(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
照明される各々の前記走行路領域のうち、より中央分離帯に近い走行路領域ほど道路幅方向の広さが狭くなるようにして、各々の前記光源ユニットの水平面に対する光軸の角度と各々の前記配光制御レンズの曲面が設定されることを特徴とする請求項3又は4記載の道路用照明装置。
前記光源ユニットの前記配光制御レンズの上側に、平面視で前記配光制御レンズの上面側の全体を覆い且つ少なくとも前部が前方に向かって斜め下方に傾斜する遮光板が設けられていることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の道路用照明装置。
前記第1の光源ユニットの第1の前記配光制御レンズの上側に、平面視で前記第1の配光制御レンズの上面側の全体を覆い且つ少なくとも前部が前方に向かって斜め下方に傾斜する第1の遮光板が設けられ、
前記第2の光源ユニットの第2の前記配光制御レンズの上側に、平面視で前記第2の配光制御レンズの上面側の全体を覆い且つ少なくとも前部が前方に向かって斜め下方に傾斜する第2の遮光板が設けられていることを特徴とする請求項3〜7の何れかに記載の道路用照明装置。
前記路面照明領域の照明に寄与する出射光を出射する前記略平凸山形状の配光制御レンズの曲面全体が筐体内で露出するようにして前記光源ユニットの各々が設置されていることを特徴とする請求項1〜13の何れかに記載の道路用照明装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1の低位置照明装置では、上部の光束密度を高く、下部の光束密度が低くなるように配光制御するフレネルレンズを用いて照明の均斉化を図っているが、このようなフレネルレンズを用いて道路照明を行うと、以下のような問題を生ずる。
【0005】
即ち、道路周辺の大気中には、非常に多数の自動車の走行によって粉塵、埃、排気ガスに含まれる窒素酸化物、微粒子が多く存在するため、道路用照明装置にはある程度の防塵構造が施されているが、この防塵構造は完全密閉でなく外気が流通する程度の構造が一般的である。そのため、道路用照明装置内にも多少の微粒子等が流入するが、フレネルレンズでは、その凹凸に微粒子等が入り込んで溜まってしまい、想定している配光制御、路面への照明が阻害されやすい。
【0006】
また、道路用照明装置の内部をメンテナンスする場合にも、微粒子等が溜まってしまったフレネルレンズの凹凸は清掃しにくく、メンテナンス作業に要する労力とコストが増大する。
【0007】
また、フレネルレンズの場合、凹凸の溝の周辺で生ずる反射光や回折光によって、所望の照明領域の照明に寄与する照明光のロスが大きくなり、投入電力に対する道路照明の効率が低下するという問題もある。
【0008】
本発明は上記問題点を解消するために提案するものであって、粉塵、埃、窒素酸化物、微粒子が多く存在する道路周辺でも、均斉化された所望の路面への照明を高い安定性で行うことができると共に、メンテナンス作業に要する労力とコストの低減、道路面の照明の効率向上を図ることができる道路用照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の道路用照明装置は、発光ダイオードの投光側に前記発光ダイオードの光束を全体として略下向きに偏向させる配光制御レンズが設けられる光源ユニットが内装され、前記配光制御レンズが前記発光ダイオードの照射光を下側より上側で光束密度が高くなるように配光制御するものであり、前記光源ユニットで路面照明領域に光を照射
して低位置照明を行う道路用照明装置であって、前記配光制御レンズが、投光側に凸のなだらかな曲面を有する略平凸山形状であり、先端より上側の曲面の曲率が下側の曲面の曲率よりも小さくなるように形成されていることを特徴とする。
これによれば、先端より上側の曲面の曲率が下側の曲面の曲率よりも小さい略平凸山形状の配光制御レンズで光束密度を調整し、均斉化された道路面の
低位置照明を行うことができる。また、光源ユニットの配光制御レンズが投光側に凸のなだらかな曲面を有する略平凸山形状であることから、フレネルレンズのように凹凸に微粒子等が入り込んで配光制御を阻害することがなくなり、粉塵、埃、窒素酸化物、微粒子が多く存在する道路周辺でも、均斉化された所望の路面への照明を高い安定性で行うことができる。また、なだらかな曲面を有する略平凸山形状であることから、清掃が容易であり、メンテナンス作業に要する労力とコストの低減を図ることができると共に、微粒子等の汚れも付着しにくくすることができる。また、凹凸で生ずる照明光のロスがなくなり、例えば同一出力の発光ダイオードを用いてフレネルレンズで制御する場合に対して路面輝度を2倍程度にすることができ、道路面の照明の効率を向上することができる。
【0010】
本発明の道路用照明装置は、
光源の設置高さが路面から高さ2m以下となるように設置され、低位置から走行路領域の照明を行う低位置照明装置であり、前記光源ユニットで路面照明領域である走行路領域を所定輝度以上で照明することを特徴とする。尚、各発明における低位置照明装置は、道路の側壁或いは橋梁の高欄のような場所で、光源の設置高さが路面から高さ2m以下となるように設置され、低位置からから走行路領域の照明を行うものである。
これによれば、道路の側壁或いは橋梁の高欄のような低位置から走行路領域の照明を行う低位置照明装置により、非常に均斉度の高い走行路領域の照明を行うことができる。また、配光制御レンズが発光ダイオードの光束を全体として略下向きに偏向させることから、低位置に設置される低位置照明装置でも所要の上部や水平方向への漏れ光の発生を防止し、運転者に眩しさを感じさせないようにすることができる。また、ポール式道路照明装置では、亀裂が生じて転倒し、道路通行を塞いで大事故になる危険性があるのに対し、設置高さの低い低位置照明装置で良好な低位置照明を行うことにより、道路通行を塞ぐリスクを無くし、安全性を高めることができる。また、不要な方向への漏れ光を発生させずに必要なエリアに限定して効率的に路面照明を行うことができ、電力エネルギーの削減も図ることができる。
【0011】
本発明の道路用照明装置は、
第1の前記光源ユニットと前記第1の光源ユニットより上側に設けられる第2の前記光源ユニットを有し、前記第1の光源ユニットで路肩線寄りの路面照明領域である第1の走行路領域を所定輝度以上で照明し、前記第2の光源ユニットで中央分離帯寄りの路面照明領域である第2の走行路領域を所定輝度以上で照明し、前記第2の光源ユニットにおける水平面に対する光軸の角度、前記配光制御レンズの先端より上側の曲面の曲率、前記配光制御レンズの先端より下側の曲面の曲率が、前記第1の光源ユニットのそれらよりも小さく設定されていることを特徴とする。
これによれば、道路の側壁或いは橋梁の高欄のような低位置から走行路領域の照明を行う低位置照
明により、幅の広い道路の走行路領域を非常に高い均斉度で照明することができ、例えば走行車線と追越車線の片側二車線の走行路を有する幅の広い道路を非常に高い均斉度で照明することができる。また、配光制御レンズが発光ダイオードの光束を全体として略下向きに偏向させることから、低位置に設置される低位置照
明でも所要の上部や水平方向への漏れ光の発生を防止し、運転者に眩しさを感じさせないようにすることができる。また、ポール式道路照明装置では、亀裂が生じて転倒し、道路通行を塞いで大事故になる危険性があるのに対し、設置高さの低い低位置照
明で良好な低位置照明を行うことにより、道路通行を塞ぐリスクを無くし、安全性を高めることができる。また、不要な方向への漏れ光を発生させずに必要なエリアに限定して効率的に路面照明を行うことができ、電力エネルギーの削減も図ることができる。
【0012】
本発明の道路用照明装置は、前記第1の光源ユニットと前記第2の光源ユニットとの上下方向の間に少なくとも第3の前記光源ユニットが設けられ、前記第3の光源ユニットで前記第1の走行路領域と前記第2の走行路領域の間の路面照明領域である第3の走行路領域を所定輝度以上で照明し、前記第3の光源ユニットにおける水平面に対する光軸の角度、前記配光制御レンズの先端より上側の曲面の曲率、前記配光制御レンズの先端より下側の曲面の曲率が、前記第1の光源ユニット
のそれらと前記第2の光源ユニットのそれらとの間の中間になるように設定されることを特徴とする。
これによれば、低位置から走行路領域の照明を行う低位置照
明により、より幅の広い道路の走行路領域を非常に高い均斉度で照明することができ、例えば片側三車線の走行路を有する非常に幅の広い道路を非常に高い均斉度で照明することができる。
【0013】
本発明の道路用照明装置は、照明される各々の前記走行路領域のうち、より中央分離帯に近い走行路領域ほど道路幅方向の広さが狭くなるようにして、各々の前記光源ユニットの水平面に対する光軸の角度と各々の前記配光制御レンズの曲面が設定されることを特徴とする。
これによれば、例えば同じ出力の発光ダイオードを用い、より一層均斉度に優れる走行路領域の低位置照明を行うことができる。
【0014】
本発明の道路用照明装置は、
第1の前記光源ユニットと前記第1の光源ユニットより上側に設けられる第2の前記光源ユニットを有し、前記第1の光源ユニットで路肩線寄りの路面照明領域である第1の走行路領域を所定輝度以上で照明し、前記第2の光源ユニットで中央分離帯寄りの路面照明領域である第2の走行路領域を所定輝度以上で照明し、前記第2の光源ユニットにおける水平面に対する光軸の角度が前記第1の光源ユニットよりも小さく設定され、前記第2の光源ユニットにおける前記配光制御レンズの大きさと前記発光ダイオードの出力とが、前記第1の光源ユニットのそれらよりも大きく設定されていることを特徴とする。
これによれば、道路の側壁或いは橋梁の高欄のような低位置から走行路領域の照明を行う低位置照
明により、幅の広い道路の走行路領域を非常に高い均斉度で照明することができ、例えば走行車線と追越車線の片側二車線の走行路を有する幅の広い道路を非常に高い均斉度で照明することができる。また、配光制御レンズが発光ダイオードの光束を全体として略下向きに偏向させることから、低位置に設置される低位置照
明でも所要の上部や水平方向への漏れ光の発生を防止し、運転者に眩しさを感じさせないようにすることができる。また、ポール式道路照明装置では、亀裂が生じて転倒し、道路通行を塞いで大事故になる危険性があるのに対し、設置高さの低い低位置照
明で良好な低位置照明を行うことにより、道路通行を塞ぐリスクを無くし、安全性を高めることができる。また、不要な方向への漏れ光を発生させずに必要なエリアに限定して効率的に路面照明を行うことができ、電力エネルギーの削減も図ることができる。
【0015】
本発明の道路用照明装置は、前記第1の光源ユニットと前記第2の光源ユニットとの上下方向の間に少なくとも第3の前記光源ユニットが設けられ、前記第3の光源ユニットで前記第1の走行路領域と前記第2の走行路領域の間の路面照明領域である第3の走行路領域を所定輝度以上で照明し、前記第3の光源ユニットにおける水平面に対する光軸の角度、前記配光制御レンズの大きさ、前記発光ダイオードの出力が、前記第1の光源ユニットのそれらと前記第2の光源ユニットのそれらとの間の中間になるように設定されることを特徴とする。
これによれば、低位置から走行路領域の照明を行う低位置照
明により、より幅の広い道路の走行路領域を非常に高い均斉度で照明することができ、例えば片側三車線の走行路を有する非常に幅の広い道路を非常に高い均斉度で照明することができる。
【0016】
本発明の道路用照明装置は、前記光源ユニットの前記配光制御レンズの上側に、平面視で前記配光制御レンズの上面側の全体を覆い且つ少なくとも前部が前方に向かって斜め下方に傾斜する遮光板が設けられていることを特徴とする。
これによれば、光源ユニットの漏れ光を遮光板で遮光して、低位置照
明における所要の上部や水平方向への漏れ光の発生をより確実に防止することができ、運転者に眩しさを感じさせないようにすることができる。また、上方に向かって出射される出射光が配光制御レンズで乱反射して分光が生じ、例えば白色光の路面照明に意図しない黄色、赤色等の光が混ざって現れることを回避することができ、路面照明色の全体的な均質化を図ることができる。また、遮光板を取り付けは低コストであり、運転者のグレア防止、路面照明色の全体的な均質化を図れる低位置照明
を行う道路用照明装置を低コストで製造することが可能となる。
【0017】
本発明の道路用照明装置は、前記第1の光源ユニットの第1の前記配光制御レンズの上側に、平面視で前記第1の配光制御レンズの上面側の全体を覆い且つ少なくとも前部が前方に向かって斜め下方に傾斜する第1の遮光板が設けられ、前記第2の光源ユニットの第2の前記配光制御レンズの上側に、平面視で前記第2の配光制御レンズの上面側の全体を覆い且つ少なくとも前部が前方に向かって斜め下方に傾斜する第2の遮光板が設けられていることを特徴とする。
これによれば、第1、第2の光源ユニットの漏れ光を第1、第2の遮光板で遮光して、低位置照
明における所要の上部や水平方向への漏れ光の発生をより確実に防止することができ、運転者に眩しさを感じさせないようにすることができる。また、第2の光源ユニットの上方に向かって出射される出射光が配光制御レンズで乱反射して分光が生じたり、第1、第2の光源ユニットの出射光が第2の配光制御レンズ、第1の配光制御レンズに入射して乱反射することで分光が生じたりすることで、例えば白色光の路面照明に意図しない黄色、赤色等の光が混ざって現れることを回避することができ、路面照明色の全体的な均質化を図ることができる。また、第1、第2の遮光板を取り付けは低コストであり、運転者のグレア防止、路面照明色の全体的な均質化を図れる低位置照明
を行う道路用照明装置を低コストで製造することが可能となる。
【0018】
本発明の道路用照明装置は、前記光源ユニットの前記配光制御レンズの上面側の表面に、遮光マスクが部分的に設けられていることを特徴とする。
これによれば、光源ユニットの漏れ光を遮光マスクで遮光して、低位置照
明における所要の上部や水平方向への漏れ光の発生をより確実に防止することができ、運転者に眩しさを感じさせないようにすることができる。また、上方に向かって出射される出射光が配光制御レンズで乱反射して分光が生じ、例えば白色光の路面照明に意図しない黄色、赤色等の光が混ざって現れることを回避することができ、路面照明色の全体的な均質化を図ることができる。
【0019】
本発明の道路用照明装置は、前記光源ユニットの前方の離間する位置に透光性の保護板が設けられ、前記透光性の保護板が前方に向かって斜め上方に傾斜するようにして配置されていることを特徴とする。
これによれば、透光性の保護板で全反射する光を低減し、光源ユニットの出射光の透光性の保護板に対する光透過率を高めることが可能となり、より省エネルギーで効率的に高輝度の道路照明を行うことができる。
【0020】
本発明の道路用照明装置は、前記光源ユニットを収容する筐体の両側部の外側で立設して、道路の側壁若しくは高欄に固定可能な一対の支柱を有し、前記筐体が傾動可能に前記筐体と前記支柱が軸着されると共に、前記軸着された位置から高さ方向に離間した所定位置で前記筐体と前記支柱が弧状長孔を介して締着されることを特徴とする。
これによれば、筐体を軸着箇所を中心に傾動させ、弧状長孔が延びる方向における所要位置に調整して締着することにより、簡単な調整作業で路面照明を行う領域を柔軟に調整することができる。また、道路の側壁や高欄の高さの相違に適応して、望ましい領域への照明を常に安定して行うことができる。
【0021】
本発明の道路用照明装置は、前記光源ユニットより下側又は前記第1の光源ユニットより下側に設けられる別の前記光源ユニットを有し、前記別の光源ユニットで路面に示されている路肩線を路面照明領域として照明することを特徴とする。
これによれば、低位置照明
を行う道路用照明装置で走行路領域に加えて路肩線を照明して、運転者が路肩線をより明確に認識できるようにし、走行の安全性を高めることができる。また、基本的な構造が同じ光源ユニットを有する低位置照明
を行う道路用照明装置だけで、走行路領域の照明と路肩線の照明の双方を行うことができる。
【0022】
本発明の道路用照明装置は、路面に示されている標示線を路面照明領域として照明することを特徴とする。
これによれば、運転者が標示線をより明確に認識できるようにし、走行の安全性を高めることができる。
【0023】
本発明の道路用照明装置は、前記路面照明領域の照明に寄与する出射光を出射する前記略平凸山形状の配光制御レンズの曲面全体が筐体内で露出するようにして前記光源ユニットの各々が設置されていることを特徴とする。
これによれば、筐体内で配光制御レンズの主要部分が露出していることにより、清掃作業が極めて容易となり、メンテナンス作業に要する労力とコストを飛躍的に低減することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明の道路用照明装置によれば、粉塵、埃、窒素酸化物、微粒子が多く存在する道路周辺でも、均斉化された所望の路面への照明を高い安定性で行うことができると共に、メンテナンス作業に要する労力とコストの低減、道路面の照明の効率向上を図ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
〔第1実施形態の道路用照明装置〕
本発明による第1実施形態の道路用照明装置1は、高速道路など道路の側壁或いは橋梁の高欄に路面から例えば1〜2mの範囲内の高さに設置され、光源ユニットで路面照明領域に光を照射する低位置照明装置であり、
図1及び
図2に示すように、例えば道路の側壁101の内側の凹部や側壁101上に設けられる略直方体箱状の筐体2を有し、筐体2はアンカーボルト等の取付具で側壁101に固定される。筐体2の正面側には開口が形成され、その開口に覆うようにガラス板、アクリル板などの透光性の保護板3が取り付けられている。保護板3は透過率90%以上の透明保護板とすると好ましい。後述する筐体2に内装される光源ユニット6a、6bの照明光は、保護板3を介して外部に出射するようになっている。
【0027】
筐体2内には、光源ユニット6a、6bの設置状態を支持する支持体4が内装され、支持体4には柱部から前方に突出する載置部41が設けられている。載置部41は筐体2の長手方向に延びる長板の棚状であり、本実施形態では2段の載置部41が上下に離間して形成されている。
【0028】
載置部41上には、所定位置に略L字形で板状の取付具5が設けられており、取付具5の底部51がビス留め等で載置部41に固定され、その取付部52が所定角度で立設される。取付具5は、筐体2の長手方向、換言すれば道路の延びる方向に所定間隔毎に離間して配置されている。
【0029】
取付部52は、垂直より前傾するように設けられ、これにより、後述する光源ユニット6a、6bは、その照明光の光軸が水平より下向きに傾斜するようにして設けられる。この取付部52は、底部51に対して屈曲している角度を曲げ量を調整することで調整可能であり、取付部52の傾斜角度を調整することにより、光源ユニット6a、6bの照明光の放射角度が調整可能になっている。
【0030】
各取付具5の取付部52の前面側には、光軸が取付部52の法線になるようにして光源ユニット6a、6bが取り付けられている。光源ユニット6a、6bは、
図1〜
図3に示すように、それぞれ略有底円筒状のホルダー61と、ホルダー61の底部内面上に設けられる配線基板62と、配線基板62上に実装される発光ダイオード63a、63bと、発光ダイオード63a、63bの投光側に設けられる配光制御レンズ64a、64bを有し、ホルダー61の底部外面を取付部52の前面に沿うように配置してビス留め或いは接着等により取付部52に固定されている。
【0031】
光源ユニット6a、6bは、配線基板62に接続されてホルダー61から導出される配線7により、図示省略する筐体2内の電源部に接続されている。また、配光制御レンズ64a、64bは、
図2〜
図4に示すように、投光側に凸のなだらかな曲面を有する略平凸山形状であり、その平面側の略中央位置に発光ダイオード63a、63bが配置されるようにして設けられ、ホルダー61の側壁の先端部分で根元部分を保持されている。尚、ホルダー61の配光制御レンズ64a、64bの保持において、配光制御レンズ64a、64bの曲面のうち路面照明領域の照明に寄与する出射光を出射する曲面全体についてはホルダー61で覆わずに露出させており、照明に寄与する曲面全体は筐体2内で露出されている。
【0032】
配光制御レンズ64a、64bは、それぞれ発光ダイオード63a、63bの中心の光軸が通る先端641a、641bを有し、先端641a、641bより上側の曲面642a、642bの曲率が下側の曲面643a、643bの曲率よりも小さくなるように形成され、発光ダイオード63a、63bの照射光Lを下側より上側で光束密度が高くなるように配光制御するようになっていると共に、発光ダイオード63a、63bの光束を全体として略下向きに偏向させるように配光制御するようになっている。
【0033】
光源ユニット6a、6bにおいて、下段の載置部41上に設けられる光源ユニット6aは第1の光源ユニットに相当し、上段の載置部41上に設けられる光源ユニット6bは第1の光源ユニットより上側に設けられる第2の光源ユニットに相当する。
【0034】
そして、光源ユニット6a、6bは、
図2及び
図5に示すように、光源ユニット6bの水平面に対する光軸の角度が光源ユニット6aの水平面に対する光軸の角度よりも小さくなるように設定して設けられており、光源ユニット6bが取り付けられている取付部52は、光源ユニット6aが取り付けられている取付部52よりもより垂直に近い角度で傾斜して設けられている。
【0035】
また、光源ユニット6a、6bでは、
図2及び
図3に示すように、光源ユニット6bの配光制御レンズ64bの先端641bより上側の曲面642bの曲率が、光源ユニット6aの配光制御レンズ64aの先端641aより上側の曲面642aの曲率よりも小さくなるように設定されて形成されていると共に、光源ユニット6bの配光制御レンズ64bの先端641bより下側の曲面643bの曲率が、光源ユニット6aの配光制御レンズ64aの先端641aより下側の曲面643aの曲率よりも小さくなるように設定されて形成されている。
【0036】
これらの光源ユニット6a、6bを備える道路用照明装置1で、道路の路面102の走行路領域を路面照明領域として道路照明施設設置基準等を充足する所定輝度以上で照明する場合、
図5及び
図6に示すように、第1の光源ユニットに相当する下段の光源ユニット6aで路肩線103寄りの路面照明領域である第1の走行路領域LR1を所定輝度以上で照明し、第2の光源ユニットに相当する上段の光源ユニット6bで中央分離帯104寄りの路面照明領域である第2の走行路領域LR2を所定輝度以上で照明する。
【0037】
この際、配光制御レンズ64a、64bでは、上側の曲面642a、642bの曲率が下側の曲面643a、643bの曲率よりもそれぞれ小さく、発光ダイオード63a、63bの照射光Lを下側より上側で光束密度が高くなるように配光制御することから、第1の走行路領域LR1のうちで路肩線103により近い領域と遠い領域で路面照明の輝度の均斉化が図られ、第2の走行路領域LR2のうちで路肩線により近い領域と遠い領域で路面照明の輝度の均斉化が図られる。
【0038】
更に、第2の光源ユニットに相当する上段の光源ユニット6bにおける配光制御レンズ64bの上側の曲面642bの曲率、下側の曲面643bの曲率は、第1の光源ユニットに相当する下段の光源ユニット6aにおける配光制御レンズ64aの上側の曲面642aの曲率、下側の曲面643aの曲率よりもそれぞれ小さいことから、上段の光源ユニット6bの方が下段の光源ユニット6aよりも光束の集光度が高くなり、低位置照明装置である道路用照明装置1に近い第1の走行路領域LR1とこれよりも遠い第2の走行路領域LR2の路面照明の輝度の均斉化が図られる。
【0039】
尚、本実施形態では、光源ユニット6a、6bの発光ダイオード63a、63bに光出力が同じ同一規格のものを用いているが、例えばより遠い第2の走行路領域LR2を照明する光源ユニット6bの発光ダイオード63bに光源ユニット6aの発光ダイオード63aよりも光量が大きな異なる規格のものを用いる等、異なる出力のものを用いてもよく、これは後述する第2実施形態の発光ダイオード63a、63b、63c等でも同様である。
【0040】
好適には、所定輝度以上で照明される各々の走行路領域のうち、より中央分離帯104に近い走行路領域ほど道路幅方向の広さが狭くなるようにして、即ち、路肩線103寄りの第1の走行路領域LR1よりも、道路用照明装置1から遠くてより中央分離帯104に近い第2の走行路領域LR2の道路幅方向の広さが狭くなるようにして、光源ユニット6a、6bの水平面に対する光軸の角度と各々の配光制御レンズ64a、64bの曲面を設定すると、第1の走行路領域LR1とこれよりも遠い第2の走行路領域LR2の路面照明の輝度を一層均斉化することが可能となる。
【0041】
また、低位置照明装置である道路用照明装置1は、視機能低下グレアの程度である相対閾値の増加量TI(グレアの存在しない状態に対してグレアが存在することにより障害物等の視認性が低下する割合)が10%以下となるように構成することが望ましい。相対閾値の増加量TIは、Lr:平均路面輝度(cd/m
2)、Lv:運転者の視野内の照明装置による等価光幕輝度(cd/m
2)とした場合、Lr≦5(cd/m
2)の場合、TI=65・Lv/Lr
0.8(%)、Lr>5(cd/m
2)の場合、TI=95・Lv/Lr
1.05(%)で示される。また、Evi:視線と垂直な面における照度(lx)、θi:視線とグレア源のなす角度(°)、i:対象とする照明装置台数或いは光源数とした場合、等価光幕輝度Lvは、Lv(cd/m
2)=10×Σ[i=1・・n](Evi/θi
2)で示される。
【0042】
例えば低位置照明装置である道路用照明装置1を路面から1〜2mの範囲の高さに設置し、配光制御レンズ64a、64bから水平方向及びその上方に向かって出射する光の視機能低下グレアを10%以下とする、若しくは設置した光源ユニット6a、6bから水平方向及びその上方に向かって出射する等により、保護板3を透過して道路用照明装置1から水平方向及びその上方に向かって出射する光の視機能低下グレアを10%以下とする、或いは、設置した光源ユニット6a、6bから左右に0度〜±70度の方向に向かって出射する光の視機能低下グレアを10%以下とする、等により、保護板3を透過して道路用照明装置1から左右に0度〜±70度の方向に向かって出射する光の視機能低下グレアを10%以下とするようにして、或いはその双方として、光源ユニット6a、6bの水平面に対する光軸の角度、配光制御レンズ64a、64bの配光角度、保護板3の透過率等を設定すると、より確実に自動車運転者が眩しさを感じることがない光線の向きとし、グレアを防止することができて好適であり、これは後述する実施形態の光源ユニット6c、6nでも同様である。尚、道路照明の基準では、自動車のフロントガラス上端による遮光角を20°とし、自動車運転者の視線は道路軸に対して平行で俯角1°の地点を注視するものとし、路面平均輝度を1.0cd/m
2を基準に該当箇所の交通量に応じて低減することをベースにグレアの評価が行われるが、前述の好適例等の本発明の低位置照明装置による道路用照明装置はこの評価基準を十分にクリアするものである。
【0043】
第1実施形態の道路用照明装置1によれば、低位置から走行路領域の照明を行う低位置照明装置により、幅の広い道路の第1の走行路領域LR1、第2の走行路領域LR2を非常に高い均斉度で照明することができ、例えば走行車線と追越車線の片側二車線の走行路を有する幅の広い道路を非常に高い均斉度で照明することができる。
【0044】
また、光源ユニット6a、6bの配光制御レンズ64a、64bが投光側に凸のなだらかな曲面を有する略平凸山形状であることから、フレネルレンズのように凹凸に微粒子等が入り込んで配光制御を阻害することがなく、粉塵、埃、窒素酸化物、微粒子が多く存在する道路周辺でも、均斉化された所望の路面への照明を高い安定性で行うことができる。
【0045】
また、配光制御レンズ64a、64bがなだらかな曲面を有する略平凸山形状であることから、清掃が容易であり、メンテナンス作業に要する労力とコストの低減を図ることができると共に、微粒子等の汚れも付着しにくくすることができる。また、凹凸で生ずる照明光のロスがなくなり、例えば同一出力の発光ダイオードを用いてフレネルレンズで制御する場合に対して路面輝度を2倍程度にすることができ、道路面の照明の効率を向上することができる。また、筐体2内で配光制御レンズ64a、64bの主要部分が露出していることにより、清掃作業が極めて容易となり、メンテナンス作業に要する労力とコストを飛躍的に低減することができる。
【0046】
また、配光制御レンズ64a、64bが発光ダイオード63a、63bの光束を全体として略下向きに偏向させることから、運転者の目線と同じ高さ等の低位置に設置される低位置照明装置でも所要の上部や水平方向への漏れ光の発生を防止し、運転者に眩しさを感じさせないようにすることができる。また、ポール式道路照明装置では、亀裂が生じて転倒し、道路通行を塞いで大事故になる危険性があるのに対し、設置高さの低い低位置照明装置の道路用照明装置1で良好な低位置照明を行うことにより、道路通行を塞ぐリスクを無くし、安全性を高めることができる。また、不要な方向への漏れ光を発生させずに必要なエリアに限定して効率的に路面照明を行うことができ、電力エネルギーの削減も図ることができる。
【0047】
〔第2実施形態の道路用照明装置〕
本発明による第2実施形態の道路用照明装置1mは、第1実施形態と同様に側壁或いは高欄等の低位置に設置され、
図7及び
図8に示すように、上下方向において、第1の光源ユニットに相当する下段の光源ユニット6aと第2の光源ユニットに相当する上段の光源ユニット6bとの間に、第3の光源ユニットに相当する中間段の光源ユニット6cが設けられているものである。
【0048】
第2実施形態における支持体4mには、柱部から前方に突出し且つ筐体2の長手方向に延びる長板棚状の載置部41が上下に離間して3段設けられており、上段、下段の載置部41と同様に、中間段の載置部41上にも、所定位置に略L字形で板状の取付具5が設けられている。取付具5は、第1実施形態と同様、筐体2の長手方向である道路の延びる方向に所定間隔毎に離間して配置されている。
【0049】
中間段の取付部52も、垂直より前傾するように設けられ、その前面側に光軸が取付部52の法線になるようにして光源ユニット6cが取り付けられている。光源ユニット6cも、光源ユニット6a、6bと同様に、略有底円筒状のホルダー61と、配線基板62と、配線基板62上に実装される発光ダイオード63cと、発光ダイオード63cの投光側に設けられる配光制御レンズ64cを有し、保持部61の底部外面を取付部52の前面に沿うように配置して取付部52に固定され、更に、配線7で図時省略する筐体2内の電源に接続されている。
【0050】
配光制御レンズ64cは、配光制御レンズ64a、64bと同様、投光側に凸のなだらかな曲面を有する略平凸山形状であり、その平面側の略中央位置に発光ダイオード63cが配置されるようにして設けられ、ホルダー61の側壁の先端部分で根元部分を保持されている。配光制御レンズ64cの曲面のうち路面照明領域の照明に寄与する出射光を出射する曲面全体についてはホルダー61で覆わずに露出させており、照明に寄与する曲面全体は筐体2内で露出されている。
【0051】
配光制御レンズ64cは、発光ダイオード63cの中心の光軸が通る先端641cを有し、先端641cより上側の曲面642cの曲率が下側の曲面643cの曲率よりも小さくなるように形成され、発光ダイオード63cの照射光Lを下側より上側で光束密度が高くなるように配光制御するようになっていると共に、発光ダイオード63cの光束を全体として略下向きに偏向させるように配光制御するようになっている。
【0052】
光源ユニット6cは、その水平面に対する光軸の角度が、下側に位置する光源ユニット6aの水平面に対する光軸の角度より小さく、上側に位置する光源ユニット6bの水平面に対する光軸の角度より大きくなるように中間に設定して設けられており、光源ユニット6cが取り付けられている取付部52は、光源ユニット6aが取り付けられている取付部52よりもより垂直に近い角度で、且つ光源ユニット6bが取り付けられている取付部52よりもより水平に近い角度で、傾斜して設けられている。
【0053】
また、光源ユニット6cの配光制御レンズ64cの上側の曲面642cの曲率は、下段の光源ユニット6aの配光制御レンズ64aの上側の曲面642aの曲率よりも小さく、上段の光源ユニット6bの配光制御レンズ64bの上側の曲面642bの曲率よりも大きくなるように中間に設定されて形成されていると共に、光源ユニット6cの配光制御レンズ64cの下側の曲面643cの曲率は、下段の光源ユニット6aの配光制御レンズ64aの下側の曲面643aの曲率よりも小さく、上段の光源ユニット6bの配光制御レンズ64bの下側の曲面643bの曲率よりも大きくなるように中間に設定されて形成されている。
【0054】
これらの光源ユニット6a、6b、6cを備える道路用照明装置1mで、道路の路面102の走行路領域を路面照明領域として所定輝度以上で照明する場合、例えば片側3車線の道路において、第1の光源ユニットに相当する下段の光源ユニット6aで路肩線103寄りの路面照明領域である第1の走行路領域LR1を所定輝度以上で照明し、第2の光源ユニットに相当する上段の光源ユニット6bで中央分離帯104寄りの路面照明領域である第2の走行路領域LR2を所定輝度以上で照明し、更に、第1の走行路領域LR1と第2の走行路領域LR2の間で、少なくとも光源ユニット6a、6bで所定輝度以上で照明されない領域を含む路面照明領域である第3の走行路領域について、第3の光源ユニットに相当する中間段の光源ユニット6cで所定輝度以上で照明する(
図5、
図6参照)。
【0055】
この際、配光制御レンズ64cも、配光制御レンズ64a、64bと同様に、上側の曲面642cの曲率が下側の曲面643cの曲率よりも小さく、発光ダイオード63cの照射光Lを下側より上側で光束密度が高くなるように配光制御することから、光源ユニット6cが照明する路面照明領域の走行路領域のうちで路肩線103により近い領域と遠い領域で路面照明の輝度の均斉化が図られる。
【0056】
更に、第3の光源ユニットに相当する中間段の光源ユニット6cにおける配光制御レンズ64cの上側の曲面642cの曲率、下側の曲面643cの曲率は、下段の光源ユニット6aにおける配光制御レンズ64aの上側の曲面642aの曲率、下側の曲面643aの曲率よりもそれぞれ小さく、且つ上段の光源ユニット6bにおける配光制御レンズ64bの上側の曲面642bの曲率、下側の曲面643bの曲率よりもそれぞれ大きいことから、中間段の光源ユニット6cの光束の集光度は下段の光源ユニット6aと上段の光源ユニット6bの中間となり、光源ユニット6a、6b、6cでそれぞれ照明される走行路領域の路面照明の輝度が均斉化される。
【0057】
好適には、所定輝度以上で照明される各々の走行路領域のうち、より中央分離帯104に近い走行路領域ほど道路幅方向の広さが狭くなるようにして、光源ユニット6a、6b、6cの水平面に対する光軸の角度と各々の配光制御レンズ64a、64b、64cの曲面を設定すると、各走行路領域の路面照明の輝度を一層均斉化することが可能となる。
【0058】
尚、下段の光源ユニット6aと上段の光源ユニット6aとの上下方向の間に設けられる中間段の光源ユニットは2段など複数段とすることも可能であり、この場合、各中間段の光源ユニット及び配光制御レンズの構成は、光源ユニット6c、配光制御レンズ64cと同様の構成とし、また、上下方向で間に挟まれる光源ユニットの水平面に対する光軸の角度、配光制御レンズの先端より上側の曲面の曲率、配光制御レンズの先端より下側の曲面の曲率を、当該光源ユニットを上下方向で挟む一段下の光源ユニットと一段上の光源ユニットのそれらとの間の中間になるように設定することが好ましい。
【0059】
第2実施形態の道路用照明装置1mによれば、第1実施形態と対応する構成から対応する効果が得られると共に、低位置から走行路領域の照明を行う低位置照明装置により、より幅の広い道路の走行路領域を非常に高い均斉度で照明することができ、例えば片側三車線の走行路を有する非常に幅の広い道路を非常に高い均斉度で照明することができる。
【0060】
〔第3実施形態の道路用照明装置〕
本発明による第3実施形態の道路用照明装置1nは、第1実施形態と同様に側壁或いは高欄等の低位置に設置され、
図9及び
図10に示すように、基本的に第1実施形態と同様の構成で光源ユニット6a、6bが設けられるものであるが、下段の光源ユニット6aより下側に別の光源ユニットに相当する路肩線照明用の光源ユニット6nが設けられる点で相違する。
【0061】
第3実施形態における支持体4nには、前方に突出し且つ筐体2の長手方向に延びる長板棚状の載置部41が上下に離間して3段設けられており、上から2つの載置部41には第1実施形態と同様に取付具5を介して光源ユニット6a、6bが設けられる。最も下側の載置部41は、上2つの載置部41よりも前方に長く突出して形成されており、この載置部41上の先端近傍には、所定位置に小型で略L字形板状の取付具5が設けられ、筐体2の長手方向である道路の延びる方向に所定間隔毎に離間して配置されている。
【0062】
この小型の取付具5も、底部51がビス留め等で載置部41に固定され、取付部52が垂直より前傾するように所定角度で立設されており、取付部52の前面側に光軸が取付部52の法線になるようにして光源ユニット6nが取り付けられている。光源ユニット6nも、光源ユニット6a、6bと同様に、略有底円筒状のホルダー61と、配線基板62と、配線基板62上に実装される発光ダイオード63nと、発光ダイオード63nの投光側に設けられる配光制御レンズ64nを有し、保持部61の底部外面を取付部52の前面に沿うように配置して取付部52に固定され、更に、配線7で図時省略する筐体2内の電源に接続されている。発光ダイオード63nには、所要の照明を行える出力のものが適宜用いられる。
【0063】
配光制御レンズ64nは、配光制御レンズ64a、64bと同様、投光側に凸のなだらかな曲面を有する略平凸山形状であり、その平面側の略中央位置に発光ダイオード63nが配置されるようにして設けられ、ホルダー61の側壁の先端部分で根元部分を保持されている。配光制御レンズ64nの曲面のうち路面照明領域の照明に寄与する出射光を出射する曲面全体についてはホルダー61で覆わずに露出され、照明に寄与する曲面全体は筐体2内で露出されている。
【0064】
配光制御レンズ64nは、発光ダイオード63nの中心の光軸が通る先端641nを有し、先端641nより上側の曲面642nの曲率が下側の曲面643nの曲率よりも小さくなるように形成され、発光ダイオード63nの照射光Lを下側より上側で光束密度が高くなるように配光制御するようになっていると共に、発光ダイオード63nの光束を全体として略下向きに偏向させるように配光制御するようになっている。
【0065】
光源ユニット6nの水平面に対する光軸の角度は、光源ユニット6a、6bの水平面に対する光軸の角度よりも急峻で大きくなっており、光源ユニット6nが取り付けられる取付部52の角度は、光源ユニット6a、6bが取り付けられている取付部52の角度よりも、水平に近い角度で傾斜して設けられている。
【0066】
また、光源ユニット6nの配光制御レンズ64nの上側の曲面642nの曲率、下側の曲面643nの曲率は、光源ユニット6a、6bの配光制御レンズ64a、64bの上側の曲面642a、642bの曲率、下側の曲面643a、643bの曲率よりも、それぞれ小さくなるように設定されて形成されている。
【0067】
これらの光源ユニット6a、6b、6nを備える道路用照明装置1nで道路の路面102を照明する場合、
図11に示すように、第1実施形態と同様、第1の光源ユニットに相当する下段の光源ユニット6aで路肩線103寄りの路面照明領域である第1の走行路領域LR1を所定輝度以上で照明し、第2の光源ユニットに相当する上段の光源ユニット6bで中央分離帯104寄りの路面照明領域である第2の走行路領域LR2を所定輝度以上で照明する。
【0068】
加えて、別の光源ユニットに相当する光源ユニット6nで路面102に示されている路肩線103を路面照明領域として所定輝度以上で照明する。この際、配光制御レンズ64nは、上側の曲面642nの曲率が下側の曲面643nの曲率よりも小さく、発光ダイオード63nの照射光L’を下側より上側で光束密度が高くなるように配光制御することから、光源ユニット6nは路肩線103のより近い領域と遠い領域の輝度を均斉化して照明することができる。尚、路肩線103の照明による輝度は、走行路領域LR1、LR2の照明による輝度より高く設定すると、運転者が路肩線103をより明確に認識することができるようになるので好ましい。
【0069】
第3実施形態の道路用照明装置1nによれば、第1実施形態と対応する構成から対応する効果が得られると共に、運転者が路肩線103をより明確に認識できるようにし、走行の安全性を高めることができる。また、基本的な構造が同じ光源ユニット6a、6b、6nを有する低位置照明装置だけで、走行路領域の照明LR1、LR2と路肩線103の照明の双方を行うことができる。
【0070】
〔第4実施形態の道路用照明装置〕
第1〜第3実施形態では、本発明の道路用照明装置の例として、光源ユニット6a、6b等が上下に複数段設けられる低位置照明装置としたが、光源ユニット6aが一段で設けられる低位置照明装置としてもよい。
図12は、光源ユニット6aが一段で設けられる低位置照明装置である第4実施形態の道路用照明装置1pである。第4実施形態の道路用照明装置1pでは、支持体4pの柱部から前方に突出し且つ長手方向に延びる長板状の載置部41が設けられ、載置部41上に第1実施形態と同様に取付具5、光源ユニット6aが設けられており、一段の光源ユニット6aで路面照明領域である走行路領域を所定輝度以上で照明するようになっている。尚、この第4実施形態の道路用照明装置1pに路肩線照明用の光源ユニット6nを設ける場合には、光源ユニット6aから離間する下側の位置において、支持体4pから前方に突出する載置部41を設け、そこに第3実施形態と同様に路肩線照明用の光源ユニット6nを設けるようにする。
【0071】
〔第5実施形態の道路用照明装置〕
本発明による第5実施形態の道路用照明装置1sは、第1実施形態と同様に道路の側壁或いは高欄等に、路面から例えば1〜2mの範囲内の高さの低位置に設置される低位置照明装置であり、
図13〜
図16に示すように、側面視略台形状の筐体2sを有する。筐体2sは、略直方体箱状で前面開放の本体21と、本体21の前方に設けられるカバー部22を備え、カバー部22は側面視逆三角形状で、内部は中空で背面開放になっている。カバー部22の下端にはヒンジ23が設けられ、ヒンジ23を介して本体21の下部前端に取り付けられ、カバー部22のヒンジ23を中心にした回転により、筐体2sの前面が開閉自在になっている。カバー22の上部後端にはフック24が取り付けられており、本体21の上部前端に設けられている留め具25の掛止ピンにフック24を引っ掛けることにより、カバー部22を閉状態に維持し、掛止を外すことでカバー部22を開けられるようになっている。
【0072】
カバー部22の正面側には開口が形成され、その開口に覆うようにガラス板、アクリル板などの透光性の保護板3sが取り付けられている。透光性の保護板3sは、後述する筐体2sに内装される光源ユニット6d、6eの前方の離間する位置に設けられ、カバー部22の前面の傾斜に沿い、前方に向かって斜め上方に傾斜するようにして配置して設けられている。この保護板3sも透過率90%以上の透明保護板とすると好ましい。光源ユニット6d、6eの照明光も、第1実施形態と同様に、透光性の保護板3sを介して外部に出射するが、前方に向かって斜め下方に傾斜するように出射する照明光が、前方に向かって斜め上方に傾斜する透光性の保護板3sにより垂直に近い角度で入射するようになっており、保護板3sで全反射する光を低減して光透過率を高めることが可能となっている。
【0073】
筐体2sは設置具8によって道路の側壁101等に設置される。設置具8は、底板81と、底板81の両端部で立設する一対の板状の支柱82・82を有し、底板81は側壁101等の上面に載置され、アンカーボルト等で側壁101等に固定される。また、筐体2sの両側部には略コ字形に突出する取っ手状の突出板26が設けられており、筐体2sは、両側部の突出板26・26の外側に支柱82・82が立設するようにして配置され、突出板26・26の中央板部が板状の支柱82・82に沿うように配置される。
【0074】
筐体2sの突出板26・26と支柱82・82は、筐体2sが傾動可能に所定高さの位置でボルト締結部91で軸着されると共に、ボルト締結部91で軸着された位置から高さ方向に離間した所定位置、本例ではボルト締結部91より下方に離間した所定位置で弧状長孔83を介してボルト締結部92で締着される。弧状長孔83は軸着箇所側に凹となるように形成されており、筐体2sを軸着箇所を中心に傾動させ、弧状長孔83が延びる方向における所要位置に調整してボルト締結部92で締着することにより、道路用照明装置1sによる路面照明領域を調整可能になっている。尚、突出板26の中央板部側に形成されて高さ方向に離間配置される締結孔の双方を丸孔、支柱82側に形成されて高さ方向に離間配置される締結孔の一方を丸孔、他方を弧状長孔83とする構成に限定されず、支柱82側で高さ方向に離間配置される締結孔を双方とも丸孔とし、突出板26の中央板部側で高さ方向に離間配置される締結孔の一方を丸孔、他方を弧状長孔とする構成としてもよい。
【0075】
筐体2sには、光源ユニット6d、6eの設置状態を支持する支持体4sが内装されて固定され、支持体4sには取付具5sが固定され、取付具5sの取付板53が垂直より前傾する所定の傾斜角度で設けられている。傾斜する取付板53には、光軸が取付板53の法線になるようにして光源ユニット6d、6eが取り付けられ、光源ユニット6d、6eは、その照明光の光軸が水平より下向きに傾斜するようにして設けられている。
【0076】
光源ユニット6d、6eは、取付板53に固定されている配線基板62と、配線基板62上に実装される発光ダイオード63d、63eと、発光ダイオード63d、63eの投光側に設けられる配光制御レンズ64d、64eを有する。配光制御レンズ64d、64eも、投光側に凸のなだらかな曲面を有する略平凸山形状であり、その平面側の略中央位置に発光ダイオード63d、63eが配置されるようにして設けられ、その底部外周から突出する突出部分をビス留め等して取付板53に固定されている。配光制御レンズ64d、64eの照明に寄与する曲面全体は筐体2s内で露出している。また、光源ユニット6d、6eは、配線基板62に接続されている図示省略する配線により、分岐盤10を介して筐体2s内の電源部11に接続されている。
【0077】
配光制御レンズ64d、64eも、第1実施形態の配光制御レンズ64a、64bと同様に、それぞれ発光ダイオード63d、63eの中心の光軸が通る先端を有し、先端より上側の曲面の曲率が下側の曲面の曲率よりも小さくなるように形成されており、発光ダイオード63d、63eの照射光を下側より上側で光束密度が高くなるように配光制御するようになっていると共に、発光ダイオード63d、63eの光束を全体として略下向きに偏向させるように配光制御する。
【0078】
光源ユニット6d、6eにおいて、下段に設けられる光源ユニット6dは第1の光源ユニットに相当し、上段に設けられる光源ユニット6eは第1の光源ユニットより上側に設けられる第2の光源ユニットに相当する。そして、光源ユニット6d、6eは、光源ユニット6eの水平面に対する光軸の角度が光源ユニット6dの水平面に対する光軸の角度よりも小さくなるように設定して設けられており、光源ユニット6eが取り付けられている取付板53は、光源ユニット6dが取り付けられている取付板53よりもより垂直に近い角度で傾斜して設けられている。
【0079】
また、本実施形態では、上段の光源ユニット6eの発光ダイオード63eの出力が下段の光源ユニット6dの発光ダイオード63dの出力よりも大きく設定されていると共に、上段の光源ユニット6eの配光制御レンズ64eの大きさが下段の光源ユニット6dの配光制御レンズ64dの大きさよりも大きく設定されている。尚、必要に応じて、第1実施形態と同様に、光源ユニット6eの配光制御レンズ64eの先端より上側の曲面の曲率を、光源ユニット6dの配光制御レンズ64dの先端より上側の曲面の曲率よりも小さくなるように設定し、光源ユニット6eの配光制御レンズ64eの先端より下側の曲面の曲率を、光源ユニット6dの配光制御レンズ64dの先端より下側の曲面の曲率よりも小さくなるように設定してもよい。
【0080】
更に、本実施形態では、下段の光源ユニット6d、上段の光源ユニット6eのそれぞれが道路の延びる方向に並んで3個設けられており、中央部の光源ユニット6d、6eは発光ダイオード63d、63eの光軸及び配光制御レンズ64d、64eの先端が道路の延びる方向に対して略垂直に向くようにして設置され、前方部の光源ユニット6d、6eは発光ダイオード63d、63eの光軸及び配光制御レンズ64d、64eの先端が道路の延びる方向に対して略垂直よりも前方に傾くようにして設置され、後方部の光源ユニット6d、6eは発光ダイオード63d、63eの光軸及び配光制御レンズ64d、64eの先端が道路の延びる方向に対して略垂直よりも後方に傾くようにして設置されており、1つの道路用照明装置1sでより広範囲の領域を照明することが可能になっている。尚、中央部、前方部若しくは後方部の光源ユニット6d、6eが複数ある場合には、中央部の複数、前方部の複数若しくは後方部の複数の光源ユニット6d、6eを同様に略垂直、前方に傾ける若しくは後方に傾ける状態で設置してもよい。
【0081】
更に、本実施形態では、第1の光源ユニットに相当する下段の光源ユニット6dの配光制御レンズ64dの上側に、平面視で配光制御レンズ64dの上面側の全体を覆い且つ少なくとも前部が前方に向かって斜め下方に傾斜する第1の遮光板に相当する遮光板12dが設けられ、第2の光源ユニットに相当する上段の光源ユニット6eの配光制御レンズ64eの上側に、平面視で配光制御レンズ64eの上面側の全体を覆い且つ少なくとも前部が前方に向かって斜め下方に傾斜する第2の遮光板に相当する遮光板12eが設けられている。遮光板12d、12eは配光制御レンズ64d、64eからそれぞれ離間した位置に設けられており、遮光板12dの先端、遮光板12eの先端は、それぞれ配光制御レンズ64dの先端、配光制御レンズ64eの先端よりも前方に突設されている。
【0082】
これらの光源ユニット6d、6eを備える道路用照明装置1sで、道路の路面の走行路領域を路面照明領域として道路照明施設設置基準等を充足する所定輝度以上で照明する場合、第1の光源ユニットに相当する下段の光源ユニット6dで路肩線寄りの路面照明領域である第1の走行路領域を所定輝度以上で照明し、第2の光源ユニットに相当する上段の光源ユニット6eで中央分離帯寄りの路面照明領域である第2の走行路領域を所定輝度以上で照明する(
図5及び
図6参照)。この際、配光制御レンズ64d、64eでは、上側の曲面の曲率が下側の曲面の曲率よりもそれぞれ小さく、発光ダイオード63d、63dの照射光を下側より上側で光束密度が高くなるように配光制御することから、第1の走行路領域のうちで路肩線により近い領域と遠い領域で路面照明の輝度の均斉化が図られ、第2の走行路領域のうちで路肩線により近い領域と遠い領域で路面照明の輝度の均斉化が図られる。
【0083】
更に、第2の光源ユニットに相当する上段の光源ユニット6eにおける配光制御レンズ64eの大きさと発光ダイオード63eの出力が、第1の光源ユニットに相当する下段の光源ユニット6dにおける配光制御レンズ64dの大きさと発光ダイオード63dの出力よりも大きく設定されていることから、低位置照明装置である道路用照明装置1sに近い第1の走行路領域とこれよりも遠い第2の走行路領域の路面照明の輝度の均斉化を図ることができる。
【0084】
この低位置照明装置である道路用照明装置1sも、第1実施形態と同様に、視機能低下グレアの程度である相対閾値の増加量TIが10%以下となるように構成することが望ましい。
【0085】
第5実施形態の道路用照明装置1sによれば、第1実施形態と対応する構成から対応する効果が得られると共に、光源ユニット6d、6eの漏れ光を遮光板12d、12eで遮光することにより、低位置照明装置における所要の上部や水平方向への漏れ光の発生をより確実に防止することができ、運転者に眩しさを感じさせないようにすることができる。また、光源ユニット6eの上方に向かって出射される出射光が配光制御レンズ64eで乱反射して分光が生じたり、光源ユニット6d、6eの出射光が他方の光源ユニット6e、6dの配光制御レンズ64e、64dに入射して乱反射することで分光が生じたりすることで、例えば白色光の路面照明に意図しない黄色、赤色等の光が混ざって現れることを回避することができ、路面照明色の全体的な均質化を図ることができる。また、遮光板12d、12eを取付は低コストであり、運転者のグレア防止、路面照明色の全体的な均質化を図れる低位置照明装置を低コストで製造することが可能となる。
【0086】
また、斜め下方に傾斜して照明光を照射する光源ユニット6d、6eに対して、透光性の保護板3sを前方に向かって斜め上方に傾斜するようにして設けることにより、保護板3sにより垂直に近い角度での照明光の入射が可能となり、これにより、透光性の保護板3sで全反射する光を低減し、光源ユニット6d、6eの出射光の透光性の保護板3sに対する光透過率を高めることができ、より省エネルギーで効率的に高輝度の道路照明を行うことができる。
【0087】
また、筐体2sを軸着箇所を中心に傾動させ、弧状長孔が延びる方向における所要位置に調整してボルト締結部92で締着することが可能であるため、簡単な調整作業で路面照明を行う領域を柔軟に調整することができる。また、この調整可能な構造により、道路の側壁101や高欄の高さの相違に適応して、望ましい領域への照明を常に安定して行うことができる。
【0088】
〔実施形態の変形例等〕
本明細書開示の発明は、各発明、各実施形態の他に、適用可能な範囲で、これらの部分的な構成を本明細書開示の他の構成に変更して特定したもの、或いはこれらの構成に本明細書開示の他の構成を付加して特定したもの、或いはこれらの部分的な構成を部分的な作用効果が得られる限度で削除して特定した上位概念化したものを包含する。そして、下記変形例等も含む。
【0089】
例えば本発明の道路用照明装置における光源ユニット6a、6b等で照明される各々の走行路領域は、より中央分離帯に近い走行路領域ほど道路幅方向の広さが狭くなるように設定される構成に限定されず、所定輝度以上で所要の均斉度合いが確保されるように照明できるものであれば、複数段の光源ユニット6a、6b等で照明される各々の走行路領域の道路幅方向の広さは適宜に設定することが可能であり、これに対応して各々の光源ユニット6a、6b等の水平面に対する光軸の角度と各々の配光制御レンズ64a、64b等の曲面を設定することが可能である。より中央分離帯に近い走行路領域ほど道路幅方向の広さが広くなるように路面照明領域を設定する場合には、より上段に位置する光源ユニット6eの発光ダイオード63eの出力、配光制御レンズ64eの大きさ等が、より下段に位置する光源ユニット6e等のそれらよりも大きく設定される道路用照明装置1s等を用いることが好ましい。
【0090】
また、第5実施形態の変形例として、第2実施形態のように、第1の光源ユニットに相当する下段の光源ユニット6dと第2の光源ユニットに相当する上段の光源ユニット6eとの上下方向の間に少なくとも第3の光源ユニットに相当する中間段の光源ユニットを設け、下段の光源ユニット6dで路肩線寄りの路面照明領域である第1の走行路領域を所定輝度以上で照明し、上段の光源ユニット6eで中央分離帯寄りの路面照明領域である第2の走行路領域を所定輝度以上で照明し、中間段の光源ユニットで第1の走行路領域と第2の走行路領域の間の路面照明領域である第3の走行路領域を所定輝度以上で照明するようにしてもよい。
【0091】
この場合には、第3の光源ユニットに相当する中間段の光源ユニットにおける水平面に対する光軸の角度、配光制御レンズの大きさ、発光ダイオードの出力を、第1の光源ユニットのそれらと第2の光源ユニットのそれらとの間の中間になるように設定すると好適であり、これにより、より幅の広い道路の走行路領域を非常に高い均斉度で照明することができ、例えば片側三車線の走行路を有する非常に幅の広い道路を非常に高い均斉度で照明することができる。更に、第3の光源ユニットに相当する中間段の光源ユニットの上側にも、平面視で配光制御レンズの上面側の全体を覆い且つ少なくとも前部が前方に向かって斜め下方に傾斜する遮光板を設け、上段の光源ユニット6eと中間段の光源ユニットの出射光の相互干渉を回避する等で、グレア防止、意図しない色の出現回避による路面照明の均質化を図るようにすると好適である。
【0092】
また、第5実施形態の別の変形例として、第3実施形態のように、第1の光源ユニットに相当する下段の光源ユニット6dより下側に別の光源ユニットに相当する路肩線照明用の光源ユニット6nを設けてもよい。この場合には、光源ユニット6nの配光制御レンズ64nの上側にも、平面視で配光制御レンズ64nの上面側の全体を覆い且つ少なくとも前部が前方に向かって斜め下方に傾斜する遮光板を設け、路面照明用の光源ユニット6d、6e等と路肩線照明用の光源ユニット64nの出射光の相互干渉を回避する等で、グレア防止、意図しない色の出現回避による路面照明の均質化を図るようにすると好適である。
【0093】
また、第5実施形態の更なる別の変形例として、第4実施形態のように、光源ユニット6dを一段だけ設け、光源ユニット6dの配光制御レンズ64dの上側に、平面視で配光制御レンズ64dの上面側の全体を覆い且つ少なくとも前部が前方に向かって斜め下方に傾斜する遮光板12dを設ける低位置照明装置としてもよい。
【0094】
また、第5実施形態の更なる別の変形例として、遮光板12d、12eに代え、光源ユニット6d、6eの配光制御レンズ64d、64eの上面側の表面に、黒マスクを塗設或いは貼着する等で遮光マスク13d、13eを部分的に設ける構成としてもよい(
図17参照)。遮光マスク13d、13eで光源ユニット6d、6eの漏れ光を遮光することにより、低位置照明装置における所要の上部や水平方向への漏れ光の発生をより確実に防止し、運転者に眩しさを感じさせないようにすることができると共に、配光制御レンズ64d、64eでの乱反射や出射光の相互干渉等で路面照明に意図しない色の光が混ざって現れることを回避することができ、路面照明色の全体的な均質化を図ることができる。
【0095】
また、本発明の道路用照明装置は低位置照明装置にすると好適であるが、これに限定されず、例えばポール式、天井取付式等の道路用照明装置とすることが可能である。また、本発明の道路用照明装置は、高欄照明装置等の低位置照明装置、ポール式照明装置、天井取付式照明装置等で、走行路領域の照明ではなく路面に示されている路肩線或いは誘導線等の標示線を路面照明領域として照明する照明装置とすることも可能である。