特許第6572028号(P6572028)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6572028
(24)【登録日】2019年8月16日
(45)【発行日】2019年9月4日
(54)【発明の名称】コイルユニットおよび撮影用光学装置
(51)【国際特許分類】
   G03B 5/00 20060101AFI20190826BHJP
   G02B 7/04 20060101ALI20190826BHJP
   H04N 5/225 20060101ALI20190826BHJP
   H04N 5/232 20060101ALI20190826BHJP
【FI】
   G03B5/00 J
   G02B7/04 E
   H04N5/225 700
   H04N5/232 480
【請求項の数】8
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-136653(P2015-136653)
(22)【出願日】2015年7月8日
(65)【公開番号】特開2017-21093(P2017-21093A)
(43)【公開日】2017年1月26日
【審査請求日】2018年6月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】日本電産サンキョー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100125690
【弁理士】
【氏名又は名称】小平 晋
(74)【代理人】
【識別番号】100090170
【弁理士】
【氏名又は名称】横沢 志郎
(74)【代理人】
【識別番号】100142619
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100153316
【弁理士】
【氏名又は名称】河口 伸子
(72)【発明者】
【氏名】南澤 伸司
(72)【発明者】
【氏名】柳沢 一彦
【審査官】 金高 敏康
(56)【参考文献】
【文献】 中国実用新案第204166184(CN,U)
【文献】 国際公開第2013/172001(WO,A1)
【文献】 特開2009−231547(JP,A)
【文献】 特開2002−329618(JP,A)
【文献】 特開平10−326715(JP,A)
【文献】 特開2001−203120(JP,A)
【文献】 特開2015−121819(JP,A)
【文献】 特開2013−210634(JP,A)
【文献】 特表2011−521285(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0160310(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 5/00
G02B 7/04
H04N 5/225
H04N 5/232
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
略長方形状の枠状に形成されるコイルと、前記コイルを保持するコイル保持部材と、前記コイルの端部が絡げられて電気的に接続される金属製の端子ピンとを備え、
略長方形状の枠状に形成される前記コイルの長辺に平行な方向と前記コイルの短辺に平行な方向とに直交する方向を前記コイルの厚さ方向とすると、
前記コイル保持部材の外周面には、互いに平行な一対の側面からなる側面対が形成されるとともに、2個の前記側面対が互いに直交するように配置され、
前記側面には、前記コイルの厚さ方向における前記コイルの一端面が当接する平面状の当接面が形成されるとともに、前記コイルが直接巻回される凸部が前記当接面から前記コイル保持部材の外周側へ突出するように形成され、
前記凸部の突出方向における前記凸部の先端側には、前記当接面に平行な平面状の凸部端面が形成され、
前記当接面と前記凸部端面との距離は、前記コイルの厚さと等しくなっており、
2個の前記側面対のうちの一方の前記側面対を構成する前記側面に直交する方向と2個の前記側面対のうちの他方の前記側面対を構成する前記側面に直交する方向とに直交する方向を第1方向とすると、
前記端子ピンは、多角柱状に形成され、前記第1方向における前記コイル保持部材の一方の端面から突出するように前記第1方向における前記コイル保持部材の一方の端面に固定され、
前記凸部に前記コイルが直接巻回されるときに前記コイルの巻始め側部分が最初に接触する前記凸部の側面部分を巻始め接触部とすると、
前記コイル保持部材の前記側面の、前記コイルの巻始め側の端部が固定される前記端子ピンと前記巻始め接触部との間には、前記当接面よりも窪むコイル導入部が形成され、
前記コイル導入部は、前記第1方向において、前記コイル保持部材の前記第1方向の一方の端面と前記巻始め接触部の前記第1方向の一方の端部との間に形成されていることを特徴とするコイルユニット。
【請求項2】
前記コイル導入部の、前記当接面からの窪み量は、前記コイルを構成する導線の外径以上となっていることを特徴とする請求項記載のコイルユニット。
【請求項3】
前記コイル導入部の、前記当接面からの窪み量は、前記導線の外径と等しくなっていることを特徴とする請求項記載のコイルユニット。
【請求項4】
前記コイルの厚さ方向と前記第1方向とに直交する第2方向における前記コイル導入部の幅は、前記端子ピンが固定される前記コイル保持部材の前記第1方向の一方の端面に向かうにしたがって次第に広くなっていることを特徴とする請求項からのいずれかに記載のコイルユニット。
【請求項5】
前記端子ピンが半田付けされる半田ランドが形成された回路基板を備えることを特徴とする請求項からのいずれかに記載のコイルユニット。
【請求項6】
前記第1方向における前記当接面の両端のそれぞれは、凸曲面状に形成される曲面部を介して前記第1方向における前記コイル保持部材の両端面のそれぞれに繋がっていることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載のコイルユニット。
【請求項7】
前記凸部には、前記凸部端面から前記コイル保持部材の外周側へ突出する第2凸部が形成されていることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載のコイルユニット。
【請求項8】
請求項1からのいずれかに記載のコイルユニットと、レンズおよび撮像素子を有し前記コイル保持部材に固定されるカメラモジュールと、前記コイルユニットを揺動可能に保持する支持体と、前記支持体に固定され前記コイルに対向配置される駆動用磁石とを備えることを特徴とする撮影用光学装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コイルと、コイルを保持するコイル保持部材とを有するコイルユニットに関する。また、本発明は、このコイルユニットを備える撮影用光学装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、手振れ等の振れを補正する振れ補正機能を有する撮影用光学装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の撮影用光学装置は、レンズおよび撮像素子を有する可動モジュールと、可動モジュールを揺動可能に支持する支持体と、可動モジュールと支持体とを繋ぐ板バネと、振れを補正するために支持体に対して可動モジュールを揺動させる揺動駆動機構とを備えている。揺動駆動機構は、4個の駆動用磁石と、4個の駆動用磁石のそれぞれに対向配置される4個の駆動用コイルとを備えている。
【0003】
特許文献1に記載の撮影用光学装置では、駆動用磁石は、略四角柱状に形成される可動モジュールの外周面に固定されている。駆動用コイルは、空芯コイルである。支持体は、略四角筒状に形成されるケース体を備えており、駆動用コイルは、ケース体の内周面に固定されている。具体的には、ケース体の内周面に塗布される接着剤によって駆動用コイルがケース体の内周面に固定されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2011−81288号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の撮影用光学装置では、空芯コイルである4個の駆動用コイルのそれぞれが、略四角筒状に形成されるケース体の内周面に接着で固定されている。この接着剤を用いた駆動用コイルの固定作業は手作業で行われるため、ケース体への駆動用コイルの取付作業は煩雑である。
【0006】
そこで、本発明の課題は、コイルと、コイルを保持するコイル保持部材とを備えるコイルユニットにおいて、コイル保持部材にコイルを容易に取り付けることが可能なコイルユニットを提供することにある。また、本発明の課題は、かかるコイルユニットを備える撮影用光学装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明のコイルユニットは、略長方形状の枠状に形成されるコイルと、コイルを保持するコイル保持部材と、コイルの端部が絡げられて電気的に接続される金属製の端子ピンとを備え、略長方形状の枠状に形成されるコイルの長辺に平行な方向とコイルの短辺に平行な方向とに直交する方向をコイルの厚さ方向とすると、コイル保持部材の外周面には、互いに平行な一対の側面からなる側面対が形成されるとともに、2個の側面対が互いに直交するように配置され、側面には、コイルの厚さ方向におけるコイルの一端面が当接する平面状の当接面が形成されるとともに、コイルが直接巻回される凸部が当接面からコイル保持部材の外周側へ突出するように形成され、凸部の突出方向における凸部の先端側には、当接面に平行な平面状の凸部端面が形成され、当接面と凸部端面との距離は、コイルの厚さと等しくなっており、2個の側面対のうちの一方の側面対を構成する側面に直交する方向と2個の側面対のうちの他方の側面対を構成する側面に直交する方向とに直交する方向を第1方向とすると、端子ピンは、多角柱状に形成され、第1方向におけるコイル保持部材の一方の端面から突出するように第1方向におけるコイル保持部材の一方の端面に固定され、凸部にコイルが直接巻回されるときにコイルの巻始め側部分が最初に接触する凸部の側面部分を巻始め接触部とすると、コイル保持部材の側面の、コイルの巻始め側の端部が固定される端子ピンと巻始め接触部との間には、当接面よりも窪むコイル導入部が形成され、コイル導入部は、第1方向において、コイル保持部材の第1方向の一方の端面と巻始め接触部の第1方向の一方の端部との間に形成されていることを特徴とする。
【0008】
本発明のコイルユニットでは、コイル保持部材の外周面に形成される凸部にコイルが直接巻回されている。すなわち、本発明では、巻線装置を用いて凸部にコイルを直接巻回することで、そのまま、コイルがコイル保持部材に取り付けられる。そのため、本発明では、コイル保持部材にコイルを容易に取り付けることが可能になる。また、本発明では、コイルの厚さ方向におけるコイルの一端面が当接する当接面に平行な凸部端面が凸部の先端側に形成されており、当接面と凸部端面との距離は、コイルの厚さと等しくなっている。そのため、本発明では、巻線用の治具の平面部分を凸部端面に押し当てた状態で凸部にコイルを直接巻回することで、コイルの巻崩れを防止しながら凸部に整然とコイルを巻回することが可能になる。
【0009】
また、本発明では、コイルユニットは、コイルの端部が絡げられて電気的に接続される金属製の端子ピンを備え、コイル保持部材の外周面には、互いに平行な一対の側面からなる側面対が形成されるとともに、2個の側面対が互いに直交するように配置され、当接面および凸部は、側面に形成され、2個の側面対のうちの一方の側面対を構成する側面に直交する方向と2個の側面対のうちの他方の側面対を構成する側面に直交する方向とに直交する方向を第1方向とすると、端子ピンは、多角柱状に形成され、第1方向におけるコイル保持部材の一方の端面から突出するように第1方向におけるコイル保持部材の一方の端面に固定されている。本発明では、端子ピンが多角柱状に形成されているため、端子ピンに絡げたコイルの端部のほつれを防止することが可能になる。また、端子ピンが、第1方向におけるコイル保持部材の一方の端面から突出するように第1方向におけるコイル保持部材の一方の端面に固定されているため、凸部にコイルを直接巻回する際の、端子ピンへのコイルの引っ掛かりを防止することが可能になる。
【0010】
また、本発明では、凸部にコイルが直接巻回されるときにコイルの巻始め側部分が最初に接触する凸部の側面部分を巻始め接触部とすると、コイル保持部材の側面の、コイルの巻始め側の端部が固定される端子ピンと巻始め接触部との間には、当接面よりも窪むコイル導入部が形成されているため、凸部に対してコイルを整列巻で巻回する際に、凸部へのコイルの巻始め側の部分に、巻始めから2周目以降のコイルが乗り上げるのを防止することが可能になる。したがって、整列巻によって凸部に対してコイルを整然と巻回することが可能になる。また、本発明において、コイル導入部の、当接面からの窪み量は、コイルを構成する導線の外径以上となっていることが好ましく、たとえば、コイル導入部の、当接面からの窪み量は、導線の外径と等しくなっている。
【0011】
本発明において、たとえば、コイルの厚さ方向と第1方向とに直交する第2方向におけるコイル導入部の幅は、端子ピンが固定されるコイル保持部材の第1方向の一方の端面に向かうにしたがって次第に広くなっている。この場合には、たとえば、第1方向に分割される金型を用いて、比較的容易にコイル保持部材を製造することが可能になる。
【0012】
本発明において、コイルユニットは、端子ピンが半田付けされる半田ランドが形成された回路基板を備えることが好ましい。このように構成すると、端子ピンおよび回路基板を介してコイルに電流を供給することが可能になるため、コイルの引き回し距離を短くすることが可能になる。
【0013】
本発明において、第1方向における当接面の両端のそれぞれは、凸曲面状に形成される曲面部を介して第1方向におけるコイル保持部材の両端面のそれぞれに繋がっていることが好ましい。このように構成すると、凸部にコイルを直接巻回する際に、第1方向におけるコイル保持部材の両端面と当接面との境界部分でのコイルの引っ掛かりを抑制することが可能になる。
【0014】
本発明において、凸部には、凸部端面からコイル保持部材の外周側へ突出する第2凸部が形成されていることが好ましい。このように構成すると、コイルユニットを取り扱う際に、コイルが外部の部材に接触しにくくなる。したがって、コイルユニットを取り扱う際のコイルの損傷を防止することが可能になる。また、このように構成すると、たとえば、コイルユニットが搭載される所定の装置においてコイルと磁石とが対向配置されたときに、コイルと磁石との接触を第2凸部によって防止することが可能になる。
【0015】
本発明のコイルユニットは、レンズおよび撮像素子を有しコイル保持部材に固定されるカメラモジュールと、コイルユニットを揺動可能に保持する支持体と、支持体に固定されコイルに対向配置される駆動用磁石とを備える撮影用光学装置に用いることができる。この撮影用光学装置では、コイル保持部材にコイルを容易に取り付けることが可能になる。また、この撮影用光学装置では、巻線用の治具の平面部分を凸部端面に押し当てた状態で凸部にコイルを直接巻回することで、コイルの巻崩れを防止しながら凸部に整然とコイルを巻回することが可能になる。
【発明の効果】
【0016】
以上のように、本発明では、コイル保持部材にコイルを容易に取り付けることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施の形態にかかるコイルユニットが搭載される撮影用光学装置の斜視図である。
図2図1のE−E断面の断面図である。
図3図1に示す撮影用光学装置の分解斜視図である。
図4】本発明の実施の形態にかかるコイルユニットの斜視図である。
図5図4に示すコイルユニットを別の方向から示す斜視図である。
図6図5に示すホルダおよび端子ピンの斜視図である。
図7図4に示すホルダに振れ補正用コイルを巻回する巻線装置の概略図である。
図8図7のF部の構成を説明するための拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
【0019】
(撮影用光学装置の全体構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかるコイルユニット35が搭載される撮影用光学装置1の斜視図である。図2は、図1のE−E断面の断面図である。図3は、図1に示す撮影用光学装置1の分解斜視図である。なお、以下の説明では、図1等に示すように、互いに直交する3方向のそれぞれをX方向、Y方向およびZ方向とし、X方向を左右方向、Y方向を前後方向、Z方向を上下方向とする。また、図1等のZ1方向側を「上」側、Z2方向側を「下」側とする。
【0020】
本形態の撮影用光学装置1は、携帯電話等の携帯機器、ドライブレコーダあるいは監視カメラシステム等に搭載される小型かつ薄型のカメラであり、手振れ等の振れを補正する振れ補正機能を備えている。この撮影用光学装置1は、全体として略直方体状に形成されている。本形態では、撮影用光学装置1は、撮影用のレンズの光軸Lの方向(光軸方向)から見たときの形状が略正方形状となるように形成されており、撮影用光学装置1の4つの側面は、左右方向と上下方向とから構成されるZX平面または前後方向と上下方向とから構成されるYZ平面と略平行になっている。
【0021】
撮影用光学装置1は、撮影用のレンズおよび撮像素子が搭載される可動モジュール3と、可動モジュール3を揺動可能に保持する支持体4と、可動モジュール3と支持体4とを繋ぐバネ部材5と、可動枠6とを備えている。また、撮影用光学装置1は、支持体4に対して可動モジュール3を揺動させて手振れ等の振れを補正するための振れ補正機構7を備えている(図2参照)。本形態では、上下方向は、可動モジュール3が揺動していないときの可動モジュール3の光軸方向とほぼ一致する。また、本形態では、可動モジュール3の下端側に撮像素子が搭載されており、上側に配置される被写体が撮影される。
【0022】
可動モジュール3は、全体として、光軸方向から見たときの形状が略正方形状となる略四角柱状に形成されている。この可動モジュール3は、レンズおよび撮像素子を有するカメラモジュール8と、カメラモジュール8が固定されるホルダ9とを備えている。カメラモジュール8は、たとえば、レンズを保持し光軸方向へ移動可能な可動体と、この可動体を光軸方向へ移動可能に保持する保持体と、可動体と保持体とを繋ぐ板バネと、可動体を光軸方向へ駆動するレンズ駆動機構とを備えている。すなわち、カメラモジュール8は、オートフォーカス機構を備えている。カメラモジュール8の下端側からは、フレキシブルプリント基板10が引き出されている。なお、カメラモジュール8は、オートフォーカス機構を備えていなくても良い。
【0023】
ホルダ9は、耐熱性および絶縁性を有する樹脂材料で形成されている。このホルダ9は、光軸方向から見たときの外形が略正方形状となる略筒状に形成されている。カメラモジュール8は、ホルダ9によってカメラモジュール8の外周側が覆われるように、ホルダ9の内周側に固定されている。略筒状に形成されるホルダ9の軸方向は、光軸方向と一致している。ホルダ9の上端側には、可動モジュール3のバランスを調整するための錘16、17が固定されている。本形態のホルダ9は、振れ補正機構7を構成する後述の振れ補正用コイル26を保持するコイル保持部材である。
【0024】
支持体4は、支持体4の上端側部分の前後左右の4つの側面を構成するケース体12と、支持体4の下端側部分を構成する下ケース体13およびカバー部材14と、支持体4の上端面を構成するカバー部材15とを備えている。本形態では、ケース体12は、撮影用光学装置1の上端側部分の前後左右の4つの側面を構成し、下ケース体13およびカバー部材14は、撮影用光学装置1の下端側部分を構成し、カバー部材15は、撮影用光学装置1の上端面を構成している。
【0025】
ケース体12は、略四角筒状に形成されている。このケース体12は、可動モジュール3および振れ補正機構7を外周側から覆うように配置されている。カバー部材15は、ケース体12の上端面に固定されている。このカバー部材15は、略正方形の平板状に形成される上面部15aと、上面部15aの下面から下側へ突出する突出部15bとから構成されている。上面部15aの中心には、円形の貫通孔15cが形成されている。突出部15bは、略正方形の枠状に形成されており、貫通孔15cの縁から下側へ突出している。下ケース体13は、略四角筒状に形成されている。カバー部材14は、下ケース体13の下端を覆う底面部14aと、下ケース体13の外周側を覆う4つの側面部14bとから構成されている。ケース体12の下端と下ケース体13の上端との間には、可動モジュール3の揺動範囲を規制するストッパ18が固定されている。
【0026】
バネ部材5は、板バネであり、平板状に形成されている。このバネ部材5は、可動モジュール3の上端側(具体的には、ホルダ9の上端側)に固定される可動側固定部と、支持体4の上端側(具体的には、カバー部材15の突出部15b)に固定される支持側固定部と、可動側固定部と支持側固定部とを繋ぐ複数の腕部とを備えている。バネ部材5は、振れ補正機構7を構成する後述の振れ補正用コイル26に電流が供給されていないときに、可動モジュール3の姿勢を維持する機能を果たしている。
【0027】
可動枠6は、弾性部材であり、全体として板状に形成されるとともに、略正方形の枠状に形成されている。この可動枠6は、その4辺が前後方向または左右方向と略平行になるように配置されている。略正方形の枠状に形成される可動枠6の各辺の中心部には、前後方向または左右方向に対して蛇行する蛇行部が形成されている。可動枠6の四隅のそれぞれの内側には、球状に形成される球体20が固定されている。球体20は、金属材料で形成されており、レーザ溶接によって可動枠6に接合されている。
【0028】
4個の球体20のうち、可動枠6の一方の対角線上に配置される2個の球体20は、球体20を回動可能に支持する支持部材22に支持され、残りの2個の球体20は、球体20を回動可能に支持する支持部材23に支持されている。支持部材22、23は、薄い金属板を所定形状に折り曲げることで形成された板バネである。支持部材22は、カバー部材15の突出部15bの下端側に固定されている。支持部材23は、ホルダ9の上端側に固定されている。支持部材22、23には、球体20の一部が配置される半球状の凹部が形成されている。支持部材22、23は、可動枠6の内周側から球体20を保持している。本形態では、可動モジュール3と支持体4との間にジンバル機構が構成されており、可動モジュール3は、ジンバル機構に用いた可動枠6を介して、支持体4に対して支持部材22で支持された第1軸線周りに揺動可能に支持されるとともに、支持部材23で支持された第2軸線周りに揺動可能に支持されている。
【0029】
振れ補正機構7は、ホルダ9の4つの側面のそれぞれに取り付けられるコイルとしての振れ補正用コイル26と、ケース体12の4つの内側面のそれぞれに取り付けられる駆動用磁石としての振れ補正用磁石27とを備えている。すなわち、振れ補正機構7は、4個の振れ補正用コイル26と、4個の振れ補正用磁石27とを備えている。振れ補正用コイル26は、略長方形状の枠状に導線が巻回されることで形成されている。すなわち、振れ補正用コイル26は、略長方形の枠状に形成されている。振れ補正用磁石27は、長方形の平板状に形成されており、振れ補正用コイル26に対向するようにケース体12の内側面に固定されている。本形態では、ホルダ9と、4個の振れ補正用コイル26と、後述の8本の端子ピン36およびフレキシブルプリント基板37とによってコイルユニット35(図4参照)が構成されている。このコイルユニット35は、支持体4に揺動可能に保持されている。コイルユニット35の詳細な構成については後述する。
【0030】
以上のように構成された撮影用光学装置1では、可動モジュール3の下端面に取り付けられるジャイロスコープ28(図2参照)によって可動モジュール3の傾きの変化が検出されると、ジャイロスコープ28での検出結果に基づいて、振れ補正用コイル26に電流が供給される。また、振れ補正用コイル26に電流が供給されると、可動モジュール3は、ジンバル機構に用いた可動枠6を介して、支持体4に対して支持部材22で支持された第1軸線周りに揺動したり、支持部材23で支持された第2軸線周りに揺動して、振れが補正される。
【0031】
(コイルユニットの構成)
図4は、本発明の実施の形態にかかるコイルユニット35の斜視図である。図5は、図4に示すコイルユニット35を別の方向から示す斜視図である。図6は、図5に示すホルダ9および端子ピン36の斜視図である。
【0032】
コイルユニット35は、ホルダ9と4個の振れ補正用コイル26とを備えている。また、コイルユニット35は、振れ補正用コイル26の端部が絡げられて電気的に接続される金属製の8本の端子ピン36と、8本の端子ピン36が半田付けされて電気的に接続される回路基板としてのフレキシブルプリント基板37とを備えている。上述のように、振れ補正用コイル26は、略長方形の枠状に形成されており、2個の長辺部26aと、長辺部26aよりも短い2個の短辺部26bとから構成されている。
【0033】
ホルダ9は、上述のように、略筒状に形成されている。具体的には、ホルダ9は、略円筒状に形成される内筒部9aと、略四角筒状に形成され内筒部9aの外周側に配置される外筒部9bと、内筒部9aの下端と外筒部9bの下端とを繋ぐ底部9cとから構成される二重筒状に形成されている。内筒部9aの内周側にはカメラモジュール8が固定されている。また、上下方向から見たときのホルダ9の外形は略正方形状となっている。すなわち、上下方向から見たときのホルダ9の外周面(具体的には、外筒部9bの外周面)は、略正方形状に形成されており、ホルダ9の外周面には、左右方向に略直交するとともに互いに平行な2つの側面9dと、前後方向に略直交するとともに互いに平行な2つの側面9eとが形成されている。
【0034】
すなわち、ホルダ9の外周面には、互いに平行な一対の側面9dからなる側面対と、互いに平行な一対の側面9eからなる側面対とが形成されており、この2個の側面対は、互いに直交するように配置されている。本形態の上下方向は、2個の側面対のうちの一方の側面対を構成する側面9dに直交する方向である左右方向と、2個の側面対のうちの他方の側面対を構成する側面9eに直交する方向である前後方向とに直交する第1方向である。
【0035】
略長方形の枠状に形成される振れ補正用コイル26の長辺に平行な方向(すなわち、長辺部26aに平行な方向)と振れ補正用コイル26の短辺に平行な方向(すなわち、短辺部26bに平行な方向)とに直交する方向を振れ補正用コイル26の厚さ方向とすると、側面9d、9eのそれぞれには、振れ補正用コイル26の厚さ方向の一端面が当接する平面状の当接面9fが形成されている。また、側面9d、9eのそれぞれには、振れ補正用コイル26が直接巻回される凸部9gが当接面9fからホルダ9の外周側へ突出するように形成されている。すなわち、側面9dには、左右方向の外側へ突出する凸部9gが形成され、側面9eには、前後方向の外側へ突出する凸部9gが形成されている。
【0036】
側面9dに形成される当接面9fは、左右方向に直交する平面状に形成され、側面9eに形成される当接面9fは、前後方向に直交する平面状に形成されている。側面9dに形成される凸部9gは、左右方向から見たときの形状が前後方向を長手方向とし上下方向を短手方向とする略長方形状(具体的には、四隅の丸みを有する略長方形状)となるように形成されている。側面9eに形成される凸部9gは、前後方向から見たときの形状が左右方向を長手方向とし上下方向を短手方向とする略長方形状(具体的には、四隅の丸みを有する略長方形状)となるように形成されている。凸部9gは、側面9d、9eの略中心に形成されており、当接面9fは、凸部9gを囲むように形成されている。本形態では、凸部9gに振れ補正用コイル26を直接巻回できるように、側面9d、9eにおいて、凸部9gのみが当接面9fよりもホルダ9の外周側へ突出している。
【0037】
当接面9fの上端は、凸曲面状に形成される曲面部9hを介して外筒部9bの上端面に繋がっている。すなわち、当接面9fの上端は、曲面部9hを介してホルダ9の上端面に繋がっている。また、当接面9fの下端は、凸曲面状に形成される曲面部9jを介して外筒部9bの下端面に繋がっている。すなわち、当接面9fの下端は、曲面部9jを介してホルダ9の下端面に繋がっている。
【0038】
凸部9gの突出方向における凸部9gの先端側には、当接面9fに平行な平面状の凸部端面9kが形成されている。すなわち、側面9dに形成される凸部9gの先端側(左右方向の外側端)には、左右方向に直交する平面状の凸部端面9kが形成され、側面9eに形成される凸部9gの先端側(前後方向の外側端)には、前後方向に直交する平面状の凸部端面9kが形成されている。
【0039】
また、凸部9gの先端側には、凸部端面9kからホルダ9の外周側へさらに突出する第2凸部としての凸部9mが形成されている。すなわち、側面9dの凸部9gには、左右方向の外側へ突出する凸部9mが形成され、側面9eの凸部9gには、前後方向の外側へ突出する凸部9mが形成されている。側面9dの凸部9gに形成される凸部9mは、左右方向から見たときの形状が前後方向を長手方向とし上下方向を短手方向とする略長方形状となるように形成されている。側面9eの凸部9gに形成される凸部9mは、前後方向から見たときの形状が左右方向を長手方向とし上下方向を短手方向とする略長方形状となるように形成されている。凸部9mは、凸部9gの略中心に形成されており、凸部端面9kは、凸部9mを囲むように形成されている。
【0040】
振れ補正用コイル26は、凸部9gの側面に巻回されている。本形態では、整列巻によって凸部9gの側面に振れ補正用コイル26が巻回されている。上述のように、振れ補正用コイル26が直接巻回される凸部9gの、前後方向または左右方向から見たときの形状が上下方向を短手方向とする略長方形状となっているため、振れ補正用コイル26は、振れ補正用コイル26の短手方向と上下方向とが一致するように凸部9gに巻回されている。振れ補正用コイル26の内周面は全周に亘って、凸部9gの側面に接触している。
【0041】
上述のように、当接面9fには、振れ補正用コイル26の厚さ方向の一端面が当接している。本形態では、当接面9fと凸部端面9kとの距離D(図6参照)は、振れ補正用コイル26の厚さと等しくなっている。すなわち、側面9dにおいて、当接面9fと凸部端面9kとの左右方向の距離Dが振れ補正用コイル26の厚さと等しくなっており、側面9eにおいて、当接面9fと凸部端面9kとの前後方向の距離Dが振れ補正用コイル26の厚さと等しくなっている。そのため、振れ補正用コイル26の厚さ方向の他端面と凸部端面9kとは同一平面上に配置されている。
【0042】
端子ピン36は、銅合金等の導電性の高い金属材料で形成されている。また、端子ピン36は、多角柱状に形成されている。具体的には、端子ピン36は、四角柱状(四角棒状)に形成されている。この端子ピン36は、ホルダ9の下端面に固定されている。具体的には、端子ピン36は、外筒部9bの下端面から下側へ突出するように、外筒部9bの下端面に圧入等によって固定されている。また、側面9d、9eのそれぞれの下方に2本の端子ピン36が配置されている。
【0043】
側面9dの下方に配置される2本の端子ピン36は、前後方向に所定の間隔をあけた状態で配置されており、一方の端子ピン36に振れ補正用コイル26の巻始め側の端部が絡げられ、他方の端子ピン36に振れ補正用コイル26の巻終わり側の端部が絡げられている。側面9eの下方に配置される2本の端子ピン36は、左右方向に所定の間隔をあけた状態で配置されており、一方の端子ピン36に振れ補正用コイル26の巻始め側の端部が絡げられ、他方の端子ピン36に振れ補正用コイル26の巻終わり側の端部が絡げられている。また、側面9dの下方に配置される2本の端子ピン36は、凸部9gの前後方向の側面よりも前後方向の内側に配置され、側面9eの下方に配置される2本の端子ピン36は、凸部9gの左右方向の側面よりも左右方向の内側に配置されている。
【0044】
凸部9gに振れ補正用コイル26が直接巻回されるときに振れ補正用コイル26の巻始め側部分が最初に接触する凸部9gの側面部分を巻始め接触部9pとすると(図6参照)、側面9d、9eの、振れ補正用コイル26の巻始め側の端部が固定される端子ピン36と巻始め接触部9pとの間には、当接面9fよりも窪むコイル導入部9rが形成されている。側面9dでは、前後方向における凸部9gの一方の側面が巻始め接触部9pとなっており、側面9eでは、左右方向における凸部9gの一方の側面が巻始め接触部9pとなっている。
【0045】
コイル導入部9rは、上下方向において、外筒部9bの下端面と巻始め接触部9pの下端との間に形成されている。コイル導入部9rの幅は、下側に向かうにしたがって次第に広くなっている。すなわち、側面9dに形成されるコイル導入部9rの前後方向の幅は、下側に向かうにしたがって次第に広くなっており、このコイル導入部9rの左右方向から見たときの形状は略直角三角形状となっている。また、側面9eに形成されるコイル導入部9rの左右方向の幅は、下側に向かうにしたがって次第に広くなっており、このコイル導入部9rの前後方向から見たときの形状は略直角三角形状となっている。
【0046】
コイル導入部9rの当接面9fからの窪み量は、振れ補正用コイル26を構成する導線の外径以上となっている。たとえば、コイル導入部9rの当接面9fからの窪み量は、振れ補正用コイル26を構成する導線の外径と等しくなっている。当接面9fの下端と同様に、コイル導入部9rの下端は、凸曲面状に形成される曲面部9vを介して外筒部9bの下端面に繋がっている。
【0047】
本形態では、巻始め側の端部が端子ピン36に固定された振れ補正用コイル26は、その後、この端子ピン36と巻始め接触部9pとを結ぶ線上に形成されるコイル導入部9rの傾斜面9s(図6参照)に沿って巻始め接触部9pまで引き回される。なお、前後方向または左右方向における凸部9gの側面であって、巻始め接触部9pとなる側面と反対側の側面を非巻始め接触部9t(図6参照)とすると、本形態では、振れ補正用コイル26の巻終わり側の端部が固定される端子ピン36と非巻始め接触部9tとの間にも、コイル導入部9rと同様に形成される窪み部9uが形成されている。コイル導入部9rの下端と同様に、窪み部9uの下端は、凸曲面状に形成される曲面部9wを介して外筒部9bの下端面に繋がっている。
【0048】
フレキシブルプリント基板37は、外筒部9bの下端面に沿って配置される端子接続部37aと、端子接続部37aから引き出される引き出し部37bとを備えている。図5に示すように、端子接続部37aの下面には、端子ピン36が半田付けされる半田ランド37cが形成されている。半田ランド37cは、端子ピン36の一部が配置される略D形状の切欠き部の縁に沿って形成されている。なお、半田ランド37cは、端子ピン36が挿通される貫通孔の縁に沿って形成されても良い。
【0049】
(振れ補正用コイルの巻回方法)
図7は、図4に示すホルダ9に振れ補正用コイル26を巻回する巻線装置41の概略図である。図8は、図7のF部の構成を説明するための拡大断面図である。
【0050】
ホルダ9の凸部9gへの振れ補正用コイル26の巻線は、巻線装置41を用いて行われる。図7に示すように、巻線装置41は、ホルダ9が固定される本体部42と、本体部42を回転させる回転機構(図示省略)と、振れ補正用コイル26を構成する導線を供給する供給ノズル43と、本体部42と一緒に回転する従属ヘッド44とを備えている。本体部42は、ホルダ9が搭載されるホルダ搭載部45と、ホルダ搭載部45との間にホルダ9を挟んでホルダ9を固定するためのクランプ部46と、図7の上下方向を回動の軸方向としてホルダ搭載部45を回動可能に保持するとともに図7の上下方向へクランプ部46を移動可能に保持するベース部47とを備えている。本体部42は、図7の左右方向を回転の軸方向として回転可能となっている。
【0051】
従属ヘッド44は、図7の左右方向へ直線的に移動可能となっている。また、従属ヘッド44は、図7の左右方向を回転の軸方向として回転可能となっている。従属ヘッド44には、従属ヘッド44を回転させる回転機構が連結されており、本体部42と従属ヘッド44とが同期して回転する。また、従属ヘッド44には、ホルダ9の凸部端面9kに接触する平面状の接触面44aが形成されている。また、従属ヘッド44には、図8に示すように、凸部9mが入り込む凹部44bが形成されている。
【0052】
巻線装置41を用いて振れ補正用コイル26を凸部9gに巻回するときには、まず、本体部42にホルダ9を固定するとともに、振れ補正用コイル26の巻始め側の端部を端子ピン36に絡げて固定する。その後、従属ヘッド44の凹部44bの中に凸部9mが配置されるとともに接触面44aが凸部端面9kに押し当てられるように従属ヘッド44を移動させる。この状態で、供給ノズル43から導線を供給しながら、本体部42と従属ヘッド44とを一緒に回転させることで、凸部9gに振れ補正用コイル26を巻回する。また、凸部9gに振れ補正用コイル26が巻回されると、振れ補正用コイル26の巻終わり側の端部を端子ピン36に絡げて固定する。
【0053】
振れ補正用コイル26の巻終わり側の端部を端子ピン36に絡げて固定すると、ベース部47に対してホルダ搭載部45を90°回動させてから、同様にして、次の凸部9gに振れ補正用コイル26を巻回する。このようにして、側面9d、9eのそれぞれに振れ補正用コイル26を順次巻回する。なお、各凸部9gへの振れ補正用コイル26の巻回が終了するごとに、ホルダ9が搭載されたホルダ搭載部45の回動が可能となるように、従属ヘッド44およびクランプ部46を移動させる。また、本形態では、振れ補正用コイル26を構成する導線は融着被膜を有する融着線であり、各凸部9gへの振れ補正用コイル26の巻回が終了するごとに、ホルダ9と一緒に振れ補正用コイル26を加熱して、導線同士を融着させる。
【0054】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、ホルダ9の側面9d、9eに形成される凸部9gに振れ補正用コイル26が直接巻回されている。すなわち、本形態では、巻線装置41を用いて凸部9gに振れ補正用コイル26を直接巻回することで、そのまま、振れ補正用コイル26がホルダ9に取り付けられている。そのため、本形態では、ホルダ9に振れ補正用コイル26を容易に取り付けることが可能になる。
【0055】
本形態では、振れ補正用コイル26の厚さ方向の一端面が当接する当接面9fと凸部9gの凸部端面9kとが平行になっており、当接面9fと凸部端面9kとの距離Dは、振れ補正用コイル26の厚さと等しくなっている。そのため、本形態では、従属ヘッド44の接触面44aを凸部端面9kに押し当てた状態で凸部9gに振れ補正用コイル26を直接巻回することで、振れ補正用コイル26の巻崩れを防止しながら凸部9gに整然と振れ補正用コイル26を巻回することが可能になる。
【0056】
また、本形態では、側面9d、9eにおいて、振れ補正用コイル26の巻始め側の端部が固定される端子ピン36と巻始め接触部9pとの間に、当接面9fよりも窪むコイル導入部9rが形成されており、コイル導入部9rの当接面9fからの窪み量は、振れ補正用コイル26を構成する導線の外径以上となっている。そのため、本形態では、凸部9gに対して振れ補正用コイル26を整列巻で巻回する際に、巻始め側の端部が固定される端子ピン36と巻始め接触部9pとの間に配置される振れ補正用コイル26の導線に、巻始めから2周目以降の振れ補正用コイル26の導線が乗り上げるのを防止することが可能になる。したがって、本形態では、整列巻によって凸部9gに対して振れ補正用コイル26を整然と巻回することが可能になる。
【0057】
本形態では、端子ピン36は、外筒部9bの下端面から下側へ突出するように、ホルダ9の下端面に固定されている。そのため、本形態では、ホルダ9の外周側へ突出する凸部9gに振れ補正用コイル26を直接巻回する際の、端子ピン36への振れ補正用コイル26の引っ掛かりを防止することが可能になる。また、本形態では、当接面9fの上端が曲面部9hを介して外筒部9bの上端面に繋がり、当接面9fの下端が曲面部9jを介して外筒部9bの下端面に繋がっているため、当接面9fから突出する凸部9gに振れ補正用コイル26を直接巻回する際に、外筒部9bの上下の両端面と当接面9fとの境界部分での振れ補正用コイル26の引っ掛かりを抑制することが可能になる。また、本形態では、コイル導入部9rの下端が曲面部9vを介して外筒部9bの下端面に繋がり、窪み部9uの下端が曲面部9wを介して外筒部9bの下端面に繋がっているため、凸部9gに振れ補正用コイル26を直接巻回する際に、外筒部9bの上下の両端面とコイル導入部9r、窪み部9uとの境界部分での振れ補正用コイル26の引っ掛かりを抑制することが可能になる。
【0058】
本形態では、端子ピン36が四角柱状に形成されている。そのため、本形態では、端子ピン36に絡げた振れ補正用コイル26の端部のほつれを防止することが可能になる。また、本形態では、コイル導入部9rの幅が、下側に向かうにしたがって次第に広くなっているため、上下方向に分割される金型を用いて、比較的容易にホルダ9を製造することが可能になる。
【0059】
本形態では、凸部端面9kからホルダ9の外周側へ突出する凸部9mが凸部9gに形成されている。そのため、本形態では、コイルユニット35を取り扱う際に、振れ補正用コイル26が外部の部材に接触しにくくなる。したがって、本形態では、コイルユニット35を取り扱う際の振れ補正用コイル26の損傷を防止することが可能になる。また、本形態では、撮影用光学装置1において、振れ補正用コイル26に対向配置される振れ補正用磁石27と振れ補正用コイル26との接触を凸部9mによって防止することが可能になる。
【0060】
(他の実施の形態)
上述した形態は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形実施が可能である。
【0061】
上述した形態では、側面9d、9eに、1個の凸部9gが形成され、1個の凸部9gに1個の振れ補正用コイル26が巻回されている。この他にもたとえば、側面9d、9eに、1個の振れ補正用コイル26が巻回される2個以上の凸部が形成されても良い。この場合、側面9dには、前後方向で互いに間隔をあけた状態で2個以上の凸部が形成され、側面9eには、左右方向で互いに間隔をあけた状態で2個以上の凸部が形成される。
【0062】
上述した形態では、2個の側面9dの凸部9gに振れ補正用コイル26が巻回されるとともに、2個の側面9eの凸部9gに振れ補正用コイル26が巻回されている。この他にもたとえば、2個の側面9dの凸部9gに振れ補正用コイル26が巻回され、2個の側面9eの凸部9gに振れ補正用コイル26が巻回されなくても良い。また、2個の側面9eの凸部9gに振れ補正用コイル26が巻回され、2個の側面9dの凸部9gに振れ補正用コイル26が巻回されなくても良い。また、2個の側面9dのうちの一方の側面9dの凸部9gと、2個の側面9eのうちの一方の側面9eの凸部9gとに振れ補正用コイル26が巻回され、他方の側面9dの凸部9gと他方の側面9eの凸部9gとに振れ補正用コイル26が巻回されなくても良い。
【0063】
上述した形態では、端子ピン36は、外筒部9bの下端面から下側へ突出するように外筒部9bの下端面に固定されているが、端子ピン36は、外筒部9bの外周面に固定されても良い。この場合には、凸部9gに振れ補正用コイル26を直接巻回する際、端子ピン36に振れ補正用コイル26が引っ掛からないように、たとえば、外筒部9bの外周面に形成される窪みの中に端子ピン36が配置される。また、上述した形態では、端子ピン36は、多角柱状に形成されているが、端子ピン36は、円柱状に形成されても良いし、楕円柱状に形成されても良い。
【0064】
上述した形態では、左右方向または前後方向から見たときのコイル導入部9rの形状は略直角三角形状となっているが、左右方向または前後方向から見たときのコイル導入部9rの形状は、振れ補正用コイル26の巻始め側の端部が固定される端子ピン36と巻始め接触部9pとを結ぶ直線状となっていても良い。また、上述した形態では、振れ補正用コイル26の巻終わり側の端部が固定される端子ピン36と非巻始め接触部9tとの間に窪み部9uが形成されているが、窪み部9uは形成されていなくても良い。
【0065】
上述した形態では、端子ピン36は、フレキシブルプリント基板37に半田付けされているが、端子ピン36は、リジッド基板に半田付けされて固定されても良い。また、上述した形態では、凸部9gの先端側に凸部9mが形成されているが、凸部9mは形成されていなくても良い。この場合には、従属ヘッド44に凹部44bを形成する必要がなくなるため、従属ヘッド44の構成を簡素化することが可能になる。
【0066】
上述した形態では、光軸方向から見たときのホルダ9の外形は、略正方形状となっているが、光軸方向から見たときのホルダ9の外形は、略長方形状となっていても良いし、略正六角形状や略正八角形状等となっていても良い。また、上述した形態では、コイルユニット35は、撮影用光学装置1に搭載されているが、コイルユニット35は、撮影用光学装置1以外の装置に搭載されても良い。すなわち、本発明におけるコイルは、振れ補正用コイル26以外のコイルであっても良い。
【符号の説明】
【0067】
1 撮影用光学装置
4 支持体
8 カメラモジュール
9 ホルダ(コイル保持部材)
9d、9e 側面
9f 当接面
9g 凸部
9h、9j 曲面部
9k 凸部端面
9m 凸部(第2凸部)
9p 巻始め接触部
9r コイル導入部
26 振れ補正用コイル(コイル)
27 振れ補正用磁石(駆動用磁石)
35 コイルユニット
36 端子ピン
37 フレキシブルプリント基板(回路基板)
37c 半田ランド
D 当接面と凸部端面との距離
Z 第1方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8