【実施例】
【0012】
図1から
図4を用いて本発明の実施例に係る超音波検査装置について説明する。
図1に示すように、本実施例に係る超音波検査装置は、送信センサ11及び受信センサ12を有するセンサ部10と、光信号を電気信号に変換する光学処理部20と、光学処理部20から入力される電気信号に基づき開口合成処理(画像処理)を行って被測定対象物50(
図2参照)を画像化する可視化部(例えば、モニタ等)30とを備えている。
なお、光学処理部20、可視化部30の構成は既知のものと同様であり、ここでの詳細な説明は省略する。
【0013】
図1及び
図2に示すように、本実施例において送信センサ11は、筒状の筐体13の内部に複数(例えば、9個)設けられ、後述するバックアッププレート14に形成された送信センサ用貫通孔に、相互に一定間隔で離間するように二次元的かつ間欠的に配設され固定されている。この送信センサ11は例えば圧電素子からなり、被測定対象物50に対して超音波を出射する。
なお、
図2中の符号40は媒質(例えば、液体ナトリウム等)である。
【0014】
また、受信センサ12は多数(例えば、約2500個)の貫通孔(以下、受信センサ用貫通孔という)14cを有して前記筺体13の開口部を覆うバックアッププレート14と、当該バックアッププレート14の表面及び貫通孔14cを覆うダイヤフラム(金属膜体)16とを備えている。バックアッププレート14は、無垢の金属材(例えば、ニッケル。以下、無垢材という)からなり、受信センサ用貫通孔14cは各送信センサ11の周囲に相互に一定間隔で離間するように二次元的にそれぞれ複数配列されている。また、ダイヤフラム16は例えばニッケルを材料とする金属箔により形成されており、
図3に破線で示すように、ダイヤフラム16の受信センサ用貫通孔14cを覆う部分が、送信センサ11から出射された超音波61の、被測定対象物50によって反射された反射波62により振動するように構成されている。なお、当該ダイヤフラム16の送信センサ11に対向する部分は開口しており、これにより、送信センサ11の送信面は露出した状態となっている。
【0015】
また、
図3及び
図4に示すように、バックアッププレート14の受信センサ用貫通孔14cには、それぞれ光ファイバ15がダイヤフラム16とは非接触に固定されており、光ファイバ15の先端がダイヤフラム16によって非接触に覆われた状態となっている。より具体的には、
図4に示すように光ファイバ15はその先端がバックアッププレート14のダイヤフラム16側の面より内側(ダイヤフラム16とは反対側)に位置付けられるようにフェルール17を介してバックアッププレート14に固定されている。そして、
図3に示すように光ファイバ15を介してダイヤフラム16に対しレーザ光(以下、検査用レーザ光という)63が照射され、また、検査用レーザ光63のダイヤフラム16によって反射された反射レーザ光64が光ファイバ15に入射されるようになっている。すなわち、本実施例では、ダイヤフラム16の振動を反射レーザ光64の検査用レーザ光63に対する変調として捉え、これを受信信号(パルス)として受信するように構成されている。
【0016】
さらに、本実施例に係る超音波検査装置では、バックアッププレート14とダイヤフラム16との間に、伝搬防止板18が設けられている。伝搬防止板18は、耐熱性を有しかつ超音波を反射する材質、より具体的には、ダイヤフラム16とは異なる音響インピーダンスであって、ダイヤフラム16を伝搬した超音波の大部分をダイヤフラム16と当該伝搬防止板18との境界面で反射させることができる大きさの音響インピーダンスを有する材質(例えば、フッ素ゴム)からなる。
【0017】
なお、
図3及び
図4では、光ファイバ15とダイヤフラム16との関係を分かり易くするため、光ファイバ15とダイヤフラム16との間の距離を誇張して示している。また、
図3及び
図4に示す伝搬防止板18の厚さは一例であって、必要に応じて適宜変更可能であることは言うまでもない。
【0018】
以下、
図3及び
図4を用いて本実施例に係る超音波検査装置による作用効果を説明する。
図3に示すように、送信センサ11(
図1,2参照)から出射された超音波61は、被測定対象物50によって反射され、反射波62としてセンサ部10(
図1,2参照)に戻ってくる。一方、光ファイバ15から照射された検査用レーザ光63は、光ファイバ15の先端がダイヤフラム16によって覆われているため、上述したようにダイヤフラム16によって反射され、反射レーザ光(受信信号)64として光ファイバ15に入射する。
【0019】
ここで、送信センサ11から出射され被測定対象物50によって反射された反射波62がダイヤフラム16に到達すると、ダイヤフラム16は
図3に破線で示すように振動し、これによりダイヤフラム16によって反射された反射レーザ光64が検査用レーザ光63に比較して変調される。
【0020】
本実施例では、この各受信センサ12によって得られた検査用レーザ光63と反射レーザ光64との間の光の変調を光学処理部20において電気信号に変換し、可視化部30によって開口合成処理することにより、被測定対象物50の形状を画像化する。
【0021】
そしてこのとき、本実施例に係る超音波検査装置では、バックアッププレート14とダイヤフラム16との間に超音波を反射する伝搬防止板18を設けたことにより、被測定対象物50によって反射されダイヤフラム16を伝搬した反射波62は、音響インピーダンスの違いにより伝搬防止板18によって大部分が反射される(
図4の矢印参照)。
【0022】
図5に、本実施例に係る超音波検査装置による受信超音波波形と従来の超音波検査装置による受信超音波波形とを比較した結果を示す。
図5(a)に示すように、本実施例に係る超音波検査装置によれば、バックアッププレート14とダイヤフラム16との間に伝搬防止板18を設けたことにより、反射波62は、伝搬防止板18によって反射され、従来のように反射波62の一部がバックアッププレート14の内部を伝搬して受信点に到達することによりノイズを発生することが抑制されるため、受信信号にノイズが重畳することがなく、概ね超音波受信面での受信信号のみを計測することができた。一方、
図5(b)に示すように、従来の構造では、超音波受信面での受信信号以外に、バックアッププレート14等の構造内を経由した波がノイズとして含まれていることが分かる。
【0023】
このように、本実施例に係る超音波検査装置によれば、被測定対象物50によって反射された反射波62を伝搬防止板18によって反射させて反射波62がバックアッププレート14の内部に入射し、バックアッププレート14内部でさらに反射されてダイヤフラム16に到達することにより受信信号(パルス)にノイズが重畳するということがなくなり、相対的に受信信号の信号強度を向上させることが可能となって、可視化された画像の視認性を向上させることができる。また、有効受信点数を低減しても可視化された画像について従来の超音波検査装置と同等の視認性を確保することができるため、受信センサ数の低減による製作コストの削減が可能となる。
【0024】
なお、上述した実施例においては、センサ部10の構成として、送信センサ11と受信センサ12とを一体的に備えた例を示したが、送信センサ11と受信センサ12とは一体的に設けられる必要はなく、超音波を出射する送信センサと、被測定対象物により反射された反射波を受信する受信センサとを備える装置であれば適用することが可能であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であることは言うまでもない。これは以下に示す実施例においても同様である。
【0025】
また、上述した実施例においては、複数の送信センサ11を二次元的に配置するとともに、この送信センサ11の周囲に受信センサ用貫通孔14cを二次元的に配置する例を示したが、送信センサ11は一つであってもよく、また、送信センサ11及び受信センサ用貫通孔14cの配置は一次元的であってもよく、必要に応じて配置すればよい。
【0026】
また、上述した実施例においては、ダイヤフラム16の振動を検知する手段として光ファイバ15を介して伝送されるレーザ光を利用する例を示したが、ダイヤフラム16の振動を検知する手段としては、例えば振動子等、他の手段を用いることができる。
また、上述した実施例においては、伝搬防止板18の材質としてフッ素ゴムを挙げたが、耐熱性を有し、バックアッププレート14及びダイヤフラム16との境界で超音波を反射できる大きさの音響インピーダンスを有する材質であれば、他の材質を用いても構わない。