(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
本実施形態では、相続手続きを実施する相続人(以下、利用者と称する)に対して、金融機関よりインターネット上に相続手続き案内を提供する態様について説明する。ここでインターネット上とは、パブリックなWebサイトにクライアント端末(パーソナルコンピュータ、タブレット、スマートフォンなど)から操作する行為や、クライアント端末で実行される専用ダウンロードアプリケーションを用いた操作を含む。
【0011】
また本実施形態では、相続人の相続パターン、および、法定相続関係に基づき適切な案内を提供する態様について説明する。実施形態のシステムは、個別の相続パターンに応じた手続き案内、取得すべき公的書類の案内、相続手続き書類の記入方法などを案内する。
【0012】
実施形態では、以下の各機能を提供する。
・相続手続きナビゲーション
一問一答の対話形式のインターフェイスにより、ヒアリング形式でデータを取得することで、相続パターンを決定する。これにより、初めて相続を実施する利用者でも手続きの流れを理解しつつ、必要事項を入力することが可能である。またシステムは、入力された事項に基づき、いずれの案内を行うか、または行わないかを判定し、判定結果に従い案内画面をクライアント端末に表示する。
・相続シミュレーション
法定相続関係図を入力することで、法定相続人を決定するユーザインターフェイスを提供する。また法定相続関係図や入力された属性値に基づき、各相続人の法定相続分と相続税の簡易税額を計算する。法定相続関係図は、相続に関連する親類縁者の関係を示す図であり、相続人関係図、相続説明関係図などとも称される。
【0013】
以下、図面を参照しつつ本実施形態の態様を説明する。
【0014】
図1は、実施形態の相続相談システムを示す図である。相続相談システム1は、サーバ装置100、クライアント端末200を有し、これらがネットワーク600により互いにデータ送受信を行うように接続されている。クライアント端末200が複数となる構成でもよく、負荷分散や機能分散の観点でサーバ装置100が複数となる構成でもよい。また相続相談システム1は、
図1に示す音声合成サーバ300、音声認識サーバ400を含めた構成であってもよい。
【0015】
クライアント端末200は、例えばパーソナルコンピュータ、タブレット、スマートフォンであり、演算処理装置であるプロセッサ201、主記憶装置であるメモリ202、HDD(ハードディスクドライブ)やフラッシュメモリ等の補助記憶装置203を有する。補助記憶装置203には、アプリケーション211が事前に導入されている。プロセッサ201がアプリケーション211をメモリ202にロードし、演算実行することで、以降に説明する各機能を実現する。尚、アプリケーション211は、サーバ装置100との通信機能を有する、以下に説明する動作を行う専用アプリケーションとするが、Webブラウザを用いたWebベースでの実装でも構わない。
【0016】
またクライアント端末200は、フラット型の液晶画面にタッチパネルが積層配置されたタッチパネルディスプレイ204を有し、外部とのデータ通信を制御する通信デバイス206を有する。通信デバイス206の通信手段は、有線、無線のいずれでも構わない。クライアント端末200は、マイク207、スピーカ208を有する。マイク207は、外部の音声を集音する。集音した音声はデジタルデータに変換されてメモリ202などに記憶される。スピーカ208は、デジタルデータからアナログ変換された音声を外部に出力する。これら各ユニットはデータバス251を介して互いにコマンド送受信、データ送受信を行っている。
【0017】
サーバ装置100は、従前のハードウェア構成を有するコンピュータであり、プロセッサ101、メモリ102、補助記憶装置103、通信デバイス106を少なくとも有する。また、サーバ装置100は、サーバ装置100自体の保守運用を行うために用いられる入力デバイス104(キーボード、マウスなど)、出力デバイス105(ディスプレイなど)を有する。これら各ユニットはデータバス151を介して互いにコマンド送受信、データ送受信を行っている。
【0018】
補助記憶装置103には、アプリケーション111が事前に導入されている。プロセッサ101がアプリケーション111をメモリ102にロードし、演算実行することで、以降に説明する各機能を実現する。尚、アプリケーション111は、クライアント端末200などからの要求に対して応答する独自アプリケーションとするが、Webサーバソフトウェアを用いたWebベースの実装でもよい。この場合、アプリケーション111は、例えばCGI(Common Gateway Interface)の仕組みで動作するサーバサイドプログラム群や、クライアント端末200で動作するクライアントサイドプログラムを含む。
【0019】
通信デバイス106と通信デバイス206とがネットワーク600を介して互いにデータの送受信を行う。ネットワーク600は、本実施形態ではインターネット網とする。すなわち、互いの装置をIP(インターネットプロトコル)で識別し、独自のアプリケーションプロトコルもしくは既存のアプリケーションプロトコルでデータ送受信を行う。尚、Webベースの場合、サーバ装置100とクライアント端末200とはHTTP/HTTPsの各プロトコルを用いてデータの送受信を行う。
【0020】
音声合成サーバ300は、テキストを音声(オーディオファイル)に変換するサーバ(コンピュータ)である。音声認識サーバ400は、音声(オーディオファイル)をテキスト化するサーバ(コンピュータ)である。音声合成サーバ300、音声認識サーバ400は、Webベースで各データを提供する実装でもよい。音声合成サーバ300、音声認識サーバ400の具体的な仕様やフォーマットは既存のサービス仕様による。
【0021】
尚、Webベースとする場合、既に金融機関で相続手続きの案内をホームページで提供している場合はこの金融機関のホームページ(案内ページや起動メニューなど)に、本システムを利用するためのURLリンクを埋め込む実装でもよい。
【0022】
次に、実施形態の相続手続きナビゲーションについて説明する。相続手続きは、相続人の状況により必要な手続きや公的書類が異なる。相続手続きナビゲーションは、一問一答の対話形式で利用者から状況を入手し、相続パターン分けして必要な情報を厳選する。これにより、必要な公的書類を案内し、逆に不要な書類は案内しないことで利用者の負担を低減させる。
【0023】
図2は、相続手続きナビゲーションを実行したときのクライアント端末200に表示される画面例である。
図2に示すように、仮想相談員P1の問いかけに応じて、利用者がB2などのボタンを押下することで対話を進める。仮想相談員P1の問いかけは、音声による再生でも行うことができる。対話は、まずは対話Aからスタートして対話B、対話Cへと進行する。すなわち、最新の対話が上部に表示される。B2のボタン操作以外にも、入力フィールドF1に直接文字列を入力したり、「話す」と表示されたボタンB1を押下することで、音声による入力を行ったりすることが可能となる。利用者の回答は、対話ごとにフィールドAns1に表示され、どのような回答をしたのかを後で確認することができる。また、画面左領域R1には、過去の相談内容の履歴を表示する。この履歴データは、本実施形態では補助記憶装置203に記憶され、クライアント端末200ごとに管理、記憶されるものとするが、サーバ装置100で一元管理、記憶してもよい。
【0024】
なお、音声による対話の場合、次のような動作で行われる。音声合成サーバ300、音声認識サーバ400の動作は、既存技術に従い行われる。
1.クライアント端末200において、利用者が発した音声を、マイク207が集音し、デジタル変換後の音声データを音声認識サーバ400に送信する。音声認識サーバ400は、受信した音声データをテキストデータに変換する。このテキストデータをここでは第1テキストデータとする。第1テキストデータは、例えば利用者が仮想相談員P1の問いかけに対する回答データであってもよく、また利用者が質問したデータであってもよい。
2.音声認識サーバ400は、第1テキストデータをサーバ装置100に送信する。サーバ装置100は、第1テキストデータに応じて次の質問テキストデータ、もしくは利用者が質問した事項への回答テキストデータを導き出す。ここで導出されるテキストデータを、ここでは第2キストデータとする。サーバ装置100の補助記憶装置103には、入力される第1テキストデータごとに出力する第2テキストデータが紐付くように記憶されている。
3.サーバ装置100は、第1テキストデータに紐付く、あらかじめ登録しておいた仮想相談員の動きや、表示を変更する画像を補助記憶装置103から取得してクライアント端末200に送信する。また第2テキストデータを音声合成サーバ300に送信する。
4.音声合成サーバ300は、第2テキストデータを受信して音声データに変換し、この音声データをクライアント端末200に送信する。
5.クライアント端末200は、得られた画像を画面上に反映し、音声データを再生して読み上げる。
【0025】
尚、ボタン操作による対話の場合、クライアント端末200とサーバ装置100との間での動作、すなわち、従前のクライアント−サーバ構成の動作となる。
【0026】
次に、相続手続きナビゲーション実行時の対話フローの一例を
図3〜
図8に示す。
図3〜
図8に例示する対話を利用者とシステムとの間で行うことで、
図9以降に例示する案内画面で、いずれの案内を表示するか、もしくは表示しないかが決まる。すなわち、案内するか否かの表示制御を行うパターン(相続パターン)を、対話により決定する。相続パターンは、例えば以下のように分類される。
パターンA・・・遺産分割協議書が無く、遺言書もない。
パターンB・・・遺産分割協議書がある。
パターンC・・・遺言書があり、遺言執行者がいる。
パターンD・・・遺言書があり、遺言執行者がいない。
パターンE・・・裁判所による遺産分割審判(調停・和解)がある。
【0027】
相続パターンは大まかな分類であることから、そのパターン内でさらに案内を表示する/しないを制御する必要がある。本実施形態では、さらに追加条件を
図3〜
図8に示す対話により取得し、取得した追加条件を付加することで、より詳細な表示制御を行う。以下、追加条件(Add+番号)を例示する。
Add1・・・遺言書種類が「公正証書遺言書」である。
Add2・・・遺言書種類が「公正証書遺言書」以外である。
Add3・・・遺言執行者について遺言書に記載があり、且つ、当該遺言執行者から承認を得られた。
Add4・・・遺言執行者について遺言書に記載があり、且つ、当該遺言執行者から承認を得られなかった/確認なし/連絡不能のいずれかである。
Add5・・・相続放棄をする者がいる。
Add6・・・融資、ローン、当座取引がある、またはわからない。
Add7・・・貸金庫、保護預かり取引がある、またはわからない。
Add8・・・相続シミュレーション(後述)が実施された。
Add9・・・遺産分割協議書がある。
Add10・・・信託投資がある、またはわからない。
【0028】
ここで、対話フローの進め方(動作例)について説明する。最初に、クライアント端末200のプロセッサ201は、アプリケーション211のコードに従い通信デバイス206を動作させて、対話開始を示す電文をサーバ装置100に送信する。サーバ装置100のプロセッサ101は、アプリケーション111のコードに従い、通信デバイス106で対話開始を示す電文を受信する。プロセッサ101は、当該電文に対応したテキストデータ(上記の第2テキストデータに相当、ここでは質問テキストデータと称する)、および回答用ボタン上に表示するテキストデータ、および必要な画像データなどを補助記憶装置103から取得して、通信デバイス106を介してクライアント端末200にこれらを送信する。
【0029】
クライアント端末200が通信デバイス206を介して各テキストデータを受信すると、プロセッサ201は、タッチパネルディスプレイ204を制御して受信した質問テキストデータを対話内に配置し、回答ボタン用のテキストデータを該当ボタン上に配置して表示する。この動作により、
図3に示す対話1が表示される。
【0030】
対話1で、利用者が「相続手続き案内を開始する」のボタンを押下した場合、プロセッサ201は、通信デバイス206を制御して当該テキストデータまたはこのテキストデータに対応した識別情報(これらが上記の第1テキストデータに相当する)をサーバ装置101に送信する。サーバ装置100のプロセッサ101は、テキストデータまたは識別情報を受信すると、受信データに応じた質問テキストデータなどを補助記憶装置103から取得してクライアント端末200に送信する。クライアント端末200は、受信した質問テキストデータなどをタッチパネルディスプレイ204に表示して対話2に進む。
【0031】
以下同様に、対話2で「はい」の場合は対話4へ進み、「いいえ」もしくは「わからない」の場合は対話3へ進む。以降の対話も同様の動作である。このように、本実施形態では、受け付けられた回答に応じて、次の問い合わせの内容を変化させる。
【0032】
対話が進むことで、相続パターン、追加条件が確定していく。クライアント端末200は、確定した相続パターン、追加条件を補助記憶装置203やメモリ202に記憶する。以下、相続パターン、追加条件が確定する対話を中心に、
図3〜
図8について説明する。尚、
図3〜
図8内に示す「パターンA〜E」、「Add+番号」は、そのボタンが押下された場合に確定するパターン、追加条件を示している。
【0033】
図4は、
図3に示す対話4(遺言書の有無の問い合わせ)で「はい」が選択された場合、すなわち遺言書がある場合の対話フローである。
図4の対話6(遺言書の種別の問い合わせ)に対し、「公正証書遺言書」が選択される場合、Add1が確定してAdd1のフラグ値がオンとなる。一方、「自筆証書遺言書」、「分からない」が選択される場合、Add2が確定してフラグ値がオンになる。また、対話10(遺言執行者の指定についての問い合わせ)に対し、「いいえ」、「分からない」が選択される場合、パターンDが確定する。対話10で「はい」が選択されると、
図5の対話15へ進む。
図4の対話13もしくは対話14が表示されると、
図5の対話20に進む。
【0034】
図5において、対話15(遺言執行者へ承諾確認したかの問い合わせ)に対し「いいえ」、「分からない」、「連絡不能」が選択された場合、Add4およびパターンDが確定する。また、対話18(遺言執行者が承諾したかの問い合わせ)に対し、「はい」が選択されると、追加条件Add3が確定し、またパターンCが確定する。一方、対話18の質問に対して「いいえ」、「分からない」が選択されると、追加条件Add4が確定し、またパターンDが確定する。
【0035】
図5の対話20や対話21が行われた後に
図6のフローへ進む。
図6において、対話22(相続放棄者の確認の問い合わせ)に対し「います」が選択されると、Add5が確定する。また、対話25(融資、ローン、当座取引の有無の問い合わせ)に対し、「はい」「分からない」が選択されると、Add6が確定し、対話26(投資信託の契約有無の問い合わせ)に対し「はい」「分からない」が選択されると、Add10が確定する。対話27(保護預り債券の契約有無の問い合わせ)、および対話28(貸金庫、保護預り取引の契約有無の問い合わせ)に対し「はい」「分からない」が選択されると、Add7が確定する。
【0036】
図6に示す分岐Aにおいて、対話25〜28で全て「いいえ」、もしくは「分からない」との回答である場合、分岐Bへ進み、そうでない場合は対話29の表示となって
図7の対話31へと進む。分岐Bにおいて、対話25〜28のいずれか1つでも「分からない」と回答されている場合、対話30の表示となって
図7の対話31へと進む。そうでない場合は
図7の対話31へと進む。
【0037】
相続手続きナビゲーションの対話フローは、
図7の対話34で終了となる。対話34で「相続シミュレーションへ」ボタンが押下されると、Add8が確定し、相続シミュレーション(後述)が実行される。また、「お手続き案内へ」のボタンBが押下されると、
図9以降に示す手続き案内画面へと切り替わる。
【0038】
図8は、
図3の対話4(遺言書の有無の問い合わせ)で「いいえ」、「分からない」が選択された場合、すなわち、遺言書が無い場合の対話フローである。対話41(調停、審判の有無の問い合わせ)に対し「はい」が選択されると、パターンEが確定する。また対話44(遺産分割協議書の有無の問い合わせ)に対し「しています」が選択される場合はパターンBおよびAdd9の追加条件が確定し、「する予定」、「しません」、「分からい」が選択されるとパターンAが確定する。
図8に示す分岐Cは、対話40、41で1つでも「分からない」となる場合、対話42へと進み、そうでない場合は対話43へと進む。尚、対話42、対話43、対話44の後に
図7のフローへと遷移する。
【0039】
クライアント端末200は、
図7の対話34に示される「お手続き案内へ」のボタンBが押下されると、メモリ202もしくは補助記憶装置203に記憶されている相続パターン、追加条件を、通信デバイス206を介してサーバ装置100へ送信する。サーバ装置100は、相続パターン、追加条件の各データを受信し、
図9などに示す案内用の画面を作成してクライアント端末200に送信する。サーバ装置100は、受信した相続パターン、追加条件の各データに従い、案内する/案内しない項目を選定する。
【0040】
図9〜
図13は、サーバ装置100が作成する案内画面の一例である。この案内画面は、クライアント端末200のタッチパネルディスプレイ204に表示される。尚、
図9〜
図13はテキストの一部を省略している。本例では、サーバ装置100は、相続パターン、追加条件に従い、破線枠で囲まれた案内1〜案内25を画面イメージに含めるように、もしくは含めないように作成する。または、サーバ装置100は、クライアント端末200側で、表示もしくは非表示と制御することが可能なように画面イメージを作成する。各案内が表示される(含まれる)条件については、各図の網掛け領域内で示されている。例えば
図9に示す案内1の場合、相続パターンがAまたはBに該当する場合に表示される。また案内1は、相続パターンがCまたはDに該当し、且つAdd2が確定していると表示される。パターンEである場合など、これらの条件以外である場合には、案内1は表示されない。本実施形態では、案内1内の「戸籍謄本(全部事項証明書)」のボタンが押下されると、クライアント端末200は、サーバ装置100に問い合わせて戸籍謄本の書式および記入のサンプルを取得してタッチパネルディスプレイ204に表示する。
【0041】
他の例を示すと、案内2は、相続パターンがC、Dのいずれかであり、且つAdd1が確定していると表示され、そうでない場合は表示されない。案内3は、相続パターンがA、B、C、Dのいずれかであり、且つAdd4が確定していると表示され、そうでない場合は表示されない。通常の案内は、このように相続パターンと追加条件の組み合わせで表示/非表示の制御となるが、相続パターンのみ、追加条件のみで表示/非表示の制御となる例もある。例えば
図10に示す案内10はパターンEであれば追加条件は考慮されずに表示され、案内12は、追加条件のAdd5が確定している場合、いずれの相続パターンであっても表示される。
【0042】
また、同種の案内でも、相続パターンに応じて内容を異ならせることも可能である。例えば
図11、
図12に示す案内17〜案内20は、貸金庫、保護預りの取引を有する相続人へ向けた案内となっているが、相続パターンに応じて出力テキストが異なる。このように、本実施形態では、相続人の状況に応じて、きめ細かい案内を行うことが可能となる。
【0043】
本実施形態の相続手続きナビゲーションにより、一問一答の対話形式のインターフェイスを提供することで、ヒアリング形式で利用者から現状の状況を聴取する。これにより、利用者の相続パターンや追加条件を決定して、相続パターンや追加条件に従い、より適した相続案内を行う。このような実装により、初めて相続を実施する相続人でも手続きの流れを理解しつつ、より的確に必要事項を収集し、案内を行うことが可能となる。
【0044】
また、対話の途中で、例えば用語の説明など相続に関する個別の質問についても説明を行う機能を有してもよい。この場合、
図2に示す入力フィールドF1に用語の文字列を直接入力したり、「話す」と表示されたボタンB1を押下することで、音声による用語の入力を行ったりすることが可能となる。この場合、サーバ装置100の補助記憶装置103には、用語と当該用語に対する説明テキストデータとを対応付けて事前に記憶しておき、必要に応じて音声合成サーバ300、音声認識サーバ400の各機能と連携して行う。
【0045】
図7の対話34内に示す「相続シミュレーションへ」ボタン、もしくは
図9の案内4内に示す「法定相続シミュレーションへ」のボタンが押下されると、クライアント端末200は、相続シミュレーションを起動する。相続人シミュレーションは、法定相続関係図を作成して、相続税の簡易税額を計算する機能である。
【0046】
図14は、法定相続関係図の入力画面の一例を示す図である。このユーザインターフェイスを用いて、利用者は相続人の構成を入力し、法定相続人を決定する。利用者が「配偶者」、「実父」、「子−1」などの親類縁者ボタンをタッチ選択すると、クライアント端末200のタッチパネルディスプレイ204は、当該相続人の属性を入力するためのダイアログW1を表示する。
図14は、配偶者が選択された場合を例示している。
【0047】
属性情報として、相続人の氏名、続柄、補足事項、状況の各項目があり、利用者は必要に応じてこれら各値を入力する。氏名、補足はテキスト入力用のフィールドとなっている。また状況はラジオボタン式の入力となり、該当なし、相続放棄、死亡、相続欠落・排除の中から1つが選択される。続柄は、親類縁者ボタンがタッチ選択された段階で既に入力されている。この画面を用いることで、クライアント端末200は、相続順位と相続人構成を決定する。尚、親類縁者ボタンを追加する場合、利用者は「親類縁者追加」のボタンB12を押下する。これによりクライアント端末200は、追加の親類縁者を決定するためのダイアログ(不図示)を表示する。このダイアログを用いて、利用者は、親類縁者ボタンを追加することができる。
【0048】
利用者の入力が完了し、相続税シミュレーションボタンB11が押下されると、クライアント端末200は、
図15に示す相続税の演算画面を表示する。この演算画面は、
図14で示した法定相続関係図に基づき、各相続人の法定相続分と相続税の簡易税額を計算する画面である。利用者がフィールドF2に亡くなった人の純資産(相続資産)を入力し、計算ボタンB3を押下することで、クライアント端末200は、前述の法定相続人(相続順位や状況)を元に、相続額やその相続税を簡易計算する。法定相続の計算方法の説明は、法令などに準ずるため、省略する。
【0049】
図16は、実施形態の相続手続きナビゲーション実行時の動作例を示す図である。
図16のフローチャートは、クライアント端末200によって実行されるものとし、必要に応じてサーバ装置100に問い合わせをする実装であるものとするが、態様はこれに限定されない。また、本例ではタッチパネルディスプレイ204によるボタン操作が行われるものとして説明するが、音声対話やフィールドF1への文字列入力でも可能とする。
【0050】
ステップS001〜S004は、
図3〜
図8を用いて説明した対話動作である。クライアント端末200のプロセッサ201は、サーバ装置100から質問テキストデータを受信してタッチパネルディスプレイ204に初期対話(
図3の対話1)を表示し(S001)、利用者が回答を入力するまで待機する(S002−Noのループ)。タッチパネルディスプレイ204で入力を受け付けると(S002−Yes)、プロセッサ201は、入力値をメモリ202もしくは補助記憶装置203に記憶する(S003)。
【0051】
プロセッサ201は、全ての対話が完了したかを判定する(S004)。プロセッサ201は、通信デバイス206を動作させて、S003で記憶した入力値をサーバ装置100に送信し、サーバ装置100から次の対話データが送信されたか得られたか否かを判定する。プロセッサ201は、この判定結果に従い対話完了か否かを判定する。全ての対話が完了していない場合(S004−No)、サーバ装置100から送信された次の対話を表示する(S001)。
【0052】
一方、全ての対話が完了した場合(S004−Yes)、プロセッサ201は、入力値に基づき、相続パターンおよび追加条件を決定する(S005)。この決定手法は
図3〜
図8を用いて説明した通りである。
【0053】
プロセッサ201は、タッチパネルディスプレイ204を動作させて、相続パターンおよび追加条件に従った案内画面を表示する(S006)。S006の動作例を説明する。プロセッサ201は、相続パターン値、追加条件値をサーバ装置100へ向けて送信し、サーバ装置100が案内画面を作成してその画面データ(レイアウトやテキストデータ等のコンテンツデータ)をクライアント端末200に返信する。プロセッサ201は、この画面データをタッチパネルディスプレイ204に表示する。
【0054】
プロセッサ201は、終了操作が行われるか否かを判定する(S007)。単なる閲覧である場合、ここで所定の操作が行われると(S007−Yes)、処理は終了となる。
【0055】
終了操作では無くボタン操作を受け付けた場合(S007−No、S008−Yes)、プロセッサ201は、そのボタンが相続シミュレーションボタン(
図9の「法定相続シミュレーションへ」のボタン)であるか否かを判定する(S009)。相続シミュレーションボタンである場合(S009−Yes)、プロセッサ201は、相続シミュレーションを起動して、
図14に示す法定相続関係図の入力画面を表示する(S010)。
【0056】
一方、相続シミュレーションボタンでない場合(S009−No)、プロセッサ201は、押下されたボタンに応じた手続書類の見本を表示したり、さらに詳細な案内画面を表示したりする(S011)。このとき、プロセッサ201は、通信デバイス206を介してサーバ装置100から書類の見本データや詳細案内画面データを受信し、受信データをタッチパネルディスプレイ204に表示する。
【0057】
図17は、S010の相続シミュレーションの動作例を示す図である。プロセッサ201は、法定相続関係図の入力画面(
図14参照)で、相続人が選択されたかを判定する(S101)。相続人が選択されると(S101−Yes)、選択された相続人の属性入力ダイアログを表示し(S102)、ダイアログを介して得られた属性値をメモリ202もしくは補助記憶装置203に記憶する(S103)。S103の後はS101に戻る。
【0058】
相続人の属性値入力が完了し、相続税シミュレーションボタンB11が押下された場合場合(S101−No、S104−Yes)、プロセッサ201は、各相続人の属性値をメモリ202もしくは補助記憶装置203から取得し、属性値に従い、
図15に示す相続税計算画面を表示する(S105)。計算ボタンB3が押下されると(S106−Yes)、プロセッサ201は、フィールドF2の純資産の値をもとに、相続額やその相続税を簡易計算して計算結果を表示する(S107)。この操作は、所定の終了操作が行われるまで繰り返し実行される(S108−NoからS106へのループ)。
【0059】
作成部は、サーバ装置100に相当する。また決定部、制御部は、クライアント端末200のアプリケーション211を実行することが可能な構成(主にプロセッサ201、補助記憶装置203、メモリ202の構成)に相当する。表示部、入力部は、クライアント端末200のタッチパネルディスプレイ204に相当する。尚、サーバ装置100で提供される機能を、クライアント端末200のアプリケーション211に組み込んでもよい。すなわち、クライアント端末200単独で上記動作を実行してもよい。
【0060】
上記実施形態では、利用者からの回答に応じて1つの相続パターンを決定するものとしたが、回答に合致する場合は複数の相続パターンを決定し、これら各パターンを組み合わせて案内画面を作成する態様でもよい。
【0061】
また、
図2に示す入力フィールドF1でユーザから入力されるデータは、フリーフォーマットであるため、入力文章や単語に揺らぎが生じる可能性がある。例えば「はい」、「いいえ」の回答を要求する際、肯定、否定を意味する別の表現、一例として「そうです」、「違います」と入力されるなどが発生する。同様に、
図2に示すボタンB1の押下後に音声で入力されるデータにも揺らぎがある。このような揺らぎデータに対し、処理可能な規定のデータに変換する必要があるが、このような意味解釈をサーバ装置100で処理すると高負荷となる。よって、別の態様として、別途サーバ(コンピュータ)を相続相談システム1内に設けてもよい。
【0062】
図18に例示するブロック図では、相続相談システム1に知的対話サーバ500を設けている。知的対話サーバ500は、
図2に示す入力フィールドF1で入力されるテキストデータ(ここではデータXとする)をクライアント端末200から受信する。知的対話サーバ500は、データXを、事前に定義されるテキストデータ(ここではデータAとする)に変換する。データAは、以降の処理で正しく対処可能な規定のテキストデータである。この変換には、知的対話サーバ500の内部もしくは外部に設けられているデータベースに対し、規定の式を用いて検索し、データXに対応付けられたデータAを取得することで行われる。この検索の際、既存の構文解析処理やパターンマッチング処理等の技術も合わせて用いられる。知的対話サーバ500は、データAをサーバ装置100に送信する。以降の動作は、上記と同様である。
【0063】
音声入力の場合、クライアント端末200が音声認識サーバ400に音声データを送信し、音声認識サーバ400が音声データをテキストデータに変換する。音声認識サーバ400は、変換後のテキストデータ(データX)を知的対話サーバ500に送信し、知的対話サーバ500はデータAに変換してサーバ装置100に送信する。
【0064】
このように知的対話サーバを別途設けることで、処理の負荷分散、機能分散を行うことができる。尚、知的対話サーバの上記処理を、既存のプロダクトを用いて実装することも可能である。
【0065】
上述の実施形態の各処理は、コンピュータで実行可能なプログラムとして実現することも可能であり、当該プログラムがインストールされたコンピュータは、実施形態に係る各処理を遂行する情報処理装置として動作することが可能である。例えば、補助記憶装置に当該プログラムが格納され、CPU等の制御部が補助記憶装置に格納されたプログラムを主記憶装置に読み出し、主記憶装置に読み出された該プログラムを制御部が実行し、コンピュータに実施形態に係る各処理を動作させることができる。
【0066】
また、上記プログラムは、コンピュータ読取可能な記録媒体に記録された状態で、コンピュータに適用することも可能であり、インターネット等のネットワークを通じてコンピュータにダウンロードすることも可能である。コンピュータ読取可能な記録媒体としては、CD−ROM等の光ディスク、DVD−ROM等の相変化型光ディスク、MO(Magnet Optical)やMD(Mini Disk)などの光磁気ディスク、フロッピー(登録商標)ディスクやリムーバブルハードディスクなどの磁気ディスク、コンパクトフラッシュ(登録商標)、スマートメディア、SDメモリカード、メモリスティック等のメモリカードが挙げられる。また、特別に設計されて構成された集積回路(ICチップ等)等のハードウェア装置も記録媒体として含まれる。
【0067】
以上、この実施形態で説明した態様により、相続手続きの煩雑さや負担を低減させることができる。
【0068】
なお、本発明の実施形態を説明したが、当該実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。