特許第6571912号(P6571912)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6571912樹状化合物、フォトレジスト組成物、および電子デバイスを作製する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6571912
(24)【登録日】2019年8月16日
(45)【発行日】2019年9月4日
(54)【発明の名称】樹状化合物、フォトレジスト組成物、および電子デバイスを作製する方法
(51)【国際特許分類】
   C07C 309/12 20060101AFI20190826BHJP
   G03F 7/004 20060101ALI20190826BHJP
   G03F 7/039 20060101ALI20190826BHJP
   G03F 7/32 20060101ALI20190826BHJP
   G03F 7/038 20060101ALI20190826BHJP
   H01L 21/027 20060101ALI20190826BHJP
   C09K 3/00 20060101ALI20190826BHJP
   C07C 381/12 20060101ALI20190826BHJP
【FI】
   C07C309/12CSP
   G03F7/004 503A
   G03F7/039 601
   G03F7/32
   G03F7/038 601
   H01L21/30 502R
   C09K3/00 K
   C07C381/12
【請求項の数】13
【外国語出願】
【全頁数】31
(21)【出願番号】特願2013-272868(P2013-272868)
(22)【出願日】2013年12月27日
(65)【公開番号】特開2014-131998(P2014-131998A)
(43)【公開日】2014年7月17日
【審査請求日】2016年10月4日
(31)【優先権主張番号】61/748,023
(32)【優先日】2012年12月31日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591016862
【氏名又は名称】ローム アンド ハース エレクトロニック マテリアルズ エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Rohm and Haas Electronic Materials LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110000589
【氏名又は名称】特許業務法人センダ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イマッド・アカッド
(72)【発明者】
【氏名】チェン−バイ・スー
(72)【発明者】
【氏名】イラヴィンダー・カウ
(72)【発明者】
【氏名】ミンキ・リー
(72)【発明者】
【氏名】ジビン・サン
(72)【発明者】
【氏名】セシリー・アンデス
【審査官】 西澤 龍彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−230362(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0315580(US,A1)
【文献】 特開2011−033840(JP,A)
【文献】 特表平09−501654(JP,A)
【文献】 特開2013−174857(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/090959(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0203024(US,A1)
【文献】 特開2010−001436(JP,A)
【文献】 YIM, Su-Hoon, et al.,Macromolecules,2007年,40(2),pp. 205-210
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C
C07D
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
陰イオン基および連結基を含む焦点を含む陰イオン性デンドロンと;
光反応性陽イオンと
を含む、樹状化合物であって、
前記樹状化合物が、以下の一般式(I)
【化1】
(式中、
Lは、各分岐上に官能基を備えた2つ以上の分岐を有する、置換もしくは非置換の分岐したC1−30脂肪族基、C5−30芳香族基またはC6−30アラルキレン基であり、そこで官能基は、アミン、エーテル、カルボニル、エステル、アミドスルホネート、スルホンイミド、または前述の基の少なくとも1つを含む組み合わせから独立して選択され;
Xは、エーテル、エステル、カルボネート、アミン、アミドスルホネートまたはスルホンアミドを含有する基を任意で含む、置換もしくは非置換のC1−30アルキレン基、C1−30フルオロアルキレン基、C3−30シクロアルキレン基、またはC3−30フルオロシクロアルキレン基であり;
Tは以上の環状、多環式または縮合多環式の脂肪族基、芳香族基、酸不安定基または環状ラクトンを含む末端基であり、前記酸不安定基は第三級エステル基、ケタール基およびアセタール基からなる群から選択され、かつ前記ケタール基は2つのTが結合することによって形成されてもよく、前記C以上の環状、多環式または縮合多環式の脂肪族基、前記芳香族基、前記酸不安定基及び前記環状ラクトンは置換されていても非置換であってもよく、末端基中の1つまたは複数の炭素原子はヘテロ原子により置換することができ;
nは2以上の整数から選択された世代数であり;
yは与えられた樹状世代n内の連結基Lの数値であり、1以上の整数から選択され;
wは最終樹状世代n内の連結基Lの末端分岐の数値であり、4以上の整数から選択され;
そこで第一世代(n=1)については、LはXへ共有結合で連結され、任意の後続する世代(n=2以上)については、後続する世代のLは前の世代(n−1)の基Lに接続され、各々の連結基Lの末端分岐は最終樹状世代内の末端基Tにおいて終結し;
は光反応性陽イオンである)
である、樹状化合物。
【請求項2】
1つまたは複数の末端基Tが前記酸不安定基を含む、請求項1に記載の樹状化合物。
【請求項3】
前記酸不安定基が、第三級エステル基である、請求項2に記載の樹状化合物。
【請求項4】
前記Zが、以下の式VIa、VIb、VIc、VIdまたはVIe
【化2】
(式中、
各々のRは、独立して、置換もしくは非置換のC1−20アルキル、C1−20フルオロアルキル、C3−20シクロアルキル、C3−20フルオロシクロアルキル、C2−20アルケニル、C2−20フルオロアルケニル、C6−20アリール、C6−20フルオロアリール、C5−20ヘテロアリール、C7−20アラルキル、C7−20フルオロアラルキル、またはC6−20ヘテロアラルキルであり、そこでRは、独立して、非置換または、第三級エステル基、ケタール基およびアセタール基からなる群から選択される酸不安定基を含むようにさらに置換され、そこで各々のRは分離しているかまたは他のRへおよび/もしくは陽イオンの芳香族基へ接続され;
は、H、ハロゲン原子、C1−20アルキル、C1−20フルオロアルキル、C1−20アルコキシ、C1−20フルオロアルコキシ、C1−20チオアルコキシ、C1−20フルオロチオアルコキシ、C1−20アルコキシカルボニル、C1−20フルオロアルコキシカルボニル、C1−20チオアルコキシカルボニル、C1−20フルオロチオアルコキシカルボニル、C3−20シクロアルキル、C3−20フルオロシクロアルキル、C3−20シクロアルコキシ、C3−20フルオロシクロアルコキシ、C2−20アルケニル、C2−20フルオロアルケニル、C6−20アリール、C6−20フルオロアリール、C6−20アリールオキシ、C6−20フルオロアリールオキシ、C5−20ヘテロアリール、C5−20ヘテロアリールオキシ、C7−20アラルキル、C7−20フルオロアラルキル、C7−20アラルキルオキシ、C7−20フルオロアラルキルオキシまたはC6−20ヘテロアラルキルまたはC6−20ヘテロアラルキルオキシであり、そこでRは、非置換または第三級エステル基、ケタール基およびアセタール基からなる群から選択される酸不安定基を含むように置換され、wは1〜5の整数である)
の陽イオンである、請求項1〜3のいずれかに記載の樹状化合物。
【請求項5】
前記樹状化合物が、以下の式(IIb)
【化3】
(式中、各々のTは、独立して、C以上の環状、多環式もしくは縮合多環式脂肪族基、芳香族基、酸不安定基、環状ラクトン、または環状スルトンであり、前記酸不安定基は第三級エステル基、ケタール基およびアセタール基からなる群から選択され、かつ前記ケタール基は2つのTが結合することによって形成されてもよく、そこでTは、1つまたは複数の水酸基またはシアノ基により任意で置換されT中の1つまたは複数の炭素原子はヘテロ原子、アミン基、エーテル基またはエステル基により置換することができ;
各々のRおよびRは、独立して、H、C1−10アルキル、C3−10シクロアルキルまたはC3−10フルオロシクロアルキルであり;
各々のRおよびRは、独立して、H、F、C1−10アルキル、C1−10フルオロアルキル、C3−10シクロアルキルまたはC3−10フルオロシクロアルキルであり、そこで少なくとも1つのRおよびRはFを含有し;
は陽イオンであり;並びに、
nおよびmは独立して1〜3の整数である)
の化合物である、請求項1の樹状化合物。
【請求項6】
前記樹状化合物が、以下の式(IIIb)
【化4】
(式中、各々のRおよびRは、独立して、H、C1−10アルキル、C3−10シクロアルキルまたはC3−10フルオロシクロアルキルであり;
各々のRおよびRは、独立して、H、F、C1−10アルキル、C1−10フルオロアルキル、C3−10シクロアルキルまたはC3−10フルオロシクロアルキルであり;少なくとも1つのRおよび/またはRはFを含有し;
各々のRおよびRは、独立して、アルキル、シクロアルキルまたは置換されたシクロアルキルであり、共に接続して、脂肪族、芳香族、ヘテロ芳香族環状または多環式のモイエティを形成することができ
は陽イオンであり;並びに、
nおよびmは独立して1〜3の整数である)
の化合物である、請求項1〜3のいずれかに記載の樹状化合物。
【請求項7】
前記樹状化合物が、以下の式
【化5】
(式中、XはHまたはOHである)
の化合物である、請求項1〜3のいずれかに記載の樹状化合物。
【請求項8】
前記樹状化合物が、以下の式(IIc)
【化6】
(式中、各々のTは、独立して、C以上の環状、多環式もしくは縮合多環式脂肪族基、芳香族基、酸不安定基、環状ラクトン、または環状スルトンであり、前記酸不安定基は第三級エステル基、ケタール基およびアセタール基からなる群から選択され、かつ前記ケタール基は2つのTが結合することによって形成されてもよくそこでTは、1つまたは複数の水酸基またはシアノ基により任意で置換されT中の1つまたは複数の炭素原子はヘテロ原子、アミン基、エーテル基またはエステル基により置換することができ;
各々のRおよびRは、独立して、H、C1−10アルキル、C3−10シクロアルキルまたはC3−10フルオロシクロアルキルであり;
各々のRおよびRは、独立して、H、F、C1−10アルキル、C1−10フルオロアルキル、C3−10シクロアルキルまたはC3−10フルオロシクロアルキルであり、そこで少なくとも1つのRおよびRはFを含有し;
は陽イオンであり、
nおよびmは独立して1〜3の整数である)
の化合物である、請求項1〜3のいずれかに記載の樹状化合物。
【請求項9】
以下の化合物から選択される樹状化合物:
【化7】
【請求項10】
酸感受性ポリマーと、
請求項1〜9のいずれか一項に記載の樹状化合物と
を含む、フォトレジスト組成物。
【請求項11】
酸感受性ポリマーと、
下記化合物から選択される樹状化合物と
を含む、フォトレジスト組成物。
【化8】
【請求項12】
(a)請求項10または11に記載のフォトレジスト組成物の層を基板上に適用することと;
(b)フォトレジスト組成物層を活性化照射へパターン形成した様式で露光することと;
(c)露光したフォトレジスト組成物層を現像してレジストレリーフイメージを提供することと
を含む、電子デバイスを形成する方法。
【請求項13】
前記活性化照射がEUV照射である、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、樹状化合物、フォトレジスト組成物、および電子デバイスを作製する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高度なリソグラフィー技法(193nm液浸リソグラフィー等)は、ますます小さなロジックトランジスタおよびメモリトランジスタを形成する目的のために、マイクロリソグラフィープロセスにおいて高品質およびより小さな形状を達成するように発展している。マイクロリソグラフィープロセスにおいて使用されるイメージングしたフォトレジストにおいてより小さな限界寸法(CD)を達成すること、ならびにフォトレジストが低いラインエッジラフネス(LER)およびライン幅ラフネス(LWR)の両方を提供することの両方、一方で良好なプロセス制御トレランス(高い露光寛容度(EL)および幅広い焦点深度(DOF)等)をそれでもなお保持していることが重要である。
【0003】
高解像度リソグラフィーによって作製されたレジスト材料についての課題へ対応するために、低く制御可能な拡散特性を備えた光酸発生剤(PAG)、特に光反応性陽イオンおよび拡散限定性陰イオンを有するイオン性PAGが所望される。PAG陰イオンの構造は、他のフォトレジスト成分と光酸発生剤の相互作用に影響を与えることによって、フォトレジストの全体的な性能に影響を与えることができる。そしてこれらの相互作用は光発生された酸の拡散特徴に影響を与える。PAGの構造およびサイズはフォトレジストフィルム中のPAGの均一分布に非常に影響を与え得る。PAGがレジストフィルム内で一様に分布しないならば、欠陥(Tトップ形成、フット形成およびノッチング等)が生じ得る。
【0004】
拡散の限定および拡散性酸に関連する付随の問題への取り組みが行なわれてきた。パーフルオロアルキルスルホネート基を、単一の立体的にかさ高い脂肪族基またはヘテロ脂肪族基へ共有結合で連結する光酸発生剤が公知である。例えば、米国特許第7301047B2号および米国特許第7304175B2号は、スルホネートがアダマンチル基に連結されるかさ高い光酸発生剤を開示する。制御された酸拡散、ポリマーとの改善された混和性、ならびに配合溶媒および有機現像液における改善された可溶性を有するPAGを含むフォトレジスト組成物についての必要性が残る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の態様に従えば、樹状化合物が提供される。樹状化合物は、陰イオン基および連結基を含む焦点を含む陰イオン性デンドロンと;光反応性陽イオンとを含む。
【0006】
本発明のさらなる態様に従えば、樹状化合物は、以下の一般式(I)
【化1】

(式中、
Lは、各分岐上に官能基を備えた2つ以上の分岐を有する、置換もしくは非置換の分岐したC1−30脂肪族基、C5−30芳香族基またはC6−30アラルキル基であり、そこで官能基は、アミン、エーテル、カルボニル、エステル、アミド、サルフェート、スルホネート、スルホンイミド、または前述の基の少なくとも1つを含む組み合わせから独立して選択され;
Xは、エーテル、エステル、カルボネート、アミン、アミド、尿素、サルフェート、スルホネートまたはスルホンアミドを含有する基を任意で含む、置換もしくは非置換のC1−30アルキル基、C1−30フルオロアルキル基、C3−30シクロアルキル基、またはC3−30フルオロシクロアルキル基であり;
Tは、置換もしくは非置換、C以上の環状、多環式または縮合多環式の脂肪族基、芳香族基、酸不安定基または環状ラクトンを含む末端基であり、そこで末端基中の1つまたは複数の炭素原子はヘテロ原子により置換することができ;
nは1以上の整数から選択された世代数であり;
yは与えられた樹状世代n内の連結基Lの数値であり、1以上の整数から選択され;
wは最終樹状世代n内の連結基Lの末端分岐の数値であり、2以上の整数から選択され;
そこで第一世代(n=1)については、LはXへ共有結合で連結され、任意の後続する世代(n=2以上)については、後続する世代のLは前の世代(n−1)の基Lに接続され、各々の連結基Lの末端分岐は最終樹状世代内の末端基Tにおいて終結し;
は光反応性陽イオンである)
である。
【0007】
本発明のさらなる態様に従えば、フォトレジスト組成物が提供される。フォトレジスト組成物は、酸感受性ポリマーと本発明に従う樹状化合物とを含む。
【0008】
本発明のさらなる態様に従えば、電子デバイスを形成する方法が提供される。方法は、(a)本発明に従うフォトレジスト組成物の層を基板上に適用することと;(b)フォトレジスト組成物層を活性化照射へパターン形成した様式で露光することと;(c)露光したフォトレジスト組成物層を現像してレジストレリーフイメージを提供することとを含む。
【0009】
本明細書において開示されるすべての範囲は終点を包括し、終点は独立して互いを組み合わせ可能である。本明細書において使用される時、接尾辞「(s)」は、それが修飾する用語の単数および複数の両方を含み、それによってその用語の少なくとも1つを含むことを意図する。「任意の」または「任意で」は、続いて記載される要素、イベントまたは状況が起こり得るかまたは起こり得ず、記載が、イベントが起こる実例および起こらない実例を含むことを意味する。本明細書において使用される時、「組み合わせ」は、ブレンド、混合物、合金または反応生産物の包括である。
【0010】
本発明を記載する文脈中(とりわけ以下の請求項の文脈中)の、「1つの(a)」、「1つの(an)」、「その(the)」という用語、および類似の指示物の使用は、本明細書において特別に指示されるか、または文脈によって明らかに否定されない限り、単数および複数の両方をカバーすると解釈される。さらに、「第1の」、「第2の」という用語、および同種のものは、本明細書において任意の順序、量または重要性を示さないが、むしろ1つの要素ともう1つのものを区別するのに使用されることに注目すべきである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書において開示されるものは光反応性陽イオンおよび立体的にかさ高い陰イオンを有する新規樹状化合物である。陰イオンの立体的なかさは、陰イオン基および連結基を含む焦点を有する陰イオン性デンドロンの使用によって得られる。樹状化合物は光酸発生剤化合物(PAG)として特定の適用可能性が見出され、そしてそれはフォトレジスト組成物中での特定の使用が見出される。
【0012】
焦点の陰イオン基は、例えば、接続基(例えばアルキレン、エーテル、エステル、カルボネート、スルホネート、スルホン、スルホンイミドなど)を介して、2つ以上のかさ高い置換基へ共有結合で連結されたフルオロアルキルスルフォナート基を含むことができる。好適なかさ高い置換基は、例えば、飽和または非飽和の多環式炭化水素および多環式環状ラクトンを含む。分岐鎖は、2つ以上の立体的にかさ高い基へフルオロアルキルスルホン酸基を接続する。対陽イオンは典型的にはオニウム陽イオンであり、オニウム塩を形成する陰イオンと共に使用される。この方法において、樹状PAGを得ることができ、それは活性化照射への露光に際して超酸を生成することができる。
【0013】
電子線または短波長照射(例えば193nmを含む200nm未満の照射およびEUV照射(例えば13.5nm))によりイメージングした、かかるPAGを含有する化学的に増幅されたフォトレジストが特に好ましい。これらの樹状PAGは、基板への良好な接着に加えて、1つまたは複数の改善された感度、マスク忠実度、コントラストおよび解像度を示すことができる。改善されたラインエッジラフネス(LWR)も得ることができる。PAGは典型的には有機溶媒中で少なくとも2重量%の可溶性を有する。かかる比較的高い可溶性は、ポジティブトーン現像およびネガティブトーン現像(PTDおよびNTD)フォトレジスト加工の両方について有利であり得る。さらに、フォトレジスト配合、エッジビーズ除去などのために典型的には使用される有機溶媒中でのPAGの高い可溶性は、フォトレジストフィルム中の一様なPAG分布を改善し、そしてそれはフォトレジスト解像度の促進、ライン幅ラフネス(LWR)の減少およびパターン品質の改善を提供することができる。かかるPAG可溶性は、低い欠陥状態でパターン形成されたフォトレジストを提供することができる。
【0014】
本明細書において使用される時、「置換された」は、置換基(ハロゲン(すなわちF、Cl、Br、I)、ヒドロキシ、アミノ、チオール、カルボキシル、カルボキシレート、アミド、ニトリル、チオール、スルフィド、ジスルフィド、ニトロ、C1−10アルキル、C1−10アルコキシ、C6−10アリール、C6−10アリールオキシ、C7−10アルキルアリール、C7−10アルキルアリールオキシ、または前述のものの少なくとも1つを含む組み合わせ等)を含むことを意味する。本明細書において使用される時、「アルキルアリール」は、構造的接続性の任意の順序を備えたアルキル基およびアリール基の任意の組み合わせを指す。同様に、「アルキルアリールオキシ」は、構造的接続性の任意の順序を備えたアルキル基およびアリールオキシ基の任意の組み合わせを指す。式に関して本明細書において開示される任意の基または構造は、特別に定められるか、またはかかる置換が、生じた構造の所望される特性に有意に悪影響を及ぼさない限り、そのように置換され得ることは理解されるだろう。さらに本明細書において使用される時、接頭語「ハロ−」は、基が任意のハロゲンまたはその組み合わせ(F、Cl、Br、I)を含むことを意味する。好ましいハロゲンはフッ素である。
【0015】
接頭語「フルオロ−」は、特別の定めのない限り、1つまたは複数のフッ素原子置換基を含む任意の基を含む。さらに本明細書において使用される時、接頭語「セミフルオロ−」は、フッ素化された基が1を超えるフッ素基を含むが、利用可能なプロトンの90%未満がフッ素化される場合を意味する。さらに、接頭語「パーフルオロ−」は、本明細書において使用される時、親化合物中のプロトンの90%を超える、好ましくは95%を超える、およびより好ましくは99%を超えるものが、フッ素原子によって置き換えられる場合を意味する。
【0016】
デンドロンは、官能基を有する焦点(単一の出発モイエティ)から1つを超える末端基分岐を有するデンドリマーの単分散のくさび形ポーションである。これに限定されないが、本明細書において記載されるデンドロン中の焦点は、好ましくはフルオロアルキルスルフォナートモイエティに由来する。
【0017】
本発明の好ましい樹状化合物は、以下の一般式(I)
【化2】

のものを含む。式(I)において、Lは、各分岐上に官能基を備えた2つ以上の分岐を有する、置換もしくは非置換の分岐したC1−30脂肪族基、C5−30芳香族基またはC6−30アラルキル基であり、そこで官能基は、アミン、エーテル、カルボニル、エステル、アミド、サルフェート、スルホネート、スルホンイミド、または前述の基の少なくとも1つを含む組み合わせから独立して選択される。Xは、エーテル、エステル、カルボネート、アミン、アミド、尿素、サルフェート、スルホネートまたはスルホンアミドを含有する基を任意で含む、置換もしくは非置換のC1−30(好ましくはC1−10)アルキル基、C1−30(好ましくはC1−10)フルオロアルキル基、C3−30(好ましくはC3−10)シクロアルキル基、またはC3−30(好ましくはC3−10)フルオロシクロアルキル基である。Tは、置換もしくは非置換、C以上の環状、多環式または縮合多環式の脂肪族基、芳香族基、酸不安定基または環状ラクトンを含む末端基であり、そこで末端基中の1つまたは複数の炭素原子はヘテロ原子により置換することができる。nは1以上の整数から選択された世代数であり;yは与えられた樹状世代n内の連結基Lの数値であり、1以上の整数から選択され;wは最終樹状世代n内の連結基Lの末端分岐の数値であり、2以上の整数から選択される。第一世代(n=1)については、LはXへ共有結合で連結され、任意の後続する世代(n=2以上)については、後続する世代のLは前の世代(n−1)の基Lに接続され、各々の連結基Lの末端分岐は最終樹状世代内の末端基Tにおいて終結する。Zは光反応性陽イオンである。
【0018】
好適な樹状PAG化合物は、例えば、それぞれが第一世代の樹状PAG構造、第二世代のPAG構造および第三世代のPAG構造を表わす、以下の一般式(IIa)、(IIb)または(IIc)
【化3】

のものを含む。上記の式において、各々のTは、独立して、C以上の環状、多環式もしくは縮合多環式脂肪族基、芳香族基、酸不安定基、環状ラクトン、環状スルトン、塩基不安定基、または塩基可溶性基であり、そこでTは、1つまたは複数の水酸基、シアノ基、ヘテロ原子、アミン基、エーテル基またはエステル基により任意で置換される。各々のRおよびRは、独立して、H、C1−10アルキル、C−10シクロアルキルまたはC3−10フルオロシクロアルキルである。各々のRおよびRは、独立して、H、F、C1−10アルキル、C1−10フルオロアルキル、C3−10シクロアルキルまたはC3−10フルオロシクロアルキルであり、そこで少なくとも1つのRおよびRはFを含有する。Zは有機陽イオンまたは無機陽イオンであり、nおよびmは独立して1〜3の整数である。
【0019】
好ましくは、上記式中で「T」として表わされる本発明の樹状化合物の末端基は、1つまたは複数の酸不安定基(第三級エステル基、ケタール基およびアセタール基等)を含む。末端基が酸切断可能である例示的な樹状化合物は、例えば、それぞれ第一世代の樹状PAG構造、第二世代のPAG構造および第三世代のPAG構造を表わす、一般式(IIIa)、(IIIb)および(IIIc)
【化4】

(式中、各々のRおよびRは、独立して、H、C1−10アルキル、C3−10シクロアルキルまたはC3−10フルオロシクロアルキルであり;各々のRおよびRは、独立して、H、F、C1−10アルキル、C1−10フルオロアルキル、C3−10シクロアルキルまたはC3−10フルオロシクロアルキルであり;少なくとも1つのRおよび/またはRはFを含有し;各々のRおよびRは、独立して、アルキル、シクロアルキルまたは置換されたシクロアルキルであり、共に接続して、脂肪族、芳香族、ヘテロ芳香族環状または多環式のモイエティを形成することができ;Zは有機イオンまたは無機陽イオンである)のものを含む。
【0020】
1つまたは複数の末端基は、酸不安定基に加えてまたはあるいは、非保護基(例えばカルボン酸基、フェノール基、アルキルアルコール基)を含むことができる。両方のタイプの基が存在する場合、末端基上での非保護基に対する酸不安定基の数の間の比率は典型的には1〜0.2である。
【0021】
有機陽イオンまたは無機陽イオンZは好ましくはオニウム陽イオン(特にスルホニウム陽イオン)である。好ましくは、Zは以下の一般式(V)
【化5】

(式中、各々のRは、独立して、置換または非置換のC1−20アルキル、C1−20フルオロアルキル、C3−20シクロアルキル、C3−20フルオロシクロアルキル、C2−20アルケニル、C2−20フルオロアルケニル、C6−20アリール、C6−20フルオロアリール、C5−20ヘテロアリール、C7−20アラルキル、C7−20フルオロアラルキル、C6−20ヘテロアラルキルであり、ArはC5−30芳香族含有基であり、そこでR基は共に、またはAr基と共になったR基は、硫黄原子と共に環を形成することができ、硫黄原子を備えた環はヘテロ原子またはカルボニル基を任意で含む)の陽イオンである。
【0022】
樹状化合物に好適な陽イオンは、例えば以下の式(VIa)、(VIb)、(VIc)、(VId)または(VIe)
【化6】

(式中、各々のRは、独立して、置換もしくは非置換のC1−20アルキル、C1−20フルオロアルキル、C3−20シクロアルキル、C3−20フルオロシクロアルキル、C2−20アルケニル、C2−20フルオロアルケニル、C6−20アリール、C6−20フルオロアリール、C5−20ヘテロアリール、C7−20アラルキル、C7−20フルオロアラルキル、またはC6−20ヘテロアラルキルであり、そこでRは、独立して、非置換または酸不安定基、塩基不安定基もしくは塩基可溶性基を含むようにさらに置換され、そこで各々のRは分離しているかまたは他のRへおよび/もしくは陽イオンの芳香族基へ接続され;Rは、H、ハロゲン原子、C1−20アルキル、C1−20フルオロアルキル、C1−20アルコキシ、C1−20フルオロアルコキシ、C1−20チオアルコキシ、C1−20フルオロチオアルコキシ、C1−20アルコキシカルボニル、C1−20フルオロアルコキシカルボニル、C1−20チオアルコキシカルボニル、C1−20フルオロチオアルコキシカルボニル、C3−20シクロアルキル、C3−20フルオロシクロアルキル、C3−20シクロアルコキシ、C3−20フルオロシクロアルコキシ、C2−20アルケニル、C2−20フルオロアルケニル、C6−20アリール、C6−20フルオロアリール、C6−20アリールオキシ、C6−20フルオロアリールオキシ、C5−20ヘテロアリール、C5−20ヘテロアリールオキシ、C5−20ヘテロアリールオキシ、C7−20アラルキル、C7−20フルオロアラルキル、C7−20アラルキルオキシC7−20、フルオロアラルキルオキシまたはC6−20ヘテロアラルキルまたはC6−20ヘテロアラルキルオキシであり、そこでRは、非置換または酸不安定基、塩基不安定基もしくは塩基可溶性基を含むように置換され、wは1〜5の整数である)のものを含む。
【0023】
本発明に従うさらに例示的な樹状PAG構造は、以下の
【化7】
(式中、XはHまたはOHである)を含む。
【0024】
本発明の樹状化合物は公知の方法によって調製することができる。例えば、デンドロンは、ヒドロキシ含有脂環式カルボン酸化合物(例えばヒドロキシアダマンタンカルボン酸)を連続添加して、二官能性または三官能性の脂肪族または芳香族のエステルアルコールのエステル化を介する付加、続いてアダマンチルのヒドロキシ基の第2の二官能性または三官能性の脂肪族または芳香族のエステルアルコールとの任意のさらなる反応に続くヒドロキシを含有する脂環式カルボン酸化合物の第二世代、そして所望される立体的なかさまたは官能性および樹状化度が達成されるまで行なうことによって形成することができる。陰イオンおよび陽イオンを形成するのに好適な方法は当該技術分野において周知である。
【0025】
樹状化合物はフォトレジスト組成物中の光酸発生剤としての特定の使用が見出される。樹状PAGをコポリマーと共にまたは組み合わせて配合して、フォトレジストを形成することができる。本明細書において開示される樹状光酸発生剤と組み合わせてフォトレジスト組成物を形成するのに有用なコポリマーは、酸脱保護可能モノマー、塩基可溶性モノマー、溶解率修飾モノマーおよび耐エッチング性モノマーを含む。例えば200nm未満の波長(例えば193nmまたはEUV(例えば13.5nm)波長)で有用なフォトレジストポリマーを形成するのに好適な任意のかかるモノマーまたはモノマーの組み合わせを使用することができる。好ましくは、モノマーの組み合わせが使用され、それは酸脱保護可能塩基可溶性基を有する(メタ)アクリレートモノマー、ラクトン官能基を有する(メタ)アクリレートモノマー、式(I)のものに同一でない塩基可溶性基を有する(メタ)アクリレートモノマー、または前述のモノマーの少なくとも1つを含む組み合わせを含む。他のモノマー(接着、耐エッチング性などの改善のための(メタ)アクリレートモノマー等)も含まれ得る。
【0026】
例えば、200nm未満(例えば193nmまたはEUV波長)のフォトレジストポリマーを形成するのに有用な任意の酸脱保護可能モノマーを使用することができる。例示的な酸脱保護可能モノマーは、以下の
【化8】

または前述のモノマーの少なくとも1つを含む組み合わせ(式中、Rは、H、F、CN、C1−10アルキルまたはC1−10フルオロアルキルである)を含むが、これらに限定されない。
【0027】
200nm未満でのフォトレジストポリマーを形成するのに有用な任意のラクトン含有モノマーを使用することができる。例示的なかかるラクトン含有モノマーは、以下の
【化9】

または前述のモノマーの少なくとも1つを含む組み合わせ(式中、Rは、H、F、CN、C1−10アルキルまたはC1−10フルオロアルキルである)を含むが、これらに限定されない。
【0028】
フォトレジストポリマーを形成するのに有用な任意の塩基可溶性モノマーを使用することができる。例示的な追加の塩基可溶性(メタ)アクリレートモノマーは、以下の
【化10】

または前述のモノマーの少なくとも1つを含む組み合わせ(式中、Rは、H、F、CN、C1−10アルキルまたはC1−10フルオロアルキルであり、RはC1−4パーフルオロアルキル基である)を含むが、これらに限定されない。
【0029】
ポリマーは、接着の改善のための官能基の有無にかかわらず、耐エッチング性を促進するためのケージ構造化モノマーを含む他のモノマーも含むことができる。例示的な接着改善モノマーは、以下の
【化11】

または前述のモノマーおよび少なくとも1つの追加のモノマーを含む組み合わせ(式中、RはH、C1−6アルキルまたはCFである)を含む。
【0030】
光酸発生剤をコポリマーと組み合わせて(混和物中または共重合によってのいずれかで)、フォトレジストを形成する。フォトレジストは任意で、第2の酸感受性ポリマーおよび/または光酸発生剤、フォトスピードおよび/もしくは酸拡散を調整するアミンまたはアミド添加剤、溶媒、ならびに界面活性剤をさらに含む。
【0031】
第2の酸感受性ポリマーは200nm未満の波長での使用のためのフォトレジストの配合に好適な任意のポリマーであり得る。かかる酸感受性ポリマーは酸感受性基およびラクトン含有基を含む酸感受性ポリマーを含み、そこで酸感受性基は酸への曝露に対して塩基可溶性基を脱保護する。
【0032】
フォトレジスト組成物は樹状光酸発生剤化合物に加えて1つまたは複数の光酸発生剤を含むことができる。追加の光酸発生剤は追加式形態(すなわち、マトリックスポリマーから分離されている)であり得るが、追加のPAGはポリマー結合形態(PAGがマトリックスポリマーまたは組成物中の他のポリマーへ結合される等)であることが好ましい。好適な追加の光酸発生剤(追加式かつポリマー結合タイプ)は当該技術分野において公知である。ポリマー結合性光酸発生剤は、例えばUS20120172555A1、US20120171616A1、US20120129105A1およびUS20110159429A1中で記載される。追加のポリマー結合性光酸発生剤が使用される場合、対応するモノマーとしてのポリマー結合性光酸発生剤は、典型的には、固形物の全重量に基づいて0.01〜15重量%の量で存在する。
【0033】
フォトレジスト組成物は、本明細書においてクエンチャーと称されるアミン化合物またはアミド化合物をさらに含むことができる。クエンチャーは、例えば水酸化物、カルボキシレート、アミン、イミンおよびアミドに基づくものをより幅広く含むことができる。典型的なクエンチャーは、アミン、アミドまたは前述のものの少なくとも1つを含む組み合わせである。好ましくは、かかるクエンチャーは、C1−30有機アミン、イミンもしくはアミドを含むか、または強塩基(例えば水酸化物またはアルコキシド)または弱塩基(例えばカルボキシレート)のC1−30第四級アンモニウム塩であり得る。例示的なクエンチャーは、アミン(Trogerの塩基等)、ヒンダードアミン(ジアザビシクロウンデケン(DBU)またはジアザビシクロノネン(DBN)等)、N−保護アミン(N−t−ブチルカルボニル−1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチルアミン(TBOC−TRIS)等)、または第四級アルキルアンモニウム塩(水酸化テトラブチルアンモニウム(TBAH)または乳酸テトラブチルアンモニウム等)を含むイオン性クエンチャーを含む。
【0034】
フォトレジストの他の成分は溶媒および界面活性剤を含み得る。
【0035】
成分の溶解、調剤およびコーティングのために一般的に好適な溶媒は、アニソール、アルコール(乳酸エチル、メチル2−ヒドロキシブチレート(HBM)、1−メトキシ−2−プロパノール(プロピレングリコールメチルエーテル、PGMEとも称される)および1−エトキシ−2プロパノールを含む)、エステル(n−ブチルアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート(プロピレングリコールメチルエーテルアセテー卜(PGMEA)とも称される)、メトキシエトキシプロピオネート、エトキシエトキシプロピオネートおよびγ−ブチロラクトンを含む)、ケトン(シクロヘキサノンおよび2−ヘプタノンを含む)、および前述の溶媒の少なくとも1つを含む組み合わせを含む。
【0036】
界面活性剤はフッ素化界面活性剤および非フッ素化界面活性剤を含み、好ましくは非イオン性である。例示的なフッ素化非イオン性界面活性剤は、パーフルオロC界面活性剤(3M Corporationから入手可能なFC−4430およびFC−4432界面活性剤等);およびフルオロジオール(OmnovaからのPOLYFOX PF−636、PF−6320、PF−656およびPF−6520フッ素系界面活性剤等)を含む。
【0037】
デンドリマー光酸発生剤は、典型的には、固形物の全重量に基づいて0.01〜20重量%、好ましくは0.1〜15重量%の量でフォトレジスト中に存在する。コポリマーは、典型的には、固形物の全重量に基づいて、50〜99重量%、好ましくは55〜95重量%、より好ましくは60〜90重量%、およびさらにより好ましくは65〜90重量%量で存在する。フォトレジスト中の成分のこの文脈において使用される「ポリマー」が、本明細書において開示されるコポリマー、またはフォトレジストにおいて有用なポリマーともう一つのポリマーとの組み合わせのみを意味し得ることが理解されるだろう。界面活性剤は、典型的には、固形物の全重量に基づいて、0.01〜5重量%、好ましくは0.1〜4重量%、およびさらにより好ましくは0.2〜3重量%の量で含まれ得る。クエンチャーは比較的少量、例えば固形物の全重量に基づいて、0.03〜5重量%で含まれ得る。他の添加剤(液浸リソグラフィー適用のための埋没バリヤ層(EBL)ポリマー(複数可)等)は、固形物の全重量に基づいて、30重量%以下、好ましくは20%以下、またはより好ましくは10%以下の量で含まれ得る。フォトレジスト組成物のための全固形物含有量は、典型的には、固形物および溶媒の全重量に基づいて、0.5〜50重量%、好ましくは1〜45重量%、より好ましくは2〜40重量%、およびさらにより好ましくは5〜35重量%量である。固形物は、コポリマー、光酸発生剤、クエンチャー、界面活性剤および任意のオプションの添加剤(溶媒を除外する)を含むことが理解されるだろう。
【0038】
本明細書において開示されるフォトレジストを使用してフォトレジストを含むフィルムを形成することができ、そこで基板上のフィルムはコーティング基板を構成する。かかるコーティング基板は、(a)その表面上にパターン形成されるべき1つまたは複数の層を有する基板と;(b)パターン形成されるべき1つまたは複数の層の上のフォトレジスト組成物の層とを含む。好ましくは、パターン形成は、248nm未満の波長、および特に193nmまたはEUV(例えば13.5nm)波長での紫外線照射を使用して実行される。パターン形成できるフィルムはしたがって式(I)の光酸発生剤を含む。したがって、電子デバイスを形成する方法は、(a)フォトレジスト組成物の層を基板上に適用することと;(b)フォトレジスト組成物層を化学線照射へパターン形成した様式で露光することと;(c)露光したフォトレジスト組成物層を現像してレジストレリーフイメージを提供することとを含む。好ましくは、照射は193nmまたはEUV(例えば13.5nm)照射である。
【0039】
パターンの現像は、水性塩基現像液(水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)水溶液等)の作用によってパターン形成した様式で露光された領域が除去される、ポジティブトーン現像(PTD)によって遂行することができる。例示的なポジティブトーン現像液は0.26N TMAH(水溶液)である。したがってパターンを作製する方法は、フォトレジスト組成物層を化学線照射によりパターン形成した様式で露光すること、および水性アルカリ現像液による処理によってパターンを現像して、ポジティブトーンレリーフイメージを形成することを含む。
【0040】
基板は任意の寸法および形状であり得、好ましくはフォトリソグラフィーに有用なもの(シリコン、二酸化ケイ素、シリコン・オン・インシュレーター(SOI)、ストレインドシリコン、砒化ガリウム、コーティング基板(窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、窒化チタン、窒化タンタルによりコーティングされたものを含む)、極薄ゲート酸化膜(酸化ハフニウム等)、金属または金属コーティング基板(チタン、タンタル、銅、アルミニウム、タングステン、その合金によりコーティングされたものを含む)、およびその組み合わせ等)である。好ましくは、本明細書における基板の表面は、パターン形成されるべき限界寸法層(例えば1つまたは複数のゲートレベル層を含む)または半導体製造のための基板上の他の限界寸法層を含む。かかる基板は、例えば直径で200mm、300mm、もしくはより大きいか、またはウエハ製造産生に有用な他の寸法等の寸法を有する環状ウエハとして形成される、シリコン、SOI、ストレインドシリコンおよび他のかかる基板材料を好ましくは含むことができる。
【0041】
本発明は以下の非限定的実施例によってさらに例証される。
【実施例】
【0042】
実施例1:TPS DiAd TFBSのPAG合成
TPS DiAd TFBS(7)を、スキーム1中に記載されるような5工程の合成によって調製した。
【化12】
【0043】
4−ブロモ−3,3,4,4−テトラフルオロブチル−2,2,5−トリメチル−1,3−ジオキサン−5−カルボキシレート(2)を、以下の方法によって調製した。300mLの無水THF中のイソプロピリデン−2,2−ビス(メトキシ)プロピオン酸(1)(60g、344.4mmol)の溶液へ、1,1’−カルボニルジイミダゾール(CDI;52.8g、325.62mmol)を、いくつかのポーションで60分の期間にわたって添加した。添加が完了した後、反応物を室温で2時間撹拌した。混合物を加熱還流し、4−ブロモ−3,3,4,4−テトラフルオロブタノール(77.1g、344.25mmol)を15分の期間にわたって添加し、反応混合物を還流して一晩撹拌した。次いで反応混合物を室温まで冷却し、THFを減圧下で除去した。生じた残留物を300mLのジクロロメタン中で溶解し、0.5NのHCl(3×100mL)により洗浄し、続いて水(5×100mL)により洗浄した。有機相を分離し、MgSOの上で乾燥し、溶媒を減圧下で除去した。これは無色油として産物2を産生し、これをさらに精製せずに次の工程で使用した。収率120.0g(92%)。H NMR(acetone−d)δ4.47(t,2H),4.19(d,2H),3.70(d,2H),2.35(m,2H),1.40(s,3H),1.32(s,3H),1.18(s,3H).19F NMR(acetone−d)δ−68.07(s,2F),−112.17(s,2F).
【0044】
4−ブロモ−3,3,4,4−テトラフルオロブチル−3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)−2−メチルプロパノアート(3)を、以下の方法によって調製した。300mLのTHF中の4−ブロモ−3,3,4,4−テトラフルオロブチル2,2,5−トリメチル−1,3−ジオキサン−5−カルボキシレート(2)(100g、0.26mol)の溶液へ、49mLの6N HClを添加した。反応混合物を室温(RT)で16時間撹拌し、後続作業により99.5%の収率(89g)で白色固形物として化合物(3)が産生された。H NMR(CDCl,300MHz):δ1.06(s,3H),2.51(m,2H),2.79(bs,2H),3.73(d,2H),2.89(d,2H),4.46(t,2H).19F NMR(CDCl,300MHz):δ−66.82(s,2F),−111.38(s,2F).
【0045】
2−((4−ブロモ−3,3,4,4−テトラフルオロブトキシ)カルボニル)−2−メチルプロパン−1,3−ジイルジアダマンタンカルボキシレート(5)を以下の方法によって調製した。450mLのジクロロメタン中の4−ブロモ−3,3,4,4−テトラフルオロブチル3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)−2−メチルプロパノアート(3)(91g、0.27mol)およびアダマンチルカルボニルクロライド(4、160g、0.81mol)の氷冷溶液へ、トリエチルアミン(81g、0.8mol)を窒素下で添加した。反応混合物をRTで36時間撹拌した。次いで沈殿物を濾過によって除去し、濾液を1NのHCl(200mL)、水(2×200mL)により洗浄し、MgSO上で乾燥し、溶媒を回転蒸発によって除去した。生じた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、70%の収率(124g)で純粋な産物(5)が産生された。H NMR(CDCl,300MHz):δ1.26(s,3H),1.71(bs,12H),1.85(bs,12H),1.99(bs,6H),2.50(m,2H),4.20(s,4H),4.42(t,2H).19F NMR(CDCl,300MHz):δ−66.82(s,2F),−11.46(s,2F).
【0046】
ナトリウム4−(3−(アダマンタンカルボニルオキシ)−2−(アダマンタンカルボニルオキシメチル)−2−メチルプロパノイルオキシ)−1,1,2,2−テトラフルオロブタン−1−スルホネート(6)を以下の方法によって調製した。アセトニトリル(350mL)中の化合物(4)(95g、0.143mol)の溶液へ、350mLの脱イオン水中で溶解した亜ジチオン酸ナトリウム(50g、0.287mol)および重炭酸ナトリウム(36g、0.428mol)を添加した。反応混合物を70℃まで加熱し、窒素下で16時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、アセトニトリル層を分離した。アセトニトリル溶液へ、100mLの水および過酸化水素(水中で30%w/w(32g、2当量))を添加した。反応混合物を周囲温度で16時間撹拌した。混合物をNaClで飽和させ、有機相を分離した。アセトニトリルを減圧下で除去して、98%の収率(96.32g)で粗製産物6が産生された。19F NMR(acetone−d,300MHz):δ−112.56(s,2F),−119.72(s,2F).
【0047】
TPS DiAd TFBS(7)を以下の方法によって調製した。化合物6(65g、0.094mol)およびトリフェニルスルホニウムブロミド(34g、0.099mol)を、500mLのジクロロメタンおよび500mLの脱イオン水中で溶解し、反応混合物を窒素下の室温で16時間撹拌した。反応を停止し、有機層を分離し、200mLの体積のMillipore脱イオン水により5回洗浄した。ジクロロメタンを有機相から減圧下で完全に除去して、粘着性固形物として産物が提供された。メチルt−ブチルエーテル中での粗製産物の沈殿および後続の乾燥により、TPS DiAd−TFBS(7)が産生され、46%の収率(40g)であった。H NMR(CDCl,300MHz):δ1.19(d,3H),1.68(bs,12H),1.84(bs,12H),1.99(bs,6H),2.78(t,2H),4.18(s,4H),4.42(t,2H),7.74(m,15H).19F NMR(CDCl,300MHz):δ−112.45(s,2F),−118.46(s,2F).
【0048】
実施例2:TPS DiAdOH−DFESのPAG合成
TPS DiAdOH−DFES(13)を、スキーム2中で記載されるような5工程の合成によって調製した。
【化13】
【0049】
2−ブロモ−2,2−ジフルオロエチル2,2,5−トリメチル−1,3−ジオキサン−5−カルボキシレート(8)を、以下の方法によって調製した。300mLの無水THF中のイソプロピリデン−2,2−ビス(メトキシ)プロピオン酸(1)(50g、292.2mmol)の溶液へ、CDI(44.2g、272.58mmol)を、いくつかのポーションで60分の期間にわたって添加した。添加が完了した後、反応物を室温で2時間撹拌した。混合物を加熱還流し、次いで2−ブロモ−2,2−ジフルオロエタノール(46.0g、285.8mmol)を15分の期間にわたって添加した。反応混合物を還流で一晩撹拌し、続いて室温まで冷却し、THFを減圧下で除去した。生じた残留物を300mLのジクロロメタン中で溶解し、0.5NのHCl(3×100mL)により洗浄し、続いて水(5×100mL)により洗浄した。有機相を分離し、MgSOの上で乾燥し、溶媒を減圧下で除去して産物8を産生し、これをさらに精製せずに次の工程で使用した。収率78.0g(86%)。19F NMR(acetone−d)δ−57.1(s,2F).
【0050】
2−ブロモ−2,2−ジフルオロエチル3−ヒドロキシ−2−(ヒドロキシメチル)−2−メチルプロパノアート(9):300mLのTHF中の産物8(78g、245.0mmol)の溶液へ、40mLの6N HClを添加した。反応混合物をRTで16時間撹拌した。反応混合物を固体の重炭酸ナトリウムの中に徐々に注ぎ、気体が発生した。NaClを添加し、透明なTHF溶液を分離し、MgSOの上で乾燥し、蒸発させて、62%の収率(48.8g)で白色固形物として化合物(3)を得た。
【0051】
DiAdOH−DFEBr(11)を以下の方法によって調製した。300mLの無水トルエン中の3−ヒドロキシアダマンタンカルボン酸(10、53.6g、270.6mmol)の懸濁物へ、CDI(41.0g、252.8mmol)を、いくつかのポーションで60分の期間にわたって添加した。添加が完了した後、反応物を室温で2時間撹拌した。混合物を100℃へ加熱し、産物9(25.0g、90.23mmol)を添加した。反応混合物を還流で2日間撹拌した。混合物を室温まで冷却し、トルエンを減圧下で完全に除去した。生じた残留物を300mLのジクロロメタン中で溶解し、0.5NのHCl(3×100mL)により洗浄し、続いて水(5×100mL)により洗浄した。有機相を分離し、MgSOの上で乾燥し、溶媒を減圧下で除去して産物8を産生し、これをさらに精製せずに次の工程で使用した。収率43.5g(75%)。
【0052】
DiAdOH−DFES(12)を以下の方法によって調製した。アセトニトリル(350mL)中の化合物11(60g、94.7mmol)の溶液へ、350mLの脱イオン水中で溶解した亜ジチオン酸ナトリウム(36.2g、207.9mmol)および重炭酸ナトリウム(23.8g、283.33mmol)を添加した。反応混合物を70℃まで加熱し、窒素下で16時間撹拌した。冷却に際して、相を分離させた。次いで水層をNaCl(複数可)により飽和させ、CHCN(100mL)により抽出した。合わせた有機相へ、脱イオン水(100mL)を添加した。迅速に撹拌した二相性溶液へ、2当量の過酸化水素(水中で30%w/w)を添加した。反応物を周囲温度で16時間撹拌した。水相を250mLの体積のアセトニトリルにより2回抽出した。アセトニトリルを減圧下で蒸発させて粗製産物12を産生し、これをさらに精製せずに次の工程で使用した。粗製産物は37g(58%)の収率であった。
【0053】
TPS DiAdOH−DFES(13)を以下の方法によって調製した。粗製化合物12(35g、0.052mol)およびトリフェニルスルホニウムブロミド(16.2g、0.047mol)を、300mLのジクロロメタンおよび300mLの脱イオン水の混合物中で溶解し、反応混合物を窒素下の室温で16時間撹拌し、その時に下部の有機層を分離し、脱イオン水(5×200mL)により洗浄した。ジクロロメタン溶液を濃縮し、大過剰量のメチルt−ブチルエーテルの中に注いで産物を沈殿させ、残留溶媒は真空乾燥によって産物から除去して、66%の収率(31g)で産物TPS DiAdOH−DFES(13)が産生された。
【0054】
実施例3:OHTPS TriAd−TFBSのPAG合成
OHTPS TriAd−TFBS(20)の合成は、スキーム3中で略述され、以下のパラグラフ中で記載されるような以下の5工程の合成によって調製された。詳細な合成プロセスを以下で提示する。
【化14】
【0055】
1,1,2,2−テトラフルオロ−4−ヒドロキシブタン−1−スルホネートナトリウム塩(15)の合成を、以下のように達成した。150mLのアセトニトリル中の4−ブロモ−3,3,4,4−テトラフルオロブタノール(14、40.0g、177.8mmol)の溶液へ、250mLの水中の亜ジチオン酸ナトリウム(60g、344.6mmol)およびナトリウム炭酸水素塩(40g、476.2mmol)の溶液を添加した。
【0056】
混合物を70℃で18時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、溶媒を減圧下で完全に除去した。残留物を300mLのアセトニトリル中で懸濁し、懸濁物を撹拌しながら加熱還流した。溶解しない塩を濾過により除き、ナトリウム1,1,2,2−テトラフルオロ−4−ヒドロキシブタン−1−スルフィナートの生じたアセトニトリル溶液へ50gの過酸化水素の30%の水溶液を添加した。混合物を室温で18時間撹拌した。50mLの二亜硫酸ナトリウム(5M)水溶液を添加して過剰量の過酸化水素を中和した。アセトニトリル溶液を分離し、溶媒を減圧下で除去して25gの粗製ナトリウム1,1,2,2−テトラフルオロ−4−ヒドロキシブタン−1−スルホネート(15)を産生し、これをさらに精製せずに次の工程で使用した。
【0057】
500mLのCHCl溶液中の2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロパン−1,3−ジオール(16、11.42g、0.084mol)へ、EtN(25.0g、0.25mol)を徐々に添加した。この溶液を40℃まで徐々に暖め、200mLのCHCl中のアダマンタン−1−カルボニルクロライド(50.0g、0.25mol)を滴下して添加した。反応混合物を40℃で3日間撹拌した。溶液を高純度水(5×150mL)により洗浄した。有機相を分離し、溶媒を真空下で除去した。生じた淡白色固形物を、溶出液として塩化メチレンを用いてシリカプラグによって精製した。17の淡白色固形物(38.0g、73%の収率)を単離し、さらに精製せずに次の工程の合成で使用した。100mLの塩化メチレン中の化合物17(6.23g、10.0mmol)の溶液へ、15mLのピリジン(過剰量)を添加し、℃まで冷却した。25mLの塩化メチレン中のビス(トリクロロメチル)カルボネート(1.0g、3.4mmol)を、この溶液へ滴下して添加した。反応混合物を一晩撹拌した。分離せずに、ナトリウム1,1,2,2−テトラフルオロ−4−ヒドロキシブタン−1−スルホネート(15、2.5g、10.0mmol)を、一度にすべて添加した。反応混合物を室温で1日間撹拌した。溶媒を除去し、200mLの塩化メチレンを添加した。この有機溶液を高純度水(5×60mL)により洗浄した。最終的な有機相を分離し、溶媒を真空下で除去し、淡黄色固形物を得た。この固形物を、塩化メチレン:アセトン(95:5)、続いて溶出液として塩化メチレン:アセトン(80:20)溶媒混合物を用いたシリカゲルプラグによってさらに精製した。産物19は、純白色固形物(3.2g、上記の2工程で36%の全収率)として得られた。
【0058】
化合物19(3.1g、3.5mmol)および(4−ヒドロキシル)フェニルジフェニル−スルホニウムヨウ化物(1.40g、3.4mmol)を、CHCl/HO(1:1)100mLの溶液中で組み合わせた。反応混合物を室温で6時間強く撹拌した。有機相を分離し、高純度水(5×25mL)により洗浄し、10mLまで濃縮した。この溶液を、1Lのヘプタンへ強く撹拌しながら徐々に添加した。白色沈殿物が直ちに形成された。固形物を回収し、別の100mLのCHClの中に再溶解した。この溶液を再び約10mLまで濃縮し、さらにもう2回上記の沈殿を反復した。結晶性固体はTPS Tri−Ad−TFBS(20)であり、2.90g(73%の収率)が得られた。
【0059】
実施例4:TPS tetraAd−TFBSのPAG合成
第二世代の樹状光酸発生剤TPS tetraAd−TFBS(24)の合成は、スキーム4中で略述され、以下のパラグラフ中で記載されるような以下の多重工程の合成によって調製された。化合物3はスキーム1について記述されたものと同じ合成に従って作製される。他の工程についての合成プロセスは以下で説明する。
【化15】
【0060】
300mLの無水THF中のイソプロピリデン−2,2−ビス(メトキシ)プロピオン酸(1)(60g、344.4mmol)の溶液へ、1,1’−カルボニルジイミダゾール(CDI;52.8g、325.62mmol)を、いくつかのポーションで添加する。添加が完了した後、反応物を室温で2時間撹拌する。混合物を加熱還流し、化合物3(55.7g、163.50mmol)を15分の期間にわたって添加し、反応混合物を還流して一晩撹拌する。反応混合物を室温まで冷却し、THFを減圧下で除去する。生じた残留物を300mLのジクロロメタン中で溶解し、0.5NのHCl(3×100mL)により洗浄する。有機相を分離し、MgSOの上で乾燥し、溶媒を減圧下で除去して産物21aを産生し、これをさらに精製せずに次の工程で使用する。600mLのTHF中の化合物21a(100g、153.0mmol)の溶液へ、100mLの6N HClを添加する。反応混合物をRTで16時間撹拌する。反応混合物を固体の重炭酸ナトリウムの中に徐々に注ぐ。塩化ナトリウムは添加し、透明なTHF溶液を分離し、MgSOの上で乾燥する。THFを減圧下の蒸発によって完全に除去して、純粋な産物21bが残される。1500mLのジクロロメタン中の化合物21b(50g、87.2mmol)およびアダマンチルカルボニルクロライド(4、104.0g、523.25mmol)の氷冷溶液へ、トリエチルアミン(52g、523.25mol)を窒素下で添加する。反応混合物をRTで48時間撹拌する。沈殿物を濾過によって除去し、濾液を1NのHCl(400mL)、水(2×400mL)により洗浄する。濾液をMgSO上で乾燥し、溶媒を回転蒸発によって除去する。生じた残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して、純粋な産物22が産生される。150mLの水中の亜ジチオン酸ナトリウム(13.88g、79.26mmol)および重炭酸ナトリウム(10g、119mmol)の水溶液を、アセトニトリル(150mL)中化合物22(50g、39.8mmol)の溶液へ窒素下で添加する。反応混合物を70℃で16時間加熱する。反応混合物を室温まで冷却し、上部のアセトニトリル層を分離する。アセトニトリル溶液へ、100mLの水および過酸化水素(水中で30%w/w(16g))を添加する。反応物を周囲温度で16時間撹拌する。混合物をNaClで飽和させ、水相と有機相を分離した。アセトニトリルを減圧下で除去して、粗製産物23が産生される。大過剰量のメチルt−ブチルエーテル中で23の濃縮アセトン溶液を沈殿させることにより、純粋な形態での化合物23が産生される。化合物23(30g、23.48mmol)およびトリフェニルスルホニウムブロミド(8.0g、23.48mmol)を、100mLのジクロロメタンおよび100mLの脱イオン水中で溶解し、反応混合物を室温で16時間撹拌する。有機相を分離し、脱イオン水により過度に洗浄する。ジクロロメタンを有機相から減圧下で完全に除去して、TPS tetraAd−TFBS(24)として粗製産物が提供される。ヘプタン/メチルt−ブチルエーテルの混合物による粗製24の処理により、純粋な標的材料(24)が産生される。
【0061】
酸拡散距離評価
様々なPAGについての酸拡散距離を以下のように決定した。酸検出層の配合は、以下に示される酸切断可能ポリマー(2−アダマンチル−2−プロピルメタクリレート/α−(γ−ブチロラクトン)メタクリレート/1−ヒドロキシアダマンチル−3−メタクリレートターポリマー、30/50/20のモル比、分子量=10K g/mol)(ポリマーA1)(全配合のうちの5.981重量%)、およびクエンチャーとしてのtert−ブチル4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボキシレート(全配合のうちの0.019重量%)を、プロピレングリコールメチルエーテルアセテー卜(PGMEA)およびメチル2−ヒドロキシイソブチラート(HBM)の50/50(w/w)混合物中で、組み合わせることによって調製された。
【化16】
【0062】
これとは独立して、酸ソース層の配合は、t−ブチルアクリレート/メタクリル酸コポリマー(それぞれ70/30mol%、100mol%のモノマーに対して;0.891%w/w溶液)、ならびにPAGの実施例1および2(全配合に基づいて153.40μmol/g)を、2−メチル−1−ブタノールおよびデカンの80/20(w/w)混合物中で、組み合わせることによって調製された。酸検出層の配合および酸ソース層の溶液は各々0.2μmポリテトラフルオロエチレン(PTFE)シリンジフィルターを個別に使用して濾過した。
【0063】
基板(シリコンウエハ、200mm)をAR(商標)77反射防止コーティング(Rohm and Haas Electronic Materials、Marlborough、MA)によりコーティングし、205℃で60秒間ベークして、84nm厚の反射防止層を形成した。120nmの酸検出層の配合を反射防止層上にコーティングし、110℃で60秒間ベークした。次いで酸ソース層の配合を酸検出層上にコーティングし、90℃で60秒間ベークした。すべてのコーティングプロセスは、Tokyo Electronによって製造されたTEL ACT 8コーティングトラック上で実行した。
【0064】
次いでコーティングウエハは、193露光ツール(ASML 1100 Stepper)および輪帯照明を使用して、0.2mJ/cmの増加量で1mJ/cmの初回線量から開始して、100線量増加量(個別の線量)を超えて、オープンフレームで露光された。ウエハに、110℃で60秒間または120℃で60秒間、露光後ベーク(PEB)をした。PEB工程の間に、露光間に放出された酸ソース層中の酸は酸検出層の中に拡散し、酸検出層のポリマーの酸不安定基の脱保護を引き起こす。PEB後に、パターンを0.26N水酸化テトラメチルアンモニウム(TMAH)水溶液を使用して現像した。パターンの非露光領域と露光領域との間のフィルム厚の差異は、全フィルム損失(ΔL)である。露光領域におけるフィルム厚損失が大きいほど、酸拡散は大きい。
【0065】
PAGの拡散率(D)はFickの拡散法則によって以下に定義される(方程式1)。
D=(ΔL/2*erfc Eth/E)2/tPEB (方程式1)
式中、ΔLは露光領域と非露光領域との間の厚みの差異(本明細書においてフィルム厚損失とも称される)であり、tPEBはPEB時間であり、erfcは誤差補関数であり、Ethはフィルム厚損失が初めて観察された照射線量(mJ/cmで)であり、Eは照射線量(mJ/cmで)である。一旦拡散率が決定されたならば、次いで拡散距離(DL)を以下の方程式2を使用して計算した。
DL=2*(D*tPEB1/2 (方程式2)
【0066】
本発明に従うPAGおよび比較のPAGについての拡散距離データーは、表1中に以下で要約される。
【表1】

【化17】
【0067】
表1中で理解することができるように、酸拡散測定は、比較のPAGと比較して、本発明に従う樹状PAGから光発生される酸について有意により短い酸拡散距離を示す。本発明の樹状PAGの低拡散は、樹状PAGが改善されたリソグラフィー特性を備えた高解像のフォトレジストの生成を可能にするであろうことを示す。
【0068】
PAG可溶性評価
光酸発生剤は、NTDプロセスにおける使用が見出される様々な有機溶媒中の可溶性についておよび/またはレジスト配合溶媒として評価された。評価は、PAG/溶媒混合物の全重量に基づいて2重量%のPAGを使用し、様々な有機溶媒を使用して、実施例1のPAG(TPS DiAd−TFBS)および比較のPAG2について室温で行なわれた。結果を表2中で示す。
【表2】
【0069】
表2から理解することができるように、2つのかさ高いアダマンタン基を含む実施例1の本発明に従うPAG(TPS DiAd−TFBS)(第一世代樹状PAG)は、単一のかさ高い単位を有する比較のPAG2と比較して、試験した各溶媒中で優れた可溶性特徴を示した。
【0070】
実施例5〜8:フォトレジスト組成物
フォトレジストは表3中で示される成分および割合を使用して配合された。配合は等モルのPAGを含有する。
【表3】

【化18】
【0071】
リソグラフィー加工および評価(1)
液浸リソグラフィーは、TEL Clean Track Lithius i+コーティング装置/現像装置と連結されたASML Twinscan XT:1900iスキャナを使用して、300mmのシリコンウエハ上で実行された。シリコンウエハをAR(商標)40A反射防止剤(Rohm and Haas Electronic Materials)によりスピンコートし、215℃で60秒間ベークして、840Åの厚みを備えた第1のBARCフィルムを得た。次に第2のBARC層を、AR(商標)124 antireflectant(Rohm and Haas Electronic Materials)を使用して第1のBARCの上にコーティングし、205℃で60秒間ベークして、200Åの上部BARC層を生成した。次いでフォトレジストを、二重BARCコーティングウエハ上にコーティングし、90℃で60秒間ソフトベークして、900Åの厚みを備えたレジスト層を提供した。フォトレジストコーティングウエハは、単一露光条件下で6%弱化した位相シフトマスクを介して露光された。ポストパターンを有するマスクを介し、1.35のNA、0.97のアウターσ、0.80のインナーσおよびX−Y偏向の輪帯照明を使用する、単一露光プロセスを実行して、コンタクトホールパターンをプリントする。露光したウエハに100℃で60秒間露光後ベークを行い、次いでTEL CLEAN TRACK LITHIUS i+コーティング装置/現像装置上でn−酢酸ブチル現像液を25秒間使用して現像して、ネガティブトーンパターンを得た。50nmのコンタクトホールをプリントする最適のエネルギー(Eop)は限界寸法(CD)値のプロットによって決定され、これは60nmでのマスクCD(マスク上の不透過性ポストの直径)および90nmでのピッチCD(マスクCD+隣接するポストの間の距離)を使用して、露光エネルギーの関数としてトップダウン走査電子顕微鏡(SEM)(Hitachi CG4000 CD−SEM)上で測定された。限界寸法均一性(CDU)および露光寛容度(EL)は、トップダウン走査電子顕微鏡法によって捕捉されたイメージの加工によって決定された。CDUは240のCD値の3σとして測定された。ELは、サイジングエネルギーによって正規化された、標的直径の±10%をプリントする露光エネルギーにおける差異として決定された。
【表4】
【0072】
表4から理解することができるように、樹状PAG化合物TPS DiAd−TFBSを含有する本発明に従う実施例7のレジスト配合は、比較のフォトレジスト実施例と比較して、同等かより高いELを示した。加えて、実施例7のフォトレジストについてのCDUは、比較例のレジストと比較して、より低い(すなわち、より良好な)CDU値をもたらした。
【0073】
リソグラフィー加工および評価(2)
液浸リソグラフィーを、リソグラフィー加工および評価(1)で上記されたように、以下の変化と共に実行した。コンタクトホールポストパターン(60nm直径/112nmピッチ)を有するマスクを介し、1.35のNA、0.85のアウターσ、0.65のインナーσおよびX−Y偏向のQuad−30照明を使用する、単一露光プロセスを実行して、コンタクトホールパターンをプリントする。露光したウエハに100℃で60秒間露光後ベークを行い、次いで2−ヘプタノン現像液を25秒間使用してNTDプロセスにおいて現像して、ネガティブトーンパターンを得た。53nmのホールをプリントする最適のエネルギー(Eop)、ELおよびCDUを、リソグラフィー加工および評価(1)に関する上記の手順を使用して決定した。加えて、焦点寛容度(FL)をトップダウン走査電子顕微鏡法によって捕捉されたイメージにより決定した。焦点寛容度(FL)は、標的直径の±10%内に限界寸法がとどまる焦点の長さ範囲の測定によって決定された。レジストパターンプロファイルは、忠実度について視覚的に検査した。結果を表5中で示す。
【表5】