特許第6572031号(P6572031)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6572031
(24)【登録日】2019年8月16日
(45)【発行日】2019年9月4日
(54)【発明の名称】コンデンサ
(51)【国際特許分類】
   F25B 43/00 20060101AFI20190826BHJP
   F25B 39/04 20060101ALI20190826BHJP
【FI】
   F25B43/00 T
   F25B39/04 S
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-137712(P2015-137712)
(22)【出願日】2015年7月9日
(65)【公開番号】特開2017-20700(P2017-20700A)
(43)【公開日】2017年1月26日
【審査請求日】2018年4月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】512025676
【氏名又は名称】株式会社ケーヒン・サーマル・テクノロジー
(74)【代理人】
【識別番号】100106091
【弁理士】
【氏名又は名称】松村 直都
(74)【代理人】
【識別番号】100079038
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邉 彰
(74)【代理人】
【識別番号】100060874
【弁理士】
【氏名又は名称】岸本 瑛之助
(72)【発明者】
【氏名】大橋 日出雄
【審査官】 西山 真二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−189313(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第02636974(EP,A1)
【文献】 特表2008−529877(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25B 39/04
F25B 43/00
B60H 1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
凝縮部と、凝縮部の上方に設けられた過冷却部と、凝縮部と過冷却部との間に設けられた受液器とを備えており、凝縮部および過冷却部に、それぞれ長手方向を左右方向に向けるとともに上下方向に間隔をおいて並列状に配置された複数の熱交換管からなる少なくとも1つの熱交換パスが設けられ、凝縮部から流出した冷媒が、受液器を経て過冷却部に流入するようになっており、受液器に、凝縮部から冷媒が流入する冷媒流入口、および冷媒流入口の上方に位置しかつ過冷却部に冷媒を流出させる冷媒流出口が形成され、受液器内における冷媒流入口と冷媒流出口との間の高さ位置に、受液器内を上下に区画する仕切部材が設けられ、受液器内に、仕切部材よりも下方の冷媒流入口が通じる第1空間と、仕切部材よりも上方の冷媒流出口が通じる第2空間とが設けられ、受液器内に、下端が第1空間に開口するとともに、上端が第2空間に開口する吸い上げ管が配置され、受液器内の第1空間に、通気性および通液性を有するとともに乾燥剤が収容され、かつ長手方向が上下方向を向いた乾燥剤バッグが配置されているコンデンサにおいて、
乾燥剤バッグの外面に、上下方向にのびるとともに上下両端が開口した1つの吸い上げ管挿通用筒状部が一体に設けられ、前記吸い上げ管が乾燥剤バッグの吸い上げ管挿通用筒状部内に通されることにより、乾燥剤バッグの姿勢が保持されているコンデンサ。
【請求項2】
第2空間に、吸い上げ管を通って第2空間内に流入する冷媒から異物を除去するフィルタが配置されている請求項1記載のコンデンサ。
【請求項3】
仕切部材に吸い上げ管の上端部が挿入される貫通穴が形成され、吸い上げ管の上端部が当該貫通穴に挿入されるとともに吸い上げ管の上端開口が当該貫通穴を介して第2空間に通じており、仕切部材の上面における貫通穴の周囲の部分に、フィルタ保持部材が固定状に設けられており、フィルタ保持部材にフィルタが保持されている請求項2記載の熱交換器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、たとえばカーエアコンを構成する冷凍サイクルに用いられるコンデンサに関する。
【0002】
この明細書および特許請求の範囲において、図1および図2の上下、左右を上下、左右というものとする。
【背景技術】
【0003】
カーエアコンを構成する冷凍サイクルのコンデンサとして、凝縮部と、凝縮部の上方に設けられた過冷却部と、凝縮部と過冷却部との間に設けられた受液器とを備えており、凝縮部および過冷却部に、それぞれ長手方向を左右方向に向けるとともに上下方向に間隔をおいて並列状に配置された複数の熱交換管からなる少なくとも1つの熱交換パスが設けられ、凝縮部から流出した冷媒が、受液器を経て過冷却部に流入するようになっており、受液器内が、凝縮部と過冷却部との間の高さ位置に設けられた仕切部材によって、第1空間と第1空間の上方に位置する第2空間とに分割され、受液器に、第1空間に通じかつ凝縮部から冷媒が流入する冷媒流入口、および第2空間に通じかつ過冷却部に冷媒を流出させる冷媒流出口が形成され、受液器内に、下端が第1空間に開口するとともに、上端が第2空間に開口する吸い上げ管が配置され、受液器内の第1空間に、通気性および通液性を有するとともに乾燥剤が収容され、かつ長手方向が上下方向を向いた乾燥剤バッグが配置されているコンデンサが提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1記載のコンデンサにおいては、凝縮部を通過した冷媒が冷媒流入口から受液器内の第1空間に流入した後、吸い上げ管を通って第2空間に流入し、その後冷媒流出口から過冷却部に入るようになっている。
【0005】
しかしながら、特許文献1記載のコンデンサにおいては、車両の走行時に、振動により吸い上げ管が受液器の周壁に当たり、異音が発生するという問題がある。また、受液器内に流入してきた冷媒の勢いにより乾燥剤バッグが動き、その結果乾燥剤バッグ内の乾燥剤が粉砕されて異物が発生したり、動いた乾燥剤バッグにより受液器内に流入した冷媒のスムーズな流れが阻害されたりするおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−139438号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この発明の目的は、上記問題を解決し、異音の発生を抑制しうるとともに、受液器内での乾燥剤バッグの動きを阻止しうるコンデンサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記目的を達成するために以下の態様からなる。
【0009】
1)凝縮部と、凝縮部の上方に設けられた過冷却部と、凝縮部と過冷却部との間に設けられた受液器とを備えており、凝縮部および過冷却部に、それぞれ長手方向を左右方向に向けるとともに上下方向に間隔をおいて並列状に配置された複数の熱交換管からなる少なくとも1つの熱交換パスが設けられ、凝縮部から流出した冷媒が、受液器を経て過冷却部に流入するようになっており、受液器に、凝縮部から冷媒が流入する冷媒流入口、および冷媒流入口の上方に位置しかつ過冷却部に冷媒を流出させる冷媒流出口が形成され、受液器内における冷媒流入口と冷媒流出口との間の高さ位置に、受液器内を上下に区画する仕切部材が設けられ、受液器内に、仕切部材よりも下方の冷媒流入口が通じる第1空間と、仕切部材よりも上方の冷媒流出口が通じる第2空間とが設けられ、受液器内に、下端が第1空間に開口するとともに、上端が第2空間に開口する吸い上げ管が配置され、受液器内の第1空間に、通気性および通液性を有するとともに乾燥剤が収容され、かつ長手方向が上下方向を向いた乾燥剤バッグが配置されているコンデンサにおいて、
乾燥剤バッグの外面に、上下方向にのびるとともに上下両端が開口した1つの吸い上げ管挿通用筒状部が一体に設けられ、前記吸い上げ管が乾燥剤バッグの吸い上げ管挿通用筒状部内に通されることにより、乾燥剤バッグの姿勢が保持されているコンデンサ。
【0010】
2)第2空間に、吸い上げ管を通って第2空間内に流入する冷媒から異物を除去するフィルタが配置されている上記1)記載のコンデンサ。
【0011】
3)仕切部材に吸い上げ管の上端部が挿入される貫通穴が形成され、吸い上げ管の上端部が当該貫通穴に挿入されるとともに吸い上げ管の上端開口が当該貫通穴を介して第2空間に通じており、仕切部材の上面における貫通穴の周囲の部分に、フィルタ保持部材が固定状に設けられており、フィルタ保持部材にフィルタが保持されている上記2)記載の熱交換器。
【発明の効果】
【0012】
上記1)〜3)のコンデンサによれば、乾燥剤バッグの外面に、上下方向にのびるとともに上下両端が開口した1つの吸い上げ管挿通用筒状部が一体に設けられ、前記吸い上げ管が乾燥剤バッグの吸い上げ管挿通用筒状部内に通されることにより、乾燥剤バッグの姿勢が保持されているので、吸い上げ管が直接受液器の周壁に当たることが防止され、異音の発生を抑制することができる。
【0013】
さらに、乾燥剤バッグの吸い上げ管挿通用筒状部内に通された吸い上げ管により、受液器内に流入してきた冷媒の勢いによる乾燥剤バッグの動きが抑制される。したがって、乾燥剤バッグ内の乾燥剤が粉砕されて異物が発生することが防止されるとともに、受液器内に流入した冷媒がスムーズに流れる。
【0014】
上記2)のコンデンサによれば、冷媒流入口から受液器内の第1空間に流入した冷媒が吸い上げ管を通って第2空間に流入する際に、フィルタにより異物が除去される。
【0015】
上記3)のコンデンサによれば、第2空間に、吸い上げ管を通って第2空間内に流入する冷媒から異物を除去するフィルタを比較的簡単に設けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】この発明のコンデンサの全体構成を示す正面図である。
図2図1のコンデンサを模式的に示す正面図である。
図3図1のコンデンサの受液器の上部を拡大して示す垂直断面図である。
図4図3のA−A線断面図である。
図5図1のコンデンサの受液器の上部を拡大して示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、この発明の実施形態を、図面を参照して説明する。
【0018】
以下の説明において、図1の紙面表裏方向(図4の上下方向)を通風方向というものとする。
【0019】
また、以下の説明において、「アルミニウム」という用語には、純アルミニウムの他にアルミニウム合金を含むものとする。
【0020】
図1はこの発明のコンデンサの全体構成を具体的に示し、図2図1のコンデンサを、一部の部材の図示を省略して模式的に示す。また、図3図5図1のコンデンサの要部の構成を示す。
【0021】
図1および図2において、コンデンサ(1)は、凝縮部(1A)と、凝縮部(1A)の上方に設けられた過冷却部(1B)と、長手方向を上下方向に向けた状態で凝縮部(1A)と過冷却部(1B)との間に設けられ、かつ気液分離機能を有するタンク状受液器(2)とを備えている。
【0022】
コンデンサ(1)は、幅方向を通風方向に向けるとともに長手方向を左右方向に向けた状態で上下方向に間隔をおいて配置された複数のアルミニウム製扁平状熱交換管(3)と、長手方向を上下方向に向けるとともに左右方向に間隔をおいて配置され、かつ熱交換管(3)の長手方向両端部がろう付により接続された2つのアルミニウム製ヘッダタンク(4)(5)と、隣り合う熱交換管(3)どうしの間および上下両端の熱交換管(3)の外側に配置されて熱交換管(3)にろう付されたアルミニウム製コルゲートフィン(6)と、上下両端のコルゲートフィン(6)の外側に配置されてコルゲートフィン(6)にろう付されたアルミニウム製サイドプレート(7)とを備えている。
【0023】
コンデンサ(1)の凝縮部(1A)には、上下に連続して並んだ複数の熱交換管(3)からなる少なくとも1つ、ここでは1つの熱交換パス(P1)が設けられている。また、コンデンサ(1)の過冷却部(1B)には、上下に連続して並んだ複数の熱交換管(3)からなる少なくとも1つ、ここでは1つの熱交換パス(P2)が設けられている。そして、各熱交換パス(P1)(P2)を構成する全ての熱交換管(3)の冷媒流れ方向が同一となっているとともに、隣り合う2つの熱交換パスの熱交換管(3)の冷媒流れ方向が異なっている。ここで、凝縮部(1A)の熱交換パス(P1)を第1熱交換パスといい、過冷却部(1B)の熱交換パス(P2)を第2熱交換パスというものとする。
【0024】
両ヘッダタンク(4)(5)内は、それぞれ第1熱交換パス(P1)と第2熱交換パス(P2)との間の高さ位置に設けられたアルミニウム製仕切部材(8)(9)により上下方向に並んだ2つの区画(4a)(4b)(5a)(5b)に仕切られており、コンデンサ(1)における両仕切部材(8)(9)よりも下方に位置する部分が凝縮部(1A)となり、両仕切部材(8)(9)よりも上方に位置する部分が過冷却部(1B)となっている。
【0025】
右側ヘッダタンク(4)における仕切部材(8)よりも下方の区画(4a)は、第1熱交換パス(P1)の熱交換管(3)の冷媒流れ方向上流側端部が通じる凝縮部入口ヘッダ部(11)となっており、同じく上方の区画(4b)は、第2熱交換パス(P2)の熱交換管(3)の冷媒流れ方向下流側端部が通じる過冷却部出口ヘッダ部(12)となっている。また、左側ヘッダタンク(5)における仕切部材(9)よりも下方の区画(5a)は、第1熱交換パス(P1)の熱交換管(3)の冷媒流れ方向下流側端部が通じる凝縮部出口ヘッダ部(13)となっており、同じく上方の区画(5b)は、第2熱交換パス(P2)の熱交換管(3)の冷媒流れ方向上流側端部が通じる過冷却部入口ヘッダ部(14)となっている。
【0026】
右側ヘッダタンク(4)の凝縮部入口ヘッダ部(11)の上下方向の中間部に冷媒入口(15)が形成され、右側ヘッダタンク(4)に冷媒入口(15)に通じるアルミニウム製冷媒入口部材(16)が接合されている。また、右側ヘッダタンク(4)の過冷却部出口ヘッダ部(12)に冷媒出口(17)が形成され、右側ヘッダタンク(4)に冷媒出口(17)に通じるアルミニウム製冷媒出口部材(18)が接合されている。左側ヘッダタンク(5)の凝縮部出口ヘッダ部(13)の下端寄りの部分にヘッダ部側冷媒流出口(19)が形成され、同じく過冷却部入口ヘッダ部(14)の下側部分にヘッダ部側冷媒流入口(21)が形成されている。
【0027】
図3図5に示すように、受液器(2)は、下端が閉鎖されるとともに上端が開口した円筒状であり、かつ左側ヘッダタンク(5)に接合された受液器本体(22)と、受液器本体(22)の上端開口を閉鎖する合成樹脂製の円柱状プラグ(23)とを備えている。受液器本体(22)の周壁の下端寄りの部分には、ヘッダ部側冷媒流出口(19)に通じる受液器側冷媒流入口(24)が形成され、同じく両ヘッダタンク(4)(5)の仕切部材(8)(9)よりも上方の高さ位置には、ヘッダ部側冷媒流入口(21)に通じる受液器側冷媒流出口(25)が形成されている。受液器本体(22)の内周面の上端部にはめねじ(22a)が形成されており、プラグ(23)の外周面の上部に形成されたおねじ(23a)が受液器本体(22)のめねじ(22a)にねじ嵌められることにより、受液器本体(22)の上端部にプラグ(23)が着脱自在に取り付けられている。なお、受液器本体(22)の内周面のめねじ(22a)よりも下方の部分と、プラグ(23)の外周面におけるおねじ(23a)よりも下方の部分とがOリング(26)によってシールされている。
【0028】
受液器(2)内における受液器側冷媒流入口(24)と同冷媒流出口(25)との間の高さ位置、たとえば第1熱交換パス(P1)と第2熱交換パス(P2)との間の高さ位置に、受液器(2)内を上下に区画する仕切部材(27)が設けられ、受液器(2)内に、仕切部材(27)よりも下方の受液器側冷媒流入口(24)が通じる第1空間(28)と、仕切部材(27)よりも上方の受液器側冷媒流出口(25)が通じる第2空間(29)とが設けられている。受液器(2)内の第1空間(28)に、下端が第1空間(28)に開口するとともに、上端が第2空間(29)に開口する吸い上げ管(31)が配置されている。また、受液器(2)内の第1空間(28)に、通気性および通液性を有するとともに乾燥剤(32a)が収容され、かつ長手方向が上下方向を向いた乾燥剤バッグ(32)が配置されている。受液器(2)内の第2空間(29)に、吸い上げ管(31)を通って第2空間(29)内に流入する冷媒から異物を除去するフィルタ(33)が配置されている。
【0029】
仕切部材(27)は合成樹脂製の円板状であって、その外周面と受液器(2)の受液器本体(22)の内周面との間がOリング(34)によりシールされている。仕切部材(27)の中心部には第1空間(28)と第2空間(29)とを通じさせる貫通穴(35)が形成されている。また、仕切部材(27)の上面には、フィルタ保持部材(36)が一体に形成されており、フィルタ保持部材(36)にフィルタ(33)が取り付けられている。フィルタ保持部材(36)は、仕切部材(27)の上方に間隔をおいて配置された円板(36a)と、仕切部材(27)の上面における外周縁寄りの部分に存在する1つの円周上に周方向に間隔をおいて設けられ、かつ仕切部材(27)と円板(36a)とを一体に連結する連結部(36b)とからなり、隣り合う連結部(36b)間の隙間を塞ぐようにフィルタ(33)が保持されている。
【0030】
吸い上げ管(31)の上端部は、仕切部材(27)の貫通穴(35)内に挿入されて仕切部材(27)に固定されている。吸い上げ管(31)は、上端から一定の長さを有する短垂直部(31a)と、短垂直部(31a)から下方に向かって受液器本体(22)の径方向外方に傾斜した傾斜部(31b)と、傾斜部(31b)の下端に連なって下方に真っ直ぐに延びる長垂直部(31c)とからなる。長垂直部(31c)の下端開口の周縁が傾斜面上に位置しており、長垂直部(31c)の下端面も当該傾斜面上に位置している。
【0031】
乾燥剤バッグ(32)の外面に、上下方向にのびるとともに上下両端が開口した1つの吸い上げ管挿通用筒状部(37)が一体に設けられている。そして、吸い上げ管(31)の長垂直部(31c)が、乾燥剤バッグ(32)の吸い上げ管挿通用筒状部(37)内に、少なくとも長垂直部(31c)の下端面がすべて吸い上げ管挿通用筒状部(37)から下方に露出するように通されており、吸い上げ管(31)の長垂直部(31c)により乾燥剤バッグ(32)の姿勢が保持されている。
【0032】
コンデンサ(1)は、圧縮機、膨張弁(減圧器)およびエバポレータとともに冷凍サイクルを構成し、カーエアコンとして車両に搭載される。
【0033】
上述した構成のコンデンサ(1)において、圧縮機により圧縮された高温高圧の気相冷媒が、冷媒入口部材(16)および冷媒入口(15)を通って右側ヘッダタンク(4)の凝縮部入口ヘッダ部(11)内に流入し、第1熱交換パス(P1)の熱交換管(3)内を左方に流れる間に凝縮させられて左側ヘッダタンク(5)の凝縮部出口ヘッダ部(13)内に流入する。左側ヘッダタンク(5)の凝縮部出口ヘッダ部(13)内に流入した冷媒は、ヘッダ部側冷媒流出口(19)および受液器側冷媒流入口(24)を通って受液器(2)内の第1空間(28)に入る。
【0034】
冷媒が受液器(2)内の第1空間(28)に流入する際には、乾燥剤バッグ(32)の働きによって、冷媒の勢いにより吸い上げ管(31)が受液器(2)の受液器本体(22)の周壁に直接当たることが阻止され、異音の発生が抑制される。しかも、吸い上げ管(31)によって、受液器(2)内の第1空間(28)に流入してきた冷媒の勢いによる乾燥剤バッグ(32)の動きが抑制されるので、受液器(2)内の第1空間(28)での冷媒の流れがスムーズになる。さらに、乾燥剤バッグ(32)の動きに起因する乾燥剤バッグ(32)内の乾燥剤の粉砕が防止され、その結果異物の発生が防止される。
【0035】
受液器(2)内の第1空間(28)に流入した冷媒は気液混相冷媒であり、当該気液混相冷媒のうち液相主体混相冷媒は重力により受液器(2)内の下部に溜まる。また、受液器(2)内において、冷媒が乾燥剤バッグ(32)内の乾燥剤と接触することにより、冷媒中の水分が除去される。受液器(2)内の下部に溜まった液相主体混相冷媒は、下端開口を通って吸い上げ管(31)内に入り、吸い上げ管(31)を通って第2空間(29)内に流入する。吸い上げ管(31)を通って第2空間(29)内に流入する冷媒に異物が含まれている場合、当該異物はフィルタ(33)により除去される。
【0036】
受液器(2)内の第2空間(29)に流入した液相主体混相冷媒は、受液器側冷媒流出口(25)およびヘッダ部側冷媒流入口(21)を通って左側ヘッダタンク(5)の過冷却部入口ヘッダ部(14)内に入る。
【0037】
左側ヘッダタンク(5)の過冷却部入口ヘッダ部(14)内に入った冷媒は、第2熱交換パス(P2)の熱交換管(3)内を右方に流れる間に過冷却された後、右側ヘッダタンク(4)の過冷却部出口ヘッダ部(12)内に入り、冷媒出口(17)および冷媒出口部材(18)を通って流出し、膨張弁を経てエバポレータに送られる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
この発明によるコンデンサは、自動車に搭載されるカーエアコンに好適に用いられる。
【符号の説明】
【0039】
(1):コンデンサ
(1A):凝縮部
(1B):過冷却部
(2):受液器
(3):熱交換管
(24):受液器側冷媒流入口
(25):受液器側冷媒流出口
(27):仕切部材
(28):第1空間
(29):第2空間
(31):吸い上げ管
(32):乾燥剤バッグ
(33):フィルタ
(35):貫通穴
(36):フィルタ保持部材
(37):吸い上げ管挿通用筒状部
(P1)(P2):熱交換パス
図1
図2
図3
図4
図5