特許第6572016号(P6572016)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6572016非水系二次電池活物質被覆用樹脂、非水系二次電池用被覆活物質及び非水系二次電池用被覆活物質の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6572016
(24)【登録日】2019年8月16日
(45)【発行日】2019年9月4日
(54)【発明の名称】非水系二次電池活物質被覆用樹脂、非水系二次電池用被覆活物質及び非水系二次電池用被覆活物質の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 4/36 20060101AFI20190826BHJP
   C08F 220/18 20060101ALI20190826BHJP
   H01M 4/525 20100101ALN20190826BHJP
   H01M 4/587 20100101ALN20190826BHJP
【FI】
   H01M4/36 C
   C08F220/18
   !H01M4/525
   !H01M4/587
【請求項の数】12
【全頁数】30
(21)【出願番号】特願2015-127842(P2015-127842)
(22)【出願日】2015年6月25日
(65)【公開番号】特開2017-10883(P2017-10883A)
(43)【公開日】2017年1月12日
【審査請求日】2018年2月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002288
【氏名又は名称】三洋化成工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】特許業務法人 安富国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西村 英起
(72)【発明者】
【氏名】水野 雄介
(72)【発明者】
【氏名】都藤 靖泰
(72)【発明者】
【氏名】進藤 康裕
(72)【発明者】
【氏名】草地 雄樹
(72)【発明者】
【氏名】大澤 康彦
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 一
(72)【発明者】
【氏名】赤間 弘
(72)【発明者】
【氏名】堀江 英明
【審査官】 渡部 朋也
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2015/005117(WO,A1)
【文献】 特開2000−048807(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/041184(WO,A1)
【文献】 国際公開第2013/154165(WO,A1)
【文献】 特開2014−203771(JP,A)
【文献】 特開2014−241235(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 4/36
C08F 220/18
H01M 4/525
H01M 4/587
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
炭素数4〜12の1価の脂肪族アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化合物(a11)及び(メタ)アクリル酸(a12)を含んでなる単量体組成物を重合してなり、前記エステル化合物(a11)と前記(メタ)アクリル酸(a12)の重量比[前記エステル化合物(a11)/前記(メタ)アクリル酸(a12)]が10/90〜90/10であり、前記単量体組成物が、更に重合性不飽和二重結合とアニオン性基とを有するアニオン性単量体の塩(a14)(ただし、スチレンスルホン酸リチウムを除く)を含有する非水系二次電池活物質被覆用樹脂。
【請求項2】
前記単量体組成物が、更に炭素数1〜3の1価の脂肪族アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化合物(a13)を含有する請求項1に記載の非水系二次電池活物質被覆用樹脂。
【請求項3】
前記エステル化合物(a13)の含有量が、前記単量体組成物の合計重量に基づいて10〜60重量%である請求項2に記載の非水系二次電池活物質被覆用樹脂。
【請求項4】
前記アニオン性単量体の塩(a14)がビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸及び(メタ)アクリル酸からなる群より選ばれる少なくとも1種のアニオン性単量体と、リチウム、ナトリウム、カリウム及びアンモニアから選ばれる少なくとも1種との塩である請求項1〜3のいずれかに記載の非水系二次電池活物質被覆用樹脂。
【請求項5】
前記アニオン性単量体の塩(a14)の含有量が、前記単量体組成物の合計重量に基づいて0.1〜15重量%である請求項1〜4のいずれかに記載の非水系二次電池活物質被覆用樹脂。
【請求項6】
前記(メタ)アクリル酸(a12)の含有量が、前記単量体組成物の合計重量に基づいて10〜90重量%である請求項1〜のいずれかに記載の非水系二次電池活物質被覆用樹脂。
【請求項7】
前記エステル化合物(a11)の含有量が、前記単量体組成物の合計重量に基づいて10〜90重量%である請求項1〜のいずれかに記載の非水系二次電池活物質被覆用樹脂。
【請求項8】
重量平均分子量が20,000〜500,000である請求項1〜のいずれかに記載の非水系二次電池活物質被覆用樹脂。
【請求項9】
請求項1〜のいずれかに記載の非水系二次電池活物質被覆用樹脂が非水系二次電池用活物質(Y)の表面に結着した非水系二次電池用被覆活物質。
【請求項10】
請求項1〜のいずれかに記載の非水系二次電池活物質被覆用樹脂をカルボキシル基と反応しうる官能基を2個以上有する架橋剤(b)によって架橋した架橋樹脂が非水系二次電池用活物質(Y)の表面に結着した非水系二次電池用被覆活物質。
【請求項11】
前記架橋剤(b)の含有量が前記非水系二次電池活物質被覆用樹脂の重量に基づいて1〜5重量%である請求項10に記載の非水系二次電池用被覆活物質。
【請求項12】
請求項1〜のいずれかに記載の非水系二次電池活物質被覆用樹脂を含有する樹脂溶液、カルボキシル基と反応しうる官能基を2個以上有する架橋剤(b)及び非水系二次電池用活物質(Y)を混合しながら有機溶剤を留去する樹脂被覆工程と、
前記非水系二次電池活物質被覆用樹脂と前記架橋剤(b)とを反応させる架橋工程とを有する非水系二次電池用被覆活物質の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非水系二次電池活物質被覆用樹脂、非水系二次電池用被覆活物質及び非水系二次電池用被覆活物質の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
リチウムイオン二次電池に代表される非水系二次電池は、一般に、正極又は負極活物質とバインダーと溶媒とを含むスラリーを正極用又は負極用集電体にそれぞれ塗布して電極を構成している。
バインダーには活物質及び導電助剤との密着性、電解液との親和性並びに耐高電圧分解性等が必要であり、正極で用いられる耐高電圧分解性に優れたバインダーとしてはポリフッ化ビニリデン(以下、PVdFと略記する)があり、負極では活物質や導電助剤との密着性の高いバインダーとしてスチレン・ブタジエンゴム(以下、SBRと略記する)及びカルボキシメチルセルロース(以下、CMCと略記する)が使用されている。
【0003】
しかしながら、PVdF、SBR及びCMCは活物質への接着性が充分ではなく剥離して電池の内部抵抗増加の原因となることがあった。活物質とバインダーとの剥離を防止するためにバインダーの添加量を増やすことが考えられるが、バインダーが増えることで電池の内部抵抗が増加し、電池内の活物質量が減少することで電池容量も減少してしまう。
そのため電池の内部抵抗が小さくサイクル特性を良好に維持できる非水系二次電池が望まれている。
【0004】
正極活物質としては、LiCoO等のリチウムを含む複合酸化物が利用可能であり、負極活物質としては、黒鉛系の材料、シリコン系の材料等が利用可能である。リチウムイオン二次電池の充放電過程においては、リチウムイオンの脱挿入反応が生じるため、正極活物質及び負極活物質には体積変化が生じ、十分なサイクル特性を発揮できないという課題がある。
【0005】
特許文献1には、充放電サイクル時の活物質の膨張/収縮によるストレスを受けにくい正極として、活物質の表面を導電剤とバインダーとの複合被覆により被覆された正極活物質材料を用いた正極が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−265668号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に記載のリチウムイオン二次電池は電池の内部抵抗が十分に低いものでは無く、サイクル特性も十分では無かった。
【0008】
本発明が解決しようとする課題は、電池の内部抵抗が低くサイクル特性を良好に維持できるリチウムイオン二次電池を製造可能な非水系二次電池活物質被覆用樹脂及びそれを被覆した活物質を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、上記の目的を達成すべく鋭意検討を行った結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、炭素数4〜12の1価の脂肪族アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化合物(a11)及び(メタ)アクリル酸(a12)を含んでなる単量体組成物を重合してなり、上記エステル化合物(a11)と上記(メタ)アクリル酸(a12)の重量比[上記エステル化合物(a11)/上記(メタ)アクリル酸(a12)]が10/90〜90/10である非水系二次電池活物質被覆用樹脂;この非水系二次電池活物質被覆用樹脂が非水系二次電池用活物質(Y)の表面に結着した非水系二次電池用被覆活物質;この非水系二次電池活物質被覆用樹脂をカルボキシル基と反応しうる官能基を2個以上有する架橋剤(b)によって架橋した架橋樹脂が非水系二次電池用活物質(Y)の表面に結着した非水系二次電池用被覆活物質;並びにこの非水系二次電池活物質被覆用樹脂を含有する樹脂溶液、カルボキシル基と反応しうる官能基を2個以上有する架橋剤(b)及び非水系二次電池用活物質(Y)を混合しながら有機溶剤を留去する樹脂被覆工程と、該非水系二次電池活物質被覆用樹脂と該架橋剤(b)とを反応させる架橋工程とを有する非水系二次電池用被覆活物質の製造方法である。
【発明の効果】
【0010】
本発明の非水系二次電池活物質被覆用樹脂は活物質との接着性に優れ、かつ、電極にした場合の電気伝導率が高いため、非水系二次電池用活物質の表面を被覆することにより電池の内部抵抗の増加を抑制し、継続的な使用においても活物質表面から剥離することがない。また、そのため、電池の内部抵抗を増加させることなく、サイクル特性を良好に維持できる非水系二次電池を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の非水系二次電池活物質被覆用樹脂は、炭素数4〜12の1価の脂肪族アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化合物(a11)及び(メタ)アクリル酸(a12)を含んでなる単量体組成物を重合してなり、上記エステル化合物(a11)と上記(メタ)アクリル酸(a12)の重量比[上記エステル化合物(a11)/上記(メタ)アクリル酸(a12)]が10/90〜90/10である。
【0012】
エステル化合物(a11)の含有量は、活物質との接着性等の観点から、単量体組成物の合計重量に基づいて10〜90重量%であることが好ましく、より好ましくは15〜75重量%であり、更に好ましくは20〜60重量%である。
【0013】
まず、エステル化合物(a11)を構成する炭素数4〜12の1価の脂肪族アルコールについて説明する。
炭素数4〜12の1価の脂肪族アルコールとしては、ブチルアルコール(n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール)、ペンチルアルコール(n−ペンチルアルコール、2−ペンチルアルコール及びネオペンチルアルコール等)、ヘキシルアルコール(1−ヘキサノール、2−ヘキサノール及び3−ヘキサノール等)、ヘプチルアルコール(n−ヘプチルアルコール、1−メチルヘキシルアルコール及び2−メチルヘキシルアルコール等)、オクチルアルコール(n−オクチルアルコール、1−メチルヘプタノール、1−エチルヘキサノール、2−メチルヘプタノール及び2−エチルヘキサノール等)、ノニルアルコール(n−ノニルアルコール、1−メチルオクタノール、1−エチルヘプタノール、1−プロピルヘキサノール及び2−エチルヘプチルアルコール等)、デシルアルコール(n−デシルアルコール、1−メチルノニルアルコール、2−メチルノニルアルコール及び2−エチルオクチルアルコール等)、ウンデシルアルコール(n−ウンデシルアルコール、1−メチルデシルアルコール、2−メチルデシルアルコール及び2−エチルノニルアルコール等)、ラウリルアルコール(n−ラウリルアルコール、1−メチルウンデシルアルコール、2−メチルウンデシルアルコール、2−エチルデシルアルコール及び2−ブチルヘキシルアルコール等)等が挙げられる。
【0014】
続いて、(メタ)アクリル酸(a12)について説明する。
本明細書において、(メタ)アクリル酸は、アクリル酸及び/又はメタクリル酸を示しており、アクリル酸とメタクリル酸の混合物であってもよい。
【0015】
本発明の非水系二次電池活物質被覆用樹脂を構成する単量体組成物は、エステル化合物(a11)と(メタ)アクリル酸(a12)の重量比が10/90〜90/10であるため、これを重合してなる樹脂は、活物質との接着性が良好で剥離しにくい。
上記重量比は、より好ましくは30/70〜85/15であり、更に好ましくは40/60〜70/30である。
【0016】
(メタ)アクリル酸(a12)の含有量は、活物質との接着性等の観点から、単量体組成物の合計重量に基づいて10〜90重量%であることが好ましく、より好ましくは15〜65重量%であり、更に好ましくは20〜60重量%である。
【0017】
本発明の非水系二次電池活物質被覆用樹脂を構成する単量体組成物は、更に炭素数1〜3の1価の脂肪族アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル化合物(a13)を含有することが好ましい。エステル化合物(a13)を含有することで活物質に被覆した樹脂による活物質の体積変化を抑制する効果が更に良好となる。
エステル化合物(a13)を構成する炭素数1〜3の1価の脂肪族アルコールとしては、メタノール、エタノール、1−プロパノール及び2−プロパノール等が挙げられる。
【0018】
エステル化合物(a13)の含有量は、活物質の体積変化抑制等の観点から、単量体組成物の合計重量に基づいて、10〜60重量%であることが好ましく、より好ましくは15〜55重量%であり、更に好ましくは20〜50重量%である。
【0019】
本発明の非水系二次電池活物質被覆用樹脂は、内部抵抗等の観点から、更に、重合性不飽和二重結合とアニオン性基とを有するアニオン性単量体の塩(a14)を含有することが好ましい。
重合性不飽和二重結合を有する構造としてはビニル基、アリル基、スチレニル基及び(メタ)アクリロイル基等が挙げられる。
アニオン性基としては、スルホン酸基及びカルボキシル基等が挙げられる。
重合性不飽和二重結合とアニオン性基とを有するアニオン性単量体はこれらの組み合わせにより得られる化合物であり、例えばビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸及び(メタ)アクリル酸が挙げられる。
なお、(メタ)アクリロイル基は、アクリロイル基及び/又はメタクリロイル基を意味する。
アニオン性単量体の塩(a14)を構成するカチオンとしては、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン及びアンモニウムイオン等が挙げられる。
【0020】
アニオン性単量体の塩(a14)としては、アリルスルホン酸ナトリウム、スチレンスルホン酸リチウム、スチレンスルホン酸ナトリウム及びメタクリル酸リチウム等が挙げられる。
【0021】
アニオン性単量体の塩(a14)の含有量は、内部抵抗等の観点から、単量体組成物の合計重量に基づいて0.1〜15重量%であることが好ましく、より好ましくは1〜15重量%であり、更に好ましくは2〜10重量%である。
【0022】
本発明の非水系二次電池活物質被覆用樹脂の重量平均分子量は、活物質との接着性等の観点から、20,000〜500,000であることが好ましく、より好ましくは22,000〜480,000であり、更に好ましくは25,000〜450,000である。
なお、本明細書における非水系二次電池活物質被覆用樹脂の重量平均分子量は、以下の条件で測定したゲルパーミエーションクロマトグラフィ(以下、GPCと略記する)により測定される。
<GPCの測定条件>
装置:Alliance GPC V2000(Waters社製)
溶媒:オルトジクロロベンゼン
標準物質:ポリスチレン
サンプル濃度:3mg/ml
カラム固定相:PLgel 10μm、MIXED−B 2本直列(ポリマーラボラトリーズ社製)
カラム温度:135℃
【0023】
単量体組成物には、エステル化合物(a11)、(メタ)アクリル酸(a12)、エステル化合物(a13)及びアニオン性単量体の塩(a14)の他に、活性水素を含有しない共重合性ビニルモノマー(c)が含まれていてもよい。
活性水素を含有しない共重合性ビニルモノマー(c)としては、下記(c1)〜(c5)が挙げられる。
なお、単量体組成物に(c)が含まれる場合、単量体組成物の合計重量に(c)の重量も計上することとする。
活性水素を含有しない共重合性ビニルモノマーの含有量は、単量体組成物の合計重量に基づいて0.5〜15重量%であることが好ましく、より好ましくは1〜15重量%であり、更に好ましくは2〜10重量%である。
【0024】
(c1)炭素数13〜20のモノオールと(メタ)アクリル酸から形成されるカルビル(メタ)アクリレート
上記モノオールとしては、(i)炭素数13〜20の脂肪族モノオール(トリデシルアルコール、テトラデシルアルコール、ペンタデシルアルコール、セチルアルコール、ヘプタデシルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ノナデシルアルコール、アラキジルアルコール等)、(ii)脂環式モノオール(シクロヘキシルアルコール等)、(iii)芳香脂肪族モノオール(ベンジルアルコール等)及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
【0025】
(c2)ポリ(n=2〜30)オキシアルキレン(炭素数2〜4)アルキル(炭素数1〜18)エーテル(メタ)アクリレート[メタノールのエチレンオキシド(以下EOと略記)10モル付加物(メタ)アクリレート、メタノールのプロピレンオキシド(以下POと略記)10モル付加物(メタ)アクリレート等]。
【0026】
(c3)窒素含有ビニル化合物
(c3−1)アミド基含有ビニル化合物
(i)炭素数3〜30の(メタ)アクリルアミド化合物、例えばN,N−ジアルキル(炭素数1〜6)又はジアラルキル(炭素数7〜15)(メタ)アクリルアミド(N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジベンジルアクリルアミド等)及びジアセトンアクリルアミド。
(ii)上記(メタ)アクリルアミド化合物を除く、炭素数4〜20のアミド基含有ビニル化合物、例えばN−メチル−N−ビニルアセトアミド、環状アミド[炭素数6〜13のピロリドン化合物(N−ビニルピロリドン等)]。
【0027】
(c3−2)(メタ)アクリレート化合物
(i)ジアルキル(炭素数1〜4)アミノアルキル(炭素数1〜4)(メタ)アクリレート[N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート及びモルホリノエチル(メタ)アクリレート等]。
(ii)4級アンモニウム基含有(メタ)アクリレート{3級アミノ基含有(メタ)アクリレート[N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート及びN,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等]をハロゲン化アルキル等の4級化剤を用いて4級化した4級化物等}。
【0028】
(c3−3)複素環含有ビニル化合物
炭素数7〜14のピリジン化合物(2−及び4−ビニルピリジン等)、炭素数5〜12のイミダゾール化合物(N−ビニルイミダゾール等)、炭素数6〜13のピロール化合物(N−ビニルピロール等)及び炭素数6〜13のピロリドン化合物(N−ビニル−2−ピロリドン等)。
【0029】
(c3−4)ニトリル基含有ビニル化合物
炭素数3〜15のニトリル基含有ビニル化合物[(メタ)アクリロニトリル、シアノスチレン及びシアノアルキル(炭素数1〜4)アクリレート等]。
【0030】
(c3−5)その他ビニル化合物
炭素数8〜16のニトロ基含有ビニル化合物(ニトロスチレン等)等。
【0031】
(c4)ビニル炭化水素
(c4−1)脂肪族ビニル炭化水素
炭素数2〜18又はそれ以上のオレフィン(エチレン、プロピレン、ブテン、イソブチレン、ペンテン、ヘプテン、ジイソブチレン、オクテン、ドデセン及びオクタデセン等)、炭素数4〜10又はそれ以上のジエン(ブタジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン及び1,7−オクタジエン等)等。
【0032】
(c4−2)脂環式ビニル炭化水素
炭素数4〜18又はそれ以上の環状不飽和化合物{シクロアルケン(シクロヘキセン等)、(ジ)シクロアルカジエン[(ジ)シクロペンタジエン等]、テルペン(ピネン、リモネン及びインデン等)}。
【0033】
(c4−3)芳香族ビニル炭化水素
炭素数8〜20又はそれ以上の芳香族不飽和化合物及びそれらの誘導体(スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、フェニルスチレン、シクロヘキシルスチレン及びベンジルスチレン等)等。
【0034】
(c5)ビニルエステル、ビニルエーテル、ビニルケトン及び不飽和ジカルボン酸ジエステル
(c5−1)ビニルエステル
脂肪族ビニルエステル[炭素数4〜15の脂肪族カルボン酸(モノ−又はジカルボン酸)のアルケニルエステル(酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ジアリルアジペート、イソプロペニルアセテート及びビニルメトキシアセテート等)等]。
芳香族ビニルエステル[炭素数9〜20の芳香族カルボン酸(モノ−又はジカルボン酸)のアルケニルエステル(ビニルベンゾエート、ジアリルフタレート及びメチル−4−ビニルベンゾエート等)及び脂肪族カルボン酸の芳香環含有エステル(アセトキシスチレン等)等]。
【0035】
(c5−2)ビニルエーテル
脂肪族ビニルエーテル[炭素数3〜15のビニルアルキル(炭素数1〜10)エーテル(ビニルメチルエーテル、ビニルブチルエーテル及びビニル2−エチルヘキシルエーテル等)、ビニルアルコキシ(炭素数1〜6)アルキル(炭素数1〜4)エーテル(ビニル−2−メトキシエチルエーテル、メトキシブタジエン、3,4−ジヒドロ−1,2−ピラン、2−ブトキシ−2’−ビニロキシジエチルエーテル及びビニル−2−エチルメルカプトエチルエーテル等)、ポリ(2〜4)(メタ)アリロキシアルカン(炭素数2〜6)(ジアリロキシエタン、トリアリロキシエタン、テトラアリロキシブタン及びテトラメタアリロキシエタン等)等]。
炭素数8〜20の芳香族ビニルエーテル(ビニルフェニルエーテル及びフェノキシスチレン等)。
【0036】
(c5−3)ビニルケトン
炭素数4〜25の脂肪族ビニルケトン(ビニルメチルケトン及びビニルエチルケトン等)。
炭素数9〜21の芳香族ビニルケトン(ビニルフェニルケトン等)。
【0037】
(c5−4)不飽和ジカルボン酸ジエステル
炭素数4〜34の不飽和ジカルボン酸ジエステル[ジアルキルフマレート(2個のアルキル基は、炭素数1〜22の、直鎖、分枝鎖もしくは脂環式の基)及びジアルキルマレエート(2個のアルキル基は、炭素数1〜22の、直鎖、分枝鎖もしくは脂環式の基)
【0038】
本発明の非水系二次電池活物質被覆用樹脂のガラス転移点[以下Tgと略記、測定法:DSC(走査型示差熱分析)法]は、電池の耐熱性の観点から好ましくは50〜200℃、更に好ましくは70〜180℃、特に好ましくは80〜150℃である。
【0039】
本発明の非水系二次電池活物質被覆用樹脂を構成する単量体組成物を重合させる方法としては、公知の重合方法(塊状重合、溶液重合、乳化重合、懸濁重合等)を用いることができる。
重合に際しては、公知の重合開始剤{アゾ系開始剤[2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)及び2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)等]、パーオキシド系開始剤(ベンゾイルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド及びラウリルパーオキシド等)等}を使用して行うことができる。
重合開始剤の使用量は、モノマーの全重量に基づいて好ましくは0.01〜5重量%、より好ましくは0.05〜2重量%である。
なお、モノマーとは単量体組成物を構成する各単量体[例えばエステル化合物(a11)、(メタ)アクリル酸(a12)、エステル化合物(a13)、アニオン性単量体の塩(a14)及び活性水素を含有しない共重合性ビニルモノマー(c)]を指す。
【0040】
溶液重合の場合に使用される溶媒としては、例えばエステル(炭素数2〜8、例えば酢酸エチル及び酢酸ブチル)、アルコール(炭素数1〜8、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール及びオクタノール)、炭素数5〜8の直鎖、分岐又は環状構造を持つ炭化水素(例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、トルエン及びキシレン)、アミド[例えばN,N−ジメチルホルムアミド(以下、DMFと略記)及びジメチルアセトアミド]及びケトン(炭素数3〜9、例えばメチルエチルケトン)が挙げられ、使用量はモノマーの合計重量に基づいて通常5〜900%、好ましくは10〜400%であり、モノマー濃度としては、通常10〜95重量%、好ましくは20〜90重量%である。
【0041】
乳化重合及び懸濁重合における分散媒としては、水、アルコール(例えばエタノール)、エステル(例えばプロピオン酸エチル)及び軽ナフサ等が挙げられ、乳化剤としては、高級脂肪酸(炭素数10〜24)金属塩(例えばオレイン酸ナトリウム及びステアリン酸ナトリウム)、高級アルコール(炭素数10〜24)硫酸エステル金属塩(例えばラウリル硫酸ナトリウム)、エトキシ化テトラメチルデシンジオール、メタクリル酸スルホエチルナトリウム及びメタクリル酸ジメチルアミノメチル等が挙げられる。さらに安定剤としてポリビニルアルコール及びポリビニルピロリドン等を加えてもよい。
溶液又は分散液のモノマー濃度は通常5〜95重量%、重合開始剤の使用量は、モノマーの全重量に基づいて通常0.01〜5%、粘着力及び凝集力の観点から好ましくは0.05〜2%である。
重合に際しては、公知の連鎖移動剤、例えばメルカプト化合物(ドデシルメルカプタン及びn−ブチルメルカプタン等)及びハロゲン化炭化水素(四塩化炭素、四臭化炭素及び塩化ベンジル等)を使用することができる。使用量はモノマーの全重量に基づいて通常2%以下、粘着力及び凝集力の観点から好ましくは0.5%以下である。
【0042】
また、重合反応における系内温度は通常−5〜150℃、好ましくは30〜120℃、反応時間は通常0.1〜50時間、好ましくは2〜24時間であり、反応の終点は、未反応単量体の量が使用した単量体全量の通常5重量%以下、好ましくは1重量%以下となることにより確認できる。
【0043】
本発明の非水系二次電池用被覆活物質は、本発明の非水系二次電池活物質被覆用樹脂が非水系二次電池用活物質(Y)の表面に結着したものである。
なお、電池の内部抵抗等の観点から、本発明の非水系二次電池用被覆活物質には導電助剤(X)を用いることが好ましい。すなわち、非水系二次電池用被覆活物質は、本発明の非水系二次電池活物質被覆用樹脂と導電助剤(X)とが非水系二次電池用活物質(Y)の表面に結着したものであってもよい。
また、本発明の非水系二次電池用被覆活物質を被覆している本発明の非水系二次電池活物質被覆用樹脂は、後述するカルボキシル基と反応しうる官能基を2個以上有する架橋剤(b)によって架橋されていてもよい。
【0044】
導電助剤(X)としては、導電性を有する材料から選択される。
具体的には、金属[アルミニウム、ステンレス(SUS)、銀、金、銅及びチタン等]、カーボン[グラファイト及びカーボンブラック(アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック及びサーマルランプブラック等)等]、及びこれらの混合物等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
これらの導電助剤(X)は1種単独で用いられてもよいし、2種以上併用してもよい。また、これらの合金又は金属酸化物が用いられてもよい。電気的安定性の観点から、好ましくはアルミニウム、ステンレス、カーボン、銀、金、銅、チタン及びこれらの混合物であり、更に好ましくは銀、金、アルミニウム、ステンレス及びカーボンであり、特に好ましくはカーボンである。またこれらの導電助剤(X)とは、粒子系セラミック材料や樹脂材料の周りに導電性材料[上記した(X)のうち金属のもの]をめっき等でコーティングしたものでもよい。
【0045】
導電助剤(X)の形状(形態)は、粒子形態に限られず、粒子形態以外の形態であってもよく、カーボンナノファイバー、カーボンナノチューブ等、いわゆるフィラー系導電性樹脂組成物として実用化されている形態であってもよい。
【0046】
導電助剤(X)の平均粒子径は、特に限定されるものではないが、電池の電気特性の観点から、0.01〜10μm程度であることが好ましい。なお、本明細書中において、「粒子径」とは、導電助剤(X)の輪郭線上の任意の2点間の距離のうち、最大の距離Lを意味する。「平均粒子径」の値としては、走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)等の観察手段を用い、数〜数十視野中に観察される粒子の粒子径の平均値として算出される値を採用するものとする。
【0047】
非水系二次電池活物質被覆用樹脂と導電助剤(X)の配合比率は特に限定されるものではないが、電池の内部抵抗等の観点から、重量比率で非水系二次電池活物質被覆用樹脂(樹脂固形分重量):導電助剤(X)=1:0.01〜1:50であることが好ましく、1:0.2〜1:3.0であることがより好ましい。
【0048】
本発明の非水系二次電池用被覆活物質は、本発明の非水系二次電池活物質被覆用樹脂、非水系二次電池用活物質(Y)及び必要に応じて導電助剤(X)を混合することによって製造することができる。
非水系二次電池活物質被覆用樹脂、非水系二次電池用活物質(Y)及び導電助剤(X)を混合する順番は特に限定されず、例えば、事前に混合した非水系二次電池活物質被覆用樹脂と導電助剤(X)からなる樹脂組成物を非水系二次電池用活物質(Y)とさらに混合してもよいし、非水系二次電池活物質被覆用樹脂、非水系二次電池用活物質(Y)及び導電助剤(X)を同時に混合してもよいし、非水系二次電池用活物質(Y)に非水系二次電池活物質被覆用樹脂を混合し、さらに導電助剤(X)を混合してもよい。
【0049】
本発明の非水系二次電池用被覆活物質は、本発明の非水系二次電池活物質被覆用樹脂をカルボキシル基と反応しうる官能基を2個以上有する架橋剤(b)によって架橋した架橋樹脂、及び、必要に応じて添加される導電助剤(X)が非水系二次電池用活物質(Y)の表面に結着したものであってもよい。
【0050】
架橋剤(b)は、カルボキシル基と反応し得る官能基を2個以上有する。
カルボキシル基と反応しうる官能基としてはヒドロキシル基、エポキシ基等が挙げられる。上記官能基を2個以上有する化合物としては、例えば、エポキシ基を2個以上有するポリエポキシ化合物(b1)及びヒドロキシル基を2個以上有するポリオール化合物(b2)が挙げられる。
【0051】
ポリエポキシ化合物(b1)としては、例えば、エポキシ当量80〜2,500のもの、例えばグリシジルエーテル[ビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ピロガロールトリグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル(ペンタエリスリトールジグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールトリグリシジルエーテル及びペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル等)、ポリエチレングリコール(Mw200〜2,000)ジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコール(Mw200〜2,000)ジグリシジルエーテル及びビスフェノールAのアルキレンオキシド1〜20モル付加物のジグリシジルエーテル等];グリシジルエステル(フタル酸ジグリシジルエステル、トリメリット酸トリグリシジルエステル、ダイマー酸ジグリシジルエステル及びアジピン酸ジグリシジルエステル等);グリシジルアミン(N,N−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシジルトルイジン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルキシリレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン及びN,N,N’,N’−テトラグリシジルヘキサメチレンジアミン等);脂肪族エポキシド(エポキシ化ポリブタジエン及びエポキシ化大豆油等);脂環式エポキシド(リモネンジオキシド及びジシクロペンタジエンジオキシド等)が挙げられる。
【0052】
ポリオール化合物(b2)としては、例えば、低分子多価アルコール{炭素数2〜20の脂肪族及び脂環式のジオール[エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチルペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,9−ノナンジオール、1,4−ジヒドロキシシクロヘキサン、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン及び2,2−ビス(4,4’−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン等];炭素数8〜15の芳香環含有ジオール[m−又はp−キシリレングリコール及び1,4−ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼン等];炭素数3〜8のトリオール(グリセリン及びトリメチロールプロパン等);4価以上の多価アルコール[ペンタエリスリトール、α−メチルグルコシド、ソルビトール、キシリット、マンニット、グルコース、フルクトース、ショ糖、ジペンタエリスリトール及びポリグリセリン(重合度2〜20)等]等}及びこれらのアルキレン(炭素数2〜4)オキサイド付加物(重合度=2〜30)が挙げられる。
【0053】
架橋剤(b)を用い本発明の非水系二次電池活物質被覆用樹脂を架橋することにより、樹脂強度及び電解液に対する耐性をより向上させることができる。
【0054】
架橋剤(b)の含有量は、非水系二次電池活物質被覆用樹脂の重量に基づいて1〜5重量%であることが好ましい。
【0055】
架橋剤(b)を用いて非水系二次電池活物質用被覆樹脂を架橋する方法としては、非水系二次電池用活物質(Y)を本発明の非水系二次電池活物質被覆用樹脂で被覆した後に架橋する方法、及び、被覆しながら同時に架橋する方法が挙げられる。
被覆した後に架橋する方法としては、具体的には、非水系二次電池用活物質(Y)と本発明の非水系二次電池活物質被覆用樹脂を含む樹脂溶液を混合し脱溶剤することにより、二次電池用活物質が樹脂で被覆された被覆活物質を製造した後に、架橋剤(b)を含む溶液を被覆活物質に混合して加熱することにより、脱溶剤と架橋反応を生じさせて、得られた架橋重合体で二次電池用活物質を被覆する方法が挙げられる。
被覆しながら同時に架橋する方法としては、具体的には、本発明の非水系二次電池活物質被覆用樹脂を含む樹脂溶液と架橋剤(b)とを含む混合溶液を被覆活物質と共に混合した後に脱溶媒し、脱溶媒と同時に架橋反応を生じさせて、架橋重合体の作製と同時にこの架橋重合体によって二次電池用活物質を被覆する方法が挙げられる。
加熱温度は、架橋剤としてポリエポキシ化合物(b1)を用いる場合は120℃以上とすることが好ましく、ポリオール化合物(b2)を用いる場合は190℃以上とすることが好ましい。
【0056】
非水系二次電池用活物質(Y)としては、リチウムイオン二次電池用正極活物質(Y1)及びリチウムイオン二次電池用負極活物質(Y2)が挙げられる。
リチウムイオン二次電池用正極活物質(Y1)は、リチウムイオン二次電池の正極活物質として用いることができるものであれば特に限定されないが、好ましいものとしてはリチウムと遷移金属との複合酸化物{遷移金属が1種である複合酸化物(LiCoO、LiNiO、LiAlMnO、LiMnO及びLiMn等)、遷移金属元素が2種である複合酸化物(例えばLiFeMnO、LiNi1−xCo、LiMn1−yCo、LiNi1/3Co1/3Al1/3及びLiNi0.8Co0.15Al0.05)及び金属元素が3種類以上である複合酸化物[例えばLiMM’M’’(M、M’及びM’’はそれぞれ異なる遷移金属元素であり、a+b+c=1を満たす。例えばLiNi1/3Mn1/3Co1/3)等]等}、リチウム含有遷移金属リン酸塩(例えばLiFePO、LiCoPO、LiMnPO及びLiNiPO)、遷移金属酸化物(例えばMnO及びV)、遷移金属硫化物(例えばMoS及びTiS)及び導電性高分子(例えばポリアニリン、ポリフッ化ビニリデン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン及びポリ−p−フェニレン及びポリカルバゾール)等が挙げられ、2種以上を併用してもよい。
なお、リチウム含有遷移金属リン酸塩は、遷移金属サイトの一部を他の遷移金属で置換したものであってもよい。
リチウムイオン二次電池用負極活物質(Y2)は、リチウムイオン二次電池の負極活物質として用いることができるものであれば特に制限されないが、好ましいものとしては黒鉛、アモルファス炭素、高分子化合物焼成体(例えばフェノール樹脂及びフラン樹脂等を焼成し炭素化したもの)、コークス類(例えばピッチコークス、ニードルコークス及び石油コークス)、炭素繊維、導電性高分子(例えばポリアセチレン、ポリキノリン及びポリピロール)、スズ、シリコン、及び金属合金(例えばリチウム−スズ合金、リチウム−シリコン合金、リチウム−アルミニウム合金及びリチウム−アルミニウム−マンガン合金)等が挙げられる。
【0057】
本発明の非水系二次電池用被覆活物質は、非水系二次電池用活物質(Y)を本発明の非水系二次電池活物質被覆用樹脂で被覆することで得ることができ、例えば、非水系二次電池用活物質(Y)を万能混合機に入れて30〜500rpmで撹拌した状態で、非水系二次電池活物質被覆用樹脂を含む樹脂溶液を1〜90分かけて滴下混合し、さらに必要に応じて導電助剤(X)を混合し、撹拌したまま50〜200℃に昇温し、0.007〜0.04MPaまで減圧した後に10〜150分保持することにより得ることができる。
【0058】
本発明の非水系二次電池用被覆活物質における非水系二次電池用活物質(Y)と非水系二次電池活物質被覆用樹脂の配合比率は特に限定されるものではないが、重量比率で非水系二次電池用活物質(Y):非水系二次電池活物質被覆用樹脂=1:0.001〜1:0.1であることが好ましい。
【0059】
本発明の非水系二次電池用被覆活物質のうち、本発明の非水系二次電池被覆活物質用樹脂をカルボキシル基と反応しうる官能基を2個以上有する架橋剤(b)によって架橋した架橋樹脂(以下、架橋重合体ともいう)が非水系二次電池用活物質(Y)の表面に結着した非水系二次電池用被覆活物質は、非水系二次電池用活物質(Y)を架橋重合体で被覆することで得ることができる。
例えば、本発明の非水系二次電池活物質被覆用樹脂を含有する樹脂溶液、カルボキシル基と反応しうる官能基を2個以上有する架橋剤(b)、非水系二次電池用活物質(Y)及び必要に応じて導電助剤(X)を混合しながら有機溶剤を留去する樹脂被覆工程と、上記非水系二次電池活物質被覆用樹脂と上記架橋剤(b)とを反応させる架橋工程と経ることにより作製することができる。
【0060】
樹脂被覆工程及び架橋工程については、架橋剤(b)を用いて単量体組成物を架橋する方法として既に説明したとおりである。
樹脂被覆工程及び架橋工程によって、非水系二次電池活物質被覆用樹脂を架橋剤(b)によって架橋した架橋樹脂、及び、必要に応じて用いる導電助剤(X)が非水系二次電池用活物質(Y)の表面に結着した非水系二次電池用被覆活物質が得られる。
本発明の非水系二次電池用被覆活物質は、本発明の非水系二次電池用活物質被覆用樹脂により被覆されているため、電極を作製する際に導電助剤やバインダーを加える必要はないが、上記スラリーに炭素繊維を加えることは、電極の電気抵抗(内部抵抗)をさらに低下させる観点から有用である。
【0061】
非水系二次電池用活物質(Y)としてリチウムイオン二次電池用正極活物質(Y1)を用いることによりリチウムイオン二次電池用の正極が得られ、リチウムイオン二次電池用負極活物質(Y2)を用いることによりリチウムイオン二次電池用の負極が得られる。
【0062】
リチウム二次電池用の電極を作製する場合、例えば、本発明の非水系二次電池用被覆活物質を溶媒に分散させた電極スラリーを作成し、この電極スラリーを集電体に塗布、乾燥する方法が挙げられる。上記電極スラリーには、必要に応じて導電助剤(X)やバインダーを添加してもよい。
【0063】
電極スラリーに用いる溶媒としては、1−メチル−2−ピロリドン、メチルエチルケトン、DMF、ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン及びテトラヒドロフラン等が挙げられる。
電極スラリーを塗布する集電体としては、銅、アルミニウム、チタン、ステンレス鋼、ニッケル、焼成炭素、導電性高分子及び導電性ガラス等が挙げられる。
集電体の形状としては、シート状又は箔状等が好ましい。
電極スラリーに含まれるバインダーとしてはデンプン、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、テトラフロオロエチレン、スチレン−ブタジエンゴム、ポリエチレン及びポリプロピレン等の高分子化合物が挙げられる。
【0064】
電極スラリー中のバインダーの含有量は、活物質の重量に基づいて5重量%未満が好ましく、0重量%であることがより好ましい。
通常、バインダーは活物質同士及び活物質と集電体とを固定化して必要な電池性能を維持するために用いられる。
これに対して、本発明の非水系二次電池用被覆活物質は、活物質表面に本発明の非水系二次電池活物質被覆用樹脂が被覆されているから、電極とした際に活物質同士及び活物質と集電体とが充分に密着し、バインダーを用いる必要がない。
電極スラリーにバインダーを添加した場合、バインダーが本発明の非水系二次電池用被覆用活物質同士又は本発明の非水系二次電池被覆用活物質と集電体との間を結着することとなるため、添加したバインダーの分だけ内部抵抗が増加してしまう。
【0065】
本発明の非水系二次電池用被覆活物質を含む電極を用いたリチウムイオン二次電池は、対極となる電極を組み合わせて、セパレーターと共にセル容器に収納し、電解液を注入し、セル容器を密封することで得られる。
また、集電体の一方の面に正極を形成し、もう一方の面に負極を形成して双極型電極を作製し、双極型電極をセパレーターと積層してセル容器に収納し、電解液を注入し、セル容器を密封することでも得られる。
また、正極、負極を共に本発明の非水系二次電池用被覆活物質を含む電極としてリチウムイオン二次電池としてもよい。
【0066】
セパレーターとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン製フィルムの微多孔膜、多孔性のポリエチレンフィルムとポリプロピレンとの多層フィルム、ポリエステル繊維、アラミド繊維、ガラス繊維等からなる不織布、及びそれらの表面にシリカ、アルミナ、チタニア等のセラミック微粒子を付着させたもの等が挙げられる。
【0067】
電解液としては、リチウムイオン二次電池の製造に用いられる、電解質及び非水溶媒を含有する電解液を使用することができる。
【0068】
電解質としては、通常の電解液に用いられているもの等が使用でき、例えば、LiPF、LiBF、LiSbF、LiAsF及びLiClO等の無機酸のリチウム塩、LiN(CFSO、LiN(CSO及びLiC(CFSO等の有機酸のリチウム塩が挙げられる。これらの内、電池出力及び充放電サイクル特性の観点から好ましいのはLiPFである。
【0069】
非水溶媒としては、通常の電解液に用いられているもの等が使用でき、例えば、ラクトン化合物、環状又は鎖状炭酸エステル、鎖状カルボン酸エステル、環状又は鎖状エーテル、リン酸エステル、ニトリル化合物、アミド化合物、スルホン、スルホラン及びこれらの混合物を用いることができる。
【0070】
ラクトン化合物としては、5員環(γ−ブチロラクトン及びγ−バレロラクトン等)及び6員環のラクトン化合物(δ−バレロラクトン等)等を挙げることができる。
【0071】
環状炭酸エステルとしては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート(EC)及びブチレンカーボネート(BC)等が挙げられる。
鎖状炭酸エステルとしては、ジメチルカーボネート(DMC)、メチルエチルカーボネート(MEC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチル−n−プロピルカーボネート、エチル−n−プロピルカーボネート及びジ−n−プロピルカーボネート等が挙げられる。
【0072】
鎖状カルボン酸エステルとしては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル及びプロピオン酸メチル等が挙げられる。
環状エーテルとしては、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,3−ジオキソラン及び1,4−ジオキサン等が挙げられる。鎖状エーテルとしては、ジメトキシメタン及び1,2−ジメトキシエタン等が挙げられる。
【0073】
リン酸エステルとしては、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸エチルジメチル、リン酸ジエチルメチル、リン酸トリプロピル、リン酸トリブチル、リン酸トリ(トリフルオロメチル)、リン酸トリ(トリクロロメチル)、リン酸トリ(トリフルオロエチル)、リン酸トリ(トリパーフルオロエチル)、2−エトキシ−1,3,2−ジオキサホスホラン−2−オン、2−トリフルオロエトキシ−1,3,2−ジオキサホスホラン−2−オン及び2−メトキシエトキシ−1,3,2−ジオキサホスホラン−2−オン等が挙げられる。
ニトリル化合物としては、アセトニトリル等が挙げられる。アミド化合物としては、DMF等が挙げられる。スルホンとしては、ジメチルスルホン及びジエチルスルホン等が挙げられる。
非水溶媒は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0074】
非水溶媒の内、電池出力及び充放電サイクル特性の観点から好ましいのは、ラクトン化合物、環状炭酸エステル、鎖状炭酸エステル及びリン酸エステルであり、更に好ましいのはラクトン化合物、環状炭酸エステル及び鎖状炭酸エステルであり、特に好ましいのは環状炭酸エステルと鎖状炭酸エステルの混合液である。最も好ましいのはエチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)の混合液である。
【実施例】
【0075】
次に本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明の主旨を逸脱しない限り本発明は実施例に限定されるものではない。なお、特記しない限り部は重量部、%は重量%を意味する。
【0076】
<実施例1>
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素ガス導入管を付した4つ口フラスコにDMF70.0部を仕込み75℃に昇温した。次いで、メタクリル酸2−エチルヘキシル70.0部、メタクリル酸30.0部及びDMF20部を配合したモノマー配合液と、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.8部及び2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)1.6部をDMF10.0部に溶解した開始剤溶液とを4つ口フラスコ内に窒素を吹き込みながら、撹拌下、滴下ロートで2時間かけて連続的に滴下してラジカル重合を行った。滴下終了後、80℃に昇温し反応を5時間継続し樹脂濃度50%の共重合体溶液を得た。得られた共重合体溶液はテフロン(登録商標)製のバットに移して120℃、0.01MPaで3時間の減圧乾燥を行いDMFを留去して共重合体を得た。この共重合体をハンマーで粗粉砕した後、乳鉢にて追加粉砕して、粉末状の樹脂(A−1)を得た。
使用したエステル化合物(a11)及び(メタ)アクリル酸(a12)の配合量を表1に示す。
以下の条件によるGPCで測定した共重合体の重量平均分子量は26,000であった。
<GPCの測定条件>
装置:Alliance GPC V2000(Waters社製)
溶媒:オルトジクロロベンゼン
標準物質:ポリスチレン
サンプル濃度:3mg/ml
カラム固定相:PLgel 10μm、MIXED−B 2本直列(ポリマーラボラトリーズ社製)
カラム温度:135℃
【0077】
<実施例2>
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素ガス導入管を付した4つ口フラスコにDMF70.0部を仕込み75℃に昇温した。次いで、メタクリル酸ドデシル40.0部、メタクリル酸60.0部及びDMF20部を配合したモノマー配合液と、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.2部及び2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.8部をDMF10.0部に溶解した開始剤溶液とを4つ口フラスコ内に窒素を吹き込みながら、撹拌下、滴下ロートで2時間かけて連続的に滴下してラジカル重合を行った。滴下終了後、75℃で反応を3時間継続した。次いで80℃に昇温し反応を3時間継続し樹脂濃度50%の共重合体溶液を得た。得られた共重合体溶液はテフロン(登録商標)製のバットに移して120℃、0.01MPaで3時間の減圧乾燥を行いDMFを留去して共重合体を得た。この共重合体をハンマーで粗粉砕した後、乳鉢にて追加粉砕して、粉末状の樹脂(A−2)を得た。
使用したエステル化合物(a11)及び(メタ)アクリル酸(a12)の配合量を表1に示す。
GPCで測定した共重合体の重量平均分子量は96,000であった。
【0078】
<実施例3>
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素ガス導入管を付した4つ口フラスコにDMF70.0部を仕込み75℃に昇温した。次いで、メタクリル酸ドデシル20.0部、アクリル酸70.0部、メタクリル酸メチル10.0部及びDMF20部を配合したモノマー配合液と、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.3部及び2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.8部をDMF10.0部に溶解した開始剤溶液とを4つ口フラスコ内に窒素を吹き込みながら、撹拌下、滴下ロートで2時間かけて連続的に滴下してラジカル重合を行った。滴下終了後、75℃で反応を3時間継続した。次いで80℃に昇温し反応を3時間継続し樹脂濃度50%の共重合体溶液を得た。得られた共重合体溶液はテフロン(登録商標)製のバットに移して120℃、0.01MPaで3時間の減圧乾燥を行いDMFを留去して共重合体を得た。この共重合体をハンマーで粗粉砕した後、乳鉢にて追加粉砕して、粉末状の樹脂(A−3)を得た。
使用したエステル化合物(a11)、(メタ)アクリル酸(a12)及びエステル化合物(a13)の配合量を表1に示す。
GPCで測定した共重合体の重量平均分子量は70,000であった。
【0079】
<実施例4>
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素ガス導入管を付した4つ口フラスコにDMF70.0部を仕込み75℃に昇温した。次いで、メタクリル酸ブチル20.0部、メタクリル酸40.0部、メタクリル酸メチル35.0部、メタクリル酸セチルとメタクリル酸ステアリルの混合物を合計5部及びDMF20部を配合したモノマー配合液と、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.08部及び2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.8部をDMF10.0部に溶解した開始剤溶液とを4つ口フラスコ内に窒素を吹き込みながら、撹拌下、滴下ロートで2時間かけて連続的に滴下してラジカル重合を行った。滴下終了後、75℃で反応を3時間継続した。次いで80℃に昇温し反応を3時間継続した。次いで2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.2部をDMF1.0部に溶解した開始剤溶液を追加で投入しさらに反応を3時間継続し樹脂濃度50%の共重合体溶液を得た。得られた共重合体溶液はテフロン(登録商標)製のバットに移して120℃、0.01MPaで3時間の減圧乾燥を行いDMFを留去して共重合体を得た。この共重合体をハンマーで粗粉砕した後、乳鉢にて追加粉砕して、粉末状の樹脂(A−4)を得た。
使用したエステル化合物(a11)、(メタ)アクリル酸(a12)、エステル化合物(a13)及び活性水素を含有しない共重合性ビニルモノマー(c)の配合量を表1に示す。
GPCで測定した共重合体の重量平均分子量は180,000であった。
【0080】
<実施例5>
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素ガス導入管を付した4つ口フラスコにDMF70.0部を仕込み75℃に昇温した。次いで、メタクリル酸2−エチルヘキシル44.5部、メタクリル酸30.0部、メタクリル酸メチル25.0部、スチレンスルホン酸ナトリウム0.5部及びDMF20部を配合したモノマー配合液と、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.3部及び2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.8部をDMF10.0部に溶解した開始剤溶液とを4つ口フラスコ内に窒素を吹き込みながら、撹拌下、滴下ロートで2時間かけて連続的に滴下してラジカル重合を行った。滴下終了後、75℃で反応を3時間継続した。次いで80℃に昇温し反応を3時間継続し樹脂濃度50%の共重合体溶液を得た。得られた共重合体溶液はテフロン(登録商標)製のバットに移して120℃、0.01MPaで3時間の減圧乾燥を行いDMFを留去して共重合体を得た。この共重合体をハンマーで粗粉砕した後、乳鉢にて追加粉砕して、粉末状の樹脂(A−5)を得た。
使用したエステル化合物(a11)、(メタ)アクリル酸(a12)、エステル化合物(a13)及びアニオン性単量体の塩(a14)の配合量を表1に示す。
GPCで測定した共重合体の重量平均分子量は62,000であった。
【0081】
<実施例6>
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素ガス導入管を付した4つ口フラスコにDMF70.0部を仕込み75℃に昇温した。次いで、メタクリル酸2−エチルヘキシル35.0部、メタクリル酸45.0部、メタクリル酸メチル15.0部、スチレンスルホン酸リチウム5.0部及びDMF20部を配合したモノマー配合液と、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.6部及び2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)1.2部をDMF10.0部に溶解した開始剤溶液とを4つ口フラスコ内に窒素を吹き込みながら、撹拌下、滴下ロートで2時間かけて連続的に滴下してラジカル重合を行った。滴下終了後、80℃に昇温し反応を5時間継続し樹脂濃度50%の共重合体溶液を得た。得られた共重合体溶液はテフロン(登録商標)製のバットに移して120℃、0.01MPaで3時間の減圧乾燥を行いDMFを留去して共重合体を得た。この共重合体をハンマーで粗粉砕した後、乳鉢にて追加粉砕して、粉末状の樹脂(A−6)を得た。
使用したエステル化合物(a11)、(メタ)アクリル酸(a12)、エステル化合物(a13)及びアニオン性単量体の塩(a14)の配合量を表1に示す。
GPCで測定した共重合体の重量平均分子量は48,000であった。
【0082】
<実施例7>
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素ガス導入管を付した4つ口フラスコにDMF70.0部を仕込み75℃に昇温した。次いで、メタクリル酸2−エチルヘキシル30.0部、メタクリル酸40.0部、メタクリル酸メチル17.0部、スチレンスルホン酸リチウム8.0部、スチレン5.0部及びDMF20部を配合したモノマー配合液と、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.3部及び2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.8部をDMF10.0部に溶解した開始剤溶液とを4つ口フラスコ内に窒素を吹き込みながら、撹拌下、滴下ロートで2時間かけて連続的に滴下してラジカル重合を行った。滴下終了後、75℃で反応を3時間継続した。次いで80℃に昇温し反応を3時間継続し樹脂濃度50%の共重合体溶液を得た。得られた共重合体溶液はテフロン(登録商標)製のバットに移して120℃、0.01MPaで3時間の減圧乾燥を行いDMFを留去して共重合体を得た。この共重合体をハンマーで粗粉砕した後、乳鉢にて追加粉砕して、粉末状の樹脂(A−7)を得た。
使用したエステル化合物(a11)、(メタ)アクリル酸(a12)、エステル化合物(a13)、アニオン性単量体の塩(a14)及び活性水素を含有しない共重合性ビニルモノマー(c)の配合量を表1に示す。
GPCで測定した共重合体の重量平均分子量は79,000であった。
【0083】
<実施例8>
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素ガス導入管を付した4つ口フラスコにDMF70.0部を仕込み75℃に昇温した。次いで、メタクリル酸ブチル20.0部、アクリル酸55.0部、メタクリル酸メチル22.0部、アリルスルホン酸ナトリウム3部及びDMF20部を配合したモノマー配合液と、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.4部及び2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.8部をDMF10.0部に溶解した開始剤溶液とを4つ口フラスコ内に窒素を吹き込みながら、撹拌下、滴下ロートで2時間かけて連続的に滴下してラジカル重合を行った。滴下終了後、80℃に昇温し反応を5時間継続し樹脂濃度50%の共重合体溶液を得た。得られた共重合体溶液はテフロン(登録商標)製のバットに移して120℃、0.01MPaで3時間の減圧乾燥を行いDMFを留去して共重合体を得た。この共重合体をハンマーで粗粉砕した後、乳鉢にて追加粉砕して、粉末状の樹脂(A−8)を得た。
使用したエステル化合物(a11)、(メタ)アクリル酸(a12)、エステル化合物(a13)及びアニオン性単量体の塩(a14)の配合量を表1に示す。
GPCで測定した共重合体の重量平均分子量は51,000であった。
【0084】
<実施例9>
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素ガス導入管を付した4つ口フラスコにDMF70.0部を仕込み75℃に昇温した。次いで、メタクリル酸2−エチルヘキシル10.0部、メタクリル酸45.0部、メタクリル酸メチル42.0部、メタクリル酸リチウム3.0部及びDMF20部を配合したモノマー配合液と、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.3部及び2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.7部をDMF10.0部に溶解した開始剤溶液とを4つ口フラスコ内に窒素を吹き込みながら、撹拌下、滴下ロートで2時間かけて連続的に滴下してラジカル重合を行った。滴下終了後、75℃で反応を3時間継続した。次いで80℃に昇温し反応を3時間継続し樹脂濃度50%の共重合体溶液を得た。得られた共重合体溶液はテフロン(登録商標)製のバットに移して120℃、0.01MPaで3時間の減圧乾燥を行いDMFを留去して共重合体を得た。この共重合体をハンマーで粗粉砕した後、乳鉢にて追加粉砕して、粉末状の樹脂(A−9)を得た。
使用したエステル化合物(a11)、(メタ)アクリル酸(a12)、エステル化合物(a13)及びアニオン性単量体の塩(a14)の配合量を表1に示す。
GPCで測定した共重合体の重量平均分子量は65,000であった。
【0085】
<実施例10>
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素ガス導入管を付した4つ口フラスコにDMF70.0部を仕込み75℃に昇温した。次いで、メタクリル酸2−エチルヘキシル50.0部、メタクリル酸50.0部及びDMF20部を配合したモノマー配合液と、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.8部及び2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)1.6部をDMF10.0部に溶解した開始剤溶液とを4つ口フラスコ内に窒素を吹き込みながら、撹拌下、滴下ロートで2時間かけて連続的に滴下してラジカル重合を行った。滴下終了後、80℃に昇温し反応を5時間継続し樹脂濃度50%の共重合体溶液を得た。得られた共重合体溶液はテフロン(登録商標)製のバットに移して120℃、0.01MPaで3時間の減圧乾燥を行いDMFを留去して共重合体を得た。この共重合体をハンマーで粗粉砕した後、乳鉢にて追加粉砕して、粉末状の樹脂(A−10)を得た。
使用したエステル化合物(a11)及び(メタ)アクリル酸(a12)の配合量を表1に示す。
GPCで測定した共重合体の重量平均分子量は26,000であった。
【0086】
<実施例11>
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素ガス導入管を付した4つ口フラスコにDMF70.0部を仕込み75℃に昇温した。次いで、メタクリル酸2−エチルヘキシル30.0部、アクリル酸10.0部、メタクリル酸メチル60.0部及びDMF20部を配合したモノマー配合液と、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.8部及び2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)1.6部をDMF10.0部に溶解した開始剤溶液とを4つ口フラスコ内に窒素を吹き込みながら、撹拌下、滴下ロートで2時間かけて連続的に滴下してラジカル重合を行った。滴下終了後、80℃に昇温し反応を5時間継続し樹脂濃度50%の共重合体溶液を得た。得られた共重合体溶液はテフロン(登録商標)製のバットに移して120℃、0.01MPaで3時間の減圧乾燥を行いDMFを留去して共重合体を得た。この共重合体をハンマーで粗粉砕した後、乳鉢にて追加粉砕して、粉末状の樹脂(A−11)を得た。
使用したエステル化合物(a11)、(メタ)アクリル酸(a12)及びエステル化合物(a13)の配合量を表1に示す。
GPCで測定した共重合体の重量平均分子量は24,000であった。
【0087】
<実施例12>
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素ガス導入管を付した4つ口フラスコにDMF70.0部を仕込み75℃に昇温した。次いで、メタクリル酸2−エチルヘキシル30.0部、メタクリル酸10.0部、メタクリル酸メチル60.0部及びDMF20部を配合したモノマー配合液と、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.3部及び2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.8部をDMF10.0部に溶解した開始剤溶液とを4つ口フラスコ内に窒素を吹き込みながら、撹拌下、滴下ロートで2時間かけて連続的に滴下してラジカル重合を行った。滴下終了後、75℃で反応を3時間継続した。次いで80℃に昇温し反応を3時間継続し樹脂濃度50%の共重合体溶液を得た。得られた共重合体溶液はテフロン(登録商標)製のバットに移して120℃、0.01MPaで3時間の減圧乾燥を行いDMFを留去して共重合体を得た。この共重合体をハンマーで粗粉砕した後、乳鉢にて追加粉砕して、粉末状の樹脂(A−12)を得た。
使用したエステル化合物(a11)、(メタ)アクリル酸(a12)及びエステル化合物(a13)の配合量を表1に示す。
GPCで測定した共重合体の重量平均分子量は80,000であった。
【0088】
<実施例13>
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素ガス導入管を付した4つ口フラスコにDMF70.0部を仕込み75℃に昇温した。次いで、メタクリル酸ブチル30.0部、メタクリル酸30.0部、メタクリル酸メチル25.0部、スチレンスルホン酸リチウム3.0部、メタクリル酸セチル及びメタクリル酸ステアリルの混合物を合計12.0部及びDMF20部を配合したモノマー配合液と、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.6部及び2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)1.6部をDMF10.0部に溶解した開始剤溶液とを4つ口フラスコ内に窒素を吹き込みながら、撹拌下、滴下ロートで2時間かけて連続的に滴下してラジカル重合を行った。滴下終了後、80℃に昇温し反応を5時間継続し樹脂濃度50%の共重合体溶液を得た。得られた共重合体溶液はテフロン(登録商標)製のバットに移して120℃、0.01MPaで3時間の減圧乾燥を行いDMFを留去して共重合体を得た。この共重合体をハンマーで粗粉砕した後、乳鉢にて追加粉砕して、粉末状の樹脂(A−13)を得た。
使用したエステル化合物(a11)、(メタ)アクリル酸(a12)、エステル化合物(a13)、アニオン性単量体の塩(a14)及び活性水素を含有しない共重合性ビニルモノマー(c)の配合量を表1に示す。
GPCで測定した共重合体の重量平均分子量は48,000であった。
【0089】
<実施例14>
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素ガス導入管を付した4つ口フラスコにDMF70.0部を仕込み75℃に昇温した。次いで、メタクリル酸2−エチルヘキシル40.0部、メタクリル酸40.0部、メタクリル酸メチル15.0部、スチレンスルホン酸ナトリウム5.0部及びDMF20部を配合したモノマー配合液と、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.3部及び2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.8部をDMF10.0部に溶解した開始剤溶液とを4つ口フラスコ内に窒素を吹き込みながら、撹拌下、滴下ロートで2時間かけて連続的に滴下してラジカル重合を行った。滴下終了後、75℃で反応を3時間継続した。次いで80℃に昇温し反応を3時間継続し樹脂濃度50%の共重合体溶液を得た。得られた共重合体溶液はテフロン(登録商標)製のバットに移して120℃、0.01MPaで3時間の減圧乾燥を行いDMFを留去して共重合体を得た。この共重合体をハンマーで粗粉砕した後、乳鉢にて追加粉砕して、粉末状の樹脂(A−14)を得た。
使用したエステル化合物(a11)、(メタ)アクリル酸(a12)、エステル化合物(a13)及びアニオン性単量体の塩(a14)の配合量を表1に示す。
GPCで測定した共重合体の重量平均分子量は60,000であった。
【0090】
<実施例15>
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素ガス導入管を付した4つ口フラスコにDMF70.0部を仕込み75℃に昇温した。次いで、メタクリル酸2−エチルヘキシル30.0部、メタクリル酸ブチル9.0部、アクリル酸35.0部、メタクリル酸メチル20.0部、スチレンスルホン酸リチウム1.0部、スチレン5.0部及びDMF20部を配合したモノマー配合液と、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.6部及び2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)1.6部をDMF10.0部に溶解した開始剤溶液とを4つ口フラスコ内に窒素を吹き込みながら、撹拌下、滴下ロートで2時間かけて連続的に滴下してラジカル重合を行った。滴下終了後、80℃に昇温し反応を5時間継続し樹脂濃度50%の共重合体溶液を得た。得られた共重合体溶液はテフロン(登録商標)製のバットに移して120℃、0.01MPaで3時間の減圧乾燥を行いDMFを留去して共重合体を得た。この共重合体をハンマーで粗粉砕した後、乳鉢にて追加粉砕して、粉末状の樹脂(A−15)を得た。
使用したエステル化合物(a11)、(メタ)アクリル酸(a12)、エステル化合物(a13)、アニオン性単量体の塩(a14)及び活性水素を含有しない共重合性ビニルモノマー(c)の配合量を表1に示す。
GPCで測定した共重合体の重量平均分子量は38,000であった。
【0091】
<実施例16>
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素ガス導入管を付した4つ口フラスコにDMF70.0部を仕込み75℃に昇温した。次いで、メタクリル酸2−エチルヘキシル15.0部、メタクリル酸ドデシル10.0部、メタクリル酸30.0部、メタクリル酸メチル40.0部、スチレンスルホン酸リチウム1.0部、メタクリル酸リチウム4.0部及びDMF20部を配合したモノマー配合液と、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.6部及び2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)1.4部をDMF10.0部に溶解した開始剤溶液とを4つ口フラスコ内に窒素を吹き込みながら、撹拌下、滴下ロートで2時間かけて連続的に滴下してラジカル重合を行った。滴下終了後、80℃に昇温し反応を5時間継続し樹脂濃度50%の共重合体溶液を得た。得られた共重合体溶液はテフロン(登録商標)製のバットに移して120℃、0.01MPaで3時間の減圧乾燥を行いDMFを留去して共重合体を得た。この共重合体をハンマーで粗粉砕した後、乳鉢にて追加粉砕して、粉末状の樹脂(A−16)を得た。
使用したエステル化合物(a11)、(メタ)アクリル酸(a12)、エステル化合物(a13)及びアニオン性単量体の塩(a14)の配合量を表1に示す。
GPCで測定した共重合体の重量平均分子量は41,000であった。
【0092】
<実施例17>
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素ガス導入管を付した4つ口フラスコにDMF70.0部を仕込み75℃に昇温した。次いで、メタクリル酸ドデシル20.0部、メタクリル酸40.0部、メタクリル酸メチル34.0部、アリルスルホン酸ナトリウム1.0部、スチレン5.0部及びDMF20部を配合したモノマー配合液と、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.9部及び2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)1.6部をDMF10.0部に溶解した開始剤溶液とを4つ口フラスコ内に窒素を吹き込みながら、撹拌下、滴下ロートで2時間かけて連続的に滴下してラジカル重合を行った。滴下終了後、80℃に昇温し反応を5時間継続し樹脂濃度50%の共重合体溶液を得た。得られた共重合体溶液はテフロン(登録商標)製のバットに移して120℃、0.01MPaで3時間の減圧乾燥を行いDMFを留去して共重合体を得た。この共重合体をハンマーで粗粉砕した後、乳鉢にて追加粉砕して、粉末状の樹脂(A−17)を得た。
使用したエステル化合物(a11)、(メタ)アクリル酸(a12)、エステル化合物(a13)、アニオン性単量体の塩(a14)及び活性水素を含有しない共重合性ビニルモノマー(c)の配合量を表1に示す。
GPCで測定した共重合体の重量平均分子量は20,000であった。
【0093】
<実施例18>
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素ガス導入管を付した4つ口フラスコにDMF70.0部を仕込み75℃に昇温した。次いで、メタクリル酸2−エチルヘキシル40.0部、メタクリル酸30.0部、メタクリル酸メチル25.0部、スチレンスルホン酸ナトリウム5.0部及びDMF20部を配合したモノマー配合液と、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.9部及び2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)1.4部をDMF10.0部に溶解した開始剤溶液とを4つ口フラスコ内に窒素を吹き込みながら、撹拌下、滴下ロートで2時間かけて連続的に滴下してラジカル重合を行った。滴下終了後、80℃に昇温し反応を5時間継続し樹脂濃度50%の共重合体溶液を得た。得られた共重合体溶液はテフロン(登録商標)製のバットに移して120℃、0.01MPaで3時間の減圧乾燥を行いDMFを留去して共重合体を得た。この共重合体をハンマーで粗粉砕した後、乳鉢にて追加粉砕して、粉末状の樹脂(A−18)を得た。
使用したエステル化合物(a11)、(メタ)アクリル酸(a12)、エステル化合物(a13)及びアニオン性単量体の塩(a14)の配合量を表1に示す。
GPCで測定した共重合体の重量平均分子量は28,000であった。
【0094】
【表1】
【0095】
[リチウムイオン二次電池用被覆正極活物質の作成]
<実施例19:架橋剤なし>
実施例1で作成した粉末状の樹脂(A−1)2部及びDMF10.4部を配合して樹脂混合液を調製した。
その後、コーヒーミルにコバルト酸リチウム94部と上記樹脂混合液を投入し室温、1分間の混合攪拌を行った。次いでアセチレンブラック[電気化学工業(株)製]4部を投入し、さらに5分間の混合攪拌を行って活物質ケーキを得た。
活物質ケーキをテフロン(登録商標)製のバットに移し、120℃、0.01MPaで1時間の減圧乾燥を行った。減圧乾燥後はコーヒーミルに戻し10秒間撹拌して解砕を行い、実施例19に係る被覆負極活物質(D−1)を得た。被覆正極活物質の組成を表2に示す。
【0096】
<実施例20〜29:架橋剤なし>
粉末状の樹脂(非水系二次電池活物質被覆用樹脂)の種類及び分量、並びに、DMF、コバルト酸リチウム及びアセチレンブラックの分量を表2に示した部数に変更したほかは、実施例19と同様の手順で実施例20〜29に係る被覆正極活物質(D−2)〜(D−11)を得た。各被覆正極活物質の組成を表2に示す。
【0097】
<比較例1>
粉末状の樹脂(A−1)2部にかわってポリフッ化ビニリデン[(株)クレハ社製]2部を用いたほかは、実施例19と同様の方法で被覆正極活物質(D’−1)を得た。
【0098】
<実施例30:架橋剤あり>
実施例10で作成した粉末状の樹脂(A−10)2部と架橋剤(b)としてデナコールEX−810[ナガセケムテックス(株)製]0.05部とDMF10.4部を配合して樹脂混合液を調製した。
コーヒーミルにコバルト酸リチウム94部、上記樹脂混合液を投入し室温、1分間の混合撹拌を行った。次いでアセチレンブラック[電気化学工業(株)製]4部を投入しさらに5分間の混合撹拌を行い活物質ケーキを得た。
活物質ケーキをテフロン(登録商標)製のバットに移し、120℃で1時間加熱し被覆樹脂の架橋反応を行った。その後0.01MPaで1時間の減圧乾燥を行った。減圧乾燥後はコーヒーミルに戻し10秒間撹拌解砕を行うことで実施例30に係る被覆正極活物質(D−12)を得た。
【0099】
<実施例31〜38:架橋剤あり>
粉末状の樹脂(非水系二次電池活物質被覆用樹脂)、架橋剤(b)の種類及び分量、並びに、DMF、コバルト酸リチウム及びアセチレンブラックの分量を表2に示したとおりに変更したほかは、実施例30と同様の手順で実施例31〜38に係る被覆正極活物質(D−13)〜(D−20)を得た。各被覆正極活物質の組成を表2に示す。
【0100】
【表2】
【0101】
[リチウムイオン二次電池用被覆負極活物質の作製]
<実施例39:架橋剤なし>
実施例1で作成した粉末状の樹脂(A−1)2部及びDMF17.6部をそれぞれ配合し樹脂混合液を調製した。
コーヒーミルに黒鉛粉末[日本黒鉛工業(株)製]88部、上記樹脂混合液を投入し室温、1分間の混合撹拌を行った。次いでアセチレンブラック[電気化学工業(株)製]10部を投入しさらに5分間の混合撹拌を行って活物質ケーキを得た。
活物質ケーキをテフロン(登録商標)製のバットに移し、120℃、0.01MPaで1時間の減圧乾燥を行った。減圧乾燥後はコーヒーミルに戻し10秒間撹拌して解砕を行い、実施例39に係る被覆負極活物質(E−1)を得た。被覆負極活物質の組成を表3に示す。
【0102】
<実施例40〜49:架橋剤なし>
粉末状の樹脂(非水系二次電池活物質被覆用樹脂)の種類及び分量、並びに、DMF、黒鉛粉末及びアセチレンブラックの分量を表3に示したとおりに変更したほかは、実施例39と同様の手順で実施例40〜49に係る被覆負極活物質(E−2)〜(E−11)を得た。各被覆負極活物質の組成を表3に示す。
【0103】
<比較例2>
粉末状の樹脂(A−1)2部にかわってポリフッ化ビニリデン[(株)クレハ社製]2部を用いたほかは、実施例39と同様の方法で被覆正極活物質(E’−1)を得た。
【0104】
<実施例50:架橋剤あり>
実施例10で作成した粉末状の樹脂(A−10)2部、DMF17.6部及び架橋剤(b)としてデナコールEX−810[ナガセケムテックス(株)製]0.025部をそれぞれ配合し樹脂混合液を調製した。
コーヒーミルに黒鉛粉末[日本黒鉛工業(株)製]88部と樹脂混合液を投入し室温、1分間の混合撹拌を行った。次いでアセチレンブラック[電気化学工業(株)製]10部を投入しさらに5分間の混合撹拌を行って活物質ケーキを得た。
活物質ケーキをテフロン(登録商標)製のバットに移し、120℃、0.01MPaで1時間の減圧乾燥を行った。減圧乾燥後はコーヒーミルに戻し10秒間撹拌して解砕を行い、実施例50に係る被覆負極活物質(E−12)を得た。被覆負極活物質の組成を表3に示す。
【0105】
<実施例51〜58:架橋剤あり>
粉末状の樹脂(非水系二次電池活物質被覆用樹脂)、架橋剤(b)の種類及び分量、並びに、DMF、黒鉛粉末及びアセチレンブラックの分量を表3に示したとおりに変更したほかは、実施例50と同様の手順で実施例51〜58に係る被覆正極活物質(E−13)〜(E−20)を得た。各被覆負極活物質の組成を表3に示す。
【0106】
【表3】
【0107】
<製造例1〜39>
[リチウムイオン二次電池用正極の作製]
実施例19〜38及び比較例1で作製した被覆正極活物質(D−1)〜(D−20)及び(D’−1)のいずれか10部とジエチルカーボネート5部を乳鉢に投入、混練することで正極スラリーを得た。得られたスラリーを大気中でワイヤーバーを用いて厚さ20μmのアルミニウム電解箔上の片面に塗布し、50℃で15分間乾燥させた後、さらに120℃、0.01MPaで12時間減圧乾燥を行い15mmφに打ち抜き、リチウムイオン二次電池用正極を作製した。
【0108】
[リチウムイオン二次電池用負極の作製]
続いて、実施例39〜58及び比較例2で作製した被覆負極活物質(E−1)〜(E−20)及び(E’−1)のいずれか10部とジエチルカーボネート5部を乳鉢に投入、混練することで負極スラリーを得た。得られたスラリーを大気中でワイヤーバーを用いて厚さ20μmの銅電解箔上の片面に塗布し、50℃で15分間乾燥させた後、さらに120℃、0.01MPaで12時間減圧乾燥を行い15mmφに打ち抜き、リチウムイオン二次電池用負極を作製した。
【0109】
[リチウムイオン二次電池の作製]
2032型コインセル内の両端に、リチウムイオン二次電池用正極及びリチウムイオン二次電池用負極を、それぞれ、電極を構成する活物質が表4に記載の組み合わせとなるように組み合わせ、負極の塗布面が正極の塗布面に向き合うように配置して、電極間にセパレーター(セルガード2500:ポリプロピレン製)を3枚挿入し、リチウムイオン二次電池用セルを作製した。セルに電解液を注液密封し、以下の方法で内部抵抗を評価した。
使用した被覆正極活物質及び被覆負極活物質を表4に示す。
【0110】
<製造例40:導電助剤(アセチレンブラック)を添加したもの>
正極スラリーを作製する際に(D−7)を9.9部、アセチレンブラックを0.1部、ジエチルカーボネートを5部用いるほかは、製造例1〜39と同様の方法でリチウムイオン二次電池用正極を作製した。
また、負極スラリーを作製する際に(E−7)を9.9部、アセチレンブラックを0.1部、ジエチルカーボネートを5部用いるほかは、製造例1〜39と同様の方法でリチウムイオン二次電池用負極を作製した。
2032型コインセル内の両端に、リチウムイオン二次電池用正極及びリチウムイオン二次電池用負極を、負極の塗布面が正極の塗布面に向き合うように配置して、電極間にセパレーター(セルガード2500:ポリプロピレン製)を3枚挿入し、リチウムイオン二次電池用セルを作製した。セルに電解液を注液密封し、以下の方法で内部抵抗を評価した。
使用した被覆正極活物質、被覆負極活物質及び導電助剤(X)を表4に示す。
【0111】
<製造例41:導電助剤(カーボンナノファイバー)を添加したもの>
正極スラリーを作製する際に(D−16)を9.9部、カーボンナノファイバー[昭和電工(株)製]を0.1部、ジエチルカーボネートを5部用いるほかは、製造例1〜39と同様の方法でリチウムイオン二次電池用正極を作製した。
また、負極スラリーを作製する際に(E−16)を9.9部、カーボンナノファイバー[昭和電工(株)製]を0.1部、ジエチルカーボネート5部を用いるほかは、製造例1〜39と同様の方法でリチウムイオン二次電池用正極を作製した。
2032型コインセル内の両端に、リチウムイオン二次電池用正極及びリチウムイオン二次電池用負極を、負極の塗布面が正極の塗布面に向き合うように配置して、電極間にセパレーター(セルガード2500:ポリプロピレン製)を3枚挿入し、リチウムイオン二次電池用セルを作製した。セルに電解液を注液密封し、以下の方法で内部抵抗を評価した。
使用した被覆正極活物質、被覆負極活物質及び導電助剤(X)を表4に示す。
【0112】
<製造例42:バインダー(PVdF)を添加したもの>
(D−1)9.0部、アセチレンブラック0.5部、ポリフッ化ビニリデン0.5部、N−メチルピロリドン5部を乳鉢に投入、混練することで得られた正極スラリーを用い、1回目の乾燥温度を50℃から80℃に変更するほかは、製造例1〜39と同様の方法でリチウムイオン二次電池用正極を作製した。
また、(E−1)8.5部、アセチレンブラック1.0部、ポリフッ化ビニリデン0.5部、N−メチルピロリドン5部を乳鉢に投入、混練することで得られた負極スラリーを用い、1回目の乾燥温度を50℃から80℃に変更するほかは、製造例1〜39と同様の方法でリチウムイオン二次電池用負極を作製した。
2032型コインセル内の両端に、リチウムイオン二次電池用正極及びリチウムイオン二次電池用負極を、負極の塗布面が正極の塗布面に向き合うように配置して、電極間にセパレーター(セルガード2500:ポリプロピレン製)を3枚挿入し、リチウムイオン二次電池用セルを作製した。セルに電解液を注液密封し、以下の方法で内部抵抗を評価した。
使用した被覆正極活物質、被覆負極活物質及び導電助剤(X)を表4に示す。
【0113】
<比較製造例1:本発明の被覆活物質を含有しないもの>
正極スラリーを作製する際に(D’−1)を10部とジエチルカーボネート5部を用いるほかは、製造例1〜39と同様の方法でリチウムイオン二次電池用正極を作製した。
また、負極スラリーを作製する際に(E’−1)を10部とジエチルカーボネート5部を用いるほかは、製造例1〜39と同様の方法でリチウムイオン二次電池用負極を作製した。
2032型コインセル内の両端に、リチウムイオン二次電池用正極及びリチウムイオン二次電池用負極を、負極の塗布面が正極の塗布面に向き合うように配置して、電極間にセパレーター(セルガード2500:ポリプロピレン製)を3枚挿入し、リチウムイオン二次電池用セルを作製した。セルに電解液を注液密封し、以下の方法で内部抵抗を評価した。
使用した被覆正極活物質、被覆負極活物質及び導電助剤(X)を表4に示す。
【0114】
<比較製造例2:被覆活物質を使わないもの>
コバルト酸リチウム9.0部、アセチレンブラック0.5部、ポリフッ化ビニリデン0.5部、N−メチルピロリドン5部を乳鉢に投入、混練することで得られた正極スラリーを用い、1回目の乾燥温度を50℃から80℃に変更するほかは、製造例1〜39と同様の方法でリチウムイオン二次電池用正極を作製した。
また、黒鉛粉末8.5部、アセチレンブラック1.0部、ポリフッ化ビニリデン0.5部、N−メチルピロリドン5部を乳鉢に投入、混練することで得られた負極スラリーを用い、1回目の乾燥温度を50℃から80℃に変更するほかは、製造例1〜39と同様の方法でリチウムイオン二次電池用負極を作製した。
2032型コインセル内の両端に、リチウムイオン二次電池用正極及びリチウムイオン二次電池用負極を、負極の塗布面が正極の塗布面に向き合うように配置して、電極間にセパレーター(セルガード2500:ポリプロピレン製)を3枚挿入し、リチウムイオン二次電池用セルを作製した。セルに電解液を注液密封し、以下の方法で内部抵抗を評価した。使用した正極活物質、負極活物質及び導電助剤(X)を表4に示す。
【0115】
[サイクル初期及びサイクル終期の内部抵抗の評価]
室温(25℃)下、充放電測定装置「バッテリーアナライザ1470型」[東陽テクニカ(株)製]を用いて4.2Vまで、定電流定電圧充電を行った。10分間の休止後、0.1Cの電流値で2.5Vまで放電を行った。2サイクル目は0.2Cの電流で放電し、3サイクル目は0.5Cの電流で放電した。その後は1Cの電流での放電を197サイクル目までの194サイクル行い、198サイクル目は0.5Cの電流で、199サイクル目は0.2Cの電流で、200サイクル目は0.1Cの電流で放電を行った。
1〜4サイクル目におけるそれぞれの[「放電開始時の電圧」と「放電して10秒後の電圧」との差(ΔV)]と各サイクルの電流値(I)とから[降下電圧(ΔV)−電流(I)]のグラフを作成し、最小二乗法を用いてΔV=RIとなる抵抗値Rを算出し、サイクル初期の内部抵抗とした。
同様の手順で、197〜200サイクル目のΔVとIから算出したRをサイクル終期の内部抵抗とした。結果を表4に示す。
【0116】
【表4】
なお、製造例42及び比較製造例2は電極スラリー作製時にバインダーとしてポリフッ化ビニリデン(PVdF)を用いている。
【0117】
表4に示された結果から、本発明の非水系二次電池活物質被覆用樹脂でリチウムイオン二次電池用活物質の表面を被覆して作製された本発明の非水系二次電池用被覆活物質(D−1)〜(D−20)及び(E−1)〜(E−20)を用いたリチウムイオン二次電池は、内部抵抗が低く、さらに経年劣化による内部抵抗の増加を抑制することができることがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0118】
本発明の非水系二次電池活物質被覆用樹脂は、リチウムイオン二次電池活物質の表面を被覆することにより電池の内部抵抗を抑えることができる。また、本発明の非水系二次電池活物質被覆用樹脂は、活物質との接着性に優れるため、充放電を繰り返した場合であっても樹脂が活物質表面から剥離しにくく、継続使用による内部抵抗の増加を抑制することができる。
また、本発明により得られる非水系二次電池用被覆活物質は、特に、携帯電話、ウェアラブル機器、パーソナルコンピューター及びハイブリッド自動車、電気自動車用に用いられる双極型二次電池用及びリチウムイオン二次電池用等の活物質として有用である。