレット12は、通常、ゲート15(地面)と対応した高さ位置にあるため、上側(上段)のパレット12に車両を入庫し、又は上側のパレット12から車両を出庫する場合には、上側のパレット12の昇降は、行われない。一方、下側(下段)のパレット12は、通常、地下にあるため、下側のパレット12に車両を入庫し、又は下側のパレット12から車両を出庫する場合には、下側のパレット12は、ゲート15(地面)と対応した高さ位置まで上昇する。続いて、ゲート15が開く(上昇する)と、パレット12に載置されている車両を入出庫口14から外へ出し、又は、車両を入出庫口14を通じてパレット12上に移動させる(載せる)。そして、再度、操作盤1を操作し(即ち、操作面20のボタン等への入力等によって)、ゲート15を閉じる(下降させる)。下側のパレット12に車両を入庫し、又は下側のパレット12から車両を出庫した場合は、ゲート15が閉じた後、該パレット12が地下に下降する。以上のようにして、車両の駐車装置10からの出庫又は駐車装置10への入庫が完了する。
【0028】
固定部3は、操作盤本体2を回動可能に支持する。本実施形態の固定部3は、操作面20に平行又は略平行で且つ水平方向に延びる回動軸C周りに回動可能に操作盤本体2を支持する。具体的に、この固定部3は、躯体部11に取り付けられる取付台31と、取付台31と操作盤本体2とを接続するヒンジ部32と、を有する。
【0029】
取付台31は、入出庫方向に対して直交する方向に広がる平板状のベース311と、ベース311の裏面(入庫方向側の面)から延びて躯体部11に接続される接続部312と、を有する。本実施形態のベース311は、操作盤本体2と対応する大きさの矩形の板状であり、接続部312は、ベース311の裏面から延びてボルト等の締結部材や溶接等によって躯体部11(詳しくは、入出庫口14を規定する支柱111)に接続されている。
【0030】
ヒンジ部32は、操作盤本体2を取付台31(詳しくは、ベース311)に対して回動可能に接続する。本実施形態のヒンジ部32は、ベース311の下部と操作盤本体2の裏面の下部とを接続する。これにより、操作盤本体2が、ヒンジ部32の回転軸(操作面20と平行で且つ水平方向に延びる回動軸C)周りに回動可能にベース311に連結される。即ち、ヒンジ部32は、操作盤本体2が操作面20を正面に向けた状態からその上端部を正面側に倒すようにベース311に対して回動可能に、操作盤本体2とベース311とを接続している。この構成によれば、操作盤1は、操作面20が正面を向いた状態(図2参照)から、操作面20が斜め下方を向いた状態(図3参照)までの間で、操作面20の向きを変更できる。
【0031】
また、ヒンジ部32は、操作盤本体2を回動させたときにベース311に対して任意の角度で静止させることができる。本実施形態のヒンジ部32は、いわゆるトルクヒンジである。
【0032】
規制部4は、操作盤本体2がベース311に対して姿勢変更(本実施形態の例では回動)できる範囲を規制する。本実施形態の規制部4は、ベース311の上部と操作盤本体2の上部とに接続されるワイヤーである。この規制部4は、操作盤本体2が起立した状態(上端部をベース311に沿わせた姿勢)のときに弛んでおり、操作盤本体2が回動して伸びきったときに、それ以上の操作盤本体2の回動を(正面側に倒れるのを)阻止する。本実施形態の規制部4は、操作盤本体2が30°回動したときに、それ以上の回動を阻止する長さである。この規制部4は、その長さを変更(調整)することにより、操作盤本体2の回動できる範囲を変更できる。
【0033】
キャッチ部5は、操作盤本体2の裏面(詳しくは、裏面の上部)に配置されるキャッチ本体51と、ベース311の正面におけるキャッチ本体51と対応する位置に配置されるストライク52と、を有する。キャッチ部5において、これらキャッチ本体51とストライク52とが、係合、磁着、係止、嵌め合い等することにより、操作盤本体2がベース311に対して不意に姿勢変更(回動)するのを防ぐ。本実施形態のキャッチ部5では、キャッチ本体51が磁石を有し、ベース311に取り付けられた金属製の板状のストライク52に磁着することで、操作盤本体2のベース311に対する不意の回動を防いでいる。
【0034】
以上の駐車装置10によれば、操作盤1が、操作する人の側に向くように操作面20の向きを変更できるため、操作する人の身長や姿勢等に関わらず操作し易い。
【0035】
また、本実施形態の駐車装置10では、固定部3が、操作盤本体2をヒンジ部32の回転軸(回動軸C)周りに回動可能に支持している。このように、操作盤1を、水平面に対する操作面20の角度を変更可能な構成とすることで、高い位置から操作する場合(例えば、起立姿勢で操作する場合:図4参照)であっても、低い位置から操作する場合(例えば、身長の低い人や車椅子に座った人が操作する場合:図5参照)であっても、操作する人の側に操作面20を向けることができる。このため、本実施形態の駐車装置10における操作盤1によれば、いずれの場合であっても操作し易い。詳しくは、以下の通りである。
【0036】
図4に示すように、車両を出庫又は入庫しようとする人が起立姿勢で操作盤1を操作する場合、操作盤1の正面に位置したときに、視線や操作盤1(操作面20)に向けて伸ばす腕に対して操作面20が直交若しくは略直交した状態であるため、操作面20の表示等が視認し易く且つ操作もし易い。
【0037】
一方、例えば、車椅子に座った姿勢で操作盤1を操作する場合、操作盤1の正面側に位置したとしても、操作する人が座った姿勢であるため(頭や腕(上半身)が操作盤1に対して低い位置であるため)、視線や操作盤1(操作面20)に向けて伸ばす腕に対して操作面20が傾斜した状態であるため、操作面20の表示等が視認し難く且つ操作もし難くなる。
【0038】
しかし、本実施形態の操作盤1では、このような場合、図5に示すように、操作盤本体2の上端部を手前側に倒すように操作盤本体2を手動で回動させる(即ち、ヒンジ部32の軸C周りに回動させる)ことで、車椅子に座った姿勢であっても、視線や操作盤1(操作面20)に向けて伸ばす腕に対して操作面20が直交若しくは略直交した状態となるため、起立姿勢で操作する場合と同様に、操作面20の表示等が視認し易く且つ操作もし易くなる。
【0039】
尚、本発明に係る操作盤及び駐車装置は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を追加することができ、また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることができる。さらに、ある実施形態の構成の一部を削除することができる。
【0040】
操作盤1における操作面20の向きの具体的な変更方向は限定されない。例えば、上記実施形態の操作盤1は、操作面20の向きを上下に変更可能であるが、例えば、操作面20の向きを左右に変更可能であってもよく、操作面20の向きを任意の方向に変更可能であってもよい。
【0041】
また、上記実施形態の操作盤1では、操作盤本体2を回動軸C周りに回動可能にしている部材(ヒンジ部32)が、ベース311の下部と、操作盤本体2の裏面の下部とを接続している(即ち、上開きの構成である)が、この構成に限定されない。即ち、操作盤本体2の回動軸(操作面20と平行又は略平行で且つ水平方向に延びる回動軸)Cの位置は、操作盤本体2の下部に限定されず、操作盤本体2の上部や中間部等の上下方向におけるいずれの位置であってもよい。
【0042】
例えば図6及び図7に示すように、ヒンジ部32が、ベース311の上部と操作盤本体2の裏面の上部とを接続していていもよい(即ち、下開きの構成であってもよい)。この場合、操作盤本体2の下部を手前側に引き上げるように操作盤本体2を回動させることができる。この構成によれば、操作盤1は、操作面20が正面を向いた状態(図6参照)から、操作面20が斜め上方を向いた状態(図7参照)までの間で、操作面20の向きを変更可能である。
【0043】
この場合は、例えば、車椅子に座った人が使用することを前提に、操作盤が低い位置(例えば、地面から操作盤1の下端までの距離が800mmの位置)に配置され(図8参照)、起立姿勢で操作するときには、操作盤本体2の下部を手前側に引き上げるように回動させ、操作面20を斜め上方に向けた状態にする(図9参照)。このようにすることで、起立姿勢で操作する際にも、操作し易い。
【0044】
尚、このような構成(下開きの構成)の場合、例えば、ベース311の下部と操作盤本体2の下部との間にトルクステー等を設け、操作盤本体2が意図せずに回動すること(閉じること)でのベース311と操作盤本体2との間での挟み込み等の発生を防ぐ構成とすることが好ましい。
【0045】
また、上記実施形態の操作盤1では、操作盤本体が、操作面20に沿い且つ水平方向に延びる回動軸C周りに回動するが、この構成に限定されない。回動軸Cの延びる方向は、垂直方向等の他の方向に延びていてもよい。
【0046】
また、操作盤1において操作面20の向きを変更可能にする具体的な構成は、限定されない。即ち、上記実施形態の操作盤1では、操作盤本体2が所定の軸(回動軸C)周りに回動するのに伴い操作面20の向く方向が変わる構成であるが、他の構成であってもよい。
【0047】
また、規制部4やキャッチ部5の具体的な構成は限定されない。即ち、規制部4は、操作盤本体2の姿勢変更の範囲を規制できる構成であれば、種々の構成を選択可能である。また、キャッチ部5は、操作盤本体2の向き(姿勢)が意図せずに変わらないように固定部3等に係止、磁着、嵌め合い等をできる構成であれば、種々の構成を選択可能である。
【0048】
上記実施形態の操作盤1では、操作盤本体2を回動可能としている構成や部材(上記実施形態の例では、ヒンジ部32)とは別途に、規制部4が設けられているが、この構成に限定されない。規制部4(即ち、操作盤本体2の回動可能な範囲を規制する構成や部材)は、操作盤本体2を固定部3に対して回動可能としている構成や部材の一部を利用したり、前記構成や部材に一体に組み込まれたりしていてもよい。
【0049】
また、操作盤1は、規制部4及びキャッチ部5の少なくとも一方を備えない構成であってもよい。
【0050】
上記実施形態の操作盤1では、操作盤本体2の姿勢の変更と共に操作面20が向きを変える構成であるが、この構成に限定されない。例えば、操作盤本体2が固定された状態で、操作面20の向きのみが変更される構成であってもよい。
【0051】
上記実施形態の操作盤1では、操作する人等が手動で操作盤本体2を回動させているが、この構成に限定されない。例えば、操作盤1は、モータ等の動力を用いて自動で操作盤本体2の姿勢を変更する構成でもよい。
【0052】
また、操作盤本体2の姿勢を変更し易いように、操作盤本体2に取っ手等を設けてもよい。
【0053】
上記実施形態の駐車装置10では、操作盤1は、一つしか配置されていないが、例えば、入出庫口14毎に配置(対応する入出庫口14の近くにそれぞれ配置)されていてもよい。即ち、複数の操作盤1が、駐車装置10に配置されていてもよい。この場合、全ての操作盤1が、操作面20の向きを変更できる構成でなくてもよい。
【0054】
上記実施形態の操作盤1は、躯体部11(駐車装置10を構成する部材)に取り付けられているが、この構成に限定されない。例えば、操作盤1は、躯体部11から離れた位置に独立して設置されていてもよく、躯体部11と別体の構造物等に配置されていてもよい。
【0055】
また、操作盤1の具体的な操作対象物は限定されない。上記実施形態の操作盤1は、パレット12の移動及びゲート15の昇降を操作するが、いずれか一方のみを操作する構成でもよく、駐車装置10における他の構成を操作する構成でもよい。
【符号の説明】
【0056】
1…操作盤、2…操作盤本体、20…操作面、3…固定部、31…取付台、311…ベース、312…接続部、32…ヒンジ部、4…規制部、5…キャッチ部、51…キャッチ本体、52…ストライク、10…駐車装置、11…躯体部(駐車装置を構成する部材)、111…支柱、112…梁、12…パレット、13…パレット駆動部、14…入出庫口、15…ゲート、16…ゲート駆動部、17…制御部、90…駐車装置、91…主構造体、911…支柱、92…パレット、93…入出庫ゲート、94…操作盤、941…操作面、C…回動軸
【要約】
【課題】操作し易い駐車装置用の操作盤、及び前記操作盤を備える駐車装置を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、駐車装置を操作可能な駐車装置用の操作盤であって、操作面を備え、該操作面の向きを変更可能に構成される、ことを特徴とする。
【選択図】図5
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10