特許第6571982号(P6571982)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6571982運転床閉じ込め区画および原子力プラント
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6571982
(24)【登録日】2019年8月16日
(45)【発行日】2019年9月4日
(54)【発明の名称】運転床閉じ込め区画および原子力プラント
(51)【国際特許分類】
   G21C 13/00 20060101AFI20190826BHJP
   G21C 9/004 20060101ALI20190826BHJP
   G21C 15/18 20060101ALI20190826BHJP
   G21C 13/02 20060101ALI20190826BHJP
【FI】
   G21C13/00 600
   G21C9/004
   G21C13/00 300
   G21C15/18 F
   G21C13/02 300
【請求項の数】10
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2015-99952(P2015-99952)
(22)【出願日】2015年5月15日
(65)【公開番号】特開2016-217771(P2016-217771A)
(43)【公開日】2016年12月22日
【審査請求日】2018年2月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】317015294
【氏名又は名称】東芝エネルギーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001092
【氏名又は名称】特許業務法人サクラ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 崇
(72)【発明者】
【氏名】松本 圭司
(72)【発明者】
【氏名】田口 圭介
【審査官】 大門 清
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭63−021594(JP,A)
【文献】 実開昭56−068199(JP,U)
【文献】 特開平09−101393(JP,A)
【文献】 特開平10−142373(JP,A)
【文献】 特開2009−058496(JP,A)
【文献】 特開2013−104867(JP,A)
【文献】 特開昭55−075692(JP,A)
【文献】 特開平01−107196(JP,A)
【文献】 米国特許第05596613(US,A)
【文献】 米国特許第05887043(US,A)
【文献】 特開2011−242184(JP,A)
【文献】 特開平03−128493(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC G21C13/00
G21C 9/00−9/06
G21C15/18
G21D 3/04、3/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
炉心を収容する原子炉圧力容器と、
前記原子炉圧力容器を収納するドライウェルと、
前記ドライウェルとLOCAベント管を介して連結された圧力抑制プールを下部に収納し上部にウェットウェル気相部を有するウェットウェルと、
少なくとも前記ドライウェルと前記LOCAベント管と前記ウェットウェルとからなる原子炉格納容器と、
原子炉格納容器ヘッドと
主蒸気配管と、
前記主蒸気配管を収納し耐圧性を有さない原子炉建屋の設備エリア
を有する原子力プラントの一部を構成する運転床閉じ込め区画において、
前記原子炉格納容器ヘッドの周囲を囲む原子炉ウェルと、
前記原子炉ウェルの周囲に設けられ耐圧性と漏えい抑制機能を有し前記原子炉建屋の設備エリアと連通する階段、エレベーター、エレベーターシャフト、機器ハッチを設けない運転床と、
前記運転床を取り囲み耐圧性と漏えい抑制機能を有する側壁と、
前記側壁の上部に設けられ耐圧性と漏えい抑制機能を有する天井と
前記原子炉ウェルと燃料プールスロットを介して隣接し耐圧性と漏えい抑制機能を有する燃料プールと、
前記原子炉ウェルと水門を介して隣接し耐圧性と漏えい抑制機能を有する機器ピットと、
前記側壁に設けられた機器ハッチと、
前記側壁に設けられたエアロックと、
貫通部に設けられた隔離弁と、
から成り、耐圧性と漏えい抑制機能を有する圧力バウンダリーを構成し前記原子炉格納容器ヘッドを介して前記原子炉格納容器と接し前記原子炉建屋の設備エリアから隔離されブローアウトパネルが設けられていないことを特徴とする運転床閉じ込め区画。
【請求項2】
前記運転床閉じ込め区画の前記圧力バウンダリーを貫通し外部に通じる外部ベント配管とこの外部ベント配管上に設けられた外部ベント隔離弁とから成り前記運転床閉じ込め区画の雰囲気を外部にベントする外部ベント装置をさらに設けたことを特徴とする請求項1に記載の運転床閉じ込め区画。
【請求項3】
前記運転床閉じ込め区画の外部に設けられたフィルターベント容器と、前記運転床閉じ込め区画の前記圧力バウンダリーを貫通し前記フィルターベント容器に接続するフィルターベント配管と、このフィルターベント配管上に設けられたフィルターベント隔離弁とから成り前記運転床閉じ込め区画の雰囲気内の放射性物質を除去しつつ外部にベントする運転床閉じ込め区画フィルターベント装置をさらに設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の運転床閉じ込め区画。
【請求項4】
前記原子炉ウェルと前記燃料プールの間に設けられた原子炉ウェルオーバーフロー部と、
前記燃料プールに設けられた燃料プールオーバーフロー部と、
前記運転床の一部を窪ませて形成され前記運転床閉じ込め区画の内部に設けられた運転床排水ピットと
をさらに有することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の運転床閉じ込め区画。
【請求項5】
一端が前記運転床排水ピット内に開口しもう一端が前記ウェットウェルに接続する排水配管と、
該排水配管上に設けられた排水隔離弁と、
をさらに有することを特徴とする請求項4に記載の運転床閉じ込め区画。
【請求項6】
一端が前記運転床閉じ込め区画の雰囲気に開口しもう一端が前記原子炉格納容器に接続して設けられた接続ベント管と、
該接続ベント管上に設けられた接続ベント隔離弁と、
をさらに有し、
前記接続ベント管の前記運転床閉じ込め区画内の開口部は前記排水配管の前記運転床排水ピット内の開口部よりも高い位置にあることを特徴とする請求項5に記載の運転床閉じ込め区画。
【請求項7】
全交流電源喪失時に前記圧力抑制プールのプール水を水源として前記原子炉圧力容器に給水する代替給水系と代替電源とをさらに設けたことを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の運転床閉じ込め区画。
【請求項8】
前記原子炉建屋に隣接し大物搬入口とシャフトと機器ハッチを有する補助建屋をさらに設け、該補助建屋から機器の搬出入と出入りができ前記補助建屋は前記設備エリアと連通していることを特徴とする請求項1に記載の運転床閉じ込め区画。
【請求項9】
前記補助建屋にブローアウトパネルをさらに設けたことを特徴とする請求項8に記載の運転床閉じ込め区画。
【請求項10】
炉心と、
前記炉心を収容する原子炉圧力容器と、
前記原子炉圧力容器を収納するドライウェルと、
前記ドライウェルとLOCAベント管を介して連結された圧力抑制プールを下部に収納し上部にウェットウェル気相部を有するウェットウェルと、
少なくとも前記ドライウェルと前記LOCAベント管と前記ウェットウェルとからなる原子炉格納容器と、
原子炉格納容器ヘッドと、
前記原子炉格納容器ヘッドの周囲を囲む原子炉ウェルと
主蒸気配管と、
前記主蒸気配管を収納し耐圧性を有さない原子炉建屋の設備エリアと、
前記原子炉ウェルの周囲に設けられ耐圧性と漏えい抑制機能を有し前記原子炉建屋の設備エリアと連通する階段、エレベーター、エレベーターシャフト、機器ハッチを設けない運転床と、
前記運転床を取り囲み耐圧性と漏えい抑制機能を有する側壁と、
前記側壁の上部に設けられ耐圧性と漏えい抑制機能を有する天井と、
前記原子炉ウェルと燃料プールスロットを介して隣接し耐圧性と漏えい抑制機能を有する燃料プールと、
前記原子炉ウェルと水門を介して隣接し耐圧性と漏えい抑制機能を有する機器ピットと、
前記運転床と、前記運転床を取り囲む側壁と、前記側壁の上部に設けられた天井と、前記原子炉ウェルと、前記燃料プールと、前記機器ピットと、前記側壁に設けられた機器ハッチと、前記側壁に設けられたエアロックと、貫通部に設けられた隔離弁と、から成り、耐圧性と漏えい抑制機能を有する圧力バウンダリーを構成し、前記原子炉格納容器ヘッドを介して前記原子炉格納容器と接し、前記原子炉建屋の設備エリアから隔離されブローアウトパネルが設けられていない運転床閉じ込め区画と、
から成ることを特徴とする原子力プラント。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、運転床閉じ込め区画および原子力プラントに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の沸騰水型原子力プラントおよびその運転床区画について図9から図12によりその概要を説明する。
【0003】
図9は、従来の沸騰水型原子力プラントの原子炉建屋100の構成の例を示す立面図(図10のIX−IX線矢視断面図)である。
【0004】
ここに示す例はABWRといわれるプラントに基づいている。原子炉建屋100は基底部のマット101と側壁102と天井103とから成る。マット101は、厚さ数mの鉄筋コンクリート製で、底面はほぼ正方形の四角形である。原子炉建屋100の内部は主に運転床15によって上下におおまかに区分されている。運転床15を含む上部の空間を運転床エリア104といい、運転床15よりも下の空間を設備エリア105という。ABWRの運転床エリア側壁104aは設備エリア側壁105aよりも内側に設けられている。設備エリア側壁105aは、厚さは一様ではなく、底部は厚く上部は薄くなっている。設備エリア105の内部には原子炉格納容器3が設けられている。原子炉格納容器3は円筒形状をしている(図12を参照。)。
【0005】
図9において、炉心1は、原子炉圧力容器2の内部に収納されている。原子炉圧力容器2は、原子炉格納容器3内に収納されている。原子炉格納容器3の内部は、原子炉圧力容器2を収納するドライウェル4と、ウェットウェル5とに区分けされており、ドライウェル4とウェットウェル5とは原子炉格納容器3の一部を構成する。ウェットウェル5は内部に圧力抑制プール6を形成している。圧力抑制プール6の上方にはウェットウェル気相部7が形成されている。ドライウェル4とウェットウェル5の外壁部は一体化して原子炉格納容器3の円筒状の外壁部を構成している(図12を参照。)。ドライウェル4の天井部は平板になっており、この部分をドライウェル4のトップスラブ4aと呼ぶ。
【0006】
原子炉格納容器3の頂部には鋼製の原子炉格納容器ヘッド9が設けられている。原子炉格納容器ヘッド9は、フランジ10で原子炉格納容器3と接合されており、燃料交換時には取り外しができるようになっている。原子炉格納容器ヘッド9の外周部は原子炉ウェル11により囲まれている。原子炉ウェル11は、原子炉格納容器ヘッド9の周囲を取り囲むように原子炉格納容器3から上に延びた側壁12と、側壁12の下端に接続し側壁12を支持する底部13とにより形成される空間である。底部13は、鉄筋コンクリート製原子炉格納容器(RCCV)の場合は原子炉格納容器3の一部を構成しているが、鋼製原子炉格納容器の場合には鋼製原子炉格納容器の周囲を取り囲む遮蔽コンクリートの一部を構成している。原子炉ウェル11の水平断面は一般に円形であるが、楕円や多角形などであっても良い。側壁12と底部13は、厚さ2m以上の鉄筋コンクリート製で堅牢な構造となっている。原子炉ウェル11の内面は、鋼製のライナー(図示せず。)が敷設され水密性が確保されている。
【0007】
図9において、原子炉圧力容器2は、円筒状のペデスタル61によりRPV(原子炉圧力容器)スカート62およびRPVサポート63を介して支持されている。ペデスタル61は、鋼製、コンクリート製、両者の複合構造等がある。ドライウェル4のうち原子炉圧力容器2の下方であって、ペデスタル61の円筒状の壁により囲まれるペデスタル61の内側の空間を、ペデスタルキャビティー64という。ABWRのRCCVの場合はペデスタル61の円筒状の壁はウェットウェル5とドライウェル4の境界の壁を形成していて特にこの空間を下部ドライウェル65と呼んでいる。また、ABWRのRCCVの場合はドライウェル4の下部ドライウェル65を除く上部の空間を上部ドライウェル66と呼んでいる。
【0008】
ドライウェル4と圧力抑制プール6はLOCA(冷却材喪失事故)ベント管8により連結されている。LOCAベント管8はたとえば10本など複数個設置されるが図9および図11ではそれぞれ2本のみを表示している(図12を参照。)。LOCAベント管8は、圧力抑制プール6のプール水に水没している部分に水平ベント管8aがあり、プール水中に開口している。RCCVの場合は、水平ベント管8aは、一つのLOCAベント管8に縦方向に3本設置されている。また、RCCVの場合は、LOCAベント管8はペデスタル61の円筒状の壁の内部を通って設置されている。そのため、RCCVの場合は、このペデスタル61の円筒状の壁をベント壁とも言う。ベント壁は、厚さが約1.7mの鉄筋コンクリート製で、内側と外側の表面は鋼製である。LOCAベント管8とペデスタル61は原子炉格納容器3の一部を構成する。
【0009】
図9において原子炉格納容器3の内部に機器を搬入搬出するために開閉可能な機器ハッチ35が設けられている。機器ハッチ35は、閉鎖時は原子炉格納容器3と同じ耐圧性と気密性がある。また、原子炉格納容器3の内部に運転員が出入りするためにエアロック36が設けられている。エアロック36は、一般に扉が2個あり同時に両方の扉が開かないようにインターロックが組まれている。エアロック36は原子炉格納容器3と同じ耐圧性と気密性がある。図9では機器ハッチ35とエアロック36は上部ドライウェル66に設置されているものしか示していないが、ウェットウェル5および下部ドライウェル65にも設置されている。
【0010】
原子炉格納容器3は、一般にその材質により、鋼製原子炉格納容器、鉄筋コンクリート製原子炉格納容器(RCCV)、プレストレスコンクリート製原子炉格納容器(PCCV)、スチール・コンクリート複合構造(SC造)原子炉格納容器(SCCV)など様々のものがある。RCCVとPCCVの場合には内面に鋼製ライナーが張られている。図9および図11ではRCCVの例を示している。これらの図では立面図を示しているが、RCCVは、外壁部分は円筒形状をしている(図12を参照。)。
【0011】
原子炉格納容器3の雰囲気は、沸騰水型軽水炉の場合には、通常運転時は窒素により置換され酸素濃度を低く制限されている。
【0012】
つぎに、図10は、従来の沸騰水型原子力プラントの原子炉建屋100の運転床エリア104まわりを示す平面図である。運転床エリア104には、原子炉ウェル11、燃料プール20、機器ピット30が設けられている。また、図11は、従来の沸騰水型原子力プラントの原子炉建屋100の構成の例を示す立面図(図10のXI−XI線矢視断面図)である。図9とは90度異なる角度から描かれている。この角度から見る運転床エリア側壁104bは、設備エリア側壁105bと同一面上に設けられている。原子炉ウェル11、燃料プール20、機器ピット30はそれぞれ運転床15から下に掘り下げて設けられている。
【0013】
原子炉ウェル11の上部には通常運転時には遮蔽プラグ(図示せず。)が設置されている。遮蔽プラグの機能は原子炉が運転中に発生する放射線を遮蔽することである。遮蔽プラグは燃料交換時には取り外すことができる。
【0014】
図10および図11において、運転床エリア104には燃料プール20が設けられている。燃料プール20の周囲を囲む側壁21は、厚さ2m程度の鉄筋コンクリート製である。また、燃料プール20の床22も厚さ2.4m程度の鉄筋コンクリート製である。床22はステップ状になっていて、一部は原子炉格納容器3のトップスラブ4aと供用している。燃料プール20の内面は鋼製のライナー(図示せず。)が敷設されていて水密性が確保されている。燃料プール20はこのように構造が堅牢で水密性が確保されている。燃料プール20は、燃料プールスロット23で原子炉ウェル11と連通することができる。通常運転中は、燃料プールスロット23は水密性のスロットプラグ24によって閉鎖されている。
【0015】
また、運転床エリア104には、原子炉ウェル11を中心に燃料プール20と反対側に機器ピット30が設けられている。機器ピット30は、燃料交換時に原子炉圧力容器2内の蒸気乾燥器および湿分分離器(図示せず。)を取り外して一時保管するためのプールである。機器ピット30の周囲を囲む側壁31は、厚さ2m以上の鉄筋コンクリート製である。また、機器ピット30の床32は厚さ2m以上の鉄筋コンクリート製で、一部は原子炉格納容器3のトップスラブ4aと供用している。機器ピット30の内面は鋼製のライナー(図示せず。)が敷設され、水密性が確保されている。機器ピット30はこのように構造が堅牢で、水密性が確保されている。機器ピット30は原子炉ウェル11と、水門33により連通することができる。通常運転中は、水門33は、取り外しできるパネル34によって閉鎖されている。
【0016】
図10において、運転床15には機器ハッチ106が設けられている。機器ハッチ106は落下防止用のカバーであり、これを開けることによって、運転床15に機器の搬出入を行う開口部107が確保される。開口部107はシャフト108により、地上階にある大物搬入口109と連通している。シャフト108は原子炉建屋100内の各フロアー110と連通している。図13はそのようすを立面図で示している。図13は、機器ハッチ106の位置での原子炉建屋100の断面を示す立面図である。シャフト108により運転床エリア104は原子炉建屋100内の各フロアー110と連通している。機器ハッチ106には気密性がないので、閉鎖している状態でも、シャフト108により運転床エリア104は設備エリア105内の各フロアー110と連通している。
【0017】
図10において、運転床エリア104には、エレベーター111と階段112が複数設けられている。エレベーター111は、エレベーターシャフト111aにより原子炉建屋100の最地下階まで延びている。階段112も原子炉建屋100の最地下階までつながっている。図13はそのようすを立面図で示している。運転床エリア104は、エレベーターシャフト111aと階段112によって複数個所で原子炉建屋100内の設備エリア105と連通している。
【0018】
図11において、原子炉圧力容器2からは主蒸気配管71がドライウェル4の外部に延びている。主蒸気配管71には、主蒸気隔離弁71aと71bがそれぞれドライウェル4の内部と外部に設けられている。主蒸気配管71以外にも、原子炉格納容器3の貫通部37には原子炉格納容器隔離弁38a,38bが、原則として原子炉格納容器3の内部と外部に設けられている。原子炉格納容器隔離弁38a,38bは電動弁、空気作動弁、逆止弁などが使用されていて耐圧性と漏えい抑制機能を有している。
【0019】
図9および図11において、運転床エリア側壁104aにはブローアウトパネル113が複数個設けられている。主蒸気配管71が原子炉格納容器3の外部の原子炉建屋100の内部の個所で破断した場合に、大量の蒸気が原子炉建屋100の内部に放出される。この蒸気を原子炉建屋100の外部に管理放出する目的で、ブローアウトパネル113が運転床エリア側壁104aに設けられている。蒸気は、機器ハッチ106のシャフト108、エレベーターシャフト111a、階段112(図13を参照。)により急速に運転床エリア104に至り、ただちにブローアウトパネル113を押し開けて環境に放出される。ブローアウトパネル113の設定作動差圧は約2psid(約13.8kPa)であるので運転床エリア104の圧力がわずかに上昇すると作動する。
【0020】
設備エリア105には重要な安全設備が設置されているので、設備エリア側壁105a,105bは鉄筋コンクリート製で、厚さはおよそ1m〜1.5mあり、堅牢である。また、運転床エリア側壁104a,104bは、厚さは0.3m程度である。運転床エリア天井104cの厚さは0.3m程度である。原子炉建屋100は運転床エリア104を含めて耐震設計がなされていて、堅牢であるが、内圧上昇に対してはブローアウトパネル113の作動設定圧力以上の耐圧性はない。
【0021】
つぎに、図14により、従来の沸騰水型原子力プラントの燃料交換時の運転方法の一例について説明する。燃料交換時には、まず、原子炉の運転を停止し、原子炉内の水位を原子炉圧力容器2のフランジ2aのレベルまで上昇させる。原子炉ウェル11から遮蔽プラグ(図示せず。)を取り除く。さらに原子炉格納容器ヘッド9(図9、11を参照。)をフランジ10の位置で取り外す。それから原子炉圧力容器ヘッド2b(図9、11を参照。)をフランジ2aの位置で取り外す。それから原子炉圧力容器2内の水位を上昇させて原子炉ウェル11を満水にする。
【0022】
つぎに、機器ピット30の水門33(図10を参照。)を開き、機器ピット30を満水にする。つぎに、蒸気乾燥器を取り外し、機器ピット30に移送する。つぎに、湿分分離器を取り外し、機器ピット30に移送する。スロットプラグ24(図10を参照。)を取り外し、燃料プール20と原子炉ウェル11を連通する。つぎに、使用済み燃料を炉心1から燃料プール20に移送する。つぎに、新燃料を炉心1に装荷する。
【0023】
図14は、上記の一連の工程で、原子炉圧力容器ヘッド2b(図9、11を参照。)を取り外した直後で、原子炉圧力容器2内の水位はフランジ2aの位置にある状態を示したものである。
【0024】
燃料プール20には、プラントの運転とともに生じる使用済み燃料を保管する以外に、原子炉圧力容器2内の工事に伴い炉心燃料を取り出す必要がある際に炉心燃料を一時的に保管する役目もある。
【0025】
つぎに、従来のフィルターベントシステムについて、図15により説明する。フィルターベントシステム50は、チェルノビル原子力発電所の事故の後、欧州の原子力プラントで採用されている。福島第一原子力発電所の事故のあと日本のプラントの多くでも採用されている。
【0026】
図15は、従来のフィルターベントシステムの設計例を示す立断面図である。フィルターベントシステム50は、除染水52を蓄えたフィルターベント容器51と、原子炉格納容器3内のガスを除染水52に導く入り口配管53と、フィルターベント容器51の気相部のガスを環境に放出する出口配管54とを有する。
【0027】
フィルターベント容器51等の設置場所は建屋内に限定されない。フィルターベント容器51等は、既設炉に後から設置される場合は、原子炉建屋100の外部に設置されることが多い。一方、建設当初から設置する場合は原子炉建屋100等の内部に設置されることもある。
【0028】
除染水52の内部にベンチュリースクラッバー55を設置し、入り口配管53から導かれるガスをベンチュリースクラッバー55に通すタイプのものがあるが、ベンチュリースクラッバー55は必須ではない。また、フィルターベント容器51の気相部に金属ファイバーフィルター56を設置するタイプのものがあるが、金属ファイバーフィルター56は必須ではない。
【0029】
図15では、ベンチュリースクラッバー55と金属ファイバーフィルター56の両方を設けた場合について示している。入り口配管53には、一例として、隔離弁57が設けられ、また、これと並列にラプチャーディスク58が、また、ラプチャーディスク58の前後に常時開の隔離弁59a、59bが設置されている。
【0030】
また、出口配管54には出口弁60が設置されているが必須ではない。電動弁の代わりにラプチャーディスクを用いることも多い。従来のフィルターベントシステムでは、入り口配管53は、原子炉格納容器3内のガスを取リ入れるため、一端が原子炉格納容器3に直接接続されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0031】
【特許文献1】特開2004−333357号公報
【特許文献2】特開2014−81219号公報
【特許文献3】特開2014−10080号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0032】
従来の原子炉建屋100は耐圧性がなく、地震や水素爆轟の振動によってブローアウトパネル113が誤開放することがあった。また、過酷事故時に運転床エリア104に水素が発生すると、爆轟を防止するためにこれを積極的に環境に放出する必要があった。過酷事故時の水素には放射性物質が含まれているため水素を放出すると被ばくと土地汚染を発生させる恐れがあった。
【0033】
燃料交換時には原子炉圧力容器ヘッド2bと原子炉格納容器ヘッド9がともに取り外されるため、この状態で地震や津波によって長期の交流電源喪失が発生し、炉心溶融に至った場合は、水素と大量の放射性物質が直接運転床エリア104に放出され、ブローアウトパネル113が開放して環境に放出される恐れがあった。燃料プール20内に炉心燃料が移送されている場合には、燃料プール20の冷却が行われないと、損傷した燃料から放射性物質が放出され、ブローアウトパネル113から環境に放出される恐れがあった。原子炉格納容器3にフィルターベントシステム50が設置されていても、燃料交換時には、運転床エリア104からブローアウトパネル113を通って直接環境に放射性物質が放出されるので、フィルターベントシステム50はバイパスされて機能できない恐れがあった。
【0034】
したがって、燃料交換時等に運転床エリアに大量の水素と放射性物質が放出された場合でも水素の爆轟を防止でき放射性物質を大量に環境に放出しないようにすることが重要な課題である。また、燃料交換時等に長期の全交流電源喪失(SBO)が発生した場合であっても炉心燃料と使用済み燃料のいずれもが安全に冷却できることが重要な課題である。
【0035】
そこで、本発明の実施形態は、放射性物質が炉心燃料もしくは使用済み燃料から放出された場合でも、放射性物質が環境に漏えいすることを防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0036】
本発明の実施形態に係る運転床閉じ込め区画は、炉心を収容する原子炉圧力容器と、前記原子炉圧力容器を収納するドライウェルと、前記ドライウェルとLOCAベント管を介して連結された圧力抑制プールを下部に収納し上部にウェットウェル気相部を有するウェットウェルと、少なくとも前記ドライウェルと前記LOCAベント管と前記ウェットウェルとからなる原子炉格納容器と、原子炉格納容器ヘッドと主蒸気配管と、前記主蒸気配管を収納し耐圧性を有さない原子炉建屋の設備エリアとを有する原子力プラントの一部を構成する運転床閉じ込め区画において、前記原子炉格納容器ヘッドの周囲を囲む原子炉ウェルと、前記原子炉ウェルの周囲に設けられ耐圧性と漏えい抑制機能を有し前記原子炉建屋の設備エリアと連通する階段、エレベーター、エレベーターシャフト、機器ハッチを設けない運転床と、前記運転床を取り囲み耐圧性と漏えい抑制機能を有する側壁と、前記側壁の上部に設けられ耐圧性と漏えい抑制機能を有する天井と前記原子炉ウェルと燃料プールスロットを介して隣接し耐圧性と漏えい抑制機能を有する燃料プールと、前記原子炉ウェルと水門を介して隣接し耐圧性と漏えい抑制機能を有する機器ピットと、前記側壁に設けられた機器ハッチと、前記側壁に設けられたエアロックと、貫通部に設けられた隔離弁と、から成り、耐圧性と漏えい抑制機能を有する圧力バウンダリーを構成し前記原子炉格納容器ヘッドを介して前記原子炉格納容器と接し前記原子炉建屋の設備エリアから隔離されブローアウトパネルが設けられていないことを特徴とする。
【0037】
また、本発明の一つの実施形態に係る原子力プラントは、炉心と、前記炉心を収容する原子炉圧力容器と、前記原子炉圧力容器を収納するドライウェルと、前記ドライウェルとLOCAベント管を介して連結された圧力抑制プールを下部に収納し上部にウェットウェル気相部を有するウェットウェルと、少なくとも前記ドライウェルと前記LOCAベント管と前記ウェットウェルとからなる原子炉格納容器と、原子炉格納容器ヘッドと、前記原子炉格納容器ヘッドの周囲を囲む原子炉ウェルと主蒸気配管と、前記主蒸気配管を収納し耐圧性を有さない原子炉建屋の設備エリアと、前記原子炉ウェルの周囲に設けられ耐圧性と漏えい抑制機能を有し前記原子炉建屋の設備エリアと連通する階段、エレベーター、エレベーターシャフト、機器ハッチを設けない運転床と、前記運転床を取り囲み耐圧性と漏えい抑制機能を有する側壁と、前記側壁の上部に設けられ耐圧性と漏えい抑制機能を有する天井と、前記原子炉ウェルと燃料プールスロットを介して隣接し耐圧性と漏えい抑制機能を有する燃料プールと、前記原子炉ウェルと水門を介して隣接し耐圧性と漏えい抑制機能を有する機器ピットと、前記運転床と、前記運転床を取り囲む側壁と、前記側壁の上部に設けられた天井と、前記原子炉ウェルと、前記燃料プールと、前記機器ピットと、前記側壁に設けられた機器ハッチと、前記側壁に設けられたエアロックと、貫通部に設けられた隔離弁と、から成り、耐圧性と漏えい抑制機能を有する圧力バウンダリーを構成し、前記原子炉格納容器ヘッドを介して前記原子炉格納容器と接し、前記原子炉建屋の設備エリアから隔離されブローアウトパネルが設けられていない運転床閉じ込め区画と、から成ることを特徴とする。
【発明の効果】
【0039】
本発明の実施形態によれば、放射性物質が炉心燃料もしくは使用済み燃料から放出された場合でも、放射性物質が環境に漏えいすることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】本発明の第1の実施形態に係る原子力プラントにおける運転床閉じ込め区画まわりの構成を示す立面図(図2のI−I線矢視断面図)である。
図2】本発明の第1の実施形態に係る原子力プラントにおける運転床閉じ込め区画の運転床まわりの構成を示す平面図である。
図3】本発明の第1の実施形態に係る原子力プラントにおける運転床閉じ込め区画まわりの構成を示す立面図(図2のIII−III線矢視断面図)である。
図4】本発明の第2の実施形態に係る原子力プラントにおける運転床閉じ込め区画まわりの構成を示す立断面図(図2のI−I線矢視断面図)である。
図5】本発明の第3の実施形態に係る原子力プラントにおける運転床閉じ込め区画の運転床まわりの構成を示す平面図である。
図6】本発明の第3の実施形態に係る原子力プラントにおける運転床閉じ込め区画まわりの構成を示す立断面図(図5のVI−VI線矢視断面図)である。
図7】本発明の第3の実施形態の第1の変形例に係る原子力プラントにおける運転床閉じ込め区画まわりの構成を示す立断面図(図5のVI−VI線矢視断面図)である。
図8】本発明の第3の実施形態の第2の変形例に係る原子力プラントにおける運転床閉じ込め区画まわりの構成を示す立断面図(図5のVI−VI線矢視断面図)である。
図9】従来の沸騰水型原子力プラントの原子炉建屋の構成の例を示す立面図(図10のIX−IX線矢視断面図)である。
図10】従来の沸騰水型原子力プラントの原子炉建屋の運転床エリアまわりを示す平面図である。
図11】従来の沸騰水型原子力プラントの原子炉建屋の構成の例を示す立面図(図10のXI−XI線矢視断面図)である。
図12】従来の沸騰水型原子力プラントの原子炉格納容器の構成を示す平面図である。
図13】従来の沸騰水型原子力プラントの原子炉建屋の機器ハッチの位置での断面を示す立面図(図10のXIII−XIII線矢視断面図)である。
図14】従来の沸騰水型原子力プラントの燃料交換時の状態を示す構成の例を示す立面図(図10のXI−XI線矢視断面図)である。
図15】従来のフィルターベントシステムの設計例を示す立断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、図1図8を参照して本発明の実施形態に係る運転床閉じ込め区画およびこれを用いた原子力プラントについて説明する。ここで、前述の従来技術と同一または類似の部分について、また下記の実施形態どうしで同一または類似の部分については、共通の符号を付して、重複説明は省略し要部のみを説明する。
【0042】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る原子力プラントにおける運転床閉じ込め区画まわりの構成を示す立面図(図2のI−I線矢視断面図)である。また、図2は、本発明の第1の実施形態に係る原子力プラントにおける運転床閉じ込め区画の運転床まわりの構成を示す平面図である。また、図3は、本発明の第1の実施形態に係る原子力プラントにおける運転床閉じ込め区画まわりの構成を示す立面図(図2のIII−III線矢視断面図)である。図1および図3に示す実施形態は、RCCVと呼ばれる原子炉格納容器を使用しているが、原子炉格納容器の型式はRCCVに限定されない。圧力抑制プールによる圧力抑制機能を持つ全ての圧力抑制型の原子炉格納容器に普遍的に適用される。また、材質もSC造や鋼製など他のものも使用可能である。
【0043】
図1において、運転床閉じ込め区画40は、運転床41、側壁42、天井43、原子炉ウェル11によって構成される。運転床41、側壁42、天井43の材質は原子炉格納容器3と同じものが使用可能である。具体的には、鉄筋コンクリート製、SC造、鋼製が使用可能である。鉄筋コンクリート製の場合には、RCCVと同じようにライナーが敷設される。運転床41、側壁42、天井43は、耐圧性と漏えい抑制機能を有する圧力バウンダリー40aを構成する。その耐圧性は少なくとも原子炉格納容器3と同等であり、設計圧力は、たとえば、310kPaゲージ圧である。側壁42および天井43には、環境と連通するブローアウトパネルは設けない。すなわち、運転床閉じ込め区画40は、運転床41、側壁42、天井43および原子炉ウェル11によって気密に区画されて構成される。そして運転床閉じ込め区画40が気密に区画されたまま保たれる耐圧性が、少なくとも原子炉格納容器3の耐圧性と略等しくなるように構成される。
【0044】
図2および図3において、運転床41には燃料プール20と機器ピット30が設けられている。燃料プール20と機器ピット30の材質は従来のものと同じ鉄筋コンクリート製とSC造が使用可能である。鉄筋コンクリート製の場合にはライナーが敷設される。燃料プール20と機器ピット30は、耐圧性と漏えい抑制機能を有する圧力バウンダリー40aを構成する。その耐圧性は少なくとも原子炉格納容器3と同等であり、設計圧力は、たとえば、310kPaゲージ圧である。運転床41には、設備エリア105と連通する階段、エレベーター、エレベーターシャフト、機器ハッチは設けない。
【0045】
図2および図3において、運転床閉じ込め区画40への機器の搬出入用に開閉式で耐圧性と気密性のある機器ハッチ44を側壁42に設ける。機器ハッチ44は、たとえば、原子炉格納容器3に設けられている耐圧・気密性の機器ハッチ35(図9を参照。)を用いることができる。運転床閉じ込め区画40への運転員の出入り口として開閉式で耐圧性と気密性のあるエアロック45を側壁42に設ける。エアロック45は、たとえば、原子炉格納容器3に設けられている耐圧・気密性のエアロック36(図9を参照。)を用いることができる。
【0046】
図2および図3において、補助建屋114を原子炉建屋100に隣接して設ける。補助建屋114の各階は、原子炉建屋100の設備エリア105の各階と、開口部(図示せず。)を介して連通している。運転員の昇降のためのエレベーター111と階段112を補助建屋114内に設ける。これにより、運転員は補助建屋114の各階から設備エリア105の各階にアクセスすることができる。運転床閉じ込め区画40への運転員のアクセスはエアロック45を介して行うことができる。
【0047】
大物の設備を搬入するための機器ハッチ115とシャフト116を補助建屋114内に設ける。大物搬入口109を補助建屋114に設ける。大物の設備を釣り上げるための補助クレーン(図示せず。)を補助建屋114内に設置する。ブローアウトパネル113を補助建屋114の側壁に設ける。
【0048】
なお、さらに、側壁42に複数個のエアロックを設け、その個所にエレベーターと階段を設けた補助建屋をそれぞれ設けることで、運転員のアクセス性を向上することも可能である。
【0049】
図3において、空調ダクト等の貫通部46には、耐圧性と漏えい抑制機能のある隔離弁47および48を設ける。隔離弁47および48は、たとえば、原子炉格納容器3の隔離弁を用いることができる。隔離弁47および48は、運転床閉じ込め区画40の内部の放射線レベルと温度を計測し、放射能高あるいは温度高の信号で自動隔離することができる。隔離弁47および48が閉鎖した後は、運転床閉じ込め区画40は、耐圧性と漏えい抑制機能を有し放射性物質を閉じ込めることが可能になる。
【0050】
このように構成された本実施形態では、運転床閉じ込め区画40は、圧力バウンダリー40aを構成し、放射性物質が炉心燃料もしくは使用済み燃料から放出された場合でも、放射性物質が環境に漏えいすることを防止することができる。
【0051】
[第2の実施形態]
図4は、本発明の第2の実施形態に係る原子力プラントにおける運転床閉じ込め区画まわりの構成を示す立断面図(図2のI−I線矢視断面図)である。図4では、燃料交換作業の準備段階の状態を示している。すなわち、原子炉格納容器ヘッド9と原子炉圧力容器ヘッド2b(図1を参照。)はともに取り外されており、炉水位は原子炉圧力容器2のフランジ2aの高さにある。
【0052】
本実施形態では、運転床閉じ込め区画40内の雰囲気を外部にベントする外部ベント装置80が設けられている。外部ベント装置80は、運転床閉じ込め区画40の圧力バウンダリー40aを貫通するベント配管(外部ベント配管)81とベント配管81に設けられた隔離弁(外部ベント隔離弁)82a,82bとを備えている。この例ではベント配管81の外部の先端は外気に開放しているが、主排気筒75に導いても良い。隔離弁82a,82bは2弁設けているが、1弁であってもよい。
【0053】
また、本実施形態では、運転床閉じ込め区画40の雰囲気内の放射性物質を除去しつつ外部にベントする運転床閉じ込め区画フィルターベント装置85をさらに設けている。運転床閉じ込め区画フィルターベント装置85は、運転床閉じ込め区画40の外部に設けられたフィルターベント容器51と、運転床閉じ込め区画40の圧力バウンダリー40aを貫通してフィルターベント容器51に接続する配管(フィルターベント配管)83と、この配管83上に設けられた隔離弁(フィルターベント隔離弁)84とから成る。
【0054】
フィルターベント容器51には原子炉格納容器3から配管86も接続されていて、通常運転時に発生した過酷事故時には原子炉格納容器3からの雰囲気も処理できるようになっている。配管86には隔離弁87が設けられている。隔離弁87を開けることにより、原子炉格納容器3内の雰囲気を配管86によりフィルターベント容器51に導いて処理することができる。
【0055】
つぎに、図4により本実施形態の作用と効果について説明する。図4に示すように、プラントが燃料交換の準備段階にあり、原子炉格納容器ヘッド9と原子炉圧力容器ヘッド2b(図1を参照。)がともに取り外されて、炉水位は原子炉圧力容器2のフランジ2aの位置にある時に、巨大地震等によって全交流電源喪失が発生することを想定する。その場合、原子炉圧力容器2への注水ができなくなり、炉水が、炉心燃料が発する崩壊熱によって高温化して沸騰を開始する。そうすると、蒸気が運転床閉じ込め区画40内に充満し、運転床閉じ込め区画40内の温度も上昇する。
【0056】
炉水温度高(たとえば100℃)の信号により、空調ダクト等の隔離弁47、48(図3を参照。)を閉鎖するとともに、外部ベント装置80の隔離弁82a,82bを開にする。これらの弁の開閉操作は、自動信号で実施するが、時間的余裕があるので手動で実施してもよい。これらの弁の駆動は、過酷事故対策で別途設けられる代替電源もしくは代替窒素供給設備によって実施される。
【0057】
これにより、炉水が沸騰して発生する大量の蒸気は、外部ベント装置80によって環境に放出される。その際に、運転床閉じ込め区画40の雰囲気である空気も炉蒸気に随伴されて全て環境に放出される。その結果、しばらくたつと、運転床閉じ込め区画40内の雰囲気は全て水蒸気だけになる。仮に運転床閉じ込め区画40の自由空間体積を約40,000mとした場合に、運転床閉じ込め区画40の雰囲気が完全に蒸気だけになるのは1350MWeのABWRの場合では約6時間である。蒸気の発生により炉水位は低下するが、まだこの段階では炉心1の上端よりもかなり上にあり、炉心1は炉水により冷却されている。
【0058】
その後約5時間が経過すると、炉水位が炉心1の上端近傍まで低下して、炉水位低低信号が発せられる。炉水位低低信号が発生すると、自動的に外部ベント装置80を閉鎖して、代わりに運転床閉じ込め区画フィルターベント装置85の隔離弁84を開にする。これらの弁の開閉操作は、時間的余裕があるので、手動操作で実施してもよい。
【0059】
さらに約1時間が経ち、全交流電源喪失が発生してから約12時間が経過すると、炉心1の上端が露出して、炉心損傷が発生する。その後は、金属―水反応により大量の水素が発生するとともに、炉心燃料から放射性物質が発生する。水素はただちに運転床閉じ込め区画40に移行するが、この時点では運転床閉じ込め区画40の雰囲気は全て蒸気になっていて酸素は存在しないため爆轟することはない。炉心燃料から発生した水素と放射性物質は、既に開になっている運転床閉じ込め区画フィルターベント装置85によって処理されて、ほとんどの放射性物質は除去されて、ごく一部の放射性物質と水素が環境に放出される。
【0060】
このように、本実施形態によれば、燃料交換の準備段階で原子炉格納容器ヘッド9と原子炉圧力容器ヘッド2b(図1を参照。)がともに取り外されている状態で炉心熔融事故が発生しても、水素による爆轟も放射性物質の環境への放散も防止できる。
【0061】
原子炉格納容器ヘッド9と原子炉圧力容器ヘッド2bの取り外しには運転停止後1日以上の時間がかかるので、その間に放射性希ガスのほとんどは減衰している。そのため、運転床閉じ込め区画フィルターベント装置85から運転床閉じ込め区画40の雰囲気を放出しても、放射性希ガスの量は低減しているので、過大な被ばく線量を与えることはない。運転床閉じ込め区画フィルターベント装置85の配管83は運転床閉じ込め区画40の天井43の近傍に吸い込み口を設けるため、運転床閉じ込め区画40の上部に浮遊する水素も確実に外部に放出することができる。
【0062】
全交流電源喪失が発生して約16時間が経過すると、溶融した炉心燃料が原子炉圧力容器2の底部に移行するリロケーションという事象が発生する。原子炉圧力容器2の底部には炉水が残存しているので、溶融した炉心がリロケーションすると、残存している炉水を急速に加熱して水蒸気が発生する。この水蒸気が運転床閉じ込め区画40に移行して運転床閉じ込め区画フィルターベント装置85から放出される。その際、運転床閉じ込め区画40内に残存していた水素は全て蒸気とともに環境に放出され、運転床閉じ込め区画40の雰囲気は完全に水蒸気によって占められるようになる。これによって、仮に運転床閉じ込め区画40に何らかの理由により酸素を含む外気が流入しても、運転床閉じ込め区画40内で水素爆轟が発生する可能性は完全に排除される。
【0063】
このように、本実施形態によって、過酷事故時の物理現象のエネルギーを有効利用して運転床エリア104における水素爆轟の可能性と環境への放射性物質の過大な放出の可能性を排除することができる。
【0064】
[第3の実施形態]
図5は、本発明の第3の実施形態に係る原子力プラントにおける運転床閉じ込め区画の運転床まわりの構成を示す平面図である。また、図6は、本発明の第3の実施形態に係る原子力プラントにおける運転床閉じ込め区画まわりの構成を示す立断面図(図5のVI−VI線矢視断面図)である。図6では、燃料交換作業の準備段階の状態を示している。すなわち、原子炉格納容器ヘッド9と原子炉圧力容器ヘッド2b(図1を参照。)はともに取り外されている。
【0065】
図5において、本実施形態は、原子炉ウェル11と燃料プール20の間に設けられた原子炉ウェルオーバーフロー部14と、燃料プール20に設けられた燃料プールオーバーフロー部25と、運転床41の一部を窪ませて形成され運転床閉じ込め区画40の内部に設けられた運転床排水ピット16(図6を参照。)を備えている。
【0066】
原子炉ウェルオーバーフロー部14は、原子炉ウェル11の上端近くに設けられた排水用の排水溝もしくは排水配管である。また、燃料プールオーバーフロー部25は、燃料プール20の上端近くに設けられた排水用の排水溝もしくは排水配管である。
【0067】
また、図6において、本実施形態は、一端が運転床排水ピット16内に開口しもう一端がウェットウェル5に接続する排水配管17と、該排水配管17上に設けられた隔離弁(排水隔離弁)18と、一端が運転床閉じ込め区画40の雰囲気に開口しもう一端が原子炉格納容器3に接続して設けられた接続ベント管88と、接続ベント管88上に設けられた隔離弁(接続ベント隔離弁)89とをさらに有する。接続ベント管88の運転床閉じ込め区画40内の開口部は、排水配管17の運転床排水ピット16内の開口部よりも高い位置にある。また、本実施形態は、全交流電源喪失時に圧力抑制プール6のプール水を水源として原子炉圧力容器2に給水する代替給水系90と、代替電源91とをさらに有している。代替給水系90は、配管92と隔離弁93とを有している。
【0068】
つぎに、図5および図6に基づいて、本実施形態の作用と効果について説明する。プラントが燃料交換の準備段階にあり、原子炉格納容器ヘッド9と原子炉圧力容器ヘッド2bがともに取り外されて、炉水位は原子炉圧力容器2のフランジ2aの位置にある時に巨大地震等によって全交流電源喪失が発生することを想定する(図4を参照。)。この場合、原子炉圧力容器2への注水ができなくなり、炉水が、炉心燃料が発する崩壊熱によって高温化して沸騰を開始する。
【0069】
そうすると、蒸気が運転床閉じ込め区画40内に充満し、運転床閉じ込め区画40内の温度も上昇する。炉水温度高(たとえば100℃)の信号により、空調ダクト等の隔離弁47、48(図3を参照。)を閉鎖するとともに、外部ベント装置80の隔離弁82a,82bを開にする。これらの弁の開閉操作は、自動信号で実施するが、時間的余裕があるので手動で実施してもよい。これらの弁の駆動は過酷事故対策で別途設けられる代替電源もしくは代替窒素供給設備によって実施される。
【0070】
これにより、炉水が沸騰して発生する大量の蒸気は、外部ベント装置80によって環境に放出される。その際に、運転床閉じ込め区画40の雰囲気である空気も炉蒸気に随伴されて全て環境に放出される。その結果、しばらくたつと、運転床閉じ込め区画40内の雰囲気は全て水蒸気だけになる。仮に運転床閉じ込め区画40の自由空間体積を約40,000mとした場合に、運転床閉じ込め区画40の雰囲気が完全に蒸気だけになるのは1350MWeのABWRの場合では約7時間である。
【0071】
つぎに、炉水温度高の信号により、代替給水系90を代替電源91により起動する。代替給水系90は、圧力抑制プール6のプール水を配管92と隔離弁93を介して、ポンプ90aにより原子炉圧力容器2内に注水する。これにより炉水位は上昇し、代替給水系90の給水を約100m/hで実施した場合は、約12時間で原子炉ウェル11の上端に達する。図6における原子炉ウェル11の水位はこの状態を示している。代替給水系90の給水により蒸気の発生量が若干少なくなるので、その分、運転床閉じ込め区画40の雰囲気が完全に蒸気になるまでの時間は若干遅くなる。
【0072】
運転床閉じ込め区画40の雰囲気が完全に蒸気になった時点(約7時間後)に、外部ベント装置80を隔離して、代わりに隔離弁18および隔離弁89を開にする。運転床閉じ込め区画40の雰囲気が完全に蒸気になったことは、運転床閉じ込め区画40の雰囲気の温度と圧力を計測して圧力が飽和蒸気圧力に達したことにより判断する。
【0073】
約12時間後に原子炉ウェル11の水位が上端近くに達すると、原子炉ウェルオーバーフロー部14から炉水が燃料プール20の内部に流入する。これにより燃料プール20の水位が上端近くに達すると、燃料プール20内のプール水は燃料プールオーバーフロー部25から運転床排水ピット16の内部に流入する。運転床排水ピット16内の水は排水配管17によってウェットウェル5に排水され、圧力抑制プール6に還流する。
【0074】
これによって、代替給水系90が圧力抑制プール6のプール水を原子炉圧力容器2内に給水しても、圧力抑制プール6のプール水は枯渇することなく、代替給水系90は運転を継続することができる。圧力抑制プール6のプール水を循環して水源として使用することができる。これにより、全交流電源喪失が発生しても、原子炉と燃料プールを冷却するためにプラント外部から大量の水源を運んで確保する必要がなくなる。
【0075】
運転床閉じ込め区画40内の蒸気は、接続ベント管88により原子炉格納容器3内に放出される。
【0076】
図6に示すように、接続ベント管88の先端を圧力抑制プール6のプール水中に浸漬して設けた場合は、運転床閉じ込め区画40内の蒸気は圧力抑制プール6に移行して冷却されて凝縮する。
【0077】
図7は、本発明の第3の実施形態の第1の変形例に係る原子力プラントにおける運転床閉じ込め区画まわりの構成を示す立断面図(図5のVI−VI線矢視断面図)である。
【0078】
この第1の変形例では、接続ベント管88の先端をドライウェル4内に導く。この場合、ベントされた運転床閉じ込め区画40内の蒸気は、ドライウェル4内に移行した後にLOCAベント管8を介して圧力抑制プール6内で冷却されて凝縮する。
【0079】
図8は、本発明の第3の実施形態の第2の変形例に係る原子力プラントにおける運転床閉じ込め区画まわりの構成を示す立断面図(図5のVI−VI線矢視断面図)である。
【0080】
この第2の変形例では、接続ベント管88の先端をウェットウェル気相部7に導く。この場合は、運転床閉じ込め区画40内の蒸気はウェットウェル気相部7に移行する。この場合は運転床閉じ込め区画40内の蒸気は圧力抑制プール6のプール水によっては直接冷却されない。しかし、ウェットウェル気相部7の蒸気を直接吸引して冷却できる静的原子炉格納容器冷却系(図示せず)が別途設けられている場合には、接続ベント管88の先端をウェットウェル気相部7に導くことによってより効率的に原子炉格納容器3の冷却が可能になる。
【0081】
このように構成される第2の実施形態によって、燃料交換の準備段階で原子炉格納容器ヘッド9と原子炉圧力容器ヘッド2bがともに取り外された危険な状態で巨大地震が発生して全交流電源喪失が発生した場合であっても、原子炉圧力容器2内に注水して炉心燃料の健全性を維持し、原子炉ウェル11のオーバーフロー水を燃料プール20に導くことによって、外部水源に頼ることなく炉心燃料と燃料プール20内の燃料を同時に冷却することが可能になる。また、ウェットウェル気相部7の蒸気を直接吸引して冷却できる静的原子炉格納容器冷却系(図示せず。)と組み合わせて使用することによって原子炉格納容器3の冷却も同時に実施することが可能になる。
【0082】
[他の実施形態]
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明した。これら実施形態によれば、原子力プラントにおいて、放射性物質が炉心燃料もしくは使用済み燃料から放出された場合でも、放射性物質が環境に漏えいすることを防止することができる。また、運転床閉じ込め区画にはブローアウトパネルがなく、地震や水素爆轟の振動によってブローアウトパネルが誤開放することが防止できる。さらに過酷事故時に運転床エリアに水素が発生しても、事前に運転床閉じ込め区画の雰囲気を外部ベントして酸素のない状態にできるので、水素の爆轟を防止することができる。過酷事故時の水素には放射性物質が含まれているが、運転床閉じ込め区画フィルターベントシステムにより放射性物質を除去できるので、被ばくと土地汚染を防止できる。また、燃料交換時等に長期の全交流電源喪失が発生した場合であっても、炉心燃料と使用済み燃料のいずれもが安全に冷却でき、燃料の損傷を防止できる。しかしながら、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。
【0083】
また、各実施形態の特徴を組み合わせてもよい。
【0084】
さらに、これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。
【0085】
これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0086】
1…炉心、2…原子炉圧力容器、2a…フランジ、2b…原子炉圧力容器ヘッド、3…原子炉格納容器、4…ドライウェル、4a…トップスラブ、5…ウェットウェル、6…圧力抑制プール、7…ウェットウェル気相部、8…LOCAベント管、8a…水平ベント管、9…原子炉格納容器ヘッド、10…フランジ、11…原子炉ウェル、12…側壁、13…底部、14…原子炉ウェルオーバーフロー部、15…運転床、16…運転床排水ピット、17…排水配管、18…隔離弁(排水隔離弁)、20…燃料プール、21…側壁、22…床、23…燃料プールスロット、24…スロットプラグ、25…燃料プールオーバーフロー部、30…機器ピット、31…側壁、32…床、33…水門、34…パネル、35…機器ハッチ、36…エアロック、37…貫通部、38a,38b…原子炉格納容器隔離弁、40…運転床閉じ込め区画、40a…圧力バウンダリー、41…運転床、42…側壁、43…天井、44…機器ハッチ、45…エアロック、46…貫通部、47…隔離弁、48…隔離弁、50…フィルターベントシステム、51…フィルターベント容器、52…除染水、53…入り口配管、54…出口配管、55…ベンチュリースクラッバー、56…金属ファイバーフィルター、57…隔離弁、58…ラプチャーディスク、59a,59b…隔離弁、60…出口弁、61…ペデスタル、62…RPVスカート、63…RPVサポート、64…ペデスタルキャビティー、65…下部ドライウェル、66…上部ドライウェル、71…主蒸気配管、71a,71b…主蒸気隔離弁、75…主排気筒、80…外部ベント装置、81…ベント配管(外部ベント配管)、82a,82b…隔離弁(外部ベント隔離弁)、83…配管(フィルターベント配管)、84…隔離弁(フィルターベント隔離弁)、85…運転床閉じ込め区画フィルターベント装置、86…配管、87…隔離弁、88…接続ベント管、89…隔離弁(接続ベント隔離弁)、90…代替給水系、90a…ポンプ、91…代替電源、92…配管、93…隔離弁、100…原子炉建屋、101…マット、102…側壁、103…天井、104…運転床エリア、104a…運転床エリア側壁、104b…運転床エリア側壁、104c…運転床エリア天井、105…設備エリア、105a,105b…設備エリア側壁、106…機器ハッチ、107…開口部、108…シャフト、109…大物搬入口、110…フロアー、111…エレベーター、111a…エレベーターシャフト、112…階段、113…ブローアウトパネル、114…補助建屋、115…機器ハッチ、116…シャフト
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